JP4365970B2 - 任意波形発生装置及びこの任意波形発生装置を備えた試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所望の波形を発生することができる任意波形発生装置及びこの任意波形発生装置を備えた試験装置に関し、詳しく言うと、アナログ量(信号)をデジタル量(信号)に変換するアナログ−デジタル変換部(以下、A/D変換部と称す)を試験するための各種の試験波形を発生する際に使用して好適な任意波形発生装置及びこの任意波形発生装置を備えた試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アナログ量をデジタル量に変換するA/D変換部を有する種々の電気/電子部品、回路等を試験する試験装置は、これら電気/電子部品、回路等のA/D変換部を試験するための各種のアナログの試験波形を発生することができる任意波形発生装置を備えている。従来のこの種の任意波形発生装置の一例を図14にブロック図で示す。
【0003】
図14に示す任意波形発生装置10は、各種のアナログ試験波形を発生するのに必要なデジタル波形データ系列(所定の順序で並べられた一連のデジタル波形データ)が予め格納される波形メモリ20と、所定の周期で基準クロックを発生する基準クロック発生器22と、デジタル量をアナログ量に変換するデジタル−アナログ変換部(以下、D/A変換部と称す)24と、このD/A変換部24から出力される一連のアナログ量から所定の周波数成分を除去したアナログの試験波形を出力する波形出力部26とによって構成されている。
【0004】
基準クロック発生器22は波形メモリ20とD/A変換部24とに基準クロック(サンプリングクロック)を供給する。波形メモリ20に基準クロックが供給されると、この基準クロックに同期して、格納されたデジタル波形データ系列が所定の順序で波形メモリ20から読み出されてD/A変換部24に供給される。D/A変換部24は入力されたデジタル波形データ系列を基準クロックに同期させて順次に、対応する振幅のアナログ量、この例では電圧値、に変換し、これら一連の電圧値を供給される基準クロックと同期状態で出力する。波形出力部26はD/A変換部24から供給された一連の電圧出力から所定の周波数成分を除去したアナログの試験波形を生成し、出力端子12を通じて被試験デバイス(A/D変換部を有する電気/電子部品、回路等)に供給する。
【0005】
基準クロック発生器22から発生される基準クロックの周期が1nsであるときに、上記構成の任意波形発生装置10によって発生される試験波形の一例を図15に示す。図15(A)はD/A変換部24から基準クロックに同期させて順次に出力される一連の電圧値を示し、図15(B)は、図15(A)に示す一連の電圧値から所定の周波数成分が除去されて波形出力部26から出力されるアナログの試験波形を示す。図15において、縦軸は振幅値(この例では電圧値)を示し、横軸は時間(ns)を示す。
【0006】
任意波形発生装置10のD/A変換部24は、変換した一連の電圧値を基準クロックに同期させて出力するから、このD/A変換部24は、図15(A)から明瞭なように、基準クロックの周期(1ns)で変化する電圧値を出力する。即ち、D/A変換部24は、基準クロックの時間間隔(隣接する2つの基準クロック間の時間、従って、基準クロックの周期に相当する時間)毎に、被試験デバイスに供給すべきアナログ波形の近似値を発生し、波形出力部26においてこれら一連の近似値をアナログ波形に整形している。ここで、本明細書では基準クロックの時間間隔をサンプリング時間と呼ぶことにし、上記任意波形発生装置10のサンプリング時間をTsとする。
【0007】
上記構成の任意波形発生装置10から周波数の高いアナログの試験波形を高い精度で発生させるには、基準クロックの周期を短くしてサンプリング時間Tsをさらに短くする必要がある。しかしながら、一般に、サンプリング時間を短くすると、即ち、サンプリングレートを上げると、D/A変換部の分解能が低下するため、サンプリングレートを上げることは困難であった。
このため、分解能の低下をもたらさない範囲のサンプリング時間Tsで動作するD/A変換部を複数個使用して全体のサンプリング時間を短くし、周波数の高いアナログの試験波形を発生させることができる任意波形発生装置が提案されている。その一例を図16に示す。
【0008】
この任意波形発生装置11は、各種のアナログ試験波形を発生するのに必要なデジタル波形データ系列が予め格納される波形メモリ20と、所定の周期で基準クロックを発生する基準クロック発生器22と、デジタル量をアナログ量に変換する複数のN個(Nは2以上の整数)のD/A変換部DAC1、DAC2、・・・、DACNと、波形メモリ20から読み出されたデジタル波形データ系列をN個のD/A変換部DAC1、DAC2、・・・、DACNに順次に振り分ける分配器30と、N個のD/A変換部DAC1〜DACNからそれぞれ出力されるアナログ量を順次に切り換えて出力する信号切り換え部32と、この信号切り換え部32から順次に出力されるアナログ量から所定の周波数成分が除去されたアナログの試験波形を出力する波形出力部26とを備えている。
【0009】
N個のD/A変換部DAC1〜DACNのそれぞれは、上記D/A変換部24と同様に、サンプリング時間Tsで動作するから、基準クロック発生器22からTs/Nの周期で基準クロックを発生させ、波形メモリ20、分配器30、N個のD/A変換部DAC1〜DACN及び信号切り換え部32にそれぞれこの基準クロックを供給する。波形メモリ20に基準クロックが供給されると、この基準クロックに同期して、格納されたデジタル波形データ系列が所定の順序で波形メモリ20から読み出されて分配器30に供給される。分配器30は受信したデジタル波形データ系列を基準クロックに同期させてN個のD/A変換部DAC1〜DACNに順次に分配する。例えば、デジタル波形データ系列が{x0 、x1 、x2 、x3 、・・・、xN-1 、xN 、xN+1 、xN+2 、・・・}であるとすると、分配器30は、基準クロックに同期させて、D/A変換部DAC1には波形データ{x0 、xN 、・・・}を、D/A変換部DAC2には波形データ{x1 、xN+1 、・・・}を、D/A変換部DAC3には波形データ{x2 、xN+2 、・・・}を、・・・、D/A変換部DACNには波形データ{xN-1 、x2N-1 、・・・}を供給する。即ち、分配器30はTs/Nの周期でN個のD/A変換部に対して波形データを順番に供給するから、各D/A変換部はN個置きに波形データを受信することになる。
【0010】
N個のD/A変換部DAC1〜DACNは受信したデジタル波形データをそれに対応する振幅のアナログ量、この例では電圧値、にそれぞれ変換し、基準クロックと同期状態で信号切り換え部32に出力する。この場合、D/A変換部DAC1〜DACNに供給される基準クロックはクロック分配器34によりTs/Nの周期で順次に振り分けられてこれらD/A変換部DAC1〜DACNに供給されるから、D/A変換部DAC1〜DACNからそれぞれ出力されるサンプリング時間Tsの電圧波形はそれらの位相がTs/Nだけ順次にずれている。
【0011】
信号切り換え部32はD/A変換部DAC1〜DACNから出力されるN個の電圧値を基準クロックと同期状態で、従って、Ts/Nのサンプリング時間で順番に出力する。波形出力部26はTs/Nのサンプリング時間のN個の電圧出力から所定の周波数成分を除去したアナログの試験波形を生成し、被試験デバイスに供給する。かくして、上記構成の任意波形発生装置11においては全体のサンプリング時間がTsの1/Nになるから、サンプリングレートを大幅に上げることができる。
【0012】
上記構成の任意波形発生装置11において、サンプリング時間Tsが1nsである4つ(N=4)のD/A変換部DAC1〜DAC4を使用した場合に、出力したいアナログ波形が図17(A)に示す波形であるときに、信号切り換え部32から発生できる近似波形の一例を図17(B)に示す。図17において、縦軸は振幅値(この例では電圧値)を示し、横軸は時間(ns)を示す。
D/A変換部は4つであるので、基準クロックはTs/4=250psの周期で発生される。図17(A)に示すアナログ波形は、時刻0で電圧値0V、時刻0.25nsで電圧値1V、時刻0.5nsで電圧値0V、時刻0.75nsで電圧値0V、時刻1nsで電圧値0V、時刻1.25nsで電圧値−0.707V、時刻1.5nsで電圧値−0.707V、時刻1.75nsで電圧値0Vと時間の経過に伴って電圧値が変化している。よって、このアナログ波形を近似するデジタル波形データ系列は電圧値{0、1、0、0、0、−0.707、−0.707、0}(V)に対応するデジタル波形データ系列となる。このデジタル波形データ系列は波形メモリ20から読み出されて分配器30に供給されるから、分配器30は、250psの基準クロックに同期させて、D/A変換部DAC1には{0、0}(V)に対応するデジタル波形データを、D/A変換部DAC2には{1、−0.707}(V)に対応する波形データを、D/A変換部DAC3には{0、−0.707}(V)に対応する波形データを、D/A変換部DAC4には{0、0}(V)に対応する波形データを供給する。一方、信号切り換え部32は4つのD/A変換部DAC1〜DAC4の電圧出力をTs/4=250ps毎に切り換えて順番に出力するから、図17(B)に示すように、サンプリング時間250ps毎に{0、1、0、0、0、−0.707、−0.707、0}(V)と電圧値が変化するアナログ波形が信号切り換え部32から出力されることになる。かくして、装置全体のサンプリング時間をTs/4=250psに、従って、1つのD/A変換部のサンプリング時間Tsの1/4に、大幅に短縮することができる。
【0013】
