JP2004116285A - 架構構造物 - Google Patents

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松村 憲二
Akira Horie
堀江 明
Hiroshi Harada
原田 啓
Yutaka Terauchi
寺内 豊
Masaaki Hanaoka
花岡 正明
Nobuo Kikuta
菊田 伸夫
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Abstract

  【課題】 本発明の課題は、建設工期の短縮、および建設コストの削減を達成し得る架構構造物を提供することにある。
  【解決手段】 本発明に関わる架構構造物100は、下部構造体110における柱部材111および上部構造体120における柱部材121の少なくとも一方の柱部材の端部に、上部構造体120の下降動作に伴って他方の柱部材111の端部に貫入することにより下部構造体110の柱部材111と上部構造体120の柱部材121とを相互に案内して下部構造体110と上部構造体120との相互の位置決めを行なうガイド部材130を設けたことを特徴としている。
  【選択図】 図8

Description

  本発明は、架構構造物に関するものであり、詳しくは柱部材と床体との接合部分の構成、および柱部材同士の接合部分の構成に関するものである。
  例えば、各種プラントの建設時において、各設備(プラント機器)を搭載するための、図13に示す如き架構構造物Aを建設する場合には、先ず地盤Gに基礎杭Bを打設し、次いで基礎杭Bの上に基礎体Cを製作したのち、この基礎体Cの上において架構構造物Aの組立て作業が行なわれる。
  ところで、上述した従来の工法では、地盤Gに打設した基礎杭Bの上に基礎体Cを製作する際、型枠の組立て、鉄筋の組込み、さらにコンクリート打設等の一連の作業を必要とし、このため基礎工に長時間が費やされることとなる。
 一方、架構構造物Aの組立てにおいては、柱部材Aaを建ち上げつつ、下層から順に床Abを製作して行くので、各層の床Abを製作する際に高所での継続的な作業を必要とし、このために作業能率が上がらず、架構構造物Aの組立てに長時間を要することとなる。
 このように、従来の架構構造物の構造においては、基礎工の開始から架構構造物の組立ての完了までに長時間を必要とし、これによってプラント建設に関わる工期の長期化や、工期の長期化に伴う建設コストの増大を招いていた。
 一方、図14に示す如く、下部構造体Lと上部構造体Uとから構成される架構構造物Hを建設する場合には、地盤Gに下部構造体Lを構成する複数本の柱部材La,La…を立ち上げるとともに、複数本の柱部材Ua,Ua…を備えた上部構造体Uを仮組場所において製作し、この上部構造体Uを大型クレーンによって下部構造体Lに積み上げたのち、下部構造体Lにおける柱部材Laの上端と、上部構造体Uにおける柱部材Uaの下端とを、溶接等によって互いに接合させることにより建設されている。
 ところで、上述した架構構造物Hを建設する際、下部構造体Lに上部構造体Uを積み上げる工程では、剛体同士の結合となるために、接続位置の誤差許容量が極めて限定されることとなり、上部構造体Uの自重による撓みや捻りを防止するための対策をとったり、クレーンの操作によって下部構造体Lに対する上部構造体Uの位置調整を行なう必要があり、この位置調整には高度のクレーン操作技術を持ったオペレータや、熟練した技能の作業者によっても多大な作業時間を必要とする不都合がある。
 また、下部構造体Lの柱部材La、および上部構造体Uの柱部材Uaは、それぞれ垂直度 1/500 程度の施工精度が要求されることがあり、柱部材Laおよび柱部材Uaの垂直度が許容誤差を越えた場合には、下部構造体Lに対する上部構造体Uの組付けが極めて困難となり、下部構造体Lあるいは上部構造体Uの作り直しによって、工期の大幅な長期化や建設コストの増大を招く虞れがある。
 このように、従来の架構構造物においては、下部構造体と上部構造体との組付けに長時間の作業を必要とし、併せて大幅な工期の長期化や建設コストの増大を招来する不都合があった。
 本発明は上記実状に鑑みて、建設工期の短縮、および建設コストの削減を達成し得る架構構造物の提供を目的とするものである。
