JPH0527699B2 - - Google Patents

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JPH0527699B2
JPH0527699B2 JP1204399A JP20439989A JPH0527699B2 JP H0527699 B2 JPH0527699 B2 JP H0527699B2 JP 1204399 A JP1204399 A JP 1204399A JP 20439989 A JP20439989 A JP 20439989A JP H0527699 B2 JPH0527699 B2 JP H0527699B2
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Kosuke Oohashi
Tamotsu Nishijima
Toshihiro Fujino
Yasuhito Taki
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、銅合金に係り、特に、例えば自動車
用電線の導体等として用いた場合に、導電率の低
下を招くことなく、機械的衝撃に対し高強度で、
圧着端子部における引張り及び屈曲による断線を
減少させることができ、かつ軽量化を図ることの
できる耐屈曲性に優れた導電用高力胴合金に関す
る。
【従来の技術】
一般に自動車は、マニアル・トランス・ミツシ
ヨン車と、オート・トランス・ミツシヨン車
(AT車)とがある。これら自動車の自動車用電
線の導体としては軟銅線が主として用いられてい
る。近年、AT車の普及に伴つてキヤブレタから
電子燃焼噴射装置への転換が図られ、各種計器類
等車載装置の電子化が図られている。このような
車載装置の電子化等に伴い、自動車内における電
気、電子配線回路の数が著しく増加し、自動車に
おける自動車用電線の占積空間の増加及び、この
自動車用電線による重量の増加を招いている。 しかし、自動車の車体は、燃費の向上の点から
軽量であることが望ましく、自動車用電線の使用
量の増加は、車体の軽量化に逆行することとな
る。そこで、車体の軽量化を図る上から、自動車
内における電気、電子配線回路に用いられる自動
車用電線においては、その軽量化及び自動車内に
おける占積空間の狭小化の要望が強まつている。 従来は、自動車用電線の中で例えばマイクロコ
ンピユータを含む微小電流回路に用いられる電線
においては、リード線等極細い径の電線で充分で
あるにも拘らず、自動車走行中に生じる振動衝撃
は甚だしく大きいものであるため、充分な機械的
強度を有していないと接合部がはずれたり、断線
を生じ、自動車走行に支障を生じたりすることが
ある。このようなことから従来、充分な機械的強
度を確保するため、電気的な必要径より大きな径
の導体を用いている。 しかし、充分な機械的強度を確保するため、電
気的な必要径より大きな径の導体を用いていたの
では、自動車内における電気、電子配線回路に用
いる自動車用電線の軽量化及び占積空間の狭小化
を図ることはできない。 そこで、自動車用電線を軽量化するため導体外
径を小さくしても機械的強度を確保することので
きる硬銅線が検討されたが、硬銅線は材質的に伸
びが著しく小さい。このため、硬銅線を用いて端
子間を圧着接合しても、自動車走行中に生じる振
動衝撃等の外力による機械的負荷が接合部に加わ
ると、この接合部が損傷してしまうことがある。
このように硬銅線を用いて端子間に圧着接合する
と、端子圧着箇所が機械的な弱点部となり外的衝
撃によつて断線を生じやすく信頼性に乏しいとい
う結果が招来している。 また、自動車用電線の使用重量を小さくするこ
とは、導体径を小さくすることによつて実現が可
能であるが、従来の如き軟銅線にあつては、導体
外径を小さくすると機械的強度が低下してしま
う。そこで、近年、導体外径を小さくしても、機
械的強度を確保で、比較的良好な繰返し屈曲強度
及び導電性を有する銅合金として、Cu−Ni−Ti
合金、Cu−Ni−Si合金等が考案されている。
【発明の解決しようとする課題】
このCu−Ni−Ti合金は、Ni−Tiの金属間化合
物を、Cuマトリツクス中に折出させることによ
り、導電性を大きく低下させずに、引張り強さを
向上させたものである。しかしながら、このCu
−Ni−Ti合金は、自動車走行中に生じる振動衝
撃等の外力による機械的負荷に耐え得るに充分な
引張り強さを得ることができないという問題点を
有している。 また、Cu−Ni−Si合金は、Ni−Siの金属間化
合物を、Cuマトリツクス中に折出させることに
より、導電性を大きく低下させずに、引張り強さ
を向上させたものである。しかしながら、この
Cu−Ni−Si合金は、自動車走行中に生じる振動
衝撃等の外力による機械的負荷に耐え得るに充分
