JP4687122B2 - 板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法 - Google Patents

板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、船舶、海洋構造物、橋梁、建築物、タンクなどに好適な耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法に関する。
船舶、海洋構造物、橋梁、建築物、タンクなどの構造物に使用される鋼材は、強度、靭性などの機械的性質や溶接性に優れていることに加えて、構造安全性を確保するため、耐疲労特性に優れていることが要求される。
疲労特性は、1 疲労亀裂発生特性と、2 疲労亀裂伝播特性で評価される。溶接構造物の場合、溶接止端部は、応力集中部になりやすく、溶接による引張残留応力も作用するため疲労亀裂の発生源となることが多く、その防止策として、なめ付け溶接により止端部形状を改善して応力集中を改善したり、ショットピーニングにより圧縮残留応力を導入することが知られている。
しかしながら、溶接構造物には多数の溶接止端部があり、またコスト的にも負担が大きいため、これらの方法は工業的規模での実施には不適当で、溶接構造物の耐疲労特性は使用される鋼材自体の耐疲労亀裂伝播特性の向上により図られることが多い。
特許文献1は耐疲労亀裂進展特性を向上させた鋼材の製造方法に関し、Ar3点近傍で圧延終了後にAr3点ー50℃以下の温度から水冷を開始し、600℃以下の温度で水冷停止した後に空冷し、ミクロ組織において島状マルテンサイトを生成させ耐疲労亀裂伝播特性を向上させることが記載されている。
特許文献2には熱間圧延後に、鋼板を500℃以下まで水冷後、Ac1〜Ac3の二相域に再加熱し圧延してミクロ組織を細粒フェライトとベイナイトもしくはマルテンサイトの混合組織とし、疲労強度を向上させることが記載されている。
特許文献3にはNb,Tiを含有した特定成分の鋼材を、熱間圧延後に冷却する際、添加された元素量から計算により求めた温度から冷却を開始し、550℃まで5〜50℃/sの冷却速度で加速冷却し、耐疲労亀裂伝播特性を向上させることが記載されている。
特開平6−271985号公報 特開平10−168542号公報 特開2001−316725号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法で製造された鋼板は、疲労強度が向上しても島状マルテンサイトを起点として脆性破壊を発生させる可能性があり、更にフェライトを生成させるため、鋼板の温度がAr3−50℃となるまで待機させ、冷却を開始するので、生産能率も低下する。
特許文献2記載の方法は冷却後再加熱して、圧延を行うので製造工程が煩雑で、製造コストが高く、製造能率も低下する。特許文献3記載の方法は、鋼材の成分組成に高価なNb,Tiを含有するので、製品コストが高く、また、該成分組成によるミクロ組織は冷却速度依存性が高く板厚方向で材質不均一性が生じることが懸念される。
本発明は、安価な、成分組成と製造コストで、板厚方向の材質均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、疲労亀裂伝播特性におよぼす鋼材のミクロ組織の影響を鋭意検討し、Ar3以上から加速冷却し特定の温度域で保持して微細フェライトを生成後、再び加速冷却しベイナイトを含む組織としたミクロ組織の場合に優れた耐疲労亀裂伝播特性の得られること、また、そのような冷却を施した際には板厚方向に均一にそのような組織が得られることを見出した。
本発明は、得られた知見に更に検討を加えてなされたもので、すなわち、本発明は
1 質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部がFe及び不可避不純物からなり、Pcm≦0.25の鋼を、1000℃以上、1300℃以下に加熱後、900℃以上で累積圧下率50%以上の圧延を行い、その後直ちにAr3点以上から10℃/s以上の冷却速度で加速冷却し、一旦冷却を停止して750〜550℃において5s以上保持した後、再び550℃未満まで、10℃/s以上で加速冷却することを特徴とする板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
Pcm(=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B、添加しない元素は0とする。)
2 更に、鋼成分として、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法
