JP2819708B2 - 苗植機における植付姿勢の調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 この発明は、苗載台に載置された苗から一株分の苗を
取り出して地面に移植する苗植機に関するものである。

〔従来の技術〕

苗植機は、左右に移動する苗載台の下端側に苗載台が
固定され、苗載台上に載置された苗の下端がこの苗受具
の受面で支えられ、旋回する苗植具がこの苗受具の苗取
口を通って下降し、一株分の苗を取り出して地面に植付
ける構成が用いられている。

また、この発明に外形が近いものとしては、実公昭53
−3157号公報のように、前記の受面が下の横軸の回りに
回動するものがある。

〔発明が解決しようとする課題〕

この種の苗載機は、株間変更などの要因で、泥面に植
付けられる苗が前又は後に傾くことがある。

この発明は、株間変更調節に伴って苗受具の受面の角
度を変更させることにより、移植前の苗の姿勢を調節
し、もって前記の泥土の植付けられる苗の傾き（植付姿
勢）を調節するものである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、上記課題を解決すべく、左右に移動する
苗載台９の下端側に設けられて苗載台９に載置された苗
の下端を受面10bで受ける苗受具10と、苗受具10の苗取
口を通って旋回する苗植具11を備え、苗受具10は株間の
調節装置に連動してその受面10bの角度が変更される構
成とした苗植機における植付姿勢の調整装置としたもの
である。

〔発明の作用効果〕

この発明は、上記のように構成されるので、これを施
した苗植機を水田内で推進させると、苗載台９に載置さ
れた苗は、苗受具10の受面10bで受け止められ、苗載台
９の左右の移動でこの受面10b上を左右に移動する。こ
こに、苗植具11が苗受具10の苗取口を通って下に向って
旋回しているので、この苗植具11で順に一株分づつ取ら
れ、泥面上に植付けられる。

このようにして泥面に植付けられる苗は、株間が調節
されると前又は後に傾いてしまうことがある。そこで、
株間調節に伴い苗受具10の受面10bが角度調節されるの
で、苗植具11で取り出される苗の姿勢が変更されるか
ら、泥面に植付けられる姿勢も変わり、苗の姿勢が直立
するように調整されて、株間調節にかかわらず良好な田
植作業が行える。

〔実施例〕

つぎに、この発明を施した田植機を説明する。

第１図のように、走行車体１は、エンジン２と、この
エンジン２で駆動される前輪３と、後輪４を備えてい
る。この走行車体１の後部に田植装置５がリンク６で連
結されて田植機となっている。

田植装置５は、入力軸６でエンジン２の回転が導入さ
れる歯車箱７と、底面８が斜上を向くように前に傾いて
その歯車箱７の上で左右に移動する苗載台９と、苗載台
９の下端部に設けられて苗載台９上のマット苗の下端を
支えるＬ形の苗受具10と、歯車箱７の後部に取付けられ
て先が旋回する苗植具11と、歯車箱７の下に設けられて
泥面上を滑走するフロート12で出来ている。

第２図のように、苗載台９の下端の背面には、横杆13
が設けられている。苗受具10は、底面９に連続する下面
10aとその先で直交する受面10bとでＬ形に形成され、下
面10aの上端が横軸14でその回りに回動するように横杆1
3に取付けられている。また、この苗受具10は、受面10b
から下面10aにかけて切り取られて出来た苗取口（図示
省略）を備え、この苗取口を前記の苗植具11の先が下向
に通過するように構成される。

歯車箱７に縦向のレバー15が中央のピン16で取付ら
れ、このレバー15の下端がばね17で前に引かれ、このレ
バー15の下端と苗受具10のアーム18とがリンク19で接続
されている。

アウタワイヤ20の両端が走行車体１と歯車箱７に止め
られ、このアウタワイヤ20に通されたインナワイヤ21の
両端がシート22の近くの操作杆23とレバー15の上端とに
取付けられている。

このように構成された田植機は、苗載台９にマット苗
を載せて水田で運転すると、その前進でフロート12が泥
面を滑走して整地する。そして、苗載台９上のマット苗
は、下が苗受具10の受面10bで支えられ、苗載台９の左
右の移動でこの受面10b上を滑っているが、旋回してい
る苗植具11の先が苗取口を通って下降するので、この苗
植具11の先で下端から横向に順次欠ぎ取られて泥面に挿
し込まれ、もって移植作業が行なわれる。

ここに、泥面に挿し込まれた苗は、苗植具11の旋回速
度（株間調節）が起因して、前又は後に傾くことがある
が、例えば前に傾いていると、操作杆23でインナワイヤ
21をゆるめる。すると、レバー15がばね17で引かれて下
が前に移動し、リンク19が苗受具10を下に回す。そのた
め、苗受具10で支えられているマット苗の下端部は、こ
れまでよりも後に傾くようになるので、苗植具11で取り
出されて泥面に挿し込まれた姿勢が直立側に調整され
る。また、苗が後に傾いているときには、操作杆23をこ
れとは逆に操作すれば良い。

そして、この発明の実施に当り、苗受具10の角度は、
株間の調節装置に連動して変わるようにしているので、
好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を施した田植機の側面図、第２図はそ
の一部の拡大した側面図である。尚、図中の符号の主な
ものは次の通りである。 9;苗載台、10;苗受具、10b;受面、11;苗植具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−231911（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−133725（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−36916（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01C 11/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】左右に移動する苗載台９の下端側に設けら
   れて苗載台９に載置された苗の下端を受面10bで受ける
   苗受具10と、苗受具10の苗取口を通って旋回する苗植具
   11を備え、苗受具10は株間の調節装置に連動してその受
   面10bの角度が変更される構成としたことを特徴とする
   苗植機における植付姿勢の調整装置。