JP2817249B2 - 水性分散液の製造方法および水性塗料組成物 - Google Patents

水性分散液の製造方法および水性塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水性分散液の製造方法および水性塗料組成物
に関する。
[従来の技術] 従来、フルオロオレフィンとシクロヘキシルビニルエ
ーテルおよびその他各種の単量体からなる共重合体が室
温で有機溶媒に可溶であり、塗料として用いた場合に透
明で高光沢を有し、しかも高耐候性、撥水撥油性、耐汚
染性、非粘着性などフッ素樹脂の有する優れた特性を備
えた塗膜を与えることが知られており(例えば特開昭55
−44083)、建築などの分野で使用が増大しつつある。
この一方で、近年大気汚染の観点から有機溶剤の使用
に対して規制が行われつつあるため、有機溶剤を用いな
い水性塗料や粉体塗料に対する需要が高まっており、フ
ッ素樹脂についても、そのための検討がなされており、
官能基をもたないものについては乳化重合で製造できる
ことが報告されている(特開昭55−25411)。
また、水酸基を有する含フッ素共重合体を乳化重合し
たものが、特開昭57−34107、特開昭61−231044に記載
されている。しかし、これらの方法では、乳化剤および
親水性有機溶剤を併用することを必須としていた。これ
らの方法では、乳化剤および親水性有機溶剤のいずれか
一方または両方を使用しない場合には、水性分散液が得
られなかったり、水性分散液が得られても、きわめて機
械的・化学的安定性が悪く、保存中に凝集、沈降を起こ
すという問題や、これらの方法により得られる水性分散
液は造膜性が悪い、得られる塗膜の耐水性が悪いうえに
白化しやすい、などの問題があった。
さらには、水溶性物質である乳化剤を多量に含んでい
ると、フィルムを形成したとき、フィルムの耐水性が悪
い、また、乳化剤が分解しやすいため、フィルムの耐候
性が悪いという問題点があった。
最近、フッ素含有側鎖と親水性側鎖を有するグラフト
共重合体を分散安定剤とする乳化重合法が提案されてい
る(特開昭63−10611)。しかし、この方法により得ら
れる水性分散液は、耐水性の良好なフィルムを与えるこ
とはできるが、耐候性の改良は充分なものではなかっ
た。
また、有機液体中、有機液体に可溶な含フッ素共重合
体の存在下、ビニル単量体を重合した後、水を加え、有
機液体を留去する方法も知られている(特開昭62−2436
03)。この方法では、耐候性の優れたフィルムを形成し
うる水性分散液を得ることはできるが、工程が複雑であ
り、有機液体を多量に使用するため危険であるという問
題点があった。
[発明の解決しようとする課題] 本発明は、前述の従来技術の有する課題を解消しよう
とするものである。すなわち、造膜性に優れ、かつ、塗
膜の機械的性能および耐水性、耐候性に優れ、かつ、重
合時および貯蔵時に安定な水性分散液を安全に、かつ、
容易に製造しうる方法および、耐水性、耐候性に優れた
水性塗料組成物を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであ
り、主鎖に直接結合したフッ素原子を有しかつ親水性側
鎖を有する乳化性含フッ素共重合体の存在下、水性媒体
中で、親水性部位を有するマクロモノマーおよびフルオ
ロオレフィンを含む単量体を乳化重合することを特徴と
する水性分散液の製造方法を提供する。
また、この製造方法により得られた水性分散液を主成
分とする水性塗料組成物を提供する。
また、少なくとも2種の水性分散液を含む水性塗料組
成物であって、水性分散液の少なくとも1種がこの製造
方法により得られた水性分散液である水性塗料組成物を
提供する。
本発明の製造方法では、主鎖に直接結合したフッ素原
子を有しかつ親水性側鎖を有する乳化性含フッ素共重合
体の存在下に乳化重合することが重要である。かかる乳
化性含フッ素共重合体としては、主鎖に結合したフッ素
原子を10重量%以上の割合で含有するものが特に耐候性
に優れたフィルムを与えるため好ましく採用される。
主鎖に結合したフッ素原子を有する含フッ素共重合体
を得る方法としては、フルオロオレフィンと他の共重合
可能な単量体を共重合せしめる方法が通常採用される。
フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニリデン、ト
リフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テ
トラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘ
キサフルオロプロピレンなどの炭素数2〜4程度のフル
オロオレフィンが好ましく採用される。
乳化性含フッ素共重合体中、フルオロオレフィンに基
づく単位が20〜80モル%、特には30〜70モル%とするこ
とが好ましい。フルオロオレフィンに基づく単位が余り
にも少ないと充分な耐候性が発揮されず、また多すぎる
場合には、水に対する溶解性がきわめて低くなり、実質
上、乳化重合が困難になるため好ましくない。
また、本発明において、乳化性含フッ素共重合体は、
親水性側鎖を有する。親水性側鎖としては、ポリオキシ
エチレン鎖の如き親水性の側鎖や、カルボン酸基または
その誘導体の如き親水性基を有する側鎖などが例示され
