JPH0339418A - 高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法 - Google Patents

高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法

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JPH0339418A
JPH0339418A JP17357789A JP17357789A JPH0339418A JP H0339418 A JPH0339418 A JP H0339418A JP 17357789 A JP17357789 A JP 17357789A JP 17357789 A JP17357789 A JP 17357789A JP H0339418 A JPH0339418 A JP H0339418A
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芳彦 鎌田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野〉 本発明は鉄骨建築物に用いられる鋼材に係わり、特に火
災等の罹災時において鋼材の温度が上昇しても弾性率の
低下が少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、超高層ビルをはじめとする鉄骨建築物が益々増加
する傾向にある。これは鉄骨が大型の構造物を造るのに
適していること、および柱や梁を小さくすることができ
るので、居住面積を大きくとることができることなどの
利点を有するからである。
従来、鉄骨建築物には例えばJIS G31015S4
1゜同G31065M50で規定されている鋼材が使用
されており、これらの鋼材は圧延のまま或いは圧延後に
焼準処理して製造されている。また、最近では、圧延後
に加速冷却を施して製造される場合もあり、従来のもの
(5M50R,5M5ON)に対してSM50TMCと
称されている。
ところで、このような鉄骨建築物用の鋼材については、
これまで建築基準法により耐火工法が一律に厳しく定め
られていたが、昭和57〜61年の建設省総合技術開発
プロジェクト「建築物の防火設計法の開発」の成果によ
り、火災時の構造安定性が数値シミュレーシヨン及び実
験で確認できれば耐火物の被覆厚さを薄くすること、も
しくは耐火物を被覆することなく使用することが可能と
なり、耐火工法の自由度が大幅に拡大された。
しかし、鉄骨建築物用として現在用いられている前記の
鋼材では、火災時に高温にさらされると、例えば鋼材温
度が600℃を超える高温になると強度が著しく低下し
、火災時の構造安定性を保証することができないため、
実際には耐火物を被覆する、ロックウールなどを鋼材表
面に吹き付けることで火災時における温度上昇を防いで
いる。
このロックウールを吹き付ける耐火工法は、安価にでき
る利点があるものの、建築現場では吹き付は時の飛散を
防止するための養生シートをめぐらして被覆作業を施す
必要があり、工期の延長につながるばかりでなく、周囲
の環境を損ねるといった施工上の問題がある。
他方、ロックウールに代えて耐火ボードを用いて鋼材表
面を被覆する方法もあるが、耐火ボードでは鋼材の端面
が露出するので、端面を何らかの方法で被覆してやる必
要がある。また、耐火ボードは高価である。
このようなことから火災時に高温にさらされても強度の
低下しない鋼材、即ち、耐火物の被覆を軽減或いは省略
することができる高温強度に優れた鋼材の開発が望まれ
ている。しかし、単に高温強度に優れているだけでは鉄
骨用建築物の構造用部材として使用するには問題がある
。鉄骨建築用鋼材は柱や梁にも使用されるので、高温に
おいて柱や梁が座屈しない性能が必要であり、また優れ
た溶接性も必須である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の課題は、耐火物の被覆を軒減或いは省略するこ
とができる高温での強度に優れ、且つ座屈の発生を抑え
るのに有効な高温における弾性率の低下が少ない、しか
も溶接性にも優れた鉄骨建築用鋼材を得ることにある。
具体的には、本発明の目的は室温での機械的性質が従来
使用されている鋼材、例えばJIS G3101SS4
1、同G31065M50で規定する鋼材と同等の性能
を有し、しかも600℃における機械的性質が室温にお
ける目標値の7割以上、弾性率が15000kgf/−
1以上の性能を有する鉄骨建築用鋼材を製造することが
できる方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記特性を満足する鉄骨建築用鋼材は、
素材鋼の添加合金成分を適正に選び、熱間圧延を含む熱
処理条件を調整すれば製造できることを見出した。即ち
、 (a)CrおよびMoは高温における強度および弾性率
を上昇させるには有効である。また、Nb、 V、 C
u、Ni、、 Ti、 Bも強度および弾性率の一方又
は両方を上昇させる。
(b)シかし、これら成分を多量に添加すると室温での
強度が著しく上昇し、現行の5S41あるいは5M50
で規定する強度範囲の上限を超えてしまう、また、炭素
当量を著しく高めて溶接割れ感受性を高めるので適正な
範囲内で添加する必要がある。
(C)高温強度と弾性率を確保するためには、添加合金
成分の調整だけでは不十分であり、熱間圧延を含む熱処
理条件を調整し、フェライトや室温強度の過大な上昇を
もたらすマルテンサイトの導入を抑え、組織をベイナイ
ト化するのが有効である。
本発明は、上記の知見により完成したものであって、そ
の要旨は下記の(i)〜(ii)にある。
(i)重量%で、 C: 0.03〜0.15%、Si : 0.05〜0
.90%、Mn : 0.30〜2.00%、P : 
0.005〜0.050%、Cr : 0.10〜2.
