JP2815593B2 - トルクコンバータのスリップ制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのスリップ制御装置

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JP2815593B2
JP2815593B2 JP63318179A JP31817988A JP2815593B2 JP 2815593 B2 JP2815593 B2 JP 2815593B2 JP 63318179 A JP63318179 A JP 63318179A JP 31817988 A JP31817988 A JP 31817988A JP 2815593 B2 JP2815593 B2 JP 2815593B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ロックアップクラッチを備えたトルクコン
バータのスリップ制御装置に関するものである。
(従来の技術) 一般にAT(オートマチックトランスミッション)車に
おいて、燃費向上のために、減速時に燃料供給の停止
(フューエルカット)を行なった場合、エンジン、ミッ
ション間が流体継手で連結されている関係上、車輪側か
らエンジン側への動力伝達が行なわれないため、エンジ
ンが所定の燃料復帰回転数以下に回転低下して再加速不
能の状態になる。
このような問題点を解決するために、従来、例えば特
開昭57−33253号公報に記載の如きトルクコンバータの
スリップ制御装置がある。
すなわち、タービン・ランナ(以下単にタービンと略
記する)とフロントカバーとの間に、タービンシャフト
の回転をフロントカバーを介してエンジン出力軸に伝達
するロックアップクラッチを介設し、エンジン出力軸
(トルクコンバータ入力軸)とタービンシャフト(トル
クコンバータ出力軸)との回転差が一定値になるように
上述のロックアップクラッチをスリップ制御すべく構成
した装置である。
(発明が解決しようとする課題) ところで、このように減速スリップ制御を行なうもの
においては、通常減速移行と同時(即ち、アクセルOFF
と同時)に減速スリップ制御を開始するようになってい
る。
ところが、減速への移行が加速スリップ制御及びコン
バータ制御から行なわれる場合には、加速運転時にター
ビン回転数よりも高回転側にあったエンジン回転数が減
速スリップ制御状態においてはタービン回転数よりも低
回転まで低下するため、その減速移行期においてはエン
ジン回転数とタービン回転数との差が大きな領域を通過
し、しかもその回転差が所定のフィードバック制御値ま
で低下するのに比較的時間がかかることになる。この結
果、ロックアップクラッチにおいては、そのクラッチフ
ェーシングが高回転差の下でスリップする時間が長くな
り、摩耗の進行により該クラッチフェーシングの耐久性
が低下するという問題があった。
また一方、この減速スリップ時には上述のようにエン
ジン回転数とタービン回転数とが反転するため、その移
行途中においてはこの回転差が零になる点(速度比e=
1の点)を通過するが、このように回転差が零の近傍に
おいてはクラッチフェーシングが小さな締結力であって
もフロントカバーにかみつき易くなる。
しかるに、従来はこのようなクラッチフェーシングの
かみつきに対しては何ら有効な手段が講じられておら
ず、従って、減速移行期にはクラッチフェーシングのフ
ロントカバーへのかみつき及び離脱が起こり、トルクコ
ンバータの制御安定性が損なわれるという問題もあっ
た。
そこで本発明は、ロックアップクラッチのクラッチフ
ェーシングの耐久性の向上と制御安定性の確保とを図る
ようにしたトルクコンバータのスリップ制御装置を提供
せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明ではこのような課題を解決するための手段とし
て、タービンとフロントカバーとの間にタービンシャフ
トの回転を上記フロントカバーを介してエンジン出力軸
に伝達するロックアップクラッチを介設し、減速時に上
記ロックアップクラッチをスリップ制御するようにした
トルクコンバータのスリップ制御装置であって、減速ス
リップ制御の開始時に上記ロックアップクラッチの締結
力を一時的に高締結力側に設定するとともに、上記ター
ビンシャフトと上記エンジン出力軸との回転差が所定の
設定値以下となり以前において上記ロックアップクラッ
チの締結力を低下させる制御手段を備えたことを特徴と
するものである。
(作 用) 本発明ではこのような構成とすることにより、 (1)減速スリップ制御の開始時に一時的にロックアッ
プクラッチ締結力が高締結力側に設定されることによ
り、エンジン回転数はコンバータ制御時あるいは低締結
力でのスリップ制御時に比べて素早く低下し、それだけ
エンジン出力軸とタービンシャフトとの回転差の大きい
領域が狭められる、 (2)タービンシャフトとエンジン出力軸との回転差が
所定の設定値以下となりクラッチフェーシングとフロン
トカバーとのかみつきが発生し易い状態となる以前にロ
ックアップクラッチの締結力が低下せしめられ、該かみ
つきの発生が抑制される、 等の作用が得られる。
(発明の効果) 従って、本発明のトルクコンバータのスリップ制御装
置によれば、 (1)減速スリップ制御の開始時にクラッチフェーシン
グがフロントカバーに対して高回転差でスリップする時
間が短縮されることから、該クラッチフェーシングの耐
久性が向上する、 (2)クラッチフェーシングのフロントカバーへのかみ
つきが抑制されるところから、トルクコンバータの制御
安定性が確保される、 等の効果が得られる。
(実施例) 以下、第1図ないし第7図を参照して本発明の好適な
実施例を説明する。
第1図には本発明の実施例に係るスリップ制御装置を
備えたトルクコンバータが示されている。このトルクコ
ンバータ1は、エンジン出力軸2に結合されたフロント
カバー3およびケース4内の一側部に固設されエンジン
出力軸2と一体回転するポンプ5と、該ポンプ5と対向
するように上記のフロントカバー3およびケース4内の
他側部に回転自在に備えられ該ポンプ5の回転により作
動油を介して回転駆動されるタービン6と、上記ポンプ
5とタービン6との間に介設されポンプ回転数に対する
タービン回転数の速度比が所定値以下の時にトルク増大
作用を行なうステータ7と、上記タービン6とフロント
カバー3との間に介設されたロックアップクラッチ8と
を有する。
そして、上記タービン6の回転はタービンシャフト9
により出力され、変速歯車機構(図示省略)に入力され
る。また、上記ロックアップクラッチ8はこのタービン
シャフト9に連結されており、該ロックアップクラッチ
8がフロントカバー3に対して締結されたときは、該フ
ロントカバー3およびロックアップクラッチ8を介して
上記エンジン出力軸2とタービンシャフト8とが直結さ
れる。
また、このトルクコンバータ1の締結室27には、オイ
ルポンプ(図示省略)に接続された主流ライン10によ
り、ロックアップバルブ11およびコンバータライン12を
介して作動油が導入され、この締結室27内の作動油の圧
力によって上述のロックアップクラッチ8が常時締結方
向に付勢される。一方、該ロックアップクラッチ8とフ
ロントカバー3との間の解放室13には、上述のロックア
ップバルブ11から導かれたロックアップ解放ライン14が
接続されており、このロックアップ解放ライン14から上
記解放室13内に油圧(解放圧)が導入された時にロック
アップクラッチ8が解放される。
さらに、このトルクコンバータ1には保圧弁15を介し
てオイルクーラー16に作動油を送り出すコンバータアウ
トライン17が接続されている。
一方、上記ロックアップバルブ11は、スプレー18と、
このスプール18を図面上右方へ付勢するスプリング19と
を備えるとともに、上記ロックアップ解放ライン14が接
続されたポート20両側には、上記主流ライン10が接続さ
れた調圧ポート21とドレンポート22とが設けられてい
る。
また、上記ロックアップバルブ11の図面上右側の端部
には、スプール18にパイロット圧を作用させるパイロッ
トライン23が接続され、このパイロットライン23から分
岐されたドレンライン24とタンク25との間にはデューテ
ィソレノイド弁26が設置されている。
このデューティソレノイド弁26は、制御信号により所
定のデューティ率でON,OFFを繰り返してドレンライン24
を極く短い周期で開閉することにより、パイロットライ
ン23内のパイロット圧を上記デューティ率に対応する値
に調整する。
そして、このパイロット圧が上記のロックアップバル
ブ11のスプール18に対してスプリング19の付勢力と対抗
する方向に印加されると共に、該スプール18にはスプリ
ング19の付勢力と同方向にロックアップ解放ライン14内
の解放圧が作用している。これらの油圧ないし付勢力の
力関係によってスプール18が移動し、上記ロックアップ
解放ライン14を主流ライン10(調圧ポート21)又はドレ
ンポート22に連通させることにより、ロックアップ解放
圧が上記パイロット圧、即ちデューティソレノイド弁26
のデューティ率に対応する値に制御される。
ここで、デューティ率(ON,OFF1サイクル中のON時間
比率)が0%のときにパイロットライン23からのドレン
量が最小となり、パイロット圧ないし解放圧が最大とさ
れることにより、ロックアップクラッチ8が完全に解放
(OFF)され、コンバータ制御状態が形成される。ま
た、デューティ率が100%のときには、上記ドレン量が
最大となり、パイロット圧ないし解放圧が最小とされる
ことによりロックアップクラッチ8が完全に締結(ON)
され完全ロックアップ制御状態が形成される。さらに、
このデューティ率の中間の領域ではロックアップクラッ
チ8がスリップ状態とされ、スリップ制御状態を形成す
る。そして、この領域においては該ロックアップクラッ
チ8のスリップ量が上記デューティ率に応じて制御され
る。
第2図にはトルクコンバータのスリップ制御装置の制
御回路が示されており、同図において符号30はコントロ
ールユニットである。このコントロールユニット30に
は、エンジン回転数NE、タービン回転数NT、車速Vおよ
びアイドルスイッチ信号がそれぞれ入力され、これらの
入力に基づいてROM28に格納したプログラムに従ってデ
ューティソレノイド弁26が駆動制御される。また、RAM2
9は、所定車速データおよび回転差ΔNに対するデュー
ティ補正値Δdmのマップ(第3図参照)等の必要なデー
タを記憶する。
第4図には上記トルクコンバータ1とこのトルクコン
バータ1のタービンシャフト9に連結される変速歯車機
構とからなる自動変速機(図示省略)の変速パターン及
びコンバータ制御パターンが示されている。そして、変
速パターンとしては、1速から4速までの各変速段につ
いてそれぞれシフトアップラインとシフトダウンライン
とを有するとともに、2速から4速の各変速段について
は減速域(スロットル全閉域)におけるシフトアップラ
イン及びシフトダウンラインをそれぞれ高車速側に移行
させるようになっている。一方、コンバータ制御パター
ンについては次のように設定している。即ち、加速領域
においては、低車・低負荷域に加速スリップ制御領域
を、高車速域にロックアップ制御領域を、さらにこれら
以外の領域にコンバータ制御領域をそれぞれ設定してい
る。また減速領域では、上記減速領域での変速ラインに
対応させて高車速側から順次、4速スリップ制御領域、
3速スリップ制御領域及び2速スリップ制御領域をそれ
ぞれ設定している。
そして、減速スリップ制御の対象となる減速態様とし
ては、第4図において矢印Aで示す加速スリップ制御領
域から2速制御スリップ領域への減速移行(以下、第1
の減速態様という)と、矢印Bで示すコンバータ制御領
域から2速又は3速スリップ制御領域への減速移行(以
下、第2の減速態様という)、さらに矢印Cで示すロッ
クアップ制御領域から4速スリップ制御領域への減速移
行(以下、第3の減速態様という)の三つの態様があ
る。
この内、本発明のスリップ制御の直接的な対象となる
減速態様は、加速領域においてエンジン回転数とタービ
ン回転数との間に回転差のある第1、第2の減速態様で
あり、第3の減速態様は上記回転差がないことから対象
としていない。
この第1、第2の減速態様における減速スリップ制御
を、第2の減速態様を例にとり、これを第5図に基い
て、説明すると、加速運転領域においてはコンバータ状
態であるためエンジン回転数とタービン回転数との間に
はかなり大きな回転差がある。この状態でアクセルペダ
ルが戻されるとスロットルバルブが全閉となり減速運転
が開始される(点a)。この場合、この減速開始ととも
に減速スリップ制御(フィードバック制御)が開始され
ると、エンジン回転数の低下が緩慢であるところからエ
ンジン回転数とタービン回転数との回転差の大きい領域
が長く続き、しかもその高回転差域においてロックアッ
プクラッチのクラッチフェーシングはフロントカバーに
連続的にスリップするところから、該クラッチフェーシ
ングの摩耗の進行が早まりその耐久性の低下を招来する
ことは記述の通りである。
そのため、この実施例のものにおいては、本発明を適
用して減速開始後、一時的にロックアップクラッチを完
全ロックアップ状態にしてエンジン回転数の低下を早
め、上記高回転差領域をできるだけ少なくするととも
に、クラッチフェーシングのスベリを無くするようにし
ている。尚、本発明はこれに限定されるものでなく、例
えば上記の如く完全ロックアップするのにかえて第5図
に鎖線(符号l1)図示するように完全ロックアップに近
いスリップ状態とすることもできる。この場合には、ク
ラッチフェーシングは高回転差状態でフロントカバーと
スリップするが、その高回転差でのスリップ期間が短く
されているところから、これによる摩耗は少なく該クラ
ッチフェーシングの耐久性が維持されるものである。
このように減速開始後一時的にロックアップクラッチ
を完全ロックアップあるいはこれに近いスリップ状態に
することによりクラッチフェーシングの耐久性の向上が
図れる訳であるが、その反面このような高締結力状態を
そのまま持続すれば、上記回転差が小さくなり回転差零
(速ち、速度比e=1)の状態に近ずくと今度はクラッ
チフェーシングがフロントカバーにかみつき易くなり、
コンバータ制御安定性が損なわれるおそれのあることは
既述の通りである。
このため、この実施例においては、このようなかみつ
きが起こり易い回転差域(例えば回転差No以下の領域)
に入る以前(点b)にロックアップクラッチの締結力を
下げて上記かみつきの発生を未然に防ぐようにしてい
る。そして、この小締結力のスリップ状態を、エンジン
回転数とタービン回転数の反転後もその回転差が上記設
定値Noをこえる点(点c)まで持続し、この点cから実
際の減速スリップ制御(フィードバック制御)に入るよ
うにしている。
このようにロックアップクラッチを制御(即ち、上記
デューティソレノイド弁26のデューティ率を制御)する
ことにより、減速スリップ制御時におけるクラッチフェ
ーシングの耐久性と制御の安定性の向上が同時に図れる
ものである。尚、本発明の他の実施例においては第5図
に鎖線l2で示すように、減速開始後所定期間高締結力を
維持するのにかえて、減速開始後一旦高締結力に設定し
た後、これを時間の経過とともにリニアに低下させるよ
うにすることもできるものである。
次に、実際のスリップ制御を第6図のフローチャート
に従って説明する。
先ず、ステップP1においてエンジン回転数NE、タービ
ン回転数NT、車速Vをそれぞれ読込む。
次に、現行の車速Vが予め設定した所定車速範囲内か
否かを判定する(ステップP2)。例えば、現行の車速V
が20〜40km/hの範囲内か否かを判定し、所定車速範囲外
の場合にはフラグを「0」に設定(ステップP8)した後
にリターンする。
一方、現行の車速Vが所定車速範囲内たとえば20〜40
km/h内であると判定された場合には、アイドルスイッチ
のON,OFFの判定により減速か否かを判定する(ステップ
P3)。ここで非減速時(即ち、アイドルスイッチON)に
はステップP4においてフラグの有無により減速スリップ
制御への移行時(ドライブ状態から減速への移行)或は
既減速スリップ制御中かを判定し、判定の結果フラグが
「0」で減速スリップ制御への移行であると判定した際
には、次のステップP9に移行し各減速態様に応じた制御
を行う。
先ず、コンバータ制御から減速スリップ制御に移行す
る場合を、上掲第5図を参照しながらフローチャートに
従って説明すると、コンバータ制御から減速スリップ制
御への移行と判断された場合には、ステップP10におい
てロックアップクラッチを一時的にスリップ状態とする
スムーズロックアップ操作を行なう。これは、コンバー
タ状態から一度に完全ロックアップ状態にするとトルク
変動によるショックが発生するので、これを防ぐために
行なうものである。
次に、ステップP11においてエンジン回転数NEとター
ビン回転数NTとの回転差の判定を行なう。即ち、この回
転差(NE−NT)が予じめ定めた上記設置値Noよりも大き
い場合にはロックアップクラッチを完全ロックアップと
しエンジン回転数NEの早期低下を期す(ステップ
P12)。
一方、(NE−NT)<Noである場合、即ちクラッチフェ
ーシングのかみつきの発生し易い領域に入った場合に
は、エンジン回転数がタービン回転数との速度比e=1
の点を通過してタービン回転数より低回転となりその回
転差が上記設定値Noとなるまでの間(|NE−NT|≦Noの領
域)、デューティ率を所定値(即ち、第5図に示すよう
に低締結力が得られる値)に固定してスリップ状態を維
持し、クラッチフェーシングのかみつきを防ぐ(ステッ
プP13,P14)。
そして、上記回転差の絶対値が上記設定値Noを超える
と(点c)、減速スリップ制御すべくフラグ1を立てた
後(ステップP15)リターンし、以下ステップP5〜ステ
ップP7においてタービン回転数とエンジン回転数との回
転差ΔNが、例えば80〜60rpm範囲内に入るようにデュ
ーティ率(即ち、ロックアップクラッチの締結力)をフ
ィードバック制御する。即ち、ステップP5においては、
ステップP1で予め検出処理したタービン回転数NTからエ
ンジン回転数NEを減算して回転差ΔNを算出する。
次にステップP6において、この回転差ΔNからRAM29
のマップに基づいてデューティ補正量Δdm(ΔdmはΔN
の関数)を求める。
次にステップP7において現行のデューティ率は上述の
デューティ補正値Δdmを加算してデューティ率dmを補正
する。
このステップP5〜P7の実行によりトルクコンバータ1
の締結室27、解放室13の圧力差が調整され減速スリップ
制御が実行されるが、この時第3図に示すように回転差
ΔNが例えば80rpm以上の時にはデューティ率dmが大き
くなるように補正し、逆に回転差ΔNが例えば60rpm以
下の時にはデューティ率dmが小さくなるように補正する
ことで、常に回転差ΔNは60〜80rpmの範囲内に入るよ
うに制御される。
尚、ステップP9においてスリップ制御と判定された場
合(即ち、第1の減速態様時)は、ステップP10の実行
がないことを除いて上記第2の減速態様時に準じた制御
が行なわれるためここでの説明は省略する。
一方、ステップP9において完全ロックアップ制御と判
定された場合(即ち、第3の減速態様時)には、減速開
始時におけるタービン回転数とエンジン回転数は同一で
あり、他の減速態様時のようにクラッチフェーシングの
耐久性の低下という問題の発生はないため、この場合に
は減速開始と同時にフラグ1を立て(ステップP15)、
ステップP5〜P7の減速スリップ制御を実行する。
このように、この実施例のものにおいては、減速時に
タービン回転数とエンジン回転数の回転差が大きい領域
を通過する場合には、ロックアップクラッチを完全にロ
ックアップ制御あるいはこれに近い高締結力の下でのス
リップ制御として高回転差域の縮小を図る一方、該回転
差が小さくなりクラッチフェーシングのかみつきが生じ
易い状態となった時には上記締結力を小さくして該かみ
つきを防ぐようにしているため、減速スリップ制御にお
けるクラッチフェーシングの耐久性の向上と制御安定性
の確保とが同時に可能となるものである。
尚、一般に減速時におけるトルクコンバータ1内の油
は、タービン6側からポンプ5側への流動となり、ター
ビン側の締結室27の油圧が低下してロックアップクラッ
チ8のクラッチフェーシングがフロントカバー3から引
離されクラッチOFFの状態となり易い。そして一旦クラ
ッチOFF状態になると、ロックアップクラッチ8とフロ
ントカバー3との間の解放室13を介して上記締結室27の
油圧が更に低下するため、正規のスリップ状態への移行
が比較的困難になり易い。
ところが、この実施例のみにおいては、減速初期にロ
ックアップクラッチ8を一旦完全ON状態もしくは完全ON
に近い状態にし、その後スリップ制御に移行するように
しているため、上述のような問題の発生がなく減速時の
スリップ制御が確実ならしめられるという利点も有して
いる。
第7図には本発明の他の実施例に係るスリップ制御装
置の制御フローチャートが示されている。この実施例の
ものは、減速開始から実際に減速スリップ制御に移行す
るまでの制御(ステップQ7〜Q13)は上述の実施例のも
のと同じであり、これと異なる点は上記実施例のものが
減速スリップ制御を回転差一定のフィードバック制御を
行なっていたのに対して、この実施例のものはこれをト
ルクコンバータ1の締結室27と解放室13との差圧を一定
とする差圧一定のフィードバック制御とするとともに、
(ステップQ4)、加速スリップ制御も同じく差圧一定の
フィードバック制御とした点(ステップQ6)である。
先ず、減速スリップ制御であるが、この場合にはステ
ップQ4においてデューティソレノイド弁26のデューティ
率dmをドライブ時のデューティ率dmに比例定数a(但し
a>1)を乗じた大きい値のデューティ率(a・dm)に
設定し、ロックアップクラッチ8のロックアップ力を強
くした状態でスリップ制御を実行(フィードフォワード
制御)する。
一方、加速スリップ制御は、先ずステップQ5でフラグ
を0としたのち、ステップQ6においてデューティソレノ
イド弁26のデューティ率dmをドライブ時のデューティ率
に設定してリターンするものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係るトルクコンバータのスリ
ップ制御装置の要部システム図、第2図は制御回路ブロ
ック図、第3図はデューティ率マップ、第4図は変速パ
ターン及びロックアップ制御パターン図、第5図は減速
スリップ制御時における回転数とロックアップクラッチ
締結力の変化図、第6図は制御フローチャート、第7図
は本発明の他の実施例における制御フローチャートであ
る。 1……トルクコンバータ 2……エンジン出力軸 3……フロントカバー 4……ケース 5……ポンプ 6……タービン 7……ステータ 8……ロックアップクラッチ 9……タービンシャフト 11……ロックアップバルブ 13……解放室 26……デューティソレノイド弁 27……締結室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−192163(JP,A) 特開 昭57−146950(JP,A) 特開 昭63−297860(JP,A) 特開 昭59−217056(JP,A) 特開 昭60−1463(JP,A) 特開 昭63−190970(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タービンとフロントカバーとの間にタービ
    ンシャフトの回転を上記フロントカバーを介してエンジ
    ン出力軸に伝達するロックアップクラッチを介設し、減
    速時に上記ロックアップクラッチをスリップ制御するよ
    うにしたトルクコンバータのスリップ制御装置であっ
    て、減速スリップ制御の開始時に上記ロックアップクラ
    ッチの締結力を一時的に高締結力側に設定するととも
    に、上記タービンシャフトと上記エンジン出力軸との回
    転差が所定の設定値以下となる以前において上記ロック
    アップクラッチの締結力を低下させる制御手段を備えた
    ことを特徴とするトルクコンバータのスリップ制御装
    置。
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