る。製造の容易性などの点から親水性側鎖としては親水
性基を有する側鎖が好ましく採用される。また親水性基
は側鎖末端にあることが効果的で好ましい。かかる親水
性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3M2(Mは水素、
アルカリ金属、第4級アンモニウム基、または第4級ホ
スホニウム基である)、アミド基などが例示される。
親水性側鎖は、親水性側鎖を有する繰り返し単位が乳
化性含フッ素共重合体中0.1〜80モル%含まれているこ
とが好ましい。親水性側鎖の割合が少なすぎると、水に
分散または溶解しなくなり、乳化重合が実質上困難とな
る。また、親水性側鎖の割合が大きすぎるとゲル化をお
こすことがあり、好ましくない。特に親水性側鎖を有す
る繰り返し単位を1〜20モル%の割合で含む乳化性含フ
ッ素共重合体が好ましく採用される。
乳化性含フッ素共重合体への親水性側鎖の導入方法と
しては、次に示す方法などが例示される。
第1に、親水性鎖または親水性基を有する単量体を共
重合させる方法。第2に、反応性の基を有する含フッ素
共重合体に、親水性鎖または親水性基を与える化合物を
高分子反応により反応せしめて、親水性側鎖を導入する
方法。第3に、加水分解等により親水性基を形成しうる
単量体をあらかじめ重合せしめた含フッ素共重合体を、
加水分解などをすることにより、親水性側鎖を形成する
方法。
第1の方法において、親水性鎖または親水性基を有す
る単量体としては、フルオロオレフィンとの共重合性の
点から、エチレン性不飽和基を有する化合物が好ましく
採用される。エチレン性不飽和基を有する化合物として
は、ビニル化合物、アリル化合物、(メタ)アクリロイ
ル化合物などが例示される。
また、親水性鎖としては、ポリエチレンオキシドなど
が、親水性基としては、前述の如き、カルボン酸基、カ
ルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、ホスホ
ン酸基、ホスホン酸塩基、アミド基などが例示される。
また、親水性鎖または親水性基を有する単量体は、炭素
に結合した水素の一部ないし全部がフッ素に置換された
ものであってもよい。かかる親水性鎖または親水性基を
有する単量体として、具体的には以下のもの(Mは、前
述と同じ水素、アルカリ金属、第4級アンモニウム基ま
たは第4級ホスホニウム基である)などが例示される。
CH2=CHOCH2CH2CH2(OCH2CH2nOH、 CH2=CHCH2OCH2CH2(OCH2CH2nOH、 CH2=CHCOOM、 CH2=C(CH3)COOM、 CH2=CHO(CH2− −(OCH2CH2(OCH2CH(CH3))mOH、 CF2=CFOCF2CF2COOM、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO3M、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CF2COOM、 CH2=CHOCH2CH2CHOCOCH2CH2COOM。
第2の高分子反応による方法において、反応性の基を
有する含フッ素共重合体としては、次に示す如きものが
採用される。反応性の基としては、水酸基、カルボン酸
基、アミノ基、酸アミド基、メルカプト基などの活性水
素含有基や、エポキシ基、活性ハロゲン含有基、二重結
合などが例示される。かかる反応性の基は、反応性の基
を有する単量体をフルオロオレフィンと共重合すること
により含フツ素共重合体中に導入できる。
ここで、反応性の基を有する単量体としては、ヒドロ
キシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリ
ルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテルまたは
ヒドロキシアルキルアリルエーテルとラクトン化合物の
反応物またはジカルボン酸無水物との反応物や、グリシ
ジルビニルエーテルまたはグリシジルアリルエーテルと
フェノールとの反応物、グリシジルビニルエーテル、グ
リシジルアリルエーテル、アミノアルキルビニルエーテ
ル、アクリル酸アミド、ヒドロキシアルキルビニルエー
テルとイソシアナートアルキルメタクリレートの反応
物、アリルビニルエーテルなどが例示される。
第2の方法では、上述の如き方法で得られる反応性の
基を有する含フッ素共重合体に、親水性鎖または親水性
基を与える化合物を高分子反応により反応せしめる。親
水性鎖を与える化合物としては、イソシアナート末端ポ
リオキシエチレンなどの親水性鎖および前述の含フッ素
共重合体の反応性の基と反応しうる基を有する化合物な
ど、また、含フッ素共重合体中の水酸基にエチレンオキ
シドを付加反応させてポリオキシエチレン鎖を導入する
など、エチレンオキシドの如き親水性鎖を形成しうる化
合物などが例示される。
また親水性基を与える化合物としては、コハク酸など
の多価カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホスホン酸、
(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸などの
親水性基および含フッ素共重合体の反応性の基と反応し
うる基を有する化合物などが例示される。また、多価カ
