JP2830091B2 - 高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法 - Google Patents
高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鉄骨建築物に用いられる鋼材に係わり、特に
火災等の罹災時において鋼材の温度が上昇しても弾性率
の低下が少ないベイナイト組織からなる鉄骨建築用鋼材
の製造方法に関する。
火災等の罹災時において鋼材の温度が上昇しても弾性率
の低下が少ないベイナイト組織からなる鉄骨建築用鋼材
の製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、超高層ビルをはじめとする鉄骨建築物が益々増
加する傾向にある。これは鉄骨が大型の構造物を造るの
に適していること、および柱や梁を小さくすることがで
きるので、居住面積を大きくとることができるなどの利
点を有するからである。
加する傾向にある。これは鉄骨が大型の構造物を造るの
に適していること、および柱や梁を小さくすることがで
きるので、居住面積を大きくとることができるなどの利
点を有するからである。
従来、鉄骨建築物には例えばJIS G3101 SS41、同G310
6 SM50で規定されている鋼材が使用されており、これら
の鋼材は圧延のまま或いは圧延後に焼準処理して製造さ
れている。また、最近では、圧延後に加速冷却を施して
製造される場合もあり、従来のもの(SM50R、SM50N)に
対してSM50TMCと称されている。
6 SM50で規定されている鋼材が使用されており、これら
の鋼材は圧延のまま或いは圧延後に焼準処理して製造さ
れている。また、最近では、圧延後に加速冷却を施して
製造される場合もあり、従来のもの(SM50R、SM50N)に
対してSM50TMCと称されている。
ところで、このような鉄骨建築物用の鋼材について
は、これまで建築基準法により耐火工法が一律に厳しく
定められていたが、昭和57〜61年の建設省総合技術開発
プロジェクト「建築物の防火設計法の開発」の成果によ
り、火災時の構造安定性が数値シミュレーション及び実
験で確認できれば耐火物の被覆厚さを薄くすること、も
しくは耐火物を被覆することなく使用することが可能と
なり、耐火工法の自由度が大幅に拡大された。
は、これまで建築基準法により耐火工法が一律に厳しく
定められていたが、昭和57〜61年の建設省総合技術開発
プロジェクト「建築物の防火設計法の開発」の成果によ
り、火災時の構造安定性が数値シミュレーション及び実
験で確認できれば耐火物の被覆厚さを薄くすること、も
しくは耐火物を被覆することなく使用することが可能と
なり、耐火工法の自由度が大幅に拡大された。
しかし、鉄骨建築物用として現在用いられている前記
の鋼材では、火災時に高温にさらされると、例えば鋼材
温度が600℃を超える高温になると強度が著しく低下
し、火災時の構造安定性を保証することができないた
め、実際には耐火物を被覆する、ロックウールなどを鋼
材表面に吹き付けることで火災時における温度上昇を防
いでいる。
の鋼材では、火災時に高温にさらされると、例えば鋼材
温度が600℃を超える高温になると強度が著しく低下
し、火災時の構造安定性を保証することができないた
め、実際には耐火物を被覆する、ロックウールなどを鋼
材表面に吹き付けることで火災時における温度上昇を防
いでいる。
このロックウールを吹き付ける耐火工法は、安価にで
きる利点があるものの、建築現場では吹き付け時の飛散
を防止するための養生シートをめぐらして被覆作業を施
す必要があり、後期の延長につながるばかりでなく、周
囲の環境を損ねるといった施工上の問題がある。
きる利点があるものの、建築現場では吹き付け時の飛散
を防止するための養生シートをめぐらして被覆作業を施
す必要があり、後期の延長につながるばかりでなく、周
囲の環境を損ねるといった施工上の問題がある。
他方、ロックウールに代えて耐火ボードを用いて鋼材
表面を被覆する方法もあるが、耐火ボードでは鋼材の端
面が露出するので、端面を何らかの方法で被覆してやる
必要がある。また、耐火ボードは高価である。
表面を被覆する方法もあるが、耐火ボードでは鋼材の端
面が露出するので、端面を何らかの方法で被覆してやる
必要がある。また、耐火ボードは高価である。
このようなことから火災時に高温にさらされても強度
の低下しない鋼材、即ち、耐火物の被覆を軽減或いは省
略することができる高温強度に優れた鋼材の開発が望ま
れている。しかし、単に高温強度に優れているだけでは
鉄骨用建築物の構造用部材として使用するには問題があ
る。鉄骨建築用鋼材は柱や梁にも使用されるので、高温
において柱や梁が座屈しない性能が必要であり、また優
れた溶接性も必須である。
の低下しない鋼材、即ち、耐火物の被覆を軽減或いは省
略することができる高温強度に優れた鋼材の開発が望ま
れている。しかし、単に高温強度に優れているだけでは
鉄骨用建築物の構造用部材として使用するには問題があ
る。鉄骨建築用鋼材は柱や梁にも使用されるので、高温
において柱や梁が座屈しない性能が必要であり、また優
