JPH0630445B2 - D/a変換器の試験方法 - Google Patents

D/a変換器の試験方法

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JPH0630445B2
JPH0630445B2 JP60285520A JP28552085A JPH0630445B2 JP H0630445 B2 JPH0630445 B2 JP H0630445B2 JP 60285520 A JP60285520 A JP 60285520A JP 28552085 A JP28552085 A JP 28552085A JP H0630445 B2 JPH0630445 B2 JP H0630445B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、ディジタル情報をアナログ情報に変換するD
/A変換器の試験装置に係り、特に、動的な特性の試験
に好適なD/A変換器試験装置に関する。
〔発明の背景〕
近年,高分解能ビデオディスプレイ,OA機器などの分
野において、ディジタル信号をアナログ信号に高速に変
換するD/A変換器の需要が急速に高まっている。この
ような状況に伴ない、D/A変換器の入力ディジタルコ
ードの遷移時に問題となるグリッチやセトリング時間な
どの動特性を試験するための動特性試験方法や装置が重
要となってきた。従来、D/A変換器の直線性測定方法
について、例えば特開昭58−172560号公報に示
されているものがある。
第5図は上記公報に示されている試験方式のブロック構
成図,第6図はその変換クロック信号と変換出力との関
係を説明するタイムチャートである。クロック発生器2
より発生する変換クロックが、被試験D/A変換器4に
供給するディジタルデータの変換速度を規定している。
クロック発生器2が発生する変換クロックの起動,停止
は制御部1からの制御信号によって行われる。変換クロ
ックは計数器3によって計数され、被試験D/A変換器
4に、D/A変換出力が順次増大するようなディジタル
コードをもつ信号を出力する。被試験D/A変換器4の
変換出力は、基準A/D変換器5によって、変換クロッ
ク速度と等しい速度をもつ変換命令に従ってディジタル
信号に逆変換される。被試験D/A変換器4に加えた入
力ディジタルコードと、期待されるD/A変換出力のレ
ベルに差異を生ずる場合には、基準A/D変換器5の出
力ディジタルコードと,被試験D/A変換器4への入力
ディジタルコードとの間に差を生ずることになる。した
がって、入出力ディジタルコードを比較することで被試
験D/A変換器4の変換特性を知ることができる。
しかしながら、上記した従来方式には以下に述べるよう
な問題点がある。すなわち、従来方式ではD/A変換器
の動特性のうちの重要な試験項目となる、入力ディジタ
ルコードの遷移時に出力波形に現われるスパイク波形
(グリッチと呼ばれる)やセトリング時間などの高速現
象を試験できないことである。それは次のような理由に
よる。従来方式では、被試験D/A変換器の入力ディジ
タルコードの遷移時に出力波形に重畳して現われたグリ
ッチは、そのまま基準A/D変換器に入力されていた。
このような高速スパイク波形が基準A/D変換器に入力
されると、実効的な分解能が低下し、変換動作が追従で
きず、試験精度を悪化させ、大きな試験誤差を生ずる要
因となる。さらに、仮に追従が可能な場合においても、
被試験D/A変換器と基準A/D変換器とが同一の変換
速度で動作していることから、グリッチのような一般の
変換速度に比較してはるかに高速の現象は、正確なA/
D変換は不可能である。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、従来技術での上記した問題点を解決
し、従来技術では試験が困難であったグリッチやセトリ
ング時間などの高速現象の試験をも可能とするD/A変
換器試験装置を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明では、上記目的を達成するために、被試験対象の
D/A変換器に対して任意の試験ディジタルデータを供
給し、該D/A変換器の出力アナログ信号を基準A/D
変換器により逆変換し、該逆変換して得たディジタルデ
ータを記憶し、ディジタル処理をするD/A変換器の試
験方法であって、被試験D/A変換器の出力アナログ波
形を、該アナログ波形の繰返し周期よりも大きな周期で
かつA/D変換器の変換クロックに同期して第1のサン
プリングをし、該被試験D/A変換器に供給する任意の
