JP5990017B2 - サーマルプリントヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、サーマルプリントヘッドおよびその製造方法に関する。
サーマルプリントヘッドは、主走査方向に配列された複数の抵抗体を発熱させ、その熱により感熱記録紙などの被印刷媒体に文字や図形などの画像を形成する出力用デバイスである。このサーマルプリントヘッドは、バーコードプリンタ、デジタル製版機、ビデオプリンター、イメージャー、シールプリンターなどの記録機器に広く利用されている。
一般的なサーマルプリントヘッドは、放熱板と、放熱板に取り付けられた発熱体板と、発熱体板と同じ側で放熱板に取り付けられた回路基板とを備えている。この発熱体板の放熱板と相対する表面の反対側の表面の帯状に延びる発熱領域には、発熱抵抗体が所定の間隔で直線状に配列されている。また、発熱体を駆動する駆動回路の一部となるドライバICは、たとえば発熱体板に搭載されている。ドライバICを保護するために、カバーを設ける場合もある(たとえば特許文献1参照)。
このようなサーマルプリントヘッドを用いたプリンタは、一般的に、所定の弾性を持つ材料で円筒状に形成されたプラテンローラを備えている。このプラテンローラは、主走査方向を軸として、その側面が発熱体板上の発熱領域に接するように配置され、その軸を中心に回転可能に設けられる。プラテンローラの回転によって、プラテンローラと発熱領域の間に挿入された媒体は、主走査方向に垂直な副走査方向に移動する。プラテンローラによって媒体を発熱領域に押し付けつつ、その媒体を副走査方向に移動させ、発熱領域の発熱パターンを媒体の移動とともに変化させることにより、所望の画像を被印刷媒体上に形成する。
被印刷媒体は、サーマルプリントヘッドの表面と接触しながら移動するため、静電気が帯電する場合がある。静電気の帯電は、被印刷媒体の搬送を阻害したり、サーマルプリントヘッド表面の保護膜の絶縁を破壊する場合がある。そこで、たとえば特許文献2には、発熱体板の絶縁性の保護膜の表面に、さらに導電性保護膜を設ける方法が開示されている。保護膜の材料としては、たとえばSiNが用いられる。除電膜の材料としては、たとえばTa−Si−Oが用いられる。
特願平5−169699号公報 特願2001−47652号公報
サーマルプリントヘッドの除電膜は、その下層の保護膜に比べて耐摩耗性が低い。たとえば除電膜の摩耗は、保護膜に比べて5〜20倍速い。
サーマルプリントヘッドは、絶縁基板の表面に抵抗体層および電極層を積層し、その表面に保護膜を形成している。このため、保護膜の表面には、抵抗体層および電極層の厚さに対応した凹凸が形成される。除電膜は、保護膜の表面にほぼ一様の厚さで形成され、表面には保護膜と同様の凹凸が生じる。
このため、除電膜は、サーマル使用開始後の初期に、抵抗体層および電極層に対応する位置の突部で消失する。その後、比較的ゆっくりと、抵抗体層および電極層の厚さに対応した突部の保護膜が消失していく。突部の保護膜の消失に伴って、保護膜の突部の間の除電膜も消失していく。保護膜の抵抗体層および電極層の厚さに対応した突部が摩耗した時点で、保護膜表面に存在していた除電膜が全て消失し、除電膜の静電気除去効果が喪失される。
そこで、本発明は、サーマルプリントヘッドの表面の除電効果を長期間維持させることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、サーマルプリントヘッドにおいて、絶縁基板と、間隔を置いて配列された複数の発熱抵抗体とそれぞれの前記発熱抵抗体の両端に接続された複数の電極とを含み前記絶縁基板の表面に設けられた発熱配線と、前記絶縁基板および前記発熱配線を覆い隣り合う前記発熱配線の間に対応する部分に前記絶縁基板からの距離が最も遠い部分からの深さが前記発熱配線の厚さを超える溝が形成された保護膜と、前記保護膜の表面に設けられた電気導電性の除電膜と、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、サーマルプリントヘッドの製造方法において、絶縁基板の表面に間隔を置いて配列された複数の発熱抵抗体とそれぞれの前記発熱抵抗体の両端に接続された複数の電極とを含む発熱配線を形成するパターニング工程と、前記パターニング工程の後に前記絶縁基板および前記発熱配線を覆う保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記保護膜形成工程の後に前記保護膜の前記発熱配線を覆い隣り合う前記発熱配線の間に対応する部分に前記絶縁基板からの距離が最も遠い部分からの深さが前記発熱配線の厚さを超える溝を形成する溝形成工程と、前記溝形成工程の後に前記保護膜の表面に電気導電性の除電膜を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、サーマルプリントヘッドの表面の除電効果を長期間維持させることができる。
