JPH1027332A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH1027332A
JPH1027332A JP18521796A JP18521796A JPH1027332A JP H1027332 A JPH1027332 A JP H1027332A JP 18521796 A JP18521796 A JP 18521796A JP 18521796 A JP18521796 A JP 18521796A JP H1027332 A JPH1027332 A JP H1027332A
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JP
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magnetic
vinyl chloride
resin
chloride copolymer
magnetic powder
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JP18521796A
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Taro Omura
太郎 大村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Paints Or Removers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性に優れ、良好な電磁変換特性、耐久性
を有する磁気記録媒体を得る。 【解決手段】 非磁性支持体上に磁性粉と結合剤とから
なる磁性塗料を塗布せしめて磁性層を形成する際に、結
合剤として、4級アンモニウム塩基と水酸基とエポキシ
基とを有する平均重合度が100〜200の塩化ビニル
系共重合体と、4級アンモニウム塩基又はスルホン酸塩
基と水酸基とエポキシ基とを有する平均重合度が220
〜500の塩化ビニル系共重合体を使用する。上記磁性
粉としては、長軸長が0.13μm以下である微粒子磁
性粉が好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子磁性粉及び
高分子材料等を用いた磁気テープ、磁気ディスク等のい
わゆる塗布型の磁気記録媒体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオーディ
オ機器、ビデオ機器、コンピュータ等に用いられ、その
需要は著しく伸びてきている。
【0003】この磁気記録媒体は、一般にポリエステル
フィルム等の非磁性支持体上に磁性粉と結合剤とからな
る磁性層が設けられた構造を有している。かかる磁気記
録媒体において、上記磁性層は、通常、結合剤を含有す
る媒体中に磁性粉を分散させた磁性塗料を非磁性支持体
上に塗布したり、或いは転写したりすることによって形
成されている。
【0004】従来、上記結合剤としては、例えばポリエ
ステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、フェノール系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、アクリル系樹脂、電子線硬化型樹脂等の有機高分子
化合物が用いられている。
【0005】しかしながら、これらの樹脂にはそれぞれ
長所と短所があり、単独使用では望ましい性質を有する
磁性層が得られ難いため、通常目的に応じ任意の組み合
せで磁気テープ等の製品として実用化されている。
【0006】例えば、塩化ビニル系樹脂やポリビニルブ
チラール、ニトロセルロース等の比較的硬い樹脂と、ポ
リエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体等の軟質樹脂とが組み合わさ
れて使用されることが多く、また磁性層の耐久性を向上
させる目的で、軟化性成分としてポリイソシアネート化
合物を使用する例も多い。
【0007】ところで、近年、磁気記録媒体の記録密度
の向上やS/Nの改良等の要求に伴い、使用される磁性
粉においては、より微細化、高磁力化、高抗磁力化して
きている。従って、該磁性粉を均質に磁性塗料中に分散
させ、平滑で充填度の高い磁性層を形成させて、上述の
ような磁気記録媒体としての性能の向上を達成させるた
めには、結合剤の分散性能が極めて重要な因子となって
いる。特に、磁性粒子の微細化は、これを高分散させる
上で技術的に大きな課題が存在する。
【0008】これまで、強磁性粉末の分散性を向上させ
る方法としては、平均重合度が300或いはそれ以上
(GPC測定によるスチレン換算重量平均分子量が20
000以上)の高分子量の高分子バインダーを用いる方
法、或いは低分子量の界面活性剤等の分散剤を用いる方
法等が知られている。
【0009】ところが、前者の場合には、磁性粉が微細