れた溶接性も必須である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の課題は、耐火物の被覆を軽減或いは省略する
ことができる高温での強度に優れ、且つ座屈の発生を抑
えるのに有効な高温における弾性率の低下が少ない、し
かも溶接性にも優れた鉄骨建築用鋼材の製造方法を得る
ことにある。
ことができる高温での強度に優れ、且つ座屈の発生を抑
えるのに有効な高温における弾性率の低下が少ない、し
かも溶接性にも優れた鉄骨建築用鋼材の製造方法を得る
ことにある。
具体的には、本発明の目的は室温での機械的性質が従
来使用されている鋼材、例えばJIS G3101 SS41、同G310
6 SM50で規定する鋼材と同等の性能を有し、しかも600
℃における機械的性質が室温における目標値の7割以
上、弾性率が15000kgf/mm2以上の性能を有する鉄骨建築
用鋼材を製造することができる方法を提供することにあ
る。
来使用されている鋼材、例えばJIS G3101 SS41、同G310
6 SM50で規定する鋼材と同等の性能を有し、しかも600
℃における機械的性質が室温における目標値の7割以
上、弾性率が15000kgf/mm2以上の性能を有する鉄骨建築
用鋼材を製造することができる方法を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記特性は満足する鉄骨建築用鋼材
は、素材鋼の添加合金成分を適性に選び、熱間圧延を含
む熱処理条件を調整して鋼材の組織を適正化すれば製造
できることを見出した。即ち、 (a)CrおよびMoは高温における強度および弾性率を上
昇させるには有効である。また、Nb、V、Cu、Ni、Ti、
Bも強度および弾性率の一方又は両方を上昇させる。
は、素材鋼の添加合金成分を適性に選び、熱間圧延を含
む熱処理条件を調整して鋼材の組織を適正化すれば製造
できることを見出した。即ち、 (a)CrおよびMoは高温における強度および弾性率を上
昇させるには有効である。また、Nb、V、Cu、Ni、Ti、
Bも強度および弾性率の一方又は両方を上昇させる。
(b)しかし、これら成分を多量に添加すると室温での
強度が著しく上昇し、現行のSS41あるいはSM50で規定す
る強度範囲の上限を超えてしまう。また、炭素当量を著
しく高めて溶接割れ感受性を高めるので適正な範囲内で
添加する必要がある。
強度が著しく上昇し、現行のSS41あるいはSM50で規定す
る強度範囲の上限を超えてしまう。また、炭素当量を著
しく高めて溶接割れ感受性を高めるので適正な範囲内で
添加する必要がある。
(c)高温での強度と弾性率をともに確保するために
は、添加合金成分の調整だけでは不十分であり、熱間圧
延を含む熱処理条件を調整して鋼材の組織を適正化し、
フェライトや室温強度の過大な上昇をもたらすマルテン
サイトの導入を抑え、組織をベイナイト化するのが有効
である。
は、添加合金成分の調整だけでは不十分であり、熱間圧
延を含む熱処理条件を調整して鋼材の組織を適正化し、
フェライトや室温強度の過大な上昇をもたらすマルテン
サイトの導入を抑え、組織をベイナイト化するのが有効
である。
本発明は、上記の知見により完成したものであって、
その要旨は下記の(i)〜(ii)にある。
その要旨は下記の(i)〜(ii)にある。
(i)重量%で、 C:0.03〜0.15%、Si:0.05〜0.90%、 Mn:0.30〜2.00%、P:0.005〜0.050%、 Cr:0.10〜2.00%、Mo:0.05〜0.70%、 Sol.Al:0.005〜0.10%、 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、且つ下
記式で示すPCMが0.30%以下である鋼、又は、上記成
分に加えてさらに0.005〜0.080%のNb、0.005〜0.15%
のV、0.10〜0.50%のCu、0.10〜0.50%のNi、0.005〜
0.06%のTi、0.00015〜0.0030%のBの中から選ばれた
1種以上を含有し、残部がFe及び不可避不純物からな
り、且つ下記式で示すPCMが0.30%以下である鋼を、1
000℃以上1250℃以下の温度域で加熱後、再結晶温度域
で30%以上の圧下率で圧延を行うとともに下記式で示
すAr3変態点以上の温度域で圧延を終了し、空冷するこ
とを特徴とする高温での弾性率低下の少ないベイナイト
組織からなる鉄骨建築用鋼材の製造方法。
記式で示すPCMが0.30%以下である鋼、又は、上記成
分に加えてさらに0.005〜0.080%のNb、0.005〜0.15%
のV、0.10〜0.50%のCu、0.10〜0.50%のNi、0.005〜
0.06%のTi、0.00015〜0.0030%のBの中から選ばれた
1種以上を含有し、残部がFe及び不可避不純物からな
り、且つ下記式で示すPCMが0.30%以下である鋼を、1
000℃以上1250℃以下の温度域で加熱後、再結晶温度域
で30%以上の圧下率で圧延を行うとともに下記式で示
すAr3変態点以上の温度域で圧延を終了し、空冷するこ
とを特徴とする高温での弾性率低下の少ないベイナイト
組織からなる鉄骨建築用鋼材の製造方法。
