JP2812322B2 - D/a変換器の試験方法及びその装置 - Google Patents

D/a変換器の試験方法及びその装置

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JP2812322B2 JP9030017A JP3001797A JP2812322B2 JP 2812322 B2 JP2812322 B2 JP 2812322B2 JP 9030017 A JP9030017 A JP 9030017A JP 3001797 A JP3001797 A JP 3001797A JP 2812322 B2 JP2812322 B2 JP 2812322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル情報をアナ
ログ情報に変換するD/A変換器の試験方法並びに装置
に係り、特に、動的な特性の試験に好適なD/A変換器
試験方法並びに装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高分解能ビデオディスプレイ,O
A機器などの分野において、ディジタル信号をアナログ
信号に高速に変換するD/A変換器の需要が急速に高ま
っている。このような状況に伴ない、D/A変換器の入
力ディジタルコードの遷移時に問題となるグリッチやセ
トリング時間などの動特性を試験するための動特性試験
方法や装置が重要となってきた。従来、D/A変換器の
直線性測定方法について、例えば特開昭58−1725
60号公報に示されているものがある。
【0003】図5は上記公報に示されている試験方式の
ブロック構成図、図6はその変換クロック信号と変換出
力との関係を説明するタイムチャートである。クロック
発生器2より発生する変換クロックが、被試験D/A変
換器4に供給するディジタルデータの変換速度を規定し
ている。クロック発生器2が発生する変換クロックの起
動停止は制御部1からの制御信号によって行われる。変
換クロックは計数器3によって計数され、被試験D/A
変換器4に、D/A変換出力が順次増大するようなディ
ジタルコードをもつ信号を出力する。被試験D/A変換
器4の変換出力は、基準A/D変換器5によって、変換
クロック速度と等しい速度をもつ変換命令に従ってディ
ジタル信号に逆変換される。被試験D/A変換器4に加
えた入力ディジタルコードと、期待されるD/A変換出
力のレベルに差異を生ずる場合には、基準A/D変換器
5の出力ディジタルコードと、被試験D/A変換器4へ
の入力ディジタルコードとの間に差を生ずることにな
る。したがって、入出力ディジタルコードを比較するこ
とで被試験D/A変換器4の変換特性を知ることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来方式には以下に述べるような課題がある。すなわ
ち、従来方式ではD/A変換器の動特性のうちの重要な
試験項目となる、入力ディジタルコードの遷移時に出力
波形に現われるスパイク波形(グリッチと呼ばれる)や
セトリング時間などの高速現象を試験できないことであ
る。それは次のような理由による。従来方式では、被試
験D/A変換器の入力ディジタルコードの遷移時に出力
波形に重畳して現われたグリッチは、そのまま基準A/
D変換器に入力されていた。このような高速スパイク波
形が基準A/D変換器に入力されると、実効的な分解能
が低下し、変換動作が追従できず、試験精度を悪化さ
せ、大きな試験誤差を生ずる要因となる。さらに、仮に
追従が可能な場合においても、被試験D/A変換器と基
準A/D変換器とが同一の変換速度で動作していること
から、グリッチのような一般の変換速度に比較してはる
かに高速の現象は、正確なA/D変換は不可能である。
【0005】本発明の目的は、従来技術の上記した問題
点を解決し、従来技術では試験が困難であったグリッチ
やセトリングなどの高速現象の試験をも可能とするD/
A変換器試験方法並びに装置を提供することにある。
【0006】本発明は、上記目的を達成するために、被
試験対象のD/A変換器に対して周波数finの試験デイジタ
ルデータをN回繰り返して供給し、該試験デジタルデー
タに対して出力される該D/A変換器の出力アナログ信号
を周波数fSPLでサンプリングし、該サンプリングした後
に出力される周波数△fのサンプリング信号を増幅し、
該増幅したサンプリング信号を該周波数fSPLでホールド
