JP2811530B2 - 像保持体からの像形成物質除去方法及びその装置、並びに像保持体処理装置 - Google Patents

像保持体からの像形成物質除去方法及びその装置、並びに像保持体処理装置

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JP2811530B2
JP2811530B2 JP5348123A JP34812393A JP2811530B2 JP 2811530 B2 JP2811530 B2 JP 2811530B2 JP 5348123 A JP5348123 A JP 5348123A JP 34812393 A JP34812393 A JP 34812393A JP 2811530 B2 JP2811530 B2 JP 2811530B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター、印刷機等の画像形成装置によって像形
成物質を安定に付着させた像保持体の表面から、該像形
成物質を取り除く像保持体からの像形成物質除去方法及
びその装置、並びに複写機、ファクシミリ、プリンタ
ー、印刷機等の画像形成装置によって像形成物質を付着
させることができる像保持体を処理する像保持体処理装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電電子写真複写機の基本方式は、エレ
クトロファックス、ゼログラフィー、NPの3つの方式
に分類されるが、エレクトロファックス方式では複写に
感光紙を要することから、現在では普通紙を使用可能な
方式、特にゼログラフィー方式が主流となっている。普
通紙使用複写機(PPC)によれば、複写用紙の制約が
なく、普通紙の使用によるランニングコストが安価であ
り、複写スピードの高速化が容易であるという特徴があ
る。
【0003】そして、最近のOA化により、像保持体で
あるプリンター用紙や複写用紙が大量に使用されるよう
になってきた。そのために、森林の伐採による地球環境
の悪化の問題まで引き起こすようになってしまった。従
来、この問題に対しては、一度使用した用紙上の像形成
物質であるインキ等をとり、漬して再びすいて、古紙と
いわれる紙に再生するしか方法がなかった。しかし、最
近、一度使用した紙の上の文字画像をクリーニングによ
り取り去り、複写あるいはプリンティングに再利用する
ことができる方法が開発された。
【0004】例えば溶剤を使用するものとして、特開
平1−101576号公報や特開平1−101577
号公報には、像形成物質であるトナーが付着された用紙
をトナー樹脂の可溶性溶剤中に浸漬させて、超音波振動
を印加し、溶剤に溶解したトナーを紙面より遊離させる
像形成物質除去方法が開示されている。また、特開平
4−300395号公報や実開平4−118500号
公報には、廃紙の印字部分に溶剤を浸漬、噴霧あるいは
塗布等による方法で付着させてトナーを溶解し、溶解し
たトナーを洗浄、エアー吸引、吸着剤接触、機械剥離あ
るいは静電気吸着等による方法で除去する像形成物質除
去方法が開示されている。しかしながら、これらの方法
では、有機溶剤を使用しているため、公害、発火性及び
毒性などの問題があり、一般のオフィス、家庭等での使
用に難点がある。
【0005】一方、溶剤を使用しないものとして、例え
ば特開平1−297294号公報には、像保持体とし
て、プラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセ
ラミック等で形成されたものを使用し、該像保持体上に
形成された画像を熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、
画像を像保持体から剥ぎとるクリーニング方法が開示さ
れている。
【0006】また、特開平2−55195号公報に
は、像保持体上に離型剤を塗布した印刷体に電子写真方
式あるいは熱転写方式で載せた熱溶融性インキあるいは
トナーを、該印刷体にインキ剥離体を重ね加熱ローラと
圧力ローラの間を通し、冷えてからインキ剥離体を剥が
すことにより、該インキ剥離体の方に付着させて除去す
る像形成物質除去方法が開示されている。
【0007】また、特開平4−64472号公報に
は、少なくとも、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレ
スシートと、これを支えて回転させる熱ローラ及び冷却
ローラと、表面に離型処理をした紙(イレーザブルペー
パ)を軟化あるいは溶融した熱溶融性樹脂に押しつける
押圧ローラと、これらを連動して動かせる駆動部からな
るイレーザが開示されている。そして、この紙の表面離
型処理の一例として、未使用の複写用紙の表面にシリコ
ーンシール剤等の離型剤を塗布乾燥させる処理が開示さ
れている。この離型処理後の複写用紙に画像を形成し、
該画像の除去時には複写紙上の画像に熱溶融性樹脂を接
着させて画像を除去して、該複写紙を再生している。
【0008】また特開平4−82983号公報には、
互いに圧接して回転し圧接箇所に紙を通過させる2本の
並行に設けられたローラと、該2本のローラの少なくと
も一方を加熱するヒーターと、該圧接箇所を通過した紙
を前記ローラから分離する掻取具と、前記ローラに付着
した像形成物質を前記ローラから除去する剥離装置とを
備えた像保持体の再生装置が開示されている。
【0009】ところで、上記溶剤を使用しないもののう
ち、〜の公報に開示の方法や装置では、表面が離型
性を有するイレーザブルペーパーを用いなければなら
ず、現在、大量に使用されている一般的な複写用紙、プ
リンティング紙などに適用できない難点がある。また離
型剤上の画像であるため、当然定着性が悪くなる。更に
イレーザブルペーパーと普通紙とを区別して複写しなけ
ればならず非能率的である。またイレーザブルペーパー
と普通紙とを混合し、実情に合った状態では複写するこ
とは困難である。
【0010】特に、例えば前述のの公報に記載されて
いるように紙表面に離型性を持たせるために、シリコー
ンシール剤などの離型剤を塗布乾燥させる場合、次のよ
うな不具合もあった。すなわち、シリコーンシール剤な
どの離型剤を塗布乾燥させただけでは、表面の紙繊維構
造がそのまま維持されている。このため表面に熱溶融性
樹脂を有するエンドレスシートを、イレーザブルペーパ
ーの画像面に接着させ、加熱状態で機械的に画像を剥ぎ
取とうとしても、紙繊維の目の中に浸透している画像の
トナー樹脂まで、完全に除去することは困難である。し
たがって再生効率は不十分である。また、資源再利用と
いう観点からは、両面コピー、即ち一枚の複写用紙の表
・裏両面コピーが重要であり、今後、主流となるものと
考えられるところ、片面に離型剤を塗布する方法では効
率が悪くなる。たとえ、両面に離型剤を塗布乾燥したと
しても、シリコーンシール剤では複写紙内に浸透し、結
果的に半透明な複写紙となる。従って、両面コピーは、
不可能(見づらい)となる。
【0011】また、上記溶剤を使用しないもののうち、
の公報に開示の方法や装置では、表面に紙繊維が露出
している通常の紙に画像を記録した記録済み像保持体か
ら像形成物質を除去するので、像形成物質除去の際に像
形成物質と共に表面の紙繊維を剥ぎ取って紙質を損傷し
てしまう恐れがあった。これは、例えば電子写真方式の
定着工程で熱溶融性樹脂を主成分とする像形成物質を像
保持体に融着させるなどして、像形成物質が像保持体表
面の繊維に強固に固着されているためである。また像形
成物質の除去性を高めるために、上記インキ剥離体、エ
ンドレスシートあるいはローラに熱や圧力を加える場
合、種々の条件によっては、逆に像形成物質と像保持体
との間の定着性を高めてしまって除去を困難にすること
もあった。
【0012】そこで、先に本出願人は、記録済み像保持
体に、不安定化剤としての水、界面活性剤を含む水溶
液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤と水
溶性ポリマーとを含む水溶液よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の水あるいは水溶液を保持させるととも
に、剥離部材を介在させ、像形成物質を該剥離部材に加
熱接着もしくは加圧接着して像保持体から剥離する像形
成物質除去方法を提案した(例えば、特願平4−255
916号参照)。これによれば、像保持体の紙質を比較
的損傷することなく、像形成物質のみを除去することが
できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記提案の構成におい
ては、像保持体表面と像形成物質との界面部を水等の不
安定化剤で十分湿潤させることが望まれる。図1(a)
及び(b)に示すように、複写機等の画像形成装置に従
来から用いる像保持体としての転写紙10等は、一般の
紙と同様、紙繊維(セルロース繊維)10aが絡み合っ
た繊維質の構造をしており、多数の微細な空隙が存在し
ている。このような微細な空隙を含んでいる転写紙10
等に、上記水等の不安定化剤としての処理液20を浸透
させる場合には、一般に毛細管効果を利用する。しかし
ながら、上記空隙内の気体(例えば、空気)が処理液2
0の転写紙10内への浸透を妨げるため、結果として、
転写紙10は処理液20であまりぬれないおそれがあっ
た。したがって、上記像保持体からの像形成物質除去装
置の場合において、処理液20を確実に転写紙と像形成
物質であるトナーTとの界面部まで充分に浸透させるこ
とができず、そのため、図2に示すように剥離部材30
2aで転写紙10上のトナーTを剥離する場合、トナー
Tの転写紙10からの剥離が不十分になるおそれがあっ
た。
【0014】特に、処理液20として水を用いる場合に
は、単に像保持体を水中に通す程度の短時間では困難で
あり、例えば純粋な水を使用する場合、数時間以上記録
済み像保持体を水中に入れておく必要がある。また、電
子写真複写機用の像保持体である転写紙10には、吸湿
しにくくして転写性や定着性を安定させるために防湿加
工が施してあるものが多く、また、像形成物質としての
トナーは樹脂が主成分であることから水を通さず、上記
界面部への水の進入が困難である。ここで、上記界面活
性剤を含む水溶液の場合には例えば数十秒程度で紙繊維
を傷めることなく像形成物質のみを除去できるようにな
り、これは上記界面部への水の進入が界面活性剤によっ
て格段に促進されることが原因であると考えられるが、
上記界面部への水の進入をより一層向上させることが望
まれる。
【0015】また、像保持体から画像を除去するために
は、像形成物質としての熱溶融性トナーインキと紙など
の像保持体との界面部にも十分に水が浸透する必要があ
るが、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、
スチレン−ブチルアクリル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂等を構成成
分としてもつ熱溶融性トナーインキは一般に揮発性であ
るので、熱溶融性トナーインキよりなる像保持体を水等
で十分に短時間で湿らせるためには、特にその必要性が
高い。
【0016】また、熱溶融性トナーインキで像保持体上
に形成される画像には、大きく分けて通常の文字や線な
どのいわゆる線画と、太い線などのいわゆるベタ画像が
あり、このうち線画は、紙などの像保持体に対するトナ
ーの接着面積が一般に小さいので、線画が形成されてい
る像保持体を水あるいは水溶液等と接触させると、ただ
ちに短時間で線画と像保持体表面との界面まで浸透する
ことになる。しかしながら、ベタ画像については、トナ
ーの接着面積が一般に大きいので、ベタ画像が形成され
ている像保持体を水あるいは水溶液等と接触させても、
またたとえ多量の界面活性剤を使用したとしても、像保
持体の全体に均一に水あるいは水溶液等を浸透させるこ
とは困難となる。
【0017】また、上記溶剤を使用する方法や装置で
は、表面に紙繊維が露出している通常の紙に画像を記録
した記録済み像保持体から像形成物質を除去するのに使
用しても、溶剤を使用しない方法や装置に比して紙繊維
に損傷することなく像形成物質のみを除去できる。しか
し、使用する溶剤によっては紙質を化学的に変質させて
しまう恐れがあり、これにおいても短時間で像保持体表
面の紙繊維と像形成物質の界面部に溶剤を進入させるこ
とが望まれる。
【0018】また、本出願人は、未使用の像保持体であ
って、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む
水溶液及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む水溶液
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水
溶液を保持させた後、乾燥する処理を施したものを提案
した(例えば、特願平4−255915号参照)。この
処理を施した像保持体は、通常の画像形成に用いられた
後、上記像形成物質除去方法で像形成物質が取り除かれ
て再利用されるが、上記処理の際に上記水溶液が像保持
体に充分に浸透しないために、上記処理を行った像保持
体に画像を形成した後、上記像形成物質除去方法で像保
持体上に付着した像形成物質を確実に取り除くことがで
きないおそれがあった。
【0019】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その第1の目的は、像保持体と像形成物質との
界面部に、水等の不安定化剤を効率的かつ確実に浸透さ
せることにより、像形成物質のみを像保持体から確実に
取り除くことができる像保持体からの像形成物質除去方
法及びその装置を提供することであり、また、その第2
の目的は、像形成物質を付着させることができる像保持
体に、不安定化剤を効率的かつ確実に浸透させることが
できる像保持体処理装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、表面に像形成物質が安定
に付着している像保持体から、該像形成物質を取り除く
像保持体からの像形成物質除去方法において、上記像保
持体の表面と上記像形成物質との間の付着力を弱めて両
者間の付着状態を不安定状態にする不安定化剤を、該像
保持体と該像形成物質とが接している界面部に供給し、
該不安定化剤により弱まった像保持体と像形成物質との
間の付着力より大きい付着力を該像形成物質に対して発
揮し得る材料からなる剥離部材を、該像保持体上の像形
成物質に接着させ、該像形成物質に接着している該剥離
部材と該像保持体とを分離することを特徴とするもので
ある。
【0021】また、請求項2の発明は、請求項1の像保
持体からの像形成物質除去方法において、上記不安定化
剤が液であり、該液中で、上記像保持体に、上記剥離部
を加圧接着または加熱加圧接着することを特徴とする
ものである。
【0022】また、請求項3の発明は、請求項の像保
持体からの像形成物質除去方法において、上記像保持体
が、上記を付与した後、乾燥したものに画像を形成し
たものであることを特徴とするものである。
【0023】また、請求項4の発明は、表面に像形成物
質が安定に付着している像保持体から、該像形成物質を
取り除く像保持体からの像形成物質除去装置において、
上記像保持体の表面と上記像形成物質との間の付着力を
弱めて両者間の付着状態を不安定状態にする不安定化剤
、該像保持体と該像形成物質とが接している界面部に
供給する不安定化剤供給手段と、該不安定化剤により弱
まった該像保持体と該像形成物質との間の付着力より大
きい付着力を該像形成物質に対して発揮し得る材料から
成る剥離部材を、該像保持体上の像形成物質に接着さ
せ、該像形成物質に接着している該剥離部材と該像保持
体とを分離する剥離手段とを設けたことを特徴とするも
のである。
【0024】また、請求項5の発明は、表面に像形成物
質が安定に付着している像保持体から、該像形成物質を
取り除く像保持体からの像形成物質除去装置において、
像形成物質の、該像保持体の表面に対して安定に付着
している面積を、該像保持体と該像形成物質との間の付
力が弱まって両者間の付着状態が不安定状態になる面
積まで減少させる不安定化剤を、該像保持体と該像形成
物質とが接している界面部に供給する不安定化剤供給手
段と、該不安定化剤により弱まった該像保持体と該像形
成物質との間の付着力より大きい付着力を該像形成物質
に対して発揮し得る材料から成る剥離部材を、該像保持
体上の像形成物質に接着させ、該像形成物質に接着して
いる該剥離部材と該像保持体とを分離する剥離手段と
設けたことを特徴とするものである。
【0025】また、請求項6の発明は、表面に像形成物
質が安定に付着している像保持体から、該像形成物質を
取り除く像保持体からの像形成物質除去装置において、
該像形成物質の、該像保持体の表面に対して安定に付着
している距離を、該像保持体と該像形成物質との間の付
力が弱まって両者間の付着状態が不安定状態になる距
離まで離間させる不安定化剤を、該像保持体と該像形成
物質とが接している界面部に供給する不安定化剤供給手
段と、該不安定化剤により弱まった該像保持体と該像形
成物質との間の付着力より大きい付着力を該像形成物質
に対して発揮し得る材料から成る剥離部材を、該像保持
体上の像形成物質に接着させ、該像形成物質に接着して
いる該剥離部材と該像保持体とを分離する剥離手段と
設けたことを特徴とするものである。
【0026】上記第2の目的を達成するために、請求項
7の発明は、像形成物質からなる画像が形成される前の
像保持体を処理する像保持体処理装置であって、上記画
像形成前の像保持体に、該像保持体の表面と該像形成物
質との間の付着力を弱めて両者間の付着状態を不安定状
態にする不安定化剤を供給する不安定化剤供給手段を設
けたことを特徴とするものである。
【0027】また、請求項8の発明は、請求項4乃至
の像保持体からの像形成物質除去装置において、上記像
保持体に供給した上記不安定化剤の余剰分を除去する余
剰量除去手段を設けたことを特徴とするものである。
【0028】また、請求項9の発明は、請求項7の像保
持体処理装置において、上記像保持体に供給した上記不
安定化剤の余剰分を除去する余剰量除去手段を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0029】また、請求項10の発明は、請求項1の像
保持体からの像形成物質除去方法において、上記不安定
化剤が液であり、上記剥離部材から分離した上記像保持
体を乾燥することを特徴とするものである。
【0030】また、請求項11の発明は、請求項1の像
保持体からの像形成物質除去方法上記不安定化剤が液で
あり、該液を供給した像保持体を一対の回転部材で挾持
搬送し、該像保持体上の像形成物質に上記剥離部材を接
着させることを特徴とするものである。
【0031】また、請求項12の発明は、請求項1の像
保持体からの像形成物質除去方法において、上記不安定
化剤が液であり、該液を供給した像保持体上の像形成物
質を加熱軟化し、該像形成物質に上記剥離部材を接着さ
せることを特徴とする請求項1の像保持体からの像形成
物質除去方法ものである。
【0032】また、請求項13の発明は、請求項4の像
保持体からの像形成物質除去装置に おいて、上記不安定
化剤が液であり、上記供給手段を、該液を収容した容器
と、該容器から該液を汲み上げて像保持体に供給する供
給ローラとを用いて構成したことを特徴とするものであ
る。
【0033】また、請求項14の発明は、請求項4の像
保持体からの像形成物質除去装置において、上記不安定
化剤が液であり、該液が供給された像保持体を挾持搬送
する一対の回転部材を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0034】また、請求項15の発明は、請求項4又は
13の像保持体からの像形成物質除去装置において、上
記不安定化剤が供給された像保持体上の像形成物質を加
熱軟化する手段を設けたことを特徴とするものである。
【0035】
【作用】請求項1乃至3又は請求項9乃至11の発明に
おいては、像保持体と像形成物質とが接している界面部
に上記不安定化剤を供給することにより、像保持体の表
面と像形成物質との間の付着力を弱めて両者間の付着状
態を不安定状態にし、該像形成物質を剥離除去しやすく
する。この不安定化剤により弱まった像保持体上の像形
成物質に、上記所定の付着力を有する剥離部材を接着さ
せ、該像形成物質に接着している該剥離部材と該像保持
体とを分離することにより、該像保持体から該像形成物
質を剥離除去する。
【0036】 請求項4乃至6又は請求項12乃至15
発明においては、上記不安定化剤供給手段で像保持体と
像形成物質とが接している界面部に上記不安定化剤を供
給することにより、像保持体の表面と像形成物質との間
の付着力を弱めて両者間の付着状態を不安定状態にし、
該像形成物質を剥離除去しやすくする。そして、剥離手
段で上記不安定化剤により弱まった像保持体上の像形成
物質に、上記所定の付着力を有する剥離部材を接着さ
せ、該像形成物質に接着している該剥離部材と該像保持
体とを分離することにより、該像保持体から該像形成物
質を剥離除去する。
【0037】請求項7の発明においては、像形成物質が
付着していない画像形成前の像保持体に上記不安定化剤
を供給することにより、該像保持体に像形成物質からな
る画像を形成した後、該像保持体上の像形成物質を剥離
する場合に、該像保持体の表面と像形成物質との付着状
態を不安定状態にすることができるようにする。
【0038】 請求項8及び9の発明においては、像保持
体に供給した上記不安定化剤の余剰分を上記余剰量除去
手段で除去することにより、像保持体に必要最小限の不
安定化剤を供給できるようにする
【0039】
【実施例】まず、本発明を転写型の電子写真複写機によ
って画像が形成された像保持体としての転写紙から、像
形成物質としての熱溶融性トナー(以下、トナーとい
う)を取り除く像保持体からの像形成物質除去装置(以
下、トナー除去装置という)に適用した実施例について
説明する。図3に、本発明が適用可能なトナー除去装置
の一例の概略構成図を示す。まず、全体の概略を説明す
ると、このトナー除去装置は、積載状態で収容している
トナー像が形成された転写紙10を一枚づつ分離給送す
る給紙ユニット1と、給紙ユニット1から送られてきた
転写紙10に液を供給する不安定化剤供給手段としての
液付与ユニット2と、液が供給された転写紙10からト
ナーを除去するトナー剥離ユニット3と、トナーが除去
された転写紙10を乾燥させる乾燥ユニット4と、乾燥
ユニット4から排出される転写紙10を受ける紙受けユ
ニット5とを備えている。そして、給紙ユニット1から
搬送された転写紙10は、液付与ユニット2で転写紙1
0とトナーとの付着状態を不安定状態にする液体の不安
定化剤(以下、処理液という)20が付与され、処理液
20を少なくとも転写紙10とトナーとの界面部に浸透
させる。そして、トナー剥離ユニット3の剥離ローラ3
02によって、処理液20を浸透させた該界面部におい
てトナーを転写紙10から剥離した後、転写紙10は乾
燥ユニット4の乾燥ローラ402で乾燥され、紙受けユ
ニット5に排出される。
【0040】 ここで、上記転写紙10は、その少なくと
も表面部が繊維質の構造をした紙質層で構成されてい
る。この紙質層の表面にトナーによる画像が形成され
る。
【0041】 また、上記処理液20としては、水、水溶
性ポリマーを含む水溶液、界面活性剤を含む水溶液、及
び水溶性ポリマーと界面活性剤とを含む水溶液よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水溶液を用
いることができる。また、該水又は水溶液には、所定の
有機溶剤を含有させることもできる。また、上記処理液
20として、有機溶剤のみを用いることができる。
【0042】 上記水溶性ポリマーとしては、例えば、デ
ンプン質(かんしょデンプン、ばれいしょデンプン、タ
ピオカデンプン、小麦デンプン、コーンスターチ等)、
マンナン(こんにゃく等)、海藻類(ふのり、寒天、ア
ルギン酸ナトリウム等)、植物粘質物(トロロアオイ、
トラガントゴム、アラビアゴム等)、微生物による粘質
物(デキストラン、レバン等)、タンパク質(にかわ、
ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等)の天然ポリマー
や、セルロース系(ビスコース、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等)、デンプン系(可溶性デンプ
ン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン
等)の半合成ポリマーや、合成ポリマー(ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオ
キシド、イソブチレン−無水マレイン酸等)等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらの水
溶性ポリマーの水溶液を用いることにより、転写紙から
トナーを容易に離脱させることができるようになる。
【0043】 また、上記界面活性剤としては、例えば、
陰イオン系(脂肪酸誘導体、カルボン酸塩、スルホン酸
塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホスホン酸塩
等)、陽イオン系(複素環アミン、アミン誘導体、アミ
ン塩、四級アンモニウム塩、エステル結合アミン及びエ
ーテル結合を有する第四級アンモニウム塩、ベンザルコ
ニウム塩、塩化ベンゼトニウム塩、ピリニジニウム塩、
イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ポリエチレンポ
リアミン等)、両性系(アミノ酸、カルボキシベタイ
ン、スルホベタイン、アミノ硫酸エステル、アミノカル
ボン酸塩、イミダゾリン誘導体等)、非イオン系(エー
テル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型、
多価アルコール、アミノアルコール、ポリエチレングリ
コール等)の通常の界面活性剤やフッ素系界面活性剤等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】 また、上記界面活性剤や水溶性ポリマー
は、製紙工業では紙のサイズ剤等に使用されているの
で、これらを使用したとしても紙の表面を傷めることは
なく、むしろ紙の表面を改良する作用がある。
【0045】 また、上記水又は水溶液に含有させる有機
溶剤としては、ターペンチン、ジペンテン、ブチルアセ
テート、四塩化炭素、セロソルブアセテート、キシレ
ン、トルエン、エチルアセテート、ジアセトンアルコー
ル、メチルセロソルブアセテート、ベンゼン、メチルエ
チルケトン、メチルアセテート、メチレンクロリド、エ
チレンジクロリド、シクロヘキサン、セロソルブ、ジオ
キサン、アセトン、メチルセロソルブ、シクロヘキサノ
ール、ブタノール等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0046】 また、上記単独で用いる有機溶剤として
は、炭素水素系溶剤であるヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、スピィリット、ナフサN01〜6(シェル
石油社の商品名)、アイソパーE,L,K,V(エクソ
ン社の商品名)、アイピーソルベント(出光石油社の商
品名)、シェルーゾル70,71、ソルベッソ100,
150(シェルオイル社の商品名)、アスコムOMS,
460(スピリッツ社の商品名)、ベガゾール103
0,2130,3040(モービル石油社の商品名)等
が挙げられる。更に、フッ素系溶剤であるフロリナート
FC40,43,70,77(住友3M社の商品名)、
アフルードE10,16,18等や、シリコーン系溶剤
である信越シリコーンKF96(商品名)、東レシリコ
ーンSH200,344(商品名)、東芝シリコーンT
SF431(商品名)等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0047】 次に、図示の例の各ユニット1,2,3,
4,5について説明する。上記給紙ユニット1は、底板
101上に積載された転写紙10を最上部のものから給
紙ローラ102で給紙し、図示しない分離機構で重送紙
を分離して一枚の転写紙10のみを、タイミング調整及
びスキュー補正のためのレジストローラ対104で送り
出すものである。その具体的な構成及び動作は電子写真
複写機における給紙機構と同様であるので、詳細な説明
は省略する。
【0048】 上記液付与ユニット2は、処理液20を所
定量満たした液容器201、転写紙10の一方の面(図
中の上面)に接触しながら、液容器201の処理液20
中に案内するように搬送する液中搬送ローラ202、液
中搬送ローラ202の駆動部(不図示)、転写紙10の
他の面(図中の下面)を液容器201の処理液20中に
案内する液中ガイド板203、挾持搬送手段としても機
能する1対の回転部材としての絞りローラ対204、下
側の絞りローラ204に食い込み配置された絞り棒20
5、などを備えている。このユニット2において、給紙
ユニット1から給送された転写紙10は、液中搬送ロー
ラ202と液中ガイド板203とによって、液容器20
1の処理液20中に案内され、処理液20に浸漬された
後、絞りローラ対204によって余分な処理液20が除
去かれ、次のトナー剥離ユニット3へと搬送される。な
お、この例のように直接転写紙10を処理液中に通して
転写紙10に処理液を付与するのに代え、塗布ローラで
転写紙10の表面に処理液を塗布したり、噴霧器により
転写紙10の表面に霧状にされた処理液を付着させたり
して、付与するようにしても良い。その他任意の方法を
用いることができる。なお、このような他の処理液付与
方法及び装置の具体例については後に詳述する。
【0049】 上記トナー剥離ユニット3は、それぞれト
ナーTの軟化手段としての加熱ランプ301を内蔵し互
いに圧接状態で配置された一対の剥離部材としての剥離
ローラ302、転写紙排出側の圧接部近傍の剥離ローラ
302の表面に接触するように配設された分離爪30
3、剥離ローラ302の表面をクリーニングするクリー
