JPH1097163A - 像保持体の再生装置 - Google Patents

像保持体の再生装置

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JPH1097163A
JPH1097163A JP9282840A JP28284097A JPH1097163A JP H1097163 A JPH1097163 A JP H1097163A JP 9282840 A JP9282840 A JP 9282840A JP 28284097 A JP28284097 A JP 28284097A JP H1097163 A JPH1097163 A JP H1097163A
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toner
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roller
liquid
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JP9282840A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Ando
和弘 安藤
Yoshiaki Miyashita
義明 宮下
Yoichi Asaba
陽一 浅場
Kiyoshi Tanigawa
清 谷川
Satoshi Shinguryo
慧 新宮領
Shinichi Kuramoto
信一 倉本
Sadao Takahashi
貞夫 高橋
Yoshiyuki Kimura
祥之 木村
Tadashi Saito
忠司 斉藤
Mitsuru Ominato
満 大湊
Katsu Nakano
克 中野
Eiichi Kawamura
栄一 川村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写紙からその表面を傷めることなくトナー
を除去して再利用可能にする転写紙再生装置を提供す
る。 【構成】 トナーが表面に安定して付着している転写紙
10に、液供給ユニット2で所定の処理液を供給して、
トナーの転写紙10に対する付着状態を不安定にする。
この処理液としては水、界面活性剤や水溶性ポリマーの
水溶液などを用いる。処理液を含有した転写紙10をト
ナー剥離ユニット3を送り、ここで加熱、加圧しながら
軟化したトナーが付着しやすい表面を有する剥離ローラ
302にトナーを付着させて、転写紙10のみを分離爪
303で剥離ローラ302表面から分離する。そして転
写紙を再び複写機などに使用できるように、乾燥ユニッ
ト4で加熱などして含有している処理液を除去した後
に、排紙トレー501上に排紙する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター、印刷機等の画像形成装置によって像形
成物質を安定に付着させた像保持体の表面から、該像形
成物質を取り除く像保持体の再生方法及びその装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば静電電子写真複写機の基本方式
は、エレクトロファックス、ゼログラフィー、NPの3
つの方式に分類されるが、エレクトロファックス方式で
は複写に感光紙を要することから、現在では普通紙を使
用可能な方式、特にゼログラフィー方式が主流となって
いる。普通紙使用複写機(PPC)によれば、複写用紙
の制約がなく、普通紙の使用によるランニングコストが
安価であり、複写スピードの高速化が容易であるという
特徴がある。そして、最近のOA化により、プリンター
用紙や複写用紙が大量に使用されるようになってきた。
そのために、森林の伐採による地球環境の悪化の問題ま
で引き起こすようになってしまった。従来、この問題に
対しては、一度使用した用紙上のインキ等をとり、漬し
て再びすいて、古紙といわれる紙に再生するしか方法が
なかった。しかし、最近、一度使用した紙の上の文字画
像をクリーニングにより取り去り、複写あるいはプリン
ティングに再利用することができる方法が開発された。
【0003】例えば溶剤を使用するものとして、特開
平1−101576号公報や特開平1−101577
号公報には、トナーが付着された用紙をトナー樹脂の可
溶性溶剤中に浸漬させて超音波振動を印加し、溶剤に溶
解したトナーを紙面より遊離させる像保持体の再生方法
が開示されている。また特開平4−300395号公
報や実開平4−118500号公報には、廃紙の印字
部分に溶剤を浸漬、噴霧あるいは塗布等による方法で付
着させてトナーを溶解し、溶解したトナーを洗浄、エア
ー吸引、吸着剤接触、機械剥離あるいは静電気吸着等に
よる方法で除去する像保持体の再生方法が開示されてい
る。
【0004】一方、溶剤を使用しないものとして、例え
ば特開平1−297294号公報には、像保持体とし
て、プラスチック、金属、液浸透性の悪い紙あるいはセ
ラミック等で形成されたものを使用し、該保持体上に形
成された画像を熱溶融性剥離体を介在させて加熱し、画
像を像保持体から剥ぎとるクリーニング方法が記載され
ている。また特開平2−255195号公報には、支
持体上に離型剤を塗布した印刷体に電子写真方式あるい
は熱転写方式で載せた熱溶融性インキあるいはトナー
を、該印刷体にインキ剥離体を重ね加熱ローラと圧力ロ
ーラの間を通し、冷えてからインキ剥離体を剥がすこと
により、該インキ剥離体の方に付着させて除去する像保
持体の再生方法が開示されている。また特開平4−6
4472号公報には、少なくとも、表面に熱溶融性樹脂
を有するエンドレスシートと、これを支えて回転させる
熱ローラ及び冷却ローラと、表面に離型処理をした紙
(イレーザブルペーパー)を軟化あるいは溶融した熱溶
融性樹脂に押しつける押圧ローラと、これらを連動して
動かせる駆動部からなるイレーザが開示されている。そ
してこの紙の表面離型処理の一例として、未使用の複写
紙の表面にシリコーンシール剤などの離型剤を塗布乾燥
させる処理が開示されている。また特開平4−829
83号公報には、互いに圧接して回転し圧接箇所に紙を
通過させる2本の並行に設けられたローラと、該2本の
ローラの少なくとも一方を加熱するヒーターと、該圧接
箇所を通過した紙を前記ローラから分離する掻取具と、
前記ローラに付着した像形成物質を前記ローラから除去
する剥離装置とを備えた像形成物質除去装置が開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記溶剤を
使用する前述の〜の公報に開示の方法や装置では、
像保持体から画像を除去するため、像保持体上の画像形
成トナー樹脂を溶解させる有機溶剤を使用するので、そ
の溶剤の人体、環境への影響等から一般にオフィスや家
庭などに設置することは不向きである。又、トナーや塗
料のバインダー樹脂の種類に応じて、複数タイプの溶剤
を使い分ける必要があり、被処理物が限定される欠点が
ある。さらに、溶剤でトナーを溶解させると、紙の繊維
組織内に再付着する確率が高まり、トータル的に除去率
は下がり、かつ「染み」等の問題が避けにくく、しかも
経済的にも、従来からの故紙再生方式に比べてコスト高
になる。
【0006】また、上記溶剤を使用しないもののうち、
〜の公報に開示の方法や装置では、表面が離型性を
有するイレーザブルペーパーを用いなければならず、現
在、大量に使用されている一般的な複写用紙、プリンテ
ィング紙などに適用できない難点がある。また離型剤上
の画像であるため、当然定着性が悪くなる。更にイレー
ザブルペーパーと普通紙とを区別して複写しなければな
らず非能率的である。またイレーザブルペーパーと普通
紙とを混合し、実情に合った状態では複写することは困
難である。
【0007】特に、例えば前述のの公報に記載されて
いるように紙表面に離型性を持たせるために、シリコー
ンシール剤などの離型剤を塗布乾燥させる場合、次のよ
うな不具合もあった。すなわち、シリコーンシール剤な
どの離型剤を塗布乾燥させただけでは、表面の紙繊維構
造がそのまま維持されている。このため表面に熱溶融性
樹脂を有するエンドレスシートを、イレーザブルペーパ
ーの画像面に接着させ、加熱状態で機械的に画像を剥ぎ
取とうとしても、紙繊維の目の中に浸透している画像の
トナー樹脂まで、完全に除去することは困難である。し
たがって再生効率は不十分である。また資源再利用とい
う観点からは、両面コピー、即ち一枚の複写用紙の表・
裏両面コピーが重要であり、今後、主流となるものと考
えられるところ、片面に離型剤を塗布する方法では効率
が悪くなる。たとえ、両面に離型剤を塗布乾燥したとし
ても、シリコーンシール剤では複写紙内に浸透し、結果
的に半透明な複写紙となる。従って、両面コピーは、不
可能(見づらい)となる。
【0008】また、上記溶剤を使用しないもののうち、
の公報に開示の方法や装置では、表面に紙繊維が露出
している通常の紙に画像を記録した記録済み像保持体か
ら像形成物質を除去するので、像形成物質除去の際に像
形成物質と共に表面の紙繊維を剥ぎ取って紙質を損傷し
てしまう恐れがあった。これは、例えば電子写真方式の
定着工程で熱溶融性樹脂を主成分とする像形成物質を像
保持体に融着させるなどして、像形成物質が像保持体表
面の繊維に強固に固着されているためである。また像形
成物質の除去性を高めるために、上記インキ剥離体、エ
ンドレスシートあるいはローラに熱や圧力を加える場
合、種々の条件によっては、逆に像形成物質と像保持体
との間の定着性を高めてしまって除去を困難にすること
もあった。
【0009】本発明は以上の背景に鑑みなされたもので
あり、その目的は、特別な用紙(イレーザブルペーパ
ー)のコピー画像、プリンティング画像のクリーニング
だけでなく、現在市場で利用されている前記のような普
通のPPC複写画像、PPCプリンティング画像のクリ
ーニングによる複写あるいはプリンティング用紙の再生
を行い、複写あるいはプリンティングに再利用すること
ができる像保持体の再生装置を提供するこである。また
その他の目的は、像保持体の紙質や繊維質状の表面を比
較的損傷することなく、像形成物質のみを除去すること
ができる像保持体の再生装置を提供するである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、表面に熱溶融性像形成物質が安
定に定着している像保持体に、上記表面と熱溶融性像形
成物質との定着状態を低下させる定着状態低下液を含浸
させる含浸手段と、上記像保持体上の熱溶融性像形成物
質に像形成物質剥離部材を密接させるとともに、加熱手
段により像形成物質を軟化させて像形成物質剥離部材側
への像形成物質の転写をし易くし、上記表面より像形成
物質剥離部材側に像形成物質を転写させて、像保持体か
ら像形成物質を取り除く像形成物質除去手段とを有し、
上記密接のため、バックアップ手段により、上記像形成
物質剥離部材に対向する上記像保持体をバックアップす
るとともに、上記加熱手段が、上記バックアップによる
上記像形成物質剥離部材との密接部を通過中の像保持体
に、上記定着状態低下液による多少の湿り気が残る程度
に、像保持体の厚み方向において上記像形成物質定着面
側とは反対側から上記加熱を行うことを特徴とするもの
である。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の像保持体の
再生装置において、上記像形成物質剥離部材としてベル
ト状のものを用いたことを特徴とするものである。
【0012】請求項3の発明は、請求項1の像保持体の
再生装置において、上記バックアップ手段としてローラ
形状のものを用いることを特徴とするものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項1の像保持体の
再生装置において、上記バックアップ手段が、上記加熱
手段を内蔵することを特徴とするものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項1の像保持体の
再生装置において、上記像形成物質剥離部材としてベル
ト状のものを用い、該ベルト状の像形成物質剥離部材と
上記バックアップ手段との圧接部において該像形成物質
剥離部材を該バックアップ手段に押しつける押圧手段を
設けたことを特徴とするである。
【0015】ここで、本発明の方法及びその装置として
は、特に次の態様が望ましい。 (第1態様)像保持体の再生方法において、保持体の少
なくとも一部が紙で構成され、かつ該紙層に像形成物質
よりなる画像を形成している像保持体に、水、界面活性
剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液および水
溶性ポリマーと界面活性剤を含む水溶液よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の水あるいは水溶液を保持させ
た後、画像剥離体を介在させて前記保持体の画像を加熱
接着または加圧接着することにより保持体より剥離する
ことを特徴とするものである。これによれば、水又は所
定の水溶液によって紙と画像形成物質との接着性を低下
させた状態で画像形成物質を除去するので、複写コピー
及びプリントアウトした画像を形成している少なくとも
その一部が紙からなる像保持体から紙層を損傷すること
なく像形成物質を十分に除去できる。 (第2態様)上記第一態様の像保持体の再生方法におい
て、画像を形成している像保持体が、保持体の少なくと
も一部が紙で構成され、かつ該紙層に像形成物質よりな
る画像を形成することのできる像保持体に、界面活性剤
を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液および水溶
性ポリマーと海面活性剤を含む水溶液よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の水溶液を保持させた後乾燥した
ものに画像を形成したものであることを特徴とするも
の。これによれば、第1態様の像保持体の再生方法にお
いて、画像を形成している像保持体が、保持体の少なく
とも一部が紙で構成され、かつ該紙層に像形成物質より
なる画像を形成することのできる像保持体に、界面活性
剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液および水
溶性ポリマーと海面活性剤を含む水溶液よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の水溶液を保持させた後乾燥し
たものに画像を形成したものであるあるので、より一
層、紙層を損傷することなく像形成物質を十分に除去で
きる。
【0016】(第3態様)表面が繊維質状で構成され、
その表面上で像形成物質が安定化している像保持体よ
り、像形成物質を取り除く像保持体の再生装置であっ
て、上記表面と像形成物質との間の安定化していた付着
状態を不安定状態とし、上記表面との結着性が弱まった
像形成物質に剥離部材を密接させ、上記表面より像形成
物質を取り除くことを特徴とするもの。これによれば、
表面が繊維質状で構成され、その表面上で像形成物質が
安定化している像保持体の該表面と、像形成物質との間
の安定化していた付着状態を不安定状態とし、上記表面
との結着性が弱まった像形成物質に剥離部材を密接さ
せ、上記表面より像形成物質を取り除くので、像保持体
の繊維質状の表面をほとんど傷めることなく、良好に像
形成物質を除去できる。 (第4態様)上記第3態様の像保持体の再生装置におい
て、上記表面より像形成物質を取り除く際、像形成物質
を軟化させることを特徴とするもの。これによれば、上
記表面より像形成物質を取り除く際、像形成物質を軟化
させるので、像保持体の繊維質状の表面の損傷を一層押
えることができ、また、トナーの除去性を向上させるこ
とができる。
【0017】(第5態様)表面が繊維質状で構成され、
その表面上で像形成物質が安定化している像保持体よ
り、像形成物質を取り除く像保持体の再生装置であっ
て、上記表面を、上記表面と像形成物質との間の安定化
した付着が不安定になる状態とし、上記表面との付着性
が弱まった像形成物質に剥離部材を密接させ、上記表面
より取り除くことを特徴とするもの。これによれば、表
面が繊維質状で構成され、その表面上で像形成物質が安
定化している像保持体の該表面を、該表面と像形成物質
との間の安定化した付着が不安定になる状態とし、該表
面との付着性が弱まった像形成物質に剥離部材を密接さ
せて該表面より取り除くので、像保持体の繊維質状の表
面をほとんど傷めることなく、良好に像形成物質を除去
できる像保持体の再生装置を提供できる。 (第6態様)上記第5態様の像保持体の再生装置におい
て、表面より像形成物質を取り除いた後、処理前の像保
持体と略同一の像形成物質との安定化状態に復元するこ
とを特徴とするもの。これによれば、請求項5の像保持
体の再生装置において、表面より像形成物質を取り除い
た後、処理前の像保持体と略同一の像形成物質との安定
化状態に復元するので、この像保持体をその後に像形成
に使用した場合に、安定して像形成物質を付着させるこ
とができる。
【0018】(第7態様)表面が繊維質状で構成され、
その表面に熱溶融性トナーが安定化して定着している像
保持体より、熱溶融性トナーを取り除く像保持体の再生
装置であって、上記表面と熱溶融性トナーとの安定化し
た定着状態を低下させる定着状態低下物質を含浸させる
含浸手段と、上記表面上の結着性が不安定となった熱溶
融性トナーにトナー剥離部材を密接させ、上記表面より
剥離部材側にトナーを転写させ、トナー取り除くトナー
除去手段を有することを特徴とするもの。これによれ
ば、表面が繊維質状で構成され、その表面に熱溶融性ト
ナーが安定化して定着している像保持体の該表面と熱溶
融性トナーとの安定化した定着状態を低下させる定着状
態低下物質を、含浸手段によって含浸させ、トナー除去
手段によって、上記表面上の結着性が不安定となった熱
溶融性トナーにトナー剥離部材を密接させ、上記表面よ
り剥離部材側にトナーを転写させて、トナー取り除くの
で、像保持体の繊維質状の表面をほとんど傷めることな
く、良好に像形成物質を除去できる。 (第8態様)上記第6態様の像保持体の再生装置におい
て、上記表面より熱溶融性トナーを取り除く際、加熱手
段によりトナーを軟化させ、剥離部材側へのトナーの転
写をし易くしたことを特徴とするもの。これによれば、
上記表面より熱溶融性トナーを取り除く際、加熱手段に
よりトナーを軟化させ、剥離部材側へのトナーの転写を
し易くしたので、像保持体の繊維質状の表面の損傷を一
層押えることができ、また、トナーの除去性を向上させ
ることができる。 (第9態様)上記第7又は8の態様の像保持体の再生装
置において、表面より熱溶融性トナーを取り除いた後、
シートの平滑性、処理前の湿度と略同一にする復元手段
を有することを特徴とするもの。これによれば、表面よ
り熱溶融性トナーを取り除いた後、復元手段によって、
シートの平滑性及び湿度を、処理前と略同一にするの
で、処理前と同様の手ざわりで、かつ、その後の像形成
にも支障がない像保持体にすることができる。
【0019】
【実施例】まず、支持体の少なくとも一部が紙で構成さ
れ、かつ該紙層に画像形成物質としての熱溶融性インキ
よりなる画像を形成している像保持体に、水、界面活性
剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液および水
溶性ポリマーと界面活性剤を含む水溶液よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の水あるいは水溶液を保持させ
た後、画像剥離体を介在させて前記支持体の画像を加熱
接着または加圧接着することにより支持体より剥離する
ことを特徴とする像保持体の再生方法の実施例について
説明する。
【0020】本再生方法に係る像保持体は、主に複写あ
るいはプリンティング用紙があげられるが、これらのも
のに限定されるものではなく該像保持体上に画像を保持
するものであれば良い。また、該像保持体の構成も全て
紙層で構成される必要はなく、熱溶融性インキによる画
像が保持される層が紙層であればよく、例えば紙層とプ
ラスチック層の積層物のようなものであってもよい。本
再生方法の特徴は、画像保持体を水溶液で湿らせた状態
で画像のみを紙から除去し、そのまま該像保持体を再
生、再利用することにある。
【0021】画像を形成した使用済みの紙において、紙
と画像の結合は、使用した紙組織の緻密性によっても相
違するが、大略、図1に示すように、“蓆”に相当する
紙の上に画像が乗っているような状態である。また一般
に、紙は水や水溶液で湿ると、いわゆる腰が弱くなる。
このとき、紙層に保持されて画像層を構成している疎水
性の熱溶融性インキと紙層との界面に水分が保持され、
両者の接着性は非常に弱いものとなっている。それ故、
適当な剥離手段を採用することにより、画像は簡単に、
紙層を傷めることなく除去できることになる。
【0022】本再生方法においては、上記剥離手段とし
て、画像層を構成している熱溶融性インキに対して接着
性を有する剥離体を用いる。例えば接着剤が支持体に担
持されたものを用いることができる。例えば以下のよう
な合成樹脂を担持させたものが挙げられる。但し、合成
樹脂の種類は、以下のものに限定されるものではない
し、また水溶性のものであっても、あるいは非水溶性の
ものであっても良い。 (1)熱溶融性インキのトナー成分樹脂 ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレ
ン−ブチルアクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂など。 (2)接着剤の成分樹脂 にかわ、ゼラチン、アルブミン、カゼインなどのタンパ
ク質系接着剤。でんぷん系、セルロース系、複合多糖類
(アラビアゴム、トラガントゴムなど)などの炭水化物
系接着剤。酢酸ビニルの重合体及び共重合体、アクリル
系、エチレン共重合物、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リウレタンなどの熱可塑性接着剤。ポリクロロプレン
系、ニトリルゴム系、再生ゴム系、SBR系、天然ゴム
系などのゴム系接着剤。ゴム系、アクリル系などの感圧
接着剤。
【0023】本再生方法において、熱溶融性インキより
なる画像保持紙を水で充分に短時間で湿めらすために
は、水と画像保持紙とのぬれ性が重要となる。また、画
像保持紙より画像を除去するためには、熱溶融性インキ
と紙との境界にも充分に水が浸透する必要がある。この
ような水の浸透を促進させるものとして界面活性剤があ
る。脂肪酸誘導体、硫酸エステル、スルホン酸型、リン
酸エステル型などのアニオン界面活性剤、四級アンモニ
ウム塩、エステル結合アミンおよびエーテル結合を有す
る第四級アンモニウム塩、複素環アミン、アミン誘導体
などのカチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン
界面活性剤などが挙げられる。
【0024】また、本再生方法において、紙繊維の目の
中に入り込んで剥離体表面に接着しにくいインキを効率
的に除去するためには、このように紙繊維の目の中に入
り込んでいるインキと剥離体表面との間にバインダーと
して作用するものを介在させることが望ましい。このよ
うなバインダー作用を行うものとして水溶性ポリマーを
用いることができる。例えば代表的な水溶性ポリマーと
しては下記の表1に示すポリマーが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。 (以下、余白)
【表1】
【0025】ここで、上記界面活性剤や水溶性ポリマー
は製紙工業では紙のサイズ剤などに使用されている。従
って、これらを使用したとしても紙の表面を傷めること
はなく、むしろ紙の表面を改良する作用がある。但し、
前記界面活性剤あるいは水溶性ポリマーの水溶液の好ま
しい濃度は、0.1〜20%、さらに好ましくい濃度は
0.5〜10%である。水溶液の濃度があまり高すぎる
と、再生した紙が硬くなったり、空気中の水分を吸って
粘着性を帯びたりするためである。
【0026】以上のように、本再生方法においては画像
を形成した像保持体に水を含ませ、特に界面活性剤によ
って水を十分に含ませた状態、あるいは前記のような水
溶性ポリマーによって熱溶融性インキと剥離体との間に
ポリマーを介在させた状態で、適当な剥離手段、例えば
加熱圧着ゴムローラあるいは粘着剤層を有する感圧接着
テープのようなものを使用することにより殆ど紙繊維の
除去を伴うことなく画像の紙層よりの除去を行うことが
できる。前記の感圧接着テープとしては、例えば基剤フ
ィルムの種類によってセロハンテープ、クラフト紙粘着
テープ、ポリ塩化ビニルテープ、アセテートテープ、フ
ィラメント補強テープ等があげられる。さらには前記の
ような水、界面活性剤、水溶性ポリマー等が含浸された
状態の画像を形成している像保持体に、さらに前記のよ
うな接着剤の成分樹脂で構成される熱溶融性剥離体を介
在させて、同様に加熱接着または加圧接着により画像を
像保持体より剥離することができる。また、特に画像を
形成させる前の像保持体に、前記のような界面活性剤を
含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液または水溶性
ポリマーと界面活性剤を含む水溶液を保持させておく
と、更に前記の画像の剥離処理を効率良く行うことがで
きる。
【0027】以上、本実施例の像保持体の再生方法によ
れば、例えば複写コピーあるいはプリントアウトした画
像を形成している少なくともその一部が紙からなる像保
持体を簡単に、しかも紙層を損傷することなく熱溶融性
インキを除去して、再生することができるので、一度使
用した紙を捨てることなく繰り返して使用でき、紙の消
費量を減少させることができる。
【0028】また、画像を形成している像保持体が、像
保持体の少なくとも一部が紙で構成され、かつ該紙層に
熱溶融性インキよりなる画像を形成することのできる像
保持体に、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを
含む水溶液および水溶性ポリマーと界面活性剤を含む水
溶液よりなる群から選ばれた少なくとも1種の水溶液を
保持させた後乾燥したものに画像を形成したものであれ
ば、更に良好に熱溶融性インキを除去できる。
【0029】以下、本再生方法の具体例について説明す
る。 〔具体例1〕通常のPPC複写機(リコー製 IMAG
IO 320 FP1)にて画像を形成させた複写画像
紙を水に浸漬させた後、複写画像面に加熱したゴムロー
ラを圧接触させた。次に、圧接触させたゴムローラから
複写紙を剥ぎ取ると、紙面上に形成されていた画像はき
れいに紙面からゴムローラに転写した。ゴムローラ通過
後の複写紙は、画像のない無地の紙シートとなった。こ
の無地になった紙シートを乾燥させシートとした紙を、
再び前記のPPC複写機に再使用したところ、きれいな
複写画像を得ることができた。以上の操作を5回繰り返
したが、繰り返しを行わなかった複写紙(新しい複写
紙)と同じ質の複写画像を得た。
【0030】〔具体例2〕具体例1における水の代わり
に、1%のトナクリン205界面活性剤(日本乳化剤
製)を含む水溶液を使用した以外は、全て具体例1と同
じ方法で複写紙面上に画像を形成したり画像を除去した
りする操作を5回繰り返した。以上の操作を5回繰り返
した後の画像は、繰り返しを行わなかった複写紙(新し
い複写紙)と同じ質の複写画像を得た。
【0031】〔具体例3〕具体例1における水の代わり
に、2%のデンプンを含む水溶液を使用した以外は、全
て具体例1と同じ方法で複写紙面上に画像を形成したり
画像を除去したりする操作を5回繰り返した。以上の操
作を5回繰り返した後の画像は、繰り返しを行わなかっ
た複写紙(新しい複写紙)と同じ質の複写画像を得た。
【0032】〔具体例4〕具体例1における水の代わり
に、1.5%のトナクリン205界面活性剤(日本乳化
剤製)と水溶性ポリマーの3%のデンプンを含む水溶液
を使用した以外は、全て具体例1と同じ方法で複写紙面
上に画像を形成したり画像を除去したりする操作を5回
繰り返した。以上の操作を5回繰り返した後の画像は、
繰り返しを行わなかった複写紙(新しい複写紙)と同じ
質の複写画像を得た。
【0033】〔具体例5〕通常のPPC複写機(リコー
製 IMAGIO 320 FP1)にて画像を形成さ
せた複写画像紙を1%のトナクリン205界面活性剤
(日本乳化剤製)を含む水溶液に浸漬させた後、複写画
像面にセロテープ(ニチバン製)の接着面を圧接触した
のち複写画像紙を剥ぎ取ると、複写画像紙面上に形成さ
れていた画像はきれいに紙面からセロテープの接着剤面
に転写し、紙は、画像のない無地のシートとなった。こ
の無地になった紙シートを乾燥させシートとした紙を、
再び前記のPPC複写機に再使用したところ、きれいな
複写画像を得ることができた。以上の操作を5回繰り返
したが、繰り返しを行わなかった複写紙(新しい複写
紙)と同じ質の複写画像を得た。
【0034】〔具体例6〕通常のPPC複写機(リコー
製 IMAGIO 320 FP1)にて画像を形成さ
せた複写画像紙を1.5%のトナクリン205界面活性
剤(日本乳化剤製)と3%の水溶性ポリマーのCMC
(カルボキシメチルセルロース)を含む水溶液に浸漬し
たのち、複写画像面に加熱したゴムローラを圧接触させ
た。次に、圧接触させたゴムローラから複写画像紙を剥
ぎ取ると、紙面上に形成されていた画像はきれいに紙面
からゴムローラに転写した。ゴムローラ通過後の複写紙
は、画像のない無地の紙シートとなった。この無地にな
った紙シートを乾燥させシートとした紙を、再び前記の
PPC複写機に再使用したところ、きれいな複写画像を
得ることができた。以上の操作を5回繰り返したが、繰
り返しを行わなかった複写紙(新しい複写紙)と同じ質
の複写画像を得た。
【0035】〔具体例7〕通常のPPC複写機(リコー
製 IMAGIO 320 FP1)にて画像を形成さ
せた複写画像紙を1.5%のトナクリン205界面活性
剤(日本乳化剤製)と3%の水溶性ポリマーのCMC
(カルボキシメチルセルロース)を含む水溶液に浸漬し
たのち、複写画像面にガムテープの接着面を圧接触した
のち複写画像紙を剥ぎ取ると、紙面上に形成されていた
画像はきれいに紙面からガムテープに転写し、複写紙
は、画像のない無地の紙シートとなった。この無地にな
った紙シートを乾燥させシートとした紙を、再び前記の
PPC複写機に再使用したところ、きれいな複写画像を
得ることができた。以上の操作を5回繰り返したが、繰
り返しを行わなかった複写紙(新しい複写紙)と同じ質
の複写画像を得た。
【0036】〔具体例8〕通常のPPC複写機(リコー
製 IMAGIO 320 FP1)にて画像を形成さ
せた複写画像紙を1.5%のトナクリン205界面活性
剤(日本乳化剤製)と3%の水溶性ポリマーのCMC
(カルボキシメチルセルロース)を含む水溶液に浸漬し
たのち、複写画像面に熱溶融性インキのトナー成分樹脂
(ポリスチレン:ポリ−n−ブチルアクリレート:ポリ
−i−ブチルメタクリレート=10:4:8)から構成
された剥離シートを加熱圧接触したのち複写画像紙を剥
ぎ取ると、紙面上に形成されていた画像はきれいに紙面
からトナー成分樹脂構成剥離体シートに転写し、複写紙
は、画像のない無地の紙シートとなった。この無地にな
った紙シートを乾燥させシートとした紙を、再び前記の
PPC複写機に再使用したところ、きれいな複写画像を
得ることができた。以上の操作を5回繰り返したが、繰
り返しを行わなかった複写紙(新しい複写紙)と同じ質
の複写画像を得た。
【0037】〔具体例9〕通常のPPC複写機(リコー
製 IMAGIO 320 FP1)にて画像を形成さ
せた複写画像紙を水、溶剤および界面活性剤を含有する
水溶液(溶剤を含有するが、画像インキを溶解すること
はなく、画像インキを膨じゅんさせて紙から取れやすく
するのみ)に浸漬させた後、湿った状態でこの複写画像
面に画像インキ(トナー)と同じ組成の材料からなる樹
脂ローラを圧接触させた。次に、圧接触させたゴムロー
ラから複写紙を剥ぎ取ると、紙面上に形成されていた画
像はきれいに紙面から樹脂ローラに転写した。樹脂ロー
ラ通過後の複写紙は、画像のない無地の紙シートとなっ
た。該無地の紙シートは、20枚/分の速度でコピー可
能なコピーに供給可能であった。この無地になった紙シ
ートを乾燥させシートとした紙を、再び前記のPPC複
写機に再使用したところ、きれいな複写画像を得ること
ができた。以上の操作を5回繰り返したが、繰り返しを
行わなかった複写紙(新しい複写紙)と同じ質の複写画
像を得た。
【0038】次に、図2を用いて上記実施例に係る像保
持体の再生方法を実施する装置の一例について説明す
る。図2に示す像保持体の再生装置は、紙送り込みロー
ラ対30,30、含水ローラ31、画像剥離ローラ兼熱
ローラ32、ローラ圧調整装置33、画像構成成分回収
ローラ34、画像構成成分の掻き落し爪35、カレンダ
ーローラ対36,36などを備えている。
【0039】上記紙送り込みローラ対30,30は、図
示しないトナーなどに予めストックされている紙10あ
るいは手差しにて供給される紙10を搬送するローラで
ある。 また上記含水ローラ31は容器37a内に収容
されている水又は界面活性剤などを含む水溶液37を紙
10に含浸させるローラである。ゴムローラや溝付き
(grooved)ローラを用いることが好ましい。な
お、図示の例では、紙に水溶液などを含浸させるときの
補助用のローラ38を、この含水ローラ31に対向させ
て配置している。また上記画像剥離ローラ兼熱ローラ3
2は少なくともその表面が含水した紙よりも画像構成成
分が付着しやすい材料で作られたローラであって、画像
構成成分を紙より該ローラに逆転写可能なものである。
また上記ローラ圧調整装置33は、含水ローラ31と画
像剥離ローラ兼熱ローラ32との間のローラ圧を調整す
る手段である。このような手段としては、例えばシート
ベルトがある。画像剥離ローラ兼熱ローラ32を使用し
て画像を形成しているペーパーから画像剥離を行う場合
に、画像剥離を効率的に行うためには、前記ローラ32
の加熱温度および回転速度と共に、前記ローラ間の圧力
を調整する必要があり、この目的のために使用される。
また上記画像構成成分回収ローラ34は、例えば画像剥
離ローラ兼熱ローラ32よりも画像構成成分が付着しや
すい材質で作られたローラである。このような材質とし
ては、ゴム、プラスチック、金属例えばアルミなどが使
用される。該ローラ34は、加熱ローラを兼ねているこ
とが好ましい。また、該ローラの代わりにシートベルト
を使用することもできる。なお、図示の例では、この画
像構成成分回収ローラ34に付着した画像構成成分を、
該ローラ34に先端部が当接する上記画像構成成分の掻
き落し爪35で掻き落し、回収容器35に回収するよう
になっている。上記カレンダーローラ対36,36は、
画像剥離処理済みの紙のしわ等を取り除いたり、画像剥
離処理時に生じた紙の面あれを修復すると共に、再生し
た紙を次のシステム、例えば紙貯蔵装置やコピー機に直
接送り込む送り込みローラの役割を兼ねている。なお、
図示の例では、画像剥離ローラ兼熱ローラ32から水分
の多い方に巻き込まれ易いペーパーをピックオフするた
めに、ピックオフ爪39が複数配置されている。
【0040】次に、図3を用いて上記実施例に係る像保
持体の再生方法を実施する装置の他の例について説明す
る。図3に示す像保持体の再生装置は、両面に画像が形
成された使用済みの紙の再生装置であって、基本的な構
成は図2に示す装置と同じであるが、一方の面の画像の
剥離は、画像剥離ローラ兼熱ローラ33、他方の面の画
像の剥離は、剥離ローラ41で行われる。また図示の例
ではこの剥離ローラ41に対しても画像構成成分の掻き
取り爪43及び該爪43で掻き落された画像構成成分を
回収する回収容器44が設けられ、更に剥離ローラ41
に対向してバックアップローラ42が配設されている。
前記図2及び図3に示す再生装置においては、画像剥離
ローラ兼熱ローラ32及び剥離ローラ41に逆転写され
た画像は、画像構成成分の掻き取り爪35で掻き落し、
かつ回収容器40に回収することにより、画像を構成す
るトナーや塗料などを回収することが出来る。
【0041】図4に示す装置は、両面コピーで形成され
た画像層を有する使用済みのコピー紙を主に対象とする
再生を主とする装置であり、かつ画像を剥離し、再生し
たコピー紙を直接複写機に供給する装置を示す図であ
る。あらかじめ片面コピー紙か両面コピー紙かの区別さ
らには紙サイズの区別によってストッカー45,46に
分別収納し、該ストッカーより送りローラ47によって
送り込む。また、前記のような片面コピー紙か両面コピ
ー紙かの区別、および紙サイズなどの区別は、送りロー
ラ47として、前記の区別が可能なセンサー機能を有す
るものを使用することにより、紙おくりとどうじにおこ
なうこともできる。このセンサー機能を有する送りロー
ラ13は、前記のような区分機能のほかに、紙の送り速
度、画像の印字幅および印字位置などの検知機能を有す
るものであってもよい。このようなセンサー機能から得
られた情報に基づいて、含水ローラ32による水または
水溶液の含浸幅あるいは含浸位置および/または画像剥
離ローラ兼熱ローラ32および/または剥離ローラ41
の熱源幅や熱源位置、さらに剥離ローラなどの回転速度
などの動作をコントロールすることができる。このよう
なコントロールを行うことにより省エネルギーが達成さ
れるだけでなく、画像層が形成されていない部分までも
画像剥離を行うことがないので、紙の損傷を生じること
がない。また、ストッカー45,46から紙の送り出し
は、複写機55から発せられる用紙サイズなどの情報に
基づいて行うこともできる。画像剥離部分の詳細な構成
は、図3に示すとおりのものである。紙の両面それぞれ
の側に設けられた剥離状態検知センサ48,48は、紙
の画像の剥離状態を検知するのが主な役目であるが、片
面コピー紙で表裏が逆に送り込まれた場合の検知にも役
立つ。カレンダーローラ対49,49は、必ずしも具備
させる必要はないが、前記画像剥離に際して往々にして
しわが生じたり、あるいは紙面のあれが生じることが有
るが、前記剥離状態検知センサ48,48でこのような
状態が生じていることを検知した場合には、該カレンダ
ーローラ対49,49でカレンダ掛けすることにより修
復することが出来る。この修復を行う場合には、加熱お
よび/または水蒸気などを付与しながら行うと効果的で
ある。ガイド爪50は、前記剥離状態検知センサ48,
48で剥離状態不良と判断された紙を排除し、2つのス
トッカー52,53のうち排除紙51用のストッカー5
2に収容する。画像が剥離され再生した紙は他方のスト
ッカー53に収容され、ここから送りだしローラ54に
よって複写機55に再度供給される。
【0042】次に、表面が繊維質状で構成され、その表
面上で像形成物質が安定化している像保持体より、像形
成物質を取り除く像保持体再生装置において、上記表面
と像形成物質との間の安定化していた付着状態を不安定
状態とし、上記表面との結着性が弱まった像形成物質に
剥離部材を密接させ、上記表面より像形成物質を取り除
くことを特徴とする発明を、転写型の電子写真複写機に
よって画像が形成された像保持体としての転写紙から、
像形成物質としての熱溶融性トナー(以下、トナーとい
う)を取り除くトナー除去装置に適用した実施例につい
て説明する。まず、全体構成の一例について説明する。
図5において、このトナー除去装置は、積載状態で収容
しているトナー像が形成された転写紙10を一枚づつ分
離給送する給紙ユニット1と、給紙ユニット1から送ら
れてきた転写紙10に液を供給する液付与ユニット2
と、液が供給された転写紙10からトナーを除去するト
ナー剥離ユニット3と、トナーが除去された転写紙10
を乾燥させる乾燥ユニット4と、乾燥ユニット4から排
出される転写紙10を受ける紙受けユニット5とを備え
ている。そして、このトナー除去装置は、液付与ユニッ
ト2で転写紙10とトナーとの付着状態を不安定状態に
する不安定化液(以下、処理液という)20を転写紙1
0に付与して、処理液20を少なくとも転写紙10とト
ナーとの界面部に浸透させ、トナーと転写紙10との付
着を不安定にした状態で、トナー剥離ユニット3の剥離
ローラ302によって転写紙10からトナーを剥離した
後、乾燥ユニット4で乾燥させて転写紙を再利用可能に
するものである。
【0043】ここで、上記処理液20としては、水、水
溶性ポリマーを含む水溶液、界面活性剤を含む水溶液、
及び水溶性ポリマーと界面活性剤とを含む水溶液よりな
る群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水溶液を
用いることができる。また、該水又は水溶液には、所定
の有機溶剤を含有させることもできる。また、上記処理
液20として、有機溶剤のみを用いることもできる。
【0044】上記水溶性ポリマーとしては、前述の像保
持体の再生方法の実施例に関連して表1に挙げられたも
のを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0045】また、上記界面活性剤としては、例えば、
陰イオン系(脂肪酸誘導体、カルボン酸塩、スルホン酸
塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホスホン酸塩
等)、陽イオン系(アミン塩、第四級アンモニウム塩、
エステル結合アミンおよびエーテル結合を有する第四級
アンモニウム塩、複素環アミン、アミン誘導体、ベンザ
ルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム塩、ピリジニウム
塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ポリエチレ
ンポリアミン等)、両性系(アミノ酸、カルボキシベタ
イン、スルホベタイン、アミノ硫酸エステル、アミノカ
ルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等)、非イオン系(エ
ーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素
型、多価アルコール、アミノアルコール、ポリエチレン
グリコール等)の通常の界面活性剤やフッ素系界面活性
剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0046】また、上記水又は水溶液に含有させる有機
溶剤としては、ターペンチン、ジペンテン、ブチルアセ
テート、四塩化炭素、セロソルブアセテート、キシレ
ン、トルエン、エチルアセテート、ジアセトンアルコー
ル、メチルセロソルブアセテート、ベンゼン、メチルエ
チルケトン、メチルアセテート、メチレンクロリド、エ
チレンジクロリド、シクロヘキサン、セロソルブ、ジオ
キサン、アセトン、メチルセロソルブ、シクロヘキサノ
ール、ブタノール等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0047】また、上記単独で用いる有機溶剤として
は、炭素水素系溶剤であるヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、スピィリット、ナフサN01〜6(シェル
石油社の商品名)、アイソパーE,L,K,V(エクソ
ン社の商品名)、アイピーソルベント(出光石油社の商
品名)、シェルーゾル70,71、ソルベッソ100,
150(シェルオイル社の商品名)、アスコムOMS,
460(スピリッツ社の商品名)、ベガゾール103
0,2130,3040(モービル石油社の商品名)等
が挙げられる。更に、フッ素系溶剤であるフロリナート
FC40,43,70,77(住友3M社の商品名)、
アフルードE10,16,18等や、シリコーン系溶剤
である信越シリコーンKF96(商品名)、東レシリコ
ーンSH200,344(商品名)、東芝シリコーンT
SF431(商品名)等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0048】次に、図示の例の各ユニット1,2,3,
4,5について説明する。上記給紙ユニット1は、底板
101上に積載された転写紙10を最上部のものから給
紙ローラ102で給紙し、図示しない分離機構で重送紙
を分離して一枚の転写紙10のみを、タイミング調整及
びスキュー補正のためのレジストローラ対104で送り
出すものである。その具体的な構成及び動作は電子写真
複写機における給紙機構と同様であるので、詳細な説明
は省略する。
【0049】上記液付与ユニット2は、処理液20を所
定量満たした液容器201、転写紙10の一方の面(図
中の上面)に接触しながら、液容器201の処理液20
中に案内するように搬送する液中搬送ローラ202、液
中搬送ローラ202の駆動部(不図示)、転写紙10の
他の面(図中の下面)を液容器201の処理液20中に
案内する液中ガイド板203、挾持搬送手段としても機
能する絞りローラ対204、下側の絞りローラ204に
食い込み配置された絞り棒205、などを備えている。
このユニット2において、給紙ユニット1から給送され
た転写紙10は、液中搬送ローラ202と液中ガイド板
203とによって、液容器201の処理液20中に案内
され、処理液20に浸漬された後、絞りローラ対204
によって余分な処理液20が除去され、次のトナー剥離
ユニット3へと搬送される。なお、この例のように直接
転写紙10を処理液中に通して転写紙10に処理液を付
与するのに代え、塗布ローラで転写紙10の表面に処理
液を塗布したり、噴霧器により転写紙10の表面に霧状
にされた処理液を付着させたりして、付与するようにし
ても良い。その他任意の方法を用いることができる。こ
れらの液付与ユニット2の各種変形については後に詳述
する。
【0050】上記トナー剥離ユニット3は、それぞれト
ナーTの軟化手段としての加熱ランプ301を内蔵し互
いに圧接状態で配置された一対の剥離体としての剥離ロ
ーラ対302、転写紙排出側の圧接部近傍の剥離ローラ
302の表面に接触するように配設された分離爪30
3、剥離ローラ302の表面をクリーニングするクリー
ニング装置304、駆動部(不図示)等を備えている。
【0051】この剥離ローラ302の表面は、少なくと
も軟化しているトナーに対して、転写紙10と該トナー
との付着力より大きい付着力を有するものを用いて構成
する。具体的には、上記トナーと同一又は類似のトナー
成分樹脂や、接着剤の成分樹脂等を用いることができ、
またアルミ系、銅系、ニッケル系、鉄系等の金属材料を
用いることもできるが、これらに限定されるものではな
い。また、上記樹脂は、水溶性のものであっても、ある
いは非水溶性のものであってもよい。
【0052】上記トナー成分樹脂としては、ポリスチレ
ン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−ブ
チルアクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0053】また、上記接着剤の成分樹脂としては、に
かわ,ゼラチン,アルブミン,カゼイン等のタンパク質
系接着剤、デンプン系,セルロース系,複合多糖類系
(アラビアゴム、トラガントゴム等)等の炭水化物系接
着剤、酢酸ビニルの重合体及び共重合体,アクリル系,
エチレン共重合体,ポリアミド,ポリエステル,ポリウ
レタン等の熱可塑性接着剤、ポリクロロプレン系,ニト
リルゴム系,再生ゴム系,SBR系,天然ゴム系等のゴ
ム系接着剤、ゴム系,アクリル系等の感圧接着剤、酸化
チタンを分散させたポリエチレンテレフタレート(PE
T)、等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0054】また、上記樹脂を用いる場合には、テンシ
ョンや熱による伸び防止、耐久性等の観点から、支持体
と表層の少なくとも2層以上の多層構造にすることが望
ましい。すなわち、図示の例のように剥離体をローラ形
状にする場合には、ローラ形状の基体、例えばゴムロー
ラ上に、上記樹脂からなる表層を形成して剥離体を構成
することが望ましい。なお、剥離体はベルト状やカット
シート状に構成することもできる。いずれの形状にする
場合にも上記樹脂を直接支持する支持体の種類によって
分けられる、セロハンテープ、クラフト紙粘着テープ、
ポリ塩化ビニルテープ、アセトンテープ、フィラメント
補強テープ等の、粘着剤層を有する感圧接着テープのよ
うなものを用いることができる。
【0055】また上記上下剥離ローラ302の加熱ラン
プ301は、転写紙10の表裏に密着して転写紙10に
固着しているトナーを加熱して軟化させ、これにより、
トナーを転写紙10の繊維から剥がれ易くするものであ
る。この加熱は圧接部において転写紙10上のトナーが
溶融しない程度に行うことが望ましい。トナーが溶融し
てしまうと転写紙10上のトナーを、紙側と剥離ローラ
302側とに分断することなく、剥離ローラ302側へ
転写させるのが、困難になるためである。また加熱し過
ぎると剥離ローラ302対の圧接部を通過中に転写紙1
0が乾燥し過ぎて、トナーの転写紙10に対する固着力
が転写紙10が濡れている場合に比して強まり、転写紙
10がトナーを介して該ローラ302に貼り付いて上記
分離爪303で分離できなくなる恐れがある。従って、
加熱部通過後の転写紙10に多少の湿り気が残って上記
トナーの再付着を防止できる程度に加熱することが望ま
しい。
【0056】上記クリーニング装置304は、剥離ロー
ラ302の表面上のトナーTを除去するクリーニングロ
ーラ305、クリーニングローラ305上のトナーTを
掻き落すスクレーパブレード306、スクレーパブレー
ドで306で掻き落したトナーTを収容するトナー受け
(トナー容器)307を備えている。
【0057】このクリーニングローラ305の少なくと
も表面は、剥離ローラ302上に付着しているトナーT
に対する離型性が、剥離ローラ302表面の該トナーに
対する離型性より劣っている材料で構成されている。こ
の具体的な材料としては、アルミ系、銅系、ニッケル系
等の金属材料、又は酸化チタンを分散させたポリエチレ
ンテレフタレート(PET)等の高分子系材料が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。なお、以上
のトナー剥離ユニット3の各種変形についても後に詳述
する。
【0058】上記乾燥ユニット4は、転写紙10を乾燥
させるものであり、加熱ランプ401内蔵の例えばアル
ミからなる上乾燥ローラ402と、これに下方から圧接
する下乾燥ローラ404とから構成されている。この下
乾燥ローラ404は給液性部材からなる表層を備え、該
表層の液を絞り落す絞りブレード405が当接してい
る。なお、このような乾燥ローラ対402,404から
なる乾燥ユニット4において、乾燥の効率を向上させる
ためなどに種々の改良や変更を加えることができる。ま
た、乾燥ローラ対402,404に代え、ベルト手段を
用いて乾燥ユニットを構成することもできる。これらに
ついても乾燥ユニットの変形例として後述する。
【0059】そして、上記紙受けユニット5は、この乾
燥ユニット4から排出された転写紙を受けるための排紙
トレー501を備えている。
【0060】図6は、図5のトナー除去装置を動作させ
るための制御ブロック図である。商用電源901から交
流電源供給を受け、メインスイッチ902をオンすると
直流電源(PSU)903から、DC電源電圧が各制御
ICに供給される。電源を供給されたCPU904は、
プログラムカウンタ等のリセットを行い、ROM905
に書き込まれたプログラム内容に基づいて、制御を開始
する。CLK発振器906は、CPU動作に必要な基準
クロック(CLK)を供給する。
【0061】まず、アドレスデータバス907を通し
て、パラレルインターフェイス908にリレー909を
オンするデータが送られる。パラレルインターフェイス
の出力ポートには、各負荷を駆動するドライバー910
が接続されており、更にその一部にリレー1の接点駆動
コイルが接続され、リレー1の接点911が閉じる。
【0062】そして、SSR1(912),SSR2
(913)がそれぞれオンするべくデータが前記と同様
にドライバー910へ送られる。SSR1の先には剥離
ローラ302を加熱する加熱ランプ301に対応する抵
抗体914a,bが2本ないし1本接続され、同ローラ
302の加熱を開始する。一方、SSR2の先には乾燥
ローラ402を加熱する加熱ランプ401に対応する抵
抗体915が接続され、同様に加熱を開始する。各ロー
ラーの温度は、それぞれサーミスタ916,917で検
知されA/Dコンバータ918へ入力され、アナログデ
ータからデジタルデータへ変換される。RAM919に
は各ローラーの制御温度が書き込まれており、その値と
比較して温度制御される。このデーターは操作表示部9
20からシリアルインターフェイス921を通して、R
AM919に書き込むこともできる。
【0063】各ローラの温度が、剥離あるいは乾燥する
のに充分な温度(RAMの設定値)になったら、操作表
示部920に動作可能の表示(LED点灯等)を示す。
操作表示部920より動作指令データーが送信された
ら、CPU904はメイン駆動モータ922を動作さ
せ、同モータの負荷が一定速度で駆動できたら、給紙モ
ータ923を駆動し、給紙を開始する。ここで、レジス
トモータ924は、スキュー防止のため給紙モータとの
タイミングを計りながら回転し、紙を送り出す。後は前
述の処理液含浸、剥離、乾燥の工程になる。
【0064】なお、給紙コロ102及びレジストローラ
104以外の負荷は、全てメイン駆動モータ922にて
同期駆動される。LCTには紙の有無を検知するペーパ
ーエンドセンサー925が有り、紙が無くなるとパラレ
ルインターフェイスを通じて紙無しデーターを送信す
る。紙無しを検知したCPU904は、マシン動作を停
止し、操作表示部920へ動作停止の表示(LED点灯
等)を行う。
【0065】以上の構成において、給紙ユニット1から
送られた転写紙10は、液付与ユニット2でそのトナー
像面に液が均一に供給され、トナー剥離ユニット3に送
られる。このトナー剥離ユニット3で、紙に固着してい
るトナーが剥離ローラ302からの加熱で軟化し、剥離
ローラ302表面に付着する。そして紙が剥離ローラ3
02から分離する際に、剥離ローラ302表面に付着し
たトナーが紙から剥離し、これにより、紙からトナーが
除去される。トナーが除去された紙は乾燥ユニット4で
乾燥され、紙受けユニット5に排出される。
【0066】以上、このトナー除去装置によれば、トナ
ーが付着した紙に液を供給して紙のトナーとの界面部に
液を浸透させた状態でトナーを剥離させるので、紙繊維
を傷めることなく、トナーを除去できる。
【0067】また、紙表面が液で濡れた状態で剥離ロー
ラ302と接触させ、かつ剥離ローラ302から分離す
る時点でも紙が湿った状態を維持できる程度に加熱する
ので、剥離ローラ302表面をトナー接着性有する材質
で構成した場合にも、紙表面自体が剥離ローラ302表
面に接着して分離不良が生じるのを防止でき、また分離
した紙部分が剥離ローラ302と再接触することによる
トナーの再転移を防止できる。
【0068】また、このトナー除去装置では、二つの剥
離ローラ302で転写紙10を挾持し、転写紙10両面
からトナーを除去するように構成したので、給紙ユニッ
ト1の底板101上にトナーを除去すべき転写紙10を
セットする場合に、表裏を考慮する必要がない。また両
面使用した転写紙の両面のトナーを除去したい場合に
も、装置内を一度通すだけで済む。
【0069】また、排出される転写紙10は乾燥ユニッ
ト4で乾燥されているので、取扱が容易で、また、乾燥
ユニット4によって加熱による乾燥でトナーが付着しや
すい状態に戻されているので、そのまま電子写真複写機
などで使用することができる。
【0070】次に、図7を用いて、本発明を適用したト
ナー除去装置の全体構成の他の例について説明する。図
7において、このトナー除去装置は、転写紙を縦方向に
搬送する縦搬送タイプのトナー除去装置であり、省スペ
ース可が容易で複写機に内蔵することも可能なものであ
る。このトナー除去装置は、図5のトナー除去装置と異
なり、転写紙10を下の給紙ユニット1から上の紙受け
ユニット5へ縦方向に搬送するように構成されている。
また、上記液中搬送ローラ202等からなる処理液20
中に転写紙10を浸漬するタイプの液付与ユニット2を
用いる代わりに、液供給装置208によって処理液20
を供給した塗布ローラ207で、転写紙10を挾持しな
がら搬送することによって、転写紙10に処理液20を
付与している。また、このトナー除去装置も、図6と同
様な制御部で制御することができる。
【0071】なお、上記分離爪303に代え、例えば図
13に示すように剥離ローラ302対の圧接部を抜け出
した転写紙の先端を、各剥離ローラ302の周面に先端
が近接又は接触した導入爪対303aと該導入爪対30
3aでガイドされながら上昇する転写紙の先端を加え込
んで搬送する導入ローラ対303bとを設けても良い。
これによっても、スムーズに剥離ローラ302から転写
紙が分離し、乾燥ユニット4側に送り出すことが出来
る。これは、通常転写紙の端部数cmにはトナー像が形成
されていないことがほとんどであり、かつ、本例のよう
に、転写紙の両面から処理液の塗布や剥離ローラ302
の接着や加熱を行うことから転写紙の湿り具合などが転
写紙の表裏でほぼ同一であり、ストレートに転写紙先端
が上昇するためである。そして、この転写紙の先端部が
導入ローラ303bに加え込まれれば、後は、この導入
ローラ303bによる挾持搬送によって、転写紙の後方
部分を確実に各剥離ローラ302から分離させていくこ
とができる。
【0072】また、このような縦型のトナー除去装置
は、図7とは逆に装置上部に給紙ユニット1を配置し、
紙受けユニット5を装置下部に配置するようにしても良
い。この場合、図8に示すようにこれらのユニット1,
5の間に配置される各ユニット2,3,4も上下逆の配
置にされる。
【0073】なお、上記各全体構成例においては、液付
与ユニット2、トナー剥離ユニット3、及び、乾燥ユニ
ット5をそれぞれ個別に設けたが、図9に示すように、
液付与ユニットとトナー剥離ユニットを合体させて、液
付与ユニット兼トナー剥離ユニット6を構成しても良
い。このユニット6はクランプ爪602で転写紙先端を
クランプして周面に保持して回転する紙保持ドラム60
1を備え、該ドラム601周面に処理液を供給するため
の例えばスポンジローラ207や剥離ローラ302など
が接触配置されている。その他、上記図5、図7及び図
8に示す装置におけると同様の部材については同一の符
号を付している。なお、上記液付与用のローラ207に
は処理液20のほか、浸透促進用液21も供給される構
成になっており、上記ドラム601に対して離接可能な
っている。この液付与用のローラ207の離接動作によ
ってトナーの部分除去が可能になる。また、処理液20
と浸透促進用液21とを別々のローラで該ドラム601
の転写紙に供給するようにすることもできる。この浸透
促進用液については後に詳述する。なお、図10はこの
装置の電装部のブロック図であり、上記図6と異なる点
は、上記ドラム601のクランプ43を開閉するソレノ
イド926と処理液塗布ローラ207を接離する塗布ロ
ーラソレノイド927がドライバーに接続されている
点、及び、再利用紙上のトナーを検知するCCDセンサ
ー603を設け、これをA/Dコンバータ918に接続
されている点である。以上の構成において、転写紙は上
記ドラム601のクランプ43によって固定され、該ド
ラム601と共に回動する。この回動中に、処理液及び
浸透促進用液が塗布ローラ207によって転写紙に塗布
され、その後、剥離ローラ302によってトナーが転写
紙上から除去される。剥離ローラ302通過後の転写紙
上のトナー量が上記CCDセンサー603で検出され、
転写紙上のトナーが完全に剥離されていない場合には、
何回か同じプロセスを繰り返し、これにより、トナーを
完全に除去する。トナーが除去されると、クランプ9が
開いて転写紙が該ドラム601から分離し、乾燥ユニッ
ト4へ送られる。他の制御は図6におけるものと同じで
ある。
【0074】また、図11に示すように、液付与ユニッ
ト2、トナー剥離ユニット3、及び、乾燥ユニット5の
3つのユニットを合体させることもできる。この例にお
いては、反射板704付きのランプ705を内蔵したド
ラム701の回りに、液給ローラ207、剥離ローラ3
02、加熱ローラ402が設けられ、また、該ドラム7
01を覆うガイド702や、該ドラム701から転写紙
を分離する分離爪703が設けられている。このランプ
705は剥離と乾燥を補助するものである。ここでも上
記図5、図7及び図8に示す装置におけると同様の部材
については同一の符号を付している。更に、図12に示
すように、トナー剥離ユニット3、及び、乾燥ユニット
5の2つのユニットを合体させることもできる。
【0075】なお、上記図10や図11のドラム60
1,701には剥離ローラ302が接触するので、理論
上最適な剥離ローラ302からの転写紙分離条件を作り
出すには、剥離ローラ302との対向部で転写紙がドラ
ム601,701から全く浮き上がらずに、あたかも剥
離ローラ302によりも強力な力でドラムがわに接着さ
れているように搬送されることが望ましい。このために
は、例えば図14(a)に示すように、ドラム周面に内
部に貫通する複数の孔を形成し、かつ、ドラム内の剥離
ローラとの対向部に、遮蔽壁604を用いて他のドラム
内部から遮蔽された空間を形成するようにして、該空間
を吸引手段によって負圧する。この貫通孔は、例えば図
14(b)のように円形、同(c)に示すように幅方向
に延在する複数のスリット状、その他の適宜の形状にし
ても良い。なお、図14(a)中の剥離ローラ302と
の対向部を通過したドラム601に対向するように設け
られているのは、ドラム側からの負圧が効かなっなった
際における、転写紙のドラム周面との密着を確保するた
めの案内ローラである。また、ドラム下部周面近傍の部
材608はドラム駆動用の軸である。
【0076】また、図14の構成に代え、図15(a)
に示すように、ドラム701に周面に転写紙に対する接
着層701aを形成しても良い。以上の剥離ローラ30
2との対向部における空気吸引力や接着剤を用いた転写
紙の吸着薄層は、このようなユニット複合型に限られる
ものではなく、図5に示すような装置にも適用可能であ
る。
【0077】また、図15(b)の装置例では、ドラム
701に巻き付いた後であまって、液付与装置208と
の対向部まで搬送される以前の転写紙に対向して、無数
の例えば針を周面に備えた液浸透促進ローラ706が設
けられている。これは、液付与装置208により付与さ
れる処理液がトナーと転写紙との界面に浸透しやすくす
るために、転写紙上のトナーに孔を開けるためのもので
あり、ベルト状に構成することもできる。これは特にベ
タ画像部の覆いトナー像が形成された転写紙からトナー
を除去する場合に有効である。これにより上記界面に十
分な処理液が浸透しないことによるトナー残りや転写紙
の剥離ローラ302への巻き付きによる破損などを防止
できる。このような液浸透促進ローラ706も図5に示
すような装置にも適用できる。
【0078】また、図15(c)に示すように、例えば
ドラム701上で搬送されている転写紙に二以上の剥離
ローラ302を対向させて、二段回以上に分けた剥離作
用を及ぼすようにしても良い。例えば1つ目の剥離ロー
ラ302によって、トナー像の50%程度を剥離ローラ
302に移し、2回目の剥離ローラ302によって残り
の全てのトナーをこの剥離ローラ302に移すようにす
る。これは1回の剥離で全てのトナーを除去しようとす
る場合に比して、剥離の際に転写紙に与えるストレスを
小さくでき、転写紙の損傷をより少なくできるという利
点がある。これも特にベタ画像部の覆いトナー像が形成
された転写紙からトナーを除去する場合に有効である。
このような多段の剥離も図5に示すような装置にも適用
できる。
【0079】次に、上記トナー除去装置に用いることが
できる液付与ユニット2について説明する。上記トナー
除去装置においては、転写紙10表面とトナーTとの界
面部を水等の不安定化剤で十分湿潤させることが望まれ
る。図16(a)及び(b)に示すように、複写機等の
画像形成装置に従来から用いる転写紙10等は、一般の
紙と同様、紙繊維(セルロース繊維)10aが絡み合っ
た繊維質の構造をしており、多数の微細な空隙が存在し
ている。このような微細な空隙を含んでいる転写紙10
等に、上記水等の不安定化剤としての処理液20を浸透
させる場合には、一般に毛細管効果を利用する。しかし
ながら、上記空隙内の気体(例えば、空気)が処理液2
0の転写紙10内への浸透を妨げるため、結果として、
転写紙10は処理液20であまりぬれないおそれがあ
る。したがって、上記トナー除去装置の場合において、
処理液20を確実に転写紙10とトナーTとの界面部ま
で充分に浸透させることができず、そのため、図17に
示すように剥離部材302aで転写10上のトナーTを
剥離する場合、トナーTの転写紙10からの剥離が不十
分になるおそれがある。以下、処理液20を効率的かつ
確実に転写紙とトナーTとの界面部まで充分に浸透させ
ることができる液付与ユニット2のより具体的な構成例
について詳述する。
【0080】上記トナー除去装置に用いる液付与ユニッ
ト2では、転写紙10への処理液20の付与を1回で行
ってもよいが、数回に分けて付与してもよい。例えば、
図18に示すように、まず浸透度促進剤付与手段として
の浸透促進液付与装置2aで、上記処理液20の転写紙
10とトナーとの界面部への浸透を促進させる浸透度促
進剤としての浸透促進液21を転写紙10に付与し、そ
の後不安定化剤付与手段としての処理液付与装置2b
で、浸透促進液21が付与された転写紙10に処理液2
0を付与するように液付与ユニット2を構成してもよ
い。この場合の浸透促進液21としては、例えば上記界
面活性剤等を用いることができる。また、上記処理液付
与装置2b及び浸透促進液付与装置2aは、それぞれ後
述する構成の液付与ユニット2を用いることができ、該
液付与ユニット2を適宜組み合わせて使用することがで
きる。また、上記浸透促進液付与装置2a及び処理液付
与装置2bのそれぞれにおいては、該液付与ユニット2
を複数使用し、浸透促進液21又は処理液20を転写紙
10に多数回付与するように構成してもよい。
【0081】以下の液付与ユニット2の具体的な構成例
では、上記浸透促進液付与装置2a、処理液付与装置2
b等の区別をすることなく、転写紙1に処理液20など
液22を付与できるものとして説明する。したがって、
以下の各図では、浸透促進液21、処理液20、及びそ
の両者を区別をしない液22を適宜用いることができる
ものとする。
【0082】図19を用いて、転写紙10を液22に浸
漬する方式を採用した液付与ユニット2の一構成例につ
いて説明する。この液付与ユニット2は、液22を所定
量満たした液容器201、転写紙10の一方の面(図中
の上面)に接触しながら、液容器201の液22中に案
内するように搬送する液中搬送ローラ202、液中搬送
ローラ202の駆動部(不図示)、転写紙10の他の面
(図中の下面)を液容器201の液22中に案内する液
中ガイド板203、分離爪210、余剰量除去手段とし
ての絞りローラ対204等を備えている。本例におい
て、給紙ユニット1から給送された転写紙10は、液中
搬送ローラ202と液中ガイド板203とによって、液
容器201の液22中に案内され、液22に浸漬され
る。その後、分離爪210によって液中搬送ローラ20
2の表面から分離された転写紙10は、絞りローラ対2
04によって余分な液22が除去され、次のトナー剥離
ユニット3等へと搬送される。本例では、絞りローラ対
204によって転写紙10にトナーの付着力を低下させ
る必要最小限の処理液20を付与することができるの
で、後の乾燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙
10の吸湿による伸縮が少なくて済むため、転写紙10
の波打ち、しわ等の発生を抑えることができる。
【0083】図20を用いて、転写紙10を液22に浸
漬する方式を採用した液付与ユニット2の他の構成例に
ついて説明する。この液付与ユニット2は、図19の液
中搬送ローラ202の代わりに、図示しない駆動部によ
り駆動された各搬送ローラ対209に張架された搬送ベ
ルト211が設けられている。本例において、給紙ユニ
ット1から給送された転写紙10は、ベルト送りにより
搬送ベルト211の下面に捕らえられ、液容器201の
液22中に案内され、液22に浸漬される。その後、転
写紙10は、搬送ローラ11で送り方向が鋭角的に反転
された送り終端部で容易に分離され、次のトナー剥離ユ
ニット3へと搬送される。なお、本例においても、上記
絞りローラ対204を設けてもよい。また、搬送ベルト
211に複数の穴を設けることにより、液22の浸透を
増加させることができる。
【0084】上記図19又は図20の液付与ユニット2
を用いれば、液22に転写紙10を浸漬させているた
め、液22が転写紙10の両面及び端部から浸透してい
く。そのため、液22が速く確実に転写紙10の中に浸
透し、トナーと転写紙10(紙繊維)との界面での付着
力を低下させることができるようになる。なお、この種
の液付与ユニット2においては、上記制御部で液容器2
01内の液22の残量表示等の液量制御や、処理回数に
応じた液補給等の液濃度制御等を行うことにより、転写
紙10へ付与する液量等を所定量に維持できるようにな
る。
【0085】図21を用いて、転写紙10に液22を塗
布する方式を採用した液付与ユニット2の構成例につい
て説明する。この液付与ユニット2は、液22を所定量
満たした液容器201、少なくとも表面部が吸液性材料
で形成され、転写紙10を挟持しながら搬送する塗布ロ
ーラ対207、塗布ローラ対207の駆動部(不図
示)、一方の塗布ローラ207に液22を供給するため
の給液パイプ212及びポンプ213等を備えている。
ここで、下の塗布ローラ207は、その一部が液容器2
01中の液22に浸漬するように配置されている。ま
た、塗布ローラ対207の吸液性材料としては、液22
を保持し転写紙に塗布するように付与することができる
材質であればよく、具体例としてはスポンジ、フェルト
等が挙げられるが、これに限定されるものではない。本
例において、給紙ユニット1から給送された転写紙10
は、液22を表面及び内部に保持した塗布ローラ対20
7によって挟持されながら搬送され、このとき転写紙1
0の両面には液22が塗布される。なお、塗布ローラ対
207の一方をセルの大きいスポンジ、或いは柔らかい
フェルトで構成すれば、塗布ローラ対のニップ部とその
他部とに圧力差が生じ、液22の浸透力が増すので、処
理スピードの向上を図ることができるようになる。ま
た、本例では転写紙10両面への同時塗布処理が可能な
構成となっているが、片面のみへの塗布処理だけを行う
場合には、例えば図9の下の塗布ローラ207をそのま
ま採用し、上の塗布ローラ207を通常のゴムローラ等
で構成してもかまわない。
【0086】図22を用いて、転写紙10に液22を塗
布する方式を採用した液付与ユニット2の他の構成例に
ついて説明する。この液付与ユニット2は、転写紙10
の片面(図中の上面)に一定量の液22を塗布するよう
に構成され、液22を所定量満たした液容器201、転
写紙10を挟持しながら搬送する塗布ローラ対207、
塗布ローラ対207の駆動部(不図示)、上の塗布ロー
ラ207の表面に液22が接触するに配置された液溜り
部214、塗布ローラ207の表面の液付着量を規制す
る余剰量除去手段としてのブレード215、液溜り部2
14に液22を供給するための給液パイプ212及びポ
ンプ213等を備えている。本例において、液容器20
1からポンプ213で供給された液22が、いったん液
溜り部214に貯えられ、上の塗布ローラ207の表面
に付着する。該表面への付着量は、ブレード215によ
って一定量に規制され、転写紙10が過度に濡れるのを
防止している。給紙ユニット1から給送された転写紙1
0は、塗布ローラ対207によって挟持されながら搬送
され、転写紙10の表面に液22が塗布される。なお、
本例では、塗布ローラ17に対向するローラ18をスポ
ンジ等の気泡を含んだ材質で形成することにより、両ロ
ーラのニップ部とその他部との圧力差を利用して、液2
2の転写紙10への浸透力を高めることができる。ま
た、本例では塗布量を一定に規制する処理面を上面に設
定しているが、該処理面を下面に設定して構成すること
もできる。
【0087】上記図21又は図22の液付与ユニット2
を用いれば、転写紙10にトナーの付着力を低下させる
必要最小限の処理液20を付与することができるので、
後の乾燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙10
の吸湿による伸縮が少なくて済むため、転写紙10の波
打ち、しわ等の発生を抑えることができる。また、この
種の液付与ユニット2においても、上記制御部で液容器
201内の液22の残量表示等の液量制御や、処理回数
に応じた液補給等の液濃度制御等を行うことにより、転
写紙10へ付与する液量等を所定量に維持できるように
なる。
【0088】図23を用いて、塗布ローラ207対の加
圧力を調整する加圧力調整装置を備えた液付与ユニット
2について説明する。この液付与ユニット2は、図23
(a)に示すように、搬送されてきた転写紙10の先端
を検知する用紙先端センサ234、上側の塗布ローラ2
07をもう一方の塗布ローラ207へ加圧するように付
勢するバネ等の付勢部材235、上側の塗布ローラ20
7の回転軸に固着された可動軸受236、可動軸受23
6を介して上側の塗布ローラ207の下側の塗布ローラ
207への加圧を解除するための加圧解除ソレノイド2
37、制御部(図23(a)では不図示)等を備えてい
る。上記用紙先端センサ234としては、フィラー付き
のフォトセンサなどを用いることができる。
【0089】本例においては、図23(b)に示すよう
に、まず装置の駆動が開始されると、給紙ユニット1か
らの転写紙10が搬送ローラ209で搬送されてくる
と、その転写紙10の先端が用紙先端センサ234で検
知され、その検知信号が制御部に送られる(ステップ1
及び2)。そして、制御部からソレノイド237の駆動
部(不図示)に加圧解除の信号が送られて、ソレノイド
237がONになるとその可動部が引かれ、可動軸受2
36を介して、上側の塗布ローラ207を下側の塗布ロ
ーラから離れ、塗布ローラ207対の加圧が解除される
(ステップ4)。そして、制御部のRAM919に予め
記憶されている設定時間が経過した時点で、制御部から
ソレノイド237の駆動部に加圧開始信号が送られて、
ソレノイド237がOFFになると、上側の塗布ローラ
207は付勢部材235で下側のローラに接触するよう
に付勢される(ステップ5)。上記設定時間は、転写紙
10の先端の未処理幅、塗布ローラ207対の挾持部で
の線速等に基づいて決められている。
【0090】本例によれば、転写紙10の先端の所定の
幅に液22が塗布されずにぬれないので、次の剥離工程
で転写紙10と剥離部材である剥離ローラ表面との離型
性が改善され、分離が容易に行われるようになる。上記
図23の液付与ユニット2で、転写紙10の所定の先端
幅に対する塗布ローラ207の加圧力を大きくするよう
に構成すれば、転写紙10の先端だけ過度に液22が付
与されてぬれるので、次の工程で水ぬれ吸着分離方式を
採用することができ、分離工程を簡単な構成にすること
ができる。
【0091】図24を用いて、転写紙10に液22を噴
霧する方式を採用した液付与ユニット2の構成例につい
て説明する。この液付与ユニット2は、液22を所定量
満たした液容器201、液22を噴霧するノズル21
6、ノズル216まで液を供給する給液パイプ212及
びポンプ213、搬送ローラ対209、絞りローラ対2
04、液22の飛散を抑える液遮蔽板217等を備えて
いる。本例において、給紙ユニット1から給送された転
写紙10の処理面に、ノズル216からの噴霧によって
液22が塗布される。この噴霧による塗布の際に、液2
2が処理面に過剰に与えられることが多くが、この余分
な液22は下流側に設けられた絞りローラ対204で除
去される。本例では、絞りローラ対204によって転写
紙10にトナーの付着力を低下させる必要最小限の処理
液20を付与することができるので、後の乾燥工程での
熱量が少なくて済み、更に転写紙10の吸湿による伸縮
が少なくて済むため、転写紙10の波打ち、しわ等の発
生を抑えることができる。なお、本例では処理面を下面
に設定しているが、上面若しくは両面に設定してもよ
い。
【0092】また、本例に係る液付与ユニット2におい
て、ポンプ213の噴出量、ノズル216の出射口径等
を可変できるように構成し、上記制御部からの信号に応
じて液22の噴霧量を変化させてもよい。例えば、転写
紙10の先端に対して、ポンプ213の噴出量を減少、
又はノズル216の出射口径を小さくするように制御し
て液22の噴霧量を少なくすれば、転写紙10の先端の
所定の幅に液22が塗布されずにぬれないので、次の剥
離工程で転写紙10と剥離部材である剥離ローラ表面と
の離型性が改善され、分離が容易に行われるようにな
る。また例えば、転写紙10の先端に対して、ポンプ2
13の噴出量を増加、又はノズル216の出射口径を大
きくするように制御して液22の噴霧量を多くすれば、
転写紙10の先端だけ過度に液22が付与されてぬれる
ので、次の工程で水ぬれ吸着分離方式を採用することが
でき、分離工程を簡単な構成にすることができる。
【0093】図25を用いて、液22を霧状にして転写
紙10に付与する方式を採用した液付与ユニット2の構
成例について説明する。この液付与ユニット2は、液2
2を所定量満たした液容器201、霧化装置218、霧
状の液22aを液体に戻す復水部219、液22を噴霧
するノズル216、ノズル216まで液を供給する給液
パイプ212及びポンプ213、搬送ローラ対209、
絞りローラ対204等を備えている。ここで、霧化装置
218としては、例えば超音波振動子、加熱ヒータ等を
用いることができるが、これに限定されるものではな
い。本例において、液容器201中の液22が霧化装置
218によって霧状にされ、給紙ユニット1から給送さ
れた転写紙10は、液容器201上を浮遊する霧状の液
22a中を搬送ローラ対209によって搬送される。こ
のとき、該霧状の液22aが転写紙10の表面に付着す
ることにより、液22が転写紙10に付与される。な
お、霧状の液22aは復水部219で再び液化し、再度
使用される。
【0094】図26を用いて、フェルトブレード220
を用いた液付与ユニット2の構成例について説明する。
この液付与ユニット2は、一部を液容器201に浸した
フェルトブレード220、搬送ガイド板221、搬送ロ
ーラ対209、絞りローラ対204等を備えている。本
例において、給紙ユニット1から給送された転写紙10
は、搬送ローラ対209によって搬送ガイド板221間
に送り出され、液22を十分に含んだフェルトブレード
220に接触し、液22が転写紙10上に塗布される。
転写紙10上の余分な液22は、下流側の絞りローラ対
204で除去される。本例では、絞りローラ対204に
よって転写紙10にトナーの付着力を低下させる必要最
小限の処理液20を付与することができるので、後の乾
燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙10の吸湿
による伸縮が少なくて済むため、転写紙10の波打ち、
しわ等の発生を抑えることができる。
【0095】図27を用いて、ジェットノズルによって
液22を付与する方式を採用した液付与ユニット2の構
成例について説明する。この液付与ユニット2は、転写
紙10の進行方向に直交してジェットノズルが複数設け
られたジェットノズルヘッド223、転写紙10上の画
像を読みとるイメージセンサ(不図示)等を備えてい
る。本例において、給紙ユニット1から給送された転写
紙10上の画像領域10aに、ジェットノズルヘッド2
23で液22を噴射する。また、転写紙10上の画像を
イメージセンサで読み取り、その画像領域に応じて液2
2の噴射の有無を制御する。ここで、読み取り・噴射の
位置精度はあまり細かく設定する必要はなく、画像より
大きな領域に液22が付与できればよい。例えば、プリ
ンター等に用いられるインクジェット印字では1インチ
あたり200〜400ドットの精度が一般的であるが、
本例では数センチ単位の分割精度で十分である。但し、
読みとり・噴射位置の制御を高精度に制御すること、読
取り部を設けずに全面に処理を行なうことはもちろん構
わない。
【0096】また、本例に係る液付与ユニット2を用い
れば、ジェットノズルヘッド223からの噴射量を制御
することにより、転写紙10にトナーの付着力を低下さ
せる必要最小限の処理液20を付与することができるの
で、後の乾燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙
10の吸湿による伸縮が少なくて済むため、転写紙10
の波打ち、しわ等の発生を抑えることができる。
【0097】また、上記制御部からの信号に応じてジェ
ットノズルヘッド223からの噴射量を変化させてもよ
い。例えば、転写紙10の先端に対して、ジェットノズ
ルからの噴射量を少なくすれば、転写紙10の先端の所
定の幅に液22が塗布されずにぬれないので、次の剥離
工程で転写紙10と剥離部材である剥離ローラ表面との
離型性が改善され、分離が容易に行われるようになる。
また例えば、転写紙10の先端に対して、ジェットノズ
ルからの噴射量を多くすれば、転写紙10の先端だけ過
度に液22が付与されてぬれるので、次の工程で水ぬれ
吸着分離方式を採用することができ、分離工程を簡単な
構成にすることができる。
【0098】図28(a),(b)を用いて、処理ヘッ
ド224内の液22を転写紙10に直接接触させて液2
2を付与する方式を採用した液付与ユニット2の構成例
について説明する。この液付与ユニット2は、中空であ
って、転写紙10の搬送方向に直交する方向に細長い開
口部224aが形成された処理ヘッド224(図28
(b)参照)、処理ヘッド224と転写紙10を介して
対向する位置に配置した対向ローラ225、液22を所
定量満たした液容器201、処理ヘッド224に液22
を供給するための給液パイプ212及びポンプ213、
搬送ローラ対209、絞りローラ対204、搬送ガイド
板221、各ローラの駆動部(不図示)等を備えてい
る。本例において、給紙ユニット1から給送された転写
紙10は、処理ヘッド224と対向ローラ225との間
に挾持されながら搬送される。このとき、処理ヘッド2
24の開口部224aの液22が、転写紙10の下面に
直接接触することにより、液22が転写紙に付与され
る。転写紙10上の余分な液22は、下流側の絞りロー
ラ対204で除去される。本例では、絞りローラ対20
4によって転写紙10にトナーの付着力を低下させる必
要最小限の処理液20を付与することができるので、後
の乾燥工程での熱量が少なくて済み、更に転写紙10の
吸湿による伸縮が少なくて済むため、転写紙10の波打
ち、しわ等の発生を抑えることができる。
【0099】また、本例においては、処理ヘッド224
の液面が転写紙10と密着しているため、処理ヘッド2
24からの液22の蒸発を防止することができる。ま
た、図28の液容器201を密閉することができるの
で、液容器201内の液22はポンプ213で汲み上げ
て処理ヘッド224に供給される。液容器201を密閉
型にした場合には、液容器201からの液22の蒸発も
防止することができる。
【0100】図29(a)乃至(c)を用いて、転写紙
搬送方向に移動可能な処理ヘッド224について説明す
る。処理ヘッド224、及びその開口部224aに対向
する対向ローラ225はともに、搬送ローラ209a,
209b間で移動自在に構成され、処理ヘッド224及
び対向ローラ225の駆動装置が設けられている。ま
ず、図29(a)に示すように、給紙カセット1から搬
送ローラ209a等によって搬送されてきた転写紙10
は、液22の供給がOFFにされた処理ヘッド224
と、回転している対向ローラ25との間に挾持される。
転写紙10の先端を挾持したところで、対向ローラ22
5の回転は一旦停止するように上記制御部で制御する。
この一旦停止のタイミングは、搬送ローラ209aの上
流側に設けられて用紙先端センサ(不図示)や、処理ヘ
ッド224又は対向ローラ225に設けられた用紙セン
サ(不図示)等に基づいて制御することができる。そし
て、図29(b)に示すように、処理ヘッド224と対
向ローラ225は、転写紙10の先端を挾持したまま搬
送ローラ209b側に移動する。そして、処理ヘッド2
24及び対向ローラ225は、搬送ローラ209b手前
の所定位置に到達すると移動を停止し、搬送ローラ20
9bが転写紙10を挾持できるように、対向ローラ22
5の回転を開始する。そして、図29(c)に示すよう
に、転写紙10が搬送ローラ209bに挾持された後、
ポンプ213をONして処理ヘッド224への液22の
供給を開始する。処理ヘッド224への液22の供給
は、対向ローラ225の駆動開始から所定時間経過した
時点で開始するように制御してもよい。転写紙10の搬
送及び液付与が完了したら、処理ヘッド224及び対向
ローラ225をOFFして、搬送ローラ209a側の元
の所定位置まで戻し、次の転写紙10が搬送されてくる
のを待つ。
【0101】このような動作を行うことにより、転写紙
10の先端に液22が付与されない未処理領域を形成す
ることができるので、次の剥離工程で転写紙10と剥離
部材である剥離ローラ表面との離型性が改善され、分離
が容易に行われるようになる。
【0102】また、図29において、転写紙10を搬送
ローラ209bが挾持した後、処理ヘッド224及び対
向ローラを、液22が付与された転写紙10表面を擦る
ように移動(例えば、搬送ローラ間を往復動)させれ
ば、処理ヘッド224等が液22を含浸した転写紙10
表面を擦ることにより、転写紙10内の空気泡が除去さ
れ、毛細管効果などによって、液22をより効率的かつ
確実に転写紙10に浸透させることができるようにな
る。
【0103】図30乃至図32を用いて、転写紙10に
接触する溝に処理液20を高速で流す処理ヘッド238
を用いた液付与ユニット2について説明する。この液付
与ユニット2の処理ヘッド238は、図30(a)及び
(b)に示すように、転写紙10が接する側に、転写紙
10の搬送方向に直交する方向の2本の溝238aが形
成されている。液容器201内の処理液20は、給液パ
イプ212を通って処理ヘッド238の溝238aの一
方の端部へ供給される。給液パイプ212の途中には、
フィルタ229及びポンプ213が設けられている。供
給された処理液20は溝238a内を高速に移動し、も
う一方の溝238aの端部から液容器201に戻されて
循環する。また、処理ヘッド238の転写紙搬送方向の
両側面部には、搬送ローラ209が配置されている。
(以下、余白)
【0104】本例においては、転写紙10が接している
処理ヘッド238の溝238a内を処理液20が高速に
移動しているので、溝238a内において処理液20の
流れ方向と直交する方向に負圧が発生し、転写紙10が
溝238a内の処理液20に密着する。これにより、処
理液20が転写紙10に塗布される。このとき、転写紙
10と処理液20が直接接触し、かつ、処理液20が高
速で移動しているため、転写紙10の表面の空気泡が除
去され、処理液20を毛細管効果によって、効率的かつ
確実に転写紙10に浸透させることができるようにな
る。また、処理ヘッド238上の転写紙10は溝238
aに密着しているので、転写紙10が溝238aのフタ
となり、処理液20の蒸発損失を防止することができ
る。また、液容器201を密閉することにより、処理液
20の蒸発を更に防止することができ、更に処理液20
を給液パイプ212を通し、フィルタ229及びポンプ
213を介して循環させているので、常に清浄な処理液
20を処理ヘッド238の溝238aに供給することが
できる。
【0105】図31の液付与ユニット2の変形例であ
り、処理ヘッド238上の溝238aのない領域に搬送
ベルトが設けられている。この搬送ベルトは、二つのロ
ーラによって張架され、搬送ローラ209及び処理ヘッ
ド238上面の間に転写紙10を挾持するように配置さ
れている。これにより、処理ヘッド238上を転写紙1
0が確実に搬送されるようになる。
【0106】また、図32に示すように、処理ヘッド2
38の溝238aの転写紙搬送方向における下流側の内
側面238bを、斜めに形成することにより、転写紙1
0の先端が溝238a内に落ちた場合でも、転写紙10
が折れることなく、溝238a内から出てくるようにな
るので、更に、処理ヘッド238上を転写紙10が確実
に搬送されるようになる。
【0107】図33を用いて、転写紙10の全面に対し
て液付与処理可能な、処理ヘッド238を有する液付与
ユニット2の動作について説明する。ここで、処理ヘッ
ド238の搬送方向下流側の溝238aの中心位置と搬
送ローラ209eの中心位置との間の距離は、最小サイ
ズの転写紙1の搬送方向長さの半分以下に設定する。第
1及び第2搬送路切り換え爪239,240は実線の位
置に設定されている。
【0108】まず、転写紙10を搬送ローラ209c,
209dによって処理ヘッド238上に搬送する。この
とき、処理ヘッド238はOFFにしておく。ONにし
ておくと、処理ヘッド238の溝238a内の負圧によ
って転写紙10の先端が溝238a内に落ち、折れてし
まう恐れがあるためである。その後、転写紙10の先端
が、処理ヘッド238を通り越し、用紙先後端センサ2
42で検知される。このとき、転写紙10が搬送ローラ
209eに挾持されたことになり、転写紙10の搬送が
可能となるため、処理ヘッド238をONして液付与処
理を開始する。
【0109】そして、用紙先後端センサ242が転写紙
10の後端を検知したとき、処理ヘッド238を一旦O
FFする(但し、いつの時点でOFFしてもよく、例え
ば、転写紙10が反転搬送路240の通過を確認してO
FFするように制御してもよい)。そして、転写紙10
の後端の検知後、所定時間経過したところで、搬送ロー
ラ対209fを逆転させるとともに、第1搬送路切り換
え爪239を2点鎖線の位置に切り換える。これによ
り、転写紙10は反転搬送路240を通過し、搬送ロー
ラg,h,iによって搬送され、搬送ローラ対209d
に転写紙10を挾持させる。このとき、第2搬送路切り
換え爪241は、2点鎖線に位置に切り換えておく。
【0110】そして、転写紙10の先端が用紙先後端セ
ンサ242で検知された時点で、処理ヘッド238がO
Nされ、上記液付与工程ではぬれていない部分に処理液
20が付与される。この後、第1搬送路切り換え爪23
9は元の実線の位置に戻され、搬送ローラ209fを正
転させて、転写紙10を次の処理工程(剥離工程、乾燥
工程等)に送られる。なお、処理ヘッド238は、転写
紙10の後端を用紙先後端センサ242で検知した時点
でOFFにする。以上、本例によれば、転写紙10の全
面に処理液20を確実に付与することができるようにな
る。
【0111】図34を用いて、転写紙1の圧縮手段及び
液付与手段を有する液付与ユニット2の一具体例につい
て説明する。本例に係る液付与ユニット2は、上記圧縮
手段として、転写紙10を挾持し、所定の圧縮力で圧縮
する塗布・圧縮ローラ対228を用いている。この塗布
・圧縮ローラ対228は、給紙ユニット1からの転写紙
10が下から上に進行するように配置され、矢印方向に
図示しない駆動部によって駆動される。
【0112】また、上記液付与手段は、塗布・圧縮ロー
ラ対228による圧縮から解除されつつある転写紙10
の両面に処理液20が接触するように設けられた液溜り
部214、及び液溜り部214に必要に応じて処理液2
0を供給する2組の液供給装置208により構成されて
いる。この液溜り部214の液保持板214aの下端部
は、塗布・圧縮ローラ対228の表面に摺擦するように
構成されている。なお、該下端部は、塗布・圧縮ローラ
対228に損傷を与えないような材料で構成するのが望
ましい。また、本例では転写紙10の両面でそれぞれ独
立の液溜りを形成するように構成しているが、転写紙1
0の両面の各液溜りが連通するように構成してもよい。
【0113】上記2組の液供給装置208は、それぞれ
液容器201、給液パイプ212、ポンプ213、液洗
浄手段としてのフィルタ229等により構成されてい
る。各液容器201の塗布・圧縮ローラ対228側の上
端部には、塗布・圧縮ローラ対228の表面に付着して
いる残存処理液を除去する液除去ブレード229が設け
られている。転写紙10の両面の各液溜りが連通するよ
うに構成されている場合には、1組の液供給装置208
を設けるだけでもよい。
【0114】また、転写紙10の搬送路には、転写紙1
0をガイドするガイド板(不図示)、及びガイドローラ
対が適宜設けられている。例えば、図34の構成におい
ては、塗布・圧縮ローラ対228の上流側及び下流側に
搬送ローラ対209が設けられている。
【0115】以上、本例によれば、表面にトナー像が形
成されている転写紙10が、搬送ローラ対209等にガ
イドされて、塗布・圧縮ローラ対228の入口まで搬送
される。塗布・圧縮ローラ対228は、転写紙10を挾
持して圧縮しながら上方に搬送する。この圧縮により、
転写紙10の微細な空隙内の空気泡等の気体が除去され
る。転写紙10は、塗布・圧縮ローラ対228による圧
縮位置を通過した後、その圧縮力が解除されるが、この
圧縮力が解除される部分に液溜り部214内の処理液2
0が接触しているので、圧縮力の解除時に液溜り部21
4内の処理液20が、転写紙10両面の主にトナー像が
形成されていない部分から、毛細管効果等によって、転
写紙10の内部の該空隙、及び転写紙10の構成材料で
ある紙繊維(例えば、セルロース繊維)内に速やかに浸
透し、最終的には、トナー像と紙繊維との界面部まで確
実に浸透するようになる。ここで、転写紙10上のトナ
ーは一般に撥水性を有するため、トナー像表面には処理
液20が付着しにくい。しかしながら、トナー像には顕
微鏡で観察すると空隙が無数存在しているので、処理液
20は毛細管現象等によってトナー像の表面からも浸透
する。以上のように、処理液20がトナー像と転写紙1
0表面の紙繊維との界面部まで確実に浸透することによ
り、トナー、紙繊維、又はその両者の特性が変化し、ト
ナー像と転写紙10の紙繊維との間の付着状態が不安定
状態になるので、トナー像が転写紙10表面から剥離し
やすくなる。
【0116】次に、処理液20が浸透した転写紙10
は、搬送ローラ対209を通り、次のトナー剥離ユニッ
ト3の剥離ローラ302間に搬送される。このトナー剥
離ユニット3では、図17に示すように、剥離部材30
2aが転写紙10上のトナーT及び処理液20と接触
し、剥離部材302aとトナーTとの接着力がトナーT
と転写紙10表面との付着力より大きくなるように構成
されているので、トナーTが転写紙10表面から剥離さ
れる。ここで、剥離部材302aとトナーの付着してい
ない転写紙10表面との間には処理液20が介在してい
ることにより、転写紙10表面の紙繊維が剥離部材30
2aによって剥離されることはないので、転写紙10表
面に損傷を与えることなく、トナーTのみを剥離するこ
とができる。このように、損傷を与えることなくトナー
Tのみが剥離された転写紙10は、複写機等に再利用で
きる。
【0117】一方、塗布・圧縮ローラ対228の表面に
付着している残存処理液は、液除去ブレード229で掻
き取られ、液容器201に溜められた後、ポンプ213
で、フィルタ229を通して、液溜り部214に供給さ
れる。フィルタ229を通過させることにより、常に洗
浄な処理液を液溜り部214に供給することができるよ
うになり、結果として、ゴミ、不純物等の含まれない処
理液20を転写紙10に付与し、トナーTと転写紙10
表面の紙繊維との界面部まで更に効率的かつ確実に浸透
させることができるようになる。
【0118】なお、本例における上記塗布・圧縮ローラ
対228の圧縮力は、圧縮ローラ間の接触位置から処理
液20が漏れないように設定したほうが好ましい。具体
的には、該圧縮力を少なくとも塗布・圧縮ローラ対22
8上の処理液20の重量以上に設定すれば、圧縮ローラ
間の接触位置から処理液20が漏れないようになる。こ
こで、塗布・圧縮ローラ対228上の処理液20の重量
の概略値Wは、次のように見積もることができる。図3
5に示すように、液溜りの高さをH(cm)、塗布・圧縮
ローラ対228の半径をR(cm)とする。また、A4サ
イズの複写紙を通過させる場合には、塗布・圧縮ローラ
対228の長さは少なくとも23cm以上あればよい。さ
らに、計算を簡略化するために、塗布・圧縮ローラ対2
28上に2R×H×23(cm3)の直方体状に処理液2
0が存在し、処理液20の密度を1g/cm3とすると、塗
布・圧縮ローラ対228上の処理液20の重量の概略値
Wは次式より求められる。
【数1】W=46×R×H(g) ここで、例えば、R=5cm、H=5cmとすると、塗布・
圧縮ローラ対228の圧縮力を、おおよそ1.15kgf以
上に設定する必要があることがわかる。
【0119】図36を用いて、転写紙1の圧縮手段及び
液付与手段を有する液付与ユニット2の他の具体例につ
いて説明する。本例に係る液付与ユニット2の構成は、
基本的には上記図34と同様であるが、転写紙10を塗
布・圧縮ローラ対228によって圧縮する前に、所定の
液である予備浸漬液23を浸漬によって転写紙10に付
与するする液付与手段としての浸漬装置を設けている点
が異なっている。この浸漬装置は、予備浸漬液23を溜
めておく予備浸漬液タンク230、転写紙10が予備浸
漬液タンク230内の予備浸漬液23内を通過するよう
に配置された搬送ガイド板(不図示)、搬送ローラ対2
09等によって構成されている。ここで、予備浸漬液2
3としては、通常の水等を用いることができるが、上記
処理液20を用いてもよい。
【0120】以上、本例によれば、トナー像が形成され
ている転写紙10が、搬送ローラ対209等にガイドさ
れて、予備浸漬液タンク230内の予備浸漬液23内を
通過することにより、転写紙10が予備浸漬液23でぬ
らされ、転写紙10は、上記例1と同様に塗布・圧縮ロ
ーラ対228の入口まで搬送される。ここで、転写紙1
0が予備浸漬液23でぬらされていることにより、転写
紙10のいわゆる腰を弱くし、転写紙10を圧縮しやす
くすることができるので、塗布・圧縮ローラ対228に
よる転写紙10の微細な空隙内の空気泡等の気体の除去
を更に効率的かつ確実に行うことができる。なお、転写
紙10を予備浸漬液23でぬらす場合、予備浸漬液23
を転写紙10内に必ずしも充分に浸透させる必要はな
い。
【0121】図37を用いて、転写紙1の圧縮手段及び
液付与手段を有する液付与ユニット2の更に他の具体例
について説明する。本例に係る液付与ユニット2の構成
は、基本的には上記図34と同様であるが、図34が転
写紙10を塗布・圧縮ローラ対228の下方から上方へ
搬送しているのに対して、転写紙10を横方向に、図3
7中では塗布・圧縮ローラ対228の右方から左方に搬
送する構成になっている点が異なっている。本例の場合
の液溜り部214は、塗布・圧縮ローラ対228による
圧縮から解除されつつある転写紙10の両面に処理液2
0が接触するように、塗布・圧縮ローラ対228の複写
紙搬出部側に設けられている。この液溜り部214の液
保持板214aの右下端部は、圧縮ローラ3bの表面に
摺擦するように構成され、処理液20の漏れを防止して
いる。なお、該右下端部は、圧縮ローラ3bに損傷を与
えないような材料で構成するのが望ましい。
【0122】本例によれば、トナー像が形成されている
転写紙10が、搬送ローラ対209等にガイドされて、
塗布・圧縮ローラ対228の入口まで搬送される。塗布
・圧縮ローラ対228は、転写紙10を挾持して圧縮し
ながら左方に搬送する。この圧縮により、転写紙10の
微細な空隙内の空気泡等気体が除去される。転写紙10
は、塗布・圧縮ローラ対228による圧縮位置を通過し
た後、その圧縮力が解除されるが、この圧縮力が解除さ
れる部分に液溜り部214内の処理液20が接触してい
るので、圧縮力の解除時に液溜り部214内の処理液2
0が、転写紙10両面の主にトナー像が形成されていな
い部分から、毛細管効果等によって転写紙10の内部の
該空隙、及び転写紙10の構成材料である紙繊維(例え
ば、セルロース繊維)内に速やかに浸透し、最終的に
は、トナー像と紙繊維との界面部まで確実に浸透するよ
うになる。このように、処理液20がトナー像と転写紙
10表面の紙繊維との界面部まで確実に浸透することに
より、トナー、紙繊維、又はその両者の特性が変化し、
トナー像と転写紙10の紙繊維との間の付着状態が不安
定状態になるので、次のトナー剥離ユニット3で、トナ
ー像が転写紙10表面から剥離しやすくなる。
【0123】図38を用いて、トナー剥離ユニット3に
用いる剥離ドラム226による液付与ユニット2の構成
例について説明する。この液付与ユニット2は、中空で
あって、内部に液22を保持した円筒状の剥離ドラム2
26、剥離ドラム226の駆動部(不図示)、剥離ドラ
ム226の表面に圧接するように配置した対向ローラ2
27、対向ローラ227からの液22を受ける液受け容
器28等を備えている。上記剥離ドラム226の外壁部
は多数の細孔を有し、対向ローラ227はスポンジ等の
気泡を含んだ材質で形成されている。本例において、給
紙ユニット1から給送された転写紙10は、剥離ドラム
226と対向ローラ227に挟持されながら搬送され、
両ローラのニップ部で剥離ドラム226の内部の液22
が湧き出てきて、転写紙10に液22が付与されるとと
もに、転写紙10が剥離ドラム226に巻き付けられ、
次の剥離工程が行われる。なお、対向ローラ227はス
ポンジ等の気泡を含んだ材質で形成されているので、ニ
ップ部とその他部との圧力差が生じ、剥離ドラム226
中からの液22の湧き出しを補助している。また、剥離
ドラム226内部の圧力を高めることによって、液22
を湧き出させることもできる。
【0124】なお、上記図19乃至図38の液付与ユニ
ット2において、液22(処理液20、浸透度促進液2
1)自体に、又は上記液中搬送ローラ202、搬送ベル
ト211、塗布ローラ対207、フェルトブレード22
0等に超音波を印加してもよい。これにより、液22
(処理液20、浸透度促進液21)の転写紙10への浸
透速度高めることができるようになる。また、液22
(処理液20、浸透度促進液21)の温度を処理に適す
る範囲に保つ温度制御装置等を設けてもよい。これによ
り、処理スピードや、処理の確実性の向上を図ることが
できるようになる。また、液22(処理液20、浸透度
促進液21)の取り扱いに関しては、装置本体を持ち運
ぶ際に液22(処理液20、浸透度促進液21)の飛
散、漏れの無いように装置本体の取っ手位置を工夫する
ことや、液容器201を密閉構造にする等の対策が必要
になってくる場合がある。この対策については、従来の
湿式複写機、ジアゾ複写機等の技術を応用することが可
能である。また、液22(処理液20、浸透度促進液2
1)は循環して使用する場合には、その循環経路の一部
にゴミ、不純物等を取り除くフィルタを配置することが
望ましい。また、上記各ローラを搬送ベルト等に置き換
えて構成してもよい。
【0125】以上、本実施例によれば、処理液20を該
界面部に効率的かつ確実に浸透させることにより、該界
面部の転写紙10、トナー、又はその両者の特性を変化
させ、転写紙10とトナーとの間の付着力を低下させる
など、その付着状態を確実に不安定状態にすることがで
きるようになる。したがって、トナーのみを転写紙10
から確実に取り除くことができるようになる。また、上
記絞りローラ204、ブレード215等の余剰量除去手
段を備えた場合には、転写紙10にトナーの付着力を低
下させる必要最小限の処理液20を付与することができ
るので、後の乾燥工程での熱量が少なくて済み、更に転
写紙10の吸湿による伸縮が少なくて済むため、転写紙
10の波打ち、しわ等の発生を抑えることができる。
【0126】次に、本発明を、電子写真複写機等で画像
を形成することができる、例えば、未使用の転写紙10
に、上記浸透促進液21、処理液20等の液22を付与
する像保持体処理装置としての転写紙処置装置に適用し
た実施例について説明する。この転写紙処理装置は、上
記トナー除去装置の実施例と同様な構成を用いることが
でき、例えば上記図5,7,8,9,11又は12のト
ナー除去装置のトナー剥離ユニット3を取り除き、上記
液付与ユニット2(上記浸透促進液付与ユニット2aと
処理液付与装置2bとを組み合わせたものを含む)から
直接乾燥ユニット4に転写紙10を搬送させるように構
成することができる。
【0127】また、図39に示すように、上記トナー除
去装置のトナー剥離ユニット3を迂回するような迂回搬
送路232と、ユーザがトナー付着済み転写紙のトナー
除去モードと未使用転写紙処理モードを切り替えること
ができるモード切換装置(不図示)、該モード切換装置
によって転写紙の搬送路を切り換える搬送路切り換え装
置233とを設け、未使用転写紙処理モードを選択した
場合には、転写紙10がトナー剥離ユニット3を迂回す
る搬送路232を通過するように構成することもでき
る。
【0128】ここで、転写紙10に付与する浸透度促進
剤としては、上記界面活性剤の溶液等を用いることがで
き、また不安定化剤としては、上記実施例1に用いた処
理液20で純粋な水を除いたもの、即ち、水溶性ポリマ
ーを含む水溶液、界面活性剤を含む水溶液、及び水溶性
ポリマーと界面活性剤とを含む水溶液よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の水溶液等を用いることができ
る。
【0129】以上、本実施例に係る転写紙処理装置によ
れば、トナーが付着していない未使用の転写紙10に上
記処理液20(例えば、界面活性剤を含む水溶液)を効
率的かつ確実に浸透させることができるので、該転写紙
10上に画像(トナー像)を形成した後、転写紙10上
のトナー像を剥離する場合に、転写紙10の表面とトナ
ーとの付着状態が不安定状態となり、該表面からのトナ
ー像の剥離を従来より確実に行うことができるようにな
る。また、上記絞りローラ204、ブレード215等の
余剰量除去手段を備えた場合には、転写紙10にトナー
の付着力を低下させる必要最小限の処理液20を付与す
ることができるので、後の乾燥工程での熱量が少なくて
済み、更に転写紙10の吸湿による伸縮が少なくて済む
ため、転写紙10の波打ち、しわ等の発生を抑えること
ができる。
【0130】なお、上記各実施例では、本発明を転写型
の電子写真複写機によって画像が形成された転写紙1
0、又は画像が形成される前の未使用の転写紙10に適
用しているが、ファクシミリ、プリンター、印刷機等紙
等の他の画像形成装置で用いる記録紙等の像保持体にも
適用できる。また、本発明は、繊維質の構造をした像保
持体に限定されることなく、像を形成することができる
像保持体に適用できる。また、本発明が適用できる像保
持体は、例えば、プラスチック層等のベースシートの表
面層が紙等の材料層である積層物等であってもよい。
【0131】次に、トナー剥離ユニット3のより具体的
な構成例について詳述する。なお、上記図5等のトナー
除去装置の全体構成図では、二つの剥離ローラ302で
転写紙10を挾持し、転写紙10両面からトナーを除去
するように構成されているが、以下では、一つの剥離ロ
ーラ302で転写紙10の片面からトナーを除去するト
ナー剥離ユニット3の場合について説明する。もちろ
ん、以下の構成は、図5等のように二つの剥離ローラ3
02で転写紙10を挾持し、転写紙10両面からトナー
を除去するように構成したトナー剥離ユニット3にも適
用できる。
【0132】図40を用いて、剥離ローラ302上に付
着した不均一なトナーを平滑化する平滑手段を有するト
ナー剥離ユニット3の一具体例について説明する。この
トナー剥離ユニット3は、トナーTの軟化手段としての
加熱ランプ301を内蔵した中空の剥離ローラ302、
剥離ローラ302の表面に接触するように配設されたバ
ックアップローラ308、剥離ローラ302の表面に回
転しながら押圧するように配設された上記平滑手段の押
圧部材としての押圧ローラ309、駆動部(不図示)等
を備えている。
【0133】上記バックアップローラ308及び駆動部
は、剥離ローラ302の表面を複写紙10の表面に接触
させた状態で移動させる剥離部材移動手段を構成してい
る。上面にトナーTが付着した転写紙10は、バックア
ップローラ308と剥離ローラ302との間に挾持さ
れ、左方に搬送される。上記駆動部は、剥離ローラ30
2のみ、バックアップローラ308のみ、又はその両方
を矢印方向に駆動するように構成することができる。こ
こで、バックアップローラ308を駆動し、剥離ローラ
302をバックアップローラ308に従動するように構
成した場合には、剥離ローラ302の繰り返し使用によ
ってトナー付着量が増加し、剥離ローラ302の径が増
加しても、挾持部での剥離ローラ302の表面の移動速
度及び転写紙10の搬送速度一定に維持することができ
る。
【0134】なお、上記押圧ローラ309の表面部の材
料としては、トナーTとの離型性に優れた材料が好まし
く、具体例としてはテフロン等が挙げられる。
【0135】また、本例では、軟化手段として加熱ラン
プ30を用いているが、それに代えて、加圧でトナーを
軟化させる加圧装置等を設けてもよい。また、この加熱
ランプや加圧装置等は、剥離ローラ302と転写紙10
との接触部の上流側に設けてもよい。 (以下、余白)
【0136】本例において、トナーTが上面に付着した
転写紙10が、剥離ローラ302とバックアップローラ
308との間に挾持され、左方に搬送される。この挾持
部では、トナーTに対して、転写紙10表面とトナーT
との付着力より大きい付着力を有する剥離ローラ302
表面に、転写紙10のトナーTの付着した面が圧接し、
その後、転写紙10が該挾持部を通過するとき、トナー
Tが剥離ローラ302表面に付着したまま、転写紙10
表面から剥離される。
【0137】このとき、加熱ランプ301によって剥離
ローラ302が加熱され、剥離ローラ302及びバック
アップローラ308で挾持した転写紙10上のトナーT
を軟化させているので、トナーTと転写紙10との間の
付着力が更に小さくなり、トナーTと剥離ローラ302
表面との付着力が大きくなり、トナーTが剥離ローラ3
02表面から剥離しやすくなっている。
【0138】転写紙10表面から剥離され、剥離ローラ
302表面に付着しているトナーTは、転写紙10上の
画像パターンに対応して凹凸になっているが、この凹凸
状の不均一なトナー付着は、剥離ローラ302の表面を
押圧している押圧ローラ309によって平滑化される。
トナー付着が平滑化された剥離ローラ302表面は、ト
ナーTが付着している転写紙10表面に接触し、次の剥
離処理に使用される。
【0139】図41を用いて、上記平滑手段を有するト
ナー剥離ユニット3の他の具体例について説明する。こ
のトナー剥離ユニット3は、上記平滑手段の押圧部材と
して上記押圧ローラ309の代わりに、剥離ローラ30
2の表面を押圧するように配置した押圧ブレード310
を設けている。本例においては、転写紙10上の画像パ
ターンに対応して凹凸状になって、剥離ローラ302上
に不均一に付着しているトナーは、押圧ブレード310
が押圧することによって平滑化される。トナー付着が平
滑化された剥離ローラ302表面は、トナーTが付着し
ている転写紙10表面に接触し、次の剥離処理に使用さ
れる。
【0140】以上、上記平滑手段を設けることにより、
剥離ローラ302上の画像パターンに対応した凹凸状の
トナー付着が平滑化され、剥離ローラ302表面の転写
紙10表面への接触状態にムラがなくなるので、局所的
な剥離不良等の剥離ムラの発生を防止でき、剥離ローラ
302を繰り返し使用できるようになる。
【0141】なお、上記トナー剥離ユニット3におい
て、図42に示すようにシリコーンオイル等の離型剤を
押圧ローラ309表面に塗布する離型剤塗布手段として
の離型剤塗布ローラ311と、押圧ローラ309上のト
ナーTを掻き落す画像形成物質除去手段としてのスクレ
ーパブレード312を設けてもよい。この場合には、離
型剤塗布ローラ311で押圧ローラ309表面に離型剤
を塗布することにより、押圧ローラ309表面のトナー
Tに対する離型性を高めることができ、一方、押圧ロー
ラ309表面に付着したトナーTを、スクレーパブレー
ド312で掻き落すことができるので、押圧ローラ30
9表面にトナーが付着しないようにすることができ、剥
離ローラ302上の凹凸状に付着しているトナーTを、
確実に平滑化することができるようになる。
【0142】図43を用いて、剥離ローラ302表面に
付着したトナーTを除去する画像形成物質除去手段とし
てのトナー除去装置304を有するトナー剥離ユニット
3の一具体例について説明する。このトナー剥離ユニッ
ト3は、トナーTの軟化手段としての加熱ランプ301
を内蔵した中空の剥離ローラ302、剥離ローラ302
の表面に接触するように配設されたバックアップローラ
308、駆動部(不図示)等を備えている。そして、上
記トナー除去手段として、剥離ローラ302の表面上の
トナーTを除去するクリーニングローラ305、クリー
ニングローラ305上のトナーTを掻き落すスクレーパ
ブレード306、スクレーパブレードで306で掻き落
したトナーTを収容するトナー受け(トナー容器)30
7を備えている。
【0143】上記クリーニングローラ305の少なくと
も表面は、剥離ローラ302上に付着しているトナーT
に対する離型性が、剥離ローラ302表面の該トナーに
対する離型性より劣っている材料で構成されている。こ
の具体的な材料としては、アルミ系、銅系、ニッケル系
等の金属材料、又は酸化チタンを分散させたポリエチレ
ンテレフタレート(PET)等の高分子系材料が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0144】本例においては、転写紙10表面から剥離
され、剥離ローラ302表面に付着しているトナーT
は、クリーニングローラ305で除去される。クリーニ
ングローラ305上に付着したトナーTはスクレーパブ
レード306で掻き落され、トナー受け(トナー容器)
307に収容される。
【0145】また、上記トナー除去装置304は、図4
4に示すように剥離ローラ302上のトナーTを、スク
レーパブレード313で直接掻き落すように構成しても
よい。スクレーパブレード313で掻き落されたトナー
Tはトナー受け(トナー容器)307に収容される。こ
こで、上記スクレーパブレード313は、例えば金属で
形成され、テフロンなどでコーティングすることにより
トナーTに対して良好な離型性を有するようにしている
ので、表面へのトナー付着を防止することができる。ま
た、トナー受け(トナー容器)307の上部は、装置本
体側に設けられたガイドレール314に沿って移動可能
に構成され、必要に応じて、トナー受け(トナー容器)
307を装置外に取りだし、トナー受け(トナー容器)
307内のトナーを廃棄できるようになっている。
【0146】また、上記トナー除去装置304は、図4
5に示すように剥離ローラ302上のトナーTを、剥離
ローラ302に圧接するように張架されたウェッブ(ベ
ルト)315によって除去するように構成してもよい。
未使用ウェッブロール316から供給されたウェッブ3
15は、トナーTが付着している剥離ローラ302表面
に圧接しながら、剥離ローラ302表面の移動速度に対
して速度差をもって駆動され、トナーTを除去した後、
巻取りロール317に巻き取られる。
【0147】以上、上記トナー除去装置304を設ける
ことにより、剥離ローラ302の表面に付着したトナー
Tを常時、又は必要に応じて除去でき、過剰のトナー付
着を防止できるようになるので、剥離ローラ302の剥
離性能を長期にわたって維持して使用できるようにな
る。
【0148】なお、上記トナー除去装置304で除去し
たトナーTを回収する回収手段であるトナー回収装置を
設けてもよい。このトナー回収装置の具体例としては、
上記図44で説明したように、トナー受け(トナー容
器)307の上部を、装置本体側に設けられたガイドレ
ール314に沿って移動可能に構成したものが挙げられ
る。これによって、必要に応じて、トナー受け(トナー
容器)307を装置外に取りだし、トナー受け(トナー
容器)307内のトナーを廃棄できるようになる。
【0149】また、図46(a)〜(c)に示すような
トナー回収装置を設けることもできる。このトナー回収
装置は、バックアップローラ308が転写紙10を吸着
して搬送する転写紙搬送体を兼用しており、スクリュー
318を内蔵したトナー搬送路319、トナー搬送路3
19の端部に設けられたヒータ320及びトナー容器3
07、トナー容器307内のトナーTを圧縮する圧縮手
段としての圧縮部材321、スクリュー318の駆動部
(不図示)、ヒータ電源(不図示)等を備えている。な
お、上記圧縮部材は、手動で駆動してもよく、また自動
的に駆動するような駆動部を設けてもよい。本例におい
ては、図46(a)に示すように、剥離ローラ302の
表面に付着しているトナーTは、スクレーパブレード3
13でトナー搬送路319内に掻き落される。そして、
図46(b)に示すように、トナー搬送路319内のト
ナーTは、スクリュー318でトナー搬送路319の端
部に搬送され、ヒータ320で加熱されたトナー搬送路
319内で溶融されながら、トナー容器307に収容さ
れる。そして、図46(c)に示すように、トナー容器
307内に収容されたトナーTは、圧縮部材321で圧
縮され、トナーTの密度が高められて、固形化される。
トナー容器307内のトナーTは、随時廃棄される。
【0150】以上のように、トナー回収装置を設けるこ
とにより、トナー容器307内のトナーTを回収して廃
棄できるので、トナー剥離ユニット3を長期にわたって
使用できるようになる。また、トナー容器307内のト
ナーTの密度を高くし、トナーTの容積を小さくできる
ので、トナー収容効率を高めることができ、装置のコン
パクト化を図ることができるようになる。更に、回収ト
ナーを容易に廃棄できるので、装置の維持、メンテナン
スの容易化、即ち装置の操作性及びサービス性の向上を
図ることができるようになる。
【0151】なお、上記トナー回収装置が回収量限界と
なる時期を、上記剥離ローラ302などの剥離部材が剥
離限界となる時期と略同一になるように設定してもよ
い。
【0152】次に、剥離ローラ302上のトナー付着量
を検知し、その検知結果に基づいて、剥離ローラ302
の使用を止める等の制御を行う制御手段を有するトナー
剥離ユニット3について説明する。図47を用いて、上
記制御手段を有するトナー剥離ユニット3の一具体例に
ついて説明する。このトナー剥離ユニット3は、搬送ロ
ーラ322a,b,cに張架された剥離部材としての剥
離ベルト323、バネ等の弾性部材324で剥離ベルト
323表面に押圧するように付勢された押圧ローラ30
9、バネ等の弾性部材324で剥離ベルト323を介し
て搬送ローラ322aと圧接するように付勢されたバッ
クアップローラ308、剥離ベルト323上のトナー付
着量を検知するトナー付着量検知装置325、CPU,
RAM,ROM,I/O部などで構成された上記制御手
段である制御部(不図示)等を備えている。上記トナー
付着量検知装置325は、光反射面327aを有しバネ
等の弾性部材324で剥離ベルト323表面に当接する
ように付勢された反射板327、反射板327に光を照
射し、その反射光強度を検知する反射型フォトセンサ3
28等によって構成されている。
【0153】本例において、トナーTが上面に付着して
いる転写紙10は、剥離ベルト323とバックアップロ
ーラ308との間に挾持されて図の左方向に搬送され
る。この挾持部を転写紙10が通過するとき、トナーT
が剥離され、剥離ベルト323の表面に付着し、積層さ
れていく。このトナー層は、押圧ローラ309で平滑に
された後、反射板327の左端部が当接する。このと
き、剥離ベルト323上のトナー層厚に応じて、反射板
327が左右方向に移動し、反射面327aからの反射
光強度が変動するので、結果として、フォトセンサ32
8の出力電圧Vspが、剥離ベルト323上のトナー層
厚によって変動する。フォトセンサ328の出力電圧V
spは上記制御部に入力され、以下の各種制御に用いる
ことができる。
【0154】上記フォトセンサ828による出力電圧に
基づく制御の一例では、剥離ベルト323の交換を要す
るトナー層厚に対応するフォトセンサ328の出力電圧
V1を基準値として設定し、予め制御部に記憶してお
く。そして、フォトセンサ323の出力電圧Vspと上
記基準値V1とを比較し、剥離ベルト323の交換要と
判断した場合や、交換時期が近づいたと判断した場合な
どに、表示パネルでの表示や警告音などでオペレータに
知らせるように制御することができる。
【0155】また、上記制御の他の例では、転写紙10
の挾持・搬送が不可能となるトナー層厚に対応するフォ
トセンサ328の出力電圧V2を基準値として設定し、
予め制御部に記憶しておく。そして、フォトセンサ32
3の出力電圧Vspが上記基準値V2と略同じになった
場合に、装置全体の駆動を停止するように制御すること
ができる。これより、転写紙10のジャムを未然に防止
することができるようになる。なお、上記装置全体の停
止は、剥離ベルト323が所定回数回転した後に行なっ
てもよい。その場合は、例えば、剥離ベルト323上に
凸状の検知マークを形成しておき、フォトセンサ323
の出力電圧Vspが上記基準値V2と略同じになった
後、該検知マークの通過を上記トナー付着量検知装置3
25で検知し、剥離ベルト323の回転数を計数し、そ
の計数結果を制御に用いる。
【0156】次に、図48〜図50を用いて、転写紙1
0からトナーTを剥離した後、剥離ローラ302の表面
から転写紙10を分離する分離手段を有するトナー剥離
ユニット3の一具体例について説明する。ここでは、該
分離手段と組み合わせて用いるとより効果的な液付与ユ
ニット2についても合わせて説明する。
【0157】本例に係るトナー剥離ユニット3は、剥離
ローラ203、加熱ランプ201を内蔵したバックアッ
プローラ308、回動軸303aを中心に回動自在の分
離手段としての分離爪303、分離爪303をその分離
部先端が剥離ローラ302表面に接触するように付勢す
るバネ等の弾性部材324、分離爪303をその分離部
先端が剥離ローラ302表面から離間するように駆動す
るソレノイド329及びその駆動部等を備えている。ト
ナーの除去処理を行っていないときには、分離爪303
の分離部先端は、剥離ローラ302表面を損傷しないよ
うに、また剥離ローラ302表面の付着トナーを削り落
さないように、ソレノイド329で離間させているが、
分離時には、ソレノイド329をOFFすることによ
り、弾性部材324の付勢力で剥離ローラ302表面に
軽く、例えば0.1〜10gfで当接させる。
【0158】また、本例に係る液付与ユニット2は、処
理液20を収容した液容器201、給液パイプ212、
ポンプ213、ノズル216等からなる処理液噴霧装
置、搬送ガイド板221、給紙ユニット1から搬送され
てきた転写紙10先端を検知するための用紙先端センサ
234等を備えている。この用紙先端センサ234とし
ては、例えば、透過型、反射型、又はフィラー付きのフ
ォトセンサを用いることができる。
【0159】また、本例は、用紙先端センサ234、ソ
レノイド329などを制御するための制御部(不図示)
を備えている。この制御部は、例えば、CPU,RA
M,ROM,I/O部等で構成することができる。
【0160】本例においては、図49のタイミングチャ
ートに示すように、給紙ユニット1から搬送されてきた
転写紙10先端を用紙先端センサ234で検知し、その
検知した後所定時間t1だけ遅らせて、ポンプ213を
ONしてノズル216から処理液20を転写紙10側に
向けて噴射させるように制御部で制御する。これによ
り、転写紙10の先端から数mm(好ましくは、2〜10
mm)だけ処理液20を付与しない領域を設ける。これに
より、次のトナー剥離ユニット3での剥離処理が終了し
たあと、転写紙10自身の腰により、転写紙10の先端
が剥離ローラ203表面から容易に分離するようにな
る。また、図49のタイミングチャートに示すように、
転写紙1先端を検知した後所定時間t2経過する直前に
ソレノイド329をONするように制御部で制御し、弾
性部材324の付勢力によって分離爪303の分離部先
端を剥離ローラ302表面に当接させ、図50のよう
に、転写紙10の腰による分離に加えて、機械的に転写
紙10先端を剥離ローラ302表面から分離させる。こ
れにより、転写紙10先端を剥離ローラ302表面から
より確実に分離することができるようになる。この分離
爪303による分離は、上記の転写紙10先端部に処理
液未付与領域を設ける方法と組み合わせるとより効果的
である。
【0161】次に、図51を用いて、上記トナー剥離ユ
ニット3の他の具体例について説明する。本例に係るト
ナー剥離ユニット3は、小径(好ましくは、30mm程度
以下)の剥離ローラ302を備えている。本例において
は、剥離ローラ302と転写紙10との接触部の直前の
搬送方向と、該接触部の終端から見た転写紙10先端
(図中の2点鎖線)の剥離ローラ302からの離脱位置
の方向との間の角度、即ち転写紙10の分離角度(図中
のθ)を鋭角になり、これを言い替えると、該接触部よ
り下流側の剥離ローラ302表面の移動軌跡が、転写紙
10がその腰によって曲率分離するような曲率を有する
ようになる。したがって、該接触部を通過した転写紙1
0の先端を、剥離ローラ302の表面から確実に分離で
きる。このように、本例によれば、複雑な分離手段を設
けることなく、転写紙10の先端を剥離ローラ302か
ら確実に分離させることができる。
【0162】なお、本例の構成は、上記図48の構成と
組み合わせると、より効果的である。また、本例の構成
は、搬送ローラで張架されたベルト状の剥離部材である
剥離ベルトを用いた場合にも適用でき、この場合には、
剥離ベルトと転写紙10との接触部の下流側の搬送ロー
ラの径を小さくすればよい。
【0163】次に、図52及び図53を用いて、上記分
離手段を有するトナー剥離ユニット3の更に他の具体例
について説明する。ここでは、該分離手段と組み合わせ
て用いるとより効果的な液付与ユニット2についても合
わせて説明する。
【0164】本例に係るトナー剥離ユニット3は、図5
2(a)及び(b)に示すように剥離ローラ203、加
熱ランプ201を内蔵したバックアップローラ308、
転写紙10の側端部を剥離ローラ302表面に接触させ
ずに所定の搬送方向にガイドするサイド分離板330等
を備えている。このサイド分離板330の表面は、トナ
ーの付着しにくい離型性を有するように、フッ素系樹脂
(例えば、テフロン)により処理しておくことが望まし
い。また、サイド分離板330の転写紙10側端からの
延在距離は3〜10mm程度が好ましい。また、本例に係
る液付与ユニット2は、図53(a)及び(b)に示す
ように、ノズル216等からなる処理液噴霧装置、搬送
ガイド板221等を備えているが、転写紙10の側端部
(図53(b)中の左端部)に処理液20が付与されな
いように、搬送ガイド板221を延在させている。この
搬送ガイド板221の転写紙10側端からの延在距離は
1〜10mmが好ましい。
【0165】本例においては、給紙ユニット1から搬送
されてきた転写紙10は、その側端部がサイド分離板3
30の下側に沿ってガイドされて、剥離ローラ302と
の接触部に到達する。そして、該接触部を通過した後、
転写紙10はさらにその側端部がサイド分離板330の
下側に沿ってガイドされながら搬送される。これによ
り、剥離ローラ302へのトナー付着が防止され、か
つ、転写紙10を剥離ローラ302表面から確実に分離
できるようになる。また、転写紙10の側端部に予め処
理液20を付与しない領域を設けているので、剥離ロー
ラ302へのトナー付着を更に防止できるようになり、
また転写紙10の腰が弱くならないので、転写紙10の
サイドのみでの剥離ローラ302からの分離を更に確実
にすることができるようになる。
【0166】次に、図54を用いて、上記分離手段を有
するトナー剥離ユニット3の他の具体例について説明す
る。本例に係るトナー剥離ユニット3は、剥離ローラ2
03、加熱ランプ201を内蔵したバックアップローラ
308等を備えている。このバックアップローラ308
の表面の一部には、凹部が設けられ、この凹部に転写紙
10先端を必要に応じて保持する開閉自在のクランプ爪
331が配設されている。このクランプ爪331は常態
において開状態になるように図示しないバネ等の付勢部
材で付勢されている。
【0167】また、本例では、給紙ユニット1から搬送
されてきた転写紙10先端を検知するための用紙先端セ
ンサ234、及び用紙先端センサ234、バックアップ
ローラ308の駆動部、搬送ローラ対209の駆動部な
どを制御するための制御部(不図示)を備えている。上
記用紙先端センサ234としては、例えば、透過型、反
射型、又はフィラー付きのフォトセンサを用いることが
でき、また、上記制御部は、例えば、CPU,RAM,
ROM,I/O部等で構成することができる。
【0168】本例においては、給紙ユニット1から搬送
されてきた転写紙10先端を用紙先端センサ234で検
知し、所定時間経過後に、バックアップローラ308を
駆動し、開状態のクランプ爪331の凹部を転写紙10
先端に同期させて移動させ、このときクランプ爪331
が剥離ローラ302表面で押されて付勢部材にさからっ
て凹部に入り込み、転写紙10を抑え込んだ状態で剥離
ローラ302との接触位置を通過する。その後、バック
アップローラ308が所定距離だけ回転した後クランプ
爪331は剥離ローラ302から離れると付勢部材によ
って開状態にされ、転写紙10先端を開放する。これに
より、転写紙10先端を剥離ローラ302から確実に分
離することができるようになる。
【0169】また、液付与ユニット2で転写紙10に多
量の処理液20を付与することにより、バックアップロ
ーラ308として大きな径の回転体を用いなくても、剥
離ローラ302からの転写紙10の分離を確実に行うこ
とができるようになる。この場合に、各ローラからの転
写紙10の分離を更に確実にするために、上記図50な
どに示したような分離爪303を適宜設けてもよい。
【0170】また、転写紙を表面に保持して搬送する大
径の回転体(紙保持ドラム)を備えたトナー除去装置の
場合には、給紙ユニット1からの転写紙10が紙保持ド
ラムとそれに圧接するように設けられた塗布ローラ20
7との間に挾持されて処理液20が付与された後、紙保
持ドラム表面に密着しながら搬送される。次に、剥離ロ
ーラ302で転写紙10上のトナーが付着除去される。
このとき、転写紙10と紙保持ドラムとの間には、処理
液20による吸着力が作用しているため、剥離ローラ3
02と転写紙10との間、又はトナーと転写紙10との
間の付着力に抗して、転写紙10は紙保持ドラム表面に
付着したまま、次の乾燥ランプを内蔵した乾燥ローラと
の接触位置に移動する。そして、乾燥ローラによって乾
燥された転写紙10は、処理液20による吸着力を失っ
て、紙保持ドラム表面から分離する。
【0171】なお、上記実施例では、本発明を転写型の
電子写真複写機によって画像が形成された転写紙10に
適用しているが、ファクシミリ、プリンター、印刷機等
紙等の他の画像形成装置で用いる記録紙等の像保持体に
も適用できる。また、本発明は、繊維質の構造をした像
保持体に限定されることなく、像を形成することができ
る像保持体に適用できる。また、本発明が適用できる像
保持体は、例えば、プラスチック層等のベースシートの
表面層が紙等の吸液性及び弾性を有する材料層である積
層物等であってもよい。 (以下、余白)
【0172】次に、上記乾燥ユニット4の変形例につい
て説明する。まず、図55及び図56を用いて、乾燥ロ
ーラ対402,404の変形に係る乾燥ユニットの変形
例につい説明する。例えば図5の装置において、乾燥ロ
ーラ対402,403の圧接部には転写紙からの蒸気充
満するので、効率的な乾燥を行うには、この蒸気を効率
的に圧接部からの持ち出せるようにすることが望まし
い。また、この圧接部では転写紙の搬送方向に伸びるし
わが発生しやすいので、転写紙を幅方向に引っ張りなが
ら搬送することが望ましい。そこで、本例の乾燥ユニッ
トは、乾燥ローラ対402,403の少なくとも一方の
ローラとして次のようなローラを用いるものである。
【0173】図55(a)に示すローラは、軸線方向の
中央部の方が両端部よりも小径になっている鼓形状のロ
ーラであり、これによれば、他方のローラとの圧接部で
転写紙を幅方向両側に引っ張りながら転写紙を搬送する
ことが出来る。図55(b)に示すローラは、軸方向の
中央部を頂点として両側端部に広がるV字状の溝407
を複数表面に形成したものであり、これによっても、他
方のローラとの圧接部で転写紙を幅方向両側に引っ張り
ながら転写紙を搬送することが出来る。このようなV字
状の溝407に代え、軸方向中凹部を境にして、右側の
周面に例えば左螺子状の螺旋溝、右側の周面に例えば右
螺子状の螺旋溝を各々形成しても同様の搬送が可能であ
る。また、これらのように周面に溝を形成すれば、他方
のローラとの圧接部における蒸気を、溝内に保持した状
態でローラ回転により圧接部外へ持ち出すことができ、
乾燥の効率化を図ることができる。
【0174】図55(c)〜(f)は上記図55(b)
のローラと同様に、周面に凹凸形状を設けて圧接部にお
ける蒸気を凹部内に保持した状態でローラ回転により圧
接部外へ持ちだすものである。具体的には、図55
(c)のローラは円周方向に1回りする突条408を軸
方向に複数設けたものであり、図55(d)は軸方向に
伸びる突条408を周方向に複数設けたものであり、図
55(e)は周面を粗したものであり、図55(f)は
周面に多数の窪み409を形成したものである。
【0175】なお、図55(b)〜(f)のローラ周面
の凹部や凸部の形状としては、図56に示すように、断
面円弧状((a),(b))、断面三角状((c),
(d))、断面台形状((e),(f))などの形状を
採用することができる。また、図55中の(c)又は
(d)のローラを対にして用いる場合には、図57
(a)に示すように、一方のローラ409表面部に突条
部408の間隔として生じる溝部411と他方のローラ
410表面部に同じく突条部408の間隔して生じる溝
部412とが、両ローラの対向部でできるだけ互い違い
になるように、好ましくは、完全に互い違いにし、かつ
溝部411,412の大きさを転写紙10の全面がいず
れか一方の溝部411,412に対向するように、それ
ぞれのローラ409,410の突条部408を形成して
おくことが望ましい。これによれば、両溝部411,4
12が該対向部で互いに対向する率が大きい場合に比し
て、上記対向部において、いずれか溝部411,412
と対向できる転写紙10部分の面積が大きくなり、該溝
部411,412内を介しての水蒸気の排出を比較的良
好にできる。
【0176】また、図55の(b)〜(d)のように表
面に凹凸を設けた後に、図57(b)に示すようにこの
凹部を通気性、吸水性の部材413で埋めても良い。こ
れによれば、他のローラとの圧接部における蒸気をこの
凹部の部材413内に効率的に取り込みこんで、乾燥効
率を一層高めることが可能になる。
【0177】次に、図58を用いて他の変形例に係る乾
燥ユニットについて説明する。図58(a)において、
この乾燥ユニットは、上側ローラ409が、ある程度の
硬度を有するたとえば金属や耐熱性樹脂からなる基体ロ
ーラ414上に、例えば不織布、布、耐熱性スポンジな
どの通気性部材からなる表層415が形成されて構成さ
れている。この上側ローラ409に当接する下側ローラ
410は例えばその内部にヒータを備えた加熱ローラに
なっている。これによれば、両ローラの圧接部で転写紙
から出た蒸気を上側ローラ415の表層415に取り込
んで圧接部外に排出することが出来る。なお、上側ロー
ラ419をある程度の硬度を有し、かつ、通気性も有す
る材料で構成する場合には、上記のような二層以上の構
成にする必要はない。
【0178】また、図58(a)の上側ローラ409の
基体ローラ414として、図58(b)に示すように表
面から中空内部に貫通する孔417を複数形成したロー
ラを用い、かつ、この中空内部を排気用のファン48に
接続すれば、上記表層415及び外孔417を介して中
空内部に蒸気を取り込み更にファン418で外部に排気
することができる。
【0179】また、図59(a)に示すように上側ロー
ラ409の周囲を覆うカバー419を設けて、上記ファ
ン48による吸引力を、上記表層415及び外孔417
を介して中空内部への蒸気取り込みに集中させるように
しても良い。なお、図示の例では、転写紙の巻き付きを
防止するために、上下ローラ409,410それぞれ
に、先端がローラ周面に当接するようにスプリングで付
勢された分離爪420が設けられている。この分離爪4
20のうち、上側ローラ409に付設されたものの爪先
端は、表層がスポンジなどの損傷や分離爪420のひっ
かかりが生じやすい通気性部材で構成されている場合に
は、図59(b)に示すように、丸みを持った形状にす
ることが望ましい。このように分離爪420のひっかか
りなどを防止するために、爪先端に丸みを持たせるのに
代え、又は加え、図59(c)に示すように、分離爪4
20の先端部が入り込むための周方向に1回りする環状
の通気性部材不装着部421を設けてもよい。これによ
れば、例えば分離爪420の先端部を基体ローラ414
自体の周面に当接させることにより、転写紙の巻き付き
を完全に防止することもできる。
【0180】次に、図60を用いて、更に他の変形例に
係る乾燥ユニットについて説明する。図60において、
本例に係る乾燥ユニットは、支持ローラ対422,42
3に掛け渡され、金属などの熱伝導性材料からなるベル
ト424と、該ベルト424で囲まれた空間内であっ
て、上方移動中のベルト部分に近接する箇所に設けられ
た面状ヒータ425、例えば図5の装置のトナー剥離ユ
ニット3側から送られてくる転写紙10を該ベルト42
4上にガイドするための入り口ガイド426とを備えて
いる。これらにより、トナー剥離ユニット3側から送ら
れ、入り口ガイド26でガイドされながらベルト424
に載せされた転写紙を、面状ヒータ424で加熱されて
いるベルト425で搬送しながら乾燥させる。
【0181】また、該ベルト424の排出側の支持ロー
ラ422上部に巻きついている部分に当接するプレッシ
ャーローラ430、該ベルト424の上部移動部分上に
近接して設けられた背面カバー428付きのヒータ42
7、上記プレッシャーローラ430やベルト424への
転写紙の巻き付きを防止するための分離爪430,43
1とベルト424から排出される転写紙をガイドする排
出ガイド432、及び、転写紙排出コロ対433も設け
られている。このプレッシャーローラ430は、乾燥後
の転写紙の波打ちを矯正するものである。また上記ヒー
タ427は例えば赤外線ヒータで構成され、転写紙を上
面側からも加熱した効率よく乾燥させるために設けられ
ている。図示の例では、転写紙搬入側ほどベルト424
から離間するように傾斜した姿勢で取り付けられ、これ
により、該ヒータ427への転写紙ひっかかりによるジ
ャムが生じにくいようになっている。また上記分離爪4
30,431はプレッシャローラ430やベルト424
の排出側支持ローラ422が十分小径で曲率分離が可能
な場合には省略することもできる。
【0182】また、この乾燥ユニットには、転写紙の乾
燥度合いを検知するための温湿度センサ434も設けら
れている。このセンサ434としては、例えば湿度セン
サを用いることができる。これは、例えば図62(a)
に示すように転写紙(転写シート)の湿度と近傍の雰囲
気湿度との間に所定の関係が存在することを利用するも
のである。図62(d)は横軸に湿度、縦軸にセンサ4
34の出力をとって、転写紙の湿度及び雰囲気湿度とセ
ンサ434の出力電圧との関係を示したものである。こ
れらの関係を利用し、転写紙湿度に応じて、例えば図6
2(b)に示すように面状ヒータ425などの設定温度
を切り換えたり、図62(c)に示すようにベルト42
4による搬送速度を切り換えたりすることができる。
【0183】なお、図60の例では、ベルト424内の
面状ヒータ425は、ベルト424の支持ローラ対42
2,423での張設面積とほぼ対応した大きさであって
固定的に設けられ、また、ベルト424上方のヒータ4
27も固定的に設けられているが、例えば後者のヒータ
427について、図61(a),(b)に示すように、
姿勢変更可能に、かつ、該姿勢変更によってベルト42
4の幅(W)方向において、カバーできる幅が変化する
ように構成し、乾燥すべき転写紙10の幅に応じて、ヒ
ータ427,425の姿勢を切り換えるようにしても良
い。
【0184】次に、図63(a)を用いて、更に他の変
形例に係る乾燥ユニット4について説明する。図63
(a)に示す本例の乾燥ユニットは、互いの表面によっ
て転写紙を挾持した状態で所定領域に渡って並走するよ
うに設けられた一対のベルト438,424を備えてい
る。具体的には下方に位置するベルト424は、ほぼ同
一の高さに設けられた排出側支持ローラ422(駆動ロ
ーラになっている)と搬入側支持ローラ423に掛け渡
され、上方移動部の途中でバックアップローラ439に
よりバックアップされている。一方上方に位置するベル
ト438は下方ベルト424の排出側支持ローラ422
に対向する排出側支持ローラ435、上記バックアップ
ローラ439に対向した搬入側支持ローラ436及び搬
入側支持ローラよりも転写紙進入方向上流側であってこ
れらの支持ローラ435,436よりも上方に位置する
引上げ支持ローラ437に掛け渡されている。
【0185】上方ベルト438の搬入側支持ローラ43
6とバックアップローラ439との対向部から、両ベル
ト424,438の排出側支持ローラ対422,435
の対向部までの領域が両ベルト424,438が接触状
態で並走し、このベルト面間で転写紙を挾持搬送し得る
挾持領域になっている。このベルト438のうち下方の
ベルト424は、熱伝導性の良好な材料、例えば金属材
料で構成され、この下方ベルト424が包囲する空間内
であって、上記挾持領域にある下方ベルト424部分を
加熱し得る箇所に面状ヒータ425が配設されている。
一方、上方ベルト438は、通気性材料、例えば不織
布、布、網構造の材質などで構成され、これで包囲する
内部空間は負圧空間になり得るように吸引ファン441
が接続されている。また、この上方ベルト包囲空間内に
上方ベルトの上部移動部分を通って上方の空気が流入す
るのを防止して、この吸引ファン441の吸引力が、上
記挾持領域にある転写紙からの蒸気の吸引に効率的に使
われるようにするために、上ベルト438の上方移動部
分などを覆うカバー442が設けられている。図中の矢
印はこの吸引ファン441の吸引による空気流を示すも
のである。
【0186】そして、両ベルト424,438の搬入側
における楔状対向空間に、転写紙予熱用の例えば赤外線
ヒータ440が設けられ、上方ベルト438の包囲空間
内には転写紙の乾燥度合いを検知するための温湿度セン
サ434が設けられている。また、先端が両ベルト42
4,439それぞれの排出側支持ローラ435,422
の巻き付き部分に接触するように、スプング付勢された
分離爪430.431が設けられている。また、この両
ベルト438,424による挾持領域よりも転写搬送方
向上流側の所定箇所には、転写紙の例えば後端を検知す
る紙検知センサ950が設けられ、これからの信号がベ
ルト424の駆動モータ951用駆動回路952を制御
する制御部953に入力されている。
【0187】以上の構成において、面状ヒータ435が
作動されると熱伝導性の下方ベルト424を介して挾持
領域にある転写紙が加熱され、これに含有されていた処
理液の液分が蒸発する。この蒸気は、吸引ファン441
による吸引で通気性の状ベルト443を通って上昇し、
外部に排出される。また、吸引ファン441を作動させ
ておけば、図示のように両ベルト424,438の搬入
側における楔状対向空間に配設された、転写紙予熱用の
ヒータ440によって加熱されて、挾持領域前の転写紙
から蒸発した蒸気も搬入側支持ローラ436と引上げ支
持ローラ437との間の上ベルト438部分を通って上
ベルト包囲空間内に吸引され、外部に排出される。これ
により、面状ヒータ425などによって挾持領域に搬送
された転写紙から処理液を蒸発させ、所望の湿気になる
ように乾燥させる。
【0188】なお、上記面状ヒータ425は、上記紙検
知センサ950の信号に基づいて、挾持領域に到達する
タイミングで作動を開始させるように制御することがで
きる。無論、予備加熱用のヒータ440はこれ以前のタ
イミングで作動を開始させておく。また、面状ヒータ4
25及び上記挾持領域の面積を、乾燥対象になる転写紙
の最大サイズに対応させて、好ましくは、該最大サイズ
以上の大きさに設定しておき、転写紙全体が挾持領域内
に入った時点で面状ヒータ425の作動を開始させるか
又はそれまで比較的弱い発熱の予熱状態であったのを必
要量の発熱状態に切り換えるようにしても良い。これに
よれば、転写紙全面が均一な熱量を受けるので、不均一
な加熱によるしわなどの発生を防止できる。この場合、
両ベルト424の駆動を停止して、転写紙を挾持領域に
停止させた状態で乾燥を行わせることがより望ましい。
この転写紙全体が挾持領域内に入った時点の検出は、例
えば上記紙検知センサ設置位置を転写紙の後端が通過し
てから、転写紙全体が挾持領域内いるまでの所要時間を
予め求めておいて、センサ950の紙後端検知から該所
要時間経過するか否かによって検出することができる。
【0189】以上、本例の乾燥ユニットによれば、両ベ
ルト424,438で転写紙を挾持した状態で転写紙を
乾燥させるので、乾燥時のしわ発生などを防止できる。
また、上方ベルト438が通気性の材質で形成されてい
るので、転写紙からの蒸気がこれを通って上昇し、スム
ーズに転写紙から離れていくことができる。下方ベルト
424を熱伝導性の材質で形成したので、熱源からの熱
を良好に転写紙に伝えることができる。特に、下方ベル
ト424の挾持領域内の部分の下方に熱源を配置する場
合には、下方ベルト424を介して効率的に転写紙を加
熱することができる。また、挾持領域において、通気性
のベルトが上方に位置するので、熱伝導性のベルトとし
て通気性でないベルトを用いた場合にも挾持領域にある
転写紙からの蒸気の上方への逃げをベルトが邪魔するこ
とがない。また、上記温湿度センサ434の出力を用い
て、両ベルト424,438の駆動線速を制御したり、
乾燥不十分の場合に、警告表示や装置停止制御を行った
りしても良い。
【0190】そして、図63(b)に示すように上記面
状ヒータ425を挾持領域にある両ベルト部分を一方側
に押しやるような曲率形状にしておけば、両ベルト間の
転写紙を曲率形状のヒータ425に押しつけることによ
り、より一層有効に、転写紙の乾燥後の波打ちを防止す
ることが出来る。なお、図63(b)の示すでは、下方
ベルト424の支持ローラ442,443,423のう
ち、排出側の支持ローラ442を乾燥後の転写紙の腰に
よってベルト424から離間させる、いわゆる曲率分離
が可能な程度に小径に設定している。このため、分離爪
が不要になっている。
【0191】なお、ベルトを用いた、この図63
(a),(b)の装置や上述の図60の装置において、
下方ベルト424を例えば図5に示すトナー除去装置中
における例えば、剥離ユニット3まで延在させ、この下
方ベルト424に転写紙を保持させた状態で剥離ローラ
302に接触させるようにしても良い。この場合にもこ
のベルト424自体の表面を剥離ローラ302と同様に
軟化したトナーにとって転写紙表面よりも付着しやすい
材質で形成しておけば、このベルト424自体を剥離体
として用いて、転写紙両面のトナーを同時に剥離させる
ことが出来る。
【0192】次に、図64(a)を用いて、更に他の変
形例に係る乾燥ユニット4について説明する。図64
(a)において、この乾燥ユニットは、ほぼ同じ高に設
けられたヒータ416内蔵のローラ対409,410
と、これらローラ対409,410の周囲を覆うカバー
442と、該ローラ対409,410の圧接部に上方か
ら転写紙10を可繰りこむ入り口コロ対446と、入り
コロ対446で搬送される転写紙をガイドする入り口ガ
イド426と、該ローラ対409,410の圧接部から
排出される転写紙を搬送する排出コロ対433と、該排
出コロ対433で搬送される転写紙をガイドする排出ガ
イド432とを備えている。
【0193】この乾燥ユニットにおいては、ほぼ同じ高
さに設けられたローラ対409,410の圧接部から下
側に転写紙が送られるので、該圧接部で加熱された転写
紙から出て上昇する蒸気が、該圧接部通過後の転写紙に
触れることがない。従って圧接部で一旦乾燥させた転写
紙に圧接部からの蒸気が触れて再び濡れた状態になるよ
うな不具合を回避できる。また、ローラ対409,41
0がほぼ同じ高さに設けられていることから、圧接部が
上方に向いて開放した形になるので、圧接部からの蒸気
の排出が効率的に行える。
【0194】なお、図64(b)に示すように、ヒータ
416内蔵の加熱ローラ410と通気性部材からなるロ
ーラ409とをほぼ同じ高さに設け、加熱ローラ410
に所定角度巻きつかせながら両ローラ409,410の
圧接部に上方から進入させるようにしても良い。これに
よれば、加熱ローラ410への巻き付きによって加熱に
よる乾燥効率を向上させることができる。また一方のロ
ーラ409を通気性部材で構成しているので、圧接部中
の転写紙部分やこれを通過した直後の転写紙部分からの
蒸気が該ローラ409を通って上昇しながら転写紙から
離れていくことができる。但し、この例では、一方のロ
ーラ409にヒータを設けていないので、転写紙表裏で
の乾燥度合いの差による転写紙のカールが生じる恐れは
ある。このカールを防止するには、例えば排出コロ対4
32に代え、又はこれに加え、出カールローラ対を用い
て転写紙を排出するようにすれば良い。
【0195】図64(a),(b)の乾燥ユニットにお
いては、入り口コロ対426による転写紙の挾持部、ロ
ーラ対409,410による転写紙の挾持部(圧接
部)、及び、排出コロ433による転写紙の挾持部の間
で転写紙の撓みを抑制するために、転写紙搬送方向下流
側のものほど速くなるように線速を設定することが望ま
しい。
【0196】次に、図65(a)を用いて、更に他の変
形例に係る乾燥ユニット4について説明する。図65
(a)において、この例の乾燥ユニットは、それぞれ加
熱ヒータ416,416を内蔵した加熱ローラ対40
9,410と、これらローラ対409,410の周囲を
覆うカバー442と、該ローラ対409,410の圧接
部に上方から転写紙10を可繰りこむ入り口コロ対44
6と、入りコロ対446で搬送される転写紙をガイドす
る入り口ガイド426と、該ローラ対409,410の
圧接部から排出される転写紙を搬送する排出コロ対43
3と、該排出コロ対433で搬送される転写紙をガイド
する排出ガイド432とを備えている。両加熱ローラ4
09,410に対する転写紙の巻き付きが例えば180
度を越え、ほぼS字状に表裏いずれの側にも屈曲しなが
ら加熱ローラ対409,410とを通過するように、入
り口ガイド426及び排出ガイド432が形成されてい
る。更に両ローラ409,410の圧接部を通過した転
写紙が上流側のローラ409に巻きついたままになるの
を防止するために、先端が該ローラ409に当接するよ
うにスプリング付勢された分離爪447及び、下流側の
ローラ410に巻きついたままになるのを防止するため
の同様の分離爪448が設けられている。
【0197】この乾燥ユニットにおいては、転写紙がほ
ぼS字状に表裏いずれの側にも屈曲しながら加熱ローラ
対409,410を通過するので、カレンダーローラと
同様の機能を加熱ローラ対に発揮させることができる。
従って、転写紙の乾燥後のしわ、カール、波打ちなどを
防止することが出来る。
【0198】なお、図65(b)に示すように、ヒータ
内蔵の一対の加熱ローラのうち転写紙搬送方向下流側の
加熱ローラに当接して更に1以上、好ましくは互いに圧
接状態の偶数個のローラ449,450の組を通過して
圧接配置し、この追加配置したローラにおいても隣合い
ローラ間でほぼS字状に表裏屈曲させながら転写紙を搬
送できるように、中間ガイド451,452を設け、か
つ、分離爪453,454を設けても良い。これによれ
ば、しわ、カール、波打ちなどを一層防止することがで
きる。この追加ローラは、通気性部材で構成し、上流側
の加熱ローラ対で加熱乾燥を行ったのちに、通過のロー
ラで冷却しながらデカールさせるようにすることが望ま
しい。このような通気性部材からなるローラに代え、デ
カールローラを用いても良い。
【0199】また乾燥ユニットに進入する転写紙の表裏
で含有液両に差があり、一方側にのみ集中して液が含有
されているようなトナー除去装置においては、この一方
側のみ集中的に乾燥できるように、転写紙の液集中側が
接触するローラのみに、すなわち、1つおきのローラの
みにヒータを内蔵させていも良い。例えば、図65
(b)で最上流の加熱ローラに接触する転写紙面側に液
が集中している場合には、奇数番目のローラのみにヒー
タを内蔵させる。また、転写紙搬送方向で下流側のロー
ラほど外径が大きくなるように構成しても良い。これに
よれば、転写紙のカールを一層良好に防止できる。
【0200】また、この図65(a),(b)の装置に
おいても転写紙搬送方向下流側ほど線速が速くなるよう
に設定することが望ましい。
【0201】更に、ローラ対間でほぼS字状に表裏屈曲
させながら転写紙を搬送させるために、ガイド板に代
え、ワイヤからなるガイドを用いたり、図66(a)に
示すように、グリップローラ456を用いたりしても良
い。なお、図66(a)の例では、3本のローラ455
a,455b,455cのデカールローラを構成し、こ
のうち、真中のローラ455b周面での転写紙ガイドに
グリップローラ対456を使用している。また、両側の
ローラ455a,455cの周囲での転写紙ガイドには
転写紙10を上面にのせて搬送するベルト424自体を
利用しており、このベルと424からの最終的な紙分離
は、小径の支持ローラ442による曲率分離が用いられ
ている。なお、符号425は転写紙乾燥用の面状ヒータ
である。このような面状ヒータ425に代え、又は加
え、各デカールローラ455a,455b,455cに
ヒータを設けてもよい。また、図66(b)に示すよう
に、転写紙を両面側からベルと438,424で挾持ガ
イドした状態で、デカールローラ455a,455b,
455c,455d間を表裏両側に屈曲させながら搬送
させるようにしても良い。 (以下、余白)
【0202】次に、図67(a)を用いて、更に他の実
施例に係る乾燥ユニットついて説明する。図67(a)
において、この例の乾燥ユニットは、転写紙10載せ用
のトレイ501と、該トレイ501上の転写紙10の端
部を抑えるクランパー461と、該トレイ501上の転
写紙10に温風を吹き付ける温風ファン462とを備え
ている。そして、トナー剥離ユニット3を通過した転写
紙が図中Aで示す矢印にそって図中右側に搬送されてこ
のトレイ501に送られ、上記クランプー461で端部
がクランプされた後、上記温風ファン462が動作して
転写紙の乾燥を行う。所定時間経過後に乾燥が完了した
転写紙を、図示しない給紙手段により、上記矢印Aにそ
って図中左側に搬送し、更に、図示しない排紙トレー上
に排出するか、又は、このトレイ501上にそのまま保
持してオペレータが取り出すようにする。後者の場合に
はこのトレイ501がいわゆる排紙トレイを兼ねること
になる。
【0203】この乾燥ユニットにおいては、図67
(a)に合わせて示すように、トレイ463上で転写紙
を上方から押える、例えば図67(b)に示すような温
風を遮らない形状の押え部材463を、昇降可能に設け
ておき、図示しない昇降移動手段によって、必要時にト
レイ501上の転写紙を押えるようにしても良い。な
お、図67(b)の押え部材463は、A4の大きさに
対応した幅(L1)、B4の大きさに対応した幅(L2
A3に対応した幅(L3)及び、それぞれこれらに対応
した長さを持った枠部が形成され、各サイズの転写紙の
縁部をこれらで押え得るようにしている。
【0204】次に、図67(c)を用いて、更に他の変
形例に係る乾燥ユニット4について説明する。図67
(c)において、この乾燥ユニットは支持ローラ対42
2,423に掛け渡された例えば金属などからなる熱伝
導性ベルト424と、このベルト424に設けられたク
ランプー460と、ベルト424上方移動部分の上方及
び該部分の裏面側にそれぞれ配設された温風ファン46
2とから構成されている。このユニットでは、図中右側
から搬送され、ベルト424上に送られてくる転写紙1
0の先端をクランプー460でクランプして図中左側に
搬送する間に上記温風ファン462からのファンで乾燥
させる。
【0205】次に、図68(a)を用いて、更に他の変
形例に係る乾燥ユニットについて説明する。図68
(a)において、この乾燥ユニットは、複写機に付設し
て使用されるビン固定方式のソータとほぼ同一の基本構
造を備えているソータ型のユニットである。すなわち、
このユニットは、転写紙を積載するための複数のビン4
70を備え、搬送ローラ対474でこのユニットに送り
込まれ転写紙を各ビン470に配るための配出ローラ4
72と偏向爪473が、各ビンに対応して設けられてい
る。そして、この乾燥ユニットにおいては、ビン470
に積載されている転写紙を押圧状態で加熱乾燥させるた
めに、例えば面状のヒータを備えた押圧部材475が図
示しない昇降機構によって昇降可能に各ビン毎に設けて
ある。そして、図示の例では、ビン470上で乾燥させ
た転写紙をビン470とは別に設けられた紙受けトレー
501に排出できるように、各ビンは基端部471がユ
ニット枠体に回動可能に取り付けられ、図示しないアク
チュエータによって先端部側が揺動できるようになって
いる。また上記紙受けトレー501は各ビン470から
の転写紙を受け入れることができるように、図示しない
昇降機構によって、矢印477で示すように昇降移動可
能になっている。なお、符号476で示すのは、紙通過
などを検知するためのセンサである。
【0206】この乾燥ユニットにおいては、トナーが剥
離された処理液で濡れた状態の転写紙が、通常のソータ
と同様の偏向爪473などの駆動制御によって各ビン4
70上に送り込まれる。ここで1つのビン470に送り
込む枚数は1枚でも良いし複数枚でも良い。上記押圧部
材475による乾燥能力や所望の乾燥スピードに応じて
適宜設定しておく。そして、各ビン470が満杯になっ
た時点で、トナー除去装置本体の動作を停止させる。具
体的には各ビン470が満杯になる最後の1枚の転写紙
が、例えば図5の給紙ユニット1から送り出されたら、
次の給紙を禁止する。そして、押圧部材475をビン4
70上の転写紙を押圧する位置まで移動するとともにヒ
ータをONにし、転写紙の乾燥を開始する。転写紙の乾
燥が完了すると、押圧部材475を上方に退避させる。
そして、紙受けトレー501の移動に対応させて、順次
例えば下側のビン470から、先端部が下がるように基
端部471回りで揺動させて、転写紙を紙受けトレー5
01上に滑り落して収容させ、その後ビン470を逆に
揺動させて元の姿勢に戻す。そして、全てのビン470
からの転写紙の排出が完了したら、上記給紙ユニット1
からの給紙を許可する。
【0207】この乾燥ユニットによれば、押圧部材47
5を用いてビン470上で押圧状態で加熱乾燥させるの
で、しわなどの発生を抑えながら乾燥を行うことができ
る。また、複数のビン470上で乾燥を行うので同時に
比較的多くの枚数の転写紙を乾燥させることができる。
なお、この乾燥ユニットにおいては、紙受けトレー50
1を別に設けたが、上記ビン470の紙受け取れー50
1として兼用し、使用者がこのビン470上から乾燥し
た転写紙を取り出すようにしても良い。この場合には、
上記ビン揺動のための機構は不要である。また、押圧状
態で加熱乾燥するために、押圧部材475にヒータを設
けたが、ビン470側にヒータを設けても良い。更に、
1つの紙受けトレー501を移動させて全てのビン47
0からの転写紙を受けるようにしたが、それぞれのビン
470に紙受けトレー501を設けても良い。また、全
てのビン470が満杯になった時点で給紙ユニット1の
給紙を停止させて紙受けトレー501へのビン470か
ら転写紙排紙動作を行わせたが、これに代え、順次満杯
になったビン470から紙受けトレー501に転写紙を
排紙させて、常時収容可能な状態のビン470が少なく
とも1つは生じるようにし、中断なしでトナー除去動作
を行うことが出来るようにしても良い。
【0208】図68(b)はソータ型の乾燥ユニットの
変形例を示すものである。この変形例に係る乾燥ユニッ
トでは、上記の乾燥ユニットにおいて紙受けトレー50
1に転写紙を排出させるためにビン470を基端部回り
で揺動させる構造を採用したのに代え、各ビン470を
転写紙が底面上で流下できるように傾斜して設け、か
つ、基端部転写紙の流下を制止する位置と許容する位置
とを取りえるように基端部478の回りで揺動可能なス
トッパー479が各ビンの先端部に取付けられている。
また、この例では、各ビン470近傍に加熱用のヒータ
480が設けられ、紙受けトナー501が各ビン470
に対応して複数設けてある。その他の構成は上記の乾燥
ユニットと同じであり、対応する部材には同一の符号を
付してある。
【0209】図69(a)はソータ型の乾燥ユニットの
他の変形例を示すものである。この変形例に係る乾燥ユ
ニットは、前述の図68(a),(b)の乾燥ユニット
がビン固定方式のソータとほぼ同一の基本構造を備えて
いるのとは異なり、1ビンごとの開口移動方式のソータ
とほぼ同一の基本構造を備えている。すなわち、各ビン
470は、複写機に付設して使用される1ビンごとの開
口移動方式のソータにおけと同様の機構、例えばゼネバ
ホイール、ヘリカルカム、リードカムなどを用いた機構
によって、排出ローラ481から送られる転写紙を受入
れ可能な開口が、1ビン毎に生じるように移動されるよ
うになっている。そして、最上部のビン470の上方に
押圧部材475を設けられ、また最下部のビン470の
下方に加熱用のヒータ480が設けられ、更に、ビン4
70の先端部側に紙受けトレー501が設けられてい
る。そして、各ビンは紙受け取れー501に転写紙を搬
出できるように、基端部471の回りで揺動可能になっ
ている。
【0210】この乾燥ユニットにおいては、全てのビン
470が満杯になった時点など乾燥を開始するときに
は、全てのビン470を互いの間の間隔が隣合う下方の
ビン470上の転写紙を押圧できるように狭め、上記押
圧部材475を最上部のビン470上の転写紙を押圧す
るように移動させ、かつ、ヒータ480をONにする。
乾燥終了後には下方のビン470から順次揺動させて紙
受けトレー501に転写を排出させる。
【0211】次に、図69(b)を用いて、更に他の変
形例に係る乾燥ユニットについて説明する。図67
(a)において、この例の乾燥ユニットは、加熱ランプ
482a内蔵の例えばアルミや鉄などのからなる剛体の
加熱ドラム482と、複数の支持ローラ483に掛け渡
され、該加熱ドラム482の周面に一定角度巻きついた
状態で無端移動する紙押圧用ベルト484とから構成さ
れている。上記加熱ドラム482は紙10にカールが生
じにくい程度の直径、例えば90mm程度以上の直径のも
のを用いることが望ましい。
【0212】また上記紙押圧用ベルト484の材質とし
ては、耐熱性や通気性を備えた材質、例えばキャンバス
地、木綿地、テトロン地などの布を用いることができ
る。できるだけ伸びにくい材質を用いることが望まし
い。そして、加熱ドラム周面への巻き付き領域で乾燥が
進む間に紙10が全く自由な形で収縮してしわを生じな
いように、また、紙10のカールや波打ちを生じにくい
ように、加熱ドラム周面とベルト内面とである程度の力
で紙10を挾持できるようにする。例えば幅240mmの
ベルトで、ベルト張力を7kg重以上、好ましくは15kg
重以上に設定することが望ましい。また、上記液保持量
が10%以下なるように乾燥するため、加熱ドラム表面
が100°C以上の温度に維持されるよう内蔵加熱ラン
プ482aを点灯制御することが望ましい。また、ベル
ト寄り防止のため、例えばベルト両端面に接触して寄り
を規制する寄り止めリング485などの寄り防止機構を
設けることが望ましい。
【0213】この乾燥ユニットにおいては、片面のみか
らのトナー除去の場合、トナーが除去された面をドラム
482の周面に密着させ、ベルト484と該周面とで挾
持しながら乾燥搬送させる。これにより、トナー除去に
よって多少紙の繊維が立った場合にも、剛体であるドラ
ム482の周面に押し当てることで、立った紙繊維を元
に戻すことかできる。
【0214】以上、本実施例に係る乾燥ユニットはトナ
ー除去装置にユニットとして組み込まれるものである
が、本発明は、乾燥ユニットが省略されるか又は乾燥性
能が不十分な乾燥ユニットしか備えていないトナー除去
装置を用いてトナーを除去し、いまだ過剰な湿りがのこ
って、そのままでは、転写型の電子写真複写機などでは
使用出来ない転写紙を乾燥するための、単独の乾燥装置
に適用することもできる。更に、トナー除去装置以外の
転写紙に所定の処理液を付与する装置に組み込む乾燥ユ
ニットや、このような装置から排出された過剰な湿りが
残っている転写紙を乾燥する単独の乾燥装置にも、適用
することもできる。
【0215】次に、図5のトナー除去装置とは異なり、
トナー剥離ユニット3(図5参照)が転写紙の一方の面
側のみからトナーを剥離できるように構成されている場
合に、転写紙をトナー除去装置ないで循環搬送して、転
写紙の両面からトナーを除去できるようにするための構
成例について説明する。図70(a)はこのような転写
紙の循環搬送のための搬送系の概略構成を示すものであ
る。図70(a)において、処理部80には、液付与ユ
ニット2(図5参照)、上述の片面のみからトナーを剥
離できるトナー剥離ユニット3及び必要に応じて乾燥ユ
ニット4(図5参照)が設けられている。そして、処理
部80と紙受けトレー501との間に搬送ローラ対81
と偏向爪82が設けられ、また、処理部80より下方に
は、複数の搬送ローラ対86,87,89,90,9
1,92及びガイド爪93によって循環搬送経路84が
形成されている。この循環搬送経路84の一部、具体的
には上記搬送ローラ対87の近傍に、該ローラ対87で
送られる転写紙を循環搬送経路84から取り出してスイ
ッチバックさせた後に再び循環搬送経路84に送り込む
スイッチバック経路83が形成されている。具体的に
は、正逆回転可能な正逆搬送ローラ85と、上記搬送ロ
ーラ対87の一方のローラに当接する従動ローラなどに
よって、スイッチバック経路83が形成されている。な
お、図示の転写紙10は図示しない給紙ユニット1(図
5参照)から送られてきた転写紙を示している。
【0216】この搬送系においては、図示しない給紙ユ
ニット1からの転写紙10は、上記処理部80を通って
片面のみからトナーが剥離された後に、搬送ローラ対8
1で送られ、偏向爪82により循環搬送経路84を通っ
て再び処理部に送られる。この循環搬送経路84を通る
途中で上記スイッチバック経路83を通ることにより、
循環搬送経路84を通って再び処理部80を通るとき
に、最初の処理部80通過時とは転写紙の表裏が反転す
る。よって2度目に処理部を通過するときに、他方の面
のトナーが剥離され、これにより、両面からのトナー除
去が行われる。その後、搬送ローラ81及び偏向爪82
でより紙受けトレー501に排出される。
【0217】なお、この搬送系においては、図示のよう
に処理部80へ進入する転写紙の両面それぞれの側にC
CDセンサ94,95を設け、これからの信号を用い
て、搬送系や処理部80を制御することができる。例え
ば、給紙ユニット1から送られてきた転写紙10が両面
にトナーが付着しているものか片面のみにトナーが付着
しているものかを、上記センサ94,95の信号を用い
て判別し、前者の場合には上述の両面からのトナー剥離
のための搬送を行う、後者の場合には、具体的なトナー
面が処理部80におけるトナー剥離可能な側であるか否
かによって転写紙搬送や処理部80動作を制御するよう
にできる。ここで、具体的なトナー面が処理部80にお
けるトナー剥離可能な側であるときは、処理部80通過
後そのまま紙受けトレー501上に排紙すれば良い。ま
た、具体的なトナー面が処理部80におけるトナー剥離
可能な側とは反対側である場合には、必要に応じて不作
動状態にした処理部80を通過させた後に、スイッチバ
ック経路83を含む上記循環搬送経路84を通過させて
再度動作状態にした処理部80を通過させて、トナーを
除去してから排紙トレー501に排出させれば良い。
【0218】また、上記CCDセンサ94,95からの
信号を用いて、トナー除去が十分か否かを判別し、トナ
ーが完全に除去されるまで、必要に応じてスイッチバッ
クさせながら、何度も処理部80を通すように搬送制御
しても良い。ここで、このように何度も処理部80を通
すことによって転写紙10への液供給を多数回行う場合
には、処理液として界面活性剤などの浸透度促進剤を含
まない処理液を用いたり、不安定化液と浸透度促進液と
を別々に塗布するようにしているものにおいて、浸透度
促進液を塗布しないようにしたりできる。
【0219】図70(b)は図70(a)の搬送系の変
形例を示すものである。この例の搬送系は循環搬送経路
中に中間トレイユニット95を設け、上記スイッチバッ
ク経路83でスイッチバックされた後の転写紙を、複数
枚一旦ストックした後に、再度処理部80に送り込める
ようになっている。
【0220】なお、転写紙の片面のみからトナーを剥離
する剥離ユニット3としては、例えば図36に示すよう
に剥離ローラ302に対向してバックアップローラ30
8を設けたものがあり、このバックアップローラ308
の表面は、前述のようにトナーTとの離型性に優れた材
質で形成することが好ましい。但し、転写紙そのものが
くっつかないがきり、転写紙上のトナーが多少その表面
に転移付着する程度は問題ない。なぜなら、バックアッ
プローラ308表面に転移付着したトナーは、剥離ロー
ラ302とバックアップローラ308との接触部を転写
紙が通過した後に、バックアップローラ308表面から
剥離ローラ302へ転写されるためである。このような
条件は、バックアップローラ308とトナーとの付着力
が、紙とトナーとの付着力以上、かつ、剥離ローラ30
2とトナーとの付着力以下の範囲内に入る場合に満足さ
れる。
【0221】図71(a)は前述の図70(a)と同様
の搬送系を備えたトナー除去装置の全体構成例を示すも
のである。この構成例では、転写紙のサイズを検出する
センサー100が例えば処理部80の下流側に配設さ
れ、トナー除去後の転写紙を、サイズ毎に設けられたカ
セット510,511,512に収容できるようになっ
ている。また、これらのカセット510,511,51
2から符号111で示す搬送経路を通って、図示しない
例えば複写機に転写紙を送り出すことができるようにな
っている。また、給紙トレイ11から処理部80に向い
途中で給紙された転写紙の状態を検出する例えばCCD
センサ96が設けられ、これにより、トナー除去処理に
向かない転写紙やトナー除去の必要がない転写紙でない
か否かを判別して、このような転写紙であるばあいに
は、処理部80を通すことなく、そのまま装置上部の排
紙トレイ部501上に排出するようになっいる。
【0222】なお、図示の例のように、スイッチバック
経路83から装置上部の排紙トレイ部501への搬送経
路99を形成しておけば、処理部80を通過した直後の
転写紙位置を基準にすれば、給紙トレイ110側に位置
する排紙トレイ部501に、給紙トレイ110上におけ
ると同一の面を上にした状態で排出することができる。
例えば、上記処理部80が鉛直方向上方側の面からトナ
ーを剥離できるように構成され、このため、給紙トレイ
110上にトナー面を上に向けて載置する場合、処理部
80通過後の転写紙を装置上部の排紙トレイ部501に
排出するため、単に反転させた場合には、排紙トレイ部
501ではトナー除去面が下向きになってしまう。とこ
ろが、図示の例によれば、スイッチバック83を通した
後に排紙トレイ部501に排出するので、トナー除去面
が上向きになる。なお、このように、給紙トレイ110
上及び排紙トレイ部501上で共にトナー面及びトナー
除去面が上向きになるようにすれば、転写紙からのトナ
ーの除去され具合を容易に確認することが出来る。
【0223】図71(b)は図70(a)と同様の搬送
系を備えたトナー除去装置の他の全体構成例を示すもの
である。この構成例では、スイッチバック経路が、装置
上部の排紙トレイ部501を利用して形成されている。
これにおいても、給紙トレイ110からの転写紙を処理
部80に通した後に、スイッチバック経路83及び循環
搬送経路84を通して再度処理部80に通し、これによ
り、両面からトナーを除去することができる。その後サ
イズ検知センサ100の信号に基づいて対応するサイズ
のカセット510,511,512に収容する。なお、
図示の例では、処理部80が鉛直方向下方側の転写紙面
からトナーを剥離できるように構成された場合、スイッ
チバックのため排紙トレイ部501上にきたときに、ト
ナー除去面が上方に向く。このため、トナーの除去され
具合をカセット510,511,512に収容される前
に容易に確認できる。なお、図71(a),(b)の構
成例では、給紙トレイ110上でトナー面を上向きにセ
ットすれば、カセット510,511,512から複写
機などに送り込むための上記搬送経路111上でもトナ
ー除去面を上向きにして搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】像保持体(紙)上に画像が形成されている状態
を摸式的に示す図。
【図2】片面に画像が形成された紙の剥離機構を示す
図。
【図3】両面に画像が形成された紙の剥離機構を示す
図。
【図4】コピー済みのコピー紙の剥離機構及び該機構に
より供給される再生コピー紙を使用する複写装置を示す
図。
【図5】実施例に係るトナー除去装置の概略構成図。
【図6】同装置の電装部のブロック図。
【図7】他の実施例に係るトナー除去装置の概略構成
図。
【図8】更に他の実施例に係るトナー除去装置の概略構
成図。
【図9】更に他の実施例に係るトナー除去装置の概略構
成図。
【図10】同装置の電装部のブロック図。
【図11】更に他の実施例に係るトナー除去装置の概略
構成図。
【図12】更に他の実施例に係るトナー除去装置の概略
構成図。
【図13】更に他の実施例に係るトナー除去装置の説明
図。
【図14】(a)〜(c)は更に他の実施例に係るトナ
ー除去装置の説明図。
【図15】(a)〜(c)はそれぞれ更に他の実施例に
係るトナー除去装置の説明図。
【図16】(a)はトナーが付着した転写紙表面部の説
明図。(b)は同転写紙と同トナーとの界面部の拡大
図。
【図17】転写紙、トナー、処理液、及び剥離部材の接
触状態の説明図。
【図18】浸透促進液付与ユニット2aと処理液付与装
置2bを有する液付与ユニットの構成の説明図。
【図19】トナー除去装置の液付与ユニットの概略構成
図。
【図20】変形例に係る液付与ユニットの概略構成図。
【図21】他の変形例に係る液付与ユニットの概略構成
図。
【図22】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図23】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図24】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図25】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図26】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図27】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図28】(a)は更に他の変形例に係る液付与ユニッ
トの概略構成図。(b)は同液付与ユニットの処理ヘッ
ドの斜視図。
【図29】(a)乃至(c)は同処理ヘッドの動作を示
す説明図。
【図30】(a)は更に他の変形例に係る液付与ユニッ
トの斜視図。(b)は同液付与ユニットの処理ヘッドの
断面図。
【図31】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図32】変形例に係る処理ヘッドの断面図。
【図33】処理ヘッドを備えた液付与ユニットの動作の
説明図。
【図34】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図35】同液付与ユニットの液溜り部の処理液の体積
の説明図。
【図36】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図37】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図38】更に他の変形例に係る液付与ユニットの概略
構成図。
【図39】他の実施例に係る転写紙処理装置の説明図。
【図40】同トナー除去装置のトナー剥離ユニットの概
略構成図。
【図41】変形例に係るトナー剥離ユニットの概略構成
図。
【図42】他の変形例に係るトナー剥離ユニットの概略
構成図。
【図43】更に他の変形例に係るトナー剥離ユニットの
概略構成図。
【図44】更に他の変形例に係るトナー剥離ユニットの
概略構成図。
【図45】更に他の変形例に係るトナー剥離ユニットの
概略構成図。
【図46】(a)は更に他の変形例に係るトナー剥離ユ
ニットの概略構成図。(b)は同トナー剥離ユニットの
トナー回収部の断面図。(c)は同トナー回収部の圧縮
部材の説明図。
【図47】更に他の変形例に係るトナー剥離ユニットの
概略構成図。
【図48】更に他の変形例に係るトナー剥離ユニット、
及び液付与ユニットの概略構成図。
【図49】同トナー剥離ユニット及び液付与ユニットの
動作のタイミングチャート。
【図50】同トナー剥離ユニットの分離爪の当接部の拡
大図。
【図51】更に他の変形例に係るトナー剥離ユニットの
概略構成図。
【図52】(a)は更に他の変形例に係るトナー剥離ユ
ニットの概略構成図。(b)は同トナー剥離ユニットの
斜視図。
【図53】(a)は同トナー剥離ユニットとともに用い
る液付与ユニットの液付与部の正面図。(b)は同液付
与部の側面図。
【図54】更に他の変形例に係るトナー剥離ユニットの
概略構成図。
【図55】(a)〜(f)はそれぞれ乾燥ローラの変形
例の説明図。
【図56】(a)〜(f)はそれぞれ乾燥ローラの表面
形状の変形例の説明図。
【図57】(a)及び(b)はそれぞれ乾燥ローラの表
面形状の他の変形例の説明図。
【図58】(a)及び(b)は乾燥ユニットの変形例の
説明図。
【図59】(a)〜(c)は乾燥ユニットの他の変形例
の説明図。
【図60】乾燥ユニットの更に他の変形例の説明図。
【図61】(a)及び(b)は図11の乾燥ユニットの
ヒータの動作説明図。
【図62】(a)〜(d)はそれぞれ乾燥ユニットの特
性図。
【図63】(a)及び(b)は乾燥ユニットの更に他の
変形例の説明図。
【図64】(a)及び(b)はそれぞれ乾燥ユニットの
更に他の変形例の説明図。
【図65】(a)及び(b)はそれぞれ乾燥ユニットの
更に他の変形例の説明図。
【図66】(a)及び(b)はそれぞれ乾燥ユニットの
更に他の変形例の説明図。
【図67】(a)及び(b)は乾燥ユニットの更に他の
変形例の説明図。(c)は乾燥ユニットの更に他の変形
例の説明図。
【図68】(a)及び(b)はそれぞれ乾燥ユニットの
更に他の変形例の説明図。
【図69】(a)及び(b)はそれぞれ乾燥ユニットの
更に他の変形例の説明図。
【図70】(a)及び(b)はそれぞれトナー除去ユニ
ットの搬送系の全体構成図。
【図71】(a)及び(b)はそれぞれ図70(a)の
搬送系を備えたトナー除去装置のの全体構成図。
【符号の説明】
1 給紙ユニット 2 液付与ユニット 3 トナー剥離ユニット 4 乾燥ユニット 5 紙受けユニット 10 転写紙 20 処理液 21 浸透促進液 22 液 201 液容器 204 絞りローラ対 207 塗布ローラ対 212 給液パイプ 213 ポンプ 214 液溜り部 215 ブレード 301 加熱ランプ 302 剥離ローラ 308 バックアップローラ 409 乾燥ローラ 410 乾燥ローラ 414 ローラ基体 415 通気性部材からなる表層 417 孔 418 排気ファン 420 分離爪 421 通気性部材不装着部 424 熱伝導性ベルト 438 通気性ベルト 425 面状ヒータ 441 吸引ファン 445 曲面状ヒータ 950 紙検知センサ 951 ベルト駆動モータ 952 モータ駆動回路 953 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 清 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 新宮領 慧 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 倉本 信一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 高橋 貞夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 木村 祥之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 斉藤 忠司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大湊 満 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 中野 克 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 川村 栄一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に熱溶融性像形成物質が安定に定着し
    ている像保持体に、上記表面と熱溶融性像形成物質との
    定着状態を低下させる定着状態低下液を含浸させる含浸
    手段と、 上記像保持体上の熱溶融性像形成物質に像形成物質剥離
    部材を密接させるとともに、加熱手段により像形成物質
    を軟化させて像形成物質剥離部材側への像形成物質の転
    写をし易くし、上記表面より像形成物質剥離部材側に像
    形成物質を転写させて、像保持体から像形成物質を取り
    除く像形成物質除去手段とを有し、 上記密接のため、バックアップ手段により、上記像形成
    物質剥離部材に対向する上記像保持体をバックアップす
    るとともに、 上記加熱手段が、上記バックアップによる上記像形成物
    質剥離部材との密接部を通過中の像保持体に、上記定着
    状態低下液による多少の湿り気が残る程度に、像保持体
    の厚み方向において上記像形成物質定着面側とは反対側
    から上記加熱を行うことを特徴とする像保持体の再生装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1の像保持体の再生装置において、 上記像形成物質剥離部材としてベルト状のものを用いた
    ことを特徴とする像保持体の再生装置。
  3. 【請求項3】請求項1の像保持体の再生装置において、 上記バックアップ手段としてローラ形状のものを用いる
    ことを特徴とする像保持体の再生装置。
  4. 【請求項4】請求項1の像保持体の再生装置において、 上記バックアップ手段が、上記加熱手段を内蔵すること
    を特徴とする像保持体の再生装置。
  5. 【請求項5】請求項1の像保持体の再生装置において、 上記像形成物質剥離部材としてベルト状のものを用い、 該ベルト状の像形成物質剥離部材と上記バックアップ手
    段との圧接部において該像形成物質剥離部材を該バック
    アップ手段に押しつける押圧手段を設けたことを特徴と
    する像保持体の再生装置。
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