00%、Mo : 0.05〜0.70%、So!!、
、^f : 0.005〜0.10%、を含有し、残部
がFe及び不可避不純物からなり、且つ下記0式で示す
Pegが0.30%以下である鋼、又は、上記職分に加
えてさらに0.005〜0.080%のNb、0.00
5〜0.15%のV、 0.10〜0.50%のCu。
0、lO〜0.50%のN4%0.005〜0.06%
のTi、0.00015〜0.0030%のBの中から
選ばれた1種以上を含有し、残部がFe及び不可避不純
物からなり、且つ下記の式で示すPCNが0.30%以
下である鋼を、1000゛C以上1250℃以下の温度
域で加熱後、再結晶温度域で30%以上の圧下率で圧延
を行うとともに下記■式で示すArt変朋変態点以上度
域で圧延を終了し、空冷することを特徴とする高温での
弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法。
PCN(%) =C+ (1/30)Si + (1/
20)Mn+ (1/20)Cu+ (1/60)Ni
+ (1/20)Cr+ (1/15)Mo十(1/1
0)V+5B  −−−・■^rs(”C)−9103
10C−80Mn  20Cu−55Ni+0.35(
t−8)     ・・・・・[2]ここで、上記■お
よび■式中の元素はその含有量(重量%)を表し、■式
中のtは板厚(問)である。
(ii )上記(i)記載の鋼を1000℃以上125
0℃以下の温度域で加熱後、再結晶温度域で30%以上
の圧下率で圧延を行うとともに上記■弐で示すAr3変
態点以上の温度域で圧延を終了し、次いで、・空冷後A
c+変魅点以下の温度域で焼き戻すことを特徴とする高
温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法。
(作用) 以下、本発明について詳細に説明する。
まず、素材鋼の成分およびPc1.Iを前記のように限
定する理由をその成分の作用効果とどもに説明する。
なお、成分含有量の「%Jは全て「重量%」である。
C: 0.03〜0.15% Cは強度を得るために必要な元素である。所望の強度を
確保するためには0.03%以上含有させる必要がある
。しかし、必要以上の添加は溶接硬化性や溶接割れ感受
性を高めるので、含有量の上限は0.15%とする。
Si : 0.05〜0.90% Siは製鋼時の脱酸剤として使用されるだけでなく、常
温および高温における強度を確保するのに有効な元素で
ある。しかし、0.05%より少ないとこれらの効果が
小さく、0.90%を超えて含有すると靭性が大幅に低
下するので、0.05〜0.90%の含有量とする。
Mn : 0.30〜2.00% Mnは強度および靭性を高める効果がある。しかし、0
.30%未満では前記効果が小さく 、2.00%を超
えて含有すると強度および靭性の向上効果が飽和し、且
つ溶接割れ感受性が著しく高くなるので、0.30〜2
.00%の含有量とする。
P : 0.005〜0.050% Pは不可避不純物として鋼中に含まれる元素であるが、
歪時効硬化特性を有するため高温域での強度を上昇させ
る効果がある。この効果はo、oos%から現れるが、
o、oso%を超えて含有すると溶接割れ感受性が高く
なるので、0.005〜0.050%の含有量とする。
Cr : 0.10〜2.00% Crは組織のベイナイト化に寄与し、高温における強度
および弾性率を高める作用がある。しかし、0.10%
より少ないとこれらの効果が小さく、一方、2.00%
を超えて含有しても効果が飽和し、製造コストのみが上
昇するので、o、 io〜2.00%の含有量とする。
Mo : 0.05〜0.70% MoもCrと同じく組織のベイナイト化に寄与し、高温
における強度および弾性率を高める作用がある。しかし
、0.05%未満では前記効果が小さく、一方、0.7
0%を超えて含有すると室温における強度が必要以上に
高くなり、所定範囲内に室温強度を調整しようとすれば
、高温で焼き戻し処理しなければならず、製造コストが
上昇する。従って、恥は0.05〜0.70%の含有量
とする。
Sol、^g :  o、oos 〜o、to%^lは
製鋼時に脱酸剤として添加されるとともに組織の細粒化
を通じて靭性を改善する効果がある。しかし、0.00
5%未満では前記効果が小さく、0.10%を超えて含
有しても効果が飽和し、経済的に不利となるので、An
はSol.Al含有量でo、oos%〜0.10%とす
る。
なお、残部はFeおよび不可避不純物である。不純物と
