JP2825483B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2825483B2 JP62110287A JP11028787A JP2825483B2 JP 2825483 B2 JP2825483 B2 JP 2825483B2 JP 62110287 A JP62110287 A JP 62110287A JP 11028787 A JP11028787 A JP 11028787A JP 2825483 B2 JP2825483 B2 JP 2825483B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、強磁性金属粉末を磁性層として使用した磁
気記録媒体に関するものであり、特に短波長記録におい
て高再生出力を得ることが可能な磁気記録媒体に関する
ものである。 〔発明の概要〕 本発明は、非磁性支持体上にBET法による比表面積が4
0〜60m2/gの強磁性金属粉末と結合剤とを主体とした磁
性層を設けてなる磁気記録媒体において、上記結合剤は
−SO3M記基含有塩化ビニル系共重合体(A)、−SO3M′
基含有ポリウレタン樹脂(B)及び−COOM″基含有ポリ
ウレタン樹脂(C)(但し、M,M′,M″は水素原子また
はアルカリ金属を表す。)よりなり、その重量比が
(A)/(B+C)=40/60〜70/30,(A+B)/
(C)=60/40〜90/10を満たし、且つ全結合剤のうち
(B)及び(C)はともに10重量%以上とすることによ
り、電磁変換特性を損なうことなく、非常に良好な耐久
性を満足する磁気記録媒体を提供しようとするものであ
る。 〔従来の技術〕 近年、磁気記録媒体、特にVTR用の磁気記録媒体にお
いては、高密度記録をめざした短波長記録化の傾向が著
しい。この短波長記録、特に1μm以下の短波長記録に
おいて高再生出力を得るためには、磁気記録媒体の磁性
層が高抗磁力、高残留磁束密度を持つことが不可欠であ
る。ところが、今日汎用されている酸化鉄系磁性粉や二
酸化クロム磁性粉を磁性粉として用いた磁気記録媒体で
は、上述したような磁気特性を得ることは難しいもので
あった。 そこで、抗磁力,残留磁束密度が大きく、短波長領域
においても高再生出力が得られ、高密度記録が可能であ
る強磁性金属粉末を磁性層として用いることが提案され
開発が進められている。上記強磁性金属粉末は、さらに
良好な電磁変換特性を得るため、できるだけ比表面積の
大きな強磁性金属粉末を使用する必要がある。 上述のような良好な電磁変換特性を得るために用いる
比表面積の大きい強磁性金属粉末は、結合剤中での強磁
性金属粉末の分散性劣化や磁性塗料の増粘を招くなどの
問題を生じてしまう。これらの問題は、磁性層の表面
性、耐久性、磁気特性等に悪影響を与えることになり、
良好な磁気特性を有する磁気記録媒体を得るための障害
となる。 これらの相反する特性を満足させるため、例えば特開
昭59−5424号公報に記載されるように極性基を導入した
種々の結合剤の使用が考えられている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところが、上記特開昭59−5424号公報において提案さ
れた磁気記録媒体について検討を行った結果、電磁変換
特性及び耐久性を同時に満足させることは充分でなかっ
た。 そこで、本発明は上述の問題点を解決するために提案
されたもので、電磁変換特性を損なうことなく、非常に
良好な耐久性を満足する磁気記録媒体を提供することを
目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は、上述の目的を達成するために鋭意研究
の結果、所定の結合剤を所定の割合で含有させることに
より、電磁変換特性を損なうことなく、良好な耐久性を
得ることができるとの知見を得るに至った。 本発明は、上述の知見に基づいて成されたものであっ
て、比磁性支持体上にBET法による比表面積が40〜60m2/
gの強磁性金属粉末と結合剤とを主体とした磁性層を設
けてなる磁気記録媒体において、上記結合剤は−SO3M基
含有塩化ビニル系共重合体(A)、−SO3M′基含有ポリ
ウレタン樹脂(B)及び−COOM″基含有ポリウレタン樹
脂(C)(但し、M,M′M″は水素原子またはアルカリ
金属を表す。)よりなり、その重量比が(A)/(B+
C)=40/60〜70/30,(A+B)/(C)=60/40〜90/1
0を満たし、且つ全結合剤のうち(B)及び(C)はと
もに10重量%以上であることを特徴とするものである。 本発明において、上述のように磁気記録媒体の磁性層
を構成する強磁性金属粉末としては、BET法による比表
面積が40〜60m2/gのものが使用される。上記強磁性金属
