JP3920032B2 - 積層食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無色ゼリーからなる中間層を挟んで、色の異なる複数の水型食品層が積層された積層食品に関し、特に水型食品層間における色移りを抑制した積層食品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、例えば、色の異なるゼリー層を積層した食品や、着色しているゼリー層上にクリーム層を積層した食品などの積層食品にあっては、製造後ある程度の時間が経過すると上層と下層との間で色移りが生じて、好ましくない外観を呈するようになるという不都合があった。
【0003】
このような色移りを抑制する方法として、従来知られている方法を例示すると、
▲1▼カロチン、アナットー、リコピン等の脂溶性色素を乳化した乳化製剤が、ハイドロコロイドゲル組織の中で移動し難いことが経験的に知られているので、この乳化製剤を色素として用いる方法、
▲2▼水溶性色素に油中水型の乳化を施し、その外側に水中油型の乳化を施した二重乳化色素を用いる方法、
▲3▼コーヒーゼリーなどのゲル状食品本体上にフレッシュクリーム等のクリーム状物を積層させる際に、クリーム状物を油中水型のエマルジョンとすることにより両層間の色移りを抑制する方法(特開平6−303924号公報)、
▲4▼ムース、クリーム、ゼリー、ソースなどからなる多層デザートにおいて、層間に脂肪被覆層またはチョコレート層を設ける方法(特開平9−107885号公報)、ゼリー層とクリーム層との間に油脂層を設ける方法(特開平11−276098号公報)などが挙げられる。
【0004】
しかしながら、上記▲1▼の方法が有効なのは脂溶性の色素に限られており、素材中に含まれている水溶性色素の色移りを抑制することはできなかった。
上記▲2▼の方法は、二重に乳化した色素は比較的高価であるにもかかわらず、色力が弱く、製造工程中に均質化工程があると破壊され易く、また素材中に含まれる水溶性色素の色移りは抑制できないという問題もあった。
上記▲3▼の方法が適用できるのは、クリーム状物が添えられたゲル状食品に限定され、汎用性に欠けるものであった。
上記▲4▼の方法は、ゼリー層やクリーム層の間に油性の層を介在させるため、風味や食感が損なわれがちであるという問題があった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、各種の積層食品における層間の色移りを、食品の風味や食感を損なわずに抑制できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層食品は、色の異なる複数の水型食品層が積層されてなる積層食品であって、前記水型食品層の相互の色移りが抑制されたものである。水型食品層とは、水相からなる連続相を有する層であり、水相のみからなる層でもよく、水中油型のエマルジョンからなる層であってもよい。該水型食品層には、例えばゼリー層、ムース層、ババロア層、プリン層などのゲル状物の層の他、クリーム層、ソース層なども含まれる。水型食品層の相互の色移りとは、一方の層の色が他方の層に移行する現象、一方の層の色が他方の層に移行するとともに、他方の層の色が一方の層に移行する現象、あるいは一方の層の色と他方の層の色とが混じり合う現象であって、肉眼によって認識できる程度の現象をいう。尚、複数の水型食品層の中には、無色の水型食品層が含まれていてもよい。
【0007】
具体的には、本発明の積層食品は、積層されている複数の水型食品層としてホイップクリーム層と着色ゼリー層を有する。すなわち、ホイップクリーム層と着色ゼリー層が、無色ゼリーからなる厚さ1mm以上の中間層を介して積層されており、前記無色ゼリーが、ローメトキシルペクチン、カラギナン、キサンタンガムとローカストビンガムとの混合物、アルギン酸ナトリウム、および寒天からなる群から選ばれる1種以上の増粘多糖類とゼラチンとを含有することを特徴とする積層食品である。
また、前記中間層の水相固形分値は、次の数式(1)を満たす範囲内であることが好ましい。
{(A+B)/2}−2≦ F ≦{(A+B)/2}+2…(1)