  上記目的を達成するべく、本発明に関わる架構構造物では、下部構造体および上部構造体の少なくとも一方の柱部材の端部にガイド部材を設け、このガイド部材を上部構造体の下降動作に伴って他方の柱部材の端部に貫入することにより、下部構造体の柱部材と上部構造体の柱部材とを相互に案内して、下部構造体と上部構造体との相互の位置決めを行なうよう構成している。
  以上、詳述した如く、本発明に関わる架構構造物では、下部構造体および上部構造体の少なくとも一方の柱部材の端部に、下部構造体の柱部材と上部構造体の柱部材とを相互に案内して下部構造体と上部構造体との相互の位置決めを行なうガイド部材を設けたことにより、下部構造体に上部構造体を積み上げる際、ガイド部材の作用によって柱部材同士の相対的な位置決めが為されるので、高度のクレーン操作技術を必要とすることなく作業性が大幅に改善され、構造体の据え付け作業を容易、かつ短い作業時間で実施し得る。
 また、柱部材の垂直度が施工の許容誤差を越えている場合でも、ガイド部材の作用によって柱部材同士の位置調整が強制的に行なわれるために、構造体の再製作に伴う工期の長期化や建設コストの増大を招くことがない。
 かくして、本発明に関わる架構構造物によれば、建設工期の短縮、および建設コストの削減を達成することが可能となる。
 以下、実施の形態を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。図1ないし図6は、本発明をプラントの各設備(プラント機器)を搭載するための高層架構構造物に適用した例を示している。
 図1および図2に示すように、架構構造物1は地盤Gに建ち上げられた複数本(実施例においては6本)の柱部材10,10…と、これら柱部材10,10…に支持された2階部分の床体2A、2B、3階部分の床体3A、3B、および4階部分の床体4A、4Bとを具備している。
 また、この架構構造物1は、後述するように柱部材群を構成する柱部材10,10…を地盤Gに建ち上げた後、予め所定の形状に製作した各床体2A,2B,3A,3B,4A,4Bを、それぞれ柱部材10,10…の頂部より挿入させ、柱部材10,10…における所定の高さ位置に落し込み、こののち、床体2A,2B,3A,3B,4A,4Bを、それぞれ柱部材10,10…に固定することにより建設される。
 図1から明らかなように、柱部材10,10…は、地盤Gに打設された基礎杭20において地上に露呈している部位20aと、この基礎杭20(20a)に接合された素管10A,10B,10Cとから構成されている。すなわち、上記柱部材10,10…は、基礎杭20の地上に露呈している部位20aを、少なくとも一部に使用することによって構成されている。
 ここで、上記柱部材10の一部を構成している基礎杭20は、丸管から成る鋼管杭であり、また基礎杭20と共に柱部材10を形成している素管10A〜10Cは、それぞれ基礎杭20と同一の規格(同径、同材質)の丸管から構成されている。
 また、図1に示すように柱部材10,10…には、該柱部材10,10…の頂部から落し込まれた床体2A,2B,3A,3B,4A,4Bを載置させ、これら床体2A,2B,3A,3B,4A,4Bを、それぞれ柱部材10,10…に対する所定の高さ位置に支持するためのストッパ手段30が設けられている。
 このストッパ手段30は、図4および図5に示す如く、柱部材10の外周に形成されたスリット31と、このスリット31を介して柱部材10に係止されたフック32とから構成されており、このフック32は柱部材10に対して容易に取付け、取外しが可能である。
 一方、床体2Aは、プラント機器が搭載される床体本体2Aaと、この床体本体2Aaの縁部に設けられて柱部材10の挿入されるガイドフレーム2Abとを備えており、このガイドフレーム2Abは床体2Aを支持する柱部材10,10…に対応した位置に設けられ、床体2Aにおいては床体本体2Aaの4隅に形成されている。
 さらに、ガイドフレーム2Abには、同一の水平面において3方向から柱部材10を押圧するジャッキボルト40,40,40が設けられており、これらジャッキボルト40,40,40によって、柱部材10,10…と床体2Aとの水平方向における相対位置を調整するためのアジャスト手段が構成されている。
 なお、図4および図6に示す如く、床体本体2Aaの縁部には、ガイドフレーム2Abの内部に臨む態様で位置決めブロック2Acが設けられており、この位置決めブロック2Acをジャッキボルトによって構成することも可能である。
