JP2823919B2 - 双方向性2端子サイリスタ - Google Patents

双方向性2端子サイリスタ

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JP2823919B2
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律夫 岡
進 吉田
信義 佐藤
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業状の利用分野) 本発明は双方向性2端子サイリスタ、特に製造の歩留
りの向上に関するものである。
(従来技術とその問題点) 双方向性2端子サイリスタ、即ち第1図(a)(b)
の拡散平面図と拡散断面図のように、PNPNP(またはNPN
PN)の5層構造からなる双方向性2端子サイリスタは小
型であって使用が簡単であるなどの理由から、最近弱電
回路例えば第2図のように、通信回線L1,L2に侵入した
サージ性の電圧ES例えば雷サージから電子回路Aを保護
する素子Zとしての使用が盛んである。この素子は例え
ば第1図中に示す矢印方向の電流iを流す電圧が印加さ
れたとき、第3図(a)の点弧動作説明図のように、ア
バランシェ状態から増加する電流と横方向抵抗rにもと
づく横方向電圧降下(r×i)が、PN接合部J1の拡散電
位以上になることにより、第3図(b)のように点弧状
態に移行する動作を行い、これにより雷サージを側路し
て電子回路を保護する動作を行うもので、以上と逆方向
に電圧が印加された場合にも同様に動作する。
また雷サージの通過後においては双方向性2端子サイ
リスタZは、第2図の電圧E0を遮断して直ちにオフ状態
に移行して自動復旧して次のサージの来襲を待機する
が、このような自動復旧状態をうるためには、第3図
(b)に示す保持電流値IHが極めて重要であり、この保
持電流値IH ここで、Rは回路抵抗 を満足することが必要である。また更にこれに加えて保
持電流値にばらつきがあり、所要のIHが得られないとき
には自動復旧動作が得られにくくなることから、量産に
当たってはIHのばらつきを少なくすることが要求され
る。
ところで保持電流値IHはよく知られるように、サイリ
スタを形成する各層の不純物濃度、層厚,更にはキャリ
アタイムライフ等の制御によって定まるが、これらの制
御によりばらつき少なく所要の保持電流IHの素子を得る
ためには、製造工程上精密な制御が要求されるため、そ
の実現には困難がある。しかも一般に製造原料にもばら
つきがあるため、保持電流IHにばらつきを生ずるのを避
けることができず、多数製造された素子のうちから要求
された保持電流値をもつものを選別せざるを得ない。従
って従来においては製造の歩留りが悪く、製品コストの
上昇を招くのをまぬがれ得ない。
(発明の目的) 本発明は、製造プロセス上のばらつきを生じること少
なく所要の保持電流値をもつ素子が得られる素子製造を
提供し、製造の歩留まりの向上などを図ったものであ
る。
(問題点を解説するための本発明の手段) 前記第1図の双方向性2端子サイリスタは、P型基板
(ベース基板)の両面にベース拡散部であるN1,N2層を
設け、また一面のN1層内にはエミッタ拡散部であるP11
層とオーミック拡散部であるN12層とをその一部がそれ
ぞれ表面に島状に露出するように設けると共に、前記他
面のN2層内には、エミッタ拡散部であるP21層を前記オ
ーミック拡散部であるN12層と対向する位置に、またオ
ーミック拡散部であるN22層を前記エミッタ拡散部であ
るP11層と対向する位置にその一部がそれぞれ表面に島
状に露出するように設けて、露出した前記N1,P11,N12
と前記N2,P21,N22層とをそれぞれ金属電極M1M2により短
絡した構造をもつ。なお、IはSiO2膜などによる絶縁膜
である。
即ちの構造においてはエミッタ拡散部である第1層お
よび第5層におけるP11およびP21と、ベース拡散部であ
る第2層および第4層であるN1,N2層の、金属電極M1,M2
とのオートミック性確保のために設けられているオーミ
ック拡散部N12とN22層とが分離しており、不純物濃度や
層厚などが製造プロセス上のばらつきの影響を受け易
い。
