JP2797005B2 - 綿状ゲル化物質、それを原料とした果肉様ゼリー及びその製造法 - Google Patents

綿状ゲル化物質、それを原料とした果肉様ゼリー及びその製造法

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JP2797005B2 JP1268700A JP26870089A JP2797005B2 JP 2797005 B2 JP2797005 B2 JP 2797005B2 JP 1268700 A JP1268700 A JP 1268700A JP 26870089 A JP26870089 A JP 26870089A JP 2797005 B2 JP2797005 B2 JP 2797005B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、キトサン溶液とリン酸またはリン酸塩の溶
液とを混合し、ゲル化させて得られる綿状ゲル化物質、
この綿状ゲル化物質とゼリーミックスとよりなる果肉様
ゼリー及びその製造法に関する。
本発明では、前記綿状ゲル化物質の使用によって製品
に果肉感を付与し、果肉やフルーツプレパレーションを
用いることなく味覚及び視覚上嗜好に富んだ果肉様ゼリ
ーを経済的有利に提供することができる。
従来技術 従来、果肉やフルーツプレパレーションなどをゼリー
中に混合してゼリーの嗜好性を高めることは知られてい
る。しかし、果肉等とゼリーとは比重が相違し、これを
均一に分散させるためには予め比重を調整する措置を必
要としたり(例えば特公昭60−18376号公報等)、ある
いは果肉の色のにじみを防止するために果肉表面をアル
ギン酸やペクチン等と二価金属塩の結合によって得られ
たゲルで被覆する手段を採用する(例えば特開昭63−44
2658号公報)等製品化のために種々の煩雑な手段を講じ
る必要があった。
また、一方、果肉等を使用することなく、果汁、果実
ピューレ等を使用して果肉状の食感を呈するゼリーを製
造することも知られている。例えば、ペクチンまたはア
ルギン酸の金属イオンゼリーをフロック状に破さいし、
これにカラギーナン、果汁等を含むミックスを混入して
ゲル化させることによってカラギーナンゼリーとペクチ
ンまたはアルギン酸の金属イオンゼリーとが互いに密着
した状態でゲル化しそれぞれのテクスチャーの違いによ
って口中の果肉状の食感を呈するゼリーが得られている
(特開昭61−52252号公報)。しかも、このようにして
得られたゼリーは、フロック状破さい物の分散性がわる
く、組織母体であるカラギーナンゼリー部分と均一に混
合しない等技術的に解決しなければならない問題点があ
った。
発明が解決しようとする課題 本発明は、従来技術のこのような問題点を考慮し、果
肉あるいはフルーツプルパレーションを使用することな
く、数種のゲルを使用して果肉様の味覚、視覚を有する
ゼリーを大量かつ経済的有利に得ようとするものであ
る。
また、数種のゲルの分散性を高め、ゲルから他のゲル
への色のにじみや移行を防止しようとするものである。
課題を解決するための手段 本発明者等は、上記課題を解決するために種々のゲル
化剤を用いてゲルを調製し、そのゲルの味覚、視覚、分
散性、色の移行等について検討したところ、意外にもキ
トサン溶液とリン酸またはリン酸塩の溶液とから得られ
る綿状ゲルが、果肉とテクスチャーが類似し、ゼリーミ
ックス中に容易に均一に分散し、また、色のにじみや移
行を防止することができるという知見を得て、本発明を
完成するに至った。
すなわち、本発明は (1) キトサン溶液とリン酸またはリン酸塩の溶液と
を混合しゲル化してなる綿状ゲル化物質、 (2) 前記綿状ゲル化物質を細分し、これとゲル化剤
含有ゼリーミックスとを混合し、凝固させてなる綿状ゲ
ル化物質細分物がゼリーミックス中に分散している果肉
様ゼリー、 (3) キトサン溶液とリン酸またはリン酸塩の溶液と
を混合してゲル化させて綿状ゲル化物質とし、これを撹
拌して細分化し、これとゲル化剤含有ゼリーミックス溶
液とを混合し、加熱殺菌を行い、冷却凝固させることよ
りなる綿状ゲル化物質細分物がゼリーミックス中に分散
している果肉様ゼリーの製造法に関する。