 一方、他の床体2B,3A,3B,4A,4Bも、上述した床体2Aと同じく床体本体2Ba,3Aa,3Ba,4Aa,4Baと、ガイドフレーム2Bb,3Ab,3Bb,4Ab,4Bbとを有しており、これらガイドフレーム2Bb〜4Bbには、各々アジャスト手段(ジャッキボルト)が設けられている。
 上述した構成の架構構造物1を建設するには、まず地盤Gの所定位置に基礎杭20,20…を各々打設し、次いで基礎杭20,20…の上部に、素管10A,10B,10Cを接合して、所定高さの柱部材10,10…を建ち上げる。
 ここで、上記基礎杭20,20…は、柱部材10,10…に作用する垂直荷重に見合う地耐力で打設されており、さらに基礎杭20,20…が、荷重に対応した管径、肉厚、材質の鋼管によって構成されていることは言うまでもない。
 なお、基礎杭としては、RC(鉄筋コンクリート)杭の上部に鋼管を接続して成り、RC杭が地中に没するまで打ち込んで施工されるものもあり、このような構成の基礎杭においても、地上に露呈する部位は、荷重に対応した管径、肉厚、材質の鋼管によって構成されている。
 柱部材10,10…の建ち上げ作業を行なう一方で、地上において床体2A,2B,3A,3B,4A,4Bを製作し、さらに床体2A,2B,3A,3B,4A,4Bに各々プラント機器を搭載する。すなわち、柱部材10,10…の建ち上げと、床体2A,2B,3A,3B,4A,4Bの製作とを同時に進行させる。
 柱部材10,10…の建ち上げが完了したのち、各柱部材10,10…に2階部分の床体2A,床体2Bを支持するためのストッパ手段30のフック32のみを掛止して取り付ける。言い換えれば、床体2Aおよび床体2Bよりも上層、すなわち3階部分の床体3A,3Bを支持するフック32、および4階部分の床体4A,4Bを支持するフック32は、後述する床体2A,床体2Bの落し込みの邪魔となるので、柱部材10,10…には取り付けない。
 また、柱部材10,10…の頂部には、円錐形状を呈するガイドキャップ11を取り付けておく。なお、このガイドキャップ11は、架構構造物1の建設作業が完了したのちに取り外される。
 柱部材10,10…に対して、フック32とガイドキャップ11とを取り付けたのち、柱部材10,10…にガイドプレート51を挿入して落し込み、ストッパ手段30のフック32に載置させる。上記ガイドプレート51は、図4に示す如く矩形状を呈する板材であり、中央には柱部材10の貫通する開口51aが形成されている。
 柱部材10,10…に、各々ガイドプレート51を装着したのち、床体2Aにおける4つのガイドフレーム2Ab,2Ab…に、それぞれ柱部材10,10…を挿入し、次いで床体2Aを落し込んで上述したガイドプレート51,51…の上に載置させることにより、上記床体2Aは柱部材10,10…における所定の高さ位置に支持されることとなる。
 ここで、床体2Aのガイドフレーム2Abに柱部材10を挿入する際、柱部材10における垂直度の誤差やクレーン作業時の揺れ等に起因して、ガイドフレーム2Abと柱部材10との相対位置が多少ずれた場合であっても、床体2Aの下降に伴ってガイドフレーム2Abが柱部材10のガイドキャップ11に案内されることにより、ガイドフレーム2Abと柱部材10との相対位置が矯正され、床体2Aは何ら支障なく柱部材10,10…における所定の高さ位置にまで落し込まれる。
 床体2Aを、柱部材10,10…における所定の高さ位置に支持させたのち、アジャスト手段としてのジャッキボルト40,40,40を操作することで、柱部材10,10…と床体2Aとの水平方向における相対位置の調整を行なう。
 次いで、柱部材10,10…にガイドプレート52を挿入して落し込み、ガイドフレーム2Abに載置させる。上記ガイドプレート52は、図4に示す如くガイドプレート51と同じく矩形状を呈する板材であり、中央には柱部材10の貫通する開口52aが形成されている。
 ガイドプレート52を装着したのち、柱部材10とフック32、フック32とガイドプレート51、ガイドプレート51と柱部材10、およびガイドプレート51とガイドフレーム2Abとを溶接するとともに、ガイドプレート52と柱部材10、およびガイドプレート52とガイドフレーム2Abとを溶接することによって、床体2Aと柱部材10,10…とを互いに結合する。
 ここで、上述したガイドプレート51およびガイドプレート52を介して、床体2Aと柱部材10,10…とを結合することにより、柱部材10とフック32と床体2A(ガイドフレーム2Ab)との間の誤差が吸収されると共に、溶接箇所の増大による結合強度の向上、延いては架構構造物1の全体強度が確保されることとなる。