このため素子のターンオン、およびターンオフ移行特
性を決定する素子パラメータである第2層N1層(ベース
拡散部)と、第4層のN2層(ベース拡散部)の横方向抵
抗値r(第1図参照)も、製造プロセス上の影響を受け
てばらつきが多くなり、電気特性的には保持電流IH、タ
ーンオン時間,ターンオフ時間などにばらつきを生じて
製造の歩留りを低下する。
本発明は以上から前記拡散部であるN1とN2層の横方向
電流経路部に、プロセス的に安定した高抵抗部分を作れ
ば、製造上における横方向抵抗値、即ち電流経路部の抵
抗のばらつきを少なくできることを着想してなされたも
のであって、その特徴とするところは次の点にある。
即ち本発明においては第4図(a)(b)に示す本発
明の一実施例の拡散平面図および拡散断面図のように、
オーミック拡散部である第2層と第4層におけるN12
とN22層のマスクパターンと、第1層と第5層における
エミッタ拡散部であるP11層とP21層のマスクパターンと
の境界部に重なり部分O、即ち高不純物濃度同士の補償
領域に形成したことを特徴とするものである。
以上のような構成とすれば製造上における保持電流IH
などのばらつきを少なくでき、歩留りを向上できる。
第5図は保持電流値IHの製造ロット内における設計狙
い値に対するばらつきを従来構造と本発明構造によるも
のとを比較した図である。この結果から本発明によれば
製造のばらつきを従来のものに比べて著しく少なくでき
ることが判る。
なお以上においてはPNPNPの導電型のものについて説
明したが、NPNPNの導電型のものについても同様に適用
できることは云うまでもない。また信頼性確保のために
従来使用されている手段を適用できることは云うまでも
ない。
(発明の効果) 以上から明らかなように、本発明の素子構造とするこ
とにより、サージ通過後の自動復帰動作を決める極めて
重要な要素である保持電流値のばらつきの少ない双方向
性2端子サイリスタを量産できるので、製造コストの低
下を図りうるすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図および第3図は従来構造の説明図,使用
例図および動作説明図、第4図は本発明の一実施例の説
明図、第5図は従来品と本発明品における製造ロット内
の保持電流の分布図である。 P……半導体基板(ベース基板)、 N1,N2……ベース拡散部、P11,P21……エミッタ拡散部、
N12,N22……オーミック拡散部、 O……重なり部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一導電型の半導体基板の両面にそれぞれ
    ベース拡散部である第二導電型の半導体層を設け、該ベ
    ース拡散部の一面の第二導電型の半導体層内には、エミ
    ッタ拡散部である第一導電型の半導体層とオーミック拡
    散部である第二導電型の半導体層とをその一部がそれぞ
    れ該一面の第二導電型の半導体層の表面に島状に露出す
    るように設けると共に、前記ベース拡散部の他面の第二
    導電型の半導体層内には、前記一面のエミッタ拡散部で
    ある第一導電型の半導体層と対向する位置にオーミック
    拡散部である第二導電型の半導体層を、また前記一面の
    オーミック拡散部である第二導電型の半導体層と対向す
    る位置にはエミッタ拡散部である第一導電型の半導体層
    をその一部がそれぞれ該他面の第二導電型の半導体層を
    表面に島状に露出するように設けて、両面に露出したエ
    ミッタ拡散部である第一導電型の半導体層とオーミック
    拡散部である第二導電型の半導体層及びベース拡散部で
    ある第二導電型の半導体層をそれぞれ金属電極により短
    絡した双方向性2端子サイリスタにおいて、 前記一面と前記他面の各ベース拡散部である第二導電型
    の半導体層内にそれぞれ設けられた前記エミッタ拡散部
    である第一導電型の半導体層と前記オーミック拡散部で
    ある第二導電型の半導体層との相互間に重なり部をもた
    せたことを特徴とする双方向性2端子サイリスタ。
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