JPH0132165B2 - - Google Patents
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- JPH0132165B2 JPH0132165B2 JP4898584A JP4898584A JPH0132165B2 JP H0132165 B2 JPH0132165 B2 JP H0132165B2 JP 4898584 A JP4898584 A JP 4898584A JP 4898584 A JP4898584 A JP 4898584A JP H0132165 B2 JPH0132165 B2 JP H0132165B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、金属けい素の精製法、さらに詳しく
はシリコンウエハー、窒化けい素、及び炭化けい
素などのけい素系セラミツクス製造用に用いられ
る金属けい素の精製法に関する。 (従来技術) 金属けい素を用いたけい素系セラミツクス(以
下単にセラミツクスという)としては、金属けい
素をそのまま用いる反応焼結窒化けい素成形物、
金属けい素窒化法による窒化けい素粉を含む成形
物、金属けい素につき炭素を含む雰囲気下で加熱
して得た炭化けい素成形物などがあり、これらセ
ラミツクス成形物は、原料金属けい素中の不純物
の大部分が成形物中に残留するので、その成形物
の組成が不均一となつたり、また低融点物質が生
成したりする原因となり、成形物の強度低下や品
質のばらつきなどを生じる欠点があつた。 そこで高品質のセラミツクスを製造するには不
純物の少ない金属けい素が要望されている。 セラミツクス原料として使用される金属けい素
としては、例えば比較的安価ではあるがSi純度が
98重量%以上の、工業用金属けい素(JIS1号品)
がある。しかし、これはFe、Alがそれぞれ
1000ppm以上含有されたものであり、高品質のセ
ラミツクス用原料としてはそのまま使用できな
い。 このような市販の工業用金属けい素を精製する
方法としては例えば酸処理の如きが知られてい
る。 すなわち金属けい素の粉末を塩酸、硫酸、ふつ
酸などの鉱酸に浸漬したり、塩酸ガスなどと接触
させたりする方法であるが、単に酸処理するだけ
ではFe、Alなどの不純物は十分除去されず、高
品質のセラミツクス原料の精製には適当でない。 (発明の目的) 本発明は金属けい素を酸処理により精製するに
先立つてまず原料金属けい素を高温下に一たん融
液としてから再結晶させとくにその結晶粒の粒子
径を大きくする手順を加えることにより酸処理で
の精製をとくに効果的ならしめることを目的とす
る。 (発明の構成) 本発明は、従来の金属けい素の酸処理による精
製法の改良であつて、予め金属けい素をその融点
以上に加熱溶融してから再結晶させたとき、その
結晶粒の粒子径の大きさが酸処理でのFe及びAl
などの不純物除去の精製効率に著しい影響を与え
ることについての新規知見に基いて不純物の少な
い金属けい素の有利な精製法を提供するものであ
る。 すなわち、本発明はSi純度98重量%以上の金属
けい素をまず溶融再結晶し、 ついで酸処理により精製するにあたり、 溶融金属けい素の凝固点付近における冷却速度
の制御にて結晶粒の粒子径の大きさを5mm以上と
した凝固物を得ること、該凝固物を破砕したのち
ふつ酸又はふつ酸と塩酸との混酸により処理して
不純物を除去することの結合を特徴とする金属け
い素の精製法である。 以下さらに本発明を詳しく説明する。 本発明において原料とする金属けい素はSi純度
98重量%以上のものであれば、市販のJIS1号品な
どが有利に使用され、しかしJIS品にのみ限られ
るものではない。原料のSi純度が98重量%未満の
ように不純物の含有量が多いときは、再結晶、酸
処理を繰り返えし行う必要を生じてコストが高く
なる不利から除外される。Si純度98重量%以上の
金属けい素には通常Fe、Al、Ca及びMgなどの
不純物が含有されている。本発明によればこれら
の不純物中のFe及びAlの除去がとくに有利に行
われる。本発明において、原料金属けい素を好ま
しくは10mm以下の粒度に粗砕した後、これを黒鉛
又は石英製のるつぼに入れ、次いでこれを高周波
炉などの加熱炉によつて、金属けい素の融点1420
℃以上、好ましくは1450〜1600℃に加熱し均一に