 一方、図3に示す如く、床体2Aと床体2Bとが隣り合っている部位では、柱部材10,10…に床体2Aを落し込んで、該床体2Aを所定の高さ位置に支持させたのち、柱部材10,10…に床体2Bを落し込む。
 ここで、床体2Aにおけるガイドフレーム2Abと、床体2Bにおけるガイドフレーム2Bbとは、それぞれ床体本体2Aa,2Baに対する設置位置が上下に食い違っており、このため柱部材10,10…に床体2Bを落し込んだ際、床体2Aにおけるガイドフレーム2Abの上に、床体2Bのガイドフレーム2Bbが載置し、床体2Aと床体2Bとが同一の高さ位置に支持されることとなる。
 次いで、床体2Bにおける各ジャッキボルト40を操作して、床体2Bと柱部材10,10…との水平方向における相対位置を調整し、柱部材10,10…に挿入したガイドプレート52を床体2Bのガイドフレーム2Bbに載置させたのち、柱部材10とフック32とガイドプレート51および床体2A(ガイドフレーム2Ab)とを互いに溶接するとともに、柱部材10とガイドプレート52および床体2B(ガイドフレーム2Bb)とを互いに溶接して、柱部材10,10…に床体2Aと床体2BAとを固定する。
 なお、床体2Bにおいて架構構造物1の外方側に位置するガイドフレーム2Bbは、床体2Aにおいて架構構造物1の外方側に位置するガイドフレーム2Bbと全く同様の態様によって柱部材10,10…に固定される。
 上述した工程によって、柱部材10,10…に対する床体2Aと床体2Bとの固定が完了したのち、同様にして3階部分の床体3A,床体3Bを柱部材10,10…に固定し、次いで4階部分の床体4A,床体4Bを柱部材10,10…に固定することにより架構構造物1の組み立てが完了する。
 上述した構成の架構構造物1では、地盤Gに打設された基礎杭20の地上に露呈している部位20aを、柱部材10の一部として使用しているので、従来の工法において架構構造物(柱部材)を支持するための基礎体が不要となるばかりでなく、基礎工と架構構造物の組立て作業の一部とが一体化して進行することとなり、もって従来工法に比較して建設工期を大幅に短縮することが可能となる。
 また、上述した構成の架構構造物1においては、柱部材10,10…の建ち上げと、床体2A〜4Bの製作とを同時に進行させておき、予め所定の形状に製作した各床体2A〜4Bを、それぞれ柱部材10,10…に固定しているので、柱部材の建ち上げに次いで、2階床梁の取付け、3階床梁の取付け、4階床梁の取付け、全体の芯出し、ボルトの本締および溶接、床張り、そして各階へのプラント設備の搭載を行なっていた従来の工法に比較して、架構構造物の建設に関わる工期を大幅に短縮することができ、併せて各階層での作業時間が大幅に短縮されて高所での作業量が減少するために、作業能率の向上、さらには作業環境における安全性に関して極めて大きなメリットとなる。
 なお、上述した実施の一態様においては、柱部材10を構成する基礎杭20と素管10A〜10Cとを、共に同一規格の丸型の鋼管によって構成しているが、必要とする強度に応じて互いに規格の異なる鋼管を採用することも、また基礎杭20と素管10A〜10Cとを角型の鋼管から構成することも可能であり、さらに基礎杭20と素管10A〜10Cとを、鋼管以外の適宜な部材によって構成し得ることは勿論である。
 また、上述した高層の架構構造物1においては、柱部材10を基礎杭20の地上に露呈している部位20aと素管10A〜10Cとから構成、換言すれば基礎杭20の地上に露呈している部位20aを柱部材10の一部としているが、低層の架構構造物の場合には、基礎杭の地上に露呈している部位によって、柱部材の全体を構成し得ることは言うまでもない。
 さらに、本発明はプラントにおいて各設備を搭載するための架構構造物のみならず、精密な外装仕上げを要求しない各種架構構造物においても、極めて有効に適用し得るものであることは勿論である。
 図7ないし図12は、本発明をプラントの各設備(プラント機器)を搭載するための架構構造物に適用した例を示している。図7および図8に示す如く、架構構造物100は地盤G上に構築された下部構造体110と、この下部構造体110の上方に結合された上部構造体120とを具備している。
