JPH10308013A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH10308013A
JPH10308013A JP11577297A JP11577297A JPH10308013A JP H10308013 A JPH10308013 A JP H10308013A JP 11577297 A JP11577297 A JP 11577297A JP 11577297 A JP11577297 A JP 11577297A JP H10308013 A JPH10308013 A JP H10308013A
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Taro Omura
太郎 大村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気特性、電磁変換特性、走行耐久性等の特
性が一層改善された磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 非磁性支持体に、強磁性粉末および結合
剤を含む磁性層が設けられてなる磁気記録媒体におい
て、磁性層が、カルボキシル基、水酸基およびエポキシ
基を有する平均重合度が100〜220の範囲の比較的
低分子量の第1の塩化ビニル系共重合体と、カルボキシ
ル基またはスルホン酸塩基、水酸基およびエポキシ基を
有する平均重合度が220〜500の範囲の第2の塩化
ビニル系共重合体とを含有している。この磁気記録媒体
は、第1の塩化ビニル系共重合体に強磁性粉末を一次分
散し、そこに第2の塩化ビニル系共重合体を添加し、強
磁性粉末を二次分散させ、得られた磁性塗料を非磁性支
持体に適用して製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体およ
びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、
磁気特性、電磁変換特性、走行耐久性等の特性が一層改
善された磁気記録媒体およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオーディ
オ機器、ビデオ機器、コンピューターなどに用いられ、
その需要は著しく伸びてきている。この磁気記録媒体
は、一般に、ポリエステルフィルムなどの非磁性支持体
上に、強磁性粉末と結合剤とからなる磁性層を設けた構
造を有しており、そして、この磁性層は通常、結合剤を
含有する溶剤に強磁性粉末を媒体とともに分散させ、得
られた磁性塗料を非磁性支持体に塗布したり、あるいは
転写したりすることによって形成されている。
【0003】従来、結合剤としては、例えばポリエステ
ル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩
化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラール、ニト
ロセルロース、セルロースアセテートブチレート、アク
リル系樹脂、電子線硬化型樹脂などの有機高分子化合物
が用いられている。
【0004】これらの結合剤はそれぞれ長所および短所
を有しており、単独使用では望ましい性質を有する磁性
層が得られにくいため、通常2種類以上を組み合わせて
用いられている。例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリビニ
ルブチラール、ニトロセルロースなどの比較的硬い樹脂
と、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体などの軟質樹脂とが組
合わされて使用されることが多く、また、磁性層の耐久
性を向上させる目的で、硬化性成分としてポリイソシア
ネート化合物を使用する例も多い。
【0005】近年、磁気記録媒体の記録密度の向上や、
S/N比の改良要求に伴い、強磁性粉末は、より微細
化、高磁力化、高抗磁力化してきており、したがって強
磁性粉末を均質に磁性塗料中に分散させ、平滑で充填度
の高い磁性層を形成させて磁気記録媒体としての性能の
向上を達成させるためには、結合剤の分散性能が極めて
重要な因子となる。とくに、強磁性粉末粒子を微細化さ
せた場合、これを高分散させることは技術的に大きな課
題が存在する。
【0006】従来、強磁性粉末の分散性を向上させる方
法としては、平均重合度が300またはそれ以上(GP
C測定によるスチレン換算重量平均分子量が22000
以上)の高分子量の結合剤を用いる方法、あるいは低分
子量の界面活性剤などの分散剤を用いる方法がとられて
いるが、前者の場合には、強磁性粉末が微細化したと
き、とくにその長軸長が0.1μm 以下となってきたと
きに、分散性が悪化し、また後者の方法においては、該
分散剤を多量に用いると磁気記録媒体の耐久性やヘッド
汚れなど好ましくない事態を招来するため、その使用量
を制限せざるを得ず、十分な分散性が得られない。した