PCM(%)=C+(1/30)Si+(1/20)Mn+(1/20)Cu +(1/60)Ni+(1/20)Cr+(1/15)Mo +(1/10)V+5B …… Ar3(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−55Ni +0.35(t−8) …… ここで、上記および式中の元素はその含有量(重
量%)を表し、式中のtは板厚(mm)である。
量%)を表し、式中のtは板厚(mm)である。
(ii)上記(i)記載の鋼を1000℃以上1250℃以下の温
度域で加熱後、再結晶温度域で30%以上の圧下率で圧延
を行うとともに上記式で示すAr3変態点以上の温度域
で圧延を終了し、次いで、空冷後Ac1変態点以下の温度
域で焼き戻すことを特徴とする高温での弾性率低下の少
ないベイナイト組織からなる鉄骨建築用鋼材の製造方
法。
度域で加熱後、再結晶温度域で30%以上の圧下率で圧延
を行うとともに上記式で示すAr3変態点以上の温度域
で圧延を終了し、次いで、空冷後Ac1変態点以下の温度
域で焼き戻すことを特徴とする高温での弾性率低下の少
ないベイナイト組織からなる鉄骨建築用鋼材の製造方
法。
(作用) 以下、本発明について詳細に説明する。
まず、素材鋼の成分およびPCMを前記のように限定す
る理由のその成分の作用効果とともに説明する。
る理由のその成分の作用効果とともに説明する。
なお、成分含有量の「%」は全て「重量%」である。
C:0.03〜0.15% Cは強度を得るために必要な元素である。所望の強度
を確保するためには0.03%以上含有させる必要がある。
しかし、必要以上の添加は溶接硬化性や溶接割れ感受性
を高めるので、含有量の上限は0.15%とする。
を確保するためには0.03%以上含有させる必要がある。
しかし、必要以上の添加は溶接硬化性や溶接割れ感受性
を高めるので、含有量の上限は0.15%とする。
Si:0.05〜0.09 Siは製鋼時の脱酸剤として使用されるだけでなく、常
温および高温における強度を確保するのに有効な元素で
ある。しかし、0.05%より少ないとこれらの効果が小さ
く、0.90%を超えて含有すると靭性が大幅に低下するの
で、0.05〜0.90%の含有量とする。
温および高温における強度を確保するのに有効な元素で
ある。しかし、0.05%より少ないとこれらの効果が小さ
く、0.90%を超えて含有すると靭性が大幅に低下するの
で、0.05〜0.90%の含有量とする。
Mn:0.30〜2.00% Mnは強度および靭性を高める効果がある。しかし、0.
30%未満では前記効果が小さく、2.00%を超えて含有す
ると強度および靭性の向上効果が飽和し、且つ溶接割れ
感受性が著しく高くなるので、0.30〜2.00%の含有量と
する。
30%未満では前記効果が小さく、2.00%を超えて含有す
ると強度および靭性の向上効果が飽和し、且つ溶接割れ
感受性が著しく高くなるので、0.30〜2.00%の含有量と
する。
P:0.005〜0.050% Pは不可避不純物として鋼中に含まれる元素である
が、歪時効硬化特性を有するため高温域での強度を上昇
させる効果がある。この効果は0.005%から現れるが、
0.050%を超えて含有すると溶接割れ感受性が高くなる
ので、0.005〜0.050%の含有量とする。
が、歪時効硬化特性を有するため高温域での強度を上昇
させる効果がある。この効果は0.005%から現れるが、
0.050%を超えて含有すると溶接割れ感受性が高くなる
ので、0.005〜0.050%の含有量とする。
Cr:0.10〜2.00% Crは組織のベイナイト化に寄与し、高温における強度
および弾性率を高める作用がある。この効果は特に適正
量のMoとの複合添加によって明瞭となる。しかし、0.10
%より少ないとこれらの効果が小さく、一方、2.00%を
超えて含有しても効果が飽和し、製造コストのみが上昇
するので、0.10〜2.00%の含有量とする。
および弾性率を高める作用がある。この効果は特に適正
量のMoとの複合添加によって明瞭となる。しかし、0.10
%より少ないとこれらの効果が小さく、一方、2.00%を
超えて含有しても効果が飽和し、製造コストのみが上昇
するので、0.10〜2.00%の含有量とする。
Mn:0.05〜0.70% MoもCrと同じく組織のベイナイト化に寄与し、高温に
おける強度および弾性率を高める作用がある。この効果
は特に適正量のCrとの複合添加によって明瞭となる。し
かし、0.05%未満では前記効果が小さく、一方、0.70%
を超えて含有すると室温における強度が必要以上に高く
なり、所定範囲内に室温強度を調整しようとすれば、高
温で焼き戻し処理しなければならず、製造コストが上昇
する。従って、Moは0.05〜0.70%の含有量とする。
おける強度および弾性率を高める作用がある。この効果
は特に適正量のCrとの複合添加によって明瞭となる。し
かし、0.05%未満では前記効果が小さく、一方、0.70%
を超えて含有すると室温における強度が必要以上に高く
なり、所定範囲内に室温強度を調整しようとすれば、高
温で焼き戻し処理しなければならず、製造コストが上昇
する。従って、Moは0.05〜0.70%の含有量とする。
Sol.Al:0.005〜0.10% Alは製鋼時に脱酸剤として添加されるとともに組織の
細粒化を通じて靭性を改善する効果がある。しかし、0.