溶解する。 この加熱温度は融点未満でも金属けい素の粒成
長や焼結挙動を生じはするが、金属けい素の結晶
粒内に固定されているFe及びAlなどの不純物を
結晶粒界に析出させて、その有利な除去を図るこ
とはできない。 なお金属けい素を1800℃以上に加熱すると金属
けい素のロスが多くなるので過度な高温にするこ
とが好ましくないのは明らかである。 次いで金属けい素の融液は冷却により再結晶さ
せるが結晶粒の大きさを5mm以上のものとするた
めには凝固点付近での冷却速度が重要である。 この冷却速度は容器の大きさ、充填量等によつ
て変るので一義的な特定は困難であるが、通常凝
固点付近の温度に少なくとも1時間以上保持すれ
ばよい。具体的にはたとえばインゴツトの大きさ
が120φ×300程度の大きさのものであれば、
1400℃前後の凝固温度に少なくとも、1時間程度
保持してその後全体を凝固させれば結晶粒の粒子
径の大きさが5mm以上のものが得られる。 上記以外の冷却条件たとえば融解した金属けい
素を別の表面積の広い容器に移して凝固する方法
では、得られる金属けい素の結晶粒の粒子径の大
きさが1〜2mm程度で非常に小さくなり好ましく
ない。つまり金属けい素融液中に一様に分布して
いたFe、Alが、強制冷却下で再結晶させられる
ため、Fe、Al不純物の粒界への拡散が遅く、結
果として不純物の結晶粒界への偏析割合(以下
kMで示す)が小さくなる。 この関係については実施例1について後述する
が金属けい素中に含まれるFe及びAlなどの不純
物の存在状態をエレクトロンマイクロプローブア
ナリーシス(EPMA)による走査型電子顕微鏡
(SEM)写真で示すと第1図に示すように金属け
い素中に含まれるFe及びAlは結晶粒内及び粒界
にいずれも存在する。結晶粒内と粒界との不純物
の割合は、その凝固点付近の冷却速度によつて左
右され結晶粒の大きいもの程、粒界にてFe及び
Alなどの不純物が多く存在するようになるので
酸処理の効果はより大となるわけである。 なお本発明において、金属けい素の結晶粒の大
きさと云うのは金属けい素塊を研削、研磨した
後、ふつ酸と水とを重量比で等量の水溶液にて1
分間エツチング処理して結晶粒を鮮明にし
EPMAにより面分析した写真において(長径+
短径)/2の値を意味するものとし、また粒界と
は結晶粒と結晶粒との間の結晶粒を形成していな
い部分を指すものとする。 以上のようにSi純度98重量%以上の金属けい素
を再溶解してから再結晶させこのとき結晶粒の大
きさ5mm以上としこれを粉砕して粒度1mm以下好
ましくは100μm以下の粉末とし、そして鉱酸で処
理し、洗浄乾燥するのである。 酸処理する鉱酸の具体例としてはふつ酸、又は
ふつ酸と塩酸との混酸があげられる。 (実施例) 市販品金属けい素として純度98%の工業用
SiJIS1号品をまず10mm以下の粒度に調整し、その
8Kgを秤取して寸法直径130mm長さ300mmの黒鉛る
つぼ(東海カーボン(株)製)に入れ、高周波誘導電
気炉(富士電波(株)製)にて常圧下1600℃の温度で
1時間加熱溶融し、次に第1表に示す3種の再結
晶法にて、再結晶金属けい素インゴツトを得た。 次いで、黒鉛るつぼから再結晶金属けい素イン
ゴツトを取り出し、そのインゴツトの下部及び周
辺部を削りとり、中間精製金属けい素7Kgを得
た。 この金属けい素の結晶粒の大きさFe、Alの不
純物濃度を調べ、その結果を第1表に、また実施
例1で得た再結晶粒の構造をEPMAによるSEM
写真面分析の写真を第1図に示す。 次いで、上記中間精製金属けい素をジヨークラ
ツシヤーで粗砕し、1mm以下の大きさに調整した
もの5Kgについて、第1表に示す酸処理条件で処
理した。その後、濾過機で濾過し、そのケークを
真空乾燥器(東洋製作所(株)商品名「VACUM
DRYING OVEN」)に入れ、−700mmHg100℃で
一昼夜乾燥し、製品金属けい素を得た。その不純
物成分の測定結果及びこれに基づいて算出した偏
析割合kMを第1表に示した。
はシリコンウエハー、窒化けい素、及び炭化けい
素などのけい素系セラミツクス製造用に用いられ
る金属けい素の精製法に関する。 (従来技術) 金属けい素を用いたけい素系セラミツクス(以
下単にセラミツクスという)としては、金属けい
素をそのまま用いる反応焼結窒化けい素成形物、
金属けい素窒化法による窒化けい素粉を含む成形