してはS、、Sn、 Sb等があり、これらはできるだ
け少ない方が望ましい。
P CM : 0.30%以下 PcMは溶接割れ感受性を示す指数である。この値が低
いほど溶接予熱温度を低くして割れを生じさせることな
く溶接を行うことができる。このPCNは次式で表され
る。
Pen(%)=C+ (1/30)St + (1/2
0)Mn+ (1/20)Cu+ (1/60) N 
i 十(1/20) Cr + (1/15) Mo 
+(1/10) V +5 B   ・・・・・■一般
に、鉄骨建築構造物の現場での溶接による組立では、溶
接時に予熱処理を行うことは実際上不可能である。しか
し、PCMが0.30%以下となるようにしておけば、
予熱なしでも溶接割れを生じさせることなく溶接するこ
とができる。
以上述べた化学組成からなり、PCMが0.30%以下
のものが本発明で使用する素材鋼であるが、この鋼に代
えて上記成分に加え、さらにo、oos〜0.080%
のNb、  0.005〜0.15%の■、0.10〜
0.50%のCu、 0.10〜0.50%のNi、 
0.005〜0.06%のTi、 0.00015〜0
.0030%のBの中から選ばれた1種以上を含有し、
PCMが0.30%以下である鋼を素材に使用すること
もできる。
これらの成分を含む鋼材は、さらに高靭性或いは高強度
を要求される場合に有利である。
これら成分の具体的な作用効果は下記の通りである。
Nb : 0.005〜0.080% Nbは鋼中で400℃を超える温度域にさらされるとN
bの炭窒化物として析出し、高温における強度と弾性率
を上昇させる作用がある。このような効果は0.005
%以上の含有量から得ることができるが、0.080%
を超えて含有すると溶接性が損なわれるので、0.00
5〜o、oso%の範囲とする。
v : o、oos〜0.15% VもNbと同様、鋼中で400℃を超える温度域にさら
されるとVの炭窒化物を形威し、高温における強度と弾
性率を上昇させる作用がある。そのためにはo、oos
%以上含有させるのがよいが、0.15%を超えて含有
してもその効果は飽和し、製造コストが上昇するので、
o、oos〜0.15%の含有量とする。
Cu : 0.10〜0.50% Cuは高温強度を向上させるのに有効な元素である。そ
のためには0.10%以上含有させるのがよい。
しかし、過度に添加すると表面割れを生じて溶接割れを
助長するため、上限はO,SOXにとどめるのがよい。
Ni:0.10〜0.50% NiもCuと同様に高温強度を向上させるのに有効な元
素である。このような効果を十分に得るためにはo、 
io%以上含ませるのがよいが、0.50%を超えて含
有しても効果が飽和し、製造コストが上昇するので、0
.10〜0.50%の含有量とする。
Ti : 0.005〜0.06% TiはフリーNをTiNとして捕らえることにより次に
述べる固?9BのBNとしての損失を防ぎ、B添加鋼の
焼入性を向上させる効果がある。このため、Tiは鋼材
の適用Fi、厚が厚くなった時の強度保証に有効な元素
である。しかし、o、oos%未満では前記効果が小さ
く、0.06%を超えて含有すると母材の靭性が著しく
損なわれるので、0.005〜o、06%の含有量とす
る。
B : 0.00015〜0.0030%Bは溶接性を
大きく劣化させることなく強度を上昇させる効果がある
。これはBの焼入れ性向上効果がMi織のベイナイト化
に効果を発揮するからである。
鋼材の適用板厚が厚くなった場合、例えば、前記のCu
や門0等の合金元素を多量に添加すれば必要強度を確保
することができる。しかし、CuやMoを多量に添加す
ると溶接性が損なわれるが、Bはこのような不利を招く
ことなく強度を高めることができる。この効果は0.0
0015%以上から得られるが、0.0030%を超え
て含有すると炭硼化物が形成されるので靭性が低下する
。特に熱影響部の靭性の低下が著しくなるので、0.0
0015〜0.0030%の含有量とする。
これら成分は、必要に応じて1種以上添加することがで
きる。
本発明は、以上説明した化学成分からなり、且つpen
が0.30%以下である鋼を素材に使用し、この鯛を下
記の方法で鉄骨建築用鋼材、例えば厚鋼板、ホットコイ
ル、ロールH型鋼等に加工するのである。
即ち、前記の鋼を1000℃以上1250℃以下の温度
域で加熱後、再結晶温度域で30%以上の圧下率で圧延
を行うとともに前記■式で示すAr3変態点以上の温度
域で圧延を終了して空冷する方法、或いは前記圧延後、
空冷してAc+変態点以下の温度で焼き戻す方法である