005%未満では前記効果が小さく、0.10%を超えて含有
しても効果が飽和し、経済的に不利となるので、AlはSo
l.Al含有量で0.005%〜0.10%とする。
細粒化を通じて靭性を改善する効果がある。しかし、0.
005%未満では前記効果が小さく、0.10%を超えて含有
しても効果が飽和し、経済的に不利となるので、AlはSo
l.Al含有量で0.005%〜0.10%とする。
なお、残部はFeおよび不可避不純物である。不純物と
してはS、Sn、Sb等があり、これらはできるだけ少ない
方が望ましい。
してはS、Sn、Sb等があり、これらはできるだけ少ない
方が望ましい。
PCM:0.30%以下 PCMは溶接割れ感受性を示す指数である。この値が低
いほぼ溶接予熱温度を低くして割れを生じさせることな
く溶接を行うことができる。このPCMは次式で現され
る。
いほぼ溶接予熱温度を低くして割れを生じさせることな
く溶接を行うことができる。このPCMは次式で現され
る。
PCM(%)=C+(1/30)Si+(1/20)Mn+(1/20)Cu +(1/60)Ni+(1/20)Cr+(1/15)Mo +(1/10)V+5B …… 一般に、鉄骨建築構造物の現場での溶接による組立で
は、溶接時に予熱処理を行うことは実際上不可能であ
る。しかし、PCMが0.30%以下とのなるようにしておけ
ば、予熱なしでも溶接割れを生じさせることなく溶接す
ることができる。
は、溶接時に予熱処理を行うことは実際上不可能であ
る。しかし、PCMが0.30%以下とのなるようにしておけ
ば、予熱なしでも溶接割れを生じさせることなく溶接す
ることができる。
以上述べた化学組成からなり、PCMが0.30%以下のも
のが本発明で使用する素材鋼であるが、この鋼に代えて
上記成分に加え、さらに0.005〜0.080%のNb、0.005〜
0.15%のV、0.10〜0.50%のCu、0.10〜0.50%のNi、0.
005〜0.06%のTi、0.00015〜0.0030%のBの中から選ば
れた1種以上を含有し、PCMが0.30%以下である鋼を素
材に使用することもできる。
のが本発明で使用する素材鋼であるが、この鋼に代えて
上記成分に加え、さらに0.005〜0.080%のNb、0.005〜
0.15%のV、0.10〜0.50%のCu、0.10〜0.50%のNi、0.
005〜0.06%のTi、0.00015〜0.0030%のBの中から選ば
れた1種以上を含有し、PCMが0.30%以下である鋼を素
材に使用することもできる。
これらの成分を含む鋼材は、さらに鋼靭性或いは鋼強
度を要求される場合に有利である。
度を要求される場合に有利である。
これら成分の具体的な作用効果は下記の通りである。
Nb:0.005〜0.080% Nbは鋼中で400℃を超える温度域にさらされるとNbの
炭窒化物として析出し、高温における強度と弾性率を上
昇させる作用がある。このような効果は、0.005%以上
の含有量がから得ることができるが、0.080%を超えて
含有すると溶接性が損なわれるので、0.005〜0.080%の
範囲とする。
炭窒化物として析出し、高温における強度と弾性率を上
昇させる作用がある。このような効果は、0.005%以上
の含有量がから得ることができるが、0.080%を超えて
含有すると溶接性が損なわれるので、0.005〜0.080%の
範囲とする。
V:0.005〜0.15% VもNbと同様、鋼中で400℃を超える温度域にさらさ
れるとVの炭窒化物を形成し、高温における強度と弾性
率を上昇させる作用がある。そのためには0.005%以上
含有させるのがよいが、0.15%を超えて含有してもその
効果は飽和し、製造コストが上昇するので、0.005〜015
%を含有量とする。
れるとVの炭窒化物を形成し、高温における強度と弾性
率を上昇させる作用がある。そのためには0.005%以上
含有させるのがよいが、0.15%を超えて含有してもその
効果は飽和し、製造コストが上昇するので、0.005〜015
%を含有量とする。
Cu:0.10〜0.50% Cuは高温強度を向上させるのに有効な元素である。そ
のためには0.10%以上含有させるのがよい。しかし、過
度に添加すると表面割れを生じて溶接割れを助長するた
め、上限は0.50%にとどめるのがよい。
のためには0.10%以上含有させるのがよい。しかし、過
度に添加すると表面割れを生じて溶接割れを助長するた
め、上限は0.50%にとどめるのがよい。
Ni:0.10〜0.50% NiもCuと同様に高温強度を向上させるのに有効な元素
である。このような効果を十分に得るためには0.10%以
上含ませるのがよいが、0.50%を超えて含有しても効果
が飽和し、製造コストが上昇するので、0.10〜0.50%の
含有量とする。
である。このような効果を十分に得るためには0.10%以
上含ませるのがよいが、0.50%を超えて含有しても効果
が飽和し、製造コストが上昇するので、0.10〜0.50%の
含有量とする。
Ti:0.005〜0.06% TiはフリーNをTiNとして捕らえることにより次に述