ルボン酸無水物の如き含フッ素共重合体の反応性の基と
反応することにより親水性基を生成する化合物も採用可
能である。また親水性基が、酸基である場合には、イオ
ン性化合物により中和されている方が親水性が効果的に
発揮されるため好ましい。ここで、イオン性化合物によ
る中和は、含フッ素共重合体との反応前または反応後の
いずれであってもよい。
また、後述する硬化反応性部位との関係から、第2の
方法では、含フッ素共重合体の反応性の基のすべてに親
水性鎖または親水性基を与える化合物を反応させてもよ
く、含フッ素共重合体の反応性の基の一部が残されてい
てもよい。含フッ素共重合体の反応性の基を残すまたは
残さないは、反応させる親水性鎖または親水性基を与え
る化合物の種類および量を適宜選定することにより達成
される。
第3の方法としては、含フッ素共重合体製造時に加水
分解などにより親水性基を生成する化合物をあらかじめ
共重合しておき、重合後加水分解して、親水性基を生成
する方法である。ここで、あらかじめ共重合させる加水
分解などにより親水性基を生成する化合物としては、ア
クリル酸エステルなどの不飽和カルボン酸エステル、不
飽和スルホン酸エステルなどが例示される。
また、乳化性含フッ素共重合体は、前述のフルオロオ
レフィンに基づく単位および親水性側鎖を有する繰返し
単位の他に、これらと共重合可能な単量体に基づく単位
が含まれていてもよい。かかる単量体としては、オレフ
ィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリル
エーテル類、アリルエステル類、(メタ)アクリル酸エ
ステルなとが例示される。
これら単量体は、あまりに多量に共重合されている
と、耐候性が低下するため好ましくない。かかる単量体
が共重合されている場合には、その割合が70モル%以下
となる量であることが好ましい。また、これらの単量体
が共重合されていると、顔料の分散性、フィルムの光沢
が優れる、また、後述する乳化重合時のモノマーとの相
溶性が良好になる、などの利点が得られ好ましい。
この単量体としては、特に、オレフィン類、ビニルエ
ーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリ
ルエステル類が好ましく採用される。ここで、オレフィ
ン類としては炭素数2〜10程度のものが好ましく、ビニ
ルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、
アリルエステル類としては、炭素数2〜15程度の直鎖
状、分岐状または脂環状のアルキル基を有するものが好
ましく採用される。
また、乳化性含フツ素共重合体は、硬化反応性部位を
有するものが強靭な塗膜を得られるため好ましい。かか
る硬化反応性部位とは、硬化剤または硬化反応性部位同
志で反応して、硬化体を与える部位である。具体的に
は、前述の含フッ素共重合体の反応性の基として説明し
たものと同様の基が採用されうる。例えば、水酸基、カ
ルボン酸基、アミノ基、酸アミド基、メルカプト基など
の活性水素含有基や、エポキシ基、活性ハロゲン含有
基、二重結合などが挙げられる。
また、硬化反応性部位の含フッ素共重合体への導入方
法は、前述の含フッ素共重合体への親水性側鎖の導入方
法の第2の方法で反応性の基の導入方法として説明した
方法、すなわち、硬化反応性部位を有する単量体を共重
合せしめる方法、などの方法が例示される。硬化反応性
部位は、乳化性含フッ素共重合体中、硬化反応性部位を
含む繰り返し単位が0〜35モル%程度であることが好ま
しい。
また、本発明において乳化性含フッ素共重合体の分子
量は特に限定されないが、あまりに大きすぎると水性媒
体の粘度が高くなりすぎ、また、水性媒体中で良好なミ
セルが形成しにくいため好ましくない。小さすぎても耐
水性のために好ましくない。通常は、数平均分子量で、
1,000〜500,000、特に、3,000〜400,000程度のものが好
ましい。
本発明の製造方法では、上述の乳化性含フッ素共重合
体の存在下、乳化重合を行う。この際、媒体としては、
水を単独で用いてもよく、水と有機液の混合液を用いて
もよい。有機液を混合した場合には、安定な分散液が得
られることもある。また、本発明の方法により得られる
水性分散液はそのまま水性塗料として使用可能である。
ここで、有機液としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、n−ブイルアル
コール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、アミルアルコール、ペン
タノール、オクチルアルコールなどのアルコール類、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルなどのエーテルアルコール類、トリクロ
ロトリフルオロエタンなどのフッ素系溶剤などが例示さ
れる。また、これら有機液は1種単独で使用してもよ
く、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の製造方法では、上述の乳化性重合体の存在
下、水性媒体中、フルオロオレフィンおよび親水性部位
を有するマクロモノマーを含む単量体を乳化重合する。