本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態におけるヘッド基板の図2および図3におけるI−I矢視断面図である。 図1および図3のII−II矢視断面図である。 図1および図2のIII−III矢視断面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の一部切欠き平面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の発熱体板の製造方法を示すフローチャートである。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態を用いたサーマルプリンタの断面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態のヘッド基板の摩耗が進んだ状態を示す断面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態のヘッド基板の摩耗が進んだ状態を示す平面図である。
本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。
図1は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態におけるヘッド基板の図2および図3におけるI−I矢視断面図である。図2は、図1および図3のII−II矢視断面図である。図3は、図1および図2のIII−III矢視断面図である。図4は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの一部切欠き平面図である。
本実施の形態のサーマルプリントヘッド11は、放熱板30と回路基板40とヘッド基板20とを有している。放熱板30は、たとえばアルミニウム(Al)製の板である。回路基板40は、ヘッド基板20を駆動するための駆動回路の一部が搭載された板である。回路基板40には、IC(Integrated Circuit)である駆動素子42が搭載される。駆動素子42とヘッド基板20との間は、ボンディングワイヤー44で接続されている。ボンディングワイヤー44および駆動素子42などは、樹脂48で封止されている。
ヘッド基板20は、セラミック基板22およびグレーズ層25からなる絶縁基板と、その絶縁基板の表面に積層された抵抗体層27および電極層28からなる配線と、保護膜23と、除電膜29とを有している。セラミック基板22は、たとえばアルミナ(Al)製の長方形の板である。グレーズ層25は、セラミック基板22の一方の表面に融着した、ガラスの層である。
グレーズ層25の表面には、抵抗体層27と抵抗体層27よりも電気抵抗が小さい電極層28とが積層されている。抵抗体層27および電極層28は、それぞれ所定のパターンにパターニングされる。このパターニングにより、抵抗体層27には、発熱抵抗体26が形成される。発熱抵抗体26は、ヘッド基板20の長手方向(主走査方向)に間隔を置いて配列され、主走査方向に延びる発熱領域24を形成する。電極層28には、折返し電極72および電極71が形成される。折返し電極72は、隣り合う2つの発熱抵抗体26のヘッド基板20の長辺に隣接する端部同士を接続している。電極71は、ヘッド基板20の長辺から遠い方の発熱抵抗体26の端部からヘッド基板20の短手方向(副走査方向)に互いに平行に延びている。
発熱抵抗体26、折返し電極72および電極71以外の部分では、抵抗体層27および電極層28は除去されており、グレーズ層25が露出していることとなる。この露出したグレーズ層25並びに発熱抵抗体26、折返し電極72および電極71を覆うように保護膜23が形成される。電極71の端部は、回路基板40あるいは駆動素子42との接続のために保護膜23で覆われずに露出している。
保護膜23の表面には、抵抗体層27および電極層28に対応した形状の突部81が形成されている。つまり、保護膜23の表面の突部81は、発熱抵抗体26、折返し電極72および電極71を覆う部分に形成されている。発熱抵抗体26の部分には、電極層28が存在しないため、保護膜23の表面の突部81の発熱抵抗体26を覆う部分は、折返し電極72および電極71が存在する部分より突出高さが低くなっている。