3 加速冷却後、更に650℃以下で焼戻すことを特徴とする1または2記載の板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部がFe及び不可避不純物からなり、Pcm≦0.25の鋼を1000℃以上、1300℃以下に加熱後、900℃以上で累積圧下率50%以上の圧延を行い、その後直ちにAr3点以上から10℃/s以上の冷却速度で加速冷却し、一旦冷却を停止して750〜550℃において5s以上保持した後、再び550℃未満まで、10℃/s以上で加速冷却して製造した板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材。
Pcm(=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B、添加しない元素は0とする。)
更に、鋼成分として、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする記載の板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材。
本発明によれば、複雑な熱処理や、高価な合金元素を添加した成分組成を用いずに、板厚方向の強度均一性と耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造が可能で、産業上極めて有用である。
本発明法は、加速冷却法を前提とし、板厚方向に、均質な、微細フェライトが分散したベイナイトを含む組織とするため、特定成分の鋼材を、特定の冷却条件で冷却することを特徴とする。本発明の鋼材の成分組成と製造条件について詳細に説明する。
1 成分組成(含有量%は質量%とする。)

Cは強度を確保するため0.02%以上添加する。0.20%を超えて添加すると溶接性が阻害されるため、0.02〜0.20%(0.02%以上、0.20%以下)、好ましくは0.02〜0.15%を添加する。
Si
Siは脱酸と強度を確保するため0.01%以上添加する。0.50%を超えて添加すると溶接性、靭性が劣化するため、0.01〜0.50%、好ましくは0.05〜0.40%とする。
Mn
Mnは焼入れ性の増加により、強度、靭性を確保させるため、0.5%以上添加する。2.0%を超えると溶接性を劣化させるため、0.5〜2.0%、好ましくは0.5〜1.7%を添加する。

Pは不純物で、靭性を劣化させるため、その含有量は少ないほど良く、製造コスト上、0.05%以下、好ましくは0.03%以下とする。

Sは不純物で、靭性を劣化させるため、その含有量は少ないほど良く、製造コスト上、0.02%以下、好ましくは0.01%以下とする。
Pcm
Pcm(=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B、添加しない元素は0とする。)は低温割れ防止のため、0.25%以下、好ましくは0.22%以下とする。
以上が本発明に係る鋼の基本成分組成であるが、更に強度、靭性、溶接性を向上させたり、耐候性を付与する場合、Cu,Ni、Cr,Mo、Nb,V,Ti,Bの一種または二種以上を添加する。
Cu
Cuは固溶により強度を上昇させ、また耐候性を向上させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、1.0%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材製造時に疵が生じやすくなるので1.0%以下とし、好ましくは、0.5%以下とする。
Ni
Niは低温靭性や耐候性を向上させ、またCuを添加した場合の熱間脆性を改善するので、必要に応じて添加する。添加する場合、2.0%を超えると溶接性が損なわれ、鋼材コストが上昇するので2.0%以下とし、好ましくは、1.0%以下とする。
Cr
Crは強度を上昇させ、また耐候性を向上させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、1.0%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので1.0%以下とし、好ましくは、0.5%以下とする。
Mo
Moは強度を上昇させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、1.0%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので1.0%以下とし、好ましくは、0.5%以下とする。
Nb
Nbは圧延時のオーステナイト再結晶を抑制し細粒化を図ると同時に、加速冷却後の空冷時に析出し強度を上昇させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、0.1%を超えると靭性が損なわれるので0.1%以下とする。

Vは、加速冷却後の空冷時に析出し強度を上昇させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、0.1%を超えると溶接性と靭性が損なわれるので0.1%以下、好ましくは0.07%以下とする。