熱間圧延、熱処理条件を上記のように限定する理由は次
の通りである。
〔加熱温度: 1000℃以上1250℃以下〕加熱温
度が1000℃未満ではNb、 Vを含む成分系の鋼の
場合には、Nb、■などの炭窒化物の固溶が図れないた
め、これらの析出強化を利用することができなくなる。
また、Nb、 Vなどの合金成分を含まない成分系の鋼
でも1000”C以上の温度域に加熱しておかないとC
r、 Mo等の合金成分の均一固溶がはかれない、一方
、1250℃を超える温度で加熱すると圧延初期γ粒の
粗大化につながり圧延材の靭性を損なうことになる。
〔熱間加工:再結晶温度域での圧下率が30%以上、仕
上げ温度がAr3変態点以上〕 熱間加工の目的は、必要な形状の鋼材に成形すると同時
に圧延による再結晶を利用して鋳造組織を解消し、組織
を微細化して鋼材の靭性と延性を改善することにある。
そのためには、加熱後の鋼材を再結晶温度域で圧下率を
30%以上にとって圧延を行うとともに、圧延は前記■
式で示す^r、変態点以上で終了する必要がある。
再結晶温度域における圧下率が30%未満の加工では、
組織の微細化が不十分で靭性と延性の向上が小さい、ま
た、再結晶温度域での圧下率を30%以上にとって圧延
しても、圧延をArs変態点より低い温度域まで続ける
と、mmのベイナイト化が図れない。
即ち、Arz変態点より低い温度域まで圧延を行うと、
圧延中にフェライトが生成するので、組織のベイナイト
化が図れないのである。従って、弾性率の向上を期待す
ることができない。
熱間圧延後は、空冷して必要に応し焼き戻し処理を施し
てもよい。
焼き戻し処理すれば、火災等において鋼材の温度が上昇
した場合、後述するようにCr、 Noが微細に析出し
やすくなるので、強度および弾性率の低下が小さい、焼
き戻し処理を施した鋼材の場合は、罹災時に焼き戻し温
度より低い温度にしかさらされなかった場合、或いは鋼
材が火災等により高温にさらされたとしても、その後、
鋼材温度が室温に低下した時、鋼材の特性は火災等に遭
遇する前の特性と完全に同じであるので再利用が可能で
ある。
勿論、焼き戻し処理しないものでも、組織がベイナイト
であるとともに、添加成分のCr%Mo又はCr、 M
o、 V、 Nbが固溶しているから、仮に火災等にお
いて鋼材の温度が上昇して600℃になっても、それに
より固溶しているCr5M0. v%Nbが微細に析出
するので強度および弾性率の低下が小さい。
しかし、この鋼材の場合には火災等により炭窒吻の析出
温度域まで昇温され、その後、室温までに鋼材温度が低
下すると析出強化して強度が上昇し、靭性が低下するこ
ともあるので、圧延のままの鋼材の場合は、軽く耐火物
で被覆して使用するのがより好ましい。
前記焼き戻し処理は、熱間加工の鋼材を空冷してからは
Ac+変態点以下の温度域で実施するのがよい。
〔焼き戻し温度:^C+変態点以下〕
600℃の温度における強度および弾性率を保証するた
めには、600℃にさらされてもMozC等が安定して
微細な析出物の状態で存在し、変形により導入される転
位を固定することが必要である。あらかしめAc、変態
点以下の温度で焼き戻して、微細な析出物の核を形成し
ておけば、被災等において鋼材の温度が上昇しても析出
物の析出が促進されるので600℃における強度と弾性
率を確保することができる。しかし、Ac+変態点を超
える温度で焼き戻し処理するとα−T変熊を生じ、新し
く形成されたT相中に前記の微細な析出物が再固溶し、
高温域での強度あるいは弾性率を上昇させる効果が消失
する。そのため焼き戻し温度はAC1変態点以下とした
。好ましいのは600℃以上Ac、変態点以下である。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
(実施例) 第1表に示す化学組成の鋼を溶製し、210m5厚の鋳
片とした後、第2表に示す条件で熱間加工および熱処理
を行い、厚鋼板もしくはホットコイルを製造した。
このようにして製造した厚鋼板およびホットコイルから
試験片を採取し、室温および600℃での強度(VS、
 TS)、靭性(villa)、弾性率(E)を調査し
た。
さらに、溶接性を調べるためY開先拘束割れ試験を実施
した。これらの結果を同じく第2表に示す。
弾性率は熱間共振型弾性率測定装置を用いて測定した。
これは試験片を振動させ、固有振動数を求めて次式から
弾性率を測定するものである。
f−(1/2)XI/a −E/ρ ここで、a=試験片長さ(C−)、ρ−試験片見かけ密