べる固溶BのBNとしての損失を防ぎ、B添加鋼の焼入性
を向上させる効果がある。このため、Tiは鋼材の適用板
厚が厚くなった時の強度保証に有効の元素である。しか
し、0.005%未満では前記効果が小さく、0.06%を超え
て含有すると母材の靭性が著しく損なわれるので、0.00
5〜0.06%の含有量とする。
べる固溶BのBNとしての損失を防ぎ、B添加鋼の焼入性
を向上させる効果がある。このため、Tiは鋼材の適用板
厚が厚くなった時の強度保証に有効の元素である。しか
し、0.005%未満では前記効果が小さく、0.06%を超え
て含有すると母材の靭性が著しく損なわれるので、0.00
5〜0.06%の含有量とする。
B:0.00015〜0.0030% Bは溶接性を大きく劣化させることなく強度を上昇さ
せる効果がある。これはBの焼入れ性向上効果が組織の
ベイナイト化に効果を発揮するからである。
せる効果がある。これはBの焼入れ性向上効果が組織の
ベイナイト化に効果を発揮するからである。
鋼材の適用板厚が厚くなった場合、例えば、前記のCu
やMo等の合金元素を多量に添加すれば必要強度を確保す
ることができる。しかし、CuやMoを多量に添加すると溶
接性が損なわれるが、Bはこのような不利を招くことな
く強度を高めることができる。この効果は0.00015%以
上から得られるが、0.0030%を超えて含有すると炭硼化
物が形成されるので靭性が低下する。特に熱影響部の靭
性の低下が著しくなるので、0.00015〜0.0030%の含有
量とする。
やMo等の合金元素を多量に添加すれば必要強度を確保す
ることができる。しかし、CuやMoを多量に添加すると溶
接性が損なわれるが、Bはこのような不利を招くことな
く強度を高めることができる。この効果は0.00015%以
上から得られるが、0.0030%を超えて含有すると炭硼化
物が形成されるので靭性が低下する。特に熱影響部の靭
性の低下が著しくなるので、0.00015〜0.0030%の含有
量とする。
これら成分は、必要に応じて1種以上添加することが
できる。
できる。
本発明は、以上説明した化学成分からなり、且つPCM
が0.30%以下である鋼を素材に使用し、この鋼を下記の
方法でベイナイト組織からなる鉄骨建築用鋼材、例えば
厚鋼板、ホットコイル、ロールH型鋼等に加工するもの
である。
が0.30%以下である鋼を素材に使用し、この鋼を下記の
方法でベイナイト組織からなる鉄骨建築用鋼材、例えば
厚鋼板、ホットコイル、ロールH型鋼等に加工するもの
である。
即ち、前記の鋼を1000℃以上1250℃以下の温度域で加
熱後、再結晶温度域で30%以上の圧下率で圧延を行うと
ともに前記式で示すAr3変態点以上の温度域で圧延を
終了して空冷する方法、或いは前記圧延後、空冷してAc
1変態点以下の温度で焼き戻す方法である。
熱後、再結晶温度域で30%以上の圧下率で圧延を行うと
ともに前記式で示すAr3変態点以上の温度域で圧延を
終了して空冷する方法、或いは前記圧延後、空冷してAc
1変態点以下の温度で焼き戻す方法である。
熱間圧延、熱処理条件を上記のように限定する理由は
次の通りである。
次の通りである。
〔加熱温度:1000℃以上1250℃以下〕 加熱温度が1000℃未満ではNb、Vを含む成分系のの鋼
の場合には、Nb、Vなどの炭窒化物の固溶が図れないた
め、これらの析出強化を利用することができなくなる。
また、Nb、Vなどの合金成分を含まない成分系の鋼でも
1000℃以上の温度域に加熱しておかないとCr、Mo等の合
金成分の均一固溶がはかれない。一方、1250℃を超える
温度で加熱すると圧延初期γ粒(オーステナイト粒)の
粗大化につながり圧延材の靭性を損なうことになる。
の場合には、Nb、Vなどの炭窒化物の固溶が図れないた
め、これらの析出強化を利用することができなくなる。
また、Nb、Vなどの合金成分を含まない成分系の鋼でも
1000℃以上の温度域に加熱しておかないとCr、Mo等の合
金成分の均一固溶がはかれない。一方、1250℃を超える
温度で加熱すると圧延初期γ粒(オーステナイト粒)の
粗大化につながり圧延材の靭性を損なうことになる。
〔熱間加工:再結晶温度域での圧下率が30%以上、仕上
げ温度がAr3変態点以上〕 熱間加工の目的は、必要な形状の鋼材に成形すると同
時に圧延による再結晶を利用して鋳造組織を解消し、組
織を微細化するとともにベイナイト組織として鋼材の靭
性と延性を改善することにある。そのためには、加熱後
の鋼材を再結晶温度域で圧下率を30%以下にとって圧延
を行うとともに、圧延は前記式で示すAr3変態点以上
で終了する必要がある。
げ温度がAr3変態点以上〕 熱間加工の目的は、必要な形状の鋼材に成形すると同
時に圧延による再結晶を利用して鋳造組織を解消し、組
織を微細化するとともにベイナイト組織として鋼材の靭
性と延性を改善することにある。そのためには、加熱後
の鋼材を再結晶温度域で圧下率を30%以下にとって圧延
を行うとともに、圧延は前記式で示すAr3変態点以上