本発明の前記した綿状ゲル化物質は、組成及び性状の
点で新規なものであって、このような物質は果肉とテク
スチャーが類似し、ゼリーミックスや容器中によく分散
させることができる。
さらに、本発明では、キトサン溶液と、予め二重乳化
(W/O/W型エマルジョン)した食用色素を分散させたリ
ン酸またはリン酸塩の溶液とを混合してゲル化させる
と、得られた着色綿状ゲル化物質からゼリーミックス中
への着色料のにじみや移行はなく、果肉様ゼリーをすっ
きりと鮮明に保つことができる。
本発明では、まずキトサン溶液とリン酸またはリン酸
塩の溶液とを混合して綿状ゲル化物質を得る。キトサン
は水に不溶性であるので、これを水に分散させ、乳酸、
酢酸、クエン酸等の酸を加えて溶解させ、これにリン酸
またはリン酸塩の溶液を加える。
このキトサンの濃度は、第1図に示すように0.27%で
は弱いゲルが形成し、0.45%以上だと強いゲルが得られ
るが風味がやや劣るので約0.30〜0.41%前後が望まし
い。
リン酸またはリン酸塩は、ポリリン酸、ピロリン酸ま
たはその塩を使用するとキトサンと部分的ゲルが直ちに
形成され均一に混合することが困難になるのでオルソリ
ン酸またはその塩を用いることが望ましい。オルソリン
酸塩としてはナトリウム塩、カリウム塩などの食品に使
用できる塩が用いられる。その使用量は、第2図に示す
ようにリン酸塩が1.14%ではゲルの形成が弱く、1.59%
を越えるとゲルが硬くなりすぎ、風味も低下するので約
1.36〜1.59%程度が望ましい。
なお、これらの硬さの測定は山電レオナーを用いて行
った。
キトサン、リン酸またはリン酸塩の溶液の溶媒には通
常、水が用いられる。
キトサン溶液とリン酸またはリン酸塩の溶液とは約50
℃の加温下で両者を混合することによって綿状ゲル化物
質を得ることができる。
本発明でキトサン単独でゲル化すると組織が非常にあ
らくなり、収れん味が生じてくるが、リン酸またはリン
酸塩を加えることにより組織が綿状となり、果肉感が生
じてくる。
本発明では、綿状ゲル化物質を製造するさい、二重乳
化(W/O/W型エマルジョン)した食用着色料をリン酸ま
たはリン酸塩溶液に添加分散させ、次にこれをキトサン
溶液中に加えて食用着色料を沈着させると綿状ゲル化物
質の色調がゼリーミックスへ移行することを防止するこ
とができる。
次に、このようにして得られた綿状ゲル化物質を撹拌
することによって細分化させる。この細分化処理によっ
て製品に果肉が混入されているような感じを付与する。
この意味から30〜60rpmで数分間撹拌し、長さ4〜6mm×
3〜6mmの長方形または楕円形にすることが好ましい。
これ以上の撹拌数で撹拌を行うと綿状ゲル化物質が微細
化されて果肉感が著しく劣り、またこれ以下の撹拌数で
撹拌を行うと綿状ゲル化物質がヒモ状まりは布状物質と
なり、果肉感が劣り、見た目も著しく悪くなる。
このようにして得られた細分化された綿状ゲル化物質
をゲル化剤を含むゼリーミックス溶液と混合する。
ゲル化剤としては、カラギーナン、寒天、ゼラチン、
ファーセラン、アルギン酸またはその塩類が用いられ
る。これらは単独で使用してもよくまた数種混合して使
用してもよい。
ゼリーミックスは、従来用いられているゼリーミック
スが用いられるが、ゼリーミックス成分には、糖類、果
汁、乳製品、発酵乳、着色料、調味料等があり、これら
は適宜選択し、単独かあるいは組合せて使用する。
綿状ゲル化物質とゲル化剤を含むゼリーミックスとの
配合割合は、特に制限はないが、前者の15〜25重量%に
対し後者は75〜85重量%の割合で混合することが、混合
のしやすさや果肉入りゼリーの食感の付与という点から
みて望ましい。
そして、これらを混合し、加熱して殺菌する。この加
熱は80〜120℃で数分間行う。本発明における綿状ゲル
化物質はこのような温度に加熱しても溶融したり色のに
じみが生ぜず安定に保たれる。このような熱安定性があ
ることが本発明の綿状ゲル化物質の大きな特徴である。
次に、この混合物を冷却凝固して製品を得る。特に、
加熱殺菌後、ゲル化剤のゲル化温度より4〜5℃低い温
度に冷却し、撹拌しながら容器に充填し、これをさらに
冷却して凝固させることが望ましい。撹拌は、綿状ゲル