度、r=固有振動数(S−’)、E−弾性率(にgf/
111)、を意味する。
Y開先拘束割れ試験は、各鋼板より斜めY開先拘束割れ
試験片(板厚25■−)を採取し、入熱量:17KJ/
cmで手溶接(電1170A、1を圧25V、速度15
cm/win)を行い、「表面割れ」および「ルート割
れ」の有無を調べた。このときの判定基準は、予熱無し
でもこのような割れが発生しなかったものを「O」、予
熱温度を100℃以上としなければ割れ発生を抑えるこ
とができなかったものを「×」とした。
なお、試験片の板厚については実施例の値と異なるが溶
接時の割れ性を評価する場合、鋼の収骨て概ね評価する
ことができるため、本検討では板厚を25m−に揃えて
実施した。
(以下、余白〉 第2表において、試験番号1〜4および試験番号13〜
19が本発明例である0本発明例のものは室温および6
00℃での機械的性質はともに本発明が目標とする性能
を満たし、且つ溶接割れも発生していない。
これに対して、比較例の試験番号5〜8および試験番号
24〜27は、製造条件が本発明で規定する範囲外のも
のであり、試験番号9〜12および試験番号20〜23
は、素材の鋼が本発明で規定する範囲外のものである。
この場合、室温における機械的性質、600 ℃におけ
る機械的性質および弾性率の少なくとも一つが、本発明
で目標とする性能を満たしていない、さらに、試験番号
9および試験番号11のものは、Pc、liaが高いの
で溶接時に100℃以上の温度に予熱しないと割れを防
止することができない。
(発明の効果) 以上説明した如く、本発明方法によれば室温強度に優れ
、しかも火災時において温度が工具しても、強度および
弾性率の低下が少ない鋼材が得られる。
この鋼材は耐火物の被覆を軽減もしくは省略することが
できる鉄骨建築用鋼材として有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、 C:0.03〜0.15%、Si:0.05〜0.90
    %、Mn:0.30〜2.00%、P:0.005〜0
    .050%、Cr:0.10〜2.00%、Mo:0.
    05〜0.70%、Sol.Al:0.005〜0.1
    0%、 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、且つ
    下記[1]式で示すP_C_Mが0.30%以下である
    鋼、又は、上記成分に加えてさらに0.005〜0.0
    80%のNb、0.005〜0.15%のV、0.10
    〜0.50%のCu、0.10〜0.50%のNi、0
    .005〜0.06%のTi、0.00015〜0.0
    030%のBの中から選ばれた1種以上を含有し、残部
    がFe及び不可避不純物からなり、且つ下記[1]式で
    示すP_C_Mが0.30%以下である鋼を、1000
    ℃以上1250℃以下の温度域で加熱後、再結晶温度域
    で30%以上の圧下率で圧延を行うとともに下記[2]
    式で示すAr_3変態点以上の温度域で圧延を終了し、
    空冷することを特徴とする高温での弾性率低下の少ない
    鉄骨建築用鋼材の製造方法。 P_C_M(%)=C+(1/30)Si+(1/20
    )Mn+(1/20)Cu+(1/60)Ni+(1/
    20)Cr+(1/15)Mo+(1/10)V+5B
    ・・・・[1] Ar_3(℃)=910−310C−80Mn−20C
    u−55Ni+0.35(t−8)・・・・[2] ここで、上記[1]および[2]式中の元素はその含有
    量(重量%)を表し、[2]式中のtは板厚(mm)で
    ある。
  2. (2)請求項(1)記載の鋼を1000℃以上1250
    ℃以下の温度域で加熱後、再結晶温度域で30%以上の
    圧下率で圧延を行うとともに上記[2]式で示すAr_
    3変態点以上の温度域で圧延を終了し、次いで、空冷後
    Ac_1変態点以下の温度域で焼き戻すことを特徴とす
    る高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方
    法。
JP17357789A 1989-07-04 1989-07-04 高温での弾性率低下の少ない鉄骨建築用鋼材の製造方法 Expired - Lifetime JP2830091B2 (ja)

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