JP2905639B2 - 降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法 - Google Patents
降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法Info
- Publication number
- JP2905639B2 JP2905639B2 JP6740592A JP6740592A JP2905639B2 JP 2905639 B2 JP2905639 B2 JP 2905639B2 JP 6740592 A JP6740592 A JP 6740592A JP 6740592 A JP6740592 A JP 6740592A JP 2905639 B2 JP2905639 B2 JP 2905639B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat treatment
- temperature
- less
- steel sheet
- points
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として建築構造物に
使用される780N/mm2級調質高張力鋼板に関し、詳しく
は、降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法に関
するものである。
使用される780N/mm2級調質高張力鋼板に関し、詳しく
は、降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】引張強さ590N/mm2級以上の調質高張力鋼
板は、タンク、橋梁、ペンストックなどに使用されてき
たが、焼入れ焼もどしによってマルテンサイトやベイナ
イトなどの高硬度のミクロ組織の生成を利用しているた
め、降伏比(降伏強さ/引張強さ)が通常90%以上と高
く、塑性変形能が十分でなく、大地震時に十分な安全性
を確保できないため、建築用としてはほとんど用いられ
なかった。
板は、タンク、橋梁、ペンストックなどに使用されてき
たが、焼入れ焼もどしによってマルテンサイトやベイナ
イトなどの高硬度のミクロ組織の生成を利用しているた
め、降伏比(降伏強さ/引張強さ)が通常90%以上と高
く、塑性変形能が十分でなく、大地震時に十分な安全性
を確保できないため、建築用としてはほとんど用いられ
なかった。
【0003】近年、建築構造物に対しては高層化、大ス
パン化の要求が強まり従来の 490N/mm2 級鋼から、より
強度の高い590N/mm2級鋼を使用しようとする動きが強ま
り、降伏比を80%以下に低減した590N/mm2級鋼が要求さ
れるようになった。
パン化の要求が強まり従来の 490N/mm2 級鋼から、より
強度の高い590N/mm2級鋼を使用しようとする動きが強ま
り、降伏比を80%以下に低減した590N/mm2級鋼が要求さ
れるようになった。
【0004】この要求を満足する鋼板として、Ac3 点以
上の温度からの再加熱焼入れ(Q)〔あるいはAr3 点以
上の温度からの直接焼入れ(DQ)〕と Ac1点未満の温
度での焼きもどし(T)との組み合せからなる従来の熱
処理方法と異なり、この焼入れ、焼きもどしの二つの熱
処理の中間に、二相域温度( Ac1点以上 Ac3点未満)か
らの焼入れ(Q’)を施す新たな熱処理方法(Q+Q’
+TおよびDQ+Q’+T法)が開発された。この方法
によれば、Q’によって低硬度で延性に優れるフェライ
トが組織中に生成するため、低い降伏比が得られるので
ある。
上の温度からの再加熱焼入れ(Q)〔あるいはAr3 点以
上の温度からの直接焼入れ(DQ)〕と Ac1点未満の温
度での焼きもどし(T)との組み合せからなる従来の熱
処理方法と異なり、この焼入れ、焼きもどしの二つの熱
処理の中間に、二相域温度( Ac1点以上 Ac3点未満)か
らの焼入れ(Q’)を施す新たな熱処理方法(Q+Q’
+TおよびDQ+Q’+T法)が開発された。この方法
によれば、Q’によって低硬度で延性に優れるフェライ
トが組織中に生成するため、低い降伏比が得られるので
ある。
【0005】このような、熱処理によって得られる低降
伏比の590N/mm2級鋼板は、高層建築用として使用される
ようになった。そして、建築物のさらなる高層化にとも
なう溶接施工量の増大を防ぐ目的から、鋼板の板厚減少
を達成することのできる一層の高強度材の使用が検討さ
れている。すなわち、引張強さ780N/mm2級で低降伏比の
鋼板への開発要求が強まっている。
伏比の590N/mm2級鋼板は、高層建築用として使用される
ようになった。そして、建築物のさらなる高層化にとも
なう溶接施工量の増大を防ぐ目的から、鋼板の板厚減少
を達成することのできる一層の高強度材の使用が検討さ
れている。すなわち、引張強さ780N/mm2級で低降伏比の
鋼板への開発要求が強まっている。
【0006】しかしながら、前述のQ+Q’+T法によ
っても、780N/mm2級鋼板の場合にはその高い強度を確保
するためには、ベイナイトの硬度あるいは分率を590N/m
m2級鋼の場合よりも高めねばならないため、降伏比の低
減は容易でないという問題があった。
っても、780N/mm2級鋼板の場合にはその高い強度を確保
するためには、ベイナイトの硬度あるいは分率を590N/m
m2級鋼の場合よりも高めねばならないため、降伏比の低
減は容易でないという問題があった。
【0007】たとえば、材料とプロセス Vol.4、No.3(1
991)-553には、「低降伏比80キロ級高張力鋼の開発」
として、Q+Q’(Lと表示されている)+T法による
開発例が報告されているが、降伏比は80.6%であり、十
分な降伏比の低減は達成できていない。
991)-553には、「低降伏比80キロ級高張力鋼の開発」
として、Q+Q’(Lと表示されている)+T法による
開発例が報告されているが、降伏比は80.6%であり、十
分な降伏比の低減は達成できていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、引張強さ78
0N/mm2級の調質高張力鋼板において、塑性変形能を大幅
に改善するため、70%以下の著しく低い降伏比を確保す
る鋼板の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
0N/mm2級の調質高張力鋼板において、塑性変形能を大幅
に改善するため、70%以下の著しく低い降伏比を確保す
る鋼板の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、引張強さ
780N/mm2級の高強度を確保しつつ、70%以下の著しく低
い降伏比を実現するために、鋭意研究を行った。その結