上述のように、出力したいアナログ波形をデジタル的にサンプリングし、このサンプリングしたデジタル波形データをD/A変換部に入力し、アナログ波形に変換すると、変換されたアナログ波形にサンプリングレートに応じた零次ホールド特性が現れる。図18はこの零次ホールドを説明するための図であり、図18(A)は出力したいアナログ波形x(t)を示し、このアナログ波形x(t)をサンプリングしたデジタル波形データをD/A変換部DACにおいてアナログ量に変換すると、図18(B)に示すような多数の矩形波(パルス)を合成したアナログ波形が得られる。このアナログ波形の零次ホールド(各矩形波の平坦部分)の周波数特性は次式で表すことができる。
【0014】
【数1】
Figure 0004365970
N個のD/A変換部を使用して全体のサンプリング時間を1/Nに短縮した上記任意波形発生装置の場合にも、各D/A変換部から出力される矩形波の持続時間はTsであるから、零次ホールドはTsのままであり、零次ホールドの周波数はサンプリングレートの上昇に伴って高くなっていない。
【0015】
ところで、上述した任意波形発生装置は、大規模集積回路(LSI:Large Scale Integrated Circuit)を含む半導体集積回路(以下、ICと称す)を試験する半導体集積回路試験装置(IC試験装置)にも使用されている。周知のように、この技術分野では、ICは、論理回路部分(ロジック部分)が主要であるものをロジックICと呼び、メモリ部分が主要であるものをメモリICと呼んでいる。また、ロジック部分とメモリ部分とが1つのチップに混在したICはシステムLSI、システム・オン・チップ(SOC)等と呼ばれている。このようなロジック部分とメモリ部分とが1つのチップに混在したIC(以下、ロジック/メモリ混在ICと称す)を試験する場合には、試験パターン信号としてデジタル信号だけでなく、アナログ信号も印加する必要がある。
【0016】
図19に従来から用いられている一般的なIC試験装置(以後、ICテスタと称す)の概略の構成を示す。例示のICテスタはICテスタ本体100とテストヘッド200とによって構成されており、ICテスタ本体100は、この例では、制御器101と、タイミング発生器102と、パターン発生器103と、波形フォーマッタ104と、ドライバ105と、コンパレータ106と、論理比較器107と、不良解析メモリ108と、電圧発生器109とを具備する。
【0017】
テストヘッド200はICテスタ本体100とは別体に構成され、通常、その上部に所定個数のICソケット(図示せず)が装着されている。また、テストヘッド200の内部には、この技術分野でピンカードと呼ばれているプリント基板が収納されており、通常、ICテスタ本体100のドライバ105及びコンパレータ106を含む回路はこのピンカードに実装されている。一般に、テストヘッド200は、この技術分野でハンドラと呼ばれているIC搬送及び処理装置のテスト部に取り付けられ、テストヘッド200とICテスタ本体100とはケーブル、光ファイバ等の信号伝送手段によって電気的に接続される。
【0018】
被試験IC300はテストヘッド200のICソケットに装着され、このICソケットを通じて、ICテスタ本体100から被試験IC300に試験パターン信号が印加され、また、被試験IC300からの応答信号がICテスタ本体100に供給され、被試験IC300の試験、測定が行われる。
制御器101はコンピュータシステムによって構成されており、ユーザ(プログラマ)が作成したテストプログラムが予め格納され、このテストプログラムに従ってICテスタ全体の制御を行う。制御器101は、テスタバス111を通じてタイミング発生器102、パターン発生器103、波形フォーマッタ104、論理比較器107、不良解析メモリ108、電圧発生器109等と接続されており、これらタイミング発生器102、パターン発生器103、波形フォーマッタ104、論理比較器107、不良解析メモリ108、電圧発生器109等は端末として動作し、制御器101から出力される制御命令に従って被試験IC300の試験を実行する。
【0019】
例えば、被試験IC300のメモリ部分の試験は次のようにして行われる。
パターン発生器103には、試験開始前に、制御器101に格納されているテストプログラムに記述されたパターン発生順序が予め格納され、パターン発生器103は、制御器101からテスト開始命令が与えられると、この格納されたパターン発生順序に従って被試験IC300に印加すべき試験パターンデータを出力する。このパターン発生器103には、一般に、ALPG(Algorithmic Pattern Generator)が用いられる。ALPGとは、半導体デバイス(例えばIC)に印加する試験パターンを、内部の演算機能を持ったレジスタを用いて、演算により発生するパターン発生器のことである。
【0020】
タイミング発生器102には、試験開始前に、制御器101に格納されているテストプログラムに記述されたテスト周期毎に出力するタイミングデータが予め格納され、タイミング発生器102は、この格納されたタイミングデータに従って、各テスト周期毎にクロックパルスを出力する。このクロックパルスは、波形フォーマッタ104、論理比較器107等に与えられる。
波形フォーマッタ104は、パターン発生器103が出力する試験パターンデータと、タイミング発生器102が出力するクロックパルスとに基づいて、論理波形の立ち上がりのタイミング及び立ち下がりのタイミングを規定し、H論理(論理“1”)及びL論理(論理“0”)に変化する実波形を持つ試験パターン信号を生成し、ドライバ105を通じて被試験IC300にこの試験パターン信号を印加する。
【0021】
ドライバ105は、波形フォーマッタ104が出力する試験パターン信号の振幅を所望の振幅(H論理、即ち、論理“1”の電圧VIH及びL論理、即ち、論理“0”の電圧VIL)に規定してテストヘッド200のICソケットに印加し、被試験IC300を駆動する。
コンパレータ106は被試験IC300が出力する応答信号の論理値が正規の電圧値を持つか否かを判定する。つまり、H論理の電圧が規定の電圧値VOH以上の値を示すか、及びL論理の電圧が規定の電圧値VOL以下の値を示すかを判定する。
【0022】
判定結果が良である場合にコンパレータ106から出力される判定結果の出力信号は論理比較器107に入力され、この論理比較器107においてパターン発生器103から与えられる期待値パターンデータと比較され、被試験IC300が正常な応答信号を出力したか否かが判定される。論理比較器107の比較結果は不良解析メモリ108に取り込まれる。
電圧発生器109は、制御器101から送られて来る設定値に応じて、ドライバ105に印加する振幅電圧VIH及びVILと、コンパレータ106に印加する比較電圧VOH及びVOLを発生する。その結果、ドライバ105からは被試験IC300の規格に合致した振幅値を持つ駆動信号が発生され、また、コンパレータ106において被試験IC300の応答信号が被試験IC300の規格に合致した電圧の論理値を有しているか否かを判定することができる。
【0023】
上述した任意波形発生装置は、例えばICテスタにおいて被試験IC300のアナログ部分を試験する際に使用される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
周波数の高い試験波形を高い精度で発生させるためには、従来の1つのD/A変換部を使用した任意波形発生装置の場合には、このD/A変換部が高速に動作する必要があるが、サンプリングレートを上げると分解能が下がるため、高速動作のD/A変換部を実現することは非常に困難である。
また、分解能を低下させない範囲の動作速度のD/A変換部をN個(Nは2以上の整数)使用して、全体のサンプリング時間を1/Nに短縮した任意波形発生装置の場合には、高速に動作する信号切り換え器を使用する必要があり、この信号切り換え器から出力される信号波形に、信号切り換え器の高速スイッチングに起因するグリッチが発生するという欠点がある。その上、零次ホールドの周波数も追随させて高くすることは困難である。
【0025】
さらに、これら任意波形発生装置は、試験波形の振幅値(電圧値)に近似させたアナログ量(電圧値)を、基準クロックの周期に基づく一定時間毎にしか発生できないので、試験波形を高精度に近似することは困難であった。
それ故、この発明の1つの目的は、上記の課題を解決することができる任意波形発生装置及びこの任意波形発生装置を備えた試験装置を提供することである。この発明の他の目的は、高速に動作する信号切り換え器を使用する必要のない任意波形発生装置及びこの任意波形発生装置を備えた試験装置を提供することである。
【0026】
この発明のさらに他の目的は、任意の時間において試験波形の振幅値に近似させたアナログ信号を発生させることができる任意波形発生装置及びこの任意波形発生装置を備えた試験装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、サンプリングレートの上昇に伴って零次ホールドの周波数も高くすることができる任意波形発生装置及びこの任意波形発生装置を備えた試験装置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の第1の形態においては、所望の波形を発生する任意波形発生装置であって、デジタル波形データを記憶する波形データ記憶手段と、この波形データ記憶手段から読み出されたデジタル波形データに対してプリコーディングを施すプリコーディング手段と、プリコーディングされたデジタル波形データに応じたアナログ量をそれぞれ発生する複数の波形発生装置と、上記複数の波形発生装置がそれぞれ上記デジタル波形データに応じたアナログ量を発生するタイミングを決めるタイミングデータを記憶するタイミングデータ記憶手段と、上記複数の波形発生装置から発生されるアナログ量を合成する合成部とを具備する任意波形発生装置が提供される。