入力ディジタルデータを入力しそのデータに対して第2
のサンプリングをし、二つのサンプリング後の信号をそ
れぞれA/D変換して該被試験D/A変換器の特性を試
験するD/A変換器の試験方法に特徴がある。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
第1図は本発明の第1の実施例のブロック構成図で、4
は被試験D/A変換器,6は基準周波数発振器,7は周
波数シンセサイザ(1),8は周波数シンセサイザ(2),9
はパターン発生器,10はサンプリングクロック発生器,
11はサンプリングヘッド,12は増幅器,13はサンプル/
ホールド回路,14は基準A/D変換器,15はメモリ,16
は計算機である。
周波数シンセサイザ(1)7によって被試験D/A変換器
4の変換速度を規定する低位相雑音の変換周波数
発生する。周波数シンセサイザ(2)8は、サンプリング
系統に供給するための、基準A/D変換器14の変換速度
およびサンプリング速度を規定する低位相雑音のサンプ
リング周波数SPLを発生する。2つの発生周波数
SPLは、同一の基準周波数発振器6より基準信
号を供給することによって相互の位相を同期する。パタ
ーン発生器9は、被試験D/A変換器4のビット数に対
応したディジタルデータを発生する。発生データは基準
周波数に同期したパラレルデータであり、プログラ
ムによる任意の試験データの繰り返し発生が可能であ
る。被試験D/A変換器4の出力アナログ信号は、広帯
域を有するサンプリングヘッド11によってサンプリング
される。低速度に変換されたサンプリング波形は、サン
プリングヘッド11のサンプリング効率による振幅低下を
補正するために増幅器12によって増幅する。高速のサン
プリングヘッド11は、一般にホールド波形電圧の時間に
対する減衰率を示すドループが悪く、サンプリング周期
内における十分な精度での電圧保持は困難である。そこ
で、増幅器12の後段にドループの良好なサンプル/ホー
ルド回路13を設けることによってホールド波形電圧の低
下を防ぐ。すなわち、サンプリング波形は被試験D/A
変換器4の出力アナログ信号に比較して低速なため、サ
ンプル/ホールド回路13はドループの良好なものを使用
でき、試験精度の向上を期待できる。さらに、サンプル
/ホールド後の波形は、被試験D/A変換器の分解能以
上の高い分解能を有する基準A/D変換器14によってA
/D変換する。基準A/D変換器14の出力は、メモリ15
に記憶した後に計算機16によって解析,良否判定を行
う。
次に第1図実施例の動作を第2図を用いてさらに詳細に
説明する。第2図は、縦軸は信号の振幅を示し、横軸は
時間を示す。以下、第2図の波形を上から順に(a),
(b),(c)と特定する。第2図(a)は、パターン発生器9
によって繰返し周波数inの三角波の波形データを発
生した場合の被試験D/A変換器4の出力アナログ波形
の例を示す。ここで、繰返し周波数inと変換周波数
との関係は次の(1)式で示される。
N=in ……(1) (1)式においてNは繰返し三角波の一周期を構成するパ
ターン数を示す。被試験D/A変換器4に供給するN個
の試験パターンは、被試験D/A変換器4の分解能に応
じた全てのディジタルコードを順次発生する。
以上の連続した発生パターンを、サンプリング周波数
SPLでサンプリングする場合を第2図(b)を用いて説明す
る。発生パターンの繰返し周波数inと、サンプリン
グ周波数SPLとの関係は、次の(2)式の関係に設定す
る。in =n・SPL+Δ ………(2) ここで、nは自然数,Δはサンプリング後のサンプリ
ング波形の周波数を示す。第2図(b)はn=2とした場
合の例を示し、Δ≦SPLなる条件にΔを設定する
ことによって、第2図(c)に示すように複数周期の発生
パターンから低速のサンプリング波形を再生することが
できる。したがって、サンプリングヘッド11の帯域幅を
発生パターンの繰返し周波数inに比較して十分広くと
ることによって、高速の試験波形の正確なサンプリング
が可能となる。また、基準A/D変換器14に入力される
サンプリング波形の周波数Δは低速であるため、基準
A/D変換器14の実効的な分解能の低下を避けることが
可能となり、被試験変換器4に比べて高い分解能を維持
することができる。したがって、計算機16によって、パ
ターン発生器9での発生パターンと,基準A/D変換器
14での変換後のサンプリングデータとを比較すること
で、容易に被試験D/A変換器4の変換持性を試験でき
る。
なお、発生パターンの波形形状は、三角波に限らず任意
の繰返し波形で良い。例えば、正波を発生するパターン