果、これらを実現する上で重要なQ’(二相域からの焼
入れ)をN’(二相域温度からの焼きならし)とするこ
とと、さらに、通常調質高張力鋼板において適用されて
いる焼きもどしを行わないことによって、780N/mm2級の
強度と70%以下の著しく低い降伏比を実現し得るという
知見を得て本発明に至ったものである。(注、焼入れで
は水冷を行うが、焼きならしでは空冷を行う。)
780N/mm2級の高強度を確保しつつ、70%以下の著しく低
い降伏比を実現するために、鋭意研究を行った。その結
果、これらを実現する上で重要なQ’(二相域からの焼
入れ)をN’(二相域温度からの焼きならし)とするこ
とと、さらに、通常調質高張力鋼板において適用されて
いる焼きもどしを行わないことによって、780N/mm2級の
強度と70%以下の著しく低い降伏比を実現し得るという
知見を得て本発明に至ったものである。(注、焼入れで
は水冷を行うが、焼きならしでは空冷を行う。)
【0010】第1発明は、 C:0.05 〜0.20%、 Si:0.05
〜0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr:0.05〜1.20%、 Mo:
0.05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%を
含し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を熱間
圧延した後、下記の熱処理を施す降伏比の著しく低い78
0N/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼ならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
〜0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr:0.05〜1.20%、 Mo:
0.05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%を
含し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を熱間
圧延した後、下記の熱処理を施す降伏比の著しく低い78
0N/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼ならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
【0011】第2発明は、C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を圧延
仕上温度が 900℃以上の温度で熱間圧延し直接焼入れを
行った後、下記の熱処理を施す降伏比の著しく低い780N
/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を圧延
仕上温度が 900℃以上の温度で熱間圧延し直接焼入れを
行った後、下記の熱処理を施す降伏比の著しく低い780N
/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
【0012】第3発明は、C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.005〜0.050 %を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を熱
間圧延した後、下記の熱処理を施す降伏比の著しく低い
780N/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.005〜0.050 %を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を熱
間圧延した後、下記の熱処理を施す降伏比の著しく低い
780N/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
【0013】第4発明は、C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.005〜0.050 %を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を圧
延仕上温度が 900℃以上の温度で熱間圧延し直接焼入れ
を行った後、下記の熱処理を施す降伏比の著しく低い78
0N/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.005〜0.050 %を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を圧
延仕上温度が 900℃以上の温度で熱間圧延し直接焼入れ
を行った後、下記の熱処理を施す降伏比の著しく低い78
0N/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
【0014】第5発明は、C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%、N
b:0.005〜0.050 %を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなる鋼片を熱間圧延した後、下記の熱処理を施
す降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法であ
る。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%、N
b:0.005〜0.050 %を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなる鋼片を熱間圧延した後、下記の熱処理を施
す降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法であ
る。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
【0015】第6発明は、C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%、N
b:0.005〜0.050 %を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなる鋼片を圧延仕上温度が 900℃以上の温度で
熱間圧延し直接焼入れを行った後、下記の熱処理を施す
降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
0.50%、 Mn:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.
05〜1.00%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%、N
b:0.005〜0.050 %を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなる鋼片を圧延仕上温度が 900℃以上の温度で
熱間圧延し直接焼入れを行った後、下記の熱処理を施す
降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法である。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満
【0016】第7発明は、化学成分として、さらに Cu:
0.05〜1.20%、 Ni:0.10〜3.00%、B:0.0003〜0.0020
%、Ti:0.005〜0.020 %、Ca:0.001〜0.010 %の内から
選んだ1種または2種以上を含有する請求項1、2、
3、4、5または6記載の降伏比の著しく低い780N/mm2
級鋼板の製造方法である。
0.05〜1.20%、 Ni:0.10〜3.00%、B:0.0003〜0.0020
%、Ti:0.005〜0.020 %、Ca:0.001〜0.010 %の内から
選んだ1種または2種以上を含有する請求項1、2、
3、4、5または6記載の降伏比の著しく低い780N/mm2
級鋼板の製造方法である。
【0017】
【作用】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。ま
ず、Nbの含有量について説明する。Nbは結晶粒微細化作
用を有し、また、直接焼入れ・焼きもどしを行う場合に
は析出強化作用をもたらす元素である。その効果を得る
には、0.005 %以上の添加が必要であるが、添加量が
0.020%を超えると溶接性、靱性を劣化させる傾向にあ
る。このため、添加量を0.020%以下に抑えていたが、
本発明者らの研究では、添加量が 0.050%までは、直接
焼入れによって強度が上昇するという知見を得ている。
すなわち、図1に示すように、特に1回目の熱処理が直
接焼入れの場合に強度上昇効果が大きい。このため、Nb
の含有量は0.020 %以上の範囲も許容する。しかし、Nb
含有量が0.050 %を超えると著しく溶接性、靱性を劣化
させるため、その上限は0.050 %とする。したがって、
Nb含有量は 0.005〜0.050 %の範囲とする。なお、図1
の供試鋼板の化学成分は、0.12%C-0.27%Si-1.05 %Mn
-0.27 %Cu-2.48 %Ni-0.54 %Cr-0.53 %Mo-(Nb)-0.00
12%B-0.062 %Alである。
ず、Nbの含有量について説明する。Nbは結晶粒微細化作
用を有し、また、直接焼入れ・焼きもどしを行う場合に
は析出強化作用をもたらす元素である。その効果を得る
には、0.005 %以上の添加が必要であるが、添加量が
0.020%を超えると溶接性、靱性を劣化させる傾向にあ
る。このため、添加量を0.020%以下に抑えていたが、
本発明者らの研究では、添加量が 0.050%までは、直接
焼入れによって強度が上昇するという知見を得ている。
すなわち、図1に示すように、特に1回目の熱処理が直
接焼入れの場合に強度上昇効果が大きい。このため、Nb
の含有量は0.020 %以上の範囲も許容する。しかし、Nb
含有量が0.050 %を超えると著しく溶接性、靱性を劣化
させるため、その上限は0.050 %とする。したがって、
Nb含有量は 0.005〜0.050 %の範囲とする。なお、図1
の供試鋼板の化学成分は、0.12%C-0.27%Si-1.05 %Mn
-0.27 %Cu-2.48 %Ni-0.54 %Cr-0.53 %Mo-(Nb)-0.00
12%B-0.062 %Alである。
【0018】以下に、Nb以外の化学成分の限定理由につ
いて説明する。C は高張力鋼板としての強度を確保する
ために必要な元素であり、含有量が0.05%未満では引張
強さ780N/mm2級の強度が得がたい。また、0.20%を超え
て添加すると耐溶接割れ性を害するので好ましくない。
したがって、C 含有量は0.05〜0.20%の範囲とする。
いて説明する。C は高張力鋼板としての強度を確保する
ために必要な元素であり、含有量が0.05%未満では引張
強さ780N/mm2級の強度が得がたい。また、0.20%を超え
て添加すると耐溶接割れ性を害するので好ましくない。
したがって、C 含有量は0.05〜0.20%の範囲とする。
【0019】Siは脱酸に必要な元素であるが、含有量が
0.05%未満ではこの効果は少なく、また、0.50%を超え
て過多に添加すると、溶接性、靱性を劣化させるので好
ましくない。したがって、Si含有量は0.05〜0.50%の範
囲とする。
0.05%未満ではこの効果は少なく、また、0.50%を超え
て過多に添加すると、溶接性、靱性を劣化させるので好
ましくない。したがって、Si含有量は0.05〜0.50%の範
囲とする。
【0020】Mnは焼入れ性を向上させ、板厚内部の強度
を確保するために必要な元素であるが、含有量が0.30%
未満ではこのような効果が十分に得られず、また、1.80
%を超えて過多に添加すると、溶接性、靱性を劣化させ
るので好ましくない。したがって、Mn含有量は0.30〜1.
80%の範囲とする。
を確保するために必要な元素であるが、含有量が0.30%
未満ではこのような効果が十分に得られず、また、1.80
%を超えて過多に添加すると、溶接性、靱性を劣化させ
るので好ましくない。したがって、Mn含有量は0.30〜1.
80%の範囲とする。
【0021】Crは焼入れ性向上に有効な元素であるが、
含有量が0.05%未満ではこのような効果が十分に発揮さ
れず、また、1.20%を超えて添加すると、溶接性を害す
る。したがって、Cr含有量は0.05〜1.20%の範囲とす
る。
含有量が0.05%未満ではこのような効果が十分に発揮さ
れず、また、1.20%を超えて添加すると、溶接性を害す
る。したがって、Cr含有量は0.05〜1.20%の範囲とす
る。
【0022】Moは焼入れ性を高め、焼きもどし軟化抵抗
を増す元素であるが、含有量が0.05%未満では十分な効
果が得られず、また、1.00%を超えて過剰に添加する
と、溶接性を劣化させ、コストアップにもなるので、Mo
含有量は0.05〜1.00%の範囲とする。
を増す元素であるが、含有量が0.05%未満では十分な効
果が得られず、また、1.00%を超えて過剰に添加する
と、溶接性を劣化させ、コストアップにもなるので、Mo
含有量は0.05〜1.00%の範囲とする。
【0023】V は少量の添加により、焼入れ性を増し、
焼きもどし軟化抵抗を高める元素であり、その効果を得
るためには、 0.005%以上の添加が必要であり、また、
0.08%を超えて添加すると溶接性を害する。したがっ
て、V 含有量は 0.005〜0.08%の範囲とする。
焼きもどし軟化抵抗を高める元素であり、その効果を得
るためには、 0.005%以上の添加が必要であり、また、
0.08%を超えて添加すると溶接性を害する。したがっ
て、V 含有量は 0.005〜0.08%の範囲とする。
【0024】Alは脱酸元素であり、含有量が 0.005%未
満ではそのような効果は少なく、また、0.10%を超えて
添加すると、靱性の劣化をもたらす。したがって、Al含
有量は 0.005〜0.10%の範囲とする。
満ではそのような効果は少なく、また、0.10%を超えて
添加すると、靱性の劣化をもたらす。したがって、Al含
有量は 0.005〜0.10%の範囲とする。
【0025】この他に、Cu、Ni、 B、Ti、Caなどを板
厚、目標靱性レベルに応じて1種または2種以上添加す
るものとする。Cuは固溶強化、析出強化により強度上昇
に有効な元素であるが、含有量が0.05%未満ではこのよ
うな効果を十分に発揮することができず、また、1.20%
を超えて添加すると熱間加工性が劣化し鋼板表面に割れ
が生じやすい。したがって、Cu含有量は0.05〜1.20%の
範囲とする。
厚、目標靱性レベルに応じて1種または2種以上添加す
るものとする。Cuは固溶強化、析出強化により強度上昇
に有効な元素であるが、含有量が0.05%未満ではこのよ
うな効果を十分に発揮することができず、また、1.20%
を超えて添加すると熱間加工性が劣化し鋼板表面に割れ
が生じやすい。したがって、Cu含有量は0.05〜1.20%の
範囲とする。
【0026】Niは靱性を向上させる効果があるが、含有
量が0.10%未満ではその十分な効果が得られず、また、
3.00%を超えて添加するとスケール疵が発生しやすくな
り、また、コストアップにもなる。したがって、Ni含有
量は0.10〜3.00%の範囲とする。
量が0.10%未満ではその十分な効果が得られず、また、
3.00%を超えて添加するとスケール疵が発生しやすくな
り、また、コストアップにもなる。したがって、Ni含有
量は0.10〜3.00%の範囲とする。
【0027】B は微量で焼入れ性の向上をもたらす元素
であるが、含有量が0.0003%未満ではその効果が得られ
ず、また、0.0020%を超えて添加すると靱性が劣化す
る。したがって、B 含有量は0.0003〜0.0020%の範囲と
する。
であるが、含有量が0.0003%未満ではその効果が得られ
ず、また、0.0020%を超えて添加すると靱性が劣化す
る。したがって、B 含有量は0.0003〜0.0020%の範囲と
する。
【0028】Tiは脱酸作用、 Nの固定化による Bの焼入
れ性向上効果の促進作用を有するが、含有量が0.005 %
未満ではこれらの効果が得られず、また、0.020 %を超
えて添加すると介在物の増加により靱性が劣化する。し
たがって、Ti含有量は 0.005〜0.020 %の範囲とする。
れ性向上効果の促進作用を有するが、含有量が0.005 %
未満ではこれらの効果が得られず、また、0.020 %を超
えて添加すると介在物の増加により靱性が劣化する。し
たがって、Ti含有量は 0.005〜0.020 %の範囲とする。
【0029】Caは非金属介在物の球状化作用を有し、異
方性の低減に有効であるが、含有量が0.001 %未満では
その十分な効果が得られず、また、0.010 %を超えて添
加すると介在物の増加により靱性が劣化する。したがっ
て、Ca含有量は 0.001〜0.010 %の範囲とする。
方性の低減に有効であるが、含有量が0.001 %未満では
その十分な効果が得られず、また、0.010 %を超えて添
加すると介在物の増加により靱性が劣化する。したがっ
て、Ca含有量は 0.001〜0.010 %の範囲とする。
【0030】次に、本発明における製造条件について説
明する。まず、熱処理方法の限定理由を説明する。本発
明者らは、表1に示す化学成分の鋼板を用い、これに各
種の熱処理を施し、強度および降伏比に及ぼす熱処理方
法の影響を調べた。熱処理としては、従来780N/mm2級鋼
板に適用されていたQ+T法、二相域熱処理であるQ’
やN’を含むQ+Q’+T法、Q+N’+T法、Q+
N’法の4種類である。ここで、 Q:Ac3 点以上の温度からの再加熱焼入れ Q’:二相域温度(Ac1 点以上Ac3 点未満)からの再加
熱焼入れ N’:二相域温度での焼きならし T:Ac1 点未満の温度からの焼きもどし
明する。まず、熱処理方法の限定理由を説明する。本発
明者らは、表1に示す化学成分の鋼板を用い、これに各
種の熱処理を施し、強度および降伏比に及ぼす熱処理方
法の影響を調べた。熱処理としては、従来780N/mm2級鋼
板に適用されていたQ+T法、二相域熱処理であるQ’
やN’を含むQ+Q’+T法、Q+N’+T法、Q+
N’法の4種類である。ここで、 Q:Ac3 点以上の温度からの再加熱焼入れ Q’:二相域温度(Ac1 点以上Ac3 点未満)からの再加
熱焼入れ N’:二相域温度での焼きならし T:Ac1 点未満の温度からの焼きもどし
【0031】
【表1】
【0032】その結果を表2に示す。表2から明らかな
ように、二相域熱処理を含む後の3種の方法では、従来
のQ+T法に比べ、いずれも降伏比の低減が図られるも
のの、Q+N’法の場合にのみ、780N/mm2級の強度と70
%以下の著しく低い降伏比が得られることがわかる。こ
れに対して、Q+Q’+T法およびQ+N’+T法の場
合には、780N/mm2級の強度は得られるものの、降伏比は
80%程度であり十分とは言えない。以上の理由により、
熱処理方法はQ+N’法とする。なお、Q処理について
は、完全なオーステナイト域からの焼入れという意味で
は同等である、圧延後の直接焼入れ(DQ)によっても
よい。
ように、二相域熱処理を含む後の3種の方法では、従来
のQ+T法に比べ、いずれも降伏比の低減が図られるも
のの、Q+N’法の場合にのみ、780N/mm2級の強度と70
%以下の著しく低い降伏比が得られることがわかる。こ
れに対して、Q+Q’+T法およびQ+N’+T法の場
合には、780N/mm2級の強度は得られるものの、降伏比は
80%程度であり十分とは言えない。以上の理由により、
熱処理方法はQ+N’法とする。なお、Q処理について
は、完全なオーステナイト域からの焼入れという意味で
は同等である、圧延後の直接焼入れ(DQ)によっても
よい。
【0033】また、塑性変形の点で降伏比の低減と同様
に重要視される一様伸びについても、表2に示すよう
に、Q+N’法の場合には10%以上の十分に大きな値が
得られ、問題ない。
に重要視される一様伸びについても、表2に示すよう
に、Q+N’法の場合には10%以上の十分に大きな値が
得られ、問題ない。
【0034】なお、二相域熱処理を含む上記の3種類の
熱処理のなかでも、特に、Q+N’法の場合に降伏比の
著しい低減が達成できる理由は次のように考えられる。
すなわち、Q+N’法の場合には二相域熱処理が空冷で
あるため、転位を固着する固溶 C、N が少ないという
点、また、加工前の転位密度が低いため加工硬化量が多
いという点、さらに、焼きもどしを行っていないことよ
り、転位の運動の障害となる析出物の量が少ない点によ
るものと考えられる。
熱処理のなかでも、特に、Q+N’法の場合に降伏比の
著しい低減が達成できる理由は次のように考えられる。
すなわち、Q+N’法の場合には二相域熱処理が空冷で
あるため、転位を固着する固溶 C、N が少ないという
点、また、加工前の転位密度が低いため加工硬化量が多
いという点、さらに、焼きもどしを行っていないことよ
り、転位の運動の障害となる析出物の量が少ない点によ
るものと考えられる。
【0035】
【表2】
【0036】直接焼入れを行う場合に圧延仕上温度を 9
00℃以上とする理由は、これよりも圧延仕上温度が低下
すると、二相域温度からの焼きならしの前に十分に焼き
の入ったマルテンサイト+ベイナイト相を確保すること
ができず強度確保が困難となるためである。
00℃以上とする理由は、これよりも圧延仕上温度が低下
すると、二相域温度からの焼きならしの前に十分に焼き
の入ったマルテンサイト+ベイナイト相を確保すること
ができず強度確保が困難となるためである。
【0037】次に、上記の各熱処理における温度範囲の
限定理由について説明する。焼入れ温度については、マ
ルテンサイトやベイナイトなどの高硬度のミクロ組織を
生成させ、十分な強度を確保するために、完全なオース
テナイト域にする必要があり、Ac3 点以上とする。しか
し、あまりに高い温度であると、組織が粗大化し、延
性、靱性が劣化するため、980 ℃以下とする。
限定理由について説明する。焼入れ温度については、マ
ルテンサイトやベイナイトなどの高硬度のミクロ組織を
生成させ、十分な強度を確保するために、完全なオース
テナイト域にする必要があり、Ac3 点以上とする。しか
し、あまりに高い温度であると、組織が粗大化し、延
性、靱性が劣化するため、980 ℃以下とする。
【0038】焼きならし温度については、フェライトを
生成させて低降伏比とするために二相域温度、すなわ
ち、Ac1 点以上Ac3 点未満とする。なお、この場合の冷
却方法としては、冷却速度を低下させ軟質のフェライト
組織の分率を上げ、降伏比の低減を図るために、水冷で
はなく空冷とすることは、既に述べたとおりである。
生成させて低降伏比とするために二相域温度、すなわ
ち、Ac1 点以上Ac3 点未満とする。なお、この場合の冷
却方法としては、冷却速度を低下させ軟質のフェライト
組織の分率を上げ、降伏比の低減を図るために、水冷で
はなく空冷とすることは、既に述べたとおりである。
【0039】焼きもどしについては、前述のように降伏
比の著しい低減を達成するために、行わない。なお、前
段階での熱処理によって生じた鋼板中の残留応力を低減
して構造物の安全性を確保するために、一般的には焼き
もどしが必要不可欠であるが、本発明で提唱するQ+
N’法では、2回目の熱処理が空冷であるため、1回目
の熱処理であるQで生じた残留応力はN’後にはほとん
ど消滅し、また、N’によって発生する残留応力もほと
んどないため、焼きもどしを行わずとも実質上問題はな
いのである。
比の著しい低減を達成するために、行わない。なお、前
段階での熱処理によって生じた鋼板中の残留応力を低減
して構造物の安全性を確保するために、一般的には焼き
もどしが必要不可欠であるが、本発明で提唱するQ+
N’法では、2回目の熱処理が空冷であるため、1回目
の熱処理であるQで生じた残留応力はN’後にはほとん
ど消滅し、また、N’によって発生する残留応力もほと
んどないため、焼きもどしを行わずとも実質上問題はな
いのである。
【0040】
【実施例】本発明に係わる降伏比の著しく低い780N/mm2
級鋼板の製造方法の実施例について説明するが、本発明
は本実施例のみに限定されるものではない。供試鋼板は
表3に示す化学成分を有する鋼片を、表4に示す板厚30
〜70mmの鋼板に圧延した後、表4に示す熱処理条件で熱
処理したものである。これらの鋼板から試験片を採取
し、母材の引張試験を行った。その結果を熱処理条件と
ともに表4に併記する。
級鋼板の製造方法の実施例について説明するが、本発明
は本実施例のみに限定されるものではない。供試鋼板は
表3に示す化学成分を有する鋼片を、表4に示す板厚30
〜70mmの鋼板に圧延した後、表4に示す熱処理条件で熱
処理したものである。これらの鋼板から試験片を採取
し、母材の引張試験を行った。その結果を熱処理条件と
ともに表4に併記する。
【0041】表4から明らかなように、本発明法A〜K
は、いずれも780N/mm2級以上の引張強さと70%未満の著
しい低降伏比を有している。
は、いずれも780N/mm2級以上の引張強さと70%未満の著
しい低降伏比を有している。
【0042】これに対して、比較法L〜Pは熱処理方法
がQ+N’法またはDQ+N’法でないため降伏比の十
分な低減が図られていない。
がQ+N’法またはDQ+N’法でないため降伏比の十
分な低減が図られていない。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の降伏比の
著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法は、化学成分を制
御し、圧延後、焼入れし、二相域温度で焼きならしを行
う熱処理を行っているため、70%以下の著しい低降伏比
を有する780N/mm2級鋼板の製造が可能であるという優れ
た効果を有するものである。
著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法は、化学成分を制
御し、圧延後、焼入れし、二相域温度で焼きならしを行
う熱処理を行っているため、70%以下の著しい低降伏比
を有する780N/mm2級鋼板の製造が可能であるという優れ
た効果を有するものである。
【図1】強度に及ぼすNb含有量と熱処理条件との関係を
示す図である。
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−110422(JP,A) 特開 平1−195242(JP,A) 特開 平2−213411(JP,A) 特開 昭52−133819(JP,A) 特開 平4−318(JP,A) 特開 平5−112824(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/02 C21D 1/18
Claims (7)
- 【請求項1】 C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.50%、 M
n:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.05〜1.00
%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%を含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を熱間圧延した
後、下記の熱処理を施すことを特徴とする降伏比の著し
く低い780N/mm2級鋼板の製造方法。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼ならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満 - 【請求項2】 C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.50%、 M
n:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.05〜1.00
%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%を含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を圧延仕上温度
が 900℃以上の温度で熱間圧延し直接焼入れを行った
後、下記の熱処理を施すことを特徴とする降伏比の著し
く低い780N/mm2級鋼板の製造方法。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満 - 【請求項3】 C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.50%、 M
n:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.05〜1.00
%、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.005〜0.050 %を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を熱間圧延し
た後、下記の熱処理を施すことを特徴とする降伏比の著
しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満 - 【請求項4】 C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.50%、 M
n:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.05〜1.00
%、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.005〜0.050 %を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を圧延仕上温
度が 900℃以上の温度で熱間圧延し直接焼入れを行った
後、下記の熱処理を施すことを特徴とする降伏比の著し
く低い780N/mm2級鋼板の製造方法。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満 - 【請求項5】 C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.50%、 M
n:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.05〜1.00
%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%、Nb:0.005〜
0.050 %を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
る鋼片を熱間圧延した後、下記の熱処理を施すことを特
徴とする降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方
法。 熱処理方法:焼入れ+焼きならし ただし、 焼入れ温度:Ac3 点以上 980℃以下 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満 - 【請求項6】 C:0.05〜0.20%、 Si:0.05〜0.50%、 M
n:0.30〜1.80%、Cr: 0.05〜1.20%、 Mo:0.05〜1.00
%、Al:0.005〜0.10%、 V:0.005〜0.08%、Nb:0.005〜
0.050 %を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
る鋼片を圧延仕上温度が 900℃以上の温度で熱間圧延し
直接焼入れを行った後、下記の熱処理を施すことを特徴
とする降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法。 熱処理方法:焼きならし ただし、 焼きならし温度:Ac1 点以上Ac3 点未満 - 【請求項7】 化学成分として、さらに Cu:0.05〜1.20
%、 Ni:0.10〜3.00%、B:0.0003〜0.0020%、Ti:0.005
〜0.020 %、Ca:0.001〜0.010 %の内から選んだ1種ま
たは2種以上を含有する請求項1、2、3、4、5また
は6記載の降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6740592A JP2905639B2 (ja) | 1991-08-28 | 1992-03-25 | 降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21722591 | 1991-08-28 | ||
JP3-217225 | 1991-08-28 | ||