保護膜23の表面の突部81の間には、窪み部82が形成されている。窪み部82の深さは、抵抗体層27および電極層28からなる発熱配線の厚さと実質的に同じである。この窪み部82の底には、電極71と平行に延びる溝83が形成されている。したがって、保護膜23のグレーズ層25の表面からの距離が最も遠い部分からの溝83の深さは、発熱配線の厚さを超える。
折返し電極72が存在しない部分では、溝83は、隣り合う折返し電極72の間を通過してヘッド基板20の長辺まで延びている。溝83の深さは、たとえば保護膜23の厚さと同等であり、溝83の底はグレーズ層25の表面に達している。保護膜23の表面には、窪み部82に形成された溝83部分を含め、除電膜29が形成されている。
除電膜29は、たとえば回路基板40の接地電位となる部分とボンディングワイヤーで電気的に接続される。
図5は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドの発熱体板の製造方法を示すフローチャートである。
まず、たとえば厚さが約1mmのセラミック基板22の表面に厚さが約40μmのグレーズ層25を被着させる。セラミック基板22は、たとえばアルミナ(Al)、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)などで形成される。グレーズ層25は、たとえば耐熱ガラスなどで形成される。グレーズ層25は、たとえばガラスペーストをセラミック基板22の表面にスクリーン印刷などによって塗布し、その後、焼成することによって形成される。
このようにして形成された絶縁基板の表面に、タンタル(Ta)などがドーピングされたSiOの抵抗体層27がスパッタリング法などによって形成される(S1)。さらに、抵抗体層23の表面にアルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、あるいはこれらを主成分とする合金、あるいはこれらの金属または合金の積層体である電極層28をスパッタリング法などによって積層する(S2)。抵抗体層27および電極層28を積層した厚さは、たとえば1μm程度である。
次に、抵抗体層27および電極層28をパターニングする(S3)。パターニングでは、まず、電極層28の全面にフォトレジスト膜を塗布した後、そのフォトレジスト膜上に第1のマスクパターンを配置する。その状態で、フォトレジスト膜を露光し、現像することによって、第1のマスクパターンをフォトレジスト膜に転写する。第1のマスクパターンが転写されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとし電極層28をリン酸などによってウェットエッチングしてパターニングする。これにより、電極層28が所定の形状にパターニングされる。
その後、残存した電極層28および抵抗体層27の表面に、第2のマスクパターンを配置する。この第2のマスクパターンは、発熱抵抗体26の形状を決めるためのパターンである。第2のマスクパターンには、発熱抵抗体26およびその両端部に接続された電極7,7の間の副走査方向に延びる空隙と、発熱抵抗体26の中央部のスリット74とに対応する形状が規定されている。
第2のマスクパターンを配置した状態で、フォトレジスト膜を露光し、現像することによって、第2のマスクパターンがフォトレジスト膜に転写される。その後、第2のマスクパターンが転写されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、抵抗体層23をケミカルドライエッチング(CDE)や反応性イオンエッチング(RIE)などによりドライエッチングする。これにより、抵抗体層27が所定の形状にパターニングされる。発熱抵抗体26および電極71の幅は、たとえば10μm程度である。電極71間の距離は、たとえば10μm程度である。
このようにして、電極層28および抵抗体層27が所定の形状にパターニングされた後、電極層28、抵抗体層23および露出したグレーズ層25を覆うように、除電膜29に比べて高い耐酸化性および耐摩耗性を有する保護膜23を積層する(S4)。保護膜23は、たとえばSiOやSiONなどで形成される。保護膜23の厚さは、たとえば10μm程度である。
次に、保護膜23の窪み部82に溝83を形成する(S5)。溝83の形成では、まず、保護膜23の表面にフォトレジスト膜を塗布した後、そのフォトレジスト膜上に第3のマスクパターンを配置する。その状態で、フォトレジスト膜を露光し、現像することによって、第3のマスクパターンをフォトレジスト膜に転写する。第3のマスクパターンは、保護膜23の窪み部82に形成される溝83に対応した形状である。