 下部構造体110は、地盤Gに建ち上げられた複数本の柱部材111,111…から構成されている一方、上部構造体120は上記下部構造体110の柱部材111,111…に対応した複数本の柱部材121,121…と、これら柱部材121に支持された梁部材122,122…とから構成されている。
 また、この架構構造物100は、後述するように下部構造体110を構成する柱部材111,111…を地盤Gに建ち上げる一方、上部構造体120を地盤G上の図示していない仮組場所において製作しておき、大型のクレーンを使用して上部構造体120を下部構造体110の上方に積み上げ、下部構造体110における柱部材111の上端111aと、上部構造体120における柱部材121の下端121aとを溶接して互いに結合させることよって建設される。
 図8に示すように、下部構造体110を構成している柱部材111,111…は、それぞれ地盤Gに打設された基礎杭200,200…において、地上に露呈している部位を利用して構成されている。
 ここで、上記柱部材111,111…を構成している基礎杭200は、丸管から成る鋼管杭であり、また上部構造体120の柱部材121,121…は、各々基礎杭20と同一の規格(同径)の丸管から構成されている。すなわち、下部構造体110の柱部材111,111…と、上部構造体120の柱部材121,121…は、共に管体(丸管)から構成されている。
 また、図8に示すように、上部構造体120における柱部材121,121…の下端部121a,121a…には、下部構造体110と上部構造体120との位置決め、詳しくは柱部材111と柱部材121との相互の位置決めを行なうガイド部材130,130…が取り付けられている。
 このガイド部材130は、図9および図10に示す如くストレート部130aとテーパ部130bとを有しており、テーパ部130bが柱部材121の下端部121aから突出するに従って先細りとなる態様で、ストレート部130aを柱部材121の下端部121aに挿入した状態で、柱部材121に対し溶接されて固定されている。
 一方、図10に示すように、下部構造体110の柱部材111における上端部111aの内部には、後述のようにガイド部材130が柱部材111に挿入された際、ガイド部材130と当接するストッパー部材112を固設することができる。
 上述した構成の架構構造物100を建設するには、まず地盤G上の所定位置に基礎杭200,200…を打設し、これら基礎杭200,200…において地上に露呈している部位を利用することにより、所定高さの柱部材111,111…を建ち上げて地盤G上に下部構造体110を構築する。
 ここで、上記基礎杭200,200…は、柱部材111,111…に作用する垂直荷重に見合う地耐力で打設されており、さらに基礎杭200,200…が、荷重に対応した管径、肉厚、材質の鋼管によって構成されていることは言うまでもない。
 なお、基礎杭としては、RC(鉄筋コンクリート)杭の上部に鋼管を接続して成り、RC杭が地中に没するまで打ち込んで施工されるものもあり、このような構成の基礎杭においても、地上に露呈する部位は、荷重に対応した管径、肉厚、材質の鋼管によって構成されている。
 地盤G上に柱部材111,111…を建ち上げ、下部構造体110を構築する一方、地盤G上の仮組場所(図示せず)において、垂直に立てた複数本の柱部材121,121…に梁部材122,122…を架設して上部構造体120を構築するとともに、この上部構造体120における柱部材121,121…の下端部121a,121a…に、それぞれ上述したガイド部材130,130…を固設する。
 下部構造体110および上部構造体120の製作が完了したのち、下部構造体110に上部構造体120を据え付けるべく、上部構造体120を大型のクレーンを用いて仮組場所から吊り上げ、下部構造体110の上方域に移動させる。
 次いで、クレーンの操作により、下部構造体110に対する上部構造体120の水平方向(前後左右)の位置調整を行なったのち、上部構造体120を下部構造体110に積み上げるべく下降させる。
 このとき、下部構造体110における柱部材111,111…の中心軸線に対して、上部構造体120における柱部材121,121…の中心軸線がずれている場合、上部構造体120の下降に伴って、下部構造体110の柱部材111における上端部111aにガイド部材130が挿入され、ガイド部材130におけるテーパ部130bが、柱部材111における上端部111a…の内周縁部に当接して、上部構造体120の下降動作に伴って案内されることで、柱部材111の中心軸線と柱部材121の中心軸線とが互いに一致することとなる。
