JP2813652B2 - 導電用高力銅合金 - Google Patents

導電用高力銅合金

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JP2813652B2
JP2813652B2 JP12913293A JP12913293A JP2813652B2 JP 2813652 B2 JP2813652 B2 JP 2813652B2 JP 12913293 A JP12913293 A JP 12913293A JP 12913293 A JP12913293 A JP 12913293A JP 2813652 B2 JP2813652 B2 JP 2813652B2
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康佑 大橋
保 西島
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康仁 滝
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高張力電線用の銅合金に
関し、特に小径でも充分な機械的強度を有する導電線用
導体を製造するに適した銅合金に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内部配線用の電線としては、従
来から軟銅線が多用されていたが、近年に至り各種の車
載装置の電子化が進むに伴って車内配線回路数が増加
し、自動車用電線類の占有空間及びその重量が著しく増
加するに至っている。そして、このような自動車用電線
の中でも微小電流回路に用いられる電線は、機械的強度
を確保するために導体の径を電気的な必要径よりも大き
くしておく必要があった。
【0003】近時、省エネルギーの観点から自動車の重
量の軽減が望まれており、自動車用電線を軽量化するた
めに導体の細線化が検討されている。そのために導体径
を小さくしても機械的強度が確保できる硬銅線を用いる
と、伸びが著しく小さいために端子の圧着箇所が機械的
な弱点部分となって断線が生じ易く信頼性に欠けるとい
う問題がある。そこで更に小径化しても充分な機械的強
度を確保でき、かつ繰り返し屈曲に耐えて、しかも良好
な導電性を有する銅合金として、例えばマグネシウム銅
合金や、鉄・燐・ニッケル・シリコン銅合金等が開発さ
れている。
【0004】しかしマグネシウム銅合金は、銅に対して
マグネシウムを固溶させることにより引張強さを向上さ
せたものであるが、溶解や鋳造時での酸化等による組成
の変動があって引張強さ、伸び、導電率等の特性が安定
せずばらつき易いという欠点がある。そのうえ鋳造性に
も難点があって、連続鋳造に際して鋳造割れが発生し易
く、伸線加工時における断線が多く伸線作業性が悪いと
いう問題がある。
【0005】また鉄・燐・ニッケル・シリコン銅合金は
これらの少量成分を微細に析出させることによって引張
強さ、伸び、導電率等を向上させているが、時効硬化型
合金であるために通常の電線製造工程の他に溶体化処理
や時効硬化処理などの熱処理が必要であり、この熱処理
時の温度管理が正確でないと良好な特性が得られないう
えにばらつきが生じ易く、更に加工設備や工程作業が増
加してコストが大幅に上昇するという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような事情におい
て、本発明は連続鋳造を行った後は簡単な焼鈍を行うの
みで複雑な熱処理工程を必要とせず、優れた伸線加工特
性を発現するとともに、導電特性のみならず引張強さ、
伸び、屈曲強度の優れた銅合金を提供することを目的と
した。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
0.1〜0.5重量%のマグネシウムと、0.1〜0.
5重量%のニッケルと、0.1〜0.5重量%の錫と、
0.02〜0.2重量%のリチウムと、0.02〜0.
2重量%のテルルとを含み、残部が銅よりなることを特
徴とする導電用高力銅合金によって達成される。
【0008】本発明の銅合金に含まれるマグネシウム
は、導電率の低下が少ない割に銅合金の引張強さの向上
する効果が大きい元素である。しかし、0.1重量%よ
り少なくては充分な効果が現れず、また0.5重量%を
超えると引張強さの向上効果が飽和するばかりでなく導
電率の低下が著しくなり、更に鋳造時に巣などが発生し
易いほか、特に連続鋳造時には伸線に際して断線の原因
となる鋳造割れなども発生し易いなど、鋳造性も急速に
悪化するから好ましくない。
【0009】またニッケルは、銅合金の鋳造性を大幅に
改善するに有効であるばかりでなく引張強さや焼鈍後の
伸び率改善の効果がある。しかし含量が0.1重量%よ
り少ないとマグネシウム添加による鋳造性の低下を補う
ことができず、一方0.5重量%を超えると鋳造性の向
上などの効果は著しくなるものの、導電率の低下が大き
くなるため好ましくない。そのためマグネシウムに対す
るニッケルの割合は鋳造性の点から0.8以上であるこ
とが望ましく、導電率の点から1.0以下であることが
望ましい。
【0010】錫の添加は、焼鈍後の伸び率や屈曲強度を
大きく改善するほか、引張強さや鋳造性を向上する効果
がある。しかし含量が0.1重量%より少ないと効果が
少なく、逆に0.5重量%を超えると上記の物性や鋳造
性の向上などの効果は飽和するばかりでなく、導電率の
低下が著しくなるので望ましくない。
【0011】更にリチウムは、銅合金を溶解鋳造する際
の酸化による性質の変化を防ぐのに有効である他、引張
強さの向上にも寄与する。かかる特性安定効果は0.0
2重量%以上の添加で発現するが、0.2重量%を超え