化し特にその長軸長が0.1μm以下となってきたとき
には分散が困難となってきており、また後者の場合にお
いては、上記分散剤を多量に使用すると磁気記録媒体の
耐久性劣化やヘッド汚れ等の好ましくない事態を招来す
るため、その使用量が制限されるのを免れず、十分な分
散性が得られない上、磁気記録媒体の信頼性の向上の点
からも、結合剤自体に高度の分散能を揺することが要求
されている。
【0010】一方、磁気記録媒体の耐久性や信頼性を高
めるために、ポリイソシアネート化合物等の硬化性化合
物を磁性塗料中に含有させ、磁性層を架橋塗膜化するこ
とが、特に録画用磁気テープの分野において慣用的に使
用されている。この場合、結合剤としては、ポリイソシ
アネート化合物等の架橋剤と適当な反応性を有する水酸
基を含有するものが使用される。
【0011】また、上述のような要求に応える結合剤と
して、SO3 M、SO4 M、PO42 、PO3 2
(Mはアルカリ金属又はアンモニウム基)等の硫黄やリ
ンを含む塩型強酸基等の親水性基を含む塩化ビニル系樹
脂が強磁性粉末の分散能や分散安定性に優れ、且つ分子
間力の強さに基づく高い強度等の点から広く用いられて
いる。
【0012】従来より、磁性塗料の調製工程において
は、攪拌羽間及び羽根−容器間の間隙のせん断力より磁
性粉を分散する一次分散工程と、メディアを高速で運動
させて該メディア間の衝撃力より分散する二次分散工程
が行われている。
【0013】しかし、上述のように良好とされる結合剤
を選んでも、また磁性塗料の混練工程を従来通り行って
も、高密度記録のために強磁性粉末の粒子サイズを微細
にすればするほど分散は困難になる。これは、これまで
の通常平均重合度が300以上の高分子では分子サイズ
が大きく磁性粉1個当たりに吸着する高分子バインダー
の数が少なくなってしまうこと、微粒子磁性粉に対する
ぬれ性が悪くなること、混練時の固形分を挙げる等の高
剪断力化により機械の負荷が上がりすぎるために不可能
であること等の理由により分散が不十分となっていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
技術では、微細な強磁性粉末を用いた場合に充分満足で
きる分散性を示す磁性塗料を得ることができなかった。
【0015】そこで、本発明は、分散性に優れ、良好な
特性を得ることが可能な磁気記録媒体及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの
目的を達成するために、結合剤として4級アンモニウム
塩基と水酸基とエポキシ基とを有する比較的低分子量の
塩化ビニル系共重合体と4級アンモニウム塩基又はスル
ホン酸塩基と水酸基とエポキシ基とを有する平均重合度
が220〜500の塩化ビニル系共重合体とを組み合わ
せて用いることにより、長軸長が0.13μm以下の微
粒子強磁性粉末に対しても優れた分散性が得られ、電磁
変換特性の向上を図ることができる事を見いだした。
【0017】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものである。
【0018】即ち、本発明にかかる磁気記録媒体は、非
磁性支持体上に磁性粉と結合剤とからなる磁性塗料が塗
布された磁性層を有する磁気記録媒体において、結合剤
として、4級アンモニウム塩基と水酸基とエポキシ基と
を有する平均重合度が100〜200の塩化ビニル系共
重合体と、4級アンモニウム塩基又はスルホン酸塩基と
水酸基とエポキシ基とを有する平均重合度が220〜5
00の塩化ビニル系共重合体を含有することを特徴とす
るものである。
【0019】ここで、長軸長が0.13μm以下である
微粒子磁性粉を磁性粉として用いることが好ましい。
【0020】また、本発明にかかる磁気記録媒体の製造
方法は、4級アンモニウム塩基と水酸基とエポキシ基と
を有する平均重合度が100〜200の塩化ビニル系共
重合体と磁性粉を一次分散する工程と、4級アンモニウ
ム塩基又はスルホン酸塩基と水酸基とエポキシ基とを有
する平均重合度が220〜500の塩化ビニル系共重合
体を添加して二次分散する工程とを有することを特徴と
するものである。
【0021】本発明の磁気記録媒体においては、結合剤
として、4級アンモニウム塩基と水酸基とエポキシ基と
を有する平均重合度が100〜200の第一の塩化ビニ
ル系共重合体と、4級アンモニウム塩基又はスルホン酸
塩基と水酸基とエポキシ基とを有する平均重合度が22
0〜500の第二の塩化ビニル系共重合体との組み合わ
せを使用する。これにより、上記第一の塩化ビニル系共
重合体の構成成分中に4級アンモニウム塩基、及び上記
第二の塩化ビニル系共重合体の構成成分中に4級アンモ
ニウム塩基又はスルホン酸塩基を含有しているので、磁
性粉の分散性が向上し磁性層の表面平滑性が良好とな
る。また、上記第一及び第二の塩化ビニル系共重合体は
エポキシ基含有成分を有しているので脱塩酸防止にな