ニング装置304、駆動部(不図示)等を備えている。
【0050】 この剥離ローラ302の表面は、少なくと
も軟化しているトナーに対して、転写紙10と該トナー
との付着力より大きい付着力を有するものを用いて構成
する。具体的には、上記トナーと同一又は類似のトナー
成分樹脂や、接着剤の成分樹脂等を用いることができ、
またアルミ系、銅系、ニッケル系、鉄系等の金属材料を
用いることもできるが、これらに限定されるものではな
い。また、上記樹脂は、水溶性のものであっても、ある
いは非水溶性のものであってもよい。
【0051】 上記トナー成分樹脂としては、ポリスチレ
ン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−ブ
チルアクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0052】 また、上記接着剤の成分樹脂としては、に
かわ、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質
系接着剤、デンプン系、セルロース系、複合多糖類系
(アラビアゴム、トラガントゴム等)等の炭水化物系接
着剤、酢酸ビニルの重合体及び共重合体、アクリル系、
エチレン共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウ
レタン等の熱可塑性接着剤、ポリクロロプレン系、ニト
リルゴム系、再生ゴム系、SBR系、天然ゴム系等のゴ
ム系接着剤、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤、酸化
チタンを分散させたポリエチレンテレフタレート(PE
T)、等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0053】 また、上記樹脂を用いる場合には、テンシ
ョンや熱による伸び防止、耐久性等の観点から、支持体
と表層の少なくとも2層以上の多層構造にすることが望
ましい。即ち、図示の例のようにローラ形状の剥離部材
とする場合には、支持体としての基体ローラ上に上記樹
脂などからなる表層を形成して剥離部材を構成すること
が望ましい。上記樹脂などを支持する支持体としては、
例えば、ゴムローラ、シート、セロハンテープ、クラフ
ト紙粘着テープ、ポリ塩化ビニルテープ、アセトンテー
プ、フィラメント補強テープ等のテープ、等も用いるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】 また上記上下剥離ローラ302の加熱ラン
プ301は、転写紙10の表裏に密着して転写紙10に
固着しているトナーを加熱して軟化させ、これにより、
トナーを転写紙10の繊維から剥がれ易くするものであ
る。この加熱は圧接部において転写紙10上のトナーが
溶融しない程度に行うことが望ましい。トナーが溶融し
てしまうと転写紙10上のトナーを、紙側と剥離ローラ
302側とに分断することなく、剥離ローラ302側へ
転写させるのが、困難になるためである。また加熱し過
ぎると剥離ローラ302対の圧接部を通過中に転写紙1
0が乾燥し過ぎて、トナーの転写紙10に対する固着力
が転写紙10が濡れている場合に比して強まり、転写紙
10がトナーを介して該ローラ302に貼り付いて上記
分離爪303で分離できなくなる恐れがある。従って、
加熱部通過後の転写紙10に多少の湿り気が残って上記
トナーの再付着を防止できる程度に加熱することが望ま
しい。
【0055】 上記クリーニング装置304は、剥離ロー
ラ302の表面上のトナーTを除去するクリーニングロ
ーラ305、クリーニングローラ305上のトナーTを
掻き落すスクレーパブレード306、スクレーパブレー
ドで306で掻き落したトナーTを収容するトナー受け
(トナー容器)307を備えている。
【0056】 このクリーニングローラ305の少なくと
も表面は、剥離ローラ302上に付着しているトナーT
に対する離型性が、剥離ローラ302表面の該トナーに
対する離型性より劣っている材料で構成されている。こ
の具体的な材料としては、アルミ系、銅系、ニッケル
系、鉄系等の金属材料、又は酸化チタンを分散させたポ
リエチレンテレフタレート(PET)等の高分子系材料
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】 なお、上記剥離ローラ302に代え、これ
と同様の表面特性を備えたベルトを用いたり、上記クリ
ーニング装置304のクリーニングローラ305に代え
剥離ローラ302表面に直接当接させたクリーニングブ
レードやスクレーパなどを用いたりしても良い。
【0058】 上記乾燥ユニット4は、転写紙10を乾燥
させるものであり、加熱ランプ401内蔵の例えばアル
ミからなる上乾燥ローラ402と、これに下方から圧接
する下乾燥ローラ404とから構成されている。この下
乾燥ローラ404は給液性部材からなる表層403を備
え、該表層の液を絞り落す絞りブレード405が当接し
ている。このような乾燥ローラ対402,404に代
え、又は加え、ベルト状の部材を用いたり、熱風ファン
や赤外線ランプなどを用いたりしても良い。
【0059】 そして、上記紙受けユニット5は、この乾
燥ユニット4から排出された転写紙を受けるための排紙
トレー501を備えている。
【0060】 また、このトナー除去装置には、図示を省
略したが、給紙台に転写紙10があるか否かを検出する
検出手段、給紙ユニット1による転写紙10の重送検出
手段、液容器201中の液残量検出手段、液容器201
への液自動補給手段、転写紙10の装置内ジャム検出手
段、各加熱ランプの点灯制御手段と、トナー受け容器3
07内満杯手段などが設けられ、これらは後述する制御
部で制御される。
【0061】 以上の構成において、給紙ユニット1から
送られた転写紙10は、液付与ユニット2でそのトナー
像面に液が均一に供給され、トナー剥離ユニット3に送
られる。このトナー剥離ユニット3で、紙に固着してい
るトナーが剥離ローラ302からの加熱で軟化し、剥離
ローラ302表面に付着する。そして紙が剥離ローラ3
02から分離する際に、剥離ローラ302表面に付着し
たトナーが紙から剥離し、これにより、紙からトナーが
除去される。トナーが除去された紙は乾燥ユニット4で
乾燥され、紙受けユニット5に排出される。
【0062】 以上、このトナー除去装置によれば、トナ
ーが付着した紙に液を供給して紙のトナーとの界面部に
液を浸透させた状態でトナーを剥離させるので、紙繊維
を傷めることなく、トナーを除去できる。
【0063】 また、紙表面が液で濡れた状態で剥離ロー
ラ302と接触させ、かつ剥離ローラ302から分離す
る時点でも紙が湿った状態を維持できる程度に加熱する
ので、剥離ローラ302表面をトナー接着性有する材
質で構成した場合にも、紙表面自体が剥離ローラ302
表面に接着して分離不良が生じるのを防止でき、また分
離した紙部分が剥離ローラ302と再接触することによ
るトナーの再転移を防止できる。
【0064】 また、このトナー除去装置では、二つの剥
離ローラ302で転写紙10を挾持し、転写紙10両面
からトナーを除去するように構成したので、給紙ユニッ
ト1の底板101上にトナーを除去すべき転写紙10を
セットする場合に、表裏を考慮する必要がない。また両
面使用した転写紙の両面のトナーを除去したい場合に
も、一度装置内を通すだけで済む。
【0065】 次に、図4を用いて、上記トナー除去装置
を動作させるための制御部について説明する。図4は、
図3のトナー除去装置の制御部のブロック図である。メ
インスイッチ902をオンすると、商用電源901から
交流電源供給を受けた直流電源(PSU)903によ
り、DC電源電圧が各制御ICに供給される。電源を供
給されたCPU904は、プログラムカウンタ等のリセ
ットを行い、ROM905に書き込まれたプログラム内
容に基づいて、制御を開始する。CLK発振器906
は、CPU動作に必要な基準クロック(CLK)を供給
する。
【0066】 まず、アドレスデータバス907を通し
て、パラレルインターフェイス908にリレー909を
オンするデータが送られる。パラレルインターフェイス
の出力ポートには、各負荷を駆動するドライバー910
が接続されており、更にその一部にリレー911の接点
駆動コイル909が接続され、リレー9111の接点が
閉じる。
【0067】 そして、ソリッドステートリレーSSRI
(912),SSR2(913)をそれぞれオンするデ
ータが、前記と同様にドライバー910へ送られる。S
SR1の先には剥離ローラ302を加熱する加熱ランプ
301に対応する抵抗体914a,bが2本ないし1本
接続され、同ローラ302の加熱を開始する。一方、S
SR2の先には乾燥ローラ402を加熱する加熱ランプ
401に対応する抵抗体915が接続され、同様に加熱
を開始する。各ローラーの温度は、それぞれサーミスタ
916,917で検知され、A/Dコンバータ918へ
入力されてアナログデータからデジタルデータへ変換さ
れる。RAM919には各ローラーの制御温度が書き込
まれており、その値と比較して温度制御される。このデ
ーターは操作表示部920からシリアルインターフェイ
ス921を通して、RAM919に書き込むこともでき
る。
【0068】 各ローラの温度が、剥離あるいは乾燥する
のに充分な温度(RAMの設定値)になったら、操作表
示部920に動作可能の表示(LED点灯等)を示す。
操作表示部920より動作指令データーが送信された
ら、CPU904はメイン駆動モータ922を動作さ
せ、同モータの負荷が一定速度で駆動できたら、給紙モ
ータ923を駆動し、給紙を開始する。ここで、レジス
トモータ924は、スキュー防止のため給紙モータとの
タイミングを計りながら回転し、紙を送り出す。後は前
述の処理液含浸、剥離、乾燥の工程になる。
【0069】 なお、給紙コロ102及びレジストローラ
104以外の負荷は、全てメイン駆動モータ922にて
同期駆動される。LCTには紙の有無を検知するペーパ
ーエンドセンサー925が有り、紙が無くなるとパラレ
ルインターフェイスを通じて紙無しデーターを送信す
る。紙無しを検知したCPU904は、マシン動作を停
止し、操作表示部920へ動作停止の表示(LED点灯
等)を行う。
【0070】 図5は、本発明が適用可能な、転写紙を縦
方向に搬送する縦搬送タイプのトナー除去装置の概略構
成図である。このトナー除去装置は、図3のトナー除去
装置と異なり、転写紙10を下の給紙ユニット1から上
の紙受けユニット5へ縦方向に搬送するように構成され
ている。また、上記液中搬送ローラ202等からなる処
理液20中に転写紙10を浸漬するタイプの液付与ユニ
ット2を用いる代わりに、液供給装置208によって処
理液20を供給した塗布ローラ207で、転写紙10を
挾持しながら搬送することによって、転写紙10に処理
液20を付与している。また、このトナー除去装置も、
図4と同様な制御部で制御することができる。
【0071】 次に、液付与ユニット2のより具体的な構
成例について詳述する。上記トナー除去装置に用いる液
付与ユニット2では、転写紙10への処理液20の付与
を1回で行ってもよいが、数回に分けて付与してもよ
い。例えば、図6に示すように、まず浸透度促進剤付与
手段としての浸透促進液付与装置2aで、上記処理液2
0の転写紙10とトナーとの界面部への浸透を促進させ
る浸透度促進剤としての浸透促進液21を転写紙10に
付与し、その後不安定化剤付与手段としての処理液付与
装置2bで、浸透促進液21が付与された転写紙10に
処理液20を付与するように液付与ユニット2を構成し
てもよい。この場合の浸透促進液21としては、例えば
上記界面活性剤の水溶液等を用いることができる。ま
た、上記処理液付与装置2b及び浸透促進液付与装置2
aは、それぞれ後述する構成の液付与ユニット2を用い
ることができ、該液付与ユニット2を適宜組み合わせて
使用することができる。また、上記浸透促進液付与装置
2a及び処理液付与装置2bのそれぞれにおいては、該
液付与ユニット2を複数使用し、浸透促進液21又は処
理液20を転写紙10に多数回付与するように構成して
もよい。
【0072】 また、以下に示す液付与ユニット2の各構
成例は、上記浸透促進液付与装置2a及び処理液付与装
置2b等に適用することができるので、以下の各図及び
説明では、浸透促進液21及び処理液20を区別しない
で単に液22としている。
【0073】 図7を用いて、転写紙10を液22に浸漬
する方式を採用した液付与ユニット2の一構成例につい
て説明する。この液付与ユニット2は、液22を所定量
満たした液容器201、転写紙10の一方の面(図中の
上面)に接触しながら、液容器201の液22中に案内
するように搬送する液中搬送ローラ202、液中搬送ロ
ーラ202の駆動部(不図示)、転写紙10の他の面
(図中の下面)を液容器201の液22中に案内する液
中ガイド板203、分離爪210、余剰量除去手段とし
ての絞りローラ対204等を備えている。本例におい
て、給紙ユニット1から給送された転写紙10は、液中
搬送ローラ202と液中ガイド板203とによって、液
容器201の液22中に案内され、液22に浸漬され
る。その後、分離爪210によって液中搬送ローラ20
2の表面から分離された転写紙10は、絞りローラ対2
04によって余分な液22が除去かれ、次のトナー剥離
ユニット3等へと搬送される。本例では、絞りローラ対
204によって転写紙10にトナーの付着力を低下させ
る必要最小限の液22を付与することができるので、後
の乾燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙10の
吸湿による伸縮が少なくて済むため、転写紙10の波打
ち、しわ等の発生を抑えることができる。
【0074】 図8を用いて、転写紙10を液22に浸漬
する方式を採用した液付与ユニット2の他の構成例につ
いて説明する。この液付与ユニット2は、図3の液中搬
送ローラ202の代わりに、図示しない駆動部により駆
動された各搬送ローラ対209に張架された搬送ベルト
211が設けられている。本例において、給紙ユニット
1から給送された転写紙10は、ベルト送りにより搬送
ベルト211の下面に捕らえられ、液容器201の液2
2中に案内され、液22に浸漬される。その後、転写紙
10は、搬送ローラ11で送り方向が鋭角的に反転され
た送り終端部で容易に分離され、次のトナー剥離ユニッ
ト3へと搬送される。なお、本例においても、上記絞り
ローラ対204を設けてもよい。また、搬送ベルト21
1に複数の穴を設けることにより、液22の浸透を増加
させることができる。
【0075】 上記図7又は図8の液付与ユニット2を用
いれば、液22に転写紙10を浸漬させているため、液
22が転写紙10の両面及び端部から浸透していく。そ
のため、液22が速く確実に転写紙10の中に浸透し、
トナーと転写紙10(紙繊維)との界面での付着力を低
下させることができるようになる。なお、この種の液付
与ユニット2においては、上記制御部で液容器201内
の液22の残量表示等の液量制御や、処理回数に応じた
液補給等の液濃度制御等を行うことにより、転写紙10
へ付与する液量等を所定量に維持できるようになる。
【0076】 図9を用いて、転写紙10に液22を塗布
する方式を採用した液付与ユニット2の構成例について
説明する。この液付与ユニット2は、液22を所定量満
たした液容器201、少なくとも表面部が吸液性材料で
形成され、転写紙10を挟持しながら搬送する塗布ロー
ラ対207、塗布ローラ対207の駆動部(不図示)、
一方の塗布ローラ207に液22を供給するための給液
パイプ212及びポンプ213等を備えている。ここ
で、下の塗布ローラ207は、その一部が液容器201
中の液22に浸漬するように配置されている。また、塗
布ローラ対207の吸液性材料としては、液22を保持
し転写紙に塗布するように付与することができる材質で
あればよく、具体例としてはスポンジ、フェルト等が挙
げられるが、これに限定されるものではない。本例にお
いて、給紙ユニット1から給送された転写紙10は、液
22を表面及び内部に保持した塗布ローラ対207によ
って挟持されながら搬送され、このとき転写紙10の両
面には液22が塗布される。なお、塗布ローラ対207
の一方をセルの大きいスポンジ、成いは柔らかいフェル
トで構成すれば、塗布ローラ対のニップ部とその他部と
に圧力差が生じ、液22の浸透力が増すので、処理スピ
ードの向上を図ることができるようになる。また、本例
では転写紙10両面への同時塗布処理が可能な構成とな
っているが、片面のみへの塗布処理だけを行う場合に
は、例えば図9の下の塗布ローラ207をそのまま採用
し、上の塗布ローラ207を通常のゴムローラ等で構成
してもかまわない。
【0077】 図10を用いて、転写紙10に液22を塗
布する方式を採用した液付与ユニット2の他の構成例に
ついて説明する。この液付与ユニット2は、転写紙10
の片面(図中の上面)に一定量の液22を塗布するよう
に構成され、液22を所定量満たした液容器201、転
写紙10を挟持しながら搬送する塗布ローラ対207、
塗布ローラ対207の駆動部(不図示)、上の塗布ロー
ラ207の表面に液22が接触するに配置された液溜り
部214、塗布ローラ207の表面の液付着量を規制す
る余剰量除去手段としてのブレード215、液溜り部2
14に液22を供給するための給液パイプ212及びポ
ンプ213等を備えている。本例において、液容器20
1からポンプ213で供給された液22が、いったん液
溜り部214に貯えられ、上の塗布ローラ207の表面
に付着する。該表面への付着量は、ブレード215によ
って一定量に規制され、転写紙10が過度に濡れるのを
防止している。給紙ユニット1から給送された転写紙1
0は、塗布ローラ対207によって挟持されながら搬送
され、転写紙10の表面に液22が塗布される。なお、
本例では、塗布ローラ17に対向するローラ18をスポ
ンジ等の気泡を含んだ材質で形成することにより、両ロ
ーラのニップ部とその他部との圧力差を利用して、液2
2の転写紙10への浸透力を高めることができる。ま
た、本例では塗布量を一定に規制する処理面を上面に設
定しているが、該処理面を下面に設定して構成すること
もできる。
【0078】 上記図9又は図10の液付与ユニット2を
用いれば、転写紙10にトナーの付着力を低下させる必
要最小限の液22を付与することができるので、後の乾
燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙10の吸湿
による伸縮が少なくて済むため、転写紙10の波打ち、
しわ等の発生を抑えることができる。また、この種の液
付与ユニット2においても、上記制御部で液容器201
内の液22の残量表示等の液量制御や、処理回数に応じ
た液補給等の液濃度制御等を行うことにより、転写紙1
0へ付与する液量等を所定量に維持できるようになる。
【0079】 図11を用いて、塗布ローラ207対の加
圧力を調整する加圧力調整装置を備えた液付与ユニット
2について説明する。この液付与ユニット2は、図11
(a)に示すように、搬送されてきた転写紙10の先端
を検知する用紙先端センサ234、上側の塗布ローラ2
07をもう一方の塗布ローラ207へ加圧するように付
勢するバネ等の付勢部材235、上側の塗布ローラ20
7の回転軸に固着された可動軸受236、可動軸受23
6を介して上側の塗布ローラ207の下側の塗布ローラ
207への加圧を解除するための加圧解除ソレノイド2
37、制御部(図11(a)では不図示)等を備えてい
る。上記用紙先端センサ234としては、フィラー付き
のフォトセンサなどを用いることができる。
【0080】 本例においては、図11 (b)に示すよ
うに、まず装置の駆動が開始されると、給紙ユニット1
からの転写紙10が搬送ローラ209で搬送されてくる
と、その転写紙10の先端が用紙先端センサ234で検
知され、その検知信号が制御部のパラレルインターフェ
イス908を介してCPU904に送られる(ステップ
1及び2)。そして、制御部のCPU904からソレノ
イド237の駆動部(不図示)にドライバ910を介し
て加圧解除の信号が送られ、ソレノイド237がONに
なるとその可動部が引かれ、可動軸受236を介して、
塗布ローラ207対の加圧が解除される(ステップ
4)。そして、制御部のRAM919に予め記憶されて
いる設定時間が経過した時点で、制御部からソレノイド
237の駆動部に加圧開始信号が送られて、ソレノイド
237がOFFになると、上側の塗布ローラ207は付
勢部材235で下側のローラに接触するように付勢され
る(ステップ5)。上記設定時間は、転写紙10の先端
の未処理幅、塗布ローラ207対の挾持部での線速等に
基づいて決められている。
【0081】 本例の液付与ユニット2を用いて転写紙1
0への液22の付与処理を行うことにより、転写紙10
の先端から所定幅だけ液22が付与されず、該先端部の
濡れを抑えることができるので、次の剥離工程で転写紙
10と剥離部材である剥離ローラ表面との離型性が改善
され、転写紙10の剥離ローラからの分離を容易に行う
ことができるようになる。
【0082】 また、上記図11の液付与ユニット2で、
転写紙10の所定幅の先端部に対する塗布ローラ207
の加圧力を大きくするように制御すれば、転写紙10の
所定幅の先端部への液22の付与量が増加し、転写紙1
0の該先端部を液22で過度に濡らすことができるの
で、次の工程で水ぬれ吸着分離方式を採用することがで
き、転写紙10の分離手段を簡単な構成にすることがで
きるようになる。
【0083】 図12を用いて、転写紙10に液22を噴
霧する方式を採用した液付与ユニット2の構成例につい
て説明する。この液付与ユニット2は、液22を所定量
満たした液容器201、液22を噴霧するノズル21
6、ノズル216まで液を供給する給液パイプ212及
びポンプ213、搬送ローラ対209、絞りローラ対2
04、液22の飛散を抑える液遮蔽板217等を備えて
いる。本例において、給紙ユニット1から給送された転
写紙10の処理面に、ノズル216からの噴霧によって
液22が塗布される。この噴霧による塗布の際に、液2
2が処理面に過剰に与えられることが多くが、この余分
な液22は下流側に設けられた絞りローラ対204で除
去される。本例では、絞りローラ対204によって転写
紙10にトナーの付着力を低下させる必要最小限の液2
2を付与することができるので、後の乾燥工程での熱量
が少なくて済み、更に転写紙10の吸湿による伸縮が少
なくて済むため、転写紙10の波打ち、しわ等の発生を
抑えることができる。なお、本例では処理面を下面に設
定しているが、上面若しくは両面に設定してもよい。ま
た、本例に係る液付与ユニット2において、ポンプ21
3の噴出量、ノズル216の出射口径等を可変できるよ
うに構成し、上記制御部からの信号に応じて液22の噴
霧量を変化させてもよい。
【0084】 図13及び図14を用いて、ポンプ213
の噴出量、ノズル216の出射口径等を可変できるよう
に構成され、上記制御部からの信号に応じて液22の噴
霧量を変化させる液付与ユニット2の構成例について説
明する。ここでは、該液付与ユニット2と組み合わせて
用いるとより効果的なトナー剥離ユニット3の構成例に
ついても合わせて説明する。
【0085】 本例に係る液付与ユニット2は、液22を
収容した液容器201、給液パイプ212、ポンプ21
3、ノズル216等からなる液噴霧装置、搬送ガイド板
221、給紙ユニット1から搬送されてきた転写紙10
先端を検知するための用紙先端センサ234等を備えて
いる。この用紙先端センサ234としては、例えば、透
過型、反射型、又はフィラー付きのフォトセンサを用い
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0086】 また、本例に係るトナー剥離ユニット3
は、剥離ローラ203、加熱ランプ201を内蔵したバ
ックアップローラ308、回動軸303aを中心に回動
自在の分離手段としての分離爪303、分離爪303を
その分離部先端が剥離ローラ302表面に接触するよう
に付勢するバネ等の付勢部材324、分離爪303をそ
の分離部先端が剥離ローラ302表面から離間するよう
に駆動するソレノイド329及びその駆動部等を備えて
いる。トナーの除去処理を行っていないときには、分離
爪303の分離部先端は、剥離ローラ302表面を損傷
しないように、また剥離ローラ302表面の付着トナー
を削り落さないように、ソレノイド329で離間させて
いるが、分離時には、ソレノイド329をOFFするこ
とにより、弾性部材324の付勢力で剥離ローラ302
表面に軽く、例えば0.1〜10gfで当接させる。ま
た、本例では、上記制御部(図4参照)を用いて、上記
用紙先端センサ234、ソレノイド329などを制御す
る。
【0087】 本例においては、図14のタイミングチャ
ートに示すように、給紙ユニット1から搬送されてきた
転写紙10先端を用紙先端センサ234で検知し、その
検知した後所定時間tだけ遅らせて、ポンプ213を
ONしてノズル216から液22を転写紙10側に向け
て噴射させるように制御部で制御する。これにより、転
写紙10の先端から数mm(好ましくは、2〜10m
m)だけ液22を付与しない領域を設ける。
【0088】 本例の液付与ユニット2を用いて転写紙1
0への液22の付与処理を行うことにより、転写紙10
の先端から所定幅だけ液22が付与されず、該先端部の
濡れを抑えることができるので、次の剥離工程で転写紙
10と剥離部材である剥離ローラ表面との離型性が改善
され、転写紙10自身の腰により、転写紙10の先端を
剥離ローラ203表面から容易に分離することができる
ようになる。
【0089】 更に、図14のタイミングチャートに示す
ように、転写紙1先端を検知した後所定時間t経過す
る直前にソレノイド329をONするように制御部で制
御し、弾性部材324の付勢力によって分離爪303の
分離部先端を剥離ローラ302表面に当接させ、転写紙
10の腰による分離に加えて、機械的に転写紙10先端
を剥離ローラ302表面から分離させる。これにより、
転写紙10先端を剥離ローラ302表面からより確実に
分離することができるようになる。この分離爪303に
よる分離は、上記の転写紙10先端部に液22の未付与
領域を設ける方法と組み合わせるとより効果的である。
【0090】 なお、本例においては、転写紙10の先端
部に対して、ポンプ213の噴出量を減少、又はノズル
216の出射口径を小さくするように制御してもよい。
この場合には、液22の噴霧量が少なくなり、該先端部
の濡れを抑えることができるので、次の剥離工程で転写
紙10と剥離部材である剥離ローラ表面との離型性が改
善され、転写紙10の剥離ローラからの分離を容易に行
うことができるようになる。
【0091】 また、本例においては、転写紙10の先端
部に対して、ポンプ213の噴出量を増加、又はノズル
216の出射口径を大きくするように制御してもよい。
この場合には、液22の噴霧量が多くなり、該先端部を
過度に濡らすことができるので、次の工程で水ぬれ吸着
分離方式を採用することができ、転写紙10の分離手段
を簡単な構成にすることができるようになる。
【0092】 図15を用いて、液22を霧状にして転写
紙10に付与する方式を採用した液付与ユニット2の構
成例について説明する。この液付与ユニット2は、液2
2を所定量満たした液容器201、霧化装置218、霧
状の液22aを液体に戻す復水部219、液22を噴霧
するノズル216、ノズル216まで液を供給する給液
パイプ212及びポンプ213、搬送ローラ対209、
絞りローラ対204等を備えている。ここで、霧化装置
218としては、例えば超音波振動子、加熱ヒータ等を
用いることができるが、これに限定されるものではな
い。本例において、液容器201中の液22が霧化装置
218によって霧状にされ、給紙ユニット1から給送さ
れた転写紙10は、液容器201上を浮遊する霧状の液
22a中を搬送ローラ対209によって搬送される。こ
のとき、該霧状の液22aが転写紙10の表面に付着す
ることにより、液22が転写紙10に付与される。な
お、霧状の液22aは復水部219で再び液化し、再度
使用される。
【0093】 図16を用いて、フェルトブレード220
を用いた液付与ユニット2の構成例について説明する。
この液付与ユニット2は、一部を液容器201に浸した
フェルトブレード220、搬送ガイド板221、搬送ロ
ーラ対209、絞りローラ対204等を備えている。本
例において、給紙ユニット1から給送された転写紙10
は、搬送ローラ対209によって搬送ガイド板221間
に送り出され、液22を十分に含んだフェルトブレード
220に接触し、液22が転写紙10上に塗布される。
転写紙10上の余分な液22は、下流側の絞りローラ対
204で除去される。本例では、絞りローラ対204に
よって転写紙10にトナーの付着力を低下させる必要最
小限の液22を付与することができるので、後の乾燥工
程での熱量が少なくて済み、更に転写紙10の吸湿によ
る伸縮が少なくて済むため、転写紙10の波打ち、しわ
等の発生を抑えることができる。
【0094】 図17を用いて、ジェットノズルによって
液22を付与する方式を採用した液付与ユニット2の構
成例について説明する。この液付与ユニット2は、転写
紙10の進行方向に直交してジェットノズルが複数設け
られたジェットノズルヘッド223、転写紙10上の画
像を読みとるイメージセンサ(不図示)等を備えてい
る。本例において、給紙ユニット1から給送された転写
紙10上の画像領域10aに、ジェットノズルヘッド2
23で液22を噴射する。また、転写紙10上の画像を
イメージセンサで読み取り、その画像領域に応じて液2
2の噴射の有無を制御する。ここで、読み取り・噴射の
位置精度はあまり細かく設定する必要はなく、画像より
大きな領域に液22が付与できればよい。例えば、プリ
ンター等に用いられるインクジェット印字では1インチ
あたり200〜400ドットの精度が一般的であるが、
本例では数センチ単位の分割精度で十分である。但し、
読みとり・噴射位置の制御を高精度に制御すること、読
取り部を設けずに全面に処理を行なうことはもちろん構
わない。
【0095】 また、本例に係る液付与ユニット2を用い
れば、ジェットノズルヘッド223からの噴射量を制御
することにより、転写紙10にトナーの付着力を低下さ
せる必要最小限の液22を付与することができるので、
後の乾燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙10
の吸湿による伸縮が少なくて済むため、転写紙10の波
打ち、しわ等の発生を抑えることができる。
【0096】 また、上記制御部からの信号に応じてジェ
ットノズルヘッド223からの噴射量を変化させてもよ
い。例えば、転写紙10の先端に対して、ジェットノズ
ルからの噴射量を少なくすれば、転写紙10の先端の所
定の幅に液22が塗布されずにぬれないので、次の剥離
工程で転写紙10と剥離部材である剥離ローラ表面との
離型性が改善され、分離が容易に行われるようになる。
また例えば、転写紙10の先端に対して、ジェットノズ
ルからの噴射量を多くすれば、転写紙10の先端だけ過
度に液22が付与されてぬれるので、次の工程で水ぬれ
吸着分離方式を採用することができ、分離工程を簡単な
構成にすることができる。
【0097】 図18を用いて、転写紙10上の消去した
い画像領域を指定し、その指定結果に基づいてジェット
ノズルによる液22の付与処理を制御する液付与ユニッ
ト2の構成例について説明する。この液付与ユニット2
は、転写紙10の進行方向に直交してジェットノズルが
複数設けられたジェットノズルヘッド223等を備えて
いる。また、転写紙10上の消去したい画像領域を指定
する像消去領域指定手段としてデジタイザ244を備え
ている。また、デジタイザ244による像消去領域指定
結果に基づいて転写紙10への液22の付与処理を制御
する制御手段として、上記図4の制御部9、及び液付与
ユニット2に搬送される転写紙10の先端を検知する用
紙先端センサ234を備えている。用紙先端センサ23
4としては、反射型、透過型、フィラー付きのフォトセ
ンサ等を用いることができる
【0098】 上記デジタイザ244で読み取られた転写
紙10上の消去したい画像の座標データは、図4のA/
Dコンバータ918を介してRAM919に一旦記憶さ
れる。また、上記用紙先端センサ234からのデータは
パラレルインターフェース908を介してCPU904
に入力される。
【0099】 図19のフローチャートを用いて、本例に
係るジェットノズルヘッド223の駆動制御について説
明する。オペレータが操作部(不図示)により部分消去
モードを選択すると、まず、被処理用紙である転写紙1
0をデジタイザ244上に置き、画像を消去したい領域
の座標を制御部9に入力することによって、像消去領域
を指定する(ステップ1〜3)。上記像消去領域は1個
所だけ指定してもいいが、2個所以上指定してもよい。
像消去領域指定が終了したら、転写紙10を給紙ユニッ
ト1の、例えば手差し給紙部にセットし、スタートボタ
ンを押して液付与動作を開始させる(ステップ4)。こ
の液付与動作において、制御部9のRAM919に記憶
されている像消去領域の座標データに基づき、ジェット
ノズルヘッド223の各ノズルからの液噴射を制御す
る。例えば、図18に示すように、転写紙10の画像1
0aの形成領域を像消去領域に指定した場合には、該像
消去領域に対向しているジェットノズルのみから液噴射
を行うように制御する。ここで、給紙ユニット1から搬
送された転写紙10の先端を用紙先端センサ234によ
って検知し、その検知データ及び転写紙10の搬送速度
の設定データに基づいて、液付与処理開始のタイミング
と、ジェットノズルヘッド223に転写紙10の先端が
対向するタイミングとを同期させる。
【0100】 一方、上記ステップ1において、オペレー
タが操作部により部分消去モードを選択しない場合に
は、通常の液付与処理、即ち転写紙10の全面へ液22
を付与する処理工程が実行される。
【0101】 本例によれば、上記デジタイザ244によ
って、転写紙10上のトナーを取り除く像消去領域を指
定し、上記制御部9によって、該像消去領域のみに液2
2を付与するようにジェットノズルヘッド223を制御
することにより、転写紙10の該像消去領域の表面とト
ナーとの間の付着状態を確実に不安定状態にすることが
できるので、次の剥離工程で該像消去領域のみからトナ
ーを確実に取り除くことができるようになる。したがっ
て、従来修正液等でしか行えなかったような、指定した
部分からのトナーの除去を容易に行うことできるように
なる。特に、固定フォーマットを有する画像の場合に、
固定フォーマットの部分はそのまま残し、変動する画像
領域からのみトナーを除去して転写紙10を繰り返し再
利用することができるようになる。
【0102】 なお、本例では、指定した領域内の画像を
消去するように制御しているが、上記部分消去モードを
選択した後、領域内消去モード又は領域外消去モードの
いずれかを選択できるように構成してもよい。また、本
例では、像消去領域指定手段としてデジタイザ244を
用いているが、これに代え、転写紙10上の画像をスキ
ャナーなどで読み取り、読み込んだ画像をCRT等の表
示装置上に表示させ、該表示装置上で消去したい画像の
領域を指定するように構成してもよい。
【0103】 図20及び図21を用いて、転写紙10上
の画像領域を検知し、その検知結果に基づいてジェット
ノズルによる液22の付与処理を制御する液付与ユニッ
ト2の構成例について説明する。図20は本例に係る液
付与ユニット2の概略構成図であり、図21はジェット
ノズルヘッド223を用いた同液付与ユニット2の概略
構成図である。この液付与ユニット2は、転写紙10の
進行方向に直交してジェットノズルが複数設けられたジ
ェットノズルヘッド223、搬送ローラ対209a,b
等を備えている。また、転写紙10上の画像領域を検知
する像領域検知手段として画像検知センサ245を備え
ている。画像検知センサ245の検知面との対向する位
置には、センサ245との間に転写紙10を挾持搬送す
る対向ローラ225が配設されている。また、画像検知
センサ245による検知結果に基づいて転写紙10への
液22の付与処理を制御する制御手段として、上記制御
部9、及び液付与ユニット2に搬送される転写紙10の
先端を検知する用紙先端センサ234を備えている。
【0104】 上記画像検知センサ245としては、CC
Dラインセンサ等のイメージセンサを用いることができ
る。この場合、CCDラインセンサは、転写紙10の幅
と略同じか、それ以上の長さが必要である。また、縮小
光学系を用いて、CCDラインセンサを小型化すること
もできる。但し、解像度は変わらない。また、上記用紙
先端センサ234としては、反射型、透過型、フィラー
付きのフォトセンサ等を用いることができる。
【0105】 上記液付与ユニット2において、オペレー
タが操作部(不図示)により部分消去モードを選択する
と、まず、給紙ユニット1から給送された転写紙10
は、対向ローラ225によって搬送されながら、画像検
知センサ245で画像が読み取られる。その画像データ
の一部若しくは全部は、図4のA/Dコンバータ918
を介してRAM919に一旦記憶される。そして、転写
紙10の先端を用紙先端センサ234で検知し、この検
知時から所定の時間が経過した後に、ジェットノズルヘ
ッド223による転写紙10への液22の付与処理を開
始するように制御する。該所定の時間は、転写紙10の
搬送速度、及び用紙先端センサ234とジェットノズル
ヘッド223の液噴射位置との間の距離から求められ
る。また、用紙先端センサ234で転写紙10の先端を
検知した後、搬送ローラ対209aの駆動を一且停止さ
せ、転写紙10の先端を揃え、制御部9からの再スター
ト信号により転写紙10をジェットノズルヘッド223
側に搬送して、液付与処理開始のタイミングと、ジェッ
トノズルヘッド223に転写紙10の先端が対向するタ
イミングとを精度よく同期させるように制御することも
できる。
【0106】 転写紙10への液付与動作においては、制
御部9のRAM919に記憶されている画像データに基
づき、ジェットノズルヘッド223の各ノズルからの液
噴射が制御される。例えば、図21に示すように、転写
紙10の画像10aに対向しているジェットノズルのみ
から液噴射を行うように制御される。ここで、画像領域
の読み取り・噴射の位置精度はあまり細かく設定する必
要はなく、画像より大きな領域に液22が付与できれば
よい。例えば、プリンター等に用いられるインクジェッ
ト印字では1インチあたり200〜400ドットの精度
が一般的であるが、本実施例では数mm〜数cm単位の
分割精度で十分である。但し、読みとり・噴射位置の制
御を高精度に制御することはもちろん構わない。
【0107】 一方、オペレータが操作部により部分消去
モードを選択しない場合には、通常の液付与処理、即ち
転写紙10の全面へ液22を付与する液付与処理が実行
される。
【0108】 本例によれば、画像検知センサ245によ
って、転写紙10上のトナーが付着している画像領域を
検知し、上記制御部9によって、該画像領域のみに液2
2を付与する。これにより、該画像領域の表面とトナー
との間の付着状態を確実に不安定状態にすることができ
るので、次の剥離工程で該画像領域からトナーを確実に
取り除くことができるようになる。また、画像領域のみ
に液22を付与することができるので、液22の消費量
を減少させることができ、その後の乾燥工程における処
理時間の短縮及び省電力化を図ることができるようにな
る。また、転写紙10へ付与する水等の液体成分が少な
くて済むため、転写紙10のシワ、波打ち等の発生を抑
えることができるようになる。
【0109】 なお、本例では、液付与ユニット2にジェ
ットノズルヘッド223を用いているが、これに代え、
加圧力を可変できる液塗布ローラ対や、液噴霧量を可変
できる噴霧ノズル等を用いてもよい。また、転写紙10
の搬送方向に直交する方向に液を保持する溝を有し、該
溝に接するように搬送されてきた転写紙10への該溝内
の液を選択的に付与できるような処理ヘッド等を用いて
もよい。また、液22を付与する領域は、上記画像検知
センサ245で検知した画像領域の全面でもよいが、該
画像領域の一部のみに液22を付与するように制御して
もよい。また、搬送される転写紙10の先端部は通常白
抜けになっているので、該先端部には液22が付与され
ず、液22で濡れない。該先端部が白抜けになっていな
い場合には、該先端部に液22を付与しないように制御
してもよい。このように転写紙10の先端部の濡れを抑
えることにより、剥離工程等の後処理工程で、転写紙1
0の処理部材からの分離がしやすくなる。
【0110】 図22(a),(b)を用いて、処理ヘッ
ド224内の液22を転写紙10に直接接触させて液2
2を付与する方式を採用した液付与ユニット2の構成例
について説明する。この液付与ユニット2は、中空であ
って、転写紙10の搬送方向に直交する方向に細長い開
口部224aが形成された処理ヘッド224(図22
(b)参照)、処理ヘッド224と転写紙10を介して
対向する位置に配置した対向ローラ225、液22を所
定量満たした液容器201、処理ヘッド224に液22
を供給するための給液パイプ212及びポンプ213、
搬送ローラ対209、絞りローラ対204、搬送ガイド
板221、各ローラの駆動部(不図示)等を備えてい
る。本例において、給紙ユニット1から給送された転写
紙10は、処理ヘッド224と対向ローラ225との間
に挾持されながら搬送される。このとき、処理ヘッド2
24の開口部224aの液22が、転写紙10の下面に
直接接触することにより、液22が転写紙に付与され
る。転写紙10上の余分な液22は、下流側の絞りロー
ラ対204で除去される。本例では、絞りローラ対20
4によって転写紙10にトナーの付着力を低下させる必
要最小限の液22を付与することができるので、後の乾
燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙10の吸湿
による伸縮が少なくて済むため、転写紙10の波打ち、
しわ等の発生を抑えることができる。
【0111】 また、本例においては、処理ヘッド224
の液面が転写紙10と密着しているため、処理ヘッド2
24からの液22の蒸発を防止することができる。ま
た、図23に示すように、液容器201に蓋243を設
けて密閉型にすることもできる。この場合には、液容器
201からの液22の蒸発を防止することができる。
【0112】 図24(a)乃至(c)を用いて、転写紙
搬送方向に移動可能な処理ヘッド224について説明す
る。処理ヘッド224、及びその開口部224aに対向
する対向ローラ225はともに、搬送ローラ209a,
209b間で移動自在に構成され、処理ヘッド224及
び対向ローラ225の駆動装置が設けられている。ま
ず、図24(a)に示すように、給紙カセット1から搬
送ローラ209a等によって搬送されてきた転写紙10
は、液22の供給がOFFにされた処理ヘッド224
と、回転している対向ローラ25との間に挾持される。
転写紙10の先端を挾持したところで、対向ローラ22
5の回転は一旦停止するように上記制御部で制御する。
この一旦停止のタイミングは、搬送ローラ209aの上
流側に設けられて用紙先端センサ(不図示)や、処理ヘ
ッド224又は対向ローラ225に設けられた用紙セン
サ(不図示)等に基づいて制御することができる。そし
て、図24(b)に示すように、処理ヘッド224と対
向ローラ225は、転写紙10の先端を挾持したまま搬
送ローラ209b側に移動する。そして、処理ヘッド2
24及び対向ローラ225は、搬送ローラ209b手前
の所定位置に到達すると移動を停止し、搬送ローラ20
9bが転写紙10を挾持できるように、対向ローラ22
5の回転を開始する。そして、図24(c)に示すよう
に、転写紙10が搬送ローラ209bに挾持された後、
ポンプ213をONして処理ヘッド224への液22の
供給を開始する。処理ヘッド224への液22の供給
は、対向ローラ225の駆動開始から所定時間経過した
時点で開始するように制御してもよい。転写紙10の搬
送及び液付与が完了したら、処理ヘッド224及び対向
ローラ225をOFFして、搬送ローラ209a側の元
の所定位置まで戻し、次の転写紙10が搬送されてくる
のを待つ。
【0113】 このような動作を行うことにより、転写紙
10の先端に液22が付与されない未処理領域を形成す
ることができるので、次の剥離工程で転写紙10と剥離
部材である剥離ローラ表面との離型性が改善され、分離
が容易に行われるようになる。
【0114】 また、図24において、転写紙10を搬送
ローラ209bが挾持した後、処理ヘッド224及び対
向ローラを、液22が付与された転写紙10表面を擦る
ように移動(例えば、搬送ローラ間を往復動)させれ
ば、処理ヘッド224等が液22を含浸した転写紙10
表面を擦ることにより、転写紙10内の空気泡が除去さ
れ、毛細管効果などによって、液22をより効率的かつ
確実に転写紙10に浸透させることができるようにな
る。
【0115】 図25乃至図27を用いて、転写紙10に
接触する溝に液22を高速で流す処理ヘッド238を用
いた液付与ユニット2について説明する。この液付与ユ
ニット2の処理ヘッド238は、図25(a)及び
(b)に示すように、転写紙10が接する側に、転写紙
10の搬送方向に直交する方向の2本の溝238aが形
成されている。また、液22の液循環手段として、給液
パイプ212及びポンプ213が設けられている。ま
た、給液パイプ212の途中には、液22を浄化するた
めのフィルタ229が設けられている。液容器201内
の液22は、ポンプ213によって、給液パイプ212
を通って処理ヘッド238の溝238aの一方の端部へ
供給される。液22は溝238a内を高速に移動し、も
う一方の溝238aの端部から液容器201に戻されて
循環する。また、処理ヘッド238の転写紙搬送方向の
両側面部には、搬送手段としての搬送ローラ209が設
けられている。
【0116】 本例においては、転写紙10が接している
処理ヘッド238の溝238a内を液22が高速に移動
しているので、溝238a内において液22の流れ方向
と直交する方向に負圧が発生し、転写紙10が溝238
a内の液22に密着する。これにより、液22が転写紙
10に塗布される。このとき、転写紙10と液22が直
接接触し、かつ、液22が高速で移動しているため、転
写紙10の表面の空気泡が除去され、液22を毛細管効
果によって、効率的かつ確実に転写紙10に浸透させる
ことができるようになる。
【0117】 また、処理ヘッド238上の転写紙10は
溝238aに密着しているので、転写紙10が溝238
aの蓋となり、液22の蒸発損失を防止することができ
る。また、液容器201を密閉することにより、液22
の蒸発を更に防止することができ、更に液22を給液パ
イプ212を通し、フィルタ229及びポンプ213を
介して循環させているので、常に清浄な液22を処理ヘ
ッド238の溝238aに供給することができる。
【0118】 図26は、図25の液付与ユニット2の変
形例であり、処理ヘッド238上の溝238aのない領
域に搬送ベルトが設けられている。この搬送ベルトは、
二つのローラによって張架され、搬送ローラ209及び
処理ヘッド238上面の間に転写紙10を挾持するよう
に配置されている。これにより、処理ヘッド238上を
転写紙10が確実に搬送されるようになる。
【0119】 また、図27に示すように、処理ヘッド2
38の溝238aの転写紙搬送方向(図中の矢印方向)
における下流側の内側面238bを、斜めに形成するこ
とにより、転写紙10の先端が溝238a内に落ちた場
合でも、転写紙10が折れることなく、溝238a内か
ら出てくるようになるので、更に、処理ヘッド238上
を転写紙10が確実に搬送されるようになる。
【0120】 図28を用いて、転写紙10の全面に対し
て液付与処理可能な、処理ヘッド238を有する液付与
ユニット2の動作について説明する。ここで、搬送ロー
ラ209、ポンプ213、第1及び第2搬送路切り換え
爪239,241の駆動部(不図示)、用紙先端センサ
242等は、上記図4の制御部によって制御される。ま
た、処理ヘッド238の搬送方向下流側の溝238aの
中心位置と搬送ローラ209eの中心位置との間の距離
は、最小サイズの転写紙1の搬送方向長さの半分以下に
設定する。また、第1及び第2搬送路切り換え爪23
9,241は実線の位置に設定されている。
【0121】 まず、転写紙10を搬送ローラ209c,
209dによって処理ヘッド238上に搬送する。この
とき、処理ヘッド238はOFFにしておく。ONにし
ておくと、処理ヘッド238の溝238a内の負圧によ
って転写紙10の先端が溝238a内に落ち、折れてし
まう恐れがあるためである。その後、転写紙10の先端
が、処理ヘッド238を通り越し、用紙先後端センサ2
42で検知される。このとき、転写紙10が搬送ローラ
209eに挾持されたことになり、転写紙10の搬送が
可能となるため、処理ヘッド238をONして液付与処
理を開始する。
【0122】 そして、用紙先後端センサ242が転写紙
10の後端を検知したとき、処理ヘッド238を一旦O
FFする(但し、いつの時点でOFFしてもよく、例え
ば、転写紙10が反転搬送路240の通過を確認してO
FFするように制御してもよい)。そして、転写紙10
の後端の検知後、所定時間経過したところで、搬送ロー
ラ対209fを逆転させるとともに、第1搬送路切り換
え爪239を2点鎖線の位置に切り換える。これによ
り、転写紙10は反転搬送路240を通過し、搬送ロー
ラg,h,iによって搬送され、搬送ローラ対209d
に転写紙10を挾持させる。このとき、第2搬送路切り
換え爪241は、2点鎖線に位置に切り換えておく。
【0123】 そして、転写紙10の先端が用紙先後端セ
ンサ242で検知された時点で、処理ヘッド238がO
Nされ、上記液付与工程ではぬれていない部分に液22
が付与される。この後、第1搬送路切り換え爪239は
元の実線の位置に戻され、搬送ローラ209fを正転さ
せて、転写紙10を次の処理工程(剥離工程、乾燥工程
等)に送られる。なお、処理ヘッド238は、転写紙1
0の後端を用紙先後端センサ242で検知した時点でO
FFにする。以上、本例によれば、転写紙10の全面に
液22を確実に付与することができるようになる。
【0124】 なお、上記図22乃至図28の処理ヘッド
224,238を用いた液付与ユニット2は、搬送手段
として転写紙10を表面に保持して搬送する大径の回転
体(紙保持ドラム)を備えたトナー除去装置にも適用す
ることができる。この構成の場合には、処理ヘッド22
4,238の溝が紙保持ドラムの表面に接するように処
理ヘッド224,238を配置する。紙保持ドラム上の
転写紙は、処理ヘッド224,238との間に挾持され
て、その処理ヘッドの溝内の処理液に接触しながら搬送
され、処理液が付与される。
【0125】 図29を用いて、転写紙10の圧縮手段を
備えた液付与ユニット2の構成例について説明する。本
例に係る液付与ユニット2は、上記圧縮手段として、転
写紙10を挾持し、所定の圧縮力で圧縮する塗布・圧縮
ローラ対228を用いている。この塗布・圧縮ローラ対
228は、上記図5のトナー除去装置において、給紙ユ
ニット1からの転写紙10が下から上に進行するように
配置され、矢印方向に図示しない駆動部によって駆動さ
れる。
【0126】 また、この液付与ユニット2は、塗布・圧
縮ローラ対228による圧縮から解除されつつある転写
紙10の両面に液22が接触するように設けられた液溜
り部214、及び液溜り部214に必要に応じて液22
を供給する2組の液供給装置208等を備えている。こ
の液溜り部214の液保持板214aの下端部は、塗布
・圧縮ローラ対228の表面に摺擦するように構成され
ている。なお、該下端部は、塗布・圧縮ローラ対228
に損傷を与えないような材料で構成するのが望ましい。
また、本例では転写紙10の両面でそれぞれ独立の液溜
りを形成するように構成しているが、転写紙10の両面
の各液溜りが連通するように構成してもよい。
【0127】上 記2組の液供給装置208は、それぞれ
液容器201、給液パイプ212、ポンプ213、液浄
化手段としてのフィルタ229等により構成されてい
る。各液容器201の塗布・圧縮ローラ対228側の上
端部には、塗布・圧縮ローラ対228の表面に付着して
いる残存液を除去する液除去ブレード229が設けられ
ている。転写紙10の両面の各液溜りが連通するように
構成されている場合には、1組の液供給装置208を設
けるだけでもよい。
【0128】 また、転写紙10の搬送路には、転写紙1
0をガイドするガイド板(不図示)、及びガイドローラ
対が適宜設けられている。例えば、図29の構成におい
ては、塗布・圧縮ローラ対228の上流側及び下流側に
搬送ローラ対209が設けられている。
【0129】 本例によれば、表面にトナー像が形成され
ている転写紙10が、搬送ローラ対209等にガイドさ
れて、塗布・圧縮ローラ対228の入口まで搬送され
る。塗布・圧縮ローラ対228は、転写紙10を挾持し
て圧縮しながら上方に搬送する。この圧縮により、転写
紙10の微細な空隙内の空気泡等の気体が除去される。
転写紙10は、塗布・圧縮ローラ対228による圧縮位
置を通過した後、その圧縮力が解除されるが、この圧縮
力が解除される部分に液溜り部214内の液22が接触
しているので、圧縮力の解除時に液溜り部214内の液
22が、転写紙10両面の主にトナー像が形成されてい
ない部分から、毛細管効果等によって、転写紙10の内
部の該空隙、及び転写紙10の構成材料である紙繊維
(例えば、セルロース繊維)内に速やかに浸透し、最終
的には、トナー像と紙繊維との界面部まで確実に浸透す
るようになる。ここで、転写紙10上のトナーは一般に
撥水性を有するため、トナー像表面には液22が付着し
にくい。しかしながら、トナー像には顕微鏡で観察する
と空隙が無数存在しているので、液22は毛細管現象等
によってトナー像の表面からも浸透する。
【0130】 以上のように、液22がトナー像と転写紙
10表面の紙繊維との界面部まで確実に浸透することに
より、トナー、紙繊維、又はその両者の特性が変化し、
トナー像と転写紙10の紙繊維との間の付着状態が不安
定状態になるので、トナー像が転写紙10表面から剥離
しやすくなる。
【0131】 次に、液22が浸透した転写紙10は、搬
送ローラ対209を通り、次のトナー剥離ユニット3の
剥離ローラ302(図5参照)間に搬送される。このト
ナー剥離ユニット3では、図2に示すように、剥離部材
302aが転写紙10上のトナーT及び液22と接触
し、剥離部材302aとトナーTとの接着力がトナーT
と転写紙10表面との付着力より大きくなるように構成
されているので、トナーTが転写紙10表面から剥離さ
れる。ここで、剥離部材302aとトナーの付着してい
ない転写紙10表面との間には液22が介在しているこ
とにより、転写紙10表面の紙繊維が剥離部材302a
によって剥離されることはないので、転写紙10表面に
損傷を与えることなく、トナーTのみを剥離することが
できる。このように、損傷を与えることなくトナーTの
みが剥離された転写紙10は、複写機等に再利用でき
る。
【0132】 一方、塗布・圧縮ローラ対228の表面に
付着している残存液は、液除去ブレード229で掻き取
られ、液容器201に溜められた後、ポンプ213で、
フィルタ229を通して、液溜り部214に供給され
る。フィルタ229を通過させることにより、常に洗浄
な処理液を液溜り部214に供給することができるよう
になり、結果として、ゴミ、不純物等の含まれない液2
2を転写紙10に付与し、トナーTと転写紙10表面の
紙繊維との界面部まで更に効率的かつ確実に浸透させる
ことができるようになる。
【0133】 なお、本例における上記塗布・圧縮ローラ
対228の圧縮力は、圧縮ローラ間の接触位置から液2
2が漏れないように設定したほうが好ましい。具体的に
は、該圧縮力を少なくとも塗布・圧縮ローラ対228上
の液22の重量以上に設定すれば、圧縮ローラ間の接触
位置から液22が漏れないようになる。
【0134】 ここで、塗布・圧縮ローラ対228上の液
22の重量の概略値Wは、次のように見積もることがで
きる。図30に示すように、液溜りの高さをH(c
m)、塗布・圧縮ローラ対228の半径をR(cm)と
する。また、A4サイズの複写紙を通過させる場合に
は、塗布・圧縮ローラ対228の長さは少なくとも23
cm以上あればよい。さらに、計算を簡略化するため
に、塗布・圧縮ローラ対228上に2R×H×23(c
)の直方体状に液22が存在し、液22の密度を1
g/cmとすると、塗布・圧縮ローラ対228上の液
22の重量の概略値Wは次式より求められる。
【数1】W=46×R×H(g) ここで、例えば、R=5cm、H=5cmとすると、塗
布・圧縮ローラ対228の圧縮力を、おおよそ1.15
kgf以上に設定する必要があることがわかる。
【0135】 図31を用いて、転写紙10の圧縮手段を
備えた液付与ユニット2の他の具体例について説明す
る。本例に係る液付与ユニット2の構成は、基本的には
上記図29と同様であるが、転写紙10を塗布・圧縮ロ
ーラ対228によって圧縮する前に、所定の液である予
備浸漬液23を浸漬によって転写紙10に付与するする
液付与手段としての浸漬装置を設けている点が異なって
いる。この浸漬装置は、予備浸漬液23を溜めておく予
備浸漬液タンク230、転写紙10が予備浸漬液タンク
230内の予備浸漬液23内を通過するように配置され
た搬送ガイド板(不図示)、搬送ローラ対209等によ
って構成されている。ここで、予備浸漬液23として
は、通常の水等を用いることができるが、上記液22を
用いてもよい。
【0136】 本例によれば、トナー像が形成されている
転写紙10が、搬送ローラ対209等にガイドされて、
予備浸漬液タンク230内の予備浸漬液23内を通過す
ることにより、転写紙10が予備浸漬液23でぬらさ
れ、転写紙10は、上記例1と同様に塗布・圧縮ローラ
対228の入口まで搬送される。ここで、転写紙10が
予備浸漬液23でぬらされていることにより、転写紙1
0のいわゆる腰を弱くし、転写紙10を圧縮しやすくす
ることができるので、塗布・圧縮ローラ対228による
転写紙10の微細な空隙内の空気泡等の気体の除去を更
に効率的かつ確実に行うことができる。なお、転写紙1
0を予備浸漬液23でぬらす場合、予備浸漬液23を転
写紙10内に必ずしも充分に浸透させる必要はない。
【0137】 図32を用いて、転写紙10の圧縮手段を
備えた液付与ユニット2の更に他の具体例について説明
する。本例に係る液付与ユニット2の構成は、基本的に
は上記図29と同様であるが、図29が転写紙10を塗
布・圧縮ローラ対228の下方から上方へ搬送している
のに対して、転写紙10を横方向に、図32中では塗布
・圧縮ローラ対228の右方から左方に搬送する構成に
なっている点が異なっている。本例の場合の液溜り部2
14は、塗布・圧縮ローラ対228による圧縮から解除
されつつある転写紙10の両面に液22が接触するよう
に、塗布・圧縮ローラ対228の複写紙搬出部側に設け
られている。この液溜り部214の液保持板214aの
右下端部は、圧縮ローラ3bの表面に摺擦するように構
成され、液22の漏れを防止している。なお、該右下端
部は、圧縮ローラ3bに損傷を与えないような材料で構
成するのが望ましい。
【0138】 本例によれば、トナー像が形成されている
転写紙10が、搬送ローラ対209等にガイドされて、
塗布・圧縮ローラ対228の入口まで搬送される。塗布
・圧縮ローラ対228は、転写紙10を挾持して圧縮し
ながら左方に搬送する。この圧縮により、転写紙10の
微細な空隙内の空気泡等気体が除去される。転写紙10
は、塗布・圧縮ローラ対228による圧縮位置を通過し
た後、その圧縮力が解除されるが、この圧縮力が解除さ
れる部分に液溜り部214内の液22が接触しているの
で、圧縮力の解除時に液溜り部214内の液22が、転
写紙10両面の主にトナー像が形成されていない部分か
ら、毛細管効果等によって転写紙10の内部の該空隙、
及び転写紙10の構成材料である紙繊維(例えば、セル
ロース繊維)内に速やかに浸透し、最終的には、トナー
像と紙繊維との界面部まで確実に浸透するようになる。
このように、液22がトナー像と転写紙10表面の紙繊
維との界面部まで確実に浸透することにより、トナー、
紙繊維、又はその両者の特性が変化し、トナー像と転写
紙10の紙繊維との間の付着状態が不安定状態になるの
で、次のトナー剥離ユニット3で、トナー像が転写紙1
0表面から剥離しやすくなる。
【0139】 図33を用いて、トナー剥離ユニット3に
用いる剥離ドラム226による液付与ユニット2の構成
例について説明する。この液付与ユニット2は、中空で
あって、内部に液22を保持した円筒状の剥離ドラム2
26、剥離ドラム226の駆動部(不図示)、剥離ドラ
ム226の表面に圧接するように配置した対向ローラ2
27、対向ローラ227からの液22を受ける液受け容
器28等を備えている。上記剥離ドラム226の外壁部
は多数の細孔を有し、対向ローラ227はスポンジ等の
気泡を含んだ材質で形成されている。本例において、給
紙ユニット1(図1参照)から給送された転写紙10
は、剥離ドラム226と対向ローラ227に挟持されな
がら搬送され、両ローラのニップ部で剥離ドラム226
の内部の液22が湧き出てきて、転写紙10に液22が
付与されるとともに、転写紙10が剥離ドラム226に
巻き付けられ、次の剥離工程が行われる。なお、対向ロ
ーラ227はスポンジ等の気泡を含んだ材質で形成され
ているので、ニップ部とその他部との圧力差が生じ、剥
離ドラム226中からの液22の湧き出しを補助してい
る。また、剥離ドラム226内部の圧力を高めることに
よって、液22を湧き出させることもできる。
【0140】 以上、本実施例によれば、転写紙10とト
ナーとの間の界面部に処理液20を効率的かつ確実に浸
透させることにより、該界面部の転写紙10、トナー、
又はその両者の特性を変化させ、転写紙10とトナーと
の間の付着力を低下させるなど、その付着状態を確実に
不安定状態にすることができるようになる。したがっ
て、トナーのみを転写紙10から確実に取り除くことが
できるようになる。
【0141】 また、上記絞りローラ204、ブレード2
15等の余剰量除去手段を備えた場合には、転写紙10
にトナーの付着力を低下させる必要最小限の処理液20
を付与することができるので、後の乾燥工程での熱量が
少なくて済み、更に転写紙10の吸湿による伸縮が少な
くて済むため、転写紙10の波打ち、しわ等の発生を抑
えることができる。
【0142】 なお、上記実施例においては、液付与ユニ
ット2、トナー剥離ユニット3、及び乾燥ユニット5を
それぞれ個別に設けたが、液付与ユニット2とトナー剥
離ユニット3を合体させて、液付与ユニット兼トナー剥
離ユニットを構成してもよい。図34乃至図36に、液
付与ユニット兼トナー剥離ユニットの具体例を示す。
【0143】 図34(a)及び(b)を用いて、加圧ロ
ーラ対249a,bを用いた液付与ユニット兼トナー剥
離ユニットの具体例について説明する。図34(a)の
液付与ユニット兼トナー剥離ユニットは、液22(本例
では、上記処理液20のことをいう。以下、後述の図3
5及び図36において同様である。)を所定量満たした
液容器201、下側の加圧ローラが液22に接触するよ
うに配置された1組の液保持体としての加圧ローラ対2
49a,b等を備えている。下側の加圧ローラ249b
の表面には液含浸体(以下、含浸体という)249cが
形成されている。この含浸体249cの材料としては、
スポンジ、フェルト、含水性プラスチック、布、紙、プ
ラスチックフォーム等が挙げられるが、液22を含浸で
きるものであれば、特にその種類は限定されない。上側
の加圧ローラ249aは、加圧機能のみを備えたのも
の、又はび加圧機能と剥離時より低温度程度の加熱機能
とを備えたものが使用される。本例においては、加圧ロ
ーラ対249a,bを回転させながら、そのすき間に転
写紙10を通過させることにより、転写紙10に液22
を含浸させると共に、転写紙10からトナーを剥離して
除去することができる。なお、転写紙10の通過時に、
加圧ローラ対249a,bのすき間を調整することによ
り、加圧の程度を変更することができる。上側の加圧ロ
ーラ249aが加熱機能を有せず、加圧機能のみを有す
るものである場合には、液22を加熱することにより、
より速く液22を転写紙10に含浸させることができ
る。
【0144】 また、図34(b)のように、2組の加圧
ローラ対249a,bを使用することもできる。この場
合には、図34(a)の液付与ユニット兼トナー剥離ユ
ニットに比べて、更に転写紙10への液22の含浸効果
を向上させることができる。なお、各加圧ローラ対24
9a,bは、必ずしも同一の構造である必要はなく、種
々の態様が考えられる。例えば、転写紙の搬送方向の上
流側の加圧ローラ249bとしては非含浸ローラを使用
し、下流側の加圧ローラ249bとしては含浸体を表面
に形成したローラを使用するような例が挙げられる。
【0145】 図35を用いて、ベルト250を用いた液
付与ユニット兼トナー剥離ユニットの具体例について説
明する。本例に係る液付与ユニット兼トナー剥離ユニッ
トは、液22を所定量満たした液容器201、支持ロー
ラ251に掛け渡されたベルト250、ベルト250と
の間に転写紙10を挾んで搬送する加圧ローラ249a
等を備えている。ベルト250の少なくとも表面部は、
上記含浸体249cと同様な材料で構成することができ
る。加圧ローラ249aは、加圧機能のみを備えたのも
の、又はび加圧機能と剥離時より低温度程度の加熱機能
とを備えたものが使用される。本例においては、支持ロ
ーラ251で回転駆動されるベルト250は、液22中
を通過する際に液22を含浸し、転写紙10との接触部
へと移動する。そして、加圧ローラ249a及びベルト
250を回転させながら、そのすき間に転写紙10を通
過させることにより、転写紙10に液22を含浸させる
と共に、転写紙10からトナーを剥離して除去すること
ができる。このようにベルト250を使用することによ
り、含浸体であるベルト249と転写紙10との接触面
積を大きくすることができるので、さらに転写紙10に
液22を効率的かつ確実に付与することができ、画像の
剥離効果を向上させることができる。なお、上記図34
及び図35の加圧ローラ249a及び加圧ローラ249
bの軸芯部は、含浸体で構成していないが、含浸体で構
成しても構わない。
【0146】 図36(a)及び(b)を用いて、液容器
201の液22中に加圧ローラ対249a,a又はベル
ト250を配置した液付与ユニット兼トナー剥離ユニッ
トの具体例を説明する。図36(a)の液付与ユニット
兼トナー剥離ユニットは、加圧ローラ対249a,aを
液容器201の液22に配置し、加圧ローラ対249
a,aによって転写紙10を液22中で挾持搬送するよ
うに構成している。加圧ローラ対249a,aは、加圧
機能のみを備えたのもの、又はび加圧機能と剥離時より
低温度程度の加熱機能とを備えたものが使用される。本
例によれば、液22中で転写紙10を挾持し加圧してい
るので、さらに転写紙10に液22を効率的かつ確実に
付与することができ、画像の剥離効果を向上させること
ができる。なお、加圧ローラ対249a,aは、図34
(b)に示すように複数組設けてもよく、それらは必ず
しも同一の構造である必要はない。
【0147】 図36(b)の液付与ユニット兼トナー剥
離ユニットは、図35のベルト250及び加圧ローラ2
49aを液22中に配置している。本例によれば、液2
2中で転写紙10を挾持し加圧し、かつ、ベルト250
を使用することにより、含浸体であるベルト250と転
写紙10との接触面積を大きくすることができるので、
さらに転写紙10に液22を効率的かつ確実に付与する
ことができ、画像の剥離効果を向上させることができ
る。なお、図36(a)及び(b)の液22中で使用し
ている加圧ローラ249a及びベルト250は含浸体で
あっても非含浸体であっても構わない。
【0148】 以上、図34乃至図36の液付与ユニット
兼トナー剥離ユニットを用いた実施例によれば、加圧ロ
ーラ249a,b、ベルト250等を用いて、転写紙1
0に処理液20を含浸させることにより、トナーと転写
紙10との接着性を非常に弱いものにしてトナーの付着
状態を確実に不安定状態にすることができると共に、転
写紙10からトナーを確実に剥離して取り除くことがで
きる。そして、転写紙10からほとんど紙繊維の除去を
伴うことなく、従って転写紙の紙層を損傷することなく
トナー画像が十分に除去され再生することができるの
で、一度使用した転写紙10を捨てることなく繰り返し
て使用でき、転写紙10の使用量を減少させることがで
きる。
【0149】 なお、上記図34乃至図36の具体例は、
液付与ユニット兼トナー剥離ユニットとして用いた場合
を示しているが、これらのユニットは、前述したように
液付与ユニット2とトナー剥離ユニット3とをそれぞれ
個別に設けた場合の、単独の液付与ユニット2としても
用いることができる。
【0150】 また、上記図34乃至図36の具体例は、
液付与ユニット2及びトナー剥離ユニット3を合体させ
た液付与ユニット兼トナー剥離ユニットの例を示してい
るが、液付与ユニット2及びトナー剥離ユニット3に加
えて、前記乾燥ユニット4を合体させるように構成して
もよい。
【0151】 また、上記図7乃至図36の液付与ユニッ
ト2又は液付与ユニット兼トナー剥離ユニットにおい
て、液22自体に、又は上記液中搬送ローラ202、搬
送ベルト211、塗布ローラ対207、フェルトブレー
ド220等に超音波を印加してもよい。これにより、液
22の転写紙10への浸透速度高めることができるよう
になる。また、液22の温度を処理に適する範囲に保つ
温度制御装置等を設けてもよい。これにより、処理スピ
ードや、処理の確実性の向上を図ることができるように
なる。また、上記各ローラを搬送ベルト等に置き換えて
構成してもよい。
【0152】 また、上記図7乃至図36の液付与ユニッ
ト2又は液付与ユニット兼トナー剥離ユニットにおける
液22の取り扱いに関しては、装置本体を持ち運ぶ際に
液22の飛散、漏れの無いように装置本体の取っ手位置
を工夫することや、液容器201を密閉構造にする等の
対策が必要になってくる場合がある。この対策について
は、従来の湿式複写機、ジアゾ複写機等の技術を応用す
ることが可能である。また、液22を循環して使用する
場合には、その循環経路の一部にゴミ、不純物等を取り
除くフィルタを配置することが望ましい。
【0153】 また、上記図7乃至図36の液付与ユニッ
ト2又は液付与ユニット兼トナー剥離ユニットにおい
て、転写紙10に液22を付与する液付与処理部(以
下、処理部という)へ液22を供給する液供給装置とし
ては、次に示すような装置を用いることもできる。図3
7は、上記液付与ユニット2の処理部200と、密閉型
の液容器201との間で液22を循環させる液循環式の
液供給装置の一構成例である。この液供給装置の液容器
201は上記トナー除去装置本体内に設けられ、液容器
201内の液22は、ポンプ213で汲み上げられて処
理部200に導かれる。液付与処理時の余剰液は、排液
としてフィルタ229でゴミ・不純物が除去され、再び
液容器201内に戻される。液容器201内の液22の
残量が規定量以下になると、装置本体の操作部(不図
示)に液補給サインが表示される。このサインを見たオ
ペレータは、液容器201の液注入口のキャップ201
aを開け、新しい液22が入ったボトル247の蓋24
7aを開けて、ボトル247内の液22を液容器201
内に注入して補給する。
【0154】 図38(a)は、ボトル247から液容器
201内へ液22を自動補給することができる液循環式
の液供給装置の構成例である。液容器201の液注入口
のバルブ248に液22が充填されているボトル247
が取り付けられている。また、図38(b)の拡大図に
示すように、ボトル247内には、圧縮空気等の注入等
によって大気圧より大きな内圧Pがかけられている。上
記図4の制御部9から液補給の信号が液供給装置に送ら
れると、図示しないソレノイドによって、バルブ248
内のピンがボトル247の補給口のコマ247bをボト
ル内側に押し上げられる。このコマ247bの押し上げ
によって液22の補給流路が形成され、ボトル247か
ら液容器201内へ液22が自動的に補給される。この
液供給装置の場合は、ボトル247内に液22が残って
いるうちに、ボトル247をバルブ248から取外した
としても、前述したようにボトル247内に内圧Pがか
かっており、コマ247bがボトル247の補給口の係
止部247cに押し当てられて密閉するので、ボトル2
47からの液22のこぼれは発生しない。
【0155】 図39及び図40は、液22を循環させず
に使い捨てる液使い捨てタイプの液供給装置の構成例で
ある。図39の液供給装置では、ボトル247内の液2
2は、ポンプ213で汲み上げられて処理部200に導
かれる。そして、液付与処理時の余剰液は、排液タンク
249に排出される。
【0156】 また、図40の液供給装置では、上記制御
部9から液供給の信号が液供給装置に送られると、図3
8の場合と同様に液22の流路が形成され、ボトル24
7から処理部200に液22が供給される。そして、液
付与処理時の余剰液は、排液タンク249に排出され
る。このボトル247としては、内圧がかけてあるもの
を用いることもできる。
【0157】 次に、本発明を、電子写真複写機等で画像
を形成することができる、例えば、未使用の転写紙10
に、上記浸透促進液21、処理液20等の液22を付与
する像保持体処理装置としての転写紙処置装置に適用し
た実施例について説明する。この転写紙処理装置は、上
記トナー除去装置の実施例と同様な構成を用いることが
でき、例えば上記図3又は図5のトナー除去装置のトナ
ー剥離ユニット3を取り除き、上記液付与ユニット2
(上記浸透促進液付与ユニット2aと処理液付与装置2
bとを組み合わせたものを含む)から直接乾燥ユニット
4に転写紙10を搬送させるように構成することができ
る。
【0158】 また、図41に示すように、上記トナー除
去装置のトナー剥離ユニット3を迂回するような迂回搬
送路232と、ユーザがトナー付着済み転写紙のトナー
除去モードと未使用転写紙処理モードを切り替えること
ができるモード切換装置(不図示)、該モード切換装置
によって転写紙の搬送路を切り換える搬送路切り換え装
置233とを設け、未使用転写紙処理モードを選択した
場合には、転写紙10がトナー剥離ユニット3を迂回す
る搬送路232を通過するように構成することもでき
る。
【0159】 ここで、転写紙10に付与する液22とし
ては、上記界面活性剤の溶液等の浸透促進液21や、上
記処理液20で純粋な水を除いたもの、即ち、水溶性ポ
リマーを含む水溶液、界面活性剤を含む水溶液、及び水
溶性ポリマーと界面活性剤とを含む水溶液よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の水溶液等を用いることがで
きる。
【0160】 以上、本実施例に係る転写紙処理装置によ
れば、トナーが付着していない未使用の転写紙10に上
記処理液20(例えば、界面活性剤を含む水溶液)を効
率的かつ確実に浸透させることができるので、該転写紙
10上に画像(トナー像)を形成した後、転写紙10上
のトナー像を剥離する場合に、転写紙10の表面とトナ
ーとの付着状態が不安定状態となり、該表面からのトナ
ー像の剥離を従来より確実に行うことができるようにな
る。
【0161】 また、上記絞りローラ204、ブレード2
15等の余剰量除去手段を備えた場合には、転写紙10
にトナーの付着力を低下させる必要最小限の処理液20
を付与することができるので、後の乾燥工程での熱量が
少なくて済み、更に転写紙10の吸湿による伸縮が少な
くて済むため、転写紙10の波打ち、しわ等の発生を抑
えることができる。
【0162】 なお、上記各実施例では、本発明を転写型
の電子写真複写機によって画像が形成された転写紙1
0、又は画像が形成される前の未使用の転写紙10に適
用しているが、ファクシミリ、プリンター、印刷機等の
他の画像形成装置で用いる記録紙等の像保持体にも適用
できる。また、本発明は、繊維質の構造をした像保持体
に限定されることなく、像を形成することができる像保
持体に適用できる。また、本発明が適用できる像保持体
は、例えば、プラスチック層等のベースシートの表面層
が紙等の材料層である積層物等であってもよい。
【0163】
【発明の効果】請求項1乃至3及び請求項10乃至12
の発明によれば、像保持体の表面と像形成物質との間の
付着力を弱めて両者間の付着状態を不安定状態にした状
態で、該像保持体上の像形成物質を剥離部材で剥離除去
できるので、像形成物質のみを像保持体から確実に取り
除くことができるようになるという効果がある。
【0164】 また、像保持体からほとんど紙繊維の除去
を伴うことなく、従って像保持体の紙層を損傷すること
なくトナー画像が十分に除去され再生することができる
ので、一度使用した像保持体を捨てることなく繰り返し
て使用でき、像保持体の使用量を減少させることができ
る。
【0165】 請求項4乃至6、請求項8、及び請求項1
3乃至15の発明によれば、上記不安定化剤供給手段で
供給した不安定化剤により、像保持体の表面と像形成物
質との間の付着力を弱めて両者間の付着状態を不安定状
態にした状態で、剥離手段の剥離部材により該像保持体
上の像形成物質を剥離除去できるので、像形成物質のみ
を像保持体から確実に取り除くことができるようになる
という効果がある。
【0166】請求項7及び9の発明によれば、不安定化
剤供給手段で画像形成前の像保持体 に不安定化剤を供給
することにより、該像保持体に像形成物質からなる画像
を形成した後、該像保持体上の像形成物質を剥離する場
合に、該像保持体の表面と像形成物質との間の付着力を
弱まり両者間の付着状態が不安定状態になるので、該表
面からの像形成物質の剥離を確実に行うことができる。
【0167】 請求項8及び9の発明によれば、上記像保
持体に供給した上記不安定化剤の余剰分を上記余剰量除
去手段で除去することにより、該像保持体に必要最小限
の不安定化剤を付与することができるようになるので、
後の乾燥工程での熱量が少なくて済み、更に像保持体の
吸湿による伸縮が少なくて済むため、像保持体の波打
ち、しわ等の発生を抑えることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はトナーが付着した転写紙表面部の説明図。 (b)は同転写紙と同トナーとの界面部の拡大図。
【図2】転写紙、トナー、処理液、及び剥離部材の接触
状態の説明図。
【図3】実施例に係るトナー除去装置の概略構成図。
【図4】同トナー除去装置の制御部のブロック図。
【図5】同トナー除去装置の変形例に係るトナー除去装
置の概略構成図。
【図6】浸透促進液付与ユニット2aと処理液付与装置
2bを有する液付与ユニットの構成の説明図。
【図7】トナー除去装置の液付与ユニットの概略構成
図。
【図8】変形例に係る液付与ユニットの概略構成図。
【図9】他の変形例に係る液付与ユニットの概略構成
図。
【図10】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図11】 (a)は更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略構
成図。 (b)同液付与ユニットの制御のフローチャート。
【図12】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図13】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図14】同液付与ユニットの制御のタイミングチャー
ト。
【図15】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図16】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図17】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図18】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図19】同液付与ユニットの制御のフローチャート。
【図20】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図21】ジェットノズルヘッドを用いた同液付与ユニ
ットの概略構成図。
【図22】 (a)は更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略構
成図。 (b)は同液付与ユニットの処理ヘッドの斜視図。
【図23】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図24】(a)乃至(c)は同処理ヘッドの動作を示
す説明図。
【図25】 (a)は更に他の変形例に係る液付与ユニットの斜視
図。 (b)は同液付与ユニットの処理ヘッドの断面図。
【図26】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図27】変形例に係る処理ヘッドの断面図。
【図28】処理ヘッドを備えた液付与ユニットの動作の
説明図。
【図29】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図30】同液付与ユニットの液溜り部の処理液の体積
の説明図。
【図31】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図32】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図33】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図34】(a)及び(b)は他の実施例に係る液付与
ユニット兼トナー剥離ユニットの概略構成図。
【図35】変形例に係る液付与ユニット兼トナー剥離ユ
ニットの概略構成図。
【図36】(a)及び(b)は他の変形例に係る液付与
ユニットの概略構成図。
【図37】液付与ユニット及び液付与ユニット兼トナー
剥離ユニットに用いる液供給装置の概略構成図。
【図38】 (a)は変形例に係る液供給装置の概略構成図。 (b)は同液供給装置の液補給口の拡大図。
【図39】他の変形例に係る液供給装置の概略構成図。
【図40】更に他の変形例に係る液供給装置の概略構成
図。
【図41】他の実施例に係る転写紙処理装置の説明図。
【符号の説明】
2 液付与ユニット 3 トナー剥離ユニット 4 乾燥ユニット 10 転写紙 20 処理液 21 浸透促進液 22 液 201 液容器 204 絞りローラ対 207 塗布ローラ対 212 給液パイプ 213 ポンプ 214 液溜り部 215 ブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新宮領 慧 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 倉本 信一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 高橋 貞夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 木村 祥之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 安藤 和弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 斉藤 忠司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平1−95082(JP,A) 特開 平2−111987(JP,A) 特開 平6−27710(JP,A) 特開 平6−19181(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 21/00 570 - 578 G03G 7/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に像形成物質が安定に付着している像
    保持体から、該像形成物質を取り除く像保持体からの像
    形成物質除去方法において、 上記像保持体の表面と上記像形成物質との間の付着力を
    弱めて両者間の付着状態を不安定状態にする不安定化剤
    を、該像保持体と該像形成物質とが接している界面部に
    供給し、 該不安定化剤により弱まった像保持体と像形成物質との
    間の付着力より大きい付着力を該像形成物質に対して発
    揮し得る材料からなる剥離部材を、該像保持体上の像形
    成物質に接着させ、 該像形成物質に接着している該剥離部材と該像保持体と
    を分離する ことを特徴とする像保持体からの像形成物質
    除去方法。
  2. 【請求項2】上記不安定化剤が液であり、 該液 中で、上記像保持体に、上記剥離部材を加圧接着ま
    たは加熱加圧接着することを特徴とする請求項1の像保
    持体からの像形成物質除去方法。
  3. 【請求項3】上記像保持体が、上記を付与した後、乾
    燥したものに画像を形成したものであることを特徴とす
    る請求項の像保持体からの像形成物質除去方法。
  4. 【請求項4】表面に像形成物質が安定に付着している像
    保持体から、該像形成物質を取り除く像保持体からの像
    形成物質除去装置において、上記像保持体の 表面と上記像形成物質との間の付着力を
    弱めて両者間の付着状態を不安定状態にする不安定化剤
    、該像保持体と該像形成物質とが接している界面部に
    供給する不安定化剤供給手段と、 該不安定化剤により弱まった該像保持体と該像形成物質
    との間の付着力より大 きい付着力を該像形成物質に対し
    て発揮し得る材料から成る剥離部材を、該像保持体上の
    像形成物質に接着させ、該像形成物質に接着している該
    剥離部材と該像保持体とを分離する剥離手段と を設けた
    ことを特徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
  5. 【請求項5】表面に像形成物質が安定に付着している像
    保持体から、該像形成物質を取り除く像保持体からの像
    形成物質除去装置において、 像形成物質の、該像保持体の表面に対して安定に付着
    している面積を、該像保持体と該像形成物質との間の付
    力が弱まって両者間の付着状態が不安定状態になる面
    積まで減少させる不安定化剤を、該像保持体と該像形成
    物質とが接している界面部に供給する不安定化剤供給手
    段と、 該不安定化剤により弱まった該像保持体と該像形成物質
    との間の付着力より大きい付着力を該像形成物質に対し
    て発揮し得る材料から成る剥離部材を、該像保持体上の
    像形成物質に接着させ、該像形成物質に接着している該
    剥離部材と該像保持体とを分離する剥離手段と を設けた
    ことを特徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
  6. 【請求項6】表面に像形成物質が安定に付着している像
    保持体から、該像形成物質を取り除く像保持体からの像
    形成物質除去装置において、 該像形成物質の、該像保持体の表面に対して安定に付着
    している距離を、該像保持体と該像形成物質との間の付
    力が弱まって両者間の付着状態が不安定状態になる距
    離まで離間させる不安定化剤を、該像保持体と該像形成
    物質とが接している界面部に供給する不安定化剤供給手
    段と、 該不安定化剤により弱まった該像保持体と該像形成物質
    との間の付着力より大きい付着力を該像形成物質に対し
    て発揮し得る材料から成る剥離部材を、該像保持体上の
    像形成物質に接着させ、該像形成物質に接着している該
    剥離部材と該像保持体とを分離する剥離手段と を設けた
    ことを特徴とする像保持体からの像形成物質除去装置。
  7. 【請求項7】像形成物質からなる画像が形成される前の
    像保持体を処理する像保持体処理装置であって、 上記画像形成前の 像保持体に、該像保持体の表面と該像
    形成物質との間の付着力を弱めて両者間の付着状態を不
    安定状態にする不安定化剤を供給する不安定化剤供給手
    を設けたことを特徴とする像保持体処理装置。
  8. 【請求項8】上記像保持体に供給した上記不安定化剤の
    余剰分を除去する余剰量除去手段を設けたことを特徴と
    する請求項4乃至の像保持体からの像形成物質除去装
    置。
  9. 【請求項9】上記像保持体に供給した上記不安定化剤の
    余剰分を除去する余剰量除去手段を設けたことを特徴と
    する請求項7の像保持体処理装置。
  10. 【請求項10】上記不安定化剤が液であり、 上記剥離部材から分離した上記像保持体を乾燥すること
    を特徴とする請求項1の像保持体からの像形成物質除去
    方法。
  11. 【請求項11】上記不安定化剤が液であり、 該液を供給した像保持体を一対の回転部材で挾持搬送
    し、該像保持体上の像形成物質に上記剥離部材を接着さ
    せることを特徴とする請求項1の像保持体からの像形成
    物質除去方法。
  12. 【請求項12】上記不安定化剤が液であり、 該液を供給した像保持体上の像形成物質を加熱軟化し、
    該像形成物質に上記剥離部材を接着させることを特徴と
    する請求項1の像保持体からの像形成物質除去方法。
  13. 【請求項13】上記不安定化剤が液であり、 上記供給手段を、該液を収容した容器と、該容器から該
    液を汲み上げて像保持体に供給する供給ローラとを用い
    て構成したことを特徴とする請求項4の像保持 体からの
    像形成物質除去装置。
  14. 【請求項14】上記不安定化剤が液であり、 該液が供給された像保持体を挾持搬送する一対の回転部
    材を設けたことを特徴とする請求項4の像保持体からの
    像形成物質除去装置。
  15. 【請求項15】上記不安定化剤が供給された像保持体上
    の像形成物質を加熱軟化する手段を設けたことを特徴と
    する請求項4又は13の像保持体からの像形成物質除去
    装置。
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