粉末の比表面積が40m2/g以下の場合には、S/N比を対向
させる効果があまり期待することができず、また非表面
積が60m2/gより大きい場合には、充分な分散性を得るこ
とができなくなってしまうためである。 本発明において使用可能な強磁性金属粉末は、Fe,Fe
−Co,Fe−Co−Ni等、あるいは耐蝕性、もしくは製造時
の焼結防止等を考慮してAl,Cr,Si等の微量の添加元素を
含有した針状金属粉末等が挙げられる。これら針状金属
粉末は、出発材料として針状の酸化鉄,含水酸化鉄,必
要に応じてNi,Co等の金属を含んだ酸化鉄もしくは含水
酸化鉄をH2ガス等の還元性雰囲気中で還元することによ
って得ることができる。尚、この強磁性金属粉末の比表
面積は、これら上述した出発材料の比表面積を選択する
ことによって制御することができる。 磁性層の抗磁力Hcは、1000(Oe)以上、好ましくは10
00〜2000(Oe)、より好ましくは1000〜1500(Oe)に選
ばれる。すなわち、短波長の記録を目的とする場合、抗
磁力Hcがある程度大きく1000(Oe)以上であることが望
まれるが、あまり大きくなると記録時に磁気ヘッドに飽
和が起きること、消去しにくくなること等の問題を生じ
ることになってしまう。そして、上述したように抗磁力
Hcを1000(Oe)以上とするためには、抗磁力Hcが強磁性
金属粉末の形状異方性に依存することから、強磁性金属
粉末の軸比、すなわち長軸と短軸の比を7以上、より好
ましくは10以上とすることが好ましい。 また、磁性層の塗布膜の厚みは乾燥後において、0.5
〜6μm程度であることが望ましい。これはあまり塗布
厚が薄いと均一な塗布膜の形成が困難となり、いわゆる
ドロップアウトが発生したり、またあまり塗布厚が厚い
と自己減磁による厚み損失が生じてくることになる。 さらに、この磁性層を構成する磁性粉末と結合剤との
重量比磁性粉末/結合剤は、5〜12,好ましくは6〜10
に選ばれる。これは結合剤の量が多過ぎると,すなわち
磁性粉末/結合剤が小さ過ぎると、残留磁束密度Brが不
充分となってS/N比の改善が図れなくなり、逆に磁性粉
末/結合剤が大き過ぎると、粉落ちが増加し耐久性が劣
化することになる。 また、本発明においては、上述のように−SO3M基含有
塩化ビニル系共重合体(A),−SO3M′基含有ポリウレ
タン樹脂(B)及び−COOM″基含有ポリウレタン樹脂
(C)(但し、M,M′,M″は水素原子またはアルカリ金
属を表す。)が結合剤として使用される。 ここで、上記結合剤として使用される−SO3M基含有塩
化ビニル系共重合体,−SO3M′基含有ポリウレタン樹脂
及び−COOM″基含有ポリウレタン樹脂(但し、M,M′,
M″は水素原子またはアルカリ金属を表す。)は、塩化
ビニル系共重合体の場合には−SO3M基(但し、Mは水素
原子またはアルカリ金属を表す。)からなる親水性極性
基を、またポリウレタン樹脂の場合には−SO3M′−COO
M″(但し、M′,M″は水素原子またはアルカリ金属を
表す。)からなる親水性極性基を導入したものである。 上記親水性極性基の導入の方法としては、塩化ビニル
系共重合体及びポリウレタン樹脂に応じた種々の方法が
考えられる。 例えば、塩化ビニル系共重合体に−SO3M基を導入する
には、 (1)共重合モノマーとして、−SO3M基及び共重合可能
な二重結合を有する化合物を使用する方法。 (2)共重合モノマーとして、活性水素及び共重合可能
な二重結合を有する化合物を使用し、共重合体の側鎖に
上記活性水素を導入しておき、−SO3M基及び上記活性水
素と反応可能な基を有する化合物により変性する方法。 (3)共重合モノマーとして、活性水素と反応可能な基
及び共重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、共
重合体の側鎖に上記活性水素と反応可能な基を導入して
おき、−SO3M基及び上記活性水素を有する化合物により
変性する方法。 等が挙げられる。 また、ポリウレタン樹脂に−SO3M′基または−COOM″
を導入するには、次のような方法によればよい。 (1)ポリウレタン樹脂の原料である2塩基酸あるいは
ポリオール等に上記−SO3M′基または−COOM″基を予め
導入しておく方法。 (2)末端もしくは側鎖にOH基を残存させておき、この
OH基を−SO3M′基または−COOM″基を持った化合物によ
り変性する方法。 (2)の方法による場合には、 (2)−1 分子中に−SO3M′基または−COOM″基とハロゲン(例
えば塩素)を含有する化合物と、原料に多官能のポリオ
ールを用いポリマー鎖の末端もしくは側鎖にOH基が残存