り、エポキシ架橋反応によりテープの耐久性が向上す
る。更に、これら第一及び第二の塩化ビニル系共重合体
は水酸基を有しているのでイソシアネートなどとの架橋
性も良好であり、優れた走行耐久性が得られる。
【0022】ここで、上記第一の塩化ビニル系共重合体
の平均重合度は100〜200であり、本来機械的強度
の大きい塩化ビニル系共重合体よりも比較的低分子量の
ものが用いられる。これにより、磁性粉として長軸長が
0.13μm以下である微粒子磁性粉を用いた場合で
も、磁性塗料を調製する際の該第一の塩化ビニル系共重
合体と磁性粉との一次分散工程において、磁性粉のバイ
ンダー溶液のぬれ性が向上し分散効果が高くなる。
【0023】また、この第一の塩化ビニル系共重合体と
組み合わせて本来機械的強度の大きい平均重合度が20
0を越える範囲の第二の塩化ビニル系共重合体を用い、
これを上記一次分散工程に続く二次分散工程で添加す
る。これにより、上記第一の塩化ビニル系共重合体との
相溶性を損なうことなく、該第一の塩化ビニル系共重合
体で懸念される磁性粉の分散安定性を高めることができ
る。
【0024】上記第一及び第二の塩化ビニル系共重合体
の重合度は、樹脂溶解液をJISK6721に準じて溶
液の比粘度の測定を行い、ニトロベンゼン使用のJIS
比粘度に換算して求める。
【0025】また、これら第一及び第二の塩化ビニル系
共重合体は、塩化ビニルモノマー、スルホン酸塩若しく
はアンモニウム塩を含有した共重合性モノマー、エポキ
シ基含有モノマー、水酸基含有モノマー及び必要に応じ
て他の共重合体モノマーを共重合することによって得る
ことができる。
【0026】上記第一の塩化ビニル系共重合体の平均重
合度は100〜200とされる。該第一の塩化ビニル系
共重合体の平均重合度が100未満では耐久性が劣化
し、逆に200を越えると分散効果が低下する。
【0027】一方、上記第二の塩化ビニル系共重合体の
平均重合度は220〜500とされる。該第二の塩化ビ
ニル系共重合体の平均重合度が220未満では磁性塗料
の分散安定性が不十分であり、逆に500を越えると磁
性塗料の粘度が高く、磁性粉の分散性が不十分になりや
すい。
【0028】また、この第二の塩化ビニル系共重合体と
しては、塩化ビニルの含有量が60重量%以上のもので
あることが好ましい。該第二の塩化ビニル系共重合体の
塩化ビニル含有量が60重量%よりも少ないと、機械的
強度が劣化する。
【0029】本発明において、上記第二の塩化ビニル系
共重合体は、極性基としてスルホン酸塩基又はアンモニ
ウム塩基構造を0.3〜3.0重量%、水酸基を0.1
〜0.8重量%、及びエポキシ基を1.0〜10.0重
量%含有する必要がある。該第二の塩化ビニル系共重合
体の構成成分中に含まれるスルホン酸塩基又はアンモニ
ウム塩基量が0.3重量%未満であると磁性粉の分散性
が悪化し、逆に3.0重量%を越えると塩化ビニル樹脂
の溶剤への溶解性が不良となり実用性に欠ける。上記水
酸基量が0.1重量%未満であると磁性塗膜の架橋性が
悪く、逆に0.8重量%を越えると磁性塗料の粘度が高
すぎて塗布が不良となり実用性に欠ける。上記エポキシ
基量が1.0重量%未満であると塩化ビニルから脱塩酸
を生じやすくなり磁性塗膜の錆の問題が懸念され、逆に
10.0重量%を越えると磁性塗料の粘度が高すぎて塗
布が不良となり実用性に欠ける。
【0030】本発明において、上記一次分散工程に使用
される混練機としては、例えば連続二軸混練機、多段階
で希釈が可能な連続二軸混練機、コニーダー、加圧ニー
ダーなど、従来より公知の混練機がいずれも使用可能で
あり、なんら限定されるものではない。
【0031】上記二次分散工程に使用される分散機とし
ては、例えば縦型サンドミル、横型サンドミル、スパイ
クミル、ボールミル、タワーミル、パールミル、DCP
等がいずれも使用可能である。
【0032】また、分散メディアとしては、例えばスチ
ールボール、セラミックビーズ等がいずれも使用可能で
ある。
【0033】本発明において、上記一次分散工程後で第
二の塩化ビニル系共重合体以外に添加されるバインダー
としては、従来より公知の材料がいずれも使用可能であ
り、特に限定されない。具体的に例示すれば、ポリエス
テル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラール、ニ
トロセルロース、セルロースアセテートブチレート、ア
クリル系樹脂、電子線硬化型樹脂等お有機高分子化合物
等が挙げられる。
【0034】本発明において使用される磁性粉として
は、長軸長が0.13μm以下の微粒子磁性粉であれば
通常この種の磁気記録媒体の磁性粉として用いられるも
のがいずれも使用可能である。その種類として、具体的
に例示すれば、強磁性酸化鉄粒子、強磁性CrO2
子、強磁性コバルトフェライト(CrO−Fe23)、
コバルト吸着酸化物、強磁性Fe−Co−Ni系合金、
強磁性合金粉末、六方晶系バリウムフェライト、窒化鉄
等の微粒子等が挙げられる。