その後、第3のマスクパターンが転写されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、保護膜23をケミカルドライエッチング(CDE)や反応性イオンエッチング(RIE)などによりドライエッチングする。これにより、保護膜23の窪み部82に溝83が形成される。溝83の幅は、たとえば5μmである。
窪み部82に溝83が形成された保護膜23の表面に、抵抗体層27と同じ材料で除電膜29がスパッタリング法などによって形成される(S6)。除電膜29として、抵抗体層27と同じ材料を用いると、スパッタリングターゲット、スパッタリング条件などを抵抗体層27の形成とあまり変更することなく形成することができるが、他の導電性材料を用いてもよい。また、塗布により除電膜29を形成してもよい。
このようにして、ヘッド基板20が完成する。このヘッド基板20および別途製造した回路基板40を、別途製造した放熱板30上で合体する。その後、駆動素子42を回路基板40上に配置し、駆動素子42と電極71との間や、回路基板40上の接地電位となる部分と除電膜29との間に、ボンディングワイヤー44を架け渡す。さらに、ボンディングワイヤー44などを樹脂48で封止することによって、サーマルプリントヘッド11が完成する。
図6は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタの断面図である。
このサーマルプリンタは、サーマルプリントヘッド10と、プラテンローラ0を有している。プラテンローラ0は、発熱領域24に平行な軸を持つ所定の弾性を持つ材料で形成された円柱である。プラテンローラ0の側面は、ヘッド基0の発熱領域24に押しつけられている。プラテンローラ0とヘッド基0との間には、感熱記録媒体6が挟まれる。
駆動素子42によって発熱抵抗体26が所定のパターンで発熱されることによって、その所定のパターンに応じて感熱記録媒体6が発色する。また、感熱記録媒体6が所定のパターンに対応して発色した後、プラテンローラ0によって、副走査方向に送りだされる。この操作を順次行うことにより、感熱記録媒体6上に所定の画像が形成される。
感熱記録媒体6が発熱領域24の近傍でヘッド基板20に押し付けながら移動することにより、ヘッド基板20の最表層が摩耗していく。まず、使用開始直後は、保護膜23の表面の突部81上に形成された除電膜29が最も突出した状態であるので、その部分の除電膜29が摩耗により消失する。
さらにサーマルプリントヘッド11を使用することにより、除電膜29の消失により最表層に現れた保護膜23の突部81も、その速度はゆっくりであるが、摩耗により消失していく。保護膜23の突部81の消失に伴い、窪み部82に形成された除電膜29も、グレーズ層25表面からの距離が保護膜23と同じになるように摩耗して消失していく。この摩耗による消失が進むと、保護膜23の突部81が完全に消失し、保護膜23の最表面のグレーズ層25表面からの距離が、窪み部82と同じになる。
図7は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドのヘッド基板の摩耗が進んだ状態を示す断面図である。図8は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドのヘッド基板の摩耗が進んだ状態を示す平面図である。
保護膜23の摩耗による消失が進み突部81が完全に消失した場合、保護膜23に溝83が形成されていない場合には、除電膜が完全に消失することになる。しかし、本実施の形態では、保護膜23の窪み部82に溝83が形成されており、その溝83の内部に除電膜29が埋め込まれた状態となっている。また、この溝83に埋め込まれた状態の除電膜29は、その両側の保護膜23によって、被印刷媒体6との接触が抑制される。このため、保護膜23の摩耗による消失が進み突部81が完全に消失したとしても、除電膜29が残存することになる。
この残存する除電膜29は、それぞれの電極71の間に副走査方向に延びていることになる。特に、プラテンローラ0との接触圧が最も高く、摩耗が最も顕著な発熱領域24近傍においても、発熱抵抗体26と同じピッチで除電膜29が残存することになるため、十分な除電性能が得られる。
除電膜29が埋め込まれる保護膜23の溝83の深さが深いほど、除電効果が長期間にわたって持続することになる。但し、保護膜23の摩耗が進み、電極71が露出するようになると、もはやサーマルプリントヘッド11としては用いることができなくなる。したがって、保護膜23の溝83の底とグレーズ層25の表面との距離が、抵抗体層27および電極層28の厚さより小さければ、除電膜29の消失がサーマルプリントヘッド11の寿命を決定する因子とはならなくなる。