して出力し、該出力したサンプリング信号を該周波数f
SPLでA/D変換し、該変換されたデイジタルデータと所定
のデータとをデイジタル処理によって比較するD/A変換器
の試験方法であって、該D/A変換器へ供給する試験デイジ
タルデータの周波数finと、該サンプリングするサンプ
リング周波数fSPLと、該サンプリング後に出力されるサ
ンプリング信号の周波数△fとが、 fin = n・fSPL + △f △f ≦ fSPL ここで、nは自然数 の関係を満足するものである。もしくは、被試験D/A変
換器の変換速度を規定する周波数foを供給する第一の手
段と、A/D変換器の変換速度およびサンプリング速度を
規定する周波数fSPL を供給する第二の手段と、該第一
の手段から供給される周波数foの信号に基づいて、該被
試験D/A変換器に対して周波数finの試験デイジタルデー
タをN(= fo / fin)回繰り返して供給する手段と、該
D/A変換器の出力アナログ信号を該第二の手段から供給
される周波数fSPLでサンプリングする手段と、該サンプ
リングした後に出力される周波数△fのサンプリング信
号を増幅する増幅器と、該増幅したサンプリング信号を
該第二の手段から供給される周波数fSPL基づいてホール
ドして出力する手段と、該出力したサンプリング信号を
該第二の手段から供給される周波数fSPL基づいてA/D変
換するA/D変換器と、該A/D変換されたデイジタルデータ
と所定のデータとをデイジタル処理によって比較する手
段とを備えたD/A変換器試験装置であって、該D/A変換器
へ供給する試験デイジタルデータの周波数finと、該第二
の周波数発生手段により発生した周波数fSPLと、該サン
プリング後に出力されるサンプリング信号の周波数△f
とが、 fin = n・fSPL + △f △f ≦ fSPL ここで、nは自然数 の関係を満足するものである。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】すなわち、本発明は、パターン発生器によって
試験用のディジタルデータを繰返し発生し、被試験D/
A変換器から出力されたアナログ波形をA/D変換器よ
りも広帯域を有するサンプリングヘッドで低速信号に変
換するものである。これにより、複数の繰返しアナログ
波形を低速でサンプリングすることができ、低速,高精
度のA/D変換器が使用でき、したがって、従来技術で
問題であった基準A/D変換器の試験誤差を増大させる
ことなく高速信号の高精度のA/D変換が可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0016】図1は本発明の第1の実施例のブロック構
成図で、4は被試験D/A変換器、6は基準周波数発振
器、7は周波数シンセサイザ(1)、8は周波数シンセ
サイザ(2)、9はパターン発生器、10はサンプリン
グクロック発生器、11はサンプリングヘッド、12は
増幅器、13はサンプル/ホールド回路、14は基準A
/D変換器、15はメモリ、16は計算機である。
【0017】周波数シンセサイザ(1)7によって被試
験D/A変換器4の変換速度を規定する低位相雑音の変
換周波数f0を発生する。周波数シンセサイザ(2)8
は、サンプリング系統に供給するための、基準A/D変
換器14の変換速度およびサンプリング速度を規定する
低位相雑音のサンプリング周波数fSPLを発生する。
【0018】2つの発生周波数f0,fSPLは、同一の基
準周波数発振器6より基準信号を供給することによって
相互の位相を同期する。パターン発生器9は、被試験D
/A変換器4のビット数に対応したディジタルデータを
発生する。発生データは基準周波数f0に同期したパラ
レルデータであり、プログラムによる任意の試験データ
の繰り返し発生が可能である。被試験D/A変換器4の
出力アナログ信号は、広帯域を有するサンプリングヘッ
ド11によってサンプリングされる。低速度に変換され
たサンプリング波形は、サンプリングヘッド11のサン
プリング効率による振幅低下を補正するために増幅器1
2によって増幅する。高速のサンプリングヘッド11
は、一般にホールド波形電圧の時間に対する減衰率を示
すドループが悪く、サンプリング周期内における十分な
精度での電圧保持は困難である。そこで、増幅器12の
後段にドループの良好なサンプル/ホールド回路13を
設けることによってホールド波形電圧の低下を防ぐ。す
なわち、サンプリング波形は被試験D/A変換器4の出
力アナログ信号に比較して低速なため、サンプル/ホー
ルド回路13はドループの良好なものを使用でき、試験
精度の向上を期待できる。さらに、サンプル/ホールド
後の波形は、被試験D/A変換器の分解能以上の高い分
解能を有する基準A/D変換器14によってA/D変換
する。基準A/D変換器14の出力は、メモリ15に記
憶した後に計算機16によって解析、良否判定を行う。
【0019】次に図1に記載の実施例の動作を図2を用
いてさらに詳細に説明する。図2は、縦軸は信号の振幅
を示し、横軸は時間を示す。以下図2の波形を上から順
に(a),(b),(c),と特定する。図2(a)
は、パターン発生器9によって繰返し周波数finの三角
波の波形データを発生した場合の被試験D/A変換器4
の出力アナログ波形の例を示す。ここで、繰返し周波数
finと変換周波数f0との関係は次の(1)式で示さ
れる。
【0020】N=f0/fin (1) (1)式においてNは繰返し三角波の一周期を構成する
パターン数を示す。被試験D/A変換器4に供給するN
個の試験パターンは、被試験D/A変換器4の分解能に
応じた全てのディジタルコードを順次発生する。
【0021】以上の連続した発生パターンを、サンプリ
ング周波数fSPLでサンプリングする場合を図2(b)
を用いて説明する。発生パターンの繰返し周波数fin
と、サンプリング周波数fSPLとの関係は、次の(2)
式の関係に設定する。
【0022】fin=n・fSPL+Δf…………(2) ここで、nは自然数、Δfはサンプリング後のサンプリ
ング波形の周波数を示す。図2(b)はn=2とした場
合の例を示し、Δf≦fSPLなる条件にΔfを設定する
ことによって、図2(c)に示すように複数周期の発生
パターンから低速のサンプリング波形を再生することが
できる。したがって、サンプリングヘッド11の帯域幅
を発生パターンの繰返し周波数finに比較して十分広く
とることによって、高速の試験波形の正確なサンプリン
グが可能となる。また、基準A/D変換器14に入力さ
れるサンプリング波形の周波数Δfは低速であるため、
基準A/D変換器14の実効的な分解能の低下を避ける
ことが可能となり、被試験変換器4に比べて高い分解能
を維持することができる。したがって、計算機16によ
って、パターン発生器9での発生パターンと、基準A/
D変換器14での変換後のサンプリングデータとを比較
することで、容易に被試験D/A変換器4の変換特性を
試験できる。
【0023】なお、発生パターンの波形形状は、三角波
に限らず任意の繰返し波形で良い。例えば、正波を発生
するパターンを被試験D/A変換器4に供給し、A/D
変換後のサンプリング波形データを計算機16によって
高速フーリエ変換演算を行うことで高調波スペクトラム
から被試験D/A変換器4の非直線性を評価することも
できる。
【0024】本発明の第2の実施例を図3により説明す
る。図3は、図1の構成に対して、2組の波形サンプリ
ング系統を設けたものであり、被試験D/A変換器4の
セトリング時間の試験に好適な構成を備えた例である。
図1の構成要素に対して、新たに遅延線17を付加して
いる。
【0025】2組の波形サンプリング系統において、一
方のサンプリング系統に被試験D/A変換器4の出力ア
ナログ波形を入力し、他方のサンプリグ系統に、被試験
D/A変換器4に供給するディジタルパターンの中の着
目するビットのデータを入力する。この時、パターン発
生器9より発生するパターンは第1の実施例と同様であ
るが、セトリング時間の観測を容易にするために着目す
るビットのデータが、繰返し周波数finごとに遷移する
ように設定する。遅延線17は、信号伝搬時間差などに
よって生ずる2組のサンプリング系統間の時間差を補正
するために、両者のサンプリング信号を調整するための
ものである。
【0026】図4を用いてセトリング時間の試験方法に
ついて説明する。以下、図4の波形を上から順に
(a),(b)と特定する。図4(a)は、入力データ
の遷移時における被試験D/A変換器4の出力サンプリ
ング波形の立上り部分を示す。理想のD/A変換器の出
力波形は、ディジタルコードの遷移直後に破線に示すよ
うなステップ応答を示す。これに対して実際のD/A変
換器は、期待値に落ち着くまでに時間を要する。ディジ
タルコードの遷移直後から、出力波形が± LSB(L
SBは最下位ビット)に達するまでの時間を一般にセト
リング時間(図4ではtSetとして示す)と呼ぶ。本実
施例によれば、2組のサンプリング系統によって図4
(a)のように被試験D/A変換器4の出力波形が±
LSBにセトリングする時間と、入力データの立上り時
間を各々求め、その時間差から容易にセトリング時間を
試験することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、被試験D/A変換器の
出力波形の高速現象を、低速度で、かつ、基準A/D変
換器の変換速度と同期してサンプリングする構成である
ことから、基準A/D変換器の変換速度を低速にするこ
とが可能となり、実効的な分解能の低下を避けることが
でき、また、サンプリング系統のサンプリング周波数
と、被試験D/A変換器の変換周波数の相互関係を選ぶ
ことによって出力波形の高密度再生が可能となり、高速
現象の試験も高精度に行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック構成図、
【図2】本発明の一実施例の動作説明図、
【図3】本発明の他の実施例を示すブロック構成図、
【図4】図3の実施例によりセトリング時間を試験する
説明図、
【図5】従来技術説明用のブロック構成図、
【図6】従来技術の動作説明用の各部信号のタイムチャ
ートである。
【符号の説明】
4…被試験D/A変換器、 6…基準周波数発振器、 7…周波数シンセサイザ(1)、 8…周波数シンセサイザ(2)、 9…パターン発生器、 10…サンプリングクロック発生器、 11…サンプリングヘッド、 13…サンプリング/ホールド回路、 14…基準A/D変換器、 15…メモリ、 16…計算機、 17…遅延線。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1. 被試験対象のD/A変換器に対して周波数finの試験
    デイジタルデータをN回繰り返して供給し、 該試験デジタルデータに対して出力される該D/A変換器
    の出力アナログ信号を周波数fSPLでサンプリングし、該サンプリングした後に出力される周波数△fのサンプ
    リング信号を増幅し、 該増幅したサンプリング信号を該周波数f SPL でホールド
    して出力し、 該出力したサンプリング信号を該周波数f SPL でA/D変換
    し、 該変換されたデ ジタルデータと所定のデータとをデ
    タル処理によって比較するD/A変換器の試験方法であっ
    て、 該D/A変換器へ供給する試験デ ジタルデータの周波数f
    in と、該サンプリングするサンプリング周波数f SPL と、
    該サンプリング後に出力されるサンプリング信号の周波
    数△fとが、 f in = n・f SPL + △f △f ≦ f SPL ここで、nは自然数 の関係を満足する ことを特徴とするD/A変換器の試験方
    法。2. 被試験D/A変換器の変換速度を規定する周波数f o
    供給する第一の手段と、 A/D変換器の変換速度およびサンプリング速度を規定す
    る周波数f SPL を供給する第二の手段と、 該第一の手段から供給される周波数f o の信号に基づい
    て、該被試験D/A変換器に対して周波数f in の試験デ
    タルデータをN(= f o / f in )回繰り返して供給する手
    段と、 該D/A変換器の出力アナログ信号を該第二の手段から供
    給される周波数f SPL でサンプリングする手段と、 該サンプリングした後に出力される周波数△fのサンプ
    リング信号を増幅する増幅器と、 該増幅したサンプリング信号を該第二の手段から供給さ
    れる周波数f SPL 基づいてホールドして出力する手段と、 該出力したサンプリング信号を該第二の手段から供給さ
    れる周波数f SPL 基づいてA/D変換するA/D変換器と、 該A/D変換されたデ ジタルデータと所定のデータとをデ
    ジタル処理によって比較する手段とを備えたD/A変換器
    試験装置であって、 該D/A変換器へ供給する試験デ ジタルデータの周波数f
    in と、該第二の周波数発生手段により発生した周波数f
    SPL と、該サンプリング後に出力されるサンプリング信
    号の周波数△fとが、 f in = n・f SPL + △f △f ≦ f SPL ここで、nは自然数 の関係を満足する ことを特徴とするD/A変換器試験装
    置。
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