JP2792806B2 - 鉄骨系住宅の建方工法及び柱頭ピース - Google Patents

鉄骨系住宅の建方工法及び柱頭ピース

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JP2792806B2
JP2792806B2 JP6865093A JP6865093A JP2792806B2 JP 2792806 B2 JP2792806 B2 JP 2792806B2 JP 6865093 A JP6865093 A JP 6865093A JP 6865093 A JP6865093 A JP 6865093A JP 2792806 B2 JP2792806 B2 JP 2792806B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄骨系住宅の建方工法
及び該工法に使用する柱頭ピースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄骨系2階建住宅の建方工法とし
て、地上近くで小屋組を有する上階梁組みと下階梁組み
を仮柱治具によって上下に組付けると共に、水平方向に
間隔を有して複数本のクライミングポールを垂直方向に
立設し、該クライミングポールに沿って尺取運動で昇降
する油圧ジャッキで上階梁組みを所定位置まで上昇させ
た後に、前記仮柱治具に代えて本柱を上下階梁組み間に
連結し、その後、上下階梁組みを、前記油圧ジャッキで
上昇させて施工する技術が知られている(特開平3−1
76568号公報参照)。
【0003】ところで、上記従来技術では、仮柱治具に
代えて本柱を立設して連結する作業は、高所作業であ
り、足場を要すると共に危険性を伴うほか、非常に作業
性が悪いという問題である。そこで、本願出願人は、上
記問題点を解消すべく、すでに改善工法を提案してい
る。即ち、この工法は、前記鉄骨系住宅の建方工法にお
いて、前記各階梁組みに組込んだ柱頭ピースに柱吊下治
具を予め固着しておき、該柱吊下治具から仮柱治具上端
が離れ、仮柱治具を除去した段階で前記柱吊下治具に本
柱の上端をボルト等を介して揺動可能に連結し、各階梁
組みによりその上昇に追従して本柱を吊上げて起立さ
せ、本柱を梁組み間及び梁組みと土台間に連結するもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記改善工法は、高所
作業を少なくして安全性及び作業性を高め、能率向上を
図りうるが、住宅内部に設けられる柱の連結は、在来工
法と同様に行わなければならないという問題がある。本
発明は、上述のような実状に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、住宅内部に設けられる本柱の立
設も地上近くで行ない、安全性及び作業性をさらに高め
うる鉄骨系住宅の建方工法及び該工法に使用する柱頭ピ
ースを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明工法は、地上近くで小屋組を有する上階梁組みと、下
階梁組みを仮柱治具によって基礎土台上に上下に組付け
ると共に、水平方向に間隔を有して複数本のクライミン
グポールを垂直方向に立設し、該クライミングポールに
沿って尺取運動で昇降する油圧ジャッキで上階梁組みを
所定位置まで上昇させた後に前記仮柱治具に代えて本柱
を上下階梁組み間に連結し、その後、上下階梁組みを前
記油圧ジャッキで上昇させ、前記仮柱治具に代えて本柱
を下階梁組みと基礎土台間に連結する鉄骨系住宅の建方
工法において、前記各階梁組みには、外周側柱用の外周
側柱頭ピースと内部柱用の柱を上下方向に貫通できる内
部柱頭ピースを組込み、前記外周柱頭ピースには柱吊下
げ治具を予め固着しておき、前記内部柱頭ピースには本
柱を予め貫通させると共に、下階用本柱の下端を基礎土
台上に固着し、上階用本柱の下端を下階梁組み上に固着
し、前記柱吊下治具から仮柱治具上端が離れ、仮柱治具
を除去した段階で前記柱吊下治具に外周側本柱の上端を
ボルト等を介して揺動可能に連結し、各階梁組みにより
その上昇に追従して外周側本柱を吊上げて起立させ、外