したポリウレタン樹脂とを、両成分が溶解性のあるジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶剤に溶
解し、ピリジン,ピコリン,トリエチルアミン等のアミ
ン類やエチレンオキサイド,プロピオンオキサイド等の
エポキシ化合物等の脱塩酸剤の存在下でのOH基と塩酸と
の脱塩酸反応により−SO3M′基または−COOM″基を導入
する方法。 (2)−2 分子中に−SO3M′基または−COOM″基とOH基とを含有
する化合物と、ポリマー鎖の末端もしくは側鎖にOH基が
残存したポリウレタン樹脂とを、ジイソシアナート化合
物を介して反応させる方法。 がある。 上述のようして親水性極性基を導入した−SO3M基含有
塩化ビニル系共重合体(A),−SO3M′基含有ポリウレ
タン樹脂(B)及び−COOM″基含有ポリウレタン樹脂
(C)(但し、M,M′,M″は水素原子またはアルカリ金
属を表す。)が結合剤として使用される。そしてこれら
結合剤は、その重量比が(A)/(B+C)=40/60〜7
0/30,(A+B)/(C)=60/40〜90/10を満たし、且
つ全結合剤のうち(B)及び(C)はともに10重量%以
上となるように混合する。 上記混合結合剤のうち−SO3M基含有塩化ビニル系共重
合体(A)は、40重量%〜70重量%の範囲にあることが
好ましい。これは、−SO3M基含有塩化ビニル系共重合体
の量が40重量%より少ない場合には磁気記録媒体の耐久
性が悪化しスチル特性が低下してしまうためである。ま
た、−SO3M基含有塩化ビニル系共重合体の量が70重量%
より多い場合には磁気記録媒体を構成する非磁性支持体
との接着性が劣化してしまうこと及びキズがつき易くな
り僅かなキズが入った場合磁性層がボロボロになってし
まうことがあるためである。 また、−CCOM″基含有ポリウレタン樹脂(C)は、10
重量%〜40重量%の範囲内にあることが好ましい。これ
は、−CCOM″基含有ポリウレタン樹脂の量が10重量%よ
り少ない場合には磁性層にキズがつき易くなり僅かなキ
ズが入った場合に磁性層がボロボロになってしまうこと
があるためである。また、40重量%より多い場合には磁
気ヘッドへの貼付き現象を起こしてしまい走行性の劣化
を招くことになる。 さらに、−SO3M′基含有ポリウレタン樹脂(B)は、
10重量%以上であることが好ましい。−SO3M′基含有ポ
リウレタン樹脂の量が10重量%より少ない場合には磁気
記録媒体の耐久性が悪化しスチル特性が低下することに
なる。 本発明において、上記各結合剤の分子量は50000以下
であることが好ましい。これは、分子量が50000を越え
ると磁性粉末のBET法による比表面積が大きくなった場
合に、塗料粘度が許容範囲を越えて大きくなり過ぎるか
らである。そして上記結合剤の分子量は2000以上が好ま
しい。これは、上記分子量が2000以下の場合、磁性塗料
を非磁性支持体上に塗布してから硬化剤を用いて硬化さ
せる際に、未反応成分が生じ低分子量成分が残存して塗
膜物性を劣化させる虞があるからである。 また、本発明において、親水性極性基を含有する樹脂
は、親水性極性基1個当たりの分子量が200〜50000の範
囲であることが好ましい。親水性極性基1個当たりの分
子量が200以下の場合には、親水性極性基の親水性が強
くなり過ぎ、溶剤への溶解性、結合剤中の他の樹脂との
相溶性及び磁性層の耐湿性が悪化し、親水性極性基1個
当たりの分子量が50000以上の場合には、強磁性金属粉
末の分散性に対する効果が不充分となるからである。 磁気記録媒体の磁性層には、上記強磁性金属磁性粉及
び結合剤の他、補強剤,潤滑剤,帯電防止剤,分散剤等
を各目的にあわせて添加することを妨げない。 磁気記録媒体を構成する磁性層の構成材料は、有機溶
媒に溶解させることによって磁性塗料として調製され非
磁性支持体上に塗布される。上記磁性塗料を調製する際
に使用する有機溶媒としては、アセトン,メチルエルケ
トン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等の
ケトン類、メタノール,エタノール,プロパノール,ブ
タノール等のアルコール類、メチルアセテート,エチル
アセテート,ブチルアセテート,エチルラクテート,グ
リコールアセテート,モノエチルエーテル等のエステル
類、エチレングリコールジメチルエーテル,エチレング
リコールモノエチルエーテル,ジオキサン等のグリコー
ルエーテル類、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香
族炭化水素、ヘキサン,ヘプタン等の脂肪族炭化水素、
ニトロプロパン等が挙げられる。 また、磁気記録媒体を構成する非磁性支持体の素材と
しては、ポリエチンレンテレフタレート等のポリエステ