を被試験D/A変換器4に供給し、A/D変換後のサン
プリング波形データを計算機16によって高速フーリエ変
換演算を行うことで高調波スペクトラムから被試験D/
A変換器4の非直線性を評価することもできる。
本発明の第2の実施例を第3図により説明する。第3図
は、第1図の構成に対して、2組の波形サンプリング系
統を設けたものであり、被試験D/A変換器4のセトリ
ング時間の試験に好適な構成を備えた例である。第1図
の構成要素に対して、新たに遅延線17を付加している。
2組の波形サンプリング系統において、一方のサンプリ
ング系統に被試験D/A変換器4の出力アナログ波形を
入力し、他方のサンプリング系統に、被試験D/A変換
器4に供給するディジタルパターンの中の着目するビッ
トのデータを入力する。この時、パターン発生器9より
発生するパターンは第1の実施例と同様であるが、セト
リング時間の観測を容易にするために着目するビットの
データが、繰返し周波数inごとに遷移するように設定
する。遅延線17は、信号伝搬時間差などによって生ずる
2組のサンプリング系統間の時間差を補正するために、
両者のサンプリング信号を調整するためのものである。
第4図を用いてセトリング時間の試験方法について説明
する。以下、第4図の波形を上から順に(a),(b)と特定
する。第4図(a)は、入力データの遷移時における被試
験D/A変換器4の出力サンプリング波形の立上り部分
を示す。理想のD/A変換器の出力波形は、ディジタル
コードの遷移直後に破線に示すようなステップ応答を示
す。これに対して実際のD/A変換器は、期待値に落ち
着くまでに時間を要する。ディジタルコードの遷移直後
から、出力波形が (LSBは最下位ビット)に達するまでの時間を一般に
セトリング時間(第4図ではtSet として示す)と呼ぶ。本実施例によれば、2組のサンプ
リング系統によって第4図(a)のように被試験D/A変
換器4の出力波形が にセトリングする時間と、入力データの立上り時間を各
々求め、その時間差から容易にセトリング時間を試験す
ることができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、被試験D/A変換器の出力波形の高速
現象を、低速度で、かつ、基準A/D変換器の変換速度
と同期してサンプリングする構成であることから、基準
A/D変換器の変換速度を低速にすることが可能とな
り、実効的な分解能の低下を避けることができ、また、
サンプリング系統のサンプリング周波数と、被試験D/
A変換器の変換周波数の相互関係を選ぶことによって出
力波形の高密度再生が可能となり、高速現象の試験も高
精度に行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック構成図、第2
図はその動作説明図、第3図は本発明の他の実施例を示
すブロック構成図、第4図は第3図実施例によりセトリ
ング時間を試験する説明図、第5図は従来技術説明用の
ブロック構成図、第6図はその動作説明用の各部信号の
タイムチャートである。 4……被試験D/A変換器、6……基準周波数発振器、 7……周波数シンセサイザ(1)、 8……周波数シンセサイザ(2)、 9……パターン発生器、 10……サンプリングクロック発生器、 11……サンプリングヘッド、 13……サンプリング/ホールド回路、 14……基準A/D変換器、15……メモリ、 16……計算機、17……遅延線。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被試験対象のD/A変換器に対して任意の
    試験ディジタルデータを供給し、該D/A変換器の出力
    アナログ信号を基準A/D変換器により逆変換し、該逆
    変換して得たディジタルデータを記憶し、ディジタル処
    理によって試験結果を判断するD/A変換器の試験方法
    であって、 該被試験D/A変換器に供給する任意の入力ディジタル
    データ信号を、上記A/D変換器の変換クロックに同期
    して第1のサンプリングをし、 また上記被試験D/A変換器の出力アナログ信号を、該
    アナログ信号の繰返し周期よりも大きな周期でかつ上記
    A/D変換器の変換クロックに同期して第2のサンプリ
    ングをし、 上記2つのサンプリング後の信号をそれぞれA/D変換
    して上記被試験D/A変換器の特性を試験することを特
    徴とするD/A変換器の試験方法。
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