化物質を撹拌細切したときと同様の条件で行うと、綿状
ゲル化細切物(果肉様ゲル化物質)が破壊されずにしか
もこの混合物中に気泡が入ることなく容器に充填できる
ようになる。
このようにして得られた製品は、綿状ゲル化細切物が
果肉感を呈し、果肉またはフルーツプレパレーションを
使用しなくても味覚上嗜好性に富んだ果肉様ゼリーとな
る。
次に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
実施例 キトサンと乳酸とを上記の水の1/2容量に混合溶解し
た。一方、リン酸2ナトリウムと着色料とを上記の水の
残量と混合溶解し、両液を合せてA液を調製した。
このA液を50℃に加熱して綿状ゲル化物質をつくっ
た。この綿状ゲル化物質を30〜60rpmで撹拌しして、4
〜6mm×3〜6mmに細切した。
B液は以上の配合で、70℃に加熱して調製した。
A液22部、B液78部を混合して併せて100部とし、90
℃で5分間加熱殺菌した。これを37℃に冷却し、前記撹
拌条件と同様の条件で撹拌し、10℃以下に冷却してオレ
ンジ果実様ゼリーを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図はリン酸またはリン酸塩濃度1.59%における綿状
ゲル化物質中のキトサン濃度と硬さの関係を、第2図は
キトサン濃度0.36%における綿状ゲル化物質中のリン酸
ナトリウム濃度と硬さとの関係を示す。 また横軸下の○、△、×は各綿状ゲル化物質の風味を評
価した結果を示す。○は風味のよいことを、△はやや劣
ることを、×は劣ることを示す。
フロントページの続き (72)発明者 金沢 秀次 埼玉県入間市春日町2丁目14番地8― 508 (56)参考文献 特開 昭61−153135(JP,A) 特開 昭60−34155(JP,A) 特開 平3−127954(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/05 - 1/09

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キトサン溶液とリン酸またはリン酸塩の溶
    液とを混合しゲル化してなる綿状ゲル化物質。
  2. 【請求項2】キトサン溶液と、予め二重乳化(W/O/W型
    エマルジョン)した食用着色料を分散させたリン酸また
    はリン酸塩の溶液とを混合し、ゲル化してなる綿状ゲル
    化物質。
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)の綿状ゲル物質
    を細分し、これとゲル化剤含有ゼリーミックスとを混合
    し、凝固させてなる綿状ゲル化物質細分物がゼリーミッ
    クス中に分散している果肉様ゼリー。
  4. 【請求項4】キトサン溶液とリン酸またはリン酸塩の溶
    液とを混合しゲル化させて綿状ゲル化物質とし、これを
    撹拌して細分化し、これとゲル化剤含有ゼリーミックス
    溶液とを混合し、加熱殺菌を行い、冷却凝固させること
    よりなる綿状ゲル化物質細分物がゼリーミックス中に分
    散している果肉様ゼリーの製造法。
  5. 【請求項5】キトサン溶液と、予め二重乳化(W/O/W型
    エマルジョン)した食用着色料を分散させたリン酸また
    はリン酸塩の溶液とを混合し、ゲル化させて綿状ゲル化
    物質とし、これを撹拌して細分化し、これとゲル化剤含
    有ゼリーミックス溶液とを混合し、加熱殺菌を行い、冷
    却凝固させることよりなる着色された綿状ゲル化物質細
    分物がゼリーミックス中に分散している果肉様ゼリーの
    製造法。
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JPS61153135A (ja) * 1984-12-26 1986-07-11 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 新規なカプセル体およびその製造法
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