Ti
Tiは、強度を上昇させ、溶接部靭性を向上させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、0.1%を超えると鋼材コストが上昇するので0.1%以下、好ましくは0.05%以下とする。

Bは焼入れ性を高め、強度を上昇させるので、必要に応じて添加する。添加する場合、0.005%を超えると溶接性が低下するので、0.005%以下、好ましくは0.003%以下とする。
本発明範囲内で好ましい成分組成は質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.5〜1.7%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、残部が実質的にFeからなり、Pcm0.22%以下 更に、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上である。
2 製造条件
本発明では、スラブ加熱温度、圧延条件、加速冷却条件を規定する。
スラブ加熱温度
スラブ加熱温度は、圧延温度を確保するため、1000℃以上とする。1300℃を超えると鋼の結晶粒が粗大化し、靭性が低下するので1000〜1300℃とする。
圧延条件
圧延で、オーステナイト粒を微細化させ、加速冷却におけるフェライト変態を促進し、フェライト粒を微細化させるため、900℃以上の累積圧下率を50%以上とする。累積圧下率50%以上とする圧延は、オーステナイト未再結晶域、オーステナイト再結晶域を問わず900℃以上であればよい。但し、異方性が問題となる場合は、オーステナイト未再結晶域での累積圧下率を50%以下とする。
加速冷却条件
本発明では、ミクロ組織を微細フェライトが分散したベイナイトを含む組織とするため、圧延後、加速冷却をAr3点以上から開始し、一旦冷却を停止して750〜550℃において5s以上保持した後、再び550℃未満まで加速冷却する。
加速冷却開始温度はミクロ組織において耐疲労亀裂伝播特性に劣るバンド状のフェライト生成を抑制するためAr3点以上とする。
加速冷却の途中で、一旦冷却を停止して750〜550℃において5s以上保持し、微細なフェライトを生成させる。750℃より高温で保持したり、550℃より低温で保持した場合および750〜550℃の温度範囲であっても、5S未満の保持時間の場合は微細なフェライトが得られない。
また、750〜550℃に保持する場合、保持温度は、該温度範囲内で一定でも、変化しても良く、特に規定しない。保持時間はフェライトの過度の導入や、バンド状のパーライト生成による強度低下や耐疲労亀裂伝播特性の劣化を防止するため、120s以下とすることが好ましい。
加速冷却停止温度は、未変態オーステナイトをベイナイト変態させ、強度を確保するため550℃以下とする。550℃超えとした場合、ベイナイトが生じずにバンド状のパーライトが生じ、耐疲労亀裂伝播特性が劣化する。冷却停止後、鋼材の形状改善や、強度、靭性の調整を目的として、必要に応じて650℃以下で焼戻しを行う。
図1は加速冷却の場合の連続冷却変態図を模式的に示す図で、従来法では表層が急冷された後、緩冷却される鋼板内部からの熱により復熱される。その結果、表層は焼戻しマルテンサイト、鋼板内部はフェライトあるいはベイナイトまたは両者混合組織となる。
本発明法の場合、表層と鋼板内部の冷却速度の差が小さくなり、板厚方向に均質に、微細フェライトが分散したベイナイトを含むミクロ組織が得られ、表層と内部での強度差が低減される。
尚、本発明において、冷却速度は、冷却中に耐疲労亀裂伝播特性を劣化させるバンド状のフェライトとパーライトが生じないように10℃/s以上とする。
本発明での冷却速度は板厚方向の平均冷却速度、温度は鋼板表面温度とする。Ar3点はAr3(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo(但し、元素記号は鋼材中の各元素の質量%での含有量を表す。)等で求めることができる。
なお、本発明でいうフェライトが分散したベイナイトを含む組織には、耐疲労亀裂伝播特性を低下させる要因となるバンド状のパーライト組織を含まない。バンド状パーライトを避けるためにはその一部あるいは全てをベイナイト化すれば良く、従って、フェライトとベイナイト中にパーライトが残存していたてしても許容される。
なお、本発明は船舶、海洋構造物、橋梁、建築物、タンクなどに好適な耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材およびその製造方法であり、その鋼材の性能は特に限定するものではないが、耐疲労亀裂伝播特性に関しては大気中において応力拡大係数範囲ΔK=20MPa√mのときの疲労亀裂伝播速度が5×10-8m/cycle以下、強度はTSで490MPa以上、靭性はシャルピー衝撃試験での破面遷移温度vTrs(℃)が−30℃以下、溶接性はy割れ試験で25℃において割れがないこと、板厚方向の強度差に関しては表層と内部の硬度差が50以内であれば望ましい。