な引張り強さを得ることができないという問題点
を有している。 本発明は、導電率の低下を招くことなく、機械
的衝撃に対し高強度で、圧着端子部における引張
り及び屈曲による断線を減少させることができ、
かつ軽量化を図ることのできる耐屈曲性に優れた
導電用高力銅合金を提供することを目的としてい
る。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の耐屈曲性
に優れた導電用高力銅合金は、Niを2.0〜4.0重量
%、Siを0.4〜1.0重量%、Inを0.05〜0.3重量%、
Snを0.05〜0.3重量%を含有し、残部が基本的に
Cuからなる鋳造棒を冷間圧延・伸線し、溶体化
処理した後、伸線して時効処理を行つて構成した
ものである。 すなわち、上記目的を達成するために、本発明
の耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金において
は、Cuマトリツクス中にNiとSiの金属間化合物
を析出させ、これによつて導電性を大幅に低下さ
せることをなくして引張り強さを向上し、In、
Snを加えることにより、引張り強さをさらに高
めたものである。 本発明において、Niの含有量を2.0〜4.0重量%
としたのは、Niが2.0重量%未満では、Siとの金
属間化合物の析出による引張強さの向上が小さ
く、また、Niが4.0重量%を超えると、Cu母相中
へ固溶するNiが多くなり、導電性を著しく損な
うためである。 また、本発明において、Siの含有量を0.4〜1.0
重量%としたのは、Siが0.4重量%未満では、Ni
との金属間化合物の析出による引張強さの向上が
小さく、また、Siが1.0重量%を超えると、Cu母
相中に固溶するSiが多くなり、導電性が低下する
ためである。 さらに、本発明において、Inの含有量を0.05〜
0.3重量%としたのは、Inが0.05重量%未満では、
引張強さを向上させる効果が小さく、0.3重量%
を超えるとCu母相中に固溶するInが多くなり、
導電性を著しく低下させるからである。 さらにまた、本発明において、Snの含有量を
0.05〜0.3重量%としたのは、Snが0.05重量%未満
では、引張強さを向上させる効果が小さく、Sn
が0.3重量%を超えると導電性を大きく低下させ
るからである。
【作用】
上記のように構成された耐屈曲性に優れた導電
用高力銅合金を用いると、導電率は、従来の高強
度高導電性銅合金に比してやや向上することがで
き、46%IACS前後の銅電率を有することができ
る。 また、上記のように構成された耐屈曲性に優れ
た導電用高力銅合金を用いると、引張強さは、硬
銅の約1.7倍と飛躍的強さを有し、従来の高強度
高導電性銅合金に比しても、著しく向上すること
ができ、耐屈曲性を持たせることができる。 さらに、上記のように構成された耐屈曲性に優
れた導電用高力銅合金を用いると伸びは、軟銅よ
り小さくなるが、硬銅に比して5倍以上の伸びを
有しており、軟銅と同等以上の繰返し屈曲強度を
得ることができる。さらに、伸びは、従来の高強
度高導電性銅合金に比しても、低下することがな
い。 そして、上記した理由から本発明のように構成
された耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金を自動
車用の自動車電線の導体等として用いた場合に、
自動車用電線の導体に適した特性を得ることがで
き、導体外径の小型化に対する機械的強度の確保
と端子圧着箇所での引張荷重及び屈曲による断線
を減少させることができる。したがつて、上記の
ように構成された耐屈曲性に優れた導電用高力銅
合金を電子機器配線用電線の導体、半導体のリー
ド材等として用いると好適である。 以上の点から明確なように、上記のように構成
された耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金を例え
ば自動車用電線の導体等として用いた場合に、機
械的衝撃に対して高強度で、しかも電気的特性に
おいて高導電性を有し、かつ導線の小径化が行な
われ、自動車用電線の軽量化する方向に働く。
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。 本発明の実施例として、不活性ガス雰囲気に保
たれた溶解炉で、黒鉛粒被覆下にて溶解した後、
Ni、In、Siを純金属、Siを母合金の形態で添加
し、均一な溶湯を得、これを、連続鋳造により、
第1表に示す如き組成の20mmφの鋳造棒を作製し
た。これらを冷間圧延、伸線により3.2mmφにし
た後、不活性ガス雰囲気中約900℃で1時間、加
熱保持後、水冷して溶体化処理を施した。その
後、1.0mmφまで伸線し、さらに不活性ガス雰囲
気中約470℃で6時間の時効処理を行ない、引張
強さ、伸び、導電率、繰返し屈曲強度を測定し
た。比較例も同様の製造方法によつたものであ
る。 なお、屈曲試験は、第1図に示す如く、治具1
に供試材2を挟持し、他端を2Kgの引張荷重Wを
加えた状態で第1図図示A→B→C→Dと左右
90°曲げを1回として破断するまで、繰返し行な
い、その回数を繰返し屈曲強度とした。 第1表には、本発明に係る耐屈曲性に優れた導
電用高力銅合金の特徴を明確にするために、実施
例と合わせて、比較例及び従来例の組成、特性値
が示してある。 なお、比較例の合金No.4、No.5は、組成がCu、
Ni、Si、In、Snと本発明と同一であるが、各組
成の含有量が本発明とは異なつている。
【表】
【表】 第1表の実施例(No.1〜No.5)と比較例(No.1
〜No.5)との比較から明らかな如く、本発明によ
ると、Ni−Siの金属間化合物を銅マトリクス中
に析出させることにより、導電率を大幅に低下さ
せることなく、引張強さを向上させることができ
る。 さらに、本発明によると、Cu母相中にIn、Sn
を固溶させているため、このCu母相中へのIn、
Snの固溶により、導電率の幾分の低下は生じる
が、引張強さのより一層の向上を図ることができ
る。この導電率は、銅マトリクス中に固溶した合
金元素In、Snにより比較例(No.1)に比して低
下は有るが、約46%IACSを確保し、繰返し屈曲
強度は、軟銅より優れ、引張強さは、硬銅より格
段向上させることができる。 このように、本発明に係る耐屈曲性に優れた導
電用高力銅合金は、硬銅と比較すると、約1.7倍
と格段に優れた引張強さを有しており、導電率は
低下するが、添加元素の一部を析出させることに
より、その低下を約46%IACSと極力抑え、伸び
は、軟銅より小さくなるも、硬銅の5倍以上有
り、繰返し屈曲強度は、極めて良好な軟銅よりも
優れている。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、硬銅と
比較すると、約1.7倍と格段に優れた引張強さを
有し、導電率を低下するが、添加元素の一部を析
出させることにより、その低下を約46%IACSと
極力抑えることができる。 また、本発明によれば、伸びは、軟銅より小さ
くなるが、硬銅の5倍の伸びを有しており、繰返
し屈曲強度の極めて良好な軟銅よりも優れた繰返
し屈曲強度を得ることができる。 したがつて、本発明によれば、自動車用電線と
して用いる導体に特性を得ることができ、導体外
径の小型化に対する機械的強度の確保と端子圧着
箇所での引張荷重及び屈曲による断線を減少させ
ることができる。 また、本発明によれば、電子機器内配線用電線
の導体、半導体のリード材等として用いるにも好
適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例及び比較例の屈曲試験
方法を示す図である。 1……治具、2……供試材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 Niを2.0〜4.0重量%、Siを0.4〜1.0重量%、
    Inを0.05〜0.3重量%、Snを0.05〜0.3重量%を含
    有し、残部が基本的にCuからなる鋳造棒を冷間
    圧延・伸線し、溶体化処理した後、伸線して時効
    処理を行つて得られる耐屈曲性に優れた導電用高
    力銅合金。
JP20439989A 1989-08-07 1989-08-07 耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金 Granted JPH0368734A (ja)

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JPH0368734A JPH0368734A (ja) 1991-03-25
JPH0527699B2 true JPH0527699B2 (ja) 1993-04-22

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0530793U (ja) * 1991-09-30 1993-04-23 埼玉日本電気株式会社 電子式時計

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JPS63149345A (ja) * 1986-12-15 1988-06-22 Nippon Mining Co Ltd 耐熱性を向上させた高力高導電銅合金
JPS63262448A (ja) * 1987-04-21 1988-10-28 Nippon Mining Co Ltd 錫又は錫合金めつきの耐熱剥離性に優れた銅合金の製造方法

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