物、金属けい素につき炭素を含む雰囲気下で加熱
して得た炭化けい素成形物などがあり、これらセ
ラミツクス成形物は、原料金属けい素中の不純物
の大部分が成形物中に残留するので、その成形物
の組成が不均一となつたり、また低融点物質が生
成したりする原因となり、成形物の強度低下や品
質のばらつきなどを生じる欠点があつた。 そこで高品質のセラミツクスを製造するには不
純物の少ない金属けい素が要望されている。 セラミツクス原料として使用される金属けい素
としては、例えば比較的安価ではあるがSi純度が
98重量%以上の、工業用金属けい素(JIS1号品)
がある。しかし、これはFe、Alがそれぞれ
1000ppm以上含有されたものであり、高品質のセ
ラミツクス用原料としてはそのまま使用できな
い。 このような市販の工業用金属けい素を精製する
方法としては例えば酸処理の如きが知られてい
る。 すなわち金属けい素の粉末を塩酸、硫酸、ふつ
酸などの鉱酸に浸漬したり、塩酸ガスなどと接触
させたりする方法であるが、単に酸処理するだけ
ではFe、Alなどの不純物は十分除去されず、高
品質のセラミツクス原料の精製には適当でない。 (発明の目的) 本発明は金属けい素を酸処理により精製するに
先立つてまず原料金属けい素を高温下に一たん融
液としてから再結晶させとくにその結晶粒の粒子
径を大きくする手順を加えることにより酸処理で
の精製をとくに効果的ならしめることを目的とす
る。 (発明の構成) 本発明は、従来の金属けい素の酸処理による精
製法の改良であつて、予め金属けい素をその融点
以上に加熱溶融してから再結晶させたとき、その
結晶粒の粒子径の大きさが酸処理でのFe及びAl
などの不純物除去の精製効率に著しい影響を与え
ることについての新規知見に基いて不純物の少な
い金属けい素の有利な精製法を提供するものであ
る。 すなわち、本発明はSi純度98重量%以上の金属
けい素をまず溶融再結晶し、 ついで酸処理により精製するにあたり、 溶融金属けい素の凝固点付近における冷却速度
の制御にて結晶粒の粒子径の大きさを5mm以上と
した凝固物を得ること、該凝固物を破砕したのち
ふつ酸又はふつ酸と塩酸との混酸により処理して
不純物を除去することの結合を特徴とする金属け
い素の精製法である。 以下さらに本発明を詳しく説明する。 本発明において原料とする金属けい素はSi純度
98重量%以上のものであれば、市販のJIS1号品な
どが有利に使用され、しかしJIS品にのみ限られ
るものではない。原料のSi純度が98重量%未満の
ように不純物の含有量が多いときは、再結晶、酸
処理を繰り返えし行う必要を生じてコストが高く
なる不利から除外される。Si純度98重量%以上の
金属けい素には通常Fe、Al、Ca及びMgなどの
不純物が含有されている。本発明によればこれら
の不純物中のFe及びAlの除去がとくに有利に行
われる。本発明において、原料金属けい素を好ま
しくは10mm以下の粒度に粗砕した後、これを黒鉛
又は石英製のるつぼに入れ、次いでこれを高周波
炉などの加熱炉によつて、金属けい素の融点1420
℃以上、好ましくは1450〜1600℃に加熱し均一に
溶解する。 この加熱温度は融点未満でも金属けい素の粒成
長や焼結挙動を生じはするが、金属けい素の結晶
粒内に固定されているFe及びAlなどの不純物を
結晶粒界に析出させて、その有利な除去を図るこ
とはできない。 なお金属けい素を1800℃以上に加熱すると金属
けい素のロスが多くなるので過度な高温にするこ
とが好ましくないのは明らかである。 次いで金属けい素の融液は冷却により再結晶さ
せるが結晶粒の大きさを5mm以上のものとするた
めには凝固点付近での冷却速度が重要である。 この冷却速度は容器の大きさ、充填量等によつ
て変るので一義的な特定は困難であるが、通常凝
固点付近の温度に少なくとも1時間以上保持すれ
ばよい。具体的にはたとえばインゴツトの大きさ
が120φ×300程度の大きさのものであれば、
1400℃前後の凝固温度に少なくとも、1時間程度
保持してその後全体を凝固させれば結晶粒の粒子
径の大きさが5mm以上のものが得られる。 上記以外の冷却条件たとえば融解した金属けい
素を別の表面積の広い容器に移して凝固する方法
では、得られる金属けい素の結晶粒の粒子径の大
きさが1〜2mm程度で非常に小さくなり好ましく
ない。つまり金属けい素融液中に一様に分布して
いたFe、Alが、強制冷却下で再結晶させられる
ため、Fe、Al不純物の粒界への拡散が遅く、結
果として不純物の結晶粒界への偏析割合(以下
kMで示す)が小さくなる。 この関係については実施例1について後述する
が金属けい素中に含まれるFe及びAlなどの不純
物の存在状態をエレクトロンマイクロプローブア
ナリーシス(EPMA)による走査型電子顕微鏡
(SEM)写真で示すと第1図に示すように金属け
い素中に含まれるFe及びAlは結晶粒内及び粒界
にいずれも存在する。結晶粒内と粒界との不純物
の割合は、その凝固点付近の冷却速度によつて左
右され結晶粒の大きいもの程、粒界にてFe及び
Alなどの不純物が多く存在するようになるので
酸処理の効果はより大となるわけである。 なお本発明において、金属けい素の結晶粒の大
きさと云うのは金属けい素塊を研削、研磨した
後、ふつ酸と水とを重量比で等量の水溶液にて1
分間エツチング処理して結晶粒を鮮明にし
EPMAにより面分析した写真において(長径+
短径)/2の値を意味するものとし、また粒界と
は結晶粒と結晶粒との間の結晶粒を形成していな
い部分を指すものとする。 以上のようにSi純度98重量%以上の金属けい素
を再溶解してから再結晶させこのとき結晶粒の大
きさ5mm以上としこれを粉砕して粒度1mm以下好
ましくは100μm以下の粉末とし、そして鉱酸で処
理し、洗浄乾燥するのである。 酸処理する鉱酸の具体例としてはふつ酸、又は
ふつ酸と塩酸との混酸があげられる。 (実施例) 市販品金属けい素として純度98%の工業用
SiJIS1号品をまず10mm以下の粒度に調整し、その
8Kgを秤取して寸法直径130mm長さ300mmの黒鉛る
つぼ(東海カーボン(株)製)に入れ、高周波誘導電
気炉(富士電波(株)製)にて常圧下1600℃の温度で
1時間加熱溶融し、次に第1表に示す3種の再結
晶法にて、再結晶金属けい素インゴツトを得た。 次いで、黒鉛るつぼから再結晶金属けい素イン
ゴツトを取り出し、そのインゴツトの下部及び周
辺部を削りとり、中間精製金属けい素7Kgを得
た。 この金属けい素の結晶粒の大きさFe、Alの不
純物濃度を調べ、その結果を第1表に、また実施
例1で得た再結晶粒の構造をEPMAによるSEM
写真面分析の写真を第1図に示す。 次いで、上記中間精製金属けい素をジヨークラ
ツシヤーで粗砕し、1mm以下の大きさに調整した
もの5Kgについて、第1表に示す酸処理条件で処
理した。その後、濾過機で濾過し、そのケークを
真空乾燥器(東洋製作所(株)商品名「VACUM
DRYING OVEN」)に入れ、−700mmHg100℃で
一昼夜乾燥し、製品金属けい素を得た。その不純
物成分の測定結果及びこれに基づいて算出した偏
析割合kMを第1表に示した。
【表】
次に実施例1、2と同様にして、中間精製金属
けい素7Kgをつくり、その結晶粒の大きさ毎に
Fe、Alの不純物濃度を調べた結果を第2表に示
した。 次いで、中間精製金属けい素をジヨークラツシ
ヤーで粗砕し、1mm以下の大きさに調整したもの
それぞれ1Kgに対し、第2表に示す酸処理条件で
処理した。その後、濾過機で濾過し、そのケーク
を上掲の真空乾燥器に入れ、−700mmHg100℃で1
昼夜乾燥し、製品金属けい素を得た。その不純物
成分の測定結果及びこれに基づいて算出した偏析
割合kMを第2表に示した。 尚、不純物成分の測定は、原子吸光法により行
なつた。
けい素7Kgをつくり、その結晶粒の大きさ毎に
Fe、Alの不純物濃度を調べた結果を第2表に示
した。 次いで、中間精製金属けい素をジヨークラツシ
ヤーで粗砕し、1mm以下の大きさに調整したもの
それぞれ1Kgに対し、第2表に示す酸処理条件で
処理した。その後、濾過機で濾過し、そのケーク
を上掲の真空乾燥器に入れ、−700mmHg100℃で1
昼夜乾燥し、製品金属けい素を得た。その不純物
成分の測定結果及びこれに基づいて算出した偏析
割合kMを第2表に示した。 尚、不純物成分の測定は、原子吸光法により行
なつた。
【表】
(発明の効果)
本発明によればSi純度98%以上の金属けい素を
再溶融―再結晶化を行ない、これを塩酸とふつ酸
との混酸で処理することによつて、Fe≒50ppm
以下、Al≒200ppm以下の高純度精製金属けい素
を製造することができる。 本発明の方法で得た金属けい素は高純度である
ために高純度のけい素系セラミツクス製造用原料
として使用でき、又従来太陽電池用原料として用
いられていた気相法金属けい素の代りにも用いる
ことができる。
再溶融―再結晶化を行ない、これを塩酸とふつ酸
との混酸で処理することによつて、Fe≒50ppm
以下、Al≒200ppm以下の高純度精製金属けい素
を製造することができる。 本発明の方法で得た金属けい素は高純度である
ために高純度のけい素系セラミツクス製造用原料
として使用でき、又従来太陽電池用原料として用
いられていた気相法金属けい素の代りにも用いる
ことができる。
第1図は本発明の実施例1で得た再結晶金属け
い素の結晶粒の微細構造を示す金属顕微鏡写真で
ある。
い素の結晶粒の微細構造を示す金属顕微鏡写真で
ある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Si純度98重量%以上の金属けい素をまず溶融
再結晶しついで酸処理により精製するにあたり、 溶融金属けい素の凝固点付近における冷却速度
の制御にて結晶粒の粒子径の大きさを5mm以上と
した凝固物を得ること、ついで該凝固物を破砕し
たのちふつ酸又はふつ酸と塩酸との混酸により処
理して不純物を除去することの結合を特徴とする
金属けい素の精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4898584A JPS60195016A (ja) | 1984-03-16 | 1984-03-16 | 金属けい素の精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4898584A JPS60195016A (ja) | 1984-03-16 | 1984-03-16 | 金属けい素の精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60195016A JPS60195016A (ja) | 1985-10-03 |
JPH0132165B2 true JPH0132165B2 (ja) | 1989-06-29 |
Family
ID=12818529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4898584A Granted JPS60195016A (ja) | 1984-03-16 | 1984-03-16 | 金属けい素の精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60195016A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5097427B2 (ja) * | 2007-03-30 | 2012-12-12 | 株式会社アドマテックス | 金属ケイ素粉末の製造方法、球状シリカ粉末の製造方法及び樹脂組成物の製造方法 |
JP4265697B2 (ja) | 2007-06-26 | 2009-05-20 | パナソニック株式会社 | 金属シリコンの精製方法とシリコン塊の製造方法 |
JP4966938B2 (ja) * | 2008-09-19 | 2012-07-04 | シャープ株式会社 | シリコンの再生方法 |
KR101766535B1 (ko) * | 2014-10-02 | 2017-08-10 | 주식회사 엘지화학 | 리튬 이차전지용 음극활물질, 이의 제조방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차전지 |
EP3921282A1 (de) * | 2019-03-27 | 2021-12-15 | Wacker Chemie AG | Verfahren zur herstellung von technischem silicium |
-
1984
- 1984-03-16 JP JP4898584A patent/JPS60195016A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60195016A (ja) | 1985-10-03 |
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