【0028】
好ましい一実施形態においては、上記プリコーディング手段は、上記複数の波形発生装置からそれぞれ発生されるアナログ量の和が上記波形データ記憶手段から供給されたデジタル波形データに対応するアナログ量に等しくなるように、このデジタル波形データにプリコーディングを施す。このプリコーディング手段は、上記プリコーディングを施したデジタル波形データを上記複数の波形発生装置に、所定の遅延時間だけ順次に遅延させて供給する。
【0029】
また、上記複数の波形発生装置のそれぞれは、デジタル波形データに応じたアナログ量のパルス波形をそれぞれ出力する複数のパルス生成器と、これらパルス生成器から発生されるパルス波形を合成する波形合成部とによって構成されている。
上記タイミングデータ記憶手段から読み出されたタイミングデータを上記複数の波形発生装置に振り分けるタイミングデータ分配手段をさらに含んでいてもよい。また、上記合成部から出力される合成アナログ量から所定の周波数成分を取り除くフィルタ手段をさらに含んでいてもよい。
【0030】
上記波形データ記憶手段に記憶されるデジタル波形データは、出力したいアナログ波形の所定の複数のタイミング点におけるアナログ量に対応するデジタルデータ系列である。また、上記タイミングデータ記憶手段に記憶されるタイミングデータは、上記所定の複数のタイミング点を指示するデータである。
上記合成部は、上記複数の波形発生装置からそれぞれ発生されるアナログ量を加算して多値の合成波を生成する加算器であってもよく、或いは上記複数の波形発生装置からそれぞれ発生されるアナログ量を乗算して多値の合成波を生成する乗算器であってもよい。
【0031】
この発明の第2の形態においては、所望の波形を発生する任意波形発生装置であって、デジタル波形データを記憶する波形データ記憶手段と、この波形データ記憶手段から読み出されたデジタル波形データに対してプリコーディングを施すプリコーディング手段と、プリコーディングされたデジタル波形データをアナログ量に変換する複数のデジタル−アナログ変換手段と、上記複数のデジタル−アナログ変換手段から発生されるアナログ量を合成する合成部とを具備する任意波形発生装置が提供される。
【0032】
好ましい一実施形態においては、上記プリコーディング手段は、供給されたデジタル波形データの配列を、上記複数のデジタル−アナログ変換手段から所定の遅延時間だけ順次に遅延されてそれぞれ出力される複数のアナログデータを上記合成部において合成したときに、この合成されたアナログデータの配列が上記供給されたデジタル波形データの配列に対応するように、変更する。
上記複数のデジタル−アナログ変換手段のそれぞれは、その個数をN(Nは2以上の整数)とすると、上記プリコーディングを施されたデジタル波形データが供給されることによって1/Nのサンプリングレートで動作する。
【0033】
上記合成部から出力される合成アナログ量から所定の周波数成分を取り除くフィルタ手段をさらに含んでいてもよい。
上記合成部は、上記複数のデジタル−アナログ変換手段からそれぞれ発生されるアナログ量を加算して多値の合成波を生成する加算器であっても、或いは上記複数のデジタル−アナログ変換手段からそれぞれ発生されるアナログ量を乗算して多値の合成波を生成する乗算器であってもよい。
【0034】
この発明の第3の形態においては、アナログ量をデジタル量に変換するデジタル−アナログ変換部を有するデバイスを試験するための試験装置であって、デジタル波形データを記憶する波形データ記憶手段と、この波形データ記憶手段から読み出されたデジタル波形データに対してプリコーディングを施すプリコーディング手段と、それぞれがプリコーディングされたデジタル波形データに応じたアナログ量を発生する複数の波形発生装置と、上記複数の波形発生装置がそれぞれ上記デジタル波形データに応じたアナログ量を発生するタイミングを決めるタイミングデータを記憶するタイミングデータ記憶手段と、上記複数の波形発生装置から発生されるアナログ量を合成する合成部と、上記合成部から出力される合成アナログ波から上記デバイスの試験に使用する試験波形を生成する試験波形生成手段とを具備する試験装置が提供される。
【0035】
好ましい一実施形態においては、上記プリコーディング手段は、上記複数の波形発生装置からそれぞれ発生されるアナログ量の和が上記波形データ記憶手段から供給されたデジタル波形データに対応するアナログ量に等しくなるように、このデジタル波形データにプリコーディングを施す。
また、上記複数の波形発生装置のそれぞれは、デジタル波形データに応じたアナログ量のパルス波形をそれぞれ出力する複数のパルス生成器と、これらパルス生成器から発生されるパルス波形を合成する波形合成部とによって構成されている。
【0036】
上記タイミングデータ記憶手段から読み出されたタイミングデータを上記複数の波形発生装置に振り分けるタイミングデータ分配手段をさらに含んでいてもよく、また、上記合成部から出力される合成アナログ量から所定の周波数成分を取り除くフィルタ手段をさらに含んでいてもよい。
この発明の第4の形態においては、アナログ量をデジタル量に変換するデジタル−アナログ変換部を有するデバイスを試験するための試験装置であって、デジタル波形データを記憶する波形データ記憶手段と、この波形データ記憶手段から読み出されたデジタル波形データに対してプリコーディングを施すプリコーディング手段と、プリコーディングされたデジタル波形データをアナログ量に変換する複数のデジタル−アナログ変換手段と、上記複数のデジタル−アナログ変換手段から発生されるアナログ量を合成する合成部と、上記合成部から出力される合成アナログ波から上記デバイスの試験に使用する試験波形を生成する試験波形生成手段とを具備する試験装置が提供される。
【0037】
好ましい一実施形態においては、上記プリコーディング手段は、供給されたデジタル波形データの配列を、上記複数のデジタル−アナログ変換手段から所定の遅延時間だけ順次に遅延されてそれぞれ出力される複数のアナログデータを上記合成部において合成したときに、この合成されたアナログデータの配列が上記供給されたデジタル波形データの配列に対応するように、変更する。
上記複数のデジタル−アナログ変換手段のそれぞれは、その個数をN(Nは2以上の整数)とすると、上記プリコーディングを施されたデジタル波形データが供給されることによって1/Nのサンプリングレートで動作する。
【0038】
上記合成部から出力される合成アナログ量から所定の周波数成分を取り除くフィルタ手段をさらに含んでいてもよい。
上記合成部は、上記複数のデジタル−アナログ変換手段からそれぞれ発生されるアナログ量を加算して多値の合成波を生成する加算器であっても、或いは上記複数のデジタル−アナログ変換手段からそれぞれ発生されるアナログ量を乗算して多値の合成波を生成する乗算器であってもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、この発明による任意波形発生装置及びこの任意波形発生装置を備えた試験装置の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に記載する実施形態は特許請求の範囲によって定義される発明を限定するものではなく、また、実施形態の説明において記載される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0040】
図1はこの発明による任意波形発生装置の第1の実施形態を示すブロック図である。図示する任意波形発生装置はアナログ量(信号)をデジタル量(信号)に変換するA/D変換部を有するデバイスを試験するための試験装置に使用して好適な波形発生装置である。ここで、この明細書では「デバイス」とは、電流又は電圧に応じて所定の作用を行う電気/電子部品、回路等の総称であり、例えば、ICやLSIを含む各種の半導体素子、電気/電子部品や回路を結合して1つのパッケージに収めた部品、電気/電子部品や回路を実装して所定の機能を実現したブレッドボード(Bread Board)等を含む。なお、図1において、図14と対応する部分や素子には同一符号を付して示し、必要のない限りそれらの説明を省略する。
【0041】
図1に示す任意波形発生装置40は、各種のアナログ試験波形を発生するのに必要なデジタル波形データ系列が予め格納される波形メモリ20と、所定の周期で基準クロックを発生する基準クロック発生器22と、波形メモリ20から読み出されるデジタル波形データ系列にプリコーディングを施すプリコーダ42と、複数のN個(Nは2以上の整数)のパルス合成型波形発生装置PAWG1、PAWG2、・・・、PAWGNと、タイミングデータメモリ44と、このタイミングデータメモリ44から読み出されるタイミングデータをN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNに振り分けるタイミングデータ分配器46と、これらN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNからそれぞれ出力されるアナログ波形を合成する波形合成部48と、この波形合成部48から出力されるアナログ波形から所定の周波数成分を除去したアナログの試験波形を出力する波形出力部26とを備えている。
【0042】
N個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNからそれぞれ出力されるアナログ波形は波形合成部48において合成され、多値の合成波50として波形出力部26に供給される。波形合成部48として、例えば、供給されるアナログ波形の電圧値を加算する加算器が使用できる。他の実施形態においては、波形合成部48として、供給されるアナログ波形の電圧値を乗算する乗算器、或いは供給されるアナログ波形の電圧値を減算する減算器が使用できる。さらに、供給されるアナログ波形を加算、減算、乗算を組み合わせて合成する波形合成部を使用してもよい。
【0043】
波形出力部26は、供給された合成波50から所定の周波数成分を取り除いたアナログの試験波形を出力する。波形出力部26として、例えば、合成波50から所定の周波数成分を除去するフィルタが使用できる。合成波50から高周波成分を除去する場合には、ローパスフィルタが波形出力部26として使用できる。N個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNはそれぞれ同じ構成及び機能を有するものでよいので、代表例として第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1の一具体例を図2にブロック図で示す。このパルス合成型波形発生装置PAWG1はM個(Mは2以上の整数)のパルス生成器PW1、PW2、・・・、PWMと、これらM個のパルス生成器PW1〜PWMからそれぞれ出力されるパルス波形を合成する波形合成部WSMとを具備する。これらパルス生成器PW1〜PWMは出力するアナログ量が互いに相違しており、例えば、アナログ量が電圧値である場合には、第1のパルス生成器PW1は例えば0.001Vのパルス波形を出力し、第2のパルス生成器PW2は例えば0.002Vのパルス波形を出力し、第3のパルス生成器PW3は例えば0.004Vのパルス波形を出力し、第4のパルス生成器PW4は例えば0.008Vのパルス波形を出力し、・・・、第M−1のパルス生成器PWM−1は例えば0.256Vのパルス波形を出力し、第Mのパルス生成器PWMは例えば0.512Vのパルス波形を出力するように構成することができる。
【0044】
上記構成の第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1にプリコーダ42からデジタル波形データ(一般には数ビットのデータ)が供給される毎に、第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1は、入力されたデジタル波形データに基づいて選択された1つ又はそれ以上のパルス生成器を動作させて、入力されたデジタル波形データに対応する電圧値を波形合成部WSMから出力させる。例えば、入力されたデジタル波形データに対応する電圧値が0.005Vであるとすると、このデジタル波形データに基づいて第1のパルス生成器PW1及び第3のパルス生成器PW3が動作して0.001V及び0.004Vの電圧値の2つのパルス波形を発生する。これらパルス波形は波形合成部WSMにおいて合成され、その結果、0.005Vの電圧値のパルス波形が波形合成部WSMから出力される。また、入力されたデジタル波形データに対応する電圧値が0.015Vであるとすると、このデジタル波形データに基づいて第1乃至第4のパルス生成器PW1〜PW4が動作して0.001V、0.002V、0.004V及び0.008Vの電圧値の4つのパルス波形を発生する。これらパルス波形は波形合成部WSMにおいて合成され、その結果、0.015Vの電圧値のパルス波形が波形合成部WSMから出力される。
【0045】
このように、プリコーダ42から第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1にデジタル波形データが供給されると、このデジタル波形データに基づいて、M個のパルス生成器PW1〜PWMの中から、このデジタル波形データに対応する電圧値と等しい電圧値を発生するのに必要な1つ以上のパルス生成器が選択され、この選択されたパルス生成器の動作によって発生される電圧値が波形合成部WSMにおいて合成される。その結果、入力デジタル波形データに対応する電圧値と等しい電圧値のパルス波形が第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1のアナログ出力として、図1に示す波形合成部48に供給される。なお、第2乃至第Nのパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNも同様の動作を行う。
【0046】
波形合成部WSMとして、例えば、供給されるパルスの電圧値を加算する加算器が使用できる。代わりに、供給されるパルスの電圧値を乗算する乗算器、又は供給されるパルスの電圧値を減算する減算器を使用してもよい。或いは、供給されるパルスを加算、減算、乗算を組み合わせて合成する波形合成部を使用してもよい。
プリコーダ42によってプリコーディングされたデジタル波形データは、基準クロックに同期して、対応するパルス合成型波形発生装置に供給される。一方、N個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNのそれぞれが、プリコーダ42から供給される波形データに対応する振幅のアナログ量を発生するタイミングを決めるタイミングデータがタイミングデータメモリ44に予め格納される。タイミングデータ分配器46は基準クロックに同期してタイミングデータメモリ44から読み出されるタイミングデータを、基準クロックに同期してN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNに振り分ける。従って、これらパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNは、プリコーダ42から供給されるプリコーディングされたデジタル波形データに対応する振幅のアナログ量(この例では電圧値)を、タイミングデータ分配器46から供給されるタイミングデータによって決まるタイミングにおいて、それぞれ発生する。
【0047】
タイミングデータ分配器46は、各クロック周期における基準クロックからの時間Δt(タイミングデータの発生時刻tから基準クロックの発生時刻tck を引き算した差の時間)を算出し、この時間差Δt(=t−tck )をタイミングデータとしてN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNに振り分ける。
例えば、基準クロック発生器22から発生される基準クロックの周期が1nsである場合に、上記構成の第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1にプリコーダ42からデジタル波形データ{x1 、x2 }(電圧値0.75V、0.5Vにそれぞれ対応するものとする)が与えられ、デジタル波形データx1 に対応する電圧値(これをX1とする)を第1クロック周期の0.125nsにおいて、デジタル波形データx2 に対応する電圧値(これをX2とする)を第2クロック周期の0.250nsにおいてそれぞれ発生させる場合には、タイミングデータ分配器46から第1クロック周期と第2クロック周期のタイミングデータ{Δt1 、Δt2 }={125、250p}(ps)が与えられる。その結果、第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1は、図3に示すように、第1クロック周期においては基準クロックから0.125ns経過した時点から0.75Vの電圧を、また、第2クロック周期においては基準クロックから0.250ns経過した時点から0.5Vの電圧を発生する。ここで、波形データ、タイミングデータ、アナログデータ等においてサフィックスで示された数字(1 2 、・・・)はクロック周期の番号を表す。
【0048】
プリコーダ42は、N個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNからそれぞれ出力されるアナログ量(この例では電圧値)の和が波形メモリ20から与えられたデジタル波形データxi に対応する振幅のアナログ量(この例では電圧値)と等しくなるように、このデジタル波形データxi をN個に分解する。デジタル波形データxi が与えられたときに、第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1が出力する電圧値をai(V)、第2のパルス合成型波形発生装置PAWG2が出力する電圧値をai-1(V)、第3のパルス合成型波形発生装置PAWG3が出力する電圧値をai-2(V)、第4のパルス合成型波形発生装置PAWG4が出力する電圧値をai-3(V)、・・・、第Nのパルス合成型波形発生装置PAWGNが出力する電圧値をai-(N-1)(V)とすると、次式が成り立つ。なお、以下の式においては、デジタル波形データxi に対応する電圧値をXiで示す。
【0049】
【数2】
Figure 0004365970
よって、第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1が出力する電圧値ai は次式により求められる。
【0050】
【数3】
Figure 0004365970
プリコーダ42の一実施形態を図4に示す。このプリコーダ42は、デジタル波形データxi が与えられる減算部SUBと、デジタル波形データxi をN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNに順次に切り換えて供給するスイッチング素子SWと、これら減算部SUBとスイッチング素子SWとの間に並列に接続されたNの並列信号経路とを含み、Nの並列信号経路は1クロック周期だけデジタル波形データを遅延させる遅延素子Dが挿入されていない第1の信号経路と、遅延素子Dが1個からN−1個まで順次に増加する第2乃至第Nの信号経路よりなる。
【0051】
第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1には出力電圧ai に対応するデジタル波形データが遅延素子の挿入されない第1の信号経路を通じて供給され、第2のパルス合成型波形発生装置PAWG2には出力電圧ai-1 に対応するデジタル波形データが1個の遅延素子を含む第2の信号経路を通じて供給され、第3のパルス合成型波形発生装置PAWG3には電圧出力ai-2 に対応するデジタル波形データが2個の遅延素子を含む第3の信号経路を通じて供給され、・・・、第Nのパルス合成型波形発生装置PAWGNには電圧出力ai-N+1 に対応するデジタル波形データがN−1個の遅延素子を含む第Nの信号経路を通じて供給される。従って、第2乃至第Nのパルス合成型波形発生装置PAWG2〜PAWGNに供給されるN−1個のデジタル波形データは、第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1に供給されるデジタル波形データよりも遅延素子1個分の遅延時間だけ順次に遅延されることになる。
【0052】
上記構成のプリコーダ42の動作について図5を参照して説明する。出力すべきアナログ波形が図5(A)に示すアナログ波形であるとし、任意の時刻{ti-N 、ti-(N-1) 、・・・、ti-2 、ti-1 、ti 、ti+1 }におけるアナログ波形の近似値(この例では電圧値){Xi−N、Xi−(N−1)、・・・、Xi−2、Xi−1、Xi、Xi+1}に対応するデジタル波形データがそれぞれ{xi-N 、xi-(N-1) 、・・・、xi-2 、xi-1 、xi 、xi+1 }であるとする。
【0053】
時刻ti においてN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNから図5(A)に示すアナログ波形の近似値(電圧値)Xiを発生させる場合を考察する。時刻ti において第2乃至第Nのパルス合成型波形発生装置PAWG2、・・・、PAWGN−1、PAWGNはそれぞれ、図5(C)〜図5(E)から明瞭なように、ai-N+1 、・・・、ai-2 、ai-1 の電圧値を発生している。従って、これら電圧値の和を時刻ti におけるアナログ波形の近似値(デジタル波形データxi に対応する電圧値Xi)から差し引くことにより、第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1が発生すべき電圧値ai が求まる。この電圧値ai から、それに対応するデジタル波形データを求める。同様に、時刻ti+1 においてN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNから図5(A)に示すアナログ波形の近似値(電圧値)Xi+1を発生させる場合には、第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1、及び第3乃至第Nのパルス合成型波形発生装置PAWG3、・・・、PAWGN−1、PAWGNがそれぞれ、ai 、及びai-N+2 、・・・、ai-2 、ai-1 の電圧値を発生しているから、これら電圧値の和を時刻ti+1 におけるアナログ波形の近似値(デジタル波形データxi+1 に対応する電圧値Xi+1)から差し引くことにより、第2のパルス合成型波形発生装置PAWG2が発生すべき電圧値ai+1 が求まる。この電圧値ai+1 から、それに対応するデジタル波形データを求める。以下同様にして、任意の時刻においてN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNからそれぞれ発生させるべきアナログ波形の近似値にそれぞれ対応するデジタル波形データを求めることができる。
【0054】
このように、プリコーダ42は、デジタル波形データが入力されると、N個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNから発生されるアナログ量の和がこの入力されたデジタル波形データに対応するアナログ量と等しくなるように、これらN個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNから発生されるアナログ量を選定し、これら選定したアナログ量に対応するデジタル波形データをそれぞれ求め、対応するパルス合成型波形発生装置に順次に供給する。換言すれば、プリコーダ42は、入力されたデジタル波形データに対して、N個のパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWGNから発生されるアナログ量の和が入力デジタル波形データに対応するアナログ量と等しくなるように、プリコーディングを施し、これらプリコーディングしたデジタル波形データを対応するパルス合成型波形発生装置に順次に供給する。このプリコーダ42はハードウエアとして構成しても、ソフトウエアとして構成してもよい。
【0055】
上記構成の任意波形発生装置40が4つのパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWG4を備えており、基準クロック発生器22が1nsの周期で基準クロックを発生する場合に、出力したいアナログ波形が図6(A)に示す波形であるときに、任意波形発生装置40から出力できる近似波形の一例を図6(B)に示す。図6において、縦軸は振幅値(この例では電圧値)を示し、横軸は時間(ns)を示す。
【0056】
図6(A)に示すアナログ波形は、基準クロックtck0 から始まる第1クロック周期において、電圧値が{0.707、1、0.707、0}(V)と変化し、基準クロックtck1 から始まる第2クロック周期において、電圧値が{0、−0.707、−1、−0.707、0}(V)と変化している。また、これら電圧値が変化す時刻は第1クロック周期の基準クロックtck0 から数えると、{0.125、0.250、0.375、0.500、1.250、1.375、1.500、1.625}(ns)である。よって、このアナログ波形を近似するデジタル波形データとして第1クロック周期において{x0 、x1 、x2 、x3 }の4つ、第2クロック周期において{x4 、x5 、x6 、x7 }の4つの合計8つのデジタル波形データ{x0 、x1 、x2 、x3 、x4 、x5 、x6 、x7 }を波形メモリ20に格納し、基準クロックに同期させて順次にプリコーダ42に供給する。これらデジタル波形データ{x0 、x1 、x2 、x3 、x4 、x5 、x6 、x7 }は電圧値{0.707、1、0.707、0、−0.707、−1、−0.707、0}にそれぞれ対応し、以下の式においてはこれら電圧値を{X0、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7}でそれぞれ表す。
【0057】
一方、時間{0.125、0.250、0.375、0.500、1.250、1.375、1.500、1.625}(ns)にそれぞれ対応する8つのタイミングデータ{t0 、t1 、t2 、t3 、t4、t5 、t6 、t7 }がタイミングデータメモリ44から基準クロックに同期して読み出されてタイミングデータ分配器46に供給される。
プリコーダ42は、デジタル波形データ{x0 、x1 、x2 、x3 、x4 、x5 、x6 、x7 }が供給されると、それらの電圧値{X0、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7}(V)に対して、4つのパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWG4が2クロック周期においてそれぞれ出力する電圧値a0 、a1 、a2 、a3 、a4 、a5 、a6 、a7 を求める。電圧値a0 より前に発生された電圧値a-1 、a-2 、a-3 、は0Vであるとすると、電圧値a0 、a1 、a2 、a3 、a4 、a5 、a6 、a7 は次式により求められる。
【0058】
0=X0−(a-3+a-2+a-1)=0.707−(0+0+0)=0.707(V)
1=X1−(a-2+a-1+a0)=1−(0+0+0.707)=0.293(V)
2=X2−(a-1+a0+a1)=0.707−(0+0.707+0.293)=−0.293(V)
3=X3−(a0+a1+a2)=0−(0.707+0.293−0.293)=−0.707(V)
4=X4−(a1+a2+a3)=0.707−(0.293−0.293+0.707)=0(V)
5=X5−(a2+a3+a4)=−1−(−0.293−0.707+0)=0(V)
6=X6−(a3+a4+a5)=−0.707−(−0.707+0+0)=0(V)
7=X7−(a4+a5+a6)=0−(0+0+0)=0(V)
プリコーダ42は、これら求めた電圧値{0.707、0.293、−0.293、−0.707、0、0、0、0}(V)に対応するデジタル波形データを求め、対応するパルス合成型波形発生装置に順次に供給する。
【0059】
タイミングデータ{t0 、t1 、t2 、t3 、t4、t5 、t6 、t7 }はタイミングデータ分配器46によって、次式に示すように、各クロック周期の基準クロックから数えた時間に変換され、4つのパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWG4に分配される。
Δt1,1 =t0−tck0=0.125−0=0.125(ns)
Δt2,1 =t1−tck0=0.250−0=0.250(ns)
Δt3,1 =t2−tck0=0.375−0=0.375(ns)
Δt4,1 =t3−tck0=0.500−0=0.500(ns)
Δt1,2 =t4−tck1=1.250−1=0.250(ns)