で終了する必要がある。
再結晶温度域における圧下率が30%未満の加工では、
組織の微細化が不十分であるとともにベイナイトにフェ
ライトが混在する、つまりベイナイト化が図れないので
靭性と延性の向上が小さい。また、再結晶温度域での圧
下率を30%以上にとって圧延しても、圧延をAr3変態点
より低い温度域まで続けると、組織のベイナイト化が図
れない。
組織の微細化が不十分であるとともにベイナイトにフェ
ライトが混在する、つまりベイナイト化が図れないので
靭性と延性の向上が小さい。また、再結晶温度域での圧
下率を30%以上にとって圧延しても、圧延をAr3変態点
より低い温度域まで続けると、組織のベイナイト化が図
れない。
即ち、Ar3変態点より低い温度域まで圧延を行うと、
圧延中にフェライトが生成するので、組織のベイナイト
化が図れないのである。従って、弾性率の向上を期待す
ることができない。
圧延中にフェライトが生成するので、組織のベイナイト
化が図れないのである。従って、弾性率の向上を期待す
ることができない。
熱間圧延後は、空冷して必要に応じ焼き戻し処理を施
してもよい。
してもよい。
焼き戻し処理すれば、火災等において鋼材の温度が上
昇した場合、後述するようにCr、Moが微細に析出しやす
くなるので、強度および弾性率の低下が小さい。焼き戻
し処理を施した鋼材の場合は、罹災時に焼き戻し温度よ
り低い温度にしかさらされなかった場合、或いは鋼材が
火災等により高温にさらされたとしても、その後、鋼材
温度が室温に低下した時、鋼材の特性は火災等に遭遇す
る前の特性と完全に同じであるので再利用が可能であ
る。
昇した場合、後述するようにCr、Moが微細に析出しやす
くなるので、強度および弾性率の低下が小さい。焼き戻
し処理を施した鋼材の場合は、罹災時に焼き戻し温度よ
り低い温度にしかさらされなかった場合、或いは鋼材が
火災等により高温にさらされたとしても、その後、鋼材
温度が室温に低下した時、鋼材の特性は火災等に遭遇す
る前の特性と完全に同じであるので再利用が可能であ
る。
勿論、焼き戻し処理しないものでも、組織がベイナイ
トであるとともに、添加成分のCr、Mo又はCr、Mo、V、
Nbが固溶しているから、仮に火災等において鋼材の温度
が上昇して600℃になっても、それにより固溶しているC
r、Mo、V、Nbが微細に析出するので強度および弾性率
の低下が小さい。しかし、この鋼材の場合には火災等に
より炭窒物の析出温度域まで昇温され、その後、室温ま
でに鋼材温度が低下すると析出強化して強度が上昇し、
靭性が低下することもあるので、圧延のままの鋼材の場
合は、軽く耐火物で被覆して使用するのがより好まし
い。
トであるとともに、添加成分のCr、Mo又はCr、Mo、V、
Nbが固溶しているから、仮に火災等において鋼材の温度
が上昇して600℃になっても、それにより固溶しているC
r、Mo、V、Nbが微細に析出するので強度および弾性率
の低下が小さい。しかし、この鋼材の場合には火災等に
より炭窒物の析出温度域まで昇温され、その後、室温ま
でに鋼材温度が低下すると析出強化して強度が上昇し、
靭性が低下することもあるので、圧延のままの鋼材の場
合は、軽く耐火物で被覆して使用するのがより好まし
い。
前記焼き戻し処理は、熱間加工の鋼材を空冷してから
はAc1変態点以下の温度域で実施するのがよい。
はAc1変態点以下の温度域で実施するのがよい。
〔焼き戻し温度:Ac1変態点以下〕 600℃の温度における強度および弾性率を保証するた
めには、600℃にさらされてもMo2C等が安定して微細な
析出物の状態で存在し、変形により導入される転位を固
定することが必要である。あらかじめAc1変態点以下の
温度で焼き戻して、微細な析出物の核を形成しておけ
ば、被災等において鋼材の温度が上昇しても析出物の析
出が促進されるので600℃における強度と弾性率を確保
することができる。しかし、Ac1変態点を超える温度で
焼き戻し処理するとα−γ変態(フェライト−オーステ
ナイト変態)を生じ、新しく形成されたγ相(オーステ
ナイト相)中に前記の微細な析出物が再固溶し、高温域
での強度あるいは弾性率を上昇させる効果が消失する。
そのため焼き戻し温度はAc1変態点以下とした。好まし
いのは600℃以上Ac1変態点以下である。
めには、600℃にさらされてもMo2C等が安定して微細な
析出物の状態で存在し、変形により導入される転位を固
定することが必要である。あらかじめAc1変態点以下の
温度で焼き戻して、微細な析出物の核を形成しておけ
ば、被災等において鋼材の温度が上昇しても析出物の析
出が促進されるので600℃における強度と弾性率を確保
することができる。しかし、Ac1変態点を超える温度で
焼き戻し処理するとα−γ変態(フェライト−オーステ
ナイト変態)を生じ、新しく形成されたγ相(オーステ
ナイト相)中に前記の微細な析出物が再固溶し、高温域
での強度あるいは弾性率を上昇させる効果が消失する。
そのため焼き戻し温度はAc1変態点以下とした。好まし
