JP2815381B2 - 偏向ヨーク装置 - Google Patents

偏向ヨーク装置

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JP2815381B2
JP2815381B2 JP4051089A JP4051089A JP2815381B2 JP 2815381 B2 JP2815381 B2 JP 2815381B2 JP 4051089 A JP4051089 A JP 4051089A JP 4051089 A JP4051089 A JP 4051089A JP 2815381 B2 JP2815381 B2 JP 2815381B2
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coil
trilemma
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悦司 田上
望 有元
徹 渥美
康之 上田
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松下電子工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、インライン型電子銃を有するカラー受像管
に装着されるセルフコンバーゼンス形式の偏向ヨーク装
置に関するものである。
従来の技術 カラー受像管のフラットフェース化がすすむに伴い、
同カラー受像管に装着されるセルフコンバーゼンス形式
偏向ヨークの特性に修正が必要となってきた。その理由
の一つは、第5図に示すようなピンクッション歪みが画
面の上下で増大するからであり、いま一つの理由は、下
述する横線パターンについてである。ここでいう横線パ
ターンとは、第6図に示すように赤色発光系電子ビーム
(以下赤ビームと呼ぶ)Rと、青色発光系電子ビーム
(以下青ビームと呼ぶ)Bとの間で生じるミスコンバー
ゼンスによる。いま、画面の垂直方向有効径の約2分の
1に相当する中間領域を画面領域I、それ以外の領域を
画面領域IIと呼ぶと、画面領域IIにおいて、第1象限お
よび第3象限で赤ビームRが青ビームBの上方に、そし
て、第2象限および第4象限では青ビームBが赤ビーム
Rの上方にそれぞれ位置し、垂直軸上で赤ビームRおよ
び青ビームBが相互に交差するミスコンバーゼンス(以
下このパターンを負のトリレンマと呼ぶ)が発生する。
なお、bは青ビーム発生源、gは緑ビーム発生源、rは
赤ビーム発生源をそれぞれ示す。
特開昭63−285851号公報に記載されている発明では、
偏向ヨークの蛍光面側開口部の上下位置に、それぞれ円
弧状のソレノイド状コイル(以下このコイルをラスタ歪
みトリレンマ補正コイルという)を配置し、これに垂直
偏向電流を流して上下ピンクッション歪みと負のトリレ
ンマとを補正している。
ラスタ歪みトリレンマ補正コイルによって生じる磁界
はピンクッション形であるので、電子ビームが画面の上
半分を左から右へ走査するとき、第7図および第8図に
示すように垂直軸に近いほど大きい上向きの力Fが電子
ビームに作用し、これによって、画面上部でのピンクッ
ション歪みが補正される。また、第9図に示すように画
面の左上部に向かう電子ビームをみると、青ビームBに
比して赤ビームRに加わる上向きの力Fが大きくなり、
画面の右上部に向かう電子ビームをみると、赤ビームに
比して青ビームに加わる上向きの力Fが大きくなること
から、第10図に矢印で示すように画面上半分での負のト
リレンマを補正できる。
同様に、電子ビームが画面の下半分を走査する期間を
考えると、垂直軸に近いほど大きい下向きの力が電子ビ
ームに作用するので、画面下部でのピンクッション歪み
が補正される。また、画面の左下部に向かう電子ビーム
をみると、青ビームに比して赤ビームに加わる下向きの
力が大きくなり、画面の右下部に向かう電子ビームをみ
ると、赤ビームに比して青ビームに加わる下向きの力が
大きくなるので、画面下半分での負のトリレンマを補正
できる。
ところが、上述のように上下ピンクッション歪みと負
のトリレンマとを補正すべく偏向ヨークの蛍光面側でピ
ンクッション磁界を強めると、セルフコンバーゼンス効
果に支障をきたす。そこで、偏向ヨークの電子銃側でバ
レル磁界を強める必要が生じるのであるが、この強いバ
レル磁界は蛍光面上ビームスポットのコマ収差(以下ス
ポットコマと呼ぶ)を増大させる結果となる。
そこで従来は、偏向ヨークの電子銃側にコマ収差補正
用コイルを設けることによって、スポットコマを補正し
ていた。スポットコマは第11図に示すような負の6極磁
界成分によって生じるので、前記コマ収差補正コイルで
正の6極磁界成分を発生させると、第12図に矢印Fで示
す力により、スポットコマを低減させることができる。
なお、図中のPはコマ収差補正コイルのコアーたる磁極
片を示す。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、ラスタ歪みトリレンマ補正コイルとコ
マ収差補正コイルとを垂直偏向コイルに直列に接続する
と、第13図に示すように画面領域Iにおける横線パター
ンたる赤ビームRと青ビームBとの間でミスコンバーゼ
ンスが生じ、第1象限および第3象限では青ビームBが
赤ビームRの上方に、第2象限および第4象限では赤ビ
ームRが青ビームBの上方にそれぞれ位置して、垂直軸
上では赤ビームと青ビームとが交差したパターン(以下
正のトリレンマと呼ぶ)が生じる。
課題を解決するための手段 本発明の偏向ヨーク装置は、インライン型電子銃を有
するカラー受像管に装着されるセルフコンバーゼンス形
式偏向ヨーク装置において、少なくとも1個のダイオー
ドを直列に接続してなるソレノイド状コイルの1対を互