表1に示す成分組成の鋼片を、表2の一部に示す条件で、板厚12〜50mmの鋼板とし、耐疲労亀裂伝播特性を求めた。更に、溶接性、強度、靭性、鋼板板厚方向の硬度差についても試験を行った。
耐疲労亀裂伝播特性はCT試験により、疲労亀裂伝播速度を求めて評価した。CT試験片は圧延直角方向に亀裂が進展するようにL−T方向を全厚(板厚25mmを超えるものは25mmに減厚。)として採取した。
試験条件は応力比0.1、周波数20Hz,室温大気中でASTME647に準拠した。
溶接性はy割れ試験(JISZ3158に準拠)を、20℃ー60%雰囲気、予熱温度25℃でMAG溶接を行い評価した。試験片は供試鋼板毎に2体とした。
強度はC方向採取したJISZ22011A号の全厚試験片を用いて引張試験を行った。
靭性はシャルピー衝撃試験により破面遷移温度vTrs(℃)を求めた。シャルピー衝撃試験片(JISZ2202)は板厚/4(板厚25mm未満は板厚/2)より、圧延方向に平行に採取した。
鋼板板厚方向の硬度差は表層下1mmと板厚/2においてビッカース硬さ試験(荷重98N、5点平均値)を行った。
No.1〜No.8は本発明例で優れた耐疲労特性亀裂伝播特性を示し、強度、靭性、溶接性および板厚方向の強度均一性にも優れていることが確認された。一方、No.9はC,SiおよびPcmが本発明範囲外のため、本発明範囲内の製造条件であっても本発明例に対し、耐疲労亀裂伝播特性、靭性、溶接性および板厚方向の強度均一性に劣る。
No.10は加熱温度が本発明範囲外で高く、900℃以上の累積圧下率が本発明範囲外で小さいため、耐疲労亀裂伝播特性、靭性が本発明例に対して劣る。
No.11は加速冷却の冷却開始温度と冷却速度が本発明範囲外で低く、耐疲労亀裂伝播特性、強度に劣る。No.12は加速冷却途中の保持温度が本発明範囲外で高く、保持時間も短いため耐疲労亀裂伝播特性、板厚方向の強度均一性に劣る。No.13は加速冷却の冷却停止温度が本発明範囲外で高く、冷却速度も本発明範囲外で遅いため耐疲労亀裂伝播特性、強度に劣る。
Figure 0004687122
Figure 0004687122
本発明の効果を示す模式的な連続冷却変態図。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部がFe及び不可避不純物からなり、Pcm≦0.25の鋼を、1000℃以上、1300℃以下に加熱後、900℃以上で累積圧下率50%以上の圧延を行い、その後直ちにAr3点以上から10℃/s以上の冷却速度で加速冷却し、一旦冷却を停止して750〜550℃において5s以上保持した後、再び550℃未満まで、10℃/s以上で加速冷却することを特徴とする板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
    Pcm(=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B、添加しない元素は0とする。)
  2. 更に、鋼成分として、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
  3. 加速冷却後、更に650℃以下で焼戻すことを特徴とする請求項1または2記載の板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
  4. 質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部がFe及び不可避不純物からなり、Pcm≦0.25の鋼を1000℃以上、1300℃以下に加熱後、900℃以上で累積圧下率50%以上の圧延を行い、その後直ちにAr3点以上から10℃/s以上の冷却速度で加速冷却し、一旦冷却を停止して750〜550℃において5s以上保持した後、再び550℃未満まで、10℃/s以上で加速冷却して製造した板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材。
    Pcm(=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B、添加しない元素は0とする。)
  5. 更に、鋼成分として、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項記載の板厚方向の強度均一性および耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材。
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