いのは600℃以上Ac1変態点以下である。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
(実施例) 第1表に示す化学組成の鋼を溶製し、210mm厚の鋳片
とした後、第2表及び第3表に示す条件で熱間加工およ
び熱処理を行い、厚鋼板もしくはホットコイルを製造し
た。
とした後、第2表及び第3表に示す条件で熱間加工およ
び熱処理を行い、厚鋼板もしくはホットコイルを製造し
た。
このようにして製造した厚鋼板およびホットコイルか
ら試験片を採取し、室温および600℃での強度(YS、T
S)、靭性(vE0)、弾性率(E)を調査した。さらに、
溶接性を調べるためY開発拘束割れ試験を実施した。こ
れらの効果を同じく第2表及び第3表に示す。
ら試験片を採取し、室温および600℃での強度(YS、T
S)、靭性(vE0)、弾性率(E)を調査した。さらに、
溶接性を調べるためY開発拘束割れ試験を実施した。こ
れらの効果を同じく第2表及び第3表に示す。
弾性率は熱間共振型弾性率測定装置を用いて測定し
た。これは試験片を振動させ、固有振動数を求めて次式
から弾性率を測定するものである。
た。これは試験片を振動させ、固有振動数を求めて次式
から弾性率を測定するものである。
f=(1/2)×1/a・E/ρ ここで、a=試験片長さ(cm)、ρ=試験片見かけ密
度、f=固有振動数(S-1)、E=弾性率(kgf/mm2)、
を意味する。
度、f=固有振動数(S-1)、E=弾性率(kgf/mm2)、
を意味する。
Y開先拘束割れ試験は、各鋼板より斜めY開発拘束割
れ試験片(板厚25mm)を採取し、入熱量:17KJ/cmで手溶
接(電流170A、電圧25V、速度15cm/min)を行い、「表
面割れ」および「ルート割れ」を有無を調べた。このと
きの判定基準は、予熱無しでもこのような割れが発生し
なかったものを「○」、予熱温度を100℃以上としなけ
れば割れ発生を抑えることができなかったものを「×」
とした。
れ試験片(板厚25mm)を採取し、入熱量:17KJ/cmで手溶
接(電流170A、電圧25V、速度15cm/min)を行い、「表
面割れ」および「ルート割れ」を有無を調べた。このと
きの判定基準は、予熱無しでもこのような割れが発生し
なかったものを「○」、予熱温度を100℃以上としなけ
れば割れ発生を抑えることができなかったものを「×」
とした。
なお、試験片の板厚については実施例の値と異なるが
溶接時の割れ性を評価する場合、鋼の成分で概ね評価す
ることができるため、本検討では板厚を25mmに揃えて実
施した。
溶接時の割れ性を評価する場合、鋼の成分で概ね評価す
ることができるため、本検討では板厚を25mmに揃えて実
施した。
第2表及び第3表において、試験番号1〜4および試
験番号13〜19が本発明例である。本発明例のものはベイ
ナイト組織からなり、室温および600℃での機械的性質
はともに本発明が目標とする性能を満たし、且つ溶接割
れも発生していない。
験番号13〜19が本発明例である。本発明例のものはベイ
ナイト組織からなり、室温および600℃での機械的性質
はともに本発明が目標とする性能を満たし、且つ溶接割
れも発生していない。
これに対して、比較例の試験番号5〜8および試験番
号24〜27は、製造条件が本発明で規定する範囲外のもの
であり、試験番号9〜12および試験番号20〜23は、素材
の鋼が本発明で規定する範囲外のものである。この場
合、室温における機械的性質、600℃における機械的性
質および弾性率の少なくとも一つが、本発明で目標とす
る性能を満たしていない。さらに、試験番号9および試
験番号11のものは、PCM値が高いので溶接時に100℃以上
の温度に予熱しないと割れを防止することができない。
号24〜27は、製造条件が本発明で規定する範囲外のもの
であり、試験番号9〜12および試験番号20〜23は、素材
の鋼が本発明で規定する範囲外のものである。この場
合、室温における機械的性質、600℃における機械的性
質および弾性率の少なくとも一つが、本発明で目標とす
る性能を満たしていない。さらに、試験番号9および試
験番号11のものは、PCM値が高いので溶接時に100℃以上
の温度に予熱しないと割れを防止することができない。
(発明の効果) 以上説明した如く、本発明方法によれば室温強度に優
れ、しかも火災時において温度が上昇しても、強度およ
び弾性率の低下が少ない鋼材が得られる。このベイナイ
ト組織からなる鋼材は耐火物の被覆を軽減もしくは省略
することができる鉄骨建築用鋼材として有用である。
れ、しかも火災時において温度が上昇しても、強度およ
び弾性率の低下が少ない鋼材が得られる。このベイナイ
ト組織からなる鋼材は耐火物の被覆を軽減もしくは省略
することができる鉄骨建築用鋼材として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/00 C21D 8/02