いに、かつ、それぞれのダイオードの極性が逆となる向
きに並列接続したものを、偏向ヨークの電子銃側に配設
されたコマ収差補正コイルおよび垂直偏向コイルに直列
に接続し、前記1対のソレノイド状コイルを前記偏向ヨ
ークの開口部近傍に配設してなることを特徴とする。
作用 このように構成すると、電子ビームが画面領域Iを走
査するとき、ラスタ歪みトリレンマ補正コイルの発生磁
界を最少限にとどめ得ることから、画面領域Iでの正の
トリレンマを抑制することができる。
実施例 つぎに、本発明を図面に示した実施例とともに説明す
る。
第1図に示す垂直偏向回路において、相互に直列接続
された1対の垂直偏向コイル1a,1bは、それぞれのダン
ピング抵抗2a,2bを並列接続してなり、ダイナミック補
正回路3および1対のコマ収差補正コイル4a,4bと直列
に接続されている。ただし、ダイナミック補正回路3
は、順方向のダイオード5とソレノイド状コイル6との
直列接続体、逆方向のダイオード7とソレノイド状コイ
ル8との直列接続体および抵抗素子9を並列接続してな
るもので、抵抗9は両ダイオード5,7の導通電圧を所定
値に設定するのに役立つ。
1対のコイル6,8は、前述のラスタ歪みトリレンマ補
正コイルに相当するもので、第2図および第3図に示す
ように円弧状のコアーに捲回されており、偏向ヨークの
径大開口部の上下部に相対向するように設けられてい
る。1対の垂直偏向コイル1a,1bはサドル型のもので、
1対の水平偏向コイル10a,10bもサドル型のものであ
る。1対のコマ収差補正コイル4a,4bは、偏向ヨークの
径小開口部の上下部に相対向するように設けられてい
る。
上部に位置するコイル6に垂直偏向電流が流れるの
は、順方向接続されたダイオード5がオン状態にある期
間だけである。すなわち、第4図の(a)に示す電圧波
形を参照すると、一定の電圧+V0以上となる期間に限り
コイル6に垂直偏向電流が流れる。換言すると、第4図
の(b)に示す垂直偏向電流のうち、第4図の(c)に
示す波形の電流成分のみがコイル6に流れる。このた
め、その他の期間中はコイル6によるピンクッション形
磁界は発生せず、前述のような対角磁界のバレル歪みが
弱められ、第13図に示したような画面領域Iの上半分で
の正のトリレンマを低減させることができる。
下部に位置するコイル8に垂直偏向電流が流れるの
は、逆方向接続されたダイオード7がオン状態になる期
間だけである。すなわち、第4図の(a)ににおいて一
定電圧−V0以下になる時点T′以後、つまり、第4図の
(d)に示す波形の電流成分だけであり、これによっ
て、画面領域Iの下半分での正のトリレンマを低減させ
ることができる。
垂直偏向電流が+V0以上になると、ダイオード5がオ
ン状態になり、コイル6に電流が流れて同コイルによる
ピンクッション磁界が発生し、ラスタ上部でのピンクッ
ション歪みと上部画面領域IIでの負のトリレンマとを補
正することができる。また、垂直偏向電圧が−V0以下に
なると、ダイオード7がオン状態になり、コイル8によ
るピンクッション磁界が発生して、ラスタ下部でのピン
クッション歪みと下部画面領域IIでの負のトリレンマと
を補正することができる。
両コイル6,8の各導通時間は、画面領域Iでの正のト
リレンマ発生を最小限にとどめ得るように設定されねば
ならず、この設定は、ダイオード5,7自体のオン電圧特
性と、その直列接続数と、抵抗素子9の抵抗値とを適当
に選定して行う。
発明の効果 以上のように本発明によると、1対のラスタ歪みトリ
レンマ補正コイルを選択的に動作させるのであって、前
記コイルによるピンクッション磁界で画面領域Iに生じ
る正のトリレンマを低減せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施した偏向ヨーク装置の垂直偏向回
路図、第2図は同装置の正面図、第3図は同装置の側面
図、第4図の(a)〜(d)は同装置の動作を説明する
ための信号波形図、第5図はラスタのピンクッション歪
みの説明図、第6図はミスコンバーゼンスの説明図、第
7図ないし第10図はラスタ歪みトリレンマ補正コイルに
よって生じる磁界と同磁界の電子ビームに対する作用力
との関係を説明するための図、第11図および第12図は負
および正の6極磁界成分とビームスポット形状との関係
を示す図、第13図は画面領域Iでの正のトリレンマのパ
ターン図である。 1a,1b……垂直偏向コイル、4a,4b……コマ収差補正コイ
ル、5,7……ダイオード、6,8……ソレノイド状コイル。
フロントページの続き (72)発明者 上田 康之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−318045(JP,A) 特開 昭62−35440(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 29/76

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インライン型電子銃を有するカラー受像管
    に装着されるセルフコンバーゼンス形式偏向ヨーク装置
    において、少なくとも1個のダイオードを直列に接続し
    てなるソレノイド状コイルの1対を互いに、かつ、それ
    ぞれのダイオードの極性が逆となる向きに並列接続した
    ものを、偏向ヨークの電子銃側に配設されたコマ収差補
    正コイルおよび垂直偏向コイルに直列に接続し、前記1
    対のソレノイド状コイルを前記偏向ヨークの開口部近傍
    に配設してなることを特徴とする偏向ヨーク装置。
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