ル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロー
ストリアセテート,セルロースダイアセテート,セルロ
ースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ
塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポ
リカーボネート,ポリイミド,ポリアミドイミド等のプ
ラスチック、アルミニウム合金,チタン合金等の軽金
属、アルミナガラス等のセラミックス等が挙げられる。 〔作用〕 −SO3M基含有塩化ビニル系共重合体,−SO3M′基含有
ポリウレタン樹脂及び−COOM″基含有ポリウレタン樹脂
(但し、M,M′,M″は水素原子またはアルカリ金属を表
す。)よりなる結合剤を使用することによって、各結合
剤からなる塗膜の物性相乗的に働き良好な耐久性が発揮
される。 また、極性基を導入した結合基を用いることにより散
性が向上し電磁変換特性を損なうこともない。 〔実施例〕 以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 尚、以下の実施例において、スルホン酸ナトリウム基
含有塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体(日本ゼオン社製、商品名MR110)を結合剤Aと、ス
ルホン酸ナトリウム含有ポリウレタン樹脂(東洋紡社
製、商品名UR−9200:分子量18000)を結合剤Bと、カル
ボキシル基含有ポリウレタン樹脂(ポリオールとしてポ
リブチレンアジペート、鎖延長剤としてネオペンチルグ
リコール及びジメチロールプロピンオン酸を用い、ジフ
ェニルメタンジイソシアネートと反応させ合成した。分
子量は20000)を結合剤Cと、表示するものとする。 比較例1 強磁性金属鉄粉末 600重量部 (比表面積60m2/g,軸比11〜13) 結合剤A 30重量部 結合剤B 50重量部 結合剤C 20重量部 Cr2O3粒子 60重量部 カーボンブラック 35重量部 オリーブオイル 7重量部 トルエン 350重量部 メチルエチルケトン 350重量部 シクロヘキサン 350重量部 上記組成物をボールミル中で20時間混練分散した後、
イソシアネート化合物(バイエル社製、商品名ジスモジ
ュールL)を20重量部加え、高速剪断分散して磁性塗料
とした。 この磁性塗料を、厚さ14μm、表面粗さ0.03μmのポ
リエチレンテレフタレートの片面に乾燥厚さ4.0μmと
なるように塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中で配
向処理を行い、80℃で乾燥した後、スーパーカレンダー
処理を行い、さらに1/2インチ幅に裁断してサンプルテ
ープを作製した。 実施例1〜実施例4及び比較例2 比較例1において、第1表に示すように、結合剤Aと
結合剤Bの添加量を変え、後は比較例1と同様な方法に
よりサンプルテープ(実施例1〜実施例4及び比較例
2)を作製した。 実施例5 強磁性金属鉄粉末 600重量部 (比表面積60m2/g,軸比11〜13) 結合剤A 50重量部 結合剤B 10重量部 結合剤C 40重量部 Cr2O3粒子 60重量部 カーボンブラック 35重量部 オリーブオイル 7重量部 トルエン 350重量部 メチルエチルケトン 350重量部 シクロヘキサン 350重量部 上記組成物をボールミル中で20時間混練分散した後、
イソシアネート化合物(バイエル社製、商品名ジスモジ
ュールL)を20重量部加え、高速剪断分散して磁性塗料
とした。 この磁性塗料を、厚さ14μm、表面粗さ0.03μmのポ
リエチレンテレフタレートの片面に乾燥厚さ4.0μmと
なるように塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中で配
向処理を行い、80℃で乾燥した後、スーパーカレンダー
処理を行い、さらに1/2インチ幅に裁断してサンプルテ
ープを作製した。 実施例6,実施例7及び比較例3,比較例4 実施例5において、第2表に示すように、結合剤Bと
結合剤Cの添加量を変え、後は実施例5と同様な方法に
よりサンプルテープ(実施例6,実施例7及び比較例3,比
較例4)を作製した。 実施例8 強磁性金属鉄粉末 600重量部 (比表面積45m2/g,軸比11〜13) 結合剤A 50重量部 結合剤B 30重量部 結合剤C 20重量部 Cr2O3粒子 60重量部 カーボンブラック 35重量部 オリーブオイル 7重量部 トルエン 350重量部 メチルエチルケトン 350重量部 シクロヘキサン 350重量部 上記組成物をボールミル中で20時間混練分散した後、
イソシアネート化合物(バイエル社製、商品名ジスモジ
ュールL)を20重量部加え、高速剪断分散して磁性塗料
とした。 この磁性塗料を、厚さ14μm、表面粗さ0.03μmのポ
リエチレンテレフタレートの片面に乾燥厚さ4.0μmと
なるように塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中で配
向処理を行い、80℃で乾燥した後、スーパーカレンダー
処理を行い、さらに1/2インチ幅に裁断してサンプルテ
ープを作製した。 比較例5 実施例2において、結合剤Aの代わりに、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(U.C.C社製,
VAGH)を用いて、後は実施例2と同様な方法によりサン
プルテープを作製した。 比較例6 実施例2において、結合剤Bの代わりに、熱可塑性ポ
リウレタン(日本ポリウレタン社製,商品名N−3022)
を用いて、後は実施例2と同様な方法によりサンプルテ
ープを作製した。 比較例7 実施例2において、結合剤Cの代わりに、熱可塑性ポ
リウレタン(日本ポリウレタン社製,商品名N−3022)
を用いて、後は実施例2と同様な方法によりサンプルテ
ープを作製した。 これら作製されたサンプルテープについて磁気特性,
ポリエチンレンテレフタレートとの接着性、また1/2イ
ンチVTRを使用して100回実走行させた時のサンプルテー
プのダメージ程度,1/2インチVTRでのスチル特性につい
て測定した。これらの結果を第3表に示す。 なお、第3表中、走行性については、サンプルテープ
を100回往復走行させた時の評価であり、×印はサンプ
ルテープの摩擦係数が高くなり固定ヘッドに貼付いた状
態もしくはRF波形が正常でない状態を示し、△印は時々
走行が不安定となる状態を示し、○印は通常の走行状態
を示している。 また、第3表中、傷つきについては、×印はサンプル
テープ全面に傷が入っている状態を示し、△印はサンプ
ルテープ上に数本の浅い傷が入っている状態を示し、○
印は傷がほとんどない状態を示している。 第3表中、比較例5〜比較例7から明らかなように、
結合剤中にスルホン酸基やカルボキシル基等の親水性極
性基が導入されていないと塗料の良好な分散性が得られ
ず、角形比も大きく劣ることがわかる。 また、実施例1〜実施例4及び比較例1、比較例2か
ら明らかなように、ウレタン系結合剤の比率が少なくす
ぎても、また塩化ビニル系結合剤の比率が多すぎても耐
久性に悪影響を及ぼすことがわかる。また、塩化ビニル
系樹脂の比率が大きくなると接着性が悪くなる。 さらに、実施例5〜実施例7及び比較例3〜比較例4
から明らかなように、スルホン酸ナトリウム基含有結合
剤だけでは実走行の傷つきや非磁性支持体との接着性が
悪く、適量のカルボン酸基含有ポリウレタン状態を用い
る必要があることがわかる。 〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、−SO3M基含有塩化ビ
ニル系共重合体,−SO3M′基含有ポリウレタン樹脂及び
−COOM″基含有ポリウレタン樹脂(但し、M,M′,M″は
水素原子またはアルカリ金属を表す。)よりなる結合剤
を使用することによって、強磁性金属粉末の分散性が向
上するとともに、実走行上相反する特性である走行傷と
走行時の貼付きが解消される。 したがって、電磁変換特性を損なうことなく、非常に
良好な耐久性を満足する磁気記録媒体を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 姉崎 芳和 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−40320(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.非磁性支持体上にBET法による比表面積が40〜60m2/
    gの強磁性金属粉末と結合剤とを主体とした磁性層を設
    けてなる磁気記録媒体において、 上記結合剤は−SO3M基含有塩化ビニル系共重合体
    (A)、−SO3M′基含有ポリウレタン樹脂(B)及び−
    COOM″基含有ポリウレタン樹脂(C)(但し、M,M′,
    M″は水素原子またはアルカリ金属を表す。)よりな
    り、その重量比が(A)/(B+C)=40/60〜70/30,
    (A+B)/(C)=60/40〜90/10を満たし、且つ全結
    合剤のうち(B)及び(C)はともに10重量%以上であ
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
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