周側本柱を梁組み間及び梁組みと土台間に連結すると共
に、内部本柱の上端を内部柱頭ピースに固着連結するこ
とを特徴としている。
【0006】また、本発明に係る柱頭ピースは、上下方
向に柱を摺動自在に貫通しうる柱連結筒体と、該筒体側
面に三方又は四方に水平方向に突設された梁連結フラン
ジとから成り、前記筒体及びフランジに夫々複数の締結
孔が設けられていることを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明工法によれば、各階梁組みを上昇させる
とき、内部柱頭ピースがこれに貫通されている内部本柱
により案内され、各階梁組み及び小屋組が共に円滑かつ
安定よく上昇する。そして、各階梁組みを上昇させる途
中で、仮柱治具が柱吊下治具から離れて、仮柱治具を取
外す段階で、地上の近くで外周側柱頭ピースに取付けた
柱吊下治具に、外周側本柱の上端をピン等により揺動可
能に連結することにより、該本柱を他の揚上装置を用い
ることなく起立させると共に、該本柱の下端に柱脚ピー
ス上端から若干上昇させた後、油圧ジャッキにより梁組
みを下降させて柱脚ピースに嵌合させ、次いで外周側本
柱の上端を柱頭ピースに嵌合させることによって簡単に
仮柱治具を本柱と交換することができる。
【0008】このようにして、外周側本柱の連結が終了
した段階で、内部本柱を内部柱頭ピースにボルト等によ
り締結し連結することができ、内部本柱は、地上近くで
前もって立設されているので、他の揚上装置を用いて高
所で立設作業をしなくてもよい。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、地上近くでの梁組みの外周側部分の分解斜
視図で、1は住宅の基礎、2は鋼製土台、3は柱脚ピー
スであり、該ピース3は鋼製で柱締結孔3Aを備え、前
記土台2の本柱立設位置に対応して固着してある。な
お、図1は、図2に示す外周側柱立設位置0Pの梁組み
を示し、上下階共に同じ構造である。
【0010】4は外周側仮柱治具で、住宅本来の柱(本
柱)よりも相当短いそして締結孔4Aを有し、具体的に
は長さが80cm程度の鋼製角柱材から成り、柱脚ピース
3に嵌合立設され、必要に応じて前記締結孔3A,4A
を利用してボルト等で仮止め可能になっている。なお、
該仮柱治具4の上部には、切欠部4Bを有し、該切欠部
4Bを介して外周側柱頭ピース5が嵌合可能とされてい
る。また、柱脚ピース3には、図3に示すように締結孔
3Aの内側に裏ナット3Bが夫々締結孔3Aと同心的に
固着されている。
【0011】前記柱頭ピース5は、鋼製角柱材から成
り、水平フランジ6及び垂直フランジ7が突設され、締
結孔5A,6A,7Aを備えており、柱吊下治具8、梁
9及び後述の外周側本柱37が締結可能とされ、上端面
5Bには柱脚ピース3が固定自在とされている。前記柱
吊下治具8は、鋼板製で図4に例示するように、柱頭ピ
ース5への取付部8Aと、該取付部8Aの下部左右両側
から同方向でかつ対向状に突設されると共に下方に延出
された本柱連結部8B,8Cとを備え、取付部8Aには
締結孔8Dが設けられ、連結部8B,8Cには上下方向
に長い本柱連結用長孔8E,8Fが設けられており、図
5(A)、(B)に示すように外周側本柱37がボルト
38及びナット39等により取外し可能に連結しうるよ
うになっている。
【0012】なお、柱吊下治具8は、前記長孔8E,8
Fの長さ及び柱頭ピース5に対する位置関係が、前記本
柱37を吊下したときに、本柱37上端が柱頭ピース5
及び取付部8Aに干渉しないようになっており、しか
も、該治具8を柱頭ピース5に取付けた状態で、外周側
仮柱治具4の柱頭ピース5への嵌脱、本柱37の柱頭ピ
ース5への嵌入を容易に行ないうるようにしてある。
【0013】図6は、地上近くでの下階梁組み10の下
階用内部本柱40との接合部分を示し、前記梁9が内部
柱頭ピース41により連結されると共に、該内部柱頭ピ
ース41には、基礎土台2上に図2に示す下階内部柱立
設位置1Pに柱脚ピース3を介して立設された内部本柱
40が貫通されており、該ピース41は内部本柱40を
案内として上下摺動可能とされ、内部用仮柱治具42に