がって、磁気記録媒体の信頼性の向上の点からも結合剤
自体に高度の分散性能を有することが要求されている。
【0007】一方、磁気記録媒体の耐久性や信頼性を高
めるために、ポリイソシアネート化合物などの硬化性化
合物を磁性塗料中に含有させ、磁性層を架橋塗膜するこ
とが、とくに録画用磁気テープの分野において慣用的に
使用されている。この場合の結合剤としては、ポリイソ
シアネート化合物などの架橋剤と適当な反応性を有する
水酸基を含有しているものが使用されている。このよう
な結合剤としては例えば、SO3 M、SO4 M、PO4
2 、PO32 (式中、Mはアルカリ金属またはアン
モニウム基を表す)などのイオウやリンを含む塩型強酸
基等の親水性基を含む塩化ビニル系樹脂が広く用いられ
ている。該結合剤は、強磁性粉末の分散性能や分散安定
性に優れ、且つ分子間力の強さに基づく高い強度等が得
られる。
【0008】なお、従来の磁性塗料製造工程において
は、撹拌羽根間および羽根−容器間の間隙のせん断力よ
り、媒体とともに強磁性粉末を結合剤中に分散する一次
分散工程と、媒体を高速で運動させてその該媒体間の衝
撃力により強磁性粉末をさらに分散する二次分散工程と
が行われている。しかし、上記の良好とされる結合剤を
選んでも、また混練工程を従来通り行っても、高密度記
録のために強磁性粉末の粒子サイズを微細にすればする
ほど分散が困難になる。これは、従来の平均重合度が3
00以上の高分子の結合剤の分子サイズが大きいため
に、強磁性粉末1個あたりに吸着する結合剤の数が少な
くなってしまうこと、微粒子の強磁性粉末に対する結合
剤の濡れ性が悪くなること、固形分含有率が高くなるこ
とに基づく混練時の高せん断力化が機械に大きな負荷を
かけること、等が原因となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、微細化された強磁性微粉末が、結合剤中に良好に
分散している塗布型磁気記録媒体用の磁性塗料を開発
し、これによって磁気特性、電磁変換特性、走行耐久性
等の特性が一層改善された磁気記録媒体およびその製造
方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、上記課題を解決することができた。すなわ
ち本発明は、非磁性支持体に、強磁性粉末および結合剤
を含む磁性層が設けられてなる磁気記録媒体において、
前記磁性層が、カルボキシル基、水酸基およびエポキシ
基を有する平均重合度が100〜220の範囲の比較的
低分子量の第1の塩化ビニル系共重合体と、カルボキシ
ル基またはスルホン酸塩基、水酸基およびエポキシ基を
有する平均重合度が220〜500の範囲の第2の塩化
ビニル系共重合体とを含有していることを特徴とする磁
気記録媒体を提供するものである。また本発明は、カル
ボキシル基、水酸基およびエポキシ基を有する平均重合
度が100〜220の範囲の比較的低分子量の第1の塩
化ビニル系共重合体に、強磁性粉末を一次分散し、そこ
に続いてカルボキシル基またはスルホン酸塩基、水酸基
およびエポキシ基を有する平均重合度が220〜500
の範囲の第2の塩化ビニル系共重合体を添加し、前記強
磁性粉末を二次分散させ、得られた磁性塗料を非磁性支
持体に適用することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用される第1の塩化ビ
ニル系共重合体は、従来から使用されている機械的強度
のある塩化ビニル樹脂よりも平均重合度が比較的小さ
く、100〜220であることに一つの特長を有してい
る。平均重合度が小さいことにより、一次分散工程にお
いて、微粒子の強磁性粉末の結合剤溶液の濡れ性が向上
し、分散効果が高くなる。
【0012】さらに本発明においては、第2の塩化ビニ
ル系共重合体を使用している。この第2の塩化ビニル系
共重合体は、平均重合度が220〜500であり、これ
は従来と同様の重合度である。第2の塩化ビニル系共重
合体は、二次分散工程において、強磁性粉末の分散安定
性を高めることができる。また、第1と第2の塩化ビニ
ル系共重合体は、同種の樹脂であるので、両者の相溶性
は良好となる。
【0013】なお、本発明において平均重合度とは、樹
脂溶解液をJIS K6721に準じて溶液の比粘度の
測定を行い、ニトロベンゼンの使用のJIS比粘度に換
算して求めた値を意味する。
【0014】第1の塩化ビニル系共重合体は、分子中に
カルボキシル基、水酸基およびエポキシ基を有すること
が必要であり、また第2の塩化ビニル系共重合体は、分
子中にカルボキシル基またはスルホン酸塩基、水酸基お
よびエポキシ基を有することが必要である。第1および
第2の塩化ビニル系共重合体に存在するカルボキシル基
またはスルホン酸塩基は、強磁性粉末の分散性を向上さ
せ、且つ磁性層の表面平滑性を良好にする。また、第1
および第2の塩化ビニル系共重合体に存在するエポキシ
基は、脱塩防止作用を有し、エポキシ架橋反応によりテ
ープの耐久性も向上する。さらに同様に水酸基も含有し