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で、 C:0.03〜0.15%、Si:0.05〜0.90%、 Mn:0.30〜2.00%、P:0.005〜0.050%、 Cr:0.10〜2.00%、Mo:0.05〜0.70%、 Sol.Al:0.005〜0.10%、 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、且つ下
記式で示すPCMが0.30%以下である鋼、又は、上記成
分に加えてさらに0.005〜0.080%のNb、0.005〜0.15%
のV、0.10〜0.50%のCu、0.10〜0.50%のNi、0.005〜
0.06%のTi、0.00015〜0.0030%のBの中から選ばれた
1種以上を含有し、残部がFe及び不可避不純物からな
り、且つ下記式で示すPCMが0.30%以下である鋼を、1
000℃以上1250℃以下の温度域で加熱後、再結晶温度域
で30%以上の圧下率で圧延を行うとともに下記式で示
すAr3変態点以上の温度域で圧延を終了し、空冷するこ
とを特徴とする高温での弾性率低下の少ないベイナイト
組織からなる鉄骨建築用鋼材の製造方法。 PCM(%)=C+(1/30)Si+(1/20)Mn+(1/20)Cu +(1/60)Ni+(1/20)Cr+(1/15)Mo +(1/10)V+5B …… Ar3(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−55Ni +0.35(t−8) …… ここで、上記および式中の元素はその含有量(重量
%)を表し、式中のtは板厚(mm)である。 - 【請求項2】請求項1記載の鋼を1000℃以上1250℃以下
の温度域で加熱後、再結晶温度域で30%以上の圧下率で
圧延を行うとともに上記式で示すAr3変態点以上の温
度域で圧延を終了し、次いで、空冷後Ac1変態点以下の
温度域で焼き戻すことを特徴とする高温での弾性率低下
の少ないベイナイト組織からなる鉄骨建築用鋼材の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17357789A JP2830091B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17357789A JP2830091B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0339418A JPH0339418A (ja) | 1991-02-20 |
JP2830091B2 true JP2830091B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15963149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17357789A Expired - Lifetime JP2830091B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | 高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2830091B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59171129A (ja) * | 1983-03-17 | 1984-09-27 | Fujitsu Ltd | 自動配線検査装置 |
JPH072968B2 (ja) * | 1989-09-22 | 1995-01-18 | 新日本製鐵株式会社 | 耐火強度のすぐれた構造用鋼材の製造方法 |
JP2551250B2 (ja) * | 1991-03-20 | 1996-11-06 | 日本鋼管株式会社 | 再加熱後の高温強度特性に優れた構造用耐火鋼材の製造方法 |
JP2551254B2 (ja) * | 1991-04-04 | 1996-11-06 | 日本鋼管株式会社 | 再加熱後の高温強度特性に優れた構造用耐火鋼材の製造方法 |
JP2828356B2 (ja) * | 1991-07-19 | 1998-11-25 | 新日本製鐵株式会社 | 耐火強度の優れた構造用ボロン処理薄手鋼材の製造方法 |
JP2760191B2 (ja) * | 1991-12-20 | 1998-05-28 | 住友金属工業株式会社 | 高温強度特性に優れる鉄骨建築用高耐候性鋼材の製造方法 |
KR100435446B1 (ko) * | 1996-11-07 | 2004-09-04 | 주식회사 포스코 | 저온인성이우수한인장강도60kgf/㎟급강재의제조방법 |
-
1989
- 1989-07-04 JP JP17357789A patent/JP2830091B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0339418A (ja) | 1991-02-20 |
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