JP2802697B2 - スパン調の表面変化を有する布帛の製造方法 - Google Patents

スパン調の表面変化を有する布帛の製造方法

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JP2802697B2
JP2802697B2 JP4069797A JP6979792A JP2802697B2 JP 2802697 B2 JP2802697 B2 JP 2802697B2 JP 4069797 A JP4069797 A JP 4069797A JP 6979792 A JP6979792 A JP 6979792A JP 2802697 B2 JP2802697 B2 JP 2802697B2
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節雄 木原
淳子 前川
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパン調の染面を有す
る織物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な織物加工仕上げ方法にお
いては、熱セットを実施した後に、染色を施していた。
しかし、従来法では、いわゆる、ハリ、コシ、ボリュー
ム感に欠け、布帛自体が薄っぺらい感触を与えるという
欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に鑑みてなされたものであって、スパン調の表面
を有し、かつボリューム感の良好な布帛の製造方法を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意、研究を重ねた結果、フィブリル化型
複合繊維からなる布帛をフィブリル化し、続いて、熱セ
ットを施すことなしに、液流染色機を用いて130〜1
40℃にて染色を実施することを特徴とするスパン調の
表面を有する布帛の製造方法からなる本発明を完成し
た。
【0005】本発明の方法でいうフィブリル化型複合繊
維とは、織編立てた後にフィブリル化できる繊維をい
う。第一の例としては、ポリアミド及びポリエステル
が、単一フィラメントの横断面において一方の成分が他
方の成分を完全に包囲しない形状で、単一フィラメント
の長手方向に沿って接合されている複合繊維があげられ
る。第二の例は、難溶性のポリマーと易溶性のポリマー
から成る複合繊維であり、例えばポリアミドと易溶解性
ポリアミドの組み合わせ又はポリエステルと易溶解性ポ
リエステルの組み合わせである。これら二つの例は公知
である。尚、これらフィブリル化型複合繊維からなる布
帛には該繊維の交織による織物及び編物があげられる。
【0006】第一の例について述べれば、ポリアミドと
しては、例えばナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン
6,10、ポリメタキシレンアジバミド、ポリパラキシ
リレンデカンアミド、ポリビスシクロヘキシルメタンデ
カンアミド及びそれらを成分とするコポリアミド等があ
げられる。
【0007】また、ポリエステルとしては、例えばポリ
エチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタ
レート、ポリエチレンオキシベンゾエート、ポリ1,4
‐ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロ
ラクトン及びこれらを成分とするコポリエステル等があ
げられる。
【0008】また、該複合繊維からなる布帛においては
ポリアミド/ポリエステル両成分の比率は通常、0.0
5〜0.95の範囲である。
【0009】ここで、フィブリル化とは、フィブリル化
型複合繊維が各成分の接合部に分割され、一方の成分の
セグメント糸と他方の成分のセグメント糸からなるフィ
ブリルになることをいい、例えばポリアミドとポリエス
テルからなるフィブリル化型複合繊維からなる布帛を、
ポリアミド膨潤処理のためのポリアミドを膨潤せしめる
薬剤(以下、フィブリル化剤という。)により処理して
収縮緻密化させることにより行う。
【0010】フィブリル化剤としては、具体的には、ベ
ンジルアルコール、β‐フェニルエチルアルコール、フ
ェノール、m‐クレゾール、蟻酸、酢酸等があげられ
る。また、その水溶液又は水性エマルジョンとして用い
るのが適している。特に、以上の中でもベンジルアルコ
ールの水性エマルジョンを用いる方法が織物の収縮性や
フィブリル化効果の点で、また取扱いが比較的容易な点
で本発明の方法に最適である。
【0011】上記フィブリル化剤の水性エマルジョンを
作るには、フィブリル化剤に界面活性剤を添加して乳化
分散させればよく、該界面活性剤としては、ノニオン系
活性剤、カチオン系活性剤、アニオン系活性剤、両性活
性剤またはそれらの混合型等いずれでもよい。
【0012】フィブリル化剤の濃度は、十分な収縮とフ
ィブリル化効果を得るためには1.5重量%以上が好ま
しい。50重量%を越えると水性エマルジョンの場合は
不安定となり、後のフィブリル化剤の除去が非常に困難
になり、またポリアミド成分以外の成分に影響を与える
恐れがある。かかる観点から該濃度は3〜30重量%で
あるのが特に好ましい。
【0013】本発明の方法では、上記のようなフィブリ
ル化剤を含む処理液中に非処理物を浸漬放置するか、浸
漬後マングル等により絞液するのが好適である。
【0014】該処理液の温度は、5〜80℃、特に10
〜50℃が望ましく、浸漬絞液する場合、該布帛が保持
するフィブリル化剤の量は、1〜50重量%(対布帛重
量)が好ましい。
【0015】第二の例については、特公昭63−114
66号公報、特公昭63−20939号公報等に記載さ
れているが、具体的には、易溶性のポリマーとしてポリ
エチレンテレフタレートとポリエチレンオキシドグリコ
ールの共重合体、難溶性のポリマーとしてポリエチレン
テレフタレートの組み合わせ、あるいは易溶性のポリマ
ーとしてエチレン5−ソジュームスルホイソフタレート
を共重合したポリエチレンテレフタレート、難溶性のポ
リマーとしてポリエチレンテレフタレート又はポリアミ
ドの組み合わせ等があげられる。
【0016】該繊維のフィブリル化とは、易溶性のポリ
マーの一部又は全部が溶解して残存するセグメント糸か
らなるフィブリルになることをいう。具体的には、上記
のフィブリル化型複合繊維を水酸化ナトリウムのような
アルカリで処理して易溶解成分を溶解して分割すること
をいう。
【0017】尚、フィブリル化に使用される溶剤は溶解
する繊維種により異なるが、アルカリ、酸、有機溶剤等
が公知である。
【0018】フィブリル化後のフィブリル化型複合繊維
は、極細である必要があり、1.0デニール以下、好ま
しくは0.5デニール以下である。このように極細であ
るために本発明の目的とするスパン調のボリューム感あ
る染面を容易に得ることができる。
【0019】本発明の方法においては、かかるフィブリ
ル化型複合繊維からなる布帛をフィブリル化後、予め熱
セットを施すことなしに高温高圧の液流により染色す
る。このように熱セットを行わないことが、本発明を達
成するためには重要であり、これにより、糸の持つ収縮
のパワーを最大限に発揮させ、スパン調が強調され、ま
た布帛に良好なボリューム感が与えるられる。
【0020】染色には、一般に広く使用されている液流
染色機が用いられる。その条件は、温度130〜140
℃、圧力2〜3気圧、時間10分〜3時間である。液流
染色機のノズル部からの熱水のジェット噴射及びロープ
状での揉み効果により、フィブリルのループの方向が乱
れ、加工糸使いのようなスパン調のボリューム感あふれ
る布帛を得ることができる。
【0021】また、染色後の冷却は、ゆっくりと行うこ
とが好ましく、これにより、布帛に生ずる皺を防止する
ことができ、ボリュームアップの効果を拡大することが
できる。
【0022】また、染色後、該布帛に低温セットを施し
てもよい。該セット温度は100〜140℃、好ましく
は100〜120℃である。尚、該セット温度が140
℃を越えると、布帛のスパン調が消失し、また、上記染
色に分散染料を使用した場合には、分散染料が昇華散逸
するため適当ではない。
【0023】尚、本発明の方法で得られた布帛は、既述
したボリューム感の他、通常の防水加工後の耐水圧が1
000〜1200mmH2 O程度と高く、従来の方法で
製造した布帛の耐水圧(800mm/H2 O)と比較し
て著しく向上した。
【0024】以下、実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0025】
【実施例】経糸(ポリエチレンテレフタレートフィラメ
ント75デニール/フィラメント本数36/撚回数20
0)及び緯糸(ポリアミドとポリエステルからなるフィ
ブリル化型複合繊維50デニール/フィラメント本数2
5/3 撚回数110)を用いた綾織生機(密度;11
5×77)にベンジルアルコール18%のエマルジョン
(乳化剤:日華化学サンモールBK20Conc.1.
8%使用)をピックアップ50%でパッドした後、巻き
取って10分間空回転させながら放置する。
【0026】このようにしてフィブリル化を完了してか
ら、ベンジルアルコールを除去するために湯洗(温度9
0℃)を行った。
【0027】続いて、液流染色機を用い以下の染色処方
にて温度130℃(圧力2.8kg/cm2 )、浴比
1:10で60分間染色を行った。
【0028】 <染色処方> カヤロンポリエステルイエロー4GE(分散染料): 3重量%(対布帛重量) カヤロンポリエステル NブルーTKSF(分散染料): 0.1重量%(対布帛重量) ニッカサンソルトRM300(非イオン、アニオン活性剤):1cc/l リンカット(無リン系有機酸): 0.2cc/l 結果として、スパン調の表面変化を有し、かつボリュー
ム感がある布帛が製造された。
【0029】次いで、該布帛に、以下の処方の液をピッ
クアップ50%でパッドした後、温度120℃で2分間
乾燥を行い防水加工を施した。
【0030】 <防水処方> アサヒガード LS−317(フッ素系撥水剤): 4% スミテックスレジン M−3(メラミン樹脂):0.3% アクセレレーター ACX(有機アミン塩): 0.3% その結果、防水加工された布帛の耐水圧は1200mm
2 Oであった。一方、フィブリル化後に熱セットを行
い液流染色による染色を施して製造した布帛の耐水圧は
800mmH2 Oである。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明の方法を使用するこ
とにより、スパン調のボリューム感ある布帛を得ること
ができると共に、防水加工後の布帛の耐水圧を増すこと
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 8/14 D01F 8/14 C D03D 15/00 D03D 15/00 C D06M 13/144 D06M 13/144 9/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィブリル化型複合繊維からなる布帛を
    フィブリル化し、続いて、熱セットを施すことなしに、
    液流染色機を用いて130〜140℃にて染色を実施す
    ることを特徴とするスパン調の表面を有する布帛の製造
    方法。
JP4069797A 1992-02-19 1992-02-19 スパン調の表面変化を有する布帛の製造方法 Expired - Lifetime JP2802697B2 (ja)

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