より基礎土台2上に支持されている。
【0014】前記内部本柱40の上端部内には、図7及
び図8に示す接続ピース43が嵌入され、スポット溶接
等により固着されている。該接続ピース43は鋼製角柱
材から成り、各側面には夫々前記柱40の上端に設けた
締結孔40Aと対応させて締結孔43Aを設けると共
に、締結孔43Aの裏側に裏ナット43Bが夫々該孔4
3Aと同心的に固着されており、上端には方形枠状フラ
ンジ43Cが固着されている。
【0015】前記内部柱頭ピース41は、図9に示すよ
うに鋼製角柱材からなる柱連結筒体41Aの四側面に夫
々水平フランジ44が突設され、本柱締結孔41B及び
梁締結孔44Aが設けられている。前記内部用仮柱治具
42は、図10に示すように、鋼製溝形材からなり、溝
開口側の1方の側板端縁外側部に、ヒンジ45により鋼
製固定バンド46が上下二カ所に装着され、対向側板下
端に基礎ボルト逃げ用の切欠き部47が設けられてい
る。なお、前記バンド46の先端46Aは、対向側板の
外側に係合させうるように直角状に折曲され、固定ボル
ト用のねじ孔48が設けられている。したがって、該仮
柱治具42は、固定バンド46を図10に2点鎖線で示
すように、対向側板を連結することにより、内部本柱4
0から外れないようにすることができ、固定バンド46
を図10に実線で示すように、固定を解放することによ
り、該仮柱治具42を本柱40から容易に取外すことが
できる。
【0016】図11は、地上近くでの上階梁組み12の
上階用内部本柱49との接合部分を示し、前記梁9が内
部柱頭ピース50により連結されると共に、該内部柱頭
ピース50には、上階用内部本柱49が貫通されてお
り、内部柱頭ピース50は前記本柱49を案内として上
下摺動可能とされると共に、前記内部仮柱治具42によ
り下階梁組み10上に支持されている。
【0017】前記上階用内部本柱49は、図2に示す上
階内部柱立設位置2Pに、下階梁組み10の梁9上に柱
脚ピース51により固定されており、上端内には図13
に示す接続ピース52が嵌入固着されている。前記内部
柱脚ピース50は、図12に示すように、鋼製角柱材か
らなる柱連結筒体50Aの四側面に水平フランジ53が
その上端面と柱頭ピース50上端面と略面一となるよう
に突設されると共に、前記内部本柱40との締結孔50
Bが設けられており、前記フランジ53には夫々梁連結
用の締結孔53Aが設けられている。
【0018】前記柱脚ピース51は、図11に示すよう
に、前記柱脚ピース3と同様に内面に裏ナット(図示省
略)が固着されており、そのベースプレート51Aが左
右両側に延出されてボルト締結孔(図示省略)が設けら
れ、該締結孔を利用して梁9上に固定されている。ま
た、前記接続ピース52は、図13に示すように、鋼製
角柱材から成り、内部には前記接続ピース43と同様に
内面に裏ナット(図示省略)が締結孔52Aと同心的に
固着され、上端には天端板54が固着されている。
【0019】なお、上階及び下階の内部本柱40及び4
9を、平面上同一位置に立設する場合は、図14に示す
ように上下階共通の通し柱55を、地上近くでの梁組み
時に立設し、前記内部柱頭ピース41,50を貫通させ
て、各ピース41,50を内部用仮柱治具42により支
持させる。前記通し柱55を用いる場合は、屋根を通し
柱55が貫通する。
【0020】次に、鉄骨2階建住宅の建方を図1〜図3
及び図6〜図22を参照して説明する。まず、地上近く
において、下階梁組み10と、小屋組11を有する上階
梁組み12を構築すると共に、持上げ装置13を構築す
る。すなわち、図1に示すように、住宅基礎1の土台2
の柱対応位置に第1柱脚ピース3を取付け、この第1柱
脚ピース3に第1仮柱治具4を挿脱自在に嵌合すると共
に、内部本柱40をその立設位置1Pの柱脚ピース3に
外嵌して取付け、予め内部本柱40に外嵌させた内部柱
頭ピース41を、内部仮柱治具42により基礎土台2上
に支持し、柱頭ピース5に柱吊下治具8を取付け、第1
仮柱治具4上部の水平方向で相対する柱頭ピース5,4
1間を互いに梁9で連結することで下階梁組み10を構
築し、次いで該下階梁組み10作業足場として小屋組1
1を有する上階梁組み12を前述同様に仮柱治具4,4
2等を利用して構築すると共に、上階用内部本柱49を
内部柱頭ピース50に貫通させてその下端を下階梁組み
10上に固定立設する。
【0021】一方、前述の上・下階梁組みの構築ととも
に、持上げ装置13の複数を水平方向に間隔をおいて構
築する。この持上げ装置13の配置、個数は、住宅の規
模、形状等によって決定され、梁組みを捩ることなく垂
直方向にプッシャジャッキアップできるものであればよ
い。持上げ装置13は、図15に示すように、土台14
を介して垂直方向に立設されたクライミングポール15
と、このクライミングポール15に沿って尺取虫運動で
昇降するジャッキ16と、クライミングポール15に摺
動自在として套嵌されているストローク調整治具17
と、梁受け治具18と、クライミングポール15に継ぎ
たされる継ぎポール19等から成っている。
【0022】クライミングポール15は、図21〜図2
2に示すように鋼製の角筒体であり、その下部が土台1
4に嵌挿されて図外のボルトによって締上げることによ
り垂直方向に立設されるとともに、その長手方向に所定
間隔をもってジャッキ爪の係合孔20が相対するように
一対宛形成されており、該ポール15の長さは図15〜
図17に示す如く持上げ前の小屋組11を貫通しない長
さとされていて、ここに、小屋組11上に地上近くにお
いて全面屋根葺が可能となっている。
【0023】ジャッキ16は、図22に示す如く、上下
で相対する取付金具21,22間に左右一対の油圧によ
る複動形伸縮シリンダ23を設けて、両取付金具21,
22を連結している。上下の取付金具21,22には、
ポール15に套嵌される角筒部24,25が設けられ、
この角筒部24,25にバネ26,27で係合方向に付
勢された一対のジャッキ爪28,29がポール15に対
して進退自在に嵌装されており、これによってジャッキ
爪28,29は係合孔20に対して係脱自在とされてい
る。
【0024】ジャッキ爪28,29の係合部上面にはテ
ーパー面28A,29Aが形成されるとともに、操作ハ
ンドル30,31が設けられ、該操作ハンドル30,3
1は鈎状係合部32A,33Aを有する位置決め保持体
32,33に挿通されて、ジャッキ爪28,29を離脱
姿勢と係合姿勢とに保持可能とされている。ジャッキ1
6は、図15〜図17に示す如くクライミングポール1
5に套嵌されて土台14上に装着されており、このジャ
ッキ16と梁受け治具18との間においてクライミング
ポール15にストローク調整治具17が摺動自在に套嵌
されている。
【0025】図21に示す如く、ストローク調整治具1
7は鋼製の角筒体であり、その下部には、ジャッキ16
への嵌合部17Aを有し、上部には、梁受け治具18の
支承部17Bを有している。一方、梁受け治具18は、
図21に示すように鋼製材料よりなり、その中央角筒部
34の両側に、受梁36の嵌合部35を有し、受梁36
は梁9間の下面に架設されて嵌合部35に形成した締結
孔35Aに図外のボルトで取付けられており、中央角筒
部34には切欠部34Aが形成されている。従って、ス
トローク調整治具17の支承部17Bを中央角筒部34
に挿嵌するとともに、受梁36間のスキマ36Aを介し
て横方向から継ぎポール19を切欠部34Aを通してポ
ール15に継ぎたすことができる。なお、継ぎポール1
9にも係合孔20が形成されていて、クライミングポー
ル15との継ぎ目は、互いにインロー嵌合できるととも
に、該嵌合部に係止爪等を設けて持上げ時に、離脱しな
いようにされている。
【0026】そこで、2階建住宅の構築にあたっては、
図15の状態でジャッキ16の伸縮シリンダ23に、伸
長方向の油圧を送ることにより、図22(B)に示す上
位のジャッキ爪28がテーパー面28Aを介してバネ2
6に抗して係合孔20から離脱されつつ上昇し、一段上
の係合孔20に再係合する。この間、下位のジャッキ爪
29は係合孔20に対して係合姿勢を維持している。
【0027】また、上述のクライミングポール15に沿
う上昇において、ストローク調整治具17も同行して梁
受け治具18を介して上階梁組み12を小屋組11とと
もに垂直方向に持上げることになる。上位のジャッキ爪
28が一段上の係合孔20に再係合した後に、伸縮シリ
ンダ23に縮小方向の油圧を供給することによって、下
位のジャッキ爪29はそのテーパー面29Aを介してバ
ネ27に抗して係合孔20から離脱しつつ上昇し、一段
上の係合孔20に再係合し、このように、伸縮シリンダ
23の伸縮動作によってジャッキ16はクライミングポ
ール15に沿って所謂尺取虫運動によって上階梁組み1
2を徐々に垂直方向に持上げる。このとき、内部柱頭ピ
ース50は内部本柱49に案内されて円滑に上昇する。
【0028】図16に示すように、上階梁組み12の柱
頭ピース5下端が仮柱治具4の上端から十分に離れると
共に、柱吊下治具8に干渉しなくなった段階で、各仮柱
治具4,42を取外し、外周側本柱37の上端をボルト
38、ナット39により長孔8E,8Fを介して柱吊下
治具8に連結し、該本柱37を斜め状態とした後、再び
上階梁組み12をジャッキアップする。
【0029】所定の持上げにより、ストローク調整治具
17及び外周側本柱37も同行し、一方、クライミング
ポール15の長さは短いことから、受梁36のスキマ3
6A及び切欠部35Aを通して継ぎポール19をストロ
ーク調整治具17に挿通し、その下端をクライミングポ
ール15に差込み、クライミングポール15の不足部を
継ぎポール19によって補い、上階梁組み12を2階の
天井部相当位置より若干上方まで持上げた後、上階梁組
み12により吊下されている外周側本柱37の下端を下
階梁組み10上の柱脚ピース3に合致させて上階梁組み
12を下降させ、柱脚ピース3に外周側本柱37を嵌合
させると共に、長孔8E,8Fをガイドとして柱頭ピー
ス5を前記各本柱37の上端に嵌入させ、各ピース3,
5と前記本柱37をボルト等により連結し、内部柱頭ピ
ース50と上階用内部本柱49とを連結して、上・下階
梁組み12,10を図17に示すように、連結一体化す
る。
【0030】その後、梁受け治具18は下階梁組み10
の下面に装着するとともに、ジャッキ16はクライミン
グポール15に沿って降下させ、図18に示す如く土台
14上に再セットし、2階部分(2F)は、外受材等の
付帯作業を行なう。この付帯作業は、下階梁組み10を
作業足場として実施できる。そして、ストローク調整治
具17は最早必要でないことから、これを取外した状態
で、2階部分(2F)と下階梁組み10をともに、ジャ
ッキ16による前述した尺取虫運動によってクライミン
グポール15に沿って垂直方向に持上げる。このとき、
内部柱頭ピース41は内部本柱40に案内されて円滑に
上昇する。
【0031】図19に示すように、下階梁組み10の柱
頭ピース5に固着した柱吊下治具8が、仮柱治具4から
十分に離れると、各仮柱治具4,42を取外し、吊下げ
られた外周側本柱37の上端をボルト38、ナット39
により長孔8E,8Fを介して柱吊下治具8に連結し、
外周側本柱37を斜め状態とした後、再び下階梁組み1
0をジャッキアップする。
【0032】そして、下階梁組み10を所定高さまで持
上げ、吊下げられた外周側本柱37の下端が柱脚ピース
3よりも若干上方位置に達した段階で、前記本柱37の
下端を柱脚ピース3に合致させて再度下階梁組み10を
下降させ、外周側本柱37の下端に柱脚ピース3に嵌合
させると共に、柱頭ピース5を前記本柱37上端に嵌合
させて連結し、内部柱頭ピース41を前もって立設され
ている内部本柱40に連結して、下階梁組み10を前記
本柱37、内部本柱40を介して基礎1の土台2に連結
し、図20に示すように、外装工事、内装工事等を除く
躯体の構築が略完了する。その後、持上げ装着13は撤
去され、前記柱吊下治具8は外周側本柱37を柱頭ピー
ス5に締結する際に取外される。
【0033】上記実施例によれば、内部本柱40,49
は、地上近くでの梁組み時に基礎土台2又は下階梁組み
10上に立設できるので、作業が容易でかつ足場を要せ
ず、安全性及び能率向上を図ることができ、しかも内部
柱頭ピース41,50を案内するので、上下階梁組み1
0,12の上昇を円滑にすることができる。そして、内
部本柱40,49、クライミングポール15は小屋組1
1を貫通しないので、地上近くで全面屋根葺きした状態