しかし、溝83の深さが深いほど、つまり、その溝83により厚く除電膜29を形成するほど製造が困難になるため、製造上の観点からは、保護膜23の溝83の底とグレーズ層25の表面との距離は大きい方が好ましい。よって、保護膜23の溝83の底とグレーズ層25の表面との距離は、抵抗体層27および電極層28の厚さ以下であることが好ましい。
このように本実施の形態によれば、サーマルプリントヘッドの表面の除電効果を長期間維持させることができる。その結果、サーマルプリントヘッド11の表面に帯電した静電気によって発生する発熱抵抗体26や電極71などの破壊が抑制される。このため、サーマルプリントヘッド11の健全性を長期間維持することができる。
また、除電効果の維持期間は、除電膜29の耐摩耗性ではなく、保護膜23の耐摩耗性に依存することとなるため、除電膜29として耐摩耗性が低い材料を用いることができる。たとえば除電膜29として、抵抗体層27よりも耐摩耗性が低い、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、チタン(Ti)、炭素(C)などの抵抗体層27よりも電気抵抗が小さい材料を用いることができる。電気抵抗がより小さい材料を除電膜29に用いることにより、除電性能が向上する。
除電膜29に純金属や単一元素材料を用いるとスパッタリングなどが容易になる。さらに、除電膜29に電極層28と同じ材料を用いると、スパッタリングターゲット、スパッタリング条件などを電極層28の形成とあまり変更することなく形成することができる。
11…サーマルプリントヘッド、20…ヘッド基板、22…セラミック基板、23…保護膜、24…発熱領域、25…グレーズ層、26…発熱抵抗体、27…抵抗体層、28…電極層、29…除電膜、30…放熱板、40…回路基板、42…駆動素子、44…ボンディングワイヤー、48…樹脂、60…プラテンローラ、62…感熱記録媒体、71…電極、72…折返し電極、81…突部、82…窪み部、83…溝

Claims (7)

  1. 絶縁基板と、
    間隔を置いて配列された複数の発熱抵抗体とそれぞれの前記発熱抵抗体の両端に接続された複数の電極とを含み前記絶縁基板の表面に設けられた発熱配線と、
    前記絶縁基板および前記発熱配線を覆い隣り合う前記発熱配線の間に対応する部分に前記絶縁基板からの距離が最も遠い部分からの深さが前記発熱配線の厚さを超える溝が形成された保護膜と、
    前記保護膜の表面に設けられた電気導電性の除電膜と、
    を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 前記保護膜の表面の前記絶縁基板および前記発熱配線を覆い隣り合う前記発熱配線の間に対応する部分に窪み部が形成されており、前記溝は前記窪み部の底部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 前記溝の底と前記絶縁基板の表面との距離は前記発熱配線の厚さ以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
  4. 前記除電膜は前記発熱抵抗体よりも電気抵抗が小さい材料で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のサーマルプリントヘッド。
  5. 前記除電膜は前記電極と同じ材料で形成されていることを特徴とする請求項4に記載のサーマルプリントヘッド。
  6. 前記除電膜は純金属および単一元素材料で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のサーマルプリントヘッド。
  7. 絶縁基板の表面に間隔を置いて配列された複数の発熱抵抗体とそれぞれの前記発熱抵抗体の両端に接続された複数の電極とを含む発熱配線を形成するパターニング工程と、
    前記パターニング工程の後に前記絶縁基板および前記発熱配線を覆う保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記保護膜形成工程の後に前記保護膜の前記発熱配線を覆い隣り合う前記発熱配線の間に対応する部分に前記絶縁基板からの距離が最も遠い部分からの深さが前記発熱配線の厚さを超える溝を形成する溝形成工程と、
    前記溝形成工程の後に前記保護膜の表面に電気導電性の除電膜を形成する工程と、
    を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方法。
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