ているのでイソシアネート等との架橋性もよく、走行耐
久性が高くなる。
【0015】本発明で使用される第1および第2の塩化
ビニル系共重合体は、塩化ビニルモノマー、スルホン酸
またはカルボン酸を含有した共重合体モノマー、エポキ
シ基含有モノマー、水酸基含有モノマーおよび必要に応
じ他の共重合体モノマーを、常法によって共重合するこ
とにより得ることができる。
【0016】上記のように第1の塩化ビニル系共重合体
の平均重合度は100〜220であり、平均重合度が1
00未満では耐久性が劣化し、220を超えると分散効
果が低くなる。また上記のように第2の塩化ビニル系共
重合体の平均重合度は220〜500であり、塩化ビニ
ルの含有量が60重量%以上であるものがよい。平均重
合度が220未満では磁性塗料の分散安定性が不十分
で、500を超えると磁性塗料の粘度が高く、強磁性粉
末の分散性が不十分になりなすい。一方、塩化ビニルの
含有量が60重量%より少ないと、機械的強度が劣る傾
向にある。
【0017】本発明に使用される第1または第2の塩化
ビニル樹脂は、極性基としてカルボキシル基またはスル
ホン酸塩基を0.3〜3.0重量%、水酸基を0.1〜
0.8重量%、エポキシ基を1.0〜10.0重量%含
有することが望ましい。カルボキシル基またはスルホン
酸塩基量が0.3重量%未満であると強磁性粉末の分散
性が悪く、3.0重量%を超えると塩化ビニル樹脂の溶
剤への溶解性が不良となり実用性に欠ける。また、水酸
基量が0.1重量%未満であると架橋性が悪く、0.8
重量%を超えると磁性塗料の粘度が高すぎ塗布が不良と
なり実用性に欠ける。また、エポキシ基量が1.0重量
%未満であると塩化ビニルから脱塩酸を生じ易くなり磁
性塗膜の錆の問題が懸念され、10.0重量%を超える
と磁性塗料の粘度が高すぎ塗布が不良となり実用性に欠
ける。
【0018】本発明の磁気記録媒体は、第1の塩化ビニ
ル系共重合体に、強磁性粉末を媒体とともに一次分散
し、そこに続いて第2の塩化ビニル系共重合体を添加
し、前記強磁性粉末を二次分散させ、磁性塗料を、非磁
性支持体に塗布等することにより得られる。一次分散工
程において、第1の塩化ビニル系共重合体と強磁性粉末
との配合割合は、重量比として、第1の塩化ビニル系共
重合体:強磁性粉末=1:6〜15程度であり、二次分
散工程において、第2の塩化ビニル系共重合体と強磁性
粉末との配合割合は、重量比として、第1の塩化ビニル
系共重合体と第2の塩化ビニル系共重合体とを合わせた
量:強磁性粉末=1:5〜10程度である。
【0019】一次分散工程に使用される混練機として
は、連続2軸混練機、多段階で希釈が可能な連続2軸混
練機、コニーダー、加圧ニーダー等、従来から公知の混
練機をなんら制限されず使用することができる。二次分
散工程においても分散機として、縦型サンドミル、横型
サンドミル、スパイクミル、ボールミル、タワーミル、
パルミル、DCP等何れも使用可能である。分散媒体も
スチールボール、セラミックビーズの何れも使用可能で
ある。
【0020】また、二次分散工程においては、第2の塩
化ビニル系共重合体以外にも、本発明の効果を損ねない
範囲において、他の任意の結合剤を使用することができ
る。例えば第1および第2の塩化ビニル系共重合体の軟
化点が低い場合には、用途によっては走行による摩擦、
あるいはヘッドとの接触による摩擦熱で軟化したり、テ
ープを巻いた状態でブロッキングを起こしたりすること
があるので、強磁性粉末の分散性を損なわない範囲内で
他の樹脂を添加するか、第1および第2の塩化ビニル系
共重合体と架橋する化合物を混合してもよい。混合量は
好ましくは第1および第2の塩化ビニル系共重合体の重
量に対して通常0.05〜0.5倍量であるが、なんら
この量に制約は受けない。前記の他の樹脂としては、例
えばポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、フェノール系樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブ
チラール、ニトロセルロース、セルロースアセテートブ
チレート、アクリル系樹脂、電子線硬化型樹脂などの有
機高分子化合物を挙げることができる。また、架橋する
化合物としては、例えばエポキシ樹脂、イソシアネート
系樹脂、メラミン樹脂、ポリオール樹脂等が挙げられる
ほか、トリアジンチオールやジブチル錫ジラウレート等
の化合物も使用できる。
【0021】本発明において使用される強磁性粉末とし
ては、従来から公知の如何なるものも使用可能である。
例示するならば、強磁性酸化鉄粒子、強磁性CrO2
強磁性コバルトフェライト(CoO−Fe23 )、コ
バルト吸着酸化物、強磁性合金粉末、六方晶系バリウム
フェライト、窒化鉄等の微粒子を挙げることができる。
強磁性酸化鉄微粒子の場合、一般式FeOxで表現した
場合、xの値が1.33<x<1.51の範囲にあるも
の、すなわちマグヘマイト(γ−Fe23 、x=1.
5)、マグネタイト(Fe34 、x=4/3)および
これらの固溶体が挙げられる。さらに、これらの強磁性
体酸化鉄には、抗磁力を上げる目的でコバルトを添加し
てもよい。上記強磁性CrO2 としては、CrO、ある
いは抗磁力を向上させる目的で、Ru、Sn、Te、S
b、Fe、Ti、V、Mn等の少なくとも1種類をCr
Oに添加したものを使用することができる。強磁性合金
粉末としては、Fe合金粉末、Co合金粉末、Ni合金
粉末、ならびにFe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−
Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−Cr
−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等の合
金粉末あるいはこれらの合金と他の元素との化合物であ
る合金粉末を使用することができる。
【0022】本発明において、強磁性粉末の長軸長は、
とくに0.13μm 以下であれば、とくに本発明の効果
が顕著に奏される。比表面積は、40〜65m2 /gで
あるのがよい。
【0023】磁性塗料に使用される溶剤の種類は何ら限
定されるものではなく、適宜選択することができる。ま
た、磁性塗料には、磁性層中に含有される他の顔料、例
えばアルミナまたは酸化クロム等の研磨剤、カーボン等
を用いることができ、さらに必要に応じて、ジブチルフ
タレート、トリフェニルホスフェートのような可塑剤、
ジオクチルスルホナトリウムサクシネート、t−ブチル
フェノールポリエチレンエーテル、エチルナフタレンス
ルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネート、ステアリン
酸金属塩、ステアリン酸エステル類のような炭化水素軽
潤滑剤、シリコンオイルのようなシリコン系潤滑剤、パ
ーフルオロポリエーテル、パーフルオロカルボン酸等の
フッ素系潤滑剤、あるいはカーボンブラック等の帯電防
止剤を添加することもできる。
【0024】本発明に使用される非磁性支持体の素材と
しては、とくに制限されないが、例えばポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースジアセテート、セルロースアセテー
トブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のプ
ラスチック、紙、アルミニウム、鋼等の金属、アルミニ
ウム合金、チタン合金等の軽金属、セラミック、単結晶
シリコン等を挙げることができる。これらの非磁性支持
体の形態としては、フィルム、テープ、シート、ディス
ク、カード、ドラム等のいずれでもよい。
【0025】本発明の磁気記録媒体には、防錆剤等より
なるトップコート層やバックコートを必要に応じて設け
ることもできる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。下記例において、強磁性粉末としては、磁気記録
の高記録密度化に必要な長軸長0.08μm の微粒子強
磁性粉末を用いた。下記例における磁性塗料の調製は次
のようにして行った。一次分散工程に使用する結合剤と
しては、下記表1に示す各種の第1の塩化ビニル系共重
合体を用いた。まず、上記強磁性粉末(比表面積51m
3 /g)100重量部、第1の塩化ビニル系共重合体1
0重量部、および溶剤(メチルエチルケトン:シクロヘ
キサノン:トルエン=1:1:1)60重量部をエクス
トルーダー(栗本鉄工所製)で混練した。その後、二次
分散工程において、表2に示す各種第2の塩化ビニル系
共重合体を7重量部添加し、アルミナを3重量部加え、
固形分35%になるよう、先の溶剤で希釈してサンドミ
ルを用いて5時間分散させてプレ磁性塗料を得た。この
プレ磁性塗料をフィルターを通して取り出し、さらに硬
化剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製ポリイ
ソシアネート)を、強磁性粉末100重量部に対して4
重量部、滑剤としてミリスチン酸1重量部、ステアリン
酸ブチル1重量部を添加して10分間撹拌し、磁性塗料
を得た。このようにして得られた磁性塗料は、10μm
厚のポリエチレンテレフタレートの支持体上に乾燥後の
厚みが2μm となるように塗布され、磁場配向を行った
後乾燥し巻き取った。これをカレンダー処理および硬化
処理し、バックコートを乾燥後の厚みが0.5μm にな
るように塗布した後、8mm幅に裁断することによって
サンプルテープを作製した。
【0027】(実施例1〜8および比較例1〜12)一
次分散工程および二次分散工程に使用する結合剤を表3
に示すような組み合わせにし、上記方法でサンプルテー
プを作製した。
【0028】(実施例9および比較例13〜15)一次
分散工程および二次分散工程に使用する結合剤を表3に
示すような組み合わせにし、上記方法でサンプルテープ
を作製した。実施例9は、長軸長0.13μm の強磁性
粉末を使用し、比較例13〜15は、長軸長0.16μ
m の強磁性粉末(比表面積53m3 /g)を使用したも
のである。
【0029】(比較例16)一次分散工程および二次分
散工程に使用する結合剤を表3に示すような組み合わせ
にし、上記方法でサンプルテープを作製した。
【0030】上記例で得られたサンプルテープの評価に
は、静磁性特性と電磁変換特性と走行耐久性を用いた。
静磁性特性の測定は、振動試料型磁力計(東英工業製)
を用いた。電磁変換特性は、EXABYTE 社製データ8mm
テープ用ドライブEXB-8505XLでテープを走行させ、磁気
ヘッドに生ずる信号出力を測定した。8.5MHzの出
力成分について結果(8mmメタルHGテープ/0.0
dBに対し4.0dB以上合格)を示す。走行耐久性
は、EXABYTE 社製データ8mmテープ用ドライブEXB-85
05XLでテープを1000回走行させた後の出力低下(実
施例1を0.0dBとして−1.0dB以上が合格)を
測定した。測定結果を表3に示す。
【0031】まず、実施例1〜3と比較例1〜2は第2
の塩化ビニル系共重合体を一定にして第1の塩化ビニル
系共重合体の重合度の効果をみている。実施例1、4〜
5、6〜7と比較例6〜7、11〜12は第1の塩化ビ
ニル系共重合体を一定にして第2の塩化ビニル系共重合
体の重合度の効果および第2の塩化ビニル系共重合体の
極性基の種類に差がないことをみている。実施例1と比
較例3〜5、8〜10は第1および第2の塩化ビニル系
共重合体の極性基、水酸基、エポキシ基の必要性をみて
いる。実施例1、9と比較例13〜15は長軸長0.1
3μm 以下の強磁性粉末を使用した場合に、本発明の効
果が顕著であることを示している。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
によれば、磁気特性、電磁変換特性、走行耐久性等の特
性が一層改善された磁気記録媒体およびその製造方法が
提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体に、強磁性粉末および結合
    剤を含む磁性層が設けられてなる磁気記録媒体におい
    て、前記磁性層が、カルボキシル基、水酸基およびエポ
    キシ基を有する平均重合度が100〜220の範囲の比
    較的低分子量の第1の塩化ビニル系共重合体と、カルボ
    キシル基またはスルホン酸塩基、水酸基およびエポキシ
    基を有する平均重合度が220〜500の範囲の第2の
    塩化ビニル系共重合体とを含有していることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 強磁性粉末の長軸長が0.13μm 以下
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基、水酸基およびエポキシ
    基を有する平均重合度が100〜220の範囲の比較的
    低分子量の第1の塩化ビニル系共重合体に、強磁性粉末
    を一次分散し、そこに続いてカルボキシル基またはスル
    ホン酸塩基、水酸基およびエポキシ基を有する平均重合
    度が220〜500の範囲の第2の塩化ビニル系共重合
    体を添加し、前記強磁性粉末を二次分散させ、得られた
    磁性塗料を非磁性支持体に適用することを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
JP11577297A 1997-05-06 1997-05-06 磁気記録媒体およびその製造方法 Pending JPH10308013A (ja)

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JP (1) JPH10308013A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030052739A (ko) * 2001-12-21 2003-06-27 에스케이씨 주식회사 도포형 자기기록매체

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