Δt2,2 =t5−tck1=1.375−1=0.375(ns)
Δt3,2 =t6−tck1=1.500−1=0.500(ns)
Δt4,2 =t7−tck1=1.625−1=0.625(ns)
上記8つの式においてΔtpc におけるサフィックスpはタイミングデータが振り分けられるパルス合成型波形発生装置の番号を表し、サフィックスcはクロック周期の番号である。例えば、Δt1,1 は第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1に与えられ、かつ第1のクロック周期におけるタイミングデータを表し、Δt4,2 は第4のパルス合成型波形発生装置PAWG4に与えられ、かつ第2のクロック周期におけるタイミングデータを表す。なお、第1クロック周期の基準クロックtck0 は0nsにおいて発生され、第2クロック周期の基準クロックtck1 は1nsにおいて発生されるものとした。
【0060】
上述のようにして求めたデジタル波形データとタイミングデータを4つのパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWG4に順次に供給した際に、これらパルス合成型波形発生装置PAWG1〜PAWG4から発生される電圧波形を図7に示す。図7(A)は第1のパルス合成型波形発生装置PAWG1から発生される電圧波形を示し、図7(B)は第2のパルス合成型波形発生装置PAWG2から発生される電圧波形を示し、図7(C)は第3のパルス合成型波形発生装置PAWG3から発生される電圧波形を示し、図7(D)は第4のパルス合成型波形発生装置PAWG4から発生される電圧波形を示す。これら電圧波形を波形合成部48において合成すると、図6(B)に示す多値の合成波が得られる。
【0061】
上記第1の実施形態による任意波形発生装置40から出力される図6(B)に示す多値の近似波形は、図6(A)に示す出力したいアナログ波形を0.125nsのサンプリング時間でサンプリングすることによって得られた近似波形と同じである。従来の任意波形発生装置は基準クロックのタイミングに依存する一定の時間間隔(サンプリング時間)でしか近似波形を発生できないから、図6(B)に示す近似波形を図16に示した従来の任意波形発生装置11から発生させるためには、サンプリング時間が1nsのD/A変換部を8個使用しなければならい。従って、上記第1の実施形態による任意波形発生装置40は、従来の任意波形発生装置のD/A変換部の個数の1/2の個数のパルス合成型波形発生装置を使用するだけで、同じ性能を発揮できることになる。
【0062】
その上、基準クロックのタイミングに依存せずに、出力したいアナログ波形の近似値を任意の時刻(タイミング)においてサンプリングすることができるから、アナログ量の変化が大きい波形部分を重点的にサンプリングすることが可能になる。その結果、上記第1の実施形態による任意波形発生装置40はその構成が簡単であるにも拘わらず、高精度の近似値を得ることができるから、周波数の高い試験波形を高い精度で発生させることができる。また、分解能を低下させることなくサンプリングレートを上げることができる任意波形発生装置を安価に提供できる。特に、上記任意波形発生装置を、ロジック/メモリ混在ICを試験するICテスタに使用する場合には、このICテスタのパターン発生器のロジック試験信号発生部をパルス合成型波形発生装置として利用可能であるので、安価に実現できる。さらに、N個のパルス合成型波形発生装置の出力波形を合成する際にいかなる信号切り換え器も必要としないから、信号切り換え器の使用に起因するグリッチは発生しない。
【0063】
上記第1の実施形態による任意波形発生装置は、ロジック/メモリ混在ICを試験するICテスタのみならず、アナログ量(信号)をデジタル量(信号)に変換するA/D変換部を有する電気/電子部品、回路等のデバイスを試験するための各種の試験装置にも有益に使用できることは言うまでもない。
上記第1の実施形態による任意波形発生装置は、複数個のD/A変換部の代わりに複数個のパルス合成型波形発生装置を使用し、周波数の高い試験波形を高い精度で発生すると共に、分解能を低下させることなくタイミングレートを速くしたが、複数個のD/A変換部を使用しても、周波数の高い試験波形を高い精度で発生させることができ、かつ分解能を低下させることなくタイミングレートを速くすることができる。以下、複数個のD/A変換部を使用して周波数の高い試験波形を高い精度で発生させ、かつ分解能を低下させることなくタイミングレートを速くしたこの発明による任意波形発生装置の第2の実施形態について図8乃至図11を参照して説明する。
【0064】
図8はこの発明による任意波形発生装置の第2の実施形態を説明するための原理図である。図示するように、この任意波形発生装置60は、第1及び第2の2つのD/A変換部DAC1及びDAC2と、これらD/A変換部DAC1、DAC2から出力されるアナログ信号を合成する合成部SUMとによって構成されており、これら素子を使用して、サンプリングレートをこの実施形態では2倍にすると共に、零次ホールドの周波数を高くするものである。なお、図8に示す任意波形発生装置はD/A変換部を2個使用しているので、サンプリングレートは2倍になるが、一般的に表現すると、サンプリングレートは、使用するD/A変換部の個数倍になる。
【0065】
デジタル波形データxn が、例えばx0 、x1 、x2 、x3 、x4 、x5 、x6 、x7 、・・・の順序で基準クロックに同期して第1及び第2のD/A変換部DAC1及びDAC2に供給されるものとする。これらデジタル波形データに対応するアナログ量をa0、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、・・・とする。これらデジタル波形データを第1のD/A変換部DAC1には、図9(A)に示すように、x0 、x0 、x2 、x2 、x4 、x4 、x6 、x6 、・・・(アナログ量a0、a0、a2、a2、a4、a4、a6、a6、・・・に対応する)とデータ配列を変えて供給し、第1のD/A変換部DAC1を基準クロック周期Tsの2倍のサンプリングレート2Tsで動作させる。その結果、第1のD/A変換部DAC1からは、図9(B)に示すように、a0、0、a2、0、a4、0、a6、0、・・・の順序でデジタル波形データx0 、x0 、x2 、x2 、x4 、x4 、x6 、x6 、・・・に対応するアナログ量(波形)が出力される。
【0066】
第2のD/A変換部DAC2には、図9(C)に示すように、x1 、x1 、x3 、x3 、x5 、x5 、x7 、x7 、・・・(アナログ量a1、a1、a3、a3、a5、a5、a7、a7、・・・に対応する)とデータ配列を変えたデジタル波形データを、1基準クロック周期遅らせてから、供給し、第2のD/A変換部DAC2を同じく基準クロック周期Tsの2倍のサンプリングレート2Tsで動作させる。その結果、第2のD/A変換部DAC2からは、図9(D)に示すように、a1、0、a3、0、a5、0、a7、0、・・・の順序でこれらデジタル波形データx1 、x1 、x3 、x3 、x5 、x5 、x7 、x7 、・・・に対応するアナログ量(信号)が出力される。
【0067】
第2のD/A変換部DAC2から出力されるアナログ信号は第1のD/A変換部DAC1から出力されるアナログ信号よりも1基準クロック周期だけ位相が遅れているから、図9(E)に示すように、両アナログ信号を合成部SUMで合成すると、a0、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、・・・の順序に配列されたアナログ信号が得られる。よって、両D/A変換部が動作するサンプリングレートは2基準クロック周期(2Ts)であるが、合成部SUMから出力される合成結果のアナログ波形は1基準クロック周期(Ts)となるから、装置全体としてはサンプリングレートが2倍になる。
【0068】
上述のようにデジタル波形データの配列を変えるためには、供給されたデジタル波形データx0 、x1 、x2 、x3 、x4 、x5 、x6 、x7 、・・・に対してプリコーディング処理を施す必要がある。図10はこのプリコーディング回路62を備えた任意波形発生装置60の一具体例を示す。プリコーディング回路62はデジタル波形データxn が供給される減算器SUBと、この減算器SUBの減算出力を、1基準クロック周期だけ遅延させる遅延素子Dを通じて、減算器SUBに供給する1つの信号経路とを具備し、プリコーディング回路62からの出力信号は第1のD/A変換部DAC1には遅延素子Dを含まない第1の信号経路を通じて供給され、第2のD/A変換部DAC2には、1基準クロック周期だけ遅延させる遅延素子Dを含む第2の信号経路を通じて、供給される。第1のD/A変換部DAC1及び第2のD/A変換部DAC2からそれぞれ出力されるアナログ信号は合成部SUMにて合成される。なお、遅延素子Dはz関数で図示されている。
【0069】
図10に示す任意波形発生装置60において、デジタル波形データx0 、x1 、x2 、x3 、x4 、x5 、x6 、x7 、・・・が供給されたときに、プリコーディング回路62においてプリコーディングを施さないでそのまま通過させた場合には、第1のD/A変換部DAC1から出力されるアナログ信号は、図11(A)に示すように、基準クロックに同期したa0、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、・・・の順序となり、一方、第2のD/A変換部DAC2から出力されるアナログ信号は、図11(B)に示すように、第2の信号経路の遅延素子Dによって1基準クロック周期だけ遅延されているが、同じく基準クロックに同期した同じ順序a0、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、・・・である。従って、両アナログ信号を合成部SUMで合成したアナログ信号のサンプリングレートは1基準クロックの周期Tsとなり、両D/A変換部のサンプリングレートと同じであるから、サンプリングレートを上げることはできない。
【0070】
しかしながら、供給されたデジタル波形データx0 、x1 、x2 、x3 、x4 、x5 、x6 、x7 、・・・に対して、プリコーディング回路62においてプリコーディングを施してデータ配列を変更し、第1のD/A変換部DAC1にはx0 、x0 、x2 、x2 、x4 、x4 、x6 、x6 、・・・の順序で、第2のD/A変換部DAC2にはx1 、x1 、x3 、x3 、x5 、x5 、x7 、x7 、・・・の順序で供給すると、第1のD/A変換部DAC1から出力されるアナログ信号は、図12(A)に示すように、a0、a0、a2、a2、a4、a4、a6、a6、・・・の順序となり、一方、第2のD/A変換部DAC2から出力されるアナログ信号は、図12(B)に示すように、1基準クロック周期だけ遅れるが、a1、a1、a3、a3、a5、a5、a7、a7、・・・の順序となる。つまり、出力される両アナログ信号間において、矢印で示すようにa1(a0、a3(a2、a5(a4、a7(a6が互いに入れ替わるように、デジタル波形データの順序を並べ替えると、上述したようにサンプリングレートを2倍にすることができる。
【0071】
図12(A)及び(B)に示されたアナログ信号を合成部SUMで合成した結果と、図11(A)及び(B)に示されたアナログ信号を合成部SUMで合成した結果は同じになるから、図12(A)及び(B)に示すアナログ信号が出力されるようにデジタル波形データをプリコーディング回路62において並べ替えても、全く問題が生じない。
ただし、ここで問題になるのが零次ホールドである。第1及び第2のD/A変換部DAC1及びDAC2は基準クロック周期の2倍の2Tsで動作するから、これらD/A変換部DAC1、DAC2から出力されるアナログ波形の零次ホールドは2Tsのままである。従って、周波数帯域を広げることはできない。この零次ホールドの周波数特性は次式で表せる。
【0072】
【数4】
Figure 0004365970
上記式から、零次ホールドがTsである矩形波を、合成部SUMにおいてさらにTsだけずらして合成していることが分かる。そこで、プリコーディング回路62において、第1及び第2のD/A変換部DAC1及びDAC2から出力されるアナログ信号を合成した合成アナログ信号a(t)と、第1及び第2のD/A変換部DAC1及びDAC2に入力するデジタル波形データx(t)とが次の関係を持つように、プリコーディングを施す。
【0073】
【数5】
Figure 0004365970
その結果、合成アナログ信号a(t)の零次ホールドの周波数特性は次式で表せる。
【0074】
【数6】
Figure 0004365970
よって、
【0075】
【数7】
Figure 0004365970
となり、零次ホールドもTsとなる。換言すれば、サンプリングレートが2TsからTsと2倍になり、かつ零次ホールドも2TsからTsとなるから、零次ホールドも装置全体のサンプリングレートTsでサンプリングされたことと等価になり、零次ホールドの周波数特性も高くなる。従って、周波数帯域を広くすることができ、高い周波数のアナログ波形を高い精度で発生することができる。
【0076】
なお、供給されたデジタル波形データx0 、x1 、x2 、x3 、x4 、x5 、x6 、x7 、・・・の順序を並べ替えることはパターン発生器によって容易に実行できるので、第1のD/A変換部DAC1にx0 、x0 、x2 、x2 、x4 、x4 、x6 、x6 、・・・の順序で、第2のD/A変換部DAC2には、1基準クロック周期だけ遅延させてx1 、x1 、x3 、x3 、x5 、x5 、x7 、x7 、・・・の順序で、デジタル波形データをそれぞれ供給することに全く問題は発生しない。
【0077】
上記合成部62として、例えば、供給されるアナログ信号の電圧値を加算する加算器が使用できる。代わりに、供給されるアナログ信号の電圧値を乗算する乗算器、又は供給されるアナログ信号の電圧値を減算する減算器を使用してもよい。或いは、供給されるアナログ信号を加算、減算、乗算を組み合わせて合成する合成部を使用してもよい。
上記第2の実施形態による任意波形発生装置も、ロジック/メモリ混在ICを試験するICテスタのみならず、アナログ量(信号)をデジタル量(信号)に変換するA/D変換部を有する電気/電子部品、回路等のデバイスを試験するための各種の試験装置に有益に使用できることは言うまでもない。
【0078】
上述したように、上記第2の実施形態による任意波形発生装置60において、D/A変換部を3個使用すると、サンプリングレートは3倍になり、4個使用すると、サンプリングレートは4倍になる。Nを2以上の整数としたとき、N個のD/A変換部を使用した一般化した任意波形発生装置の一例を図13に示す。図13に示す任意波形発生装置70において、プリコーディング回路72は、デジタル波形データxn が与えられる減算部SUBと、この減算部SUBと出力端子(図示せず)との間に並列に接続されたNの並列信号経路とを含み、Nの並列信号経路は、1基準クロック周期だけデジタル波形データを遅延させる遅延素子Dが挿入されていない第1の信号経路と、挿入される遅延素子Dが1個からN−1個まで順次に増加する第2乃至第Nの信号経路よりなる。なお、各遅延素子Dはz関数で図示されている。
【0079】
プリコーディング回路72においてデータ配列が変更されたデジタル波形データは、第1のD/A変換部DAC1には遅延素子Dを含まない第1の信号経路を通じて供給され、第2のD/A変換部DAC2には、1個の遅延素子Dを含む第2の信号経路を通じて供給され、第3のD/A変換部DAC3には2個の遅延素子Dを含む第3の信号経路を通じて供給され、・・・、第NのD/A変換部DACNにはN−1個の遅延素子Dを含む第Nの信号経路を通じて供給される。N個のD/A変換部DAC1〜DACNから出力されるアナログ信号は合成部SUMにおいて合成される。
【0080】
図13に示す任意波形発生装置70の動作は図10に示した任意波形発生装置60の動作と同様であるので、その説明を省略するが、サンプリングレートがNTsからTsとN倍になり、かつ零次ホールドもNTsからTsと1/Nになるから、零次ホールドも装置全体のサンプリングレートTsでサンプリングされたことと等価になり、零次ホールドの周波数特性も高くなる。従って、周波数帯域を広くすることができ、高い周波数のアナログ波形を高い精度で発生することができる。
【0081】
以上、この発明を図示した好ましい実施形態について記載したが、この発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、上述した実施形態に関して種々の変形、変更及び改良がなし得ることはこの分野の技術者には明らかであろう。従って、この発明は例示の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定められるこの発明の範囲内に入る全てのそのような変形、変更及び改良をも包含するものである。
【0082】
【発明の効果】
以上の説明で明白なように、この発明によれば、出力したいアナログ波形を任意のタイミングでサンプリングすることができるので、分解能を低下させることなくサンプリングレートを上げることができ、高い周波数のアナログ波形を高精度で発生することができる。また、サンプリングレートの上昇に伴って零次ホールドの周波数も高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による任意波形発生装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した任意波形発生装置に使用されたパルス合成型波形発生装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】図2に示したパルス合成型波形発生装置から出力されるアナログ波形の一例を示す波形図である。
【図4】図1に示した任意波形発生装置に使用されたプリコーダの一実施形態を示すブロック図である。
【図5】図4に示したプリコーダの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】図1に示した任意波形発生装置によって出力したいアナログ波形の一例と、この任意波形発生装置から出力される近似波形の一例を示す波形図である。
【図7】4つのパルス合成型波形発生装置からそれぞれ出力されるアナログ波形を示す波形図である。
【図8】この発明による任意波形発生装置の第2の実施形態の原理を説明するためのブロック図である。
【図9】図9に示した2つのD/A変換部に供給すべきデジタル波形データの配列及びこれら2つのD/A変換部からそれぞれ出力されるアナログ信号をそれぞれ示す図である。
【図10】この発明による任意波形発生装置の第2の実施形態を示す回路図である。
【図11】デジタル波形データにプリコーディングを施さない場合に、図10に示した任意波形発生装置の2つのD/A変換部からそれぞれ出力されるアナログ信号を示す図である。
【図12】デジタル波形データにプリコーディングを施した場合に、図10に示した任意波形発生装置の2つのD/A変換部からそれぞれ出力されるアナログ信号を示す図である。
【図13】この発明による任意波形発生装置の第2の実施形態を一般化した変形実施形態示す回路図である。
【図14】従来の任意波形発生装置の一例を示すブロック図である。
【図15】図14に示した任意波形発生装置から出力されるアナログ波形の一例を示す波形図である。