ここで、フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニリ
デン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピ
レン、ヘキサフルオロプロピレンなどの炭素数2〜4程
度のフルオロオレフィンが好ましく採用される。特にパ
ーハロオレフィンが好ましい。
また、親水性部位を有するマクロモノマーと共重合す
ることが重要である。親水性部位を有するマクロモノマ
ーが共重合されているため、水性分散液の機械的・化学
的安定性が改善されるばかりでなく、造膜性、塗膜の耐
水性なども向上させうる。特に水酸基の如き官能基を有
する含フッ素共重合体であっても、きわめて優れた水性
分散安定性が達成される。
本発明における親水性部位を有するマクロモノマー
の、親水性部位とは、親水性基を有する部位、または親
水性の結合を有する部位、およびこれらの組合せからな
る部位を表している。この親水性基は、イオン性、非イ
オン性、両性およびこれらの組合せのいずれであっても
よいが、上記親水性部位がイオン性の親水性基を有する
部位のみからなる場合としては、該水性分散液の化学的
安定性に問題があるため好ましくなく、非イオン性また
は両性の親水性基を有する部位と組合せるか、親水性の
結合を有する部位と組合せることが望ましい。
また、マクロモノマーとは片末端にラジカル重合性不
飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴマーの
ことをいう。
親水性部位を有するマクロモノマーとして、具体的に
は、以下のものなどの片末端にラジカル重合性不飽和基
を有するポリエーテル類などが例示される。
(1)CH2=CHO(CH2[O(CH2nOX (pは1〜10、mは1〜4、nは2〜20の整数、Xは水
素原子または低級アルキル基である) (2)CH2=CHCH2O(CH2[O(CH2nOX (p、m、n、Xは(1)式のものと同様である) (3)CH2=CHO(CH2− −(OCH2CH2(OCH2CH(CH3))nOX (pは1〜10、mは2〜20、nは0〜20の整数、Xは水
素原子または低級アルキル基であり、オキシエチレン単
位およびオキシプロピレン単位はブロック、ランダムの
いずれの型で配列されていてもよい) (4)CH2=CHCH2O(CH2− −(OCH2CH2(OCH2CH(CH3))nOX (p、m、n、Xは(3)式のものと同様であり、オキ
シエチレン単位とオキシプロピレン単位はブロック、ラ
ンダムのいずれの型で配列されていてもよい) なかでも、片末端がビニルエーテル型の構造を有する
ものがフルオロオレフィンとの共重合性に優れているた
め好ましく採用される。特にポリエーテル鎖部分が、オ
キシエチレン単位、または、オキシエチレン単位とオキ
シプロピレン単位、からなるものが親水性などに優れて
いるため好ましい。また、オキシエチレン単位を少なく
とも2個有するものでないと、安定性などの諸性質が達
成されない。また、オキシアルキレン単位の数が余りに
大きいものは、塗膜の耐水性や耐候性などが悪くなり、
好ましくない。
かかる親水性部位を有するマクロモノマーは、水酸基
を有するビニルエーテルまたはアリルエーテルに、ホル
ムアルデヒド、ジオールを重合させるまたはアルキレン
オキシドを開環重合させるなどの方法により製造するこ
とができる。
また、親水性部位を有するマクロモノマーとして、親
水性のエチレン性不飽和モノマーがラジカル重合した鎖
を有し、末端にビニルエーテルまたはアリルエーテルの
如きラジカル重合性不飽和基を有するマクロモノマーで
あってもよい。
このようなマクロモノマーは、山下らがPolym.Bull.,
5,335(1981)に述べている方法などにより製造でき
る。すなわち、縮合可能な官能基を有する開始剤および
連鎖移動剤の存在下に親水性基を有するエチレン性不飽
和モノマーをラジカル重合させることにより、縮合可能
な官能基を有する重合体を製造し、ついでこの重合体の
官能基にグリシジルビニルエーテル、グリシジルアリル
エーテルの如き化合物を反応させ、末端にラジカル重合
性不飽和基を導入する方法などが例示される。
このマクロモノマーの製造に用いられるエチレン性不
飽和モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、2−メトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、多価アルコールの(メタ)アクリル
酸エステルおよびビニルピロリドンなどがある。
この他に、共重合可能なモノマーとして、(メタ)ア
クリルアミドとその誘導体、N−メチロールアクリルア
ミド誘導体、アクリル酸エチルカルビトール、アクリル
酸トリエチレングリコールメチルエーテル、(2−ヒド
ロキシエチルアクリル酸)ホスフェート、ブトキシエチ
ルアクリレートなどがある。
また、このマクロモノマーの調製に用いられる開始剤
として4,4′−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、2,
2′−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩、過酸化
カリウム、過酸化アンモニウム、アゾビスイソブチロニ
トリル、過酸化ベンゾイルなどがある。