【0035】上記強磁性酸化鉄粒子の場合、一般式Fe
x Oで表現したとき、xの値が1.33<x<1.51
の範囲にあるもの、即ちマグヘマイト(γ−Fe
2 3 、x=1.5)、マグネタイト(Fe3 4 、x
=4/3)及びこれらの固溶体等が挙げられる。また、
これら強磁性酸化鉄粒子には、抗磁力を上げる目的でコ
バルトを添加しても良い。
【0036】上記強磁性CrO2 粒子においては、Cr
O、或いは抗磁力を向上させる目的で、Ru,Sn,T
e,Sb,Fe,Ti,V,Mn等の少なくとも1種類
をCrOに添加したものを使用することが可能である。
【0037】上記強磁性合金粉末としては、Fe合金粉
末、Co合金粉末、Ni合金粉末、並びにFe−Co、
Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−C
o−B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−A
l、Fe−Co−V等の合金粉末或いはこれらの合金と
他の元素との化合物である合金粉末等が使用可能であ
る。
【0038】これら磁性粉においては、磁性層中に含有
される他の顔料、例えば研磨剤、或いはカーボン等の種
類にかかわらず選択することができる。
【0039】また、非磁性支持体の材質としては、通常
この種の磁気記録媒体に使用されるものであればいずれ
も使用可能である。具体的に例示すれば、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリア
セテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテ
ートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等
のプラスティック、紙、アルミニウム、銅等の金属、ア
ルミニウム合金、チタン合金等の系金属、セラミック、
単結晶シリコン等が挙げられる。
【0040】これら非磁性支持体の形態としては、フィ
ルム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等の
いずれでも良い。
【0041】本発明に使用するバインダーである塩化ビ
ニル系共重合体の軟化点が低い場合には、用途によって
は走行による摩擦、或いはヘッドとの接触による摩擦熱
で軟化したり、テープを巻いた状態でブロッキングを起
こしたりすることがある。このような場合には磁性粉の
分散性を損なわない範囲内で他の樹脂を添加するか、本
発明の塩化ビニル系共重合体と架橋する化合物(架橋
剤)を混合しても良い。
【0042】上記架橋剤を混合する場合、混合量はバイ
ンダー樹脂に対して通常0.05〜0.5倍量とするこ
とが好ましいが、この量になんら制約は受けない。
【0043】この架橋剤としては、例えばエポキシ樹
脂、イソシアネート系樹脂、メラミン樹脂、ポリオール
樹脂等が挙げられる。また、上記塩化ビニルがエポキシ
基を含んでいる場合には、トリアジンチオールやジブチ
ル錫ジラウレート等の化合物が架橋剤として有効であ
る。また、ガラス転移温度が目的の温度と異なる場合に
は、他の樹脂を混合することにより目的を達成すること
が可能である。例えば、この塩化ビニル系共重合体に混
合する他の樹脂としては、相溶性のあるもので、例えば
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹
脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂等が挙げられる。
【0044】本発明の磁気記録媒体には、必要に応じて
ジブチルフタレート、トリフェニルフォスフェートのよ
うな可塑剤、ジオクチルスルホナトリウムサクシネー
ト、t−ブチルフェノールポリエチレンエーテル、エチ
ルナフタレンスルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネー
ト、ステアリン酸金属塩、ステアリン酸エステル類等の
ような炭化水素系潤滑剤、シリコンオイルのようなシリ
コン系潤滑剤、パーフルオロポリエーテル、パーフルオ
ロカルボン酸等のフッ素系潤滑剤、或いはカーボンブラ
ック等の帯電防止剤等を添加することも可能である。
【0045】この他、アルミナ、或いは酸化クロム等の
研磨性のある無機顔料を含有させることも可能である。
【0046】また、本発明の磁気記録媒体においては、
防錆剤等よりなるトップコート層やバックコート層等を
必要に応じて設けるようにしても良い。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例に
ついて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではないことは言うまでもない。
【0048】本実施例は、磁性粉としてメタル磁性粉を
使用した塗布型の磁気テープを作製した例である。