【図16】従来の任意波形発生装置の他の例を示すブロック図である。
【図17】図16に示した任意波形発生装置によって出力したいアナログ波形の一例と、この任意波形発生装置から出力される近似波形の一例を示す波形図である。
【図18】アナログ信号をD/A変換した場合に発生する零次ホールド特性を説明するための波形図である。
【図19】従来のICテスタの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
20:波形メモリ
22:基準クロック発生器
26:波形出力部
40、60、70:任意波形発生装置
42:プリコーダ
44:タイミングデータメモリ
46:タイミングデータ分配器
48:波形合成部
62、72:プリコーディング回路
PAWG1〜PAWGN:パルス合成型波形発生装置
WSM:波形合成部
SUB:減算器
SUM:合成部
DAC1、2:D/A変換部
D:遅延素子

Claims (19)

  1. 所望の波形を発生する任意波形発生装置であって、
    デジタル波形データを記憶する波形データ記憶手段と、
    この波形データ記憶手段から読み出されたデジタル波形データに対してプリコーディングを施すプリコーディング手段と、
    プリコーディングされたデジタル波形データに応じたアナログ量をそれぞれ発生する複数の波形発生装置と、
    上記複数の波形発生装置がそれぞれ上記デジタル波形データに応じたアナログ量を発生するタイミングを決めるタイミングデータを記憶するタイミングデータ記憶手段と、
    上記複数の波形発生装置から発生されるアナログ量を合成する合成部と
    上記タイミングデータ記憶手段から読み出されたタイミングデータを上記複数の波形発生装置に振り分けるタイミングデータ分配手段とを具備し、
    上記プリコーディング手段は、上記複数の波形発生装置からそれぞれ発生されるアナログ量の和が上記波形データ記憶手段から供給されたデジタル波形データに対応するアナログ量に等しくなるように、このデジタル波形データにプリコーディングを施すことを特徴とする任意波形発生装置。
  2. 上記複数の波形発生装置のそれぞれは、デジタル波形データに応じたアナログ量のパルス波形をそれぞれ出力する複数のパルス生成器と、これらパルス生成器から発生されるパルス波形を合成する波形合成部とによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の任意波形発生装置。
  3. 上記合成部から出力される合成アナログ量から所定の周波数成分を取り除くフィルタ手段をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の任意波形発生装置。
  4. 上記波形データ記憶手段に記憶されるデジタル波形データは、出力したいアナログ波形の所定の複数のタイミング点におけるアナログ量に対応するデジタルデータ系列であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の任意波形発生装置。
  5. 上記タイミングデータ記憶手段に記憶されるタイミングデータは、上記所定の複数のタイミング点を指示するデータであることを特徴とする請求項に記載の任意波形発生装置。
  6. 上記合成部は、上記複数の波形発生装置からそれぞれ発生されるアナログ量を加算して多値の合成波を生成する加算器であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の任意波形発生装置。
  7. 所望の波形を発生する任意波形発生装置であって、
    デジタル波形データを記憶する波形データ記憶手段と、
    この波形データ記憶手段から読み出されたデジタル波形データに対してプリコーディングを施すプリコーディング手段と、
    プリコーディングされたデジタル波形データをアナログ量に変換する複数のデジタル−アナログ変換手段と、
    上記複数のデジタル−アナログ変換手段から発生されるアナログ量を合成する合成部とを具備し、
    上記プリコーディング手段は、供給されたデジタル波形データの配列を、上記複数のデジタル−アナログ変換手段から所定の遅延時間だけ順次に遅延されてそれぞれ出力される複数のアナログデータを上記合成部において合成したときに、この合成されたアナログデータの配列が上記供給されたデジタル波形データの配列に対応するように、変更することを特徴とする任意波形発生装置。
  8. 上記複数のデジタル−アナログ変換手段のそれぞれは、その個数をN(Nは2以上の整数)とすると、上記プリコーディングを施されたデジタル波形データが供給されることによって1/Nのサンプリングレートで動作することを特徴とする請求項に記載の任意波形発生装置。
  9. 上記合成部から出力される合成アナログ量から所定の周波数成分を取り除くフィルタ手段をさらに含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の任意波形発生装置。
  10. 上記合成部は、上記複数のデジタル−アナログ変換手段からそれぞれ発生されるアナログ量を加算して多値の合成波を生成する加算器であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1つに記載の任意波形発生装置。
  11. アナログ量をデジタル量に変換するアナログ−デジタル変換部を有するデバイスを試験するための試験装置であって、
    デジタル波形データを記憶する波形データ記憶手段と、
    この波形データ記憶手段から読み出されたデジタル波形データに対してプリコーディングを施すプリコーディング手段と、
    それぞれがプリコーディングされたデジタル波形データに応じたアナログ量を発生する複数の波形発生装置と、
    上記複数の波形発生装置がそれぞれ上記デジタル波形データに応じたアナログ量を発生するタイミングを決めるタイミングデータを記憶するタイミングデータ記憶手段と、
    上記複数の波形発生装置から発生されるアナログ量を合成する合成部と、
    上記合成部から出力される合成アナログ波から上記デバイスの試験に使用する試験波形を生成する試験波形生成手段と
    上記タイミングデータ記憶手段から読み出されたタイミングデータを上記複数の波形発生装置に振り分けるタイミングデータ分配手段とを具備し、
    上記プリコーディング手段は、上記複数の波形発生装置からそれぞれ発生されるアナログ量の和が上記波形データ記憶手段から供給されたデジタル波形データに対応するアナログ量に等しくなるように、このデジタル波形データにプリコーディングを施すことを特徴とする試験装置。
  12. 上記複数の波形発生装置のそれぞれは、デジタル波形データに応じたアナログ量のパルス波形をそれぞれ出力する複数のパルス生成器と、これらパルス生成器から発生されるパルス波形を合成する波形合成部とによって構成されていることを特徴とする請求項11に記載の試験装置。
  13. 上記合成部から出力される合成アナログ量から所定の周波数成分を取り除くフィルタ手段をさらに含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の試験装置。
  14. 上記波形データ記憶手段に記憶されるデジタル波形データは、出力したいアナログ波形の所定の複数のタイミング点におけるアナログ量に対応するデジタルデータ系列であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1つに記載の試験装置。
  15. 上記タイミングデータ記憶手段に記憶されるタイミングデータは、上記所定の複数のタイミング点を指示するデータであることを特徴とする請求項14に記載の試験装置。
  16. アナログ量をデジタル量に変換するアナログ−デジタル変換部を有するデバイスを試験するための試験装置であって、
    デジタル波形データを記憶する波形データ記憶手段と、
    この波形データ記憶手段から読み出されたデジタル波形データに対してプリコーディングを施すプリコーディング手段と、
    プリコーディングされたデジタル波形データをアナログ量に変換する複数のデジタル−アナログ変換手段と、
    上記複数のデジタル−アナログ変換手段から発生されるアナログ量を合成する合成部と、
    上記合成部から出力される合成アナログ波から上記デバイスの試験に使用する試験波形を生成する試験波形生成手段とを具備し、
    上記プリコーディング手段は、供給されたデジタル波形データの配列を、上記複数のデジタル−アナログ変換手段から所定の遅延時間だけ順次に遅延されてそれぞれ出力される複数のアナログデータを上記合成部において合成したときに、この合成されたアナログデータの配列が上記供給されたデジタル波形データの配列に対応するように、変更することを特徴とする試験装置。
  17. 上記複数のデジタル−アナログ変換手段のそれぞれは、その個数をN(Nは2以上の整数)とすると、上記プリコーディングを施されたデジタル波形データが供給されることによって1/Nのサンプリングレートで動作することを特徴とする請求項16に記載の試験装置。
  18. 上記合成部から出力される合成アナログ量から所定の周波数成分を取り除くフィルタ手段をさらに含むことを特徴とする請求項16又は17に記載の試験装置。
  19. 上記合成部は、上記複数のデジタル−アナログ変換手段からそれぞれ発生されるアナログ量を加算して多値の合成波を生成する加算器であることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1つに記載の試験装置。
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