また、本発明の方法では、フルオロオレフィンおよび
親水性部位を有するマクロモノマーの他に乳化重合可能
な単量体を同時に乳化重合してもよい。
かかる乳化重合可能な単量体としては、エチレン、プ
ロピレンなどのオレフィン類、エチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シク
ロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類や、
ビニルエステル類、スチレン、ビニルトルエンなどの芳
香族ビニル化合物などのビニル系化合物、エチルアリル
エーテルなどのアルリエーテル類やアリル化合物、アク
リル酸ブチルなどのアクリロイル化合物、メタアクリル
酸エチルなどのメタアクリロイル化合物などや、これら
の炭素に結合した水素の一部または全部がハロゲン原子
に置換された化合物などが採用される。
ハロゲン原子に置換された化合物としては、塩化ビニ
ル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフ
ィン、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)等のハ
ロゲン化ビニル化合物などが例示される。
また、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、グリシジ
ルアリルエーテル等の反応性基を有する単量体を使用し
てもよい。
かかる単量体は2種または3種以上の併用であっても
よい。
本発明において、前述の乳化性含フッ素共重合体の量
は、上記乳化重合する単量体100重量部中、0.1〜99重量
部程度の範囲で適宜採用できる。乳化性含フッ素共重合
体の量が、乳化重合する単量体100重量部当り0.1重量部
より少ないと得られる水性分散液の安定性が低下する恐
れがあり、好ましくない。
また、乳化重合による含フッ素共重合体は、(1)フ
ルオロオレフィンに基づく重合した単位が20〜80モル
%、(2)親水性部位を有するマクロモノマーに基づく
重合した単位が0.1〜25モル%の割合であることが好ま
しい。
フルオロオレフィンに基づく重合した単位があまりに
少ないと耐候性が充分に発揮されず、また多すぎると水
分散性がきわめて悪くなるため好ましくない。特に30〜
70モル%であることが好ましい。
また、親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重
合した単位が、少なすぎると水分散性がきわめて悪くな
り、また多すぎると塗膜の耐候性、耐水性が悪くなるた
め好ましくない。特に造膜性にきわめて優れた効果を達
成されるために、この単位が0.3〜20モル%の割合で含
まれることが好ましい。
また、水酸基を含有する重合した単位が含まれる場合
は、25モル%以下であることが好ましい。この単位の割
合があまりに大きいと水分散性が低下し、また塗膜を硬
化せしめたときに硬く脆いものになったり、残存水酸基
の影響で耐水性が低下したりすることがあるので好まし
くない。また、この単位は、前述の単位(2)、すなわ
ち、親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合し
た単位が水酸基を有するものを含んでいる場合、その単
位は、(2)親水性部位を有するマクロモノマーに基づ
く重合した単位および水酸基を含有する重合した単位の
両方の計算に含められる。
上記フルオロオレフィンに基づく重合した単位および
親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した単
位以外の単位は、0〜70モル%であることが好ましい。
この単位が多すぎると耐候性が悪くなり、好ましくな
い。
本発明の方法により得られる水性分散体は、上記乳化
重合された含フッ素共重合体が水に分散されたものであ
る。また、本発明の方法により得られる水性分散液は、
通常含フッ素重合体水性分散液で用いられる乳化剤や親
水性有機溶剤が存在しなくとも、優れた機械的、化学的
安定性を発揮するものである。勿論、乳化剤および親水
性有機溶剤のいずれか一方または両方が添加されていて
も支障ない。しかし、乳化剤は塗膜の耐水性を低下させ
る、親水性有機溶剤は溶剤規制があるという点から添加
されていないことが好ましい。
ここで、乳化剤を使用する場合には、アニオン性、カ
チオン性、ノニオン性、両性、ノニオン−カチオン型、
ノニオン−アニオン型または反応性基をもったものを単
独でまたは併用して使用できる。
本発明の製造方法は、フルオロオレフィン、親水性部
位を有するマクロモノマー、および必要により、他の単
量体を水性媒体中、乳化性含フッ素共重合体の存在下に
乳化重合することにより製造できる。乳化重合の開始
は、通常の乳化重合の開始と同様に重合開始剤の添加に
より行われる。
かかる重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤を
使用できるが、水溶性開始剤が好ましく採用され、具体
的には過硫酸アンモニウム塩等の過硫酸塩、過酸化水素
またはこれらと亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリ
ウム等の還元剤との組合せからなるレドックス開始剤、