【0049】実施例1 磁性粉として、磁気記録の高記録密度化に必要な微粒子
磁性粉(長軸長0.08μm)を使用し、また一次分散
(混練)工程に使用するバインダー(第一樹脂)として
は、下記表1に示すような塩化ビニル系共重合体Aを、
二次分散工程に使用するバインダー(第二樹脂)として
は、下記表2に示すような塩化ビニル系共重合体aを使
用した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】先ず、メタル磁性粉(比表面積51m3
g)100重量部と、上記塩化ビニル系共重合体A(第
一樹脂)10重量部、及び溶剤としてメチルエチルケト
ン:トルエン:シクロヘキサノン=1:1:1なる割合
の混合溶媒60重量部をエクストルーダー(栗本鉄工所
社製)で混練した(一次分散工程)。
【0053】続いて、上記塩化ビニル系共重合体a(第
二樹脂)を添加し、更にアルミナ3重量部を加えて固形
分35%になるように上述の溶剤で希釈した後、サンド
ミルを用いて5時間分散させて磁性塗料を調製した(二
次分散工程)。
【0054】そして、得られた磁性塗料をフィルターを
通して取り出し、更に硬化剤としてポリイソシアネート
(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)を磁性
粉100部に対して4部、潤滑剤としてミリスチン酸1
重量部とステアリン酸ブチル1重量部を添加して10分
間攪拌した。
【0055】その後、この磁性塗料を10μm厚のポリ
エチレンテレフタレートからなるベースフィルム上に乾
燥後の厚みが2μmとなるように塗布し、磁場配向を行
った後、乾燥し巻取った。
【0056】更に、これをカレンダー処理及び硬化処理
し、バックコートを乾燥後の厚みが0.5μmになるよ
うに塗布した後、8mm幅に裁断してサンプルテープを
得た。
【0057】実施例2,3 実施例1において使用した上記塩化ビニル系共重合体A
(第一樹脂)を、上記表1に示す塩化ビニル系共重合体
B,Cにそれぞれ変え、その他は実施例1と同様にして
磁性塗料を調製し、サンプルテープを作成した。
【0058】実施例4〜8 実施例1において使用した上記塩化ビニル系共重合体a
(第二樹脂)を、上記表2に示す塩化ビニル系共重合体
b,c、塩化ビニル系共重合体i〜kにそれぞれ変え、
その他は実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、サン
プルテープを作成した。
【0059】実施例9 実施例1において使用した微粒子磁性粉(長軸長0.0
8μm)を、長軸長が0.13μmのメタル磁性粉(比
表面積53m3 /g)に変え、その他は実施例1と同様
にして磁性塗料を調製し、サンプルテープを作成した。
【0060】比較例1〜5 実施例1において使用した上記塩化ビニル系共重合体A
(第一樹脂)を、上記表1に示す塩化ビニル系共重合体
D〜Hにそれぞれ変え、その他は実施例1と同様にして
磁性塗料を調製し、比較テープを作成した。
【0061】比較例6〜12 実施例1において使用した上記塩化ビニル系共重合体a
(第二樹脂)を、上記表2に示す塩化ビニル系共重合体
d〜h、塩化ビニル系共重合体l,mにそれぞれ変え、
その他は実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、比較
テープを作成した。
【0062】比較例13〜15 実施例1において使用した微粒子磁性粉(長軸長0.0
8μm)を、長軸長が0.16μmのメタル磁性粉(比
表面積53m3 /g)に変えるとともに、第一樹脂及び
第二樹脂の組み合わせを下記表3に示すようにそれぞれ
変え、その他は実施例1と同様にして磁性塗料を調製
し、比較テープを作成した。
【0063】比較例16 実施例1において使用した上記塩化ビニル系共重合体A
(第一樹脂)を、上記表1に示す塩化ビニル系共重合体
Iに変え、その他は実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、比較テープを作成した。
【0064】そこで、以上のようにして作製された各サ
ンプルテープ及び比較テープについて、静磁気特性、電
磁変換特性及び走行耐久性をそれぞれ調べた。
【0065】測定に際し、静磁気特性としては東英工業
社製の振動試料型磁力計を使用して角形比を調べた。
【0066】電磁変換特性は、EXABYTE社製のデ
ータ8mmテープ用ドライブEXB−8505XL(機
種名)にてテープを走行させ、磁気ヘッドに対する信号
出力を測定し、8.5MHzの出力成分についてのRF
出力により評価した(8mmメタルHGテープ/0.0
dBに対し4.0dB以上が合格)。
【0067】走行耐久性は、EXABYTE社製のデー
タ8mmテープ用ドライブEXB−8505XL(機種
名)にてテープを1000回繰り返し走行させた後の出
力低下により評価した。この時、実施例1の結果を0.
0dBとした時の相対値により表し、−1.0dB以上
を合格とした。
【0068】この結果を下記表3及び表4に示す。
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】表3から明らかなように、先ず実施例1〜
3と比較例1,2の結果から、第二樹脂を一定にして第
一樹脂の重合度を変化させた時では、第一樹脂の重合度
が100よりも小さいと(比較例1)耐久性が低下し、
逆に大きすぎると(比較例2)十分な分散性が得られな
いことが判った。
【0072】次に、実施例1、4〜7と比較例6,7、
11,12の結果から、第一樹脂を一定にして第二樹脂
の重合度を変化させた時では、第二樹脂の重合度が22
0よりも小さいと(比較例6,11)塗料の分散安定性
が不十分であり、逆に500よりも大きいと(比較例
7,12)磁性粉の分散性が不十分となることが判った
また、この傾向は上記第二樹脂の極性基の種類に差がな
かった。
【0073】更に、実施例1と比較例3〜5、8〜1
0、16は、第一樹脂及び第二樹脂の極性基、水酸基、
エポキシ基の必要性を検討するデータであり、この結果
より第一樹脂には構成成分として4級アンモニウム塩基
と水酸基とエポキシ基とが含有されることが必要であ
り、第二樹脂中には4級アンモニウム塩基又はスルホン
酸塩基と水酸基とエポキシ基とが含有されることが必要
であることが判った。
【0074】また更に、実施例1,9と比較例13〜1
5の結果から、本発明による効果は磁性粉として長軸長
0.13μm以下の微粒子粉を用いた場合に有効である
ことが判った。
【0075】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、結合剤として、4級アンモニウム塩基と
水酸基とエポキシ基とが含有された比較的低分子量の塩
化ビニル系共重合体と、4級アンモニウム塩基又はスル
ホン酸塩基と水酸基とエポキシ基とが含有された本来機
械的強度の大きい塩化ビニル系共重合体とを組み合わせ
て使用しているので、高記録密度化に対応可能な長軸長
が0.13μm以下の微粒子粉を磁性粉として使用した
場合でも、磁性塗料調製時に良好な分散性が得られ、高
配向で電磁変換特性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体
を提供することが可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に磁性粉と結合剤とから
    なる磁性塗料が塗布された磁性層を有する磁気記録媒体
    において、 結合剤として、4級アンモニウム塩基と水酸基とエポキ
    シ基とを有する平均重合度が100〜200の塩化ビニ
    ル系共重合体と、4級アンモニウム塩基又はスルホン酸
    塩基と水酸基とエポキシ基とを有する平均重合度が22
    0〜500の塩化ビニル系共重合体とを含有することを
    特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性粉として、長軸長が0.13μm以
    下である微粒子磁性粉を用いることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 4級アンモニウム塩基と水酸基とエポキ
    シ基とを有する平均重合度が100〜200の塩化ビニ
    ル系共重合体と磁性粉を一次分散する工程と、4級アン
    モニウム塩基又はスルホン酸塩基と水酸基とエポキシ基
    とを有する平均重合度が220〜500の塩化ビニル系
    共重合体を添加して二次分散する工程とを有することを
    特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP18521796A 1996-07-15 1996-07-15 磁気記録媒体及びその製造方法 Withdrawn JPH1027332A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1069791C (zh) * 1996-01-23 2001-08-15 精工爱普生株式会社 电动机壳体及其制造方法
KR20030052739A (ko) * 2001-12-21 2003-06-27 에스케이씨 주식회사 도포형 자기기록매체

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