JP6740592A JP2905639B2 (ja) | 1991-08-28 | 1992-03-25 | 降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05112825A JPH05112825A (ja) | 1993-05-07 |
JP2905639B2 true JP2905639B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=26408617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6740592A Expired - Fee Related JP2905639B2 (ja) | 1991-08-28 | 1992-03-25 | 降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2905639B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3576017B2 (ja) * | 1998-11-30 | 2004-10-13 | 石川島播磨重工業株式会社 | 耐衝撃貫通特性に優れた鋼の製造方法 |
CN106048151A (zh) * | 2016-07-20 | 2016-10-26 | 柳州科尔特锻造机械有限公司 | 一种低碳微合金钢的回火形变处理方法 |
CN106048150A (zh) * | 2016-07-20 | 2016-10-26 | 柳州科尔特锻造机械有限公司 | 一种含有微量钒元素的低碳微合金钢的回火形变工艺 |
-
1992
- 1992-03-25 JP JP6740592A patent/JP2905639B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05112825A (ja) | 1993-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3247908B2 (ja) | 延性と耐遅れ破壊特性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP3247907B2 (ja) | 延性と耐遅れ破壊特性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP7508469B2 (ja) | せん断加工性に優れた超高強度鋼板及びその製造方法 | |
JP2662409B2 (ja) | 低温靭性の優れた極厚調質高張力鋼板の製造方法 | |
JP3399983B2 (ja) | 溶接性の優れた降伏比の低い570N/mm2級以上の高張力鋼板の製造方法 | |
JP3499705B2 (ja) | 板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法 | |
JPH02236223A (ja) | 遅れ破壊特性の優れた高強度鋼の製造法 | |
JP2905639B2 (ja) | 降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法 | |
JP2828754B2 (ja) | 溶接性の優れた低降伏比70▲kg▼f/▲mm▼▲上2▼級鋼板の製造方法 | |
JPH0413406B2 (ja) | ||
JP2828755B2 (ja) | 溶接性の優れた低降伏比80▲kg▼f/▲mm▼▲上2▼級鋼板の製造方法 | |
JP2000219934A (ja) | 溶接性の優れた非調質型低降伏比高張力鋼板 | |
JP3396132B2 (ja) | 大入熱溶接部の熱影響部靱性が優れた低降伏比高張力鋼板およびその製造方法 | |
JP2901890B2 (ja) | 耐溶接割れ性に優れた引張強度590N/mm2以上の低降伏比型高張力鋼板およびその製造方法 | |
JP3468072B2 (ja) | 低降伏比形鋼の製造方法 | |
JP3327065B2 (ja) | 脆性亀裂伝播停止特性に優れた調質型高張力鋼板の製造方法 | |
JP3602396B2 (ja) | 溶接性に優れた低降伏比高張力鋼板 | |
JPS61124524A (ja) | 鉄筋コンクリ−ト用棒鋼の製造方法 | |
JPH0717947B2 (ja) | 低降伏比高張力鋼板の製造方法 | |
JP7533413B2 (ja) | 耐疲労き裂伝播特性に優れた鋼板の製造方法 | |
JP7533414B2 (ja) | 耐疲労き裂伝播特性に優れた鋼板およびその製造方法 | |
JP2500019B2 (ja) | 溶接性の優れた570N/mm2級以上の低降伏比高張力鋼板 | |
JPH05112824A (ja) | 一様伸びの大きい低降伏比780N/mm2級鋼板の製造方法 | |
JP2546888B2 (ja) | 溶接性、靭性の優れた高張力鋼板の製造方法 | |
JP3475866B2 (ja) | 耐震性に優れた建築用鋼材及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990302 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080326 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |