JP3499705B2 - 板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents
板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法Info
- Publication number
- JP3499705B2 JP3499705B2 JP07399197A JP7399197A JP3499705B2 JP 3499705 B2 JP3499705 B2 JP 3499705B2 JP 07399197 A JP07399197 A JP 07399197A JP 7399197 A JP7399197 A JP 7399197A JP 3499705 B2 JP3499705 B2 JP 3499705B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel sheet
- toughness
- strength
- sol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
ストック(水圧鉄管)等として用いられて好適な、板厚
方向の均質性を有し、靱性の異方性の小さい、特に板厚
100mm以下の調質高張力鋼板およびその製造方法に
関するものである。
発電所の水圧鉄管も高落差化および大口径化する傾向に
ある。この水圧鉄管に用いられる鋼材は、より一層高張
力化することにより、水圧鉄管施工の効率化およびコス
トの低減を図ろうとする傾向にある。このため、使用さ
れる鋼板も、従来の引張強さ590N/mm2、780N/mm2級鋼板
から、より一層高強度の950N/mm2級鋼板を適用しようと
する趨勢にある。
通常はMn、Ni、Cr、Mo等の合金元素を多量に添
加する必要があるが、これら合金元素を多量に添加する
と、溶接割れ感受性も高くなる。そのため、この方法に
代えて、析出強化等を利用して炭素当量を低減させるこ
とを狙ったNb添加鋼の製造方法が、従来から以下の各
タイプの通り、種々提案されている。
公報等に開示された、Nb添加鋼を、通常(普通)の圧
延後、再加熱焼入れし、焼戻しするタイプである。
等に開示された、Nb添加鋼を、低温で制御圧延し、そ
の後再加熱焼入れし、焼戻しするタイプである。
等に開示された、Nb添加鋼を、低温で制御圧延し、そ
の後直接焼入れし、焼戻しするタイプである。
等に開示された、Nb添加鋼を、低温で制御圧延し、そ
の後600 ℃以下で冷却停止する加速冷却を行い、再加熱
焼入れ後焼戻しするタイプである。
の請求項1に開示された、Nb添加鋼を、通常(普通)
の圧延後、2 回再加熱焼入れし、焼戻し(但し水冷)す
るタイプタイプである。
28号の請求項1の代替え法として、同公報の請求項2に
開示された、Nb添加鋼を、低温で制御圧延後直接焼入
れし、再加熱焼入れ後焼戻し(但し水冷)するタイプで
ある。
従来技術にはいずれも問題があり、ペンストック(水圧
鉄管)用鋼材としては実用化できない。即ち、まず ま
ずNb添加鋼を通常の圧延後、再加熱焼入れ−焼戻しす
る前記第1のタイプでは、再加熱焼入れでは、必然的に
板厚方向の焼入れ深度が浅いため、表層部では所望強度
を満足しても、板厚中央部では950N/mm2を満足するのが
困難であり、また靱性も低位であり、板厚方向での均質
性に劣る。
℃の低温で30%以上の圧下を加える制御圧延と、添加N
bとの相乗効果で結晶粒の微細化を狙ったものである
が、旧オーステナイト結晶粒は未再結晶域( 約930 ℃未
満) では圧下を加えても展伸した加工粒となるだけで、
より一層の細粒化は進行しないため、靱性改善効果は小
さく、また、板厚中央部では制御圧延が効きにくいた
め、靱性が低い。
制御圧延することにより、旧オーステナイト粒を展伸粒
となし、加工マルテンサイト+下部ベイナイトの混合組
織として、強度と靱性を兼備しようとするものである。
しかし、製鉄研究No.322、99頁(1986)「100kgf/mm2級高
張力鋼板の開発」に開示されているように、未再結晶域
圧延での圧延による圧延主方向(L方向) と、その直角方
向(T方向) との組織の異方性により、材質変化が大きく
なる。とりわけ、 L方向とT 方向との靱性の差は大き
く、T 方向の靱性は、表層部あるいは板厚中心部におい
て100J近傍と低位なものとなる。そのため、T 方向にお
ける脆性亀裂伝播停止特性や溶接熱影響部での継手靱性
に劣る。
熱焼入れの際に、再加熱の前の組織がマルテンサイト或
いはベイナイトという焼入れ組織になっていると、再加
熱時におけるαからγへの逆変態でのγの核生成サイト
の数が、フェライト+パーライト組織の場合に比較し
て、多く生じるので、γ化後の粒成長時に、それらが互
いに衝突して成長を阻害され、結局得られる粒径が小さ
くなるとの事実を利用したものである。したがって、再
加熱の前の状態ではフェライトの生成を抑制してひずみ
を有した組織で逆変態させて、γ粒を細粒化することを
主眼としている。しかし、冷却停止温度を600 ℃以下と
するような加速冷却では、Nbが十分固溶せず、その後
の逆変態のための昇温過程でのNb化合物の析出による
オーステナイト粒粗大化抑制効果に乏しく、γ粒の細粒
化が不十分であり、とりわけ、板厚中心部の靱性改善効
果は小さい。また、板厚中心部の強度も、前記再焼入れ
−焼戻し(RQ−T)材と同様に低く、強度、靱性とも
板厚方向での均質性に乏しい。
0N/mm2級鋼板を対象とし、Niを3.5 超え〜4.5 %と
し、焼き入れ時に細粒γ粒を実現するために、Nb添加
によって、鋼材加熱時におけるγ粒の成長を抑制すると
同時に、事前に、一旦焼き入れ処理を施して、加工前組
織( γ化前組織) の微細化を図っておくことを主眼とし
ている。しかし、前記製鉄研究No.322、99頁(1986)「10
0kgf/mm2級高張力鋼板の開発」に開示されているよう
に、2 回再加熱焼入れ−焼戻しは、1 回再加熱焼入れ−
焼戻しに比して、靱性は改善されるものの、強度が急激
に低下し、強度確保のための合金添加量の増大を招き、
製造コストも高くなり、溶接割れ感受性も高くなる。
に、100mm 厚を超えた950N/mm2級鋼板を対象とし、Ni
を3.5 超え〜4.5 %とし、焼き入れ時に細粒γ粒を実現
するため、900 ℃以上の温度域で30%以上の累積圧下を
与え、BNやNb(CN)を固溶状態にするために、圧延を800
℃以上で仕上げ、その後の直接焼入れは第1回目焼入れ
に代替えするとしている。しかしながら、800 〜900 ℃
での低温制御圧延において、固溶Bは析出して焼入れ性
は低下するとともに、同温度域はNb(CN)の析出ノーズに
当てはまるため、その後の直接焼入れによって固溶する
Nb量はごく僅かで、その後の再加熱焼入れの急冷前組
織において、Nbのピンニング効果を積極的に活用させ
ることは困難である。そのため、板厚方向位置における
強度および靱性の差は以前として大きい。また、焼戻し
後の水冷は残留応力を内在させることになり、鋼板を歪
ませるとともに、水圧鉄管などへの成形を困難にし、寸
法精度を悪くする。
の部分に比して、熱処理や加工の影響が及びにくく、冷
却速度も遅くなるため、結晶粒が大きくなり、材質が最
も劣化し易い部分であり、厚肉でかつ大面積の鋼材にな
るほど、靱性が劣る。大きな衝撃荷重が作用するペンス
トック用として優れた破壊靱性を具備するためには、鋼
材の表面〜t/2の全ての板厚方向において、高靱性を
確保するとともに、靱性の異方性が小さいことが必要で
あり、とりわけ板厚中央部での靱性の改善が技術的課題
となる。
級高張力鋼板は、板厚方向での均質性に劣り、また靱性
の異方性も大きいため、高位な破壊靱性が必要とされる
大型溶接構造物であるペンストックに汎用的に使用でき
るものではなかった。
題に鑑み、板厚方向での均質性に優れ、また靱性の異方
性を改善した950N/mm2級調質高張力鋼板とその製造方法
を提供することを目的とする。
ック等に使用される厚肉950N/mm2級高張力鋼板の具備す
べき性能として、表1 に示す通り、特に、鋼板のL方
向、T方向共に脆性亀裂伝播停止のための高位の破壊靱
性を確保するために、全板厚方向位置および鋼板のL方
向、T方向共に、950N/mm2以上の引張強度と、vTrs:−
60℃以下で、かつvE-60 :150J以上の高い靱性を有する
こと等を目標とした。
合金元素の固溶量に及ぼす加工熱処理の影響および旧オ
ーステナイト粒径に及ぼすNb化合物(Nb炭窒化物な
ど)の析出状態について、鋭意研究を行った結果、以下
の知見を得た。
後、再結晶域での圧延後、直接焼入れ(DQ)を行うこ
とにより、Cr、Mo、V、Nb、B等の添加合金元素
のCとの化合が止まり、過飽和に固溶した状態でマルテ
ンサイト変態させて、マトリックスを強化すること、
直接焼入れで完全に固溶されたNbが、その後の再加熱
焼入れ(RQ)のための昇温過程でNb化合物として微
細析出し、逆変態自体の細粒化と相乗して、オーステナ
イト結晶粒の粗大化を抑制することにより、図7のDQ
−Q材に示す通り、他のRQ材やDQ材に比して、焼入
れ前組織を微細なオーステナイト組織とすること(図7
において、DQ−Q材は後述する表7 〜13のNo.1、RQ
材はNo.4、DQ材はNo.15 に相当する)、DQ−Q材
におけるRQ昇温過程での前記Nb化合物の析出量は、
図8のDQ−Q材に示す通り、他のRQ材に比べて多
く、かつ微細であること(図8 において、DQ−Q材は
後述する表7 〜13のNo.1、RQ材はNo.4に相当する)、
DQ−Q材はRQの昇温時に析出した微細なNb化合
物により、図9のDQ−Q−T材に示す通り、他のRQ
−T材に比べて硬度HVが高くなるなどマトリックスが
強化されること(図9において、DQ−Q−T材は後述
する表7 〜13のNo.1、RQ−T材はNo.4に相当する)、
直接焼入れ(DQ)後の再加熱焼入れ(RQ)前での
合金元素の固溶量が、圧延後空冷−RQ直前に比べて著
しく多いため、DQ−Q材はRQ材に比して高い焼入れ
性を有することである。
り、特に、鋼板のL方向、T方向での旧オーステナイト
組織の異方性が小さく、焼入れ深度が深く、かつ、全板
厚方向にわたって、微細な旧オーステナイト粒を有する
焼戻しマルテンサイト主体の組織が得られた。このミク
ロ組織を有する高張力鋼板は、板厚中心部での強度と靱
性を向上させるとともに、表層部においても微細粒化に
よって焼入れ性を下げて、高靱性を確保する。加えて、
鋼板のL方向、T方向での異方性が極めて少ない材質を
有することを見いだし、本発明を完成するに至ったもの
である。
%にて、C:0.07〜0.18%、Si:0.05〜0.30%、M
n:0.40〜1.30%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.8 〜
3.5 %、Cr:0.10〜1.20%、Mo:0.05〜 0.80 %、
V:0.005 〜 0.100%、Al:0.005 〜0.100 %、N
b:0.008 〜0.025 %、B:0.0003〜 0.0030 %を含有
し、かつN:0.0060%以下、P:0.010 %以下、S:0.
005 %以下に各々規制し、残部Feおよび不可避的不純
物からなり、かつ炭素当量Ceq が0.52〜0.61% [但し、
Ceq =C+Si/24+Mn/6 +Ni/40+Cr/5 +
Mo/4 +V/14 (%)]で、溶接割れ感受性指数PcM が
0.25〜0.31% [但し、PcM=C+Si/30+Mn/20+C
u/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5 ×
B (%)]で、更に合金元素の固溶量 [但し、合金元素の
固溶量=sol.Cr+sol.Mo+sol.V+sol.B (%)]が
0.88%以上となる化学組成を有し、鋼中のNb化合物が
平均粒径:8nm 以下で、かつ体積分率:1.5 ×10-4〜5.
0 ×10-4 %の範囲で存在し、鋼の旧オーステナイト粒の
平均粒度No. が8 以上でかつ展伸度AIl ( 但し、ASTM E
112 −1995,16.3.5,237 頁の測定方法による) が1.5 以
下であることを特徴とする、板厚方向での均質性に優
れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板と
する。
iの内から1種以上を含有しても良い。
化学組成を有する鋼を、1100℃以上に加熱して熱間圧延
し、1000℃以下の温度域で40%以上の累積圧下率で圧下
を加え、930 ℃以上で仕上げた後、そのまま板厚中心部
の冷却速度が3.5 ℃/sec 以上で200 ℃以下まで直接焼
入れを行い、次いで、870 〜950 ℃の温度域に再加熱し
て水焼入れを行い、引き続いてA c1点以下の温度で焼戻
して空冷する。そして、この製造方法により、より好ま
しくは、焼戻して空冷した後の鋼の合金元素の固溶量
[但し、合金元素の固溶量=sol.Cr+sol.Mo+sol.
V+sol.B (%)]を0.88%以上で、鋼中のNb化合物を
平均粒径:8nm 以下で、かつ体積分率:1.5 ×10-4〜5.
0 ×10-4 %の範囲で存在させ、鋼の旧オーステナイト粒
の平均粒度No. を8 以上でかつ展伸度AIl ( 但し、ASTM
E112 −1995,16.3.5,237 頁の測定方法による) を1.5
以下とした、板厚が100mm 以下で板厚方向での均質性に
優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板
を製造可能とする。
る、合金元素の固溶量、Nb化合物の微細析出状態およ
び旧オーステナイト粒度の限定理由について説明する。
の固溶量の影響、および靱性に及ぼすNb化合物の析出
状態と旧オーステナイト粒度の影響につき、詳細に調査
した。調査は表2に示す条件で行い、後述する実施例の
表3中のNo. Aの0.013 %Nb添加鋼を用いて、表5、
6に示す加工熱処理から、高温制御圧延(OR)−直接
焼入れ、再加熱焼入れ、焼戻し(DQ−Q−T)法、高
温制御圧延(OR)−再加熱焼入れ、焼戻し(RQ−
T)法、高温制御圧延(OR)−加速冷却(AcC−Q
−T、500 ℃で冷却停止) 法、低温制御圧延(CR)−
直接焼入れ、再加熱焼入れ、焼戻し(DQ−Q−T)法
などを選択した。
分析により合金元素の未固溶量、抽出レプリカ法により
Nb化合物の析出状態、およびASTM E112 −95により旧
オーステナイト粒度の各々の測定を行った。また、機械
的試験として、t/4 、t/2 での引張試験および表面7mm
下、t/4 、t/2 でのV ノッチシャルピー試験を鋼板のL
方向、T方向の両方向について行い、強度と靱性を評価
した。これらの結果も合わせて表2に示す。
ず、OR−DQ−Q−T後の、sol.Cr+sol.Mo+so
l.V+sol.Bからなる合金元素の固溶量と強度との関係
を、整理し直したものを図1に示す。なお、図中の番号
は表2の番号に対応する。同図より、引張強度は、DQ
−Q−T材の合金元素の固溶量と共に増大し、950N/mm2
以上の強度を確保するためには、合金元素の固溶量が0.
88%以上必要であることが分かる。
接焼入れの冷却速度と、合金元素の固溶量との関係を示
す。同図より、直接焼入れの冷却速度を速くすると、D
Q後の合金元素の固溶量は増大し、この傾向は、DQ−
Q−T後においても引き継がれることが分かる。したが
って、DQ−Q−T後の合金元素の固溶量を0.88%以上
を得るためには、DQ時の冷却速度を3.5 ℃/sec 以上
とすることが有効であることが分かる。
テナイト粒度と靱性値との関係を示す。同図より、旧オ
ーステナイトの平均粒度No. が大きくなるに従って、靱
性は向上し、DQ−Q−T後において、vTrs:−60℃以
下で、かつvE-60 :150J以上の高い靱性を得るには、旧
オーステナイトの平均粒度No. を8 以上とすれば良いこ
とが分かる。
b化合物の析出状態と、旧オーステナイト粒度No. との
関係を示す。同図より、旧オーステナイトの粒度No.
は、Nb化合物が小さくなるほど大きくなり、平均粒度
No. を8 以上にするためには、Nb化合物の平均粒径を
8nm 以下にすれば良いことが分かる。この微細なNb化
合物を得るためには、DQ時の冷却速度を、3.5 ℃/se
c 以上とすることが有効である。
過程で析出するNb化合物としてのNb量と、DQ−Q
後の旧オーステナイトの平均粒度No. との関係を示す。
同図より、旧オーステナイト粒を微細にするには、DQ
に続くRQにおいて、その昇温時に、Nb化合物を多く
析出させると、旧オーステナイト粒を微細にすることが
できることが分かる。これより、再加熱による逆変態時
に絡ませて、Nb化合物を微細析出させることが、結晶
粒の微細化に対して極めて有効な手段となる。また、微
細に析出したNb化合物は、前記図9の通り、マトリッ
クスを強化する作用を有する。
強さが950N/mm2以上で、vE-60 :150J以上を満足させる
ための、合金元素の固溶量とNb化合物の平均粒径との
関係を求めると、図6から明らかなように、合金元素の
固溶量が0.88%以上で、Nb化合物の平均粒径を8nm 以
下になる様に、化学組成および加工熱処理条件を制御す
る必要があり、この点が本発明の主旨とするところであ
る。
後加速冷却で500 ℃で冷却停止したものをRQ−Tした
ものであり、一方、比較例No.6は、850 ℃の制御圧延
後、DQしたものをRQ−Tしたものである。両者とも
合金元素の固溶量が少なく、Nb化合物の平均粒径も大
きいため、板厚中心部の強度が低く、かつ表層部および
板厚中心部の靱性も低位である。したがって、930 ℃以
上の高温制御圧延−DQ−Q−T法を採用して、本発明
に規定する要件を満たす鋼板のみが板厚方向での均質性
とL方向、T方向での異方性の小さい性能を具備できる
ことが分かる。
由について説明する。Cは、高張力鋼板としての強度を
確保するために必要な元素である。含有量が0.07%未満
では引張強さが950N/mm2以上を得るのが困難であり、一
方、0.18%を超えて含有すると、耐溶接割れを劣化させ
る。したがって、C含有量は0.07〜0.18%の範囲とす
る。
るが、0.05%未満では効果が不十分であり、 0.30 %を
超えて含有すると溶接継手部において島状マルテンサイ
トを生成させ、溶接継手部靱性を低下させる。したがっ
て、Si含有量は0.05〜0.30%の範囲とする。
保するために不可欠な元素である。含有量が0.40%未満
では、このような効果がなく、一方、1.30%を超えて過
多に含有すると、靱性および溶接性が劣化する。したが
って、Mn含有量は0.40〜1.30%の範囲とする。
その効果を得るためには、0.01%以上の含有が必要であ
る。しかし、0.50%を超えて含有すると、熱間加工性お
よび溶接性を劣化させる。以上のことから、Cu含有量
は0.01〜0.50%の範囲とする。
効果があり、0.8 %未満の含有量では引張強さが950N/m
m2以上を確保できない。しかし、一方、3.5 %を超えて
含有しても、コストアップに見合うだけの強度じょうし
ょう靱性改善の効果が得られない。そのため、Ni含有
量は0.8 〜3.5 %の範囲とする。
含有量が0.10%未満ではこの効果が十分発揮されず、ま
た1.20%を超えて含有すると溶接性を劣化させる。した
がって、Cr含有量は0.10〜1.20%の範囲とする。
な元素であるが、含有量が0.05%未満では、これらの効
果が十分得られず、また0.80%を超えて含有すると、溶
接性が劣化するとともにコストアップとなる。よって、
Mo含有量は 0.05 〜 0.80%の範囲とする。
元素であるが、含有量が0.005 %未満では、これらの効
果が十分得られず、また0.100 %を超えて含有すると、
靱性と溶接性を劣化させる。よって、V含有量は 0.005
〜 0.100%の範囲とする。
が0.005 %未満では、その効果が少なく、また0.100 %
を超えて含有すると、靱性と溶接性を劣化させる。よっ
て、Al含有量は 0.005〜 0.100%の範囲とする。
存在することにより、そのピン止め効果によってオース
テナイト粒の成長を抑制し、オーステナイト粒を細粒化
すると共にマトリックスへの析出によって強度上昇をも
たらす。含有量が0.008 %未満では、その細粒化効果が
少なく、また0.025 %を超えて含有すると、強度上昇効
果が飽和するとともに、母材靱性を低下させる。したが
って、Nb含有量は0.008 〜0.025 %の範囲とする。
の上昇に有効であるが、このような効果を得るために
は、0.0003%以上の含有が必要である。一方、逆に0.00
30%を超えて含有しても効果の向上は望めない。したが
って、Bの含有量は0.0003〜0.0030%の範囲とする。
目標強度、靱性および加工のレベルに応じて、選択的に
添加することができる。Caは非金属介在物の球状化作
用を有し、曲げ加工性および靱性の向上に有効である。
含有量が0.0010%未満では、このような効果に乏しく、
逆に0.010 %を超えて含有すると球状化作用の向上が望
めないだけでなく、余分なCaが介在物となり、靱性を
劣化させる。したがって、Caの含有量は0.0010〜0.01
0 %の範囲とする。
して、微細化に有効である。このような効果を得るため
には、0.005 %以上の添加が必要であり、一方0.025 %
を超えて含有すると、母材靱性を低下させる。したがっ
て、Ti含有量は0.005 〜0.025 %の範囲とする。
いては、P、S、N、を各々規制する。まず、Pは、靱
性や溶接性を損ない、溶接時の高温割れ発生の原因とな
る。したがって、Pは0.010 %以下に規制する必要があ
る。
し、このMnS介在物は圧延によって展伸して曲げ加工
性および靱性を劣化させる。したがって、Sは0.005 %
以下に規制する必要がある。
て、Bの焼入れ性向上効果を低減させる。したがって、
0.0060%以下に規制する必要がある。
0.61% [但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6 +Ni/
40+Cr/5 +Mo/4 +V/14 (%)]の範囲とする。
Ceqが0.52%未満では、強度が確保できず、また0.61%
を超えると、耐溶接割れ性に劣る。
31% [但し、PcM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+
Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5 ×B (%)]
の範囲とする。PcM が0.25%未満では、溶接部が軟化
し、また0.31%を超えると、耐溶接割れ性に劣る。
確保するために、前記図1で説明した通り、sol.Cr+
sol.Mo+sol.V+sol.Bで表される合金元素の固溶量
を0.88%以上とする。合金元素の固溶量が0.88%未満の
場合、板厚中心部で目標強度を満足しなくなる。
鋼のミクロ組織を特定する。まず、鋼板の表層部から板
厚中心部において所望の高靱性(vTrs:−60℃以下で、
かつvE-60 :150J以上)を満足させるためには、前記図
3で説明した通り、旧オーステナイトの平均粒度No. を
8 以上とする必要がある。
は、前記図4で説明した通り、直接焼入れでNbを完全
固溶させた後、続く再加熱焼入れの昇温過程で、Nb化
合物を微細に析出させた上で、逆変態させることで、オ
ーステナイト粒の粗大化を防止することが必要である。
このため、平均粒度No. を8 以上にするためには、Nb
化合物の平均粒径を8nm 以下にし、かつ体積分率:1.5
×10-4〜5.0 ×10-4 %の範囲で存在させる。Nb化合物
がこのいずれかの条件を満足しない場合、所望のオース
テナイト粒度が得られず、表層部においては焼きが入り
すぎて靱性が低くなり、板厚中央部においては、粗粒の
ため靱性が低くなり、全板厚方向において靱性の均質性
が損なわれる。
伸度AIl ( 但しASTM E112 −1995,Specimens with None
quiaxed Grain Shapes 16.3.5, 237頁の測定方法によ
る) を特定することを特徴とする。展伸度AIl が1.5 を
超えると、靱性の異方性が大きくなり、圧延主方向と直
角方向(T方向)吸収エネルギーが低位なものになって
しまう。この展伸度AIl は、ASTM E112 −1995,Specime
ns with Nonequiaxed Grain Shapes 16.3.5, 237頁の測
定方法で、以下の通り規定される。
明は、板厚方向の均質性を有し、かつ靱性の異方性を少
なくすることを目的として、特に、板厚中心部での強
度確保、および表層部および板厚中心部において、再
結晶粒で微細な旧オーステナイト粒を確保することにあ
る。そのために、に対して、前処理としてのDQで、
Cr、Mo、V、Nb、B等を過飽和に固溶させて、板
厚中心部においても焼入れ性を確保すること、に対し
て、DQ後にRQを入れて、再加熱時の逆変態にNb化
合物の微細析出を絡ませることでより一層の細粒化を図
ることを発明のポイントとしている。
ついては、圧延に際して、スラブ段階で、合金元素の化
合物(析出物)を完全固溶させることが重要で、そのた
め1100℃以上に高温加熱することが、直接焼入れの必須
条件となる。1100℃未満では、前記合金元素の化合物を
完全固溶させることができない。
は、圧延−再結晶の繰り返しによるオーステナイト粒の
等方的微細化に非常に有効である。しかし、累積圧下率
が40%未満では細粒化が十分果たせない。したがって、
高温制御圧延として、930 〜1000℃の温度域で40%以上
の累積圧下率で圧下を加える。
は、Cr、Mo、V、Nb、B等の固溶元素が化合物の
形で析出して、直接焼入れ時の焼入れ性が低下するた
め、本発明の要件となる合金元素の固溶量を確保できな
くなる。したがって、圧延仕上げ温度については、930
℃以上とする。
却速度が3.5 ℃/sec 未満では、完全マルテンサイト組
織とならず、CやNの拡散が起こるために、Cr、M
o、V、Nb、B等の炭化物や窒化物が析出して、本発
明の要件となる合金元素の固溶量を確保できなくなる。
したがって、板厚中心部を完全に焼き入れるために、同
部の冷却速度を3.5 ℃/sec 以上とする。
は、Mf点以下であることが必要であり、板厚中心部ま
で完全に焼き入れるために、200 ℃以下とする。
ンサイト組織をオーステナイト組織に逆変態させて微細
化を図り、細粒オーステナイトからの焼入れで細粒のマ
ルテンサイト変態組織を得ることを狙いとしている。そ
のためには、焼入れ温度をAc3 点以上で、かつ固溶B
による焼入れ性の向上を勘案して、目標強度を確保する
ため、その下限を870 ℃とした。また、焼入れ温度が95
0 ℃を超えると、オーステナイト粒が粗くなり、鋼の低
温靱性を損なう。したがって、再加熱時の温度を870 〜
950 ℃とした。
歪みを除去し、かつセメンタイトを微細に析出させて、
強度−靱性バランスを改善するために実施されるが、過
度の強度低下を避けるために焼戻し温度を、A c1点以下
の温度とする。また、焼戻し後の冷却方法としては、ペ
ンストック等の曲げ成形を勘案して、新たな残留応力の
導入を回避するために空冷とした。
向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級
調質高張力鋼板およびその製造方法について、実施例を
挙げて説明する。
々溶製し、表5、6に示すような条件で、板厚50〜100m
m の鋼板に圧延後、直接焼入れ等の熱処理を行った。そ
してこれらの鋼板から試験片を採取して、抽出残差分析
により合金元素の未固溶量、抽出レプリカ法によりNb
化合物の析出状態、およびASTM E112 −95により旧オー
ステナイト粒度の各々の測定を行った。また、機械的試
験として、t/4 、t/2での引張試験および表面7mm 下、t
/4 、t/2 でのV ノッチシャルピー試験を鋼板のL方
向、T方向の両方向について行い、強度と靱性を評価し
た。また、溶接性を評価するために、 JIS Z 3158 Y 形
溶接割れ試験 (入熱17kJ/cm) で割れの有無を調べて、
割れ防止最低予熱温度を求めた。これらの結果を、表7
〜13に示す。なお、表7〜13のNo.1〜28の鋼板は、
板厚50mmであり、No.29 は板厚75mm、No.30 〜32は板厚
100mm である。
板は、本発明組成内のNb添加鋼に、低温制御圧延−DQ
−Tを施したものであるが、板厚中心部(t/2) の強度
が、表1の目標強度を満足しておらず、またT方向の靱
性が低位である。また、強度、靱性とも板厚方向で不均
質で、L、T方向の異方性も大きい。
成内のNb添加鋼に、高温制御圧延−DQ−Tを施したも
のであるが、全板厚方向において、vE-60 、vT rs とも
劣り、表1の目標値を満足していない。
内のNb添加鋼に、高温制御圧延−RQ−Tを施したもの
であるが、t/4 、t/2 とも、表1の目標強度を満足して
いない。また表層部、t/2 のvE-60 が表1の目標値を満
足していない。
0、22〜25、27、29〜31の本発明例の鋼板は、本発明組
成内のNb添加鋼に、本発明製法条件内の高温制御圧延−
DQ−Q−Tを施して、本発明規定内のミクロ組織を有
しているものである。この場合、全板厚方向にわたっ
て、強度、靱性とも表1の目標値を満足し、優れた均質
性を有するとともに、L、T方向の異方性も殆ど無い。
また、割れ防止最低予熱温度も125 ℃以下と良好であ
り、表1の目標値を満足する。
の鋼板は、本発明組成内のNb添加鋼に、本発明規定外の
製造条件で圧延・冷却を行った後に、RQ−Tを施した
ものであるが、板厚方向において強度、靱性とも表1の
目標値を満足していない。また板厚方向において均質性
に劣る。
例の鋼板は、本発明組成外の鋼に、本発明製法条件内の
高温制御圧延−DQ−Q−Tを施したものであるが、い
ずれの鋼板も、板厚方向において強度あるいは靱性が表
1の目標値を満足していない。また板厚方向において均
質性にも劣る。この内、No.32 の比較例の鋼板は、溶接
割れ感受性指数PcM が、本発明範囲の上限0.31%を超え
ており、耐溶接割れ性に劣り、JIS Z 3158 Y形溶接割れ
試験 (入熱17kJ/cm) での割れ防止最低予熱温度が150
℃と高く、表1の目標値(125℃以下) を満足していな
い。
優れ、また靱性の異方性を改善した950N/mm2級調質高張
力鋼板とその製造方法を提供することができる。即ち、
特に、鋼板のL方向、T方向共に脆性亀裂伝播停止のた
めの高位の破壊靱性や、全板厚方向位置および鋼板のL
方向、T方向共に、950N/mm2以上の引張強度と、vTrs:
−60℃以下で、かつvE-60 :150J以上の高い靱性を有す
る、厚肉950N/mm2級高張力鋼板を提供することができ、
その結果、ペンストックなどの用途の高落差化および大
口径化を可能にする点で工業的な価値は大きい。
の、合金元素の固溶量と強度との関係を示す説明図であ
る。
度と、合金元素の固溶量との関係を示す説明図である。
イト粒度と靱性値との関係を示す説明図である。
合物の析出状態と、旧オーステナイト粒度No. との関係
を示す説明図である。
Nb化合物としてのNb量と、DQ−Q後の旧オーステ
ナイトの平均粒度No. との関係を示す説明図である。
Nb化合物としてのNb量と、DQ−Q後の旧オーステ
ナイトの平均粒度No. との関係を示す説明図である。
オーステナイト結晶粒と、その大きさを示す説明図であ
る。
Nbの析出挙動を示す説明図である。
各製造工程におけるマトリックスの硬さを示す説明図で
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 質量%にて、C:0.07〜0.18%、Si:
0.05〜0.30%、Mn:0.40〜1.30%、Cu:0.01〜0.50
%、Ni:0.8 〜3.5 %、Cr:0.10〜1.20%、Mo:
0.05〜 0.80 %、V:0.005 〜 0.100%、Al:0.005
〜0.100 %、Nb:0.008 〜0.025 %、B:0.0003〜
0.0030 %を含有し、かつN:0.0060%以下、P:0.010
%以下、S:0.005 %以下に各々規制し、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ炭素当量Ceq.が0.52
〜0.61% [但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6 +Ni
/40+Cr/5 +Mo/4 +V/14 (%)]で、溶接割れ
感受性指数PcM が0.25〜0.31% [但し、PcM=C+Si/
30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/
15+V/10+5 ×B (%)]で、更に合金元素の固溶量
[但し、合金元素の固溶量=sol.Cr+sol.Mo+sol.
V+sol.B (%)]が0.88%以上となる化学組成を有し、
鋼中のNb化合物が平均粒径:8nm 以下で、かつ体積分
率:1.5 ×10-4〜5.0 ×10-4 %の範囲で存在し、鋼の旧
オーステナイト粒の平均粒度No. が8 以上でかつ展伸度
AIl ( 但し、ASTM E112 −1995,16.3.5,237頁の測定方
法による) が1.5 以下であることを特徴とする、板厚方
向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級
調質高張力鋼板。 - 【請求項2】 選択添加元素として更に、Ti:0.005
〜 0.025%、Ca:0.0010〜0.010 %の内から、一種ま
たは二種を含有する請求項1に記載の950N/mm2級調質高
張力鋼板。 - 【請求項3】 板厚が100mm 以下である請求項1または
2に記載の950N/mm2級調質高張力鋼板。 - 【請求項4】 前記靱性がvTrs:−60℃以下で、かつvE
-60 :150J以上である請求項1乃至3のいずれか1項に
記載の950N/mm2級調質高張力鋼板。 - 【請求項5】 用途がペンストック用である請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の950N/mm2級調質高張力鋼
板。 - 【請求項6】 質量%にて、C:0.07〜0.18%、Si:
0.05〜0.30%、Mn:0.40〜1.30%、Cu:0.01〜0.50
%、Ni:0.8 〜3.5 %、Cr:0.10〜1.20%、Mo:
0.05〜 0.80 %、V:0.005 〜 0.100%、Al:0.005
〜0.100 %、Nb:0.008 〜0.025 %、B:0.0003〜
0.0030 %を含有し、かつN:0.0060%以下、P:0.010
%以下、S:0.005 %以下に各々規制し、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ炭素当量Ceq.が0.52
〜0.61% [但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6 +Ni
/40+Cr/5 +Mo/4 +V/14 (%)]で、溶接割れ
感受性指数PcM が0.25〜0.31% [但し、PcM=C+Si/
30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/
15+V/10+5 ×B (%)]となる化学組成を有する鋼
を、1100℃以上に加熱して熱間圧延し、1000℃以下の温
度域で40%以上の累積圧下率で圧下を加え、930 ℃以上
で仕上げた後、そのまま板厚中心部の冷却速度が3.5 ℃
/sec 以上で、かつ200 ℃以下まで直接焼入れを行い、
次いで、870 〜950 ℃の温度域に再加熱して水焼入れを
行い、引き続いてA c1点以下の温度で焼戻して空冷する
ことを特徴とする、板厚方向での均質性に優れ、靱性の
異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項7】 前記焼戻して空冷後の鋼板が、鋼の合金
元素の固溶量 [但し、合金元素の固溶量=sol.Cr+so
l.Mo+sol.V+sol.B (%)]が0.88%以上で、鋼中の
Nb化合物が平均粒径:8nm 以下で、かつ体積分率:1.
5 ×10-4〜5.0 ×10-4 %の範囲で存在し、鋼の旧オース
テナイト粒の平均粒度No. が8 以上でかつ展伸度AIl (
但し、ASTM E112 −1995,16.3.5,237 頁の測定方法によ
る) が1.5 以下である、請求項6に記載の950N/mm2級調
質高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項8】 選択添加元素として更に、Ti:0.005
〜 0.025%、Ca:0.0010〜0.010 %の内から、一種ま
たは二種を含有する請求項6または7に記載の950N/mm2
級調質高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項9】 板厚が100mm 以下である請求項6乃至8
のいずれか1項に記載の950N/mm2級調質高張力鋼板の製
造方法。 - 【請求項10】 前記靱性がvTrs:−60℃以下で、かつ
vE-60 :150J以上である請求項6乃至9のいずれか1項
に記載の950N/mm2級調質高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項11】 用途がペンストック用である請求項6
乃至10のいずれか1項に記載の950N/mm2級調質高張力
鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07399197A JP3499705B2 (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07399197A JP3499705B2 (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10265893A JPH10265893A (ja) | 1998-10-06 |
JP3499705B2 true JP3499705B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=13534103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07399197A Expired - Lifetime JP3499705B2 (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3499705B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7967923B2 (en) | 2008-10-01 | 2011-06-28 | Nippon Steel Corporation | Steel plate that exhibits excellent low-temperature toughness in a base material and weld heat-affected zone and has small strength anisotropy, and manufacturing method thereof |
JP2011153366A (ja) * | 2010-01-28 | 2011-08-11 | Nippon Steel Corp | レーザ溶接用またはレーザ・アークハイブリッド溶接用の引張強さが1100MPa以上の高張力鋼板の製造方法 |
JP5509923B2 (ja) * | 2010-02-25 | 2014-06-04 | 新日鐵住金株式会社 | レーザ溶接用またはレーザ・アークハイブリッド溶接用の引張強さが1100MPa以上の高張力鋼板の製造方法 |
JP5845674B2 (ja) * | 2010-07-16 | 2016-01-20 | Jfeスチール株式会社 | 曲げ加工性および低温靱性に優れる高張力鋼板およびその製造方法 |
EP2612945B1 (en) | 2010-11-05 | 2014-04-16 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | High-strength steel plate and method for producing same |
KR101716265B1 (ko) * | 2013-03-15 | 2017-03-14 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 후육 고인성 고장력 강판 및 그의 제조 방법 |
CA2969200C (en) * | 2015-01-16 | 2020-06-02 | Jfe Steel Corporation | Thick-walled high-toughness high-strength steel plate and method for manufacturing the same |
KR102255821B1 (ko) * | 2019-09-17 | 2021-05-25 | 주식회사 포스코 | 저온 충격인성이 우수한 고강도 극후물 강재 및 이의 제조방법 |
-
1997
- 1997-03-26 JP JP07399197A patent/JP3499705B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10265893A (ja) | 1998-10-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100843844B1 (ko) | 균열성장 저항성이 우수한 초고강도 라인파이프용 강판 및그 제조방법 | |
KR20200066512A (ko) | 냉간가공성 및 ssc 저항성이 우수한 초고강도 강재 및 그 제조방법 | |
JP5089224B2 (ja) | オンライン冷却型高張力鋼板の製造方法 | |
JP2913426B2 (ja) | 低温靱性の優れた厚肉高張力鋼板の製造法 | |
JP2005256037A (ja) | 高強度高靭性厚鋼板の製造方法 | |
JP3499705B2 (ja) | 板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法 | |
JP3247908B2 (ja) | 延性と耐遅れ破壊特性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JPH02254120A (ja) | 高溶接性、耐応力腐食割れ性および低温靭性にすぐれたht80鋼の製造方法 | |
JP2003321727A (ja) | 曲げ加工性に優れた低降伏比型高張力鋼板およびその製造方法 | |
JP4310591B2 (ja) | 溶接性に優れた高強度鋼板の製造方法 | |
JP3873540B2 (ja) | 高生産性・高強度圧延h形鋼の製造方法 | |
JP7048379B2 (ja) | 高強度高延性鋼板 | |
CN114480949B (zh) | 一种690MPa级低屈强比耐候焊接结构钢、钢板及其制造方法 | |
JP4311020B2 (ja) | 低降伏比高強度高靱性鋼板及びその製造方法 | |
JP2828754B2 (ja) | 溶接性の優れた低降伏比70▲kg▼f/▲mm▼▲上2▼級鋼板の製造方法 | |
JP3327065B2 (ja) | 脆性亀裂伝播停止特性に優れた調質型高張力鋼板の製造方法 | |
JP2828755B2 (ja) | 溶接性の優れた低降伏比80▲kg▼f/▲mm▼▲上2▼級鋼板の製造方法 | |
JP3336877B2 (ja) | 脆性破壊伝播停止特性と溶接性に優れた厚肉高張力鋼板の製造方法 | |
JP3602396B2 (ja) | 溶接性に優れた低降伏比高張力鋼板 | |
JP3255004B2 (ja) | 靱性およびアレスト性に優れる溶接用高張力鋼材およびその製造方法 | |
JP2905639B2 (ja) | 降伏比の著しく低い780N/mm2級鋼板の製造方法 | |
JP2546888B2 (ja) | 溶接性、靭性の優れた高張力鋼板の製造方法 | |
JPH0670249B2 (ja) | 靭性に優れた調質型高張力鋼板の製造方法 | |
CN117187680A (zh) | 1500MPa级低屈强比超高强度易焊接防护钢板及其制造方法 | |
JP3920523B2 (ja) | 溶接性及び母材靭性に優れた高張力鋼板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071205 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |