JP2798684B2 - 炭化珪素粉末の精製方法 - Google Patents

炭化珪素粉末の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は炭化珪素粉末の精製方法に関する。
〔従来の技術〕 近年、半導体製造用拡散炉におけるライナーチューブ
の構成材料として、強度及び熱伝導性に優れた炭化珪素
焼結体が利用されている。又、炭化珪素焼結内に鉄,カ
ルシュウム及びクロム等の不純物が残存していると、そ
の不純物濃度に相応して、半導体ウエハ内へ不純物が拡
散してウエハが汚染されるため、高純度のものが要求さ
れる。そこで、高い純度が要求される焼結体を製造する
場合には、高純度の炭化珪素粉末を使用する必要があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、SiH4,SiCl4及びCH3SiCl3等を出発原料とし
て、気相反応法によって製造された炭化珪素粉末は高純
度であるものの、高価であるという問題があり、安価な
炭化珪素粉末には多量の金属不純物が含まれていて、そ
れを除去するには、オートクレーブ等を使用して、高温
高圧下で強酸によって処理した後、洗浄処理を行う必要
が生じ、高価な設備が必要となる。
この発明は上記の事情を考慮してなされたものであっ
て、その目的は多くの不純物が残存する安価な炭化珪素
粉末から大半の不純物を除去してその濃度を大幅に低減
させることができ、極めて簡単かつ安価に高純度化する
ことが可能な炭化珪素粉末の精製方法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記の目的を達成するために、この発明では、予め粉
砕して平均粒径100μm以下とした炭化珪素粉末を非酸
化性雰囲気下1500℃以上かつ2200℃未満の温度で1時間
以上加熱することにより再結晶化し、その後、炭化珪素
粉末に残存する不純物を酸洗浄によって除去するように
している。
原料が粉砕されていないと、炭化珪素粉末粒子内に閉
じ込められた不純物の割合が多くなるからである。加熱
温度は2200℃以上であると、粉末の粒成長が生じ、成
形,焼結が困難になるからである。又、加熱温度が1500
℃未満であると、炭化珪素粉末の再結晶が進行せず、不
純物が粉末表面まで移動しにくいからである。更に、加
熱時間が1時間未満であると加熱温度が上記の範囲内で
あっても、炭化珪素粉末の再結晶が十分に進行せず、不
純物が粉末表面まで移動しにくいからである。又、炭化
珪素粉末の平均粒径は10μm以下であれば、より一層好
ましい。非酸化性雰囲気は、N2,Ar,He,CO,真空等の一つ
又は二つ以上の組み合わせからなる。
そして、前記の加熱処理によれば、鉄,カルシュウム
及びクロム等のシリコン以外の金属不純物が炭化珪素粉
末内部における結晶間から表面へ向って移動する。そこ
で、前記不純物を溶解する無機酸を使用して粉末の洗浄
を行えば、精製された高純度の炭化珪素粉末が得られ
る。
次に、この発明について詳細に説明する。
市販の安価な炭化珪素粉末はインゴットから粉砕され
た後、粉砕時に混入した不純物が酸洗浄によって除去さ
れたものである。しかしながら、この炭化珪素粉末は
鉄,カルシュウム及びクロム等の不純物を数10ppmから
数100ppmオーダーで含んでいる。その炭化珪素粉末を再
結晶化するために常圧で加熱する場合、加熱温度は1500
℃以上かつ2000℃未満の範囲で、加熱時間は1時間以上
に設定される。前記加熱温度が1500℃未満であったり、
前記加熱時間が1時間未満であると、炭化珪素粉末の再
結晶化が進行せず、不純物原子が炭化珪素粉末内部の結
晶格子内に閉じ込められたままになって、酸洗浄では除
去できなくなる。又、加熱温度が2200℃以上であると、
炭化珪素粉末の比表面積が大幅に減少し、又、炭化珪素
の早華が激しく進む。よって、上記の温度範囲が望まし
い。
洗浄用の酸としては、塩酸,硝酸及び弗酸を単独で使
用でき、かつ各々の酸を1対1の体積割合で混合した3
種類の混酸(HCl+NHO3,HF+HNO3,HCl+HF)も使用でき
る。特に、塩酸及び硝酸を含む混酸を使用することが望
ましい。その理由は塩酸が安価であり、しかも塩酸に対
する不純物の溶解度が高いためである。
そして、酸洗浄に際しては、加熱済みの粉末に酸が添
加されて混濁液が調整され、その混濁液が所定時間放置
される。この混濁液は50〜80℃の温度に加熱されると、
より好ましい。この放置時に、各種不純物が酸溶液中に
溶解する。次に、前記混濁液中の炭化珪素粉末がフィル
ターによって濾別され、洗浄された後に乾燥されること
により、炭化珪素粉末の精製が終了する。精製された炭
化珪素粉末を焼結すれば、高純度かつ高強度で熱伝導性
に優れた焼結体が得られる。
次に、この発明の実施例及び比較例について説明す
る。出発原料としては、インゴットから粉砕され、粉砕
時に混入する不純物を酸洗浄によって除去されたα型及
びβ型の炭化珪素粉末(以下、α型粉末,β型粉末とそ
れぞれ略称する)が使用された。α型粉末としては粒径
の異なる3種類のもの(GC#400,GC#2000,GC#8000)
が用意され、それぞれ表1に示す物性を有すると共に、
鉄,カルシュウム及びクロムからなる多量の不純物を含
んでいた。又、β型粉末としては、珪砂をコークスで炭
化させることによって合成したものと、それを粉砕した
ものとが使用され、表1に示す物性を有すると共に、前
記α型粉末と同様の不純物を含んでいた。尚、各不純物
の濃度は発光分光分析によって測定したものである。
又、各実施例及び比較例においては、下記の手順で実
験を行った。即ち、内径50mmの黒鉛製ルツボに50gの各
種粉末試料を充填した。そして、この試料をタンマン炉
に挿入し、1200℃〜2000℃の範囲内の予め選択した所定
の温度で常圧加熱した。次に、加熱処理済みの各種粉末
試料に各種の酸溶液100ccを添加して撹拌混合し、得ら
れた混濁液を常温常圧で24時間放置した。次いで、前記
混濁液をメンブランフィルターにかけて固形分を濾別
し、濾液のpHが7になるまで蒸留水によって洗浄して乾
燥させた。
尚、黒鉛製ルツボは0.2ppmの鉄と痕跡量のカルシュウ
ム及びクロムを含むのみであった。又、各例において使
用した酸を表2に示す。
〔実施例1〜3〕 実施例1〜3では、予め選択された各粉末試料(表1
中のNo.3,No.5)をそれぞれタンマン炉内で常圧加熱し
た。次に、表2に示す各種の酸から選択した酸による洗
浄処理を施し、蒸留水による洗浄を行った後、乾燥させ
た。得られた粉末試料の不純物濃度を発光分光分析によ
って測定すると共に、加熱処理後の比表面積も測定し
た。その結果及び加熱条件を表3に示す。
尚、上記の表3において、「<」の記号は「以下」を
意味し、試料No.の欄のギリシャ文字は結晶型を示す。
評価欄には高純度化の度合を、◎,○△,×の4段階に
区分して示す。以下同様。
上記の実験結果によれば、平均粒径が1μm以下の炭
化珪素粉末を、1500℃以上の温度で1時間以上にわたっ
て常圧で加熱後、酸洗浄を行えば、炭化珪素粉末の結晶
構造とは無関係に、各不純物の濃度が初期濃度に比べて
その1/100〜10/100まで大幅に減少して、炭化珪素粉末
の高純度化が図られたことがわかる。
〔比較例,〕 β型炭化珪素粉末について表4に示す条件下で、比較
実験を行った。その結果を表4に合わせて示す。
この結果と前記実施例3の結果とを比較すると、β型
炭化珪素粉末については、1400℃で加熱した場合でも、
高純度化が困難であることがわかる。加熱しない場合、
不純物濃度の減少量は極めて少ない。
〔比較例〜〕 α型炭化珪素粉末に対し、加熱条件及び酸の種類に関
する有為性を確認するため、下記の比較実験を行った。
その結果を表5に示す。
上記の実験結果によれば、α型炭化珪素粉末を加熱す
ることなく酸洗浄のみを行った場合(比較例〜)、
その洗浄液に弗酸が含まれていると、不純物が初期濃度
の10/100前後までは少なくなるが、それ以下にまで減少
させることは困難である。又、α型炭化珪素粉末の加熱
温度が1300℃の時(比較例〜)、加熱時間を3時間
まで延長しても、不純物濃度は10/100程度まで減少させ
ることができるに過ぎない。加熱条件が1200℃,1時間の
場合(比較例)の場合も同様である。炭化珪素粉末を
1500℃で加熱した場合、粒径が8μm以上であると、不
純物濃度を10/100程度まで低下させることができる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、この発明によれば、多くの不純
物が残存する安価な炭化珪素粉末から大半の不純物を除
去してその濃度を大幅に低減させることができ、極めて
簡単かつ安価に高純度化することができるという優れた
効果を発揮する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 31/36 C04B 35/569

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め粉砕して平均粒径100μm以下とした
    炭化珪素粉末を非酸化性雰囲気下1500℃以上かつ2200℃
    未満の温度で1時間以上加熱することにより再結晶化
    し、その後、炭化珪素粉末に残存する不純物を酸洗浄に
    よって除去することを特徴とする炭化珪素粉末の精製方
    法。
  2. 【請求項2】前記不純物は鉄、カルシュウム及びクロム
    等のシリコン以外の金属を含み、酸はそれらを溶解する
    無機酸であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪
    素粉末の精製方法。
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