JP2804860B2 - SiC単結晶およびその成長方法 - Google Patents
SiC単結晶およびその成長方法Info
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Description
の成長方法に関するものである。詳しくは、青色発光ダ
イオードなどの応用面に有用な良質の6H形(Hは六方
晶系、6は原子積層が6層で一周期となる結晶構造を意
味する)SiC単結晶と、紫色発光ダイオードなどの応
用面に有用な良質の4H形(Hは六方晶系、4は原子積
層が4層で一周期となる結晶構造を意味する)SiC単
結晶などを成長させるSiC単結晶の成長方法に関する
ものである。
で、しかも高温や放射線に耐えられる素材であるため、
耐環境性半導体素子材料としての応用が期待されてい
る。また禁制帯幅が大きいことより、短波長の発光ダイ
オード材料として利用されている。実際に6H−SiC
は室温で約2.8eVの禁制幅をもち、青色発光ダイオ
ード用材料となっている。また、4H−SiCは室温で
約3.1eVの禁制幅をもち、紫色発光ダイオード用材
料となっている。
より作製するが、従来はその種結晶として主に{000
1}面を露出させたSiC単結晶基板を使用していた。
この場合、種結晶と同じ結晶多形(polytype)が常に成長
するとは限らないため、温度、圧力などの成長条件によ
って目的の多形を成長させようとしていた。特開平2−
48495号公報には4H−SiC単結晶の成長方法が
開示されている。この中で種結晶温度として2250℃
付近を境にして低温側では6H形、高温側では4H形が
成長することが記載されているが、このような方法では
目的の多形を成長させる多形制御は完全にはなされず、
他の多形の混在などによる結晶品質の低下が起こり易
い。
88年9月5日 資料番号EFM−88−24p24
には、上記方法で得られたSiC単結晶の評価が記載さ
れている。溶融KOHエッチングによって結晶に含まれ
ている欠陥を調べると、転位に対応すると考えられるエ
ッチピットが多数発生し、そこには、三種類のサイズの
六角形状のピットが存在し、サイズの大きいものから順
に、大102 〜103個/cm2 、中〜104 個/cm
2 、小〜105 個/cm2 あり、それらは線状欠陥に対
応していることが述べられている。特に大型のエッチピ
ットに対応する欠陥は、結晶を貫通するピンホールとな
っており素子を作製したときにリーク電流等の原因とな
っている。
SiC単結晶およびその製造方法を提供することを目的
とするものである。本発明はまた、種結晶と同じ多形構
造を有する良質のSiC単結晶を、大きい成長速度によ
って成長させる方法を提供することを目的とする。本発
明はさらに、実質的に転位の存在しないSiC単結晶
を、大きい成長速度で成長させる方法を提供することを
目的とするものである。
製の坩堝内においてSiC原料粉末を不活性気体雰囲気
中で加熱昇華させ、原料よりやや低温になっている種結
晶のSiC単結晶基板上にSiC単結晶を成長させる昇
華再結晶法において、種結晶として{0001}面より
約60〜120°の角度α1 だけずれた結晶面を露出さ
せたSiC単結晶を使用することを特徴とするSiC単
結晶の成長方法である。本発明において、種結晶として
好ましくは、{0001}面より約80〜100°、さ
らに好ましくは約90°の角度だけずれた結晶面を露出
させたSiC単結晶を使用することが望ましい。
iC単結晶を、前記種結晶のc軸方向幅の端部を通り、
種結晶の露出面に対し角度α1 で交差し、かつ種結晶の
c軸に直交する面に沿って切断し、SiC単結晶におけ
る種結晶のc軸方向の幅を越えた部分を得ることを特徴
とするより良質で実質的に転位の存在しないSiC単結
晶の製造方法である。
の存在しないSiC単結晶から切出された{0001}
面より約60°〜約120°の角度α1 だけずれた結晶
面を露出させた基板を使用することを特徴とするSiC
単結晶の成長方法である。
きその原子位置が3通り存在し、それらのエネルギー差
が小さいことから多くの多形構造が多数安定に存在する
とされている。螺旋ステップのない{0001}面上に
目的の多形の結晶を成長させる場合は、表面には原子積
層の配列が現われていないため、温度・圧力などの成長
条件を調整することで、目的とする多形の結晶核を生成
させる必要がある。
き、{0001}面より約60〜120°の角度α1 ず
れた結晶面上に成長させる場合は、その面上に多形の原
子積層の配列が現れているため、目的の多形の結晶核を
生成させる必要はなく、元の種結晶と同じ種類の多形構
造の結晶が広い成長条件において容易に成長していくこ
とになる。この場合、他の多形の混在がない良質の結晶
性を有する単結晶が成長する。また、良質な結晶が成長
する範囲での成長速度も大きくなる。
説明する。図1は、本発明のSiC単結晶の成長方法に
おいて用いられる単結晶成長装置の一例を示すものであ
る。図1に示されるように、該単結晶成長装置に使用さ
れる黒鉛製の坩堝は、有底の坩堝本体1とSiC基板種
結晶5の取り付け部4を有する前記坩堝本体1の開口部
を覆う黒鉛製の坩堝蓋3とにより構成され、坩堝1と坩
堝蓋3の側面および上下は黒鉛フェルト製の断熱材6に
より覆われいる。なお、これらの坩堝本体1、坩堝蓋3
および断熱材6はいずれも、好ましくは炭化珪素とほぼ
同等の熱膨脹係数を有する黒鉛からなる。さらにこれら
は真空排気装置により真空排気できかつ内部雰囲気をA
r、Xeなどの不活性気体で圧力制御できる容器に入れ
られている。加熱は、例えば容器外に巻装した高周波誘
導コイルなどにより行う。坩堝温度の計測は、例えば坩
堝下部を覆うフェルトの中央部に直径2〜4mmの光路
7を設け坩堝下部の光を取り出し、二色温度計を用いて
常時行う。この温度を原料温度とみなす。予め上部フェ
ルトに同じ様な光路を設け坩堝蓋の温度を測定し、これ
を種結晶の温度とみなす。
ものである。本発明で使用する{0
ることになる。このような面をもつ基板は、例えば昇華
再結晶法により{0001}面上に成長させたSiC単
結晶インゴットを{0001}に垂直に切り出し加工す
ることにより得ることができ、次に述べる本発明の第1
の実施態様においてはこの{0001}面上に成長させ
たSiC単結晶インゴットを{0001}に垂直に切り
出し加工したものを用いる。
1}面に厳密に垂直な面ではなく、この面よりある程度
傾いた面、例えば30°程度以下、好ましくは10°以
下傾いた面を露出した基板を種結晶5として用いた場合
も、SiCの螺旋成長が起らないであろうゆえに、同様
に良質のSiC単結晶が成長するものと考えられる。従
って、本発明において用いられる種結晶は、{000
1}面より約60〜120°、好ましくは約80°〜1
00°、より好ましくは、約90°の角度α1 ずれた露
出面を有し得る。
る。
明によるSiC単結晶の結晶成長は、例えば以下のよう
にして行なわれる。まず、前記のごとくこの所望の面を
出した基板を種結晶5として坩堝蓋3に取り付け、また
坩堝本体1内にSiC原料粉末2を導入する。SiC原
料粉末2としては、Fe,Al等の不純物の含有の少な
いものであることが望まれる。
に導入し、この坩堝を前記容器内に配置した後、容器内
部を真空、好ましくは10-6Torr以下の減圧下と
し、原料温度を約2000℃まで上げる。その後、不活
性気体を流入させながら約600Torrに保ち、原料
温度を目標温度に上昇させる。減圧は10〜90分かけ
て行い、雰囲気圧力を1〜50Torr、より好ましく
は5〜20Torr、原料温度を2100〜2500
℃、より好ましくは2200〜2400℃に設定し成長
を開始するのが望ましい。これより低温では原料が気化
し難くなり、これより高温では熱エッチングなどにより
良質の単結晶が成長し難くなる。また種結晶温度は原料
温度より40〜100℃、より好ましくは50〜70℃
低く、温度勾配は5〜25℃/cm、より好ましくは1
0〜20℃/cmとなるようにすることが望ましい。さ
らに、温度と圧力の関係は、単結晶の成長速度が0.5
〜1.5mm/h、より好ましくは0.8〜1.3mm
/hとなるようにすることが望ましい。これより高速で
は結晶性が低下するため適当ではなく、これより低速で
は生産性が良くない。
結晶基板を使用する従来のSiC単結晶の製造方法にお
いて知られる多結晶化防止技術や大口径化技術は、本発
明のSiC単結晶の製造方法に、そのままないし若干の
変更を加えるのみで適用可能である。
得られるが、このSiC単結晶8は、種結晶5の有する
多形構造と同じ多形構造を有し、かつまた{0001}
を露出させたSiC単結晶基板を用いて成長させて得ら
れる従来のSiC単結晶とは異なり、渦巻成長中心に対
応する螺旋転位の発生のないものである。従って、青色
発光ダイオードや電子デバイスの基板として好適に用い
ることができる。SiC単結晶の結晶性の厳密な評価
は、溶融アルカリエッチングにより以下の手順で行なう
ことができる。作製した単結晶インゴットを切断、研磨
により{0001}面ウェハに加工する。この時、ウェ
ハに加工歪が残らないように注意する。エッチングは、
約530℃のKOH融液で約5分間行う。エッチング
後、ノマルスキー微分干渉顕微鏡により発生したエッチ
ピット個数を計測する。
形の評価は、ラマン散乱測定やX線回折測定、さらに低
温での光励起発光などの同定法により行なうことができ
る。
合、その種結晶として{0001}面を使用すると、こ
の種結晶表面にもともと螺旋転位があろうとなかろうと
渦巻成長が起こることにより渦巻成長中心に対応する螺
旋転位が数多く発生してしまう(これらは、前述した溶
融KOHエッチングにより六角形状エッチピットとして
観測される。)が、{0001}面より約60°〜約1
20°の角度α1 ずれた面上に成長させる場合は渦巻成
長が起らず、これに対応する螺旋転位は発生しない。本
発明のSiC単結晶は、上記溶融アルカリエッチングに
よる評価において、六角形状エッチピットが通常全く観
測されないことで識別される。
c面({0001}面またはbasalplane)に滑り面を有
する転位を含む場合、この転位は成長結晶に引継がれて
いくことになる。この種類の転位はc面内だけで伝わっ
ていくため、成長したSiC単結晶8のうち、種結晶5
のc軸方向における幅を越えた部分、すなわち、図3に
おいて、種結晶5の露出面を含む第1の仮想平面Xに対
し角度α1 で交差する2つの平行な第2の仮想平面
Y1 ,Y2 より外方に位置する領域部分(斜線部分)に
は、この種類の転位も引継がれないことになる(図3の
例においては、種結
る。)。なお、図3において、前記第1の仮想平面Xと
2つの第2の仮想平面Y1 ,Y2 の交差線は、それぞれ
第1の種結晶のc軸に垂直でかつこの種結晶のc軸方向
における端部9a,9bを通過する直線となる。また第
2の仮想平面Y1 ,Y2 はいずれも、SiC単結晶8の
{0001}面に対応するものである。
C単結晶のうち、種結晶のc軸方向における幅を越えた
部分(図3の斜線部分)は特に有用であり、この部分の
SiC単結晶は、渦巻成長中心に対応する螺旋転位を含
まず、また種結晶から伝わる前述したc面内に滑り面を
有する転位も含まないものである。この部分は、上記方
法で成長したSiC単結晶を、前記第2の仮想平面
Y1 ,Y2 において切断することにより容易に他の部分
と分離できる。
の好ましい態様においては、種結晶として、前記第1の
種結晶の露出面上に成長させたSiC単結晶インゴット
のある特定部分(図3の斜線部分)のSiC単結晶より
切出され、{0001}面より約60°〜約120°、
好ましくは約80°〜約100°、より好ましくは約9
0°の角度α2 ずれた面を露出した基板を種結晶として
用い、上述したような方法に従いSiC単結晶を製造す
る。
晶がc面内に滑り面を有する転位を含まないものである
ことから、インゴット全体が、前記第1の実施態様にお
いて得られる図3に示すインゴットの斜線部分とほぼ同
等の性能を有し、渦巻成長中心に対応する螺旋転位を含
まず、また種結晶から伝わる前述したc面内に滑り面を
有する転位も含まないものとなる。
C単結晶のうちの図3に示す斜線部分のものならびに上
記第2の実施態様において得られるSiC単結晶は、各
種転位の発生が極めて少ないないし全く存在しないもの
であるため、昇華法の種結晶として有効なだけでなく、
青色発光ダイオードや電子デバイスの基板として特に有
用で、その性能や生産歩留まりを著しく向上させること
になる。この本発明に係わる転位の発生の極めて少ない
SiC単結晶は、例えば、第52回応用物理学会199
1年秋季予稿集No.1 p309 11a−SY−1
8に示されるような評価方法により識別することが可能
である。評価はまず、単結晶インゴットを切断、研磨に
よって、{0001}面より数度、代表的には2〜10
°の角度θだけオフしたウェハに加工する。オフ角度を
つけるのは、{0001}面では観測できないc面内に
滑り面を有する転位も観測するためである。この時、ウ
ェハに加工歪が残らないように注意する。エッチングは
約530℃のKOH融液で約10分間行なう。エッチン
グ後、ノマルスキー微分干渉顕微鏡により発生したエッ
チピットを観測する。この評価において、観測される貝
殻状エッチピット(結晶c面内に滑り面を有する転位を
示す)の数は、前記角度θによって変動する。理論上で
は、角度θが90°であるとき、結晶c面内に滑り面を
有する転位の出現数は最大となる(なおこの場合、この
転位はSiCの化学的特性ゆえに貝殻状エッチピットと
して観測はできない。)。これゆえ、本明細書中で述べ
られる貝殻状エッチピットの数は、実測値ではなく補正
値である。補正値は実測値をsinθ(0°<θ<90
°)で割ることにより求められる。
SiC単結晶は、この評価方法において、観察される六
角形状エッチピットが通常全くゼロ、また貝殻状エッチ
ピットが比較的少量、さらに好ましくはゼロのものであ
る。なお、六角形状エッチピットは前記したように渦巻
成長中心に対応する螺旋転位を示し、また貝殻状エッチ
ピットは結晶c面内に滑り面を有する転位を示すもので
ある。{0001}面を露出した基板を種結晶として用
いて得られる公知のSiC単結晶においては、このよう
な六角形状エッチピットおよび貝殻状エッチピットが極
めて多く(代表的には六角形状エッチピットが104 〜
105 のオーダー、貝殻状エッチピットが104 〜10
5 のオーダー)観測されるため、本願発明のものと容易
に識別され得る。
いては、第2の実施態様において得られるSiC単結晶
より切出され、{0001}面より約60°〜約120
°の角度α3 ずれた面を露出した基板を種結晶として用
い、上述したような方法に従いSiC単結晶を製造す
る。これにより得られるSiC単結晶は、第2の実施態
様において得られるSiC単結晶と同様に良質のものと
なる。
が、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものでは
ない。
出した6H形の{10
行った。また、種結晶基
成長速度は共に基板面に垂直方向に約1mm/hであ
り、{0001}面を使用したときより多少大きかっ
た。それにもかかわらず、これらの単結晶インゴットに
は元の基板面と平行な
く、良好な結晶品質を示していた。これらの結晶多形の
同定を行なった結果、種結晶基板として6H形を使用し
たものは全体が6H形、4H形を使用したものは全体が
4H形となっていた。アルカリ溶融エッチングによりこ
れらの結晶から取出した{0001}面ウェハの評価を
行なったところ、六角形状エッチピットは全く観測され
ず、良好な結晶品質を示していた。
出した6H形の{11
行った。また、種結晶基
成長速度は共に基板面に垂直方向に約1mm/hであ
り、{0001}面を使用したときより多少大きか
ていた。さらにこれらの結晶は非常に透明度が良く、良
好な結晶品質を示していた。これらの結晶多形の同定を
行なった結果、種結晶基板として6H形を使用したもの
は全体が6H形、4H形を使用したものは全体が4H形
となっていた。アルカリ溶融エッチングによりこれらの
結晶から取出した{0001}面ウェハの評価を行なっ
たところ、六角形状エッチピットは全く観測されず、良
好な結晶品質を示していた。
トから取出した6H形の{0001}面を使用し、原料
温度を2400℃、基板温度を2340℃、温度勾配を
12℃/cm、雰囲気圧力を20Torrとして成長を
行った。成長速度は基板面に垂直方向に約0.8mm/
hであった。得られた単結晶インゴットには{000
1}ファセット面、さらにそれ以外にも幾つかのファセ
ット面が現れていた。また結晶多形の同定を行なった結
果、全体が6H形となっていた。アルカリ溶融エッチン
グによりこれらの結晶から取出した{0001}面ウェ
ハの評価を行なったところ、前述した社団法人電気学会
電子材料研究会1988年9月5日資料番号EFM−8
8−24p24に示されたものとほぼ同数、同種のエッ
チピットが観測された。
出した4H形、6H形
温度を2340℃、温度勾配を12℃/cm、雰囲気圧
力を20Torrとして成長を行った。成長速度は基板
に垂直方向に約1mm/hであり、{0001}面を使
用したときより多
現れていた。この結晶多形の同定を行なった結果、種結
晶基板が6H形の部分には6H形、種結晶基板が4H形
の部分には4H形、種結晶基板が15R形の部分には1
5R形が成長しており、種結晶基板の多形構造を完全に
引き継いでいた。
出した6H形の{10
行った。成長速度は基板面に垂直方向に約1mm/hで
あった。結晶多形の同定を行なった結果、全体が6H形
となっていた。得られた成長インゴットから{000
1}面から5°オフしたウェハを取出し、アルカリ溶融
エッチングにより結晶性の評価を行なったところ、成長
インゴットにおいて種結晶のc軸方向幅を越えない部分
の結晶(図3のSiC単結晶8の斜線外部分)には六角
形状エッチピットが全くなく貝殻状エッチピットのみが
観測された。一方、種結晶のc軸方向幅を越えた部分の
結晶(図3のSiC単結晶8の斜線部分)には六角形状
エッチピットおよび貝殻状エッチピットを含めてエッチ
ピットは全く観測されなかった。このことは後者の部分
には、転位が存在しないことを示すものである。種結晶
基板として{0001}面成長インゴットから取出した
6H形の{11
結晶を成長させ、同様の評価を行なったところ、同様の
結果が得られた。
出した、{0001}
/cm、雰囲気圧力を20Torrとして成長を行っ
た。成長速度は基板面に垂直方向に約1mm/hであっ
た。結晶多形の同定を行なった結果、全体が6H形とな
っていた。得られた成長インゴットから{0001}面
から5°オフしたウェハを取出し、アルカリ溶融エッチ
ングにより結晶性の評価を行なったところ、成長インゴ
ットにおいて種結晶のc軸方向幅を越えない部分の結晶
(種結晶のc軸方向幅の端部を通り、種結晶の露出面に
対し80°で交差し、かつ種結晶のc軸に直交する2つ
の平行な面の間に位置する部分)には六角形状エッチピ
ットが全くなく貝殻状エッチピットのみがごく微量観測
された。一方、種結晶のc軸方向幅を越えた部分の結晶
(種結晶のc軸方向幅の端部を通り、種結晶の露出面に
対し80°で交差し、かつ種結晶のc軸に直交する2つ
の平行な面の外側に位置する部分)には六角形状エッチ
ピットおよび貝殻状エッチピットを含めてエッチピット
は全く観測されなかった。このことは後者の部分には、
転位が存在しないことを示すものである。
における種結晶のc軸
/cm、雰囲気圧力を10Torrとして成長を行っ
た。成長速度は基板面に垂直方向に約1mm/hであっ
た。結晶多形の同定を行なった結果、全体が6H形とな
っていた。得られた成長インゴットから{0001}面
から5°オフしたウェハを取出し、アルカリ溶融エッチ
ングにより結晶性の評価を行なったところ、成長インゴ
ットにおいて種結晶のc軸方向幅を越えない部分の結晶
にはエッチピットは全く観測されなかった。また、種結
晶のc軸方向幅を越えた部分の結晶にもエッチピットは
全く観測されなかった。このことは得られた成長インゴ
ット全体に、転位が存在しないことを示すものである。
種結晶基板として実施例8で得られた成長インゴットに
おける種結晶のc軸方
なったところ、同様の結果が得られた。
構造の良質のSiC単結晶インゴットを大きい成長速度
で作製することができ、SiC単結晶を用いた青色発光
ダイオードあるいは紫色発光ダイオード、耐環境用デバ
イスなどの各種応用面に有用な種結晶と同じ多形構造を
有する高品質単結晶ウェハの供給を可能とする。
結晶成長装置の一例の構造を模式的に示す断面図、
いて特に、種結晶のc軸
部分が斜線で囲まれる部分として示されている。
種結晶取り付け部、5…種結晶、6…断熱フェルト、7
…光路、8…SiC単結晶、X…第1の仮想平面、
Y1 ,Y2 …第2の仮想平面。
Claims (9)
- 【請求項1】 黒鉛製の坩堝内においてSiC原料粉末
を不活性気体雰囲気中で加熱昇華させ、原料よりやや低
温になっている種結晶のSiC単結晶基板上にSiC単
結晶を成長させる昇華法において、種結晶として{00
01}面より約60°〜約120°の角度α1 だけずれ
た結晶面を露出させたSiC単結晶からなる種結晶を使
用することを特徴とするSiC単結晶の成長方法。 - 【請求項2】 前記角度α1 が約80°〜約100°で
ある請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 種結晶の露出面が{0001}面に垂直
なものである請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 【外1】
- 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
より得られるSiC単結晶。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
より得られるSiC単結晶を、前記種結晶のc軸方向幅
の端部を通り、種結晶の露出面に対し角度α1 で交差
し、かつ種結晶のc軸に直交する面に沿って切断して、
SiC単結晶における種結晶のc軸方向の幅を越えた部
分を得ることを特徴とするSiC単結晶の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の方法により得られるS
iC単結晶。 - 【請求項8】 黒鉛製の坩堝内においてSiC原料粉末
を不活性気体雰囲気中で加熱昇華させ、原料よりやや低
温になっている種結晶のSiC単結晶基板上にSiC単
結晶を成長させる昇華法において、種結晶として請求項
7に記載のSiC単結晶から切出された{0001}面
より約60°〜約120°の角度α1だけずれた結晶面
を露出させた基板を使用することを特徴とするSiC単
結晶の成長方法。 - 【請求項9】 請求項8に記載の方法により得られるS
iC単結晶。
Applications Claiming Priority (4)
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JP4-7684 | 1992-01-20 | ||
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