て添加しても効果が飽和し、コストアップを招くうえ導
電率が低下するので好ましくない。
【0012】またテルルは、銅合金の導電率を大幅に高
める効果を有するが、この効果は含量が0.02重量%
未満ではあまり明瞭でなく、0.2重量%を超えると飽
和し、更に多くなると逆に導電率の低下を招く他鋳造性
が急激に低下するという欠点を生ずる。
【0013】
【作用】このような本発明の導電用高力銅合金は、鋳造
性が良いので連続鋳造によって得た鋳造棒の欠陥が少な
くて良好な伸線性能を有しており、安定して引張強さ及
び屈曲強度が大きくかつ導電率が高いという特性を有し
ている。
【0014】
【実施例】不活性ガス雰囲気下に黒鉛粒被覆層を設けた
溶解炉内で銅を溶解し、これにマグネシウム、ニッケ
ル、錫、リチウムを純金属の形態で、またテルルは銅母
合金の形態で表1に示す組成となるように添加し、均一
な溶湯を調製した。なおこれらの合金のうち1〜10は
本発明の銅合金であり、11〜27は本発明の範囲の外
の対照銅合金、28〜36は従来公知の銅合金である
が、その中で35は通常の硬銅線に相当するものであ
る。
【0015】
【表1】
【0016】次いでこれらの溶湯を連続鋳造して各々径
20mmの鋳造棒を得、更に冷間圧延した後径1mmまで伸
線し、電気抵抗式焼鈍炉で通電焼鈍して、電線を製造し
た。また合金36は、鉄、燐、マンガン、シリコンを母
合金の形態で添加して得たものであるが、製線にあたっ
ては上記と同様にして径20mmの鋳造棒を得たのち、冷
間圧延した後伸線して径3.2mmの線材とし、さらに不
活性ガス雰囲気炉で900℃1時間の熱処理を加えたの
ち水冷して溶体化処理を行った。その後径1mmまで伸線
し、不活性ガス雰囲気炉で470℃6時間の時効処理を
行って電線を製造した。
【0017】これらの電線について、導電率(%IAC
S)、引張強さ(kg/mm2 )、伸び(%)、及び繰り返
し屈曲強度を測定して、その結果を表2に示した。な
お、繰り返し屈曲強度は以下の方法により測定した。す
なわち、図1に示すような角の曲率Rが4mmである治具
1により電線2を挟持し、2kgの引張荷重Wを加えた状
態でA→B→C→Dの順に左右に90°曲げを行い、こ
れを電線が破断するまで繰り返した回数を計数して繰り
返し屈曲強度とした。
【0018】また、銅合金の鋳造性すなわち鋳造時の欠
陥の発生度を評価するためのパラメータとして、伸線時
において50kgの電線を得る間の断線回数をとりあげ
た。すなわち、銅合金の均一な溶湯から連続鋳造して得
た径20mmの鋳造棒を、先ず冷間圧延して径9.5mmの
荒引線とした。次いでこれを大型連続伸線機によって径
2.6mmまで伸線し、この間の断線回数を計数して大型
機の断線回数として記録した。次にこの線を小型連続伸
線機によって径0.6mmまで伸線し、この間の断線回数
を計数して小型機の断線回数として記録した。そして更
に、これを細線機によって径0.08mmまで伸線し、こ
の間の断線回数を計数して細線機の断線回数として記録
した。こうして得た各断線回数を表2に併せて示した。
【0019】
【表2】
【0020】これらの結果から、本発明の合金1〜10
は対照合金19,20,24,26,27と比べて、テ
ルルの適量の添加により大幅に導電率が改善されるが過
剰な添加は却って導電率を低下させ、断線回数の増加に
つながることがわかる。そして対照合金11〜27とを
比較して、マグネシウム、ニッケル、錫、リチウムの添
加が少なくては引張強さ、伸び、及び繰り返し屈曲強度
が改良できないし、また多過ぎても導電率が低下するこ
とがわかる。
【0021】更に本発明の合金は公知の合金28〜36
と比較しても、導電率、引張強さ、伸び、及び繰り返し
屈曲強度がいずれも同等以上の性能を有しており、性能
のバランスが優れているばかりでなく、また伸線上の問
題もなく鋳造性に優れていることもわかる。
【0022】
【発明の効果】本発明の導電用高力銅合金は、導電率ば
かりでなく引張強さ、伸び、及び繰り返し屈曲強度が優
れていて、しかも鋳造性が良好であるので、特別な熱処
理を必要とすることなく特性が安定して優れた細線を容
易に製造することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電線の繰り返し屈曲強度を測定するに用いる装
置の説明図である。
【符号の説明】
1 治具 2 電線 W 引張荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝 康仁 静岡県沼津市大岡2771 矢崎電線株式会 社内 (56)参考文献 特開 平6−248376(JP,A) 特開 昭62−63632(JP,A) 特開 平1−129940(JP,A) 特開 平2−270945(JP,A) 特開 昭63−312936(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 9/00 - 9/10 H01B 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.1〜0.5重量%のマグネシウム
    と、0.1〜0.5重量%のニッケルと、0.1〜0.
    5重量%の錫と、0.02〜0.2重量%のリチウム
    と、0.02〜0.2重量%のテルルとを含み、残部が
    銅よりなることを特徴とする導電用高力銅合金。
JP12913293A 1993-05-31 1993-05-31 導電用高力銅合金 Expired - Lifetime JP2813652B2 (ja)

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