JP2600663B2 - 難燃性繊維複合体 - Google Patents

難燃性繊維複合体

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は優れた難燃性を有するポリエステル系繊維と
天然セルロース系繊維とからなる繊維複合体に関するも
のである。
[従来技術] ポリエステル系繊維とセルロース系繊維からなる繊維
複合体は通常ポリエステルと綿またはポリエステルとレ
ーヨンからなる布帛として衣料、寝装およびインテリア
材料に広く用いられている。しかし、防炎規制に合格し
なければ適用できない用途においては、ポリエステル系
繊維あるいはセルロース系繊維からなる難燃化された単
独素材の布帛が専ら用いられており、ポリエステル系繊
維とセルロース系繊維の繊維複合体は難燃性が合格レベ
ルに達する難燃性付与技術がないため、ほとんど使用さ
れていない。特にポリエステル系繊維と天然セルロース
系繊維の複合体はその布帛としての特徴が好ましいの
で、その特性を低下させずに難燃性を付与できる技術開
発が強く要望されている。
従来、ポリエステル系繊維とセルロース系繊維の繊維
複合体はそれぞれ、単独の燃焼性から予想されるよりは
るかに燃えやすく、この傾向はそれぞれの素材に対して
難燃性を付与した場合において、より顕著であることが
知られている。例えば単独では優れた難燃性を示す難燃
性付与化合物をブレンド又は共重合した改質ポリエステ
ルをセルロース系繊維と混合して複合体を形成した後、
セルロース系繊維に対し十分な難燃性を付与し得る後加
工難燃剤で処理した場合でも極めて不満足な難燃性レベ
ルのものしか得られない。これは、従来ポリエステル系
繊維の難燃化技術として採用されているものは、燃焼時
の溶融ドリップを促進させることにより難燃化するもの
で、炭化型難燃性を付与したセルロース系繊維と組み合
せると、互いの難燃性能が打ち消され、それぞれ単独の
場合より燃焼しやすくなると考えられるためである。
(いわゆるSCAFFOLDING効果といわれる) ポリエステル系繊維単独の場合の難燃化の関する従来
技術としては、ポリマ製造時に難燃性付与物質を配合し
て共重合またはブレンドさせる方法(特公昭55−41610
号公報、特公昭52−8889号公報)あるいは繊維形成後、
後加工によって難燃性を付与する方法(特公昭53−4459
9号公報)、さらには防糸時に酸化アンチモンをブレン
ドし、繊維状物を形成してから後加工難燃剤で処理する
方法(特開昭50−43221号公報、特開昭50−94226号公
報)が知られている。
一方、セルロース系繊維の難燃化技術としては、種々
の方法が提案されているが中でも効果の大きい方法とし
て、テトラキス(ハイドロキシメチル)ホスホニウム塩
処理(Text.World 116(3)98〜102(1966)やビニル
ホスホネートをN−メチロールアクリルアミドと繊維状
で反応させる方法(USP3,695,952)が知られている。
しかし、ポリエステル系繊維とセルロース系繊維の複
合体の難燃化に関しては、大部分がセルロース系繊維の
難燃化技術を単に適用した試みであり、実用的には成功
例がない。
例えば前述のテトラキス(ハイドロキシメチル)ホス
ホニウム塩をポリエステル系繊維とセルロース系繊維の
繊維複合体に適用することは、繊維学会誌,35(3),T
−131〜T−138(1979)に紹介されており、ビニルホス
ホネート化合物と臭素化ビフェニールAとの併用が特公
昭55−502号公報等に延べられている。これらの方法で
は、いずれも十分な難燃性レベルを付与するには多量の
難燃剤を付着させねばならず、風合、耐候性等の布帛と
しての特性が悪化し、特殊用途以外には使用できない状
況にある。
また、ポリエステル系繊維の製造時にハロゲンあるい
はリン系の難燃性付与物質を配合した繊維を用いてセル
ロース系繊維との複合体とし、その後、後加工処理でさ
らに難燃剤を付与する方法が特公昭52−18320号公報や
繊維学会誌34(12),T−569〜T−576(1978)に紹介さ
れている。しかし、ハロゲン化合物をポリエステルに配
合した場合は耐光性の低下があり、リン化合物の少量配
合では後加工で多量の難燃剤を付与しなければならない
等、これらの方法でもなお繊維性と風合い、耐光性を満
足するポリエステル/セルロース系繊維複合体を得る事
が出来ない状況にある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、優れ
た難燃性を有し、かつ風合い、耐光性等の品質が良好な
ポリエステル系繊維と天然セルロース系繊維から成る繊
維複合体を提供するにある。
[問題点を解決するための手段] 前記本発明の目的はポリエステル系繊維と、木綿およ
び/又は麻からなる天然セルロース系繊維とから構成さ
れる繊維複合体において、該ポリエステル系繊維が2官
能性リン化合物をリン元素量として0.8〜3.0重量%共重
合せしめた含リンポリエステル系繊維であり、かつ180
℃乾熱収縮率が20%以下であるポリエステル系繊維であ
ることを特徴とする難燃性繊維複合体によって達成でき
る。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、ポリエステル系繊維と天然セルロース系繊
維の複合体においてポリエステル系繊維として2官能性
リン化合物を特定量共重合せしめた含リンポリエステル
系繊維を用いる点に特徴がある。
本発明でいうポリエステル系繊維とはポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート等の芳香族ポリエステルの繊
維であり、またその酸成分の一部またはそのグリコール
成分の一部が他のジカルボン酸成分、例えばイソフタル
酸、5−ナトリウムルスルホイソフタル酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸成分
等、あるいは他のグリコール成分、例えばジエチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ヒスフェノール
A成分等で置き換えた共重合ポリエステル繊維であって
も良い。該ポリエステル繊維は2官能性リ化合物を共重
合することにより、リン元素量を0.8〜3.0重量%含有さ
せる必要があり、特に好ましくは1.0〜2.0重量%であ
る。0.8重量%未満の場合、得られる繊維複合体の難燃
性能が不十分であり、難燃後加工を施して所望の難燃性
を付与し得たとしても後加工難燃剤の付着量が多く実質
的な風合のものが得られない。
また、ポリエステル繊維のリン元素量が上記範囲より
大きい場合、ポリエステル繊維の物理的特性が著しく低
下するばかりでなく、共重合ポリエステルを製造する際
の生産性が低下するので好ましくない。
本発明で使用する2官能性リン化合物とは、エステル
形成性官能基を2個有するリン化合物であり、式(I)
で示されるホスホネート、式(II)で示されるホスフィ
ネートあるいは式(III)で示されるホスフィンオキシ
ドが挙げられる。
(式中R1、R5はそれぞれ同じか又は異なる基であって、
炭素数が1〜18の炭化水素基を表わし、R2、R3はそれぞ
れ同じか又は異なる基であつて炭素数が1〜18の炭化水
素基又は水素原子を表わし、A1は2価の有機残基、A2
3価の有機残基を表わし、はR4はカルボキシル基又はそ
のエステルを表わし、R6はカルボキシル基又はそのエス
テル、あるいは互いに−CO−O−CO−で示される基を介
してA2と環を形成する2価のエステル形成性官能基を表
わす。) 式(I)で示されるリン化合物の好ましい具体例とし
ては、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニホスホン酸
ジフェニルなどが挙げられる。式(II)のリン化合物の
好ましい具体例としては、(2−カルボキシエチル)メ
チルホスフィン酸、(2−メトキシカルボニルエチル)
メチルホスフィン酸メチル、(2−カルボキシエチル)
フェニルホスフィン酸、(2−メトキシカルボニルエチ
ル)フェニルホスフィン酸メチル、(4−メトキシカル
ボニルフェニル)フェニルホスフィン酸メチル、(2−
(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)メチル)メチル
ホスフィン酸のエチレングリコールエステルなどが挙げ
られる。式(III)のリン化合物の好ましい具体例とし
ては、(1,2−ジカルボキシエチル)ジメチルホスフィ
ンオキシド、(2,3−ジカルボキシプロピル)ジメチル
ホスフィンオキシド、(1,2−ジメトキシカルボニルエ
チル)ジメチルホスフィンオキシド、(2,3−ジメトキ
シカルボニルエチル)ジメチルホスフィンオキシド、
(1,2−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチ
ル)ジメチルホスフィンオキシド、(2,3−ジ(β−ヒ
ドロキシエトキシカルボニル)エチル)ジメチルホスフ
ィンオキシドなどが挙げられる。
これらの化合物の中で特に式(II)の化合物が、ポリ
エステルとの共重合反応性が良いこと及び重縮合反応時
の飛散が少ないことなどから好ましい。
上記リン化合物の添加方法は特に制約はないが、予め
エチレングリコールと混合したり、あるいはエチレング
リコールを反応させてから添加しても良い。添加時期は
エステル交換反応あるいはエステル交換反応前から重合
反応終了までの任意の段階で良いが、操作性が良いこ
と、副反応が少ないことから重合反応前が好ましい。
本発明の第2の特徴は、リン元素量が0.8〜3.0重量%
となるように2官能性リン化合物を共重合せしめたポリ
エステル繊維の180℃乾熱収縮率が20%以下であること
である。
乾熱収縮率が20%より大きいと高次工程上種々問題が
発生し、特にポリエステル系繊維と天然セルロース系繊
維とから成る繊維複合体の染色仕上げ工程時の熱処理に
よって布帛の風合いが硬くなり好ましくない。布帛の風
合いが特に重要な用途に対する乾熱収縮率は15%以下が
より好ましい。リン元素量が0.8〜3.0重量%となるよう
リン化合物を共重合せしめたポリエステルを用いて乾熱
収縮率20%以下の繊維とするための紡糸方法は特に限定
されるものではなく、繊維断面は円形でも非円形でもか
まわないし、紡糸速度は一般的に用いられる700〜2000m
/minあるいはPOY領域といわれる2000〜4000m/minでもよ
い。ポリエステル未延伸糸の延伸はスーパードローを発
生しない範囲で高温の方が好ましい。液浴延伸の場合60
〜85℃が適当である。
延伸後に行なわれる熱処理はポリエステル繊維の収縮
率を低くすると同時にヤング率をできるだけ高くするた
めに重要であり生産性の面から好ましい一つの方法とし
て、熱処理温度T1は TmS−55≦T1(℃)≦TmS−5 ここでTmSとはParkin Elmer社製DSC−4を使用し無配
向ポリマを昇温速度16℃/分で昇温した時融解ピークが
出現しはじめる温度である。
の式の範囲である事が好ましく、T1がTmS−5(℃)よ
り低くなるとポリエステル繊維の収縮率が十分に低下し
ない。またTmS−55(℃)よりも高くなると繊維が部分
的に軟化し始めるために繊維間融着を発生するので好ま
しくない。熱処理に続けて繊維に機械捲縮を付与し捲縮
を付与された繊維を弛緩熱処理する事はさらに低収縮化
するので好ましい。弛緩熱処理温度T2は TmS−105≦T2(℃)<TmS−55 の範囲であることが望ましく、T2がTmS−105(℃)より
低いとこの熱処理による収縮率の低下が十分ではなく、
一方、TmS−55(℃)よりも高いと収縮率は低下するも
のの繊維物性の低下、とりわけ強度低下、ヤング率の低
下および捲縮の低下が大きくなるので好ましくない。
本発明でいう天然セルロース系繊維とは木綿、麻など
の繊維およびこれらを2種以上混合したものでもよい。
また、本発明でいうポリエステル系繊維と天然セルロー
ス系繊維の繊維複合体とは前記ポリエステル系繊維と前
記天然セルロース系繊維とを混紡、交撚、交編などによ
り混合し、あるいはポリエステル系繊維が長繊維の場合
には天然セルロース系繊維を合撚するなどして製造され
る繊維複合体である。
該繊維複合体におけるポリエステル系繊維の混合比率
は特に限定されないが、通常20〜80%である。
本発明の繊維複合体には後加工でリン化合物を付与せ
しめ、全リン元素量を1.5%以上とするのが好ましい。
繊維複合体の全リン元素量が1.5重量%未満では高度な
難燃性が要求される用途への展開が難しい。
後加工で付与するリン元素量の種類は特に限定はなく
公知のリン含有難燃剤が使用できる。
耐久性が優れたリン化合物としては、ビニル基又はエ
ポキシ基を含有するのが好ましく、しかも窒素含有化合
物との併用が好ましい。
リン化合物の後加工付与剤の好ましい具体例として
は、テトラキス・ヒドロキシメチルホスホニウムクロリ
ド/トリメチロールメラミン/尿素系のキュアリング、
ビニルホスホネートのオリゴマ/N−メチロールアクリル
アミド、N−メチトロールジメチルホスホノ・プロピオ
ン酸アミドによる処理などが挙げられる。リン化合物と
難燃性において相乗効果を示すハロゲン化合物を後加工
で付与することも好ましいが、この場合はハロゲン化合
物の付与量の増大にともなって、耐光性が低下するので
ハロゲン元素量としては7重量%以下の少量を配合する
ことが好ましい。
リン化合物を繊維複合体に付与する方法は特に限定さ
れないが、高温浴中での吸尽処理、含浸後湿熱処理、含
浸後乾熱処理などの方法がある。
なお、本発明においてポリエステル系繊維と天然セル
ロース系繊維からなる複合体には従来公知の添加剤、後
加工剤が添加あるいは付着されていてもよい。例えばポ
リエステル系繊維に通常用いられている顔料、結晶化促
進剤、安定化剤、可塑剤、制電剤が配合されていても良
く、またポリエステル系繊維、天然セルロース系繊維あ
るいはポリエステル系繊維/天然セルロース系繊維の複
合体に通常使用されている親水性付与剤、撥水性付与
剤、制電性付与剤等の後加工剤で処理されていてもよ
い。
[実施例] 以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
なお、実施例中の部は重量部であり、ポリマのIVはオ
ルソクロロフェノール溶液の25℃で求めた。また、布帛
の難燃性の評価はJIS−L−1091に準じて垂直法(A−
4法)で評価した。
乾熱収縮率の測定は、次の方法で行なった。単糸に1
デニール当り0.4gの荷重を掛け試料長さl0を測定した
後、180℃の熱風恒温槽中で20分間処理する。放冷後1
デニール当り0.4gの荷重を再び掛けて試料長l1を測定
し、次式で算出する。
乾熱収縮率(%)=l0−l1/l0×100 風合い評価は通常のポリエチレンテレフタレート繊維
と綿糸とを用いて実施例のポリエステルと同様に作製し
た編地の未後加工布と比較して硬さの程度を指の感触に
よって次に示した2段階で評価した。
良好………未加工布と同様。
不良………未加工布に比べ硬さが感じられる。
耐光性の評価はJIS−L−0842に準じてA−1法で光
退色させた時のブルースケール基準の堅ろう度で評価し
た。
実施例及び比較実施例 (A) ポリエステル系繊維の製法 テレフタル酸とエチレングリコールにより直接エステ
ル化法で得たビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレー
トおよびその低重合体100部に所定量のリン化合物およ
び、0.03部の三酸化アンチモンを加え、さらに必要に応
じて所定量の二酸化チタンを加え、250℃より、30分間
で285℃に昇温し、同時に反応系を常圧から30分間で0.5
mmHgに減じ、その後所定のIVに到達する迄この高温およ
び減圧度を維持し、反応を行なった。
なお実施例実験No.4、比較実施例実験No.5については
フェニルホスホン酸ジフェニルを反応系の真空度が0.5m
mHgに到達して30分経過後に添加した。得られたポリマ
を常法に従って第1表に示した条件下で紡糸温度285℃
で紡糸し、液浴延伸、熱ドラム上定長熱処理(温度は第
1表T1)を行って50万dの延伸糸を得た。その後捲縮付
与し弛緩熱処理(温度は第1表T2)を行なった後38mm長
にカットし短繊維を得た。
単繊維の乾熱収縮率を第1表に示した。
(B) 難燃性繊維複合体の製造 前記(A)項で得たポリエステル系繊維の紡績糸と綿
糸(40番双糸)とを合撚し、ポリエステル系繊維と綿糸
との混合比率が50/50の撚糸を得、これを用いて180〜20
0g/m2の目付の筒編地を作成した。
編地は、常法に従って糊抜き、精練し、ポリエステル
成分の染色を分散染料(RESORIN BLUE FBL)20g/濃度
の水分散液を含浸させ乾燥後180℃で60秒間キュアリン
グして行なった。洗浄、乾燥後綿成分の染色を反応染料
(DIAMIIRA BRILL BLUE RN−100)1%owfにて60℃で60
分間行なった。つづいて洗浄、乾燥をした。この編地の
難燃性および風合いの評価結果を第1表に示した。
(C) 難燃後加工処理 難燃後加工処理は、所定のリン含有難燃剤を前記
(B)項で得た染色後の編地に含浸させ、103℃で5分
間湿熱処理後、水洗乾燥し、さらに180℃で60秒間熱セ
ットする方法で行なった。
なお比較実施例実験No.2−2についてはヘキサブロモ
シクロドデカン40wt%分散液を含浸させ乾燥処理後180
℃で60秒間キュアリングした後、洗浄、乾燥した。後加
工処理布の難燃性、風合い、耐光性の評価結果を第2表
に示す。
本発明で規定されるリン元素量を含有し、乾熱収縮率
が低いポリエステル系繊維を用いた布帛は良好な難燃性
を示し、風合いも優れるている。
比較実施例の実験No.6の3官能性リン化合物を用いた
場合、ゲル化のため正常なポリマが得られなかった。
比較実施例の実験No.7では添加リン量が多いため、重
合反応時間が長くまた複合体の風合いが不良であった。
実施例の実験No.1、No.2、No.5に難燃後加工を施した
場合、第2表に示すようにポリエステル系繊維のリン含
有量が高く、リン系後加工剤を付与した場合、難燃性能
はいずれも向上している。
ポリエステル系繊維のリン含有量が低い比較実施例の
実験No.5−1、5−2に関し、難燃後加工付与量が少な
い場合には難燃性能が不充分であり、付与量を多くする
と風合いが不良となる。
また、難燃後加工剤としてハロゲン化合物系のものを
用いると難燃性能の向上はある程度見られるが、耐光性
が低下するので多量配向は好ましくない。
[発明の効果] 本発明によれば、従来実用的には不可能であったポリ
エステル系繊維と天然セルロース系繊維との繊維複合体
の難燃化と、良好な風合を保つこととを両立させること
ができたものであり、特に、耐熱性に優れた高度の難燃
性を付与するためにポリエステル系繊維には2官能性リ
ン化合物を本願発明のように多量に共重合する必要があ
るが、リン化合物を多量に共重合するとポリエステルの
結晶化が低下し、極めて高い収縮特性を示すために、編
織物とした際に、風合が極めて粗硬となり、実用には耐
えないものとなるのを、実用衣料にも適用できるように
するために、共重合によって低下した融点を考慮した特
殊な熱処理を施すことによって、収縮特性を通常収縮特
性にまで低下させることができたものであり、これによ
り初めて高度の耐熱性に優れた難燃性と、編織物の良好
な風合をもたせることを両立させることができたもので
ある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系繊維と、木綿および/又は
    麻からなる天然セルロース系繊維とから構成される繊維
    複合体において、該ポリエステル系繊維が2官能性リン
    化合物をリン元素量として0.8〜3.0重量%共重合せしめ
    た含リンポリエステル系繊維であり、かつ180℃乾燥収
    縮率が20%以下であるポリエステル系繊維であることを
    特徴とする難燃性繊維複合体。
  2. 【請求項2】ポリエステル系繊維と、木綿および/又は
    麻からなる天然セルロース系繊維とから構成される繊維
    複合体が全リン元素量として1.5重量%以上となるよう
    にリン化合物を付与したことを特徴とする特許請求の範
    囲第(1)項記載の燃性繊維複合体。
  3. 【請求項3】共重合に使用する2官能性リン化合物が次
    式で示されるホスフィネートである特許請求の範囲第
    (1)項または第(2)項記載の燃性繊維複合体。 式中R1は炭素数が1〜18の炭化水素基、R2は炭素数が1
    〜18の炭化水素基、又は水素原糸、 A1は2価の有機残基、R4はカルボキシル基又はそのエス
    テルを表わす。
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