[但し、Fは中間層の水相固形分値(重量%)を示し、Aは、該中間層の上下に隣接する水型食品層のうちの一方の水型食品層の水相固形分値(重量%)を示し、Bは、他方の水型食品層の水相固形分値(重量%)を示す。]
本発明における水相固形値とは、中間層または水型食品層の脂肪を除いた部分における固形分の比率(重量百分率)である。
具体的には、本発明の積層食品は、中間層の上下に隣接する水型食品層がホイップクリーム層および着色ゼリー層であり、上記Aは、ホイップクリーム層および着色ゼリー層のうちの一方の水相固形分値(重量%)を示し、上記Bは他方の水相固形分値(重量%)を示す。
【0008】
本発明の積層食品の色移り抑制方法は、ホイップクリーム層と着色ゼリー層の間に、ローメトキシルペクチン、カラギナン、キサンタンガムとローカストビンガムとの混合物、アルギン酸ナトリウム、および寒天からなる群から選ばれる1種以上の増粘多糖類とゼラチンとを含有する無色ゼリーからなる厚さ1mm以上の中間層を介在させることによって前記ホイップクリーム層と着色ゼリー層相互の色移りを抑制することを特徴とする。
本発明の積層食品の製造方法は、冷却によってゲル化する着色ゼリー液を容器内に充填した後、少なくとも表面を冷却してゲル化させる第1の工程と、前記第1の工程後、前記着色ゼリー液上にローメトキシルペクチン、カラギナン、キサンタンガムとローカストビンガムとの混合物、アルギン酸ナトリウム、および寒天からなる群から選ばれる1種以上の増粘多糖類とゼラチンとを含有する無色ゼリー液を厚さが1mm以上となるように充填する第2の工程と、前記無色ゼリー液上に、最上層を形成するホイップクリームを、前記無色ゼリー液と混合しないように充填する第3の工程と、前記第3の工程後、前記容器の内容物全体を冷却する第4の工程とを有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。本発明における積層食品は、色の異なる複数の水型食品層が、無色ゼリーからなる中間層を挟んで積層された構成を有する。
中間層を形成する無色ゼリーは、無色透明であるか、着色している場合は、この中間層に隣接して積層される水型食品層に対して色移りを生じさせない程度の着色に制限される。中間層を構成する無色ゼリーは色素を含有しないことが好ましい。
【0010】
中間層は、一般的なゼリー調製に使用されるゲル化剤を用いて形成することができるが、特に、ゼラチンと、ゼラチン以外の少なくとも1種の増粘多糖類とを併用して形成された無色ゼリーは、これを挟んで積層されている水型食品層相互間における色移りをより遅くすることができるので好ましい。
ゼラチン以外の増粘多糖類は、ゲル化するものが好ましく、例えばローメトキシルペクチン、カラギナン、キサンタンガムとローカストビンガムとの混合物、アルギン酸ナトリウム、および寒天からなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
【0011】
中間層をなす無色ゼリーは、好ましい風味や食感を得るために、ゲル化剤の他に、糖類、香料、塩類、調味料、酸味料等を含んでいてもよい。
中間層をなす無色ゼリーの組成は、着色しない範囲で好ましい風味や食感が得られるように設定することが望ましいが、この無色ゼリーを挟んで積層される水型食品層相互間における色移りを有効に抑制するためには、中間層の水相固形分値が、下記の範囲内となるように設定することが好ましい。
すなわち、特に中間層の上下に隣接する水型食品層の水相固形分値の差は、基本的には色移りの早さに影響する因子であるが、本発明においては、この差が大きい場合であっても小さい場合であっても(例えば差が4重量%を越える場合であっても4重量%未満の場合であっても)、中間層の水相固形分値は、その中間層の上下に隣接する水型食品層の水相固形分値の平均値をとり、この平均値のプラスマイナス2重量%の範囲内に収まるように設定することが好ましい。
【0012】
本発明の積層食品における中間層は、その厚さを1mm以上とすることにより、この中間層を挟んで積層されている水型食品層相互間における色移りを有効に抑制することができる。中間層の厚さの上限は特に限定されないが、厚すぎると積層食品の食感や風味が損なわれる場合があるので、3mm以下程度とするのが好ましい。
【0013】
本発明の積層食品は、例えば次のようにして製造される。
まず、下層となる水型食品層を形成し、その上に無色ゼリーからなる中間層を、下層の水型食品層と混合しないように形成する。下層の水型食品層はゼリー層、ムース層、ババロア層、プリン層などのゲル状物の層が好適である。
具体的には、冷却によりゲル化する成分液を周知の製法に従って調製し、容器内に所定量充填した後、液面に冷風を吹き付けて、少なくとも表面部分をゲル化させた後、その上に、中間層をなす無色ゼリー液を所定厚さとなるように充填する。
【0014】
次いで、中間層をなす無色ゼリー液上に、最上層となる水型食品層を、無色ゼリー液と混合しないように形成する。
具体的には、上層の水型食品層がゼリー層、ムース層、ババロア層、プリン層などのゲル状物の層である場合には、周知の製法に従って成分液を調製し、容器内の中間層上に、該中間層を混合しないように所定量充填した後、冷却することによって積層食品が得られる。成分液の充填後に冷却する際は、容器の内容物全体を容器ごと冷却して、上層の水型食品層だけでなく、下層の水型食品層も完全にゲル化させる。
一方、上層の水型食品層がクリーム層やソース層などゲル化工程を必要としないものである場合は、予め調製しておいたクリームやソースなどの成分液を容器内の中間層上に、該中間層と混合しないように所定量充填した後、容器ごと冷却して下層の水型食品層を完全にゲル化させることによって積層食品が得られる。
【0015】
ここで、最上層をなす成分液を充填したときに、中間層中に混入しないようにするには、例えば、前工程で無色ゼリー液を下層の成分液上に充填したときに、無色ゼリー液が冷却された下層の成分液表面と接触することによって速やかにゲル化するように、充填時の無色ゼリー液温度や下層の成分液の表面温度を設定すればよい。
あるいは、最上層をなす成分液が、例えばホイップクリームなどの比重の小さいものである場合には、中間層がゲル化していてもよいが、中間層がゲル化していない場合であっても、中間層上に静かに充填すれば両者の混合を避けることができる。
【0016】
また、中間層上の水型食品層がゼリー層、ムース層、ババロア層、プリン層などのゲル状物の層である場合には、その上に前記と同様にして中間層を形成する工程と、この中間層上にさらにゲル状物からなる水型食品層を形成する工程とを交互に行って、中間層を含んで4層以上を形成し、最上層として、中間層上に、ゼリー層、ムース層、ババロア層、プリン層などのゲル状物の層、またはクリーム層やソース層などゲル化工程を必要としない層を形成することによって、水型食品層を3層以上有する積層食品を製造することもできる。
【0017】
本発明によれば、積層されている水型食品層の間に無色ゼリー層からなる中間層が介在しているので、中間層を挟んで積層されている水型食品層の色が異なっていても、これら水型食品層相互間における色移りが抑制され、一方または両方の水型食品層に目視で認められる程度の変色が生じるのが遅くなる。通常、水相からなる連続相を有する水型食品を用いた積層食品は、常温流通可能に加工されたものを除くと、水分活性が高いために賞味期限が比較的短く、製造日を含む1日から長くても21日程度である。本発明によれば、低温流通される積層食品の賞味期限が過ぎるまで、その積層食品を構成している水型食品層に目視で認められる変色が生じない程度に色移りを抑制することが可能である。
しかも、本発明によれば、水型食品層に含まれている色素の種類にかかわらず、また水型食品層が均質化工程を必要とするエマルジョンタイプのものであるか否かにかかわらず、層間の色移りを抑制することができるので、各種の積層食品に適用することができ汎用性が高い。
さらに、従来の積層食品に、無色ゼリーからなる中間層を加えるだけであるので、積層食品の風味や食感を損なうおそれがなく、また設備的、作業的にも負担が少なくて済む。特に無色ゼリーからなる中間層は薄い層であるので、冷却された水型食品層の表面に接触するだけで、特に冷却工程を設けなくても短時間でゲル化することが可能であり、形成が容易である。よって製造工程の困難性を招くことなく、積層食品における層間の色移りを改善することができ、工業的に連続生産するのにも好ましく適用することができる。
【0018】
試験例:以下の試験例において、%は特にことわりのない限り重量%である。
[試験1]
この試験は、積層食品における層間の色移り防止に効果のある中間層の厚みを検索する目的で実施した。
(試料の調製)
着色ゼリー液と中間層ゼリー液として、表1の配合割合A、Bのゼリー液をそれぞれ調製した。すなわち表1の配合で原料を混合し、85℃に加熱して溶解させた後、50℃に冷却して2種類のゼリー液を調製した。表1に示した原料はいずれも市販品である。
一方、ホイップクリームを用意した。すなわち、市販の35%脂肪コンパウンドクリーム(森永乳業社製)に8%の砂糖(東洋製糖社製)を加え、電動ホイッパー(愛工舎社製)でホイップし、オーバーランを120%にして調製した。
【0019】
【表1】
【0020】
(試験方法)
プラスチックカップに着色ゼリー液(赤色)をそれぞれ100g充填し、0℃の冷風を液面に当て、表面温度が15℃になった時、各プラスチックカップに中間層ゼリー液(無色)をそれぞれ0、1、2、3、4、5、6、7、8、9g充填して、中間層の厚さをそれぞれ、0、0.3、0.7、1.0、1.3、1.7、2.0、2.3、2.7、3.0mmとした。充填してから30秒後にホイップクリームを40m1充填した後、5℃の冷蔵庫で冷却して、10種類のサンプルを作成し、経時的にクリーム層の色を観察した。
(評価方法)
1日毎にクリーム上面の色調を観察し、着色ゼリー層の赤色がクリーム上面に達するまでの日数を調べた。
(試験結果)
この試験の結果を表2に示す。
表2の結果から、着色ゼリーの上に、無色ゼリーからなる1mm以上の中間層を敷くと、着色ゼリー層からホイップクリーム層への色移りが遅くなることが分かった。
【0021】
【表2】
【0022】
[試験2]
この試験は、積層食品における層間の色移り防止に効果のある中間層のゲル化剤を検索する目的で実施した。
(試料の調製)
まず、ゲル化剤の種類を変えて11種類の中間層ゼリー液を調製した。すなわち、表3の配合割合で、それぞれ原料を混合し、85℃に加温して溶解させた後、40℃に冷却して11種類の中間層ゼリー液(テストNo.1〜11)を調製した。表3に示した原料はいずれも市販品である。
着色ゼリー液及びホイップクリームは試験1と同一のものを使用した。
【0023】
【表3】
【0024】
(試験方法)
プラスチックカップにそれぞれ着色ゼリー液(赤色)を100g充填し、0℃の冷風をゼリーの表面に当て、表面温度が15℃になった時、中間層ゼリー液(無色)を4g(厚さ1.3mm)充填した。30秒後にホイップクリームを40m1充填した後、冷蔵庫で冷却して11種類のサンプルを作成し、経時的にクリーム層の色を観察した。
(評価方法)
試験1と同一の方法により、評価した。
(試験結果)
この試験の結果を表4に示す。
この結果から、中間層ゼリー層に含まれるゲル化剤が、何れであっても色移りが遅くなるが、特にゼラチンとカラギナン(テストNo.7)、ゼラチンとローメトキシルペクチン(テストNo.8)、キサンタンガムとローカストビンガムの混合物とゼラチン(テストNo.9)、ゼラチンとアルギン酸ナトリウム(テストNo.10)、ゼラチンと寒天(テストNo.11)を併用した場合に、色移りがより遅くなることが分かった。
【0025】
【表4】
【0026】
[試験3]
この試験は、積層食品における層間の色移り防止に効果のある中間層の水相固形分値を検索する目的で実施した。
(試料の調製)
表5の配合割合で原料を混合し、85℃に加熱して溶解させた後、50℃に冷却して、着色ゼリー液5種類(No.A9〜A25)と中間層ゼリー液9種類(No.B9〜B25)をそれぞれ調製した。尚、表5に示した原料はいずれも市販品である。
これとは別に、市販の35%脂肪コンパウンドクリーム(森永乳業社製)に8%の砂糖(東洋製糖社製)を加え、電動ホイッパー(愛工舎社製)でホイップし、オーバーランを120%にしてホイップクリームを調製した。
この試験に用いた各試料の調製後の水相固形分の値は、No.A9〜A25の着色ゼリー液はそれぞれ9,13,17,21,25%であり、No.B9〜B25の中間層ゼリー液はそれぞれ9,11,13,15,17,19,21,23,25%である。また、ホイップクリームの脂肪を除いた部分の水相固形分の値は17%である。
【0027】
【表5】
【0028】
(試験方法)
プラスチックカップに着色ゼリーを100g充填し、0℃の冷風をゼリーの表面に当て、表面温度が15℃になった時、中間層ゼリーを3g(厚さ1.0mm)充填し、30秒後にホイップクリームを40ml充填した後、5℃の冷蔵庫で冷却した。5種類の着色ゼリー液と9種類の中間層ゼリー液を組合せを変えて45種類のサンプルを作成し、経時的にクリーム層の色を観察した。
(評価方法)
試験1と同一の方法で評価した。
(試験結果)
この試験の結果を表6に示す。
この結果から、各層の水相固形分の値に関係なく色移りは遅くなるが、中間層の水相固形分が、着色ゼリーの水相固形分値とホイップクリーム層の水相固形分値(=17重量%)との平均値より±2重量%の範囲内にあれば、特に色移りが遅かった。
【0029】
【表6】
【0030】
【実施例】
以下の実施例において、%は特にことわりのない限り重量%である。
(実施例1)
表7の配合でコーヒーゼリー液を調製した。すなわち、表7の配合で原料を混合し、90℃に加熱後50℃に冷却してコーヒーゼリー液を得た。
一方、表8の配合で中間層ゼリー液を調製した。すなわち、表8の配合で原料を混合し、90℃に加熱後40℃に冷却して中間層ゼリー液を得た。
ホイップクリームは、市販の35%乳脂クリーム(森永乳業社製)に8%砂糖を加え、連続式ホイッパー(森永乳業社製)で120%のオーバーランに調製した。
調製後の各成分の固形分は、コーヒーゼリー液が17%で、中間層ゼリー液が17%で、ホイップクリームの脂肪を除いた部分の固形分が17%であった。
【0031】
充填機(トーワテクノ社製)で、カップに100gのコーヒーゼリー液を充填し、その表面に0℃の冷風を30秒間吹き付けた後、5g(厚さ1.7mm)の中間層ゼリー液を充填した後、ホイップクリームを40ml充填した。蓋をシールし、冷蔵庫で5℃に冷却して500個のクリームトッピングコーヒーゼリーを製造した。
外観、風味、及び細菌増殖を基準として決められる、このクリームトッピングコーヒーゼリーの賞味期限は製造日を含んで7日間であるが、この期間の間にコーヒーゼリーからホイップクリームヘの色移りは認められなかった。またこの製品は風味や食感も良好であった。
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】
(参考例1)
表9の配合でブルーベリーババロア液を調製した。すなわち、表9のAの配合で原料を混合し、80℃に加熱した状態で均質機(三丸機械社製)で15MPaの圧力で均質化し、さらに90℃に加熱して10分間保持した後、70℃に冷却してA液を得た。これとは別に、表9のBの配合で原料を混合し、90℃に加熱した後30℃に冷却してB液を得た。A液とB液を重量比1:1の割合で混合してブルーベリーババロア液を得た。中間層ゼリー液は実施例1と同一のものを用いた。表10の配合でピーチムース液を調製した。すなわち、表10の配合で原料を混合し、90℃に加熱した後20℃に冷却して調製してC液を得た。これとは別に、市販の35%乳脂クリーム(森永乳業社製)を連続式ホイッパー(森永乳業社製)で120%のオーパーランに調製してホイップクリームを得た。C液とホイップクリームを重量比3:2(C液:ホイップクリーム)で混合してピーチムース液を得た。調製後の各成分の固形分は、ブルーベリーババロア液の脂肪を除いた部分の固形分が20%で、中間層ゼリー液が17%で、ピーチムース液の脂肪を除いた部分の固形分が15%であった。
【0035】
充填機(トーワテクノ社製)で、カップに70gのブルーベリーババロア液を充填し、その表面に0℃の冷風を30秒間吹き付けた後、6g(厚さ2.0mm)の中間層ゼリー液を充填した後、ピーチムース液を60ml充填した。蓋をシールし、冷蔵庫で5℃に冷却して500個のフルーツババロアを製造した。
外観、風味、及び細菌増殖を基準として決められる、このフルーツババロアの賞味期限は製造日を含んで14日間であるが、この期間の間にブルーベリーババロアからピーチムースへの色移りは認められなかった。またこの製品は風味や食感も良好であった。
【0036】
【表9】
【0037】
【表10】
【0038】
(参考例2)
表11の配合でミルクプリン液を調製した。すなわち、表11の配合で原料を混合し、80℃に加熱した状態で均質機(三丸機械社製)で15MPaの圧力で均質化し、さらに90℃に加熱して10分間保持した後、50℃に冷却してミルクプリン液を得た。表12の配合で中間層ゼリー液を調製した。すなわち、表12の配合で原料を混合し、90℃に加熱後40℃に冷却して中間層ゼリー液を得た。ラズベリーシロップは、表13の配合で原料を混合し、90℃に加熱した後25℃に冷却して調製した。調製後の各成分の固形分は、ミルクプリン液の脂肪を除いた部分の固形分が17%で、中間層ゼリー液が19%で、ラズベリーシロップが21%であった。
【0039】
充填機(トーワテクノ社製)で、カップに120gのミルクプリン液を充填し、その表面に0℃の冷風を30秒間吹き付けた後、8g(厚さ2.5mm)の中間層ゼリー液を充填した後、ラズベリーシロップを22g充填した。蓋をシールし、冷蔵庫で5℃に冷却して500個のミルクプリンを製造した。
外観、風味、及び細菌増殖を基準として決められる、このミルクプリンの賞味期限は製造日を含んで10日間であるが、この期間の間にラズベリーシロップからミルクプリンヘの色移りは認められなかった。またこの製品は風味や食感も良好であった。
【0040】
【表11】
【0041】
【表12】
【0042】
【表13】
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、積層されている水型食品層の間に無色ゼリー層からなる中間層を介在させたことにより、中間層を挟んで隣り合って積層されている水型食品層の色が異なっていても、これら水型食品層相互間における色移りを抑制することができる。また本発明は、各種の積層食品に適用することができ、汎用性が高い。さらに、従来の積層食品に、無色ゼリーからなる中間層を加えるだけであるので、積層食品の食感や風味に違和感を与えるおそれがなく、工業的な連続生産にも容易に適用できる。
Claims (4)
- ホイップクリーム層と着色ゼリー層が、無色ゼリーからなる厚さ1mm以上の中間層を介して積層されており、前記無色ゼリーが、ローメトキシルペクチン、カラギナン、キサンタンガムとローカストビンガムとの混合物、アルギン酸ナトリウム、および寒天からなる群から選ばれる1種以上の増粘多糖類とゼラチンとを含有することを特徴とする積層食品。
- 前記中間層の水相固形分値が、下記数式(1)
{(A+B)/2}−2 ≦ F ≦ {(A+B)/2}+2…(1)
[但し、Fは中間層の水相固形分値(重量%)を示し、Aは、前記ホイップクリーム層および着色ゼリー層のうちの一方の水相固形分値(重量%)を示し、Bは他方の水相固形分値(重量%)を示す。]
を満たす範囲内であることを特徴とする請求項1記載の積層食品。 - ホイップクリーム層と着色ゼリー層の間に、ローメトキシルペクチン、カラギナン、キサンタンガムとローカストビンガムとの混合物、アルギン酸ナトリウム、および寒天からなる群から選ばれる1種以上の増粘多糖類とゼラチンとを含有する無色ゼリーからなる厚さ1mm以上の中間層を介在させることによって前記ホイップクリーム層と着色ゼリー層相互の色移りを抑制することを特徴とする積層食品の色移り抑制方法。
- 冷却によってゲル化する着色ゼリー液を容器内に充填した後、少なくとも表面を冷却してゲル化させる第1の工程と、
前記第1の工程後、前記着色ゼリー液上にローメトキシルペクチン、カラギナン、キサンタンガムとローカストビンガムとの混合物、アルギン酸ナトリウム、および寒天からなる群から選ばれる1種以上の増粘多糖類とゼラチンとを含有する無色ゼリー液を厚さが1mm以上となるように充填する第2の工程と、
前記無色ゼリー液上に、最上層を形成するホイップクリームを、前記無色ゼリー液と混合しないように充填する第3の工程と、
前記第3の工程後、前記容器の内容物全体を冷却する第4の工程とを有することを特徴とする積層食品の製造方法。
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