での構築ができる。また、本柱37により上・下階梁組
み12,10間及び下階梁組み10への下階側の本柱3
7との連結を地上近くで行なうことができ、本柱37を
連結するために足場を要せず、高所作業を少なくするこ
とができる。
【0034】なお、前記上階用内部本柱49は、地上近
くでの梁組みに際して、小屋組11の屋根を貫通しない
ように配設されるが、柱立設位置によっては屋根の一部
分の葺上げを後にして、前記本柱49が屋根を貫通させ
ることもあり、特に上階及び下階用内部本柱40,49
の位置が上下一致する場合及び通し柱とする場合には、
屋根を貫通せざるを得ない。
【0035】また、上記実施例では、柱脚ピース3,5
1、接続ピース43,52内に、裏ナット3B,43B
を固着してあるので、柱脚ピース3,51、柱頭ピース
5,41,50と本柱37,40,40との連結作業が
容易で、能率向上を図ることができる。本発明は、上記
実施例に限定されるものではなく、例えば、下階用内部
柱頭ピース41は上階用内部柱頭ピース50と同じ構造
とすることができるとともに、水平フランジ44,53
は3又は2個とすることができ、内部仮柱治具42も他
の構造を採用でき、さらに、クライミングポールは継足
し式ではなく、長尺の1本物とすることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明方法は、上述のように、地上近く
で小屋組を有する上階梁組みと、下階梁組みを仮柱治具
によって基礎土台上に上下に組付けると共に、水平方向
に間隔を有して複数本のクライミングポールを垂直方向
に立設し、該クライミングポールに沿って尺取運動で昇
降する油圧ジャッキで上階梁組みを所定位置まで上昇さ
せた後に前記仮柱治具に代えて本柱を上下階梁組み間に
連結し、その後、上下階梁組みを前記油圧ジャッキで上
昇させ、前記仮柱治具に代えて本柱を下階梁組みと基礎
土台間に連結する鉄骨系住宅の建方工法において、前記
各階梁組みには、外周側柱用の外周側柱頭ピースと内部
柱用の柱を上下方向に貫通できる内部柱頭ピースを組込
み、前記外周柱頭ピースには柱吊下げ治具を予め固着し
ておき、前記内部柱頭ピースには本柱を予め貫通させる
と共に、下階用本柱の下端を基礎土台上に固着し、上階
用本柱の下端を下階梁組み上に固着し、前記柱吊下治具
から仮柱治具上端が離れ、仮柱治具を除去した段階で前
記柱吊下治具に外周側本柱の上端をボルト等を介して揺
動可能に連結し、各階梁組みによりその上昇に追従して
外周側本柱を吊上げて起立させ、外周側本柱を梁組み間
及び梁組みと土台間に連結すると共に、内部本柱の上端
を内部柱頭ピースに固着連結することを特徴とするもの
であるから、上下階用内部本柱を立設する作業及び外周
側本柱を仮柱治具と交換しかつ連結する作業は地上近く
で行なうことができ、したがって特別に足場装置を必要
とせず、高所作業を少なくすることができ、安全性、作
業性及び能率向上を図ることができる。
【0037】また、本発明に係る柱頭ピースは、上下方
向に柱を摺動自在に貫通しうる柱連結筒体と、該筒体側
面に三方又は四方に水平方向に突設された梁連結フラン
ジとから成り、前記筒体及びフランジに夫々複数の締結
孔が設けられていることを特徴とするものであるから、
住宅内部の本柱を地上近くで立設することができ、かつ
ジャッキアップ時に本柱を案内として円滑に上昇しうる
ので、各階梁組みを安定的に上昇させることかでき、作
業性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すもので、地上近くにおけ
る梁組みの外周側部分の分解斜視図である。
【図2】住宅の柱立設位置を示す平面図である。
【図3】柱脚ピースの縦断面図である。
【図4】柱吊下治具の一例を示す斜視図である。
【図5】柱吊下治具を柱頭ピースに取付けた状態を示
し、(A)は正面図、(B)は右側面図である。
【図6】下階用内部本柱の地上近くにおける梁組みへの
組込み立設状態を示す一部破断正面図である。
【図7】下階用接続ピースの斜視図である。
【図8】下階用接続ピースの縦断面図である。
【図9】下階用内部柱頭ピースの斜視図である。
【図10】内部仮柱治具の一例を示す斜視図である。
【図11】上階用内部本柱の地上近くにおける梁組みへ
の組込み立設状態を示す一部破断正面図である。
【図12】上階用内部柱頭ピースの斜視図である。
【図13】上階用接続ピースの斜視図である。
【図14】通し柱の上下階梁組みへの組込み立設状態を
示す一部破断正面図である。
【図15】地上近くでの梁組み状態を示す正面図であ
る。
【図16】上階梁組みのジャッキアップ途中における本
柱吊下装着状態を示す正面図である。
【図17】2階部分のジャッキアップ状態を示す正面図
である。
【図18】2階部分と下階梁組みのジャッキアップ前の
状態を示す正面図である。
【図19】2階部分と下階梁組みのジャッキアップ途中
における本柱吊下装着状態を示す正面図である。
【図20】2階部分と1階部分のジャッキアップ完了状
態を示す正面図である。
【図21】梁受け治具、ストローク調整治具、継ぎポー
ル及びクライミングポールの関係を示す斜視図である。
【図22】ジャッキの詳細を示し、(A)は正面図、
(B)は一部切欠側面図、(C)は平面図である。
【符号の説明】
1 基礎 2 土台 4 仮柱治具 5 柱頭ピース 8 柱吊下治具 10 下階梁組み 11 小屋組 12 上階梁組み 15 クライミングポール 16 油圧ジャッキ 37 外周側本柱 38 ボルト 39 ナット 40 下階用内部本柱 41 内部柱頭ピース 41A 柱連結筒体 41B 締結孔 42 内部用仮柱治具 43 水平フランジ 49 上階用内部本柱 50 上階用内部柱頭ピース 50A 柱連結筒体 50B 締結孔 51 柱脚ピース 53 水平フランジ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−185214(JP,A) 特開 平6−42186(JP,A) 特開 平3−176568(JP,A) 特開 昭57−116848(JP,A) 特開 平4−128472(JP,A) 特開 平3−197735(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 21/14 E04B 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上近くで小屋組を有する上階梁組み
    と、下階梁組みを仮柱治具によって基礎土台上に上下に
    組付けると共に、水平方向に間隔を有して複数本のクラ
    イミングポールを垂直方向に立設し、該クライミングポ
    ールに沿って尺取運動で昇降する油圧ジャッキで上階梁
    組みを所定位置まで上昇させた後に前記仮柱治具に代え
    て本柱を上下階梁組み間に連結し、その後、上下階梁組
    みを前記油圧ジャッキで上昇させ、前記仮柱治具に代え
    て本柱を下階梁組みと基礎土台間に連結する鉄骨系住宅
    の建方工法において、 前記各階梁組みには、外周側柱用の外周側柱頭ピースと
    内部柱用の柱を上下方向に貫通できる内部柱頭ピースを
    組込み、前記外周柱頭ピースには柱吊下げ治具を予め固
    着しておき、前記内部柱頭ピースには本柱を予め貫通さ
    せると共に、下階用本柱の下端を基礎土台上に固着し、
    上階用本柱の下端を下階梁組み上に固着し、前記柱吊下
    治具から仮柱治具上端が離れ、仮柱治具を除去した段階
    で前記柱吊下治具に外周側本柱の上端をボルト等を介し
    て揺動可能に連結し、各階梁組みによりその上昇に追従
    して外周側本柱を吊上げて起立させ、外周側本柱を梁組
    み間及び梁組みと土台間に連結すると共に、内部本柱の
    上端を内部柱頭ピースに固着連結することを特徴とする
    鉄骨系住宅の建方工法。
  2. 【請求項2】 上下方向に柱を摺動自在に貫通しうる柱
    連結筒体と、該筒体側面に三方又は四方に水平方向に突
    設された梁連結フランジとから成り、前記筒体及びフラ
    ンジに夫々複数の締結孔が設けられていることを特徴と
    する柱頭ピース。
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