さらにこれらに少量の鉄、第一鉄塩、硫酸銀等を共存さ
せた系の無機系開始剤、またはジコハク酸パーオキシ
ド、ジグルタール酸パーオキシド等の二塩基酸過酸化
物、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩、アゾビスブ
チロニトリル等の有機系開始剤が例示される。
重合開始剤の使用量は、種類、乳化重合条件等に応じ
て適宜変更できるが、通常は乳化重合させるべき単量体
100重量部当り、0.005〜0.5重量部程度が好ましく採用
される。また、これらの重合開始剤は一括添加してもよ
いが、必要に応じて分割添加してもよい。
また、乳化物のpHを上昇させる目的で、pH調整剤を用
いてもよい。かかるpH調整剤としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、o−リン酸水素ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム等の無機塩基および
トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基
類、アンモニアなどが例示される。pH調整剤の添加量
は、通常乳化重合媒体100重量部当り0.05〜5重量部程
度、好ましくは0.1〜1重量部程度である。
また、乳化重合開始温度は主に重合開始剤の種類に応
じて適宜最適値が選定されるが、通常は、0〜100℃、
特に10〜90℃程度が好ましく採用される。また、反応圧
力は、適宜選定可能であるが、通常は1〜100kg/cm2
特に2〜50kg/cm2程度を採用するのが望ましい。
かかる製造方法において、モノマー、開始剤等の添加
物をそのまま一括仕込して重合してもよいが、分散粒子
の粒子径を小さくして分散液の安定性および塗膜の光沢
等の諸物性を向上させる目的で、重合開始剤を添加する
前にホモジナイザー等の撹拌機を用いて前乳化させ、そ
の後で開始剤を添加して重合してもよい。また、モノマ
ーを分割してまたは連続して添加してもよく、その際モ
ノマー組成は異なってもよい。
本発明の方法により得られる水性分散液は、そのまま
でも水性塗料として使用可能であるが、必要に応じて着
色剤、可塑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、ハジキ防
止剤、皮バリ防止剤、硬化剤、消泡剤、脱泡剤などを混
入してもよい。
着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔料などが例
示される。可塑剤としては、従来公知のもの、例えばジ
メチルフタレート、ジオクチルフタレート等の低分子量
可塑剤、ビニル重合体可塑剤、ポリエステル系可塑剤等
の高分子量可塑剤等が挙げられる。硬化剤としては、例
えばヘキサメチレンイソシアナート三量体等のブロック
イソシアナート、メチル化メラミン、メチロール化メラ
ミン、ブチロール化メラミン等のメラミン樹脂、メチル
化尿素、ブチル化尿素等の尿素樹脂などが挙げられる。
また、本発明の方法により得られる水性分散液を水性
塗料ベースとして使用する場合は、そのまま使用しても
よいが、アクリレート系ポリマーなど他の水性分散液を
ブレンドして用いた方が塗膜の諸物性が向上したり、コ
ストの面で有利になる場合もある。
[実施例] 以下に、実施例を掲げて本発明を具体的に説明する
が、かかる実施例などにより本発明は何ら限定されな
い。なお、以下の実施例中の部数は、特に断りのない限
り重量部を示す。
[合成例(乳化性含フッ素共重合体水性液の合成)] 「合成例1」 内容積200mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブ
(耐圧50kg/cm2)にクロロトリフルオロエチレン(以下
CTFEと記す)35部、シクロヘキシルビニルエーテル(以
下CHVEと記す)11部、エチルビニルエーテル(以下EVE
と記す)4.3部、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル
(以下HBVEと記す)15部、キシレン98部、エタノール28
部、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと記す)0.
5部、無水炭酸カリウム1.5部を仕込み、液体窒素にて冷
却して固化脱気により溶存空気を除去した後に、65℃で
16時間反応を行い、水酸基含有含フッ素共重合体を得
た。
得られた共重合体はテトラヒドロフラン中30℃で測定
される固有粘度が、0.11dl/gであった。
得られた水酸基含有含フッ素共重合体(水酸基価は約
120mgKOH/g−樹脂)の約60%キシレン溶液を50℃に加熱
し、重合体100部に対して3.6部の無水コハク酸およびア
セトン10部を加え、さらに0.2部のトリエチルアミンを
添加して、2時間反応させた。
反応液の赤外スペクトルを測定すると、反応前に観測
された酸無水物の特性吸収(1850cm-1、1780cm-1)が、
反応後では消失しており、カルボン酸(1710cm-1)およ
びエステル(1735cm-1)の吸収が観測された。
かくしてカルボン酸基を導入された含フッ素共重合体
の酸価は20mgKOH/g樹脂、水酸基価は100mgKOH/g樹脂で
あった。
なお、得られた含フッ素共重合体は、一旦溶剤を蒸発
させ、共重合体固形分を単離した後、新たにエチルアル
コールで溶解し、約60%のエチルアルコール溶液とし
た。
このエチルアルコール溶液135部を、撹拌装置および
還流冷却器を備えた反応容器に入れ、トリエタノールア
ミン4部を添加した後、脱イオン水150部を加えて含フ
ッ素共重合体水溶液を調製した。
「合成例2〜6」 合成例1と同じ処方で、第1表に示したモノマーを重
合させ、水酸基含有含フッ素共重合体のキシレン溶液を
合成した。
次に、得られた共重合体溶液を用い、合成例1に示し
たのと同様の方法で第1表に示した量(樹脂100部に対
する部数)の無水コハク酸を反応させ、カルボン酸基と
水酸基を含有する含フッ素共重合体を合成した。
各含フッ素共重合体の酸価(単位:mgKOH/g樹脂)およ
び水酸基価(単位:mgKOH/g樹脂)は第1表に示す通りで
あった。
なお、各含フッ素共重合体は合成例1と同様の方法で
水溶液を調製した。
「合成例7」 2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート50
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート55部、アクリ
ル酸5部を共重合させた分散剤50部をトリエタノールア
ミンで中和し、エタノール50部に溶解させ、脱イオン水
100部を加えて分散剤水性液を調製した。
「実施例1」 内容積200mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブ
(耐圧50kg/cm2)にEVE22.1部、HBVE1.5部、親水性部位
を有するマクロモノマーA4.5部、合成例1で製造した含
フッ素共重合体水溶液29部、イオン交換水99.1部、パー
フルオロオクタン酸アンモニウム塩0.35部、炭酸カリウ
ム0.35部、亜硫酸水素ナトリム0.02部、過硫酸アンモニ
ウム0.11部を仕込み、氷冷して、窒素ガスを3.5kg/cm2
になるように加圧し脱気、これを2回繰り返した後10mm
Hgまで脱気し、溶存空気を除去した後CTFEを38.0部仕込
んだ後に30℃で12時間反応を行った。得られた水性分散
液の特性値および塗膜の物性値を第2表に示す。
なお、第2表において乳化性含F共重合体欄では上記
重合反応に用いた含フッ素共重合体の種類と仕込量
(部)を示し、共重合組成欄は得られた共重合体中の各
重合単位のモル%を示す。
「実施例2〜5」 第1表の合成例2〜5で示した組成の含フッ素共重合
体水性液を用いる他は実施例1と同様の処方で重合した
ところ、実施例1と同様に安定な水性重合体分散液が得
られた。得られた水性分散液の特性値および塗膜の物性
を第2表に示す。
「実施例6」 前記オートクレーブ中にCHVE19.5部、EVE6.7部、HBVE
5.7部、親水性部位を有するマクロモノマーB13.6部、合
成例6で製造した含乳化性フッ素共重合体水溶液29部、
イオン交換水114.6部、パーフルオロオクタン酸アンモ
ニウム塩0.44部、炭酸カリウム0.44部、亜硫酸水素ナト
リウム0.02部、過硫酸アンモニウム0.14部を仕込み、実
施例1と同様に処理した後、テトラフルオロエチレン
(以下TFEと記す)を30.9部仕込んだ後に30℃で12時間
反応を行った。得られた水性分散液の特性値および塗膜
の物性値を第2表に示す。
「実施例7」 前記オートクレーブ中にCHVE21.7部、EVE7.9部、HBVE
6.4部、合成例5で製造した乳化性含フッ素共重合体水
溶液40部、親水性部位を有するマクロモノマーC6.9部、
イオン交換水124.7部、パーフルオロオクタン酸アンモ
ニウム塩0.44部、炭酸カリウム0.44部、亜硫酸水素ナト
リウム0.02部、過硫酸アンモニウム0.14部を仕込み、実
施例1と同様に処理した後、CTFEを40.0部を仕込み、30
℃で12時間反応を行った。得られた水性分散液の特性値
および塗膜の物性値を第2表に示す。
「実施例8」 前記オートクレーブ中にEVE23.1部、親水性部位を有
するマクロモノマーA4.5部、合成例4で製造した乳化性
含フッ素共重合体水溶液80部、イオン交換水99.1部、炭
酸カリウム0.35部、亜硫酸水素ナトリウム0.02部、過硫
酸アンモニウム0.11部を仕込み、実施例1と同様に処理
した後、CTFE38.7部を仕込み、30℃で12時間反応を行っ
た。得られた水性分散液の特性値及び塗膜の特性値を第
2表に示す。
「実施例9」 内容積200mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブ
(耐圧50kg/cm2)に、マクロモノマーA10部、CTFE41.5
部、CHVE13.5部、EVE15.9部、HBVE1.7部、合成例1で製
造した含フッ素共重合体水溶液29部を加え、イオン交換
水98.2部、過硫酸アンモニウム0.16部、亜硫酸水素ナト
リウム0.023部、炭酸カリウム0.4部を仕込み、液体窒素
にて冷却して固化脱気により、溶存空気を除去した後に
30℃で12時間反応を行った。得られた水性分散液は安定
であった。
「実施例10」 第1表の合成例1で示した組成の乳化性含フッ素共重
合体水性液30部、マクロモノマーA4.2部、ベオバー10
(シェル石油化学社製のビニルエステル)55部、HBVE0.
7部、CTFE33.7部、イオン交換水90部、過硫酸アンモニ
ウム0.16部を内容積300mlのステンレス製撹拌機付オー
トクレーブに仕込み、液体窒素にて冷却して固化脱気に
より、溶存空気を除去した後に65℃で16時間重合を行っ
た。得られた水性分散液は安定であった。
「合成例8」 第1表の合成例4で示した組成の乳化性含フッ素共重
合体水性液80部、n−ブチルメタクリレート70部、過硫
酸アンモニウム0.56部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート10部、イオン交換水94.5部を内容積300mlのステ
ンレス製撹拌機付きオートクレーブに仕込み、液体窒素
にて冷却して固化脱気により、溶存空気を除去した後に
60℃で2時間重合を行った。得られた水性分散液は安定
であった。
「実施例11」 実施例1で得た水性分散液70部、合成例8で得た水性
分散液30部を混合して得た水性塗料組成物をガラス板上
に塗布、乾燥させた。得られた塗膜は、実施例1で得た
水性分散液を単独で塗布、乾燥した塗膜に比べ、帯電特
性が改良されたものであった。
「比較例1」 前記オートクレーブ中にマクロモノマーA1.7部、EVE4
0.2部、HBVE0.9部、イオン交換水80.0部、エタノール9.
7部、パーフルオロオクタン酸アンモニウム塩0.34部、
炭酸カリウム0.23部、亜硫酸水素ナトリム0.01部、過硫
酸アンモニウム0.11部を仕込み、実施例1と同様に処理
した後、CTFE49.9部を仕込み、30℃で12時間反応を行っ
た。得られた水性分散液の特性値および塗膜の物性値を
第2表に示す。
「比較例2」 合成例7で得た含フッ素共重合体水性液を用いる他
は、実施例4と同様にして乳化重合を行った。得られた
水性分散液は安定であった。得られた水性分散液の特性
値および塗膜の物性値を第2表に示す。
実施例、比較例で用いた親水性部位を有するマクロモ
ノマーは第3表に示すものである。
また、機械的安定性、化学的安定性、耐水性、耐候性
の試験は次に示す方法で行った。
機械的安定性:日本精機製作所製「バイオミキサー」を
用い、5000回転で5分間撹拌した後の凝集の状態を観察
した。
化学的安定性:水性分散液に、同量の塩化カルシウムの
10%水溶液を加え、凝集の状態を観察した。
耐水性:ガラス板上に水性分散液試料を塗布し、150℃
で5分間加熱乾燥したものを、沸騰水中に4時間浸漬し
て目視で判定し、変化なしを○、やや白化したを△、白
化したを×とした。
耐候性:ガラス板上に水性分散液試料を塗布し、150℃
で5分間加熱乾燥したものを、サンシャインウエザーオ
ーメーターによる試験3000時間後の光沢を観察し、矢沢
なしを○、ややありを△とした。
[発明の効果] 本発明の方法により得られる水性分散液は、安定性に
きわめて優れており、水性塗料ベースとして有利であ
る、また、この水性分散液を用いた水性塗料は、耐水
性、耐候性にきわめて優れた塗膜を与えることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−225550(JP,A) 特開 平2−70706(JP,A) 特開 平3−37252(JP,A) 特開 平2−228350(JP,A) 特開 昭63−314202(JP,A) 特開 昭61−231044(JP,A) 特開 昭61−275364(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 55/00 C08L 27/12 - 27/20 C09D 155/00 C09D 127/12 - 127/20 C08F 2/22 - 2/30 C08F 290/00 - 290/06 C08F 214/18 - 214/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主鎖に直接結合したフッ素原子を有しかつ
    親水性側鎖を有する乳化性含フッ素共重合体の存在下、
    水性媒体中で、親水性部位を有するマクロモノマーおよ
    びフルオロオレフィンを含む単量体を乳化重合すること
    を特徴とする水性分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】乳化性含フッ素共重合体が、フルオロオレ
    フィンに基づく単位を30〜70モル%含有する共重合体で
    ある請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】乳化性含フッ素共重合体が、数平均分子量
    1,000〜500,000の共重合体である請求項1または2の製
    造方法。
  4. 【請求項4】親水性部位を有するマクロモノマーが、片
    末端にラジカル重合性不飽和基を有するポリエーテルで
    ある請求項1、2または3の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4の製造方法によ
    り得られた水性分散液を主成分とする水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】親水性部位を有するマクロモノマーおよび
    フルオロオレフィンを含む単量体の乳化重合により得ら
    れた共重合体が、フルオロオレフィンに基づく単位を20
    〜80モル%、親水性部位を有するマクロモノマーに基づ
    く単位を0.1〜25モル%の割合で含有するものである請
    求項5の水性塗料組成物。
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