 また、下部構造体110の柱部材111,111…、および上部構造体120の柱部材121,121…の垂直度が許容誤差を越えていることにより、柱部材111の上端部111aと、柱部材121の下端部121aとの中心軸線がずれている場合でも、上述した如く柱部材121の下端部121aに設けたガイド部材130によって、柱部材111と柱部材121との位置調整が強制的に行なわれることとなる。
 上部構造体120の下降に伴って、図10(b)に示す如くガイド部材130が柱部材111の上端部111aに貫入するとともに、ストッパー部材112にガイド部材130が当接することにより、柱部材111と柱部材121との位置決め、言い換えれば下部構造体110と上部構造体120との相互の位置決めが行なわれつつ、下部構造体110に上部構造体120が積まれることとなる。
 上述した如く、下部構造体110に上部構造体120を積み上げる際、柱部材111と柱部材121と中心軸が多少ずれていても、ガイド部材130の作用によって、柱部材111と柱部材121との相対的な位置決めが為されるので、高度のクレーン操作技術を必要とすることなく、従来の工法に比較して作業性が大幅に改善されることとなり、もって構造体の据え付け作業を容易、かつ短い作業時間で実施することが可能となる。
 また、上述した如く、柱部材111や柱部材121の垂直度が、施工の許容誤差を越えている場合でも、ガイド部材130の作用によって、柱部材111と柱部材121との位置調整が強制的に行なわれるので、構造体の再製作に伴う工期の長期化や建設コストの増大を未然に防止することができる。
 上述した如く、下部構造体110に上部構造体120が積まれたのち、図10(b)のように、柱部材111における上端部111aと、柱部材121における下端部121aとの会合部位を、外方から全周溶接して結合することにより、下部構造体110に対する上部構造体120の組付け作業が完了する。
 ここで、管体同士を接続する方法として従来から用いられているダイヤフラム接続やフランジ接続は、接合に多くの手間と時間とを必要とするのに対し、上述の如く柱部材111と柱部材121との会合部位を、外方から全周溶接することによって、柱部材111と柱部材121との結合作業を、極めて容易かつ短時間で実施することが可能となる。
 上述したように、下部構造体110における柱部材111,111…と、上部構造体120における柱部材121,121…との会合部位を、全箇所に亘って溶接結合することにより、下部構造体110と上部構造体120とを備えて成る架構構造物100の建設作業が完了する。
 図11および図12は、ガイド部材の他の実施態様を示しており、このガイド部材140は半球殻形状を呈し、上部構造体を構成する柱部材121′の下端部121a′に、この下端部121a′から膨出する態様で溶接されている。一方、下部構造体を構成する柱部材111′の上端部111a′には、先に説明したストッパー部材に対応する部材は設けられていない。なお、上述した半球殻形状を呈するガイド部材140を有している点、およびストッパー部材を備えていない点以外は、図1ないし図6に示した架構構造物1と何ら変わるところはない。
 上記ガイド部材140を取り付けた上部構造体を吊り下ろして、下部構造体に据え付ける際、上部構造体と下部構造体との相対位置のずれ、あるいは上部構造体および下部構造体の施工誤差に起因して、柱部材111′と柱部材121′との中心軸線がずれていても、図12(b)に示す如く上部構造体の下降に伴ってガイド部材140が柱部材111′の上端部111a′に入り込むことにより、柱部材111′と柱部材121′との位置調整が強制的に行なわれ、これら柱部材111′と柱部材121′との中心軸線が一致することとなる。
 また、上記ガイド部材140が半球殻形状を呈していることによって、柱部材111′の中心軸線と柱部材121′の中心軸線とが相対的に傾いた状態であっても、柱部材111′の上端部111a′にガイド部材140が何らの支障なく嵌合するので、これによって各柱部材における垂直度の狂いや、各構造体における歪み等が吸収されることとなる。
 上述したように、ガイド部材140の作用によって、柱部材111′と柱部材121′との相対的な位置決めが為されるので、構造体の据え付け作業を容易、かつ短い作業時間で実施することができ、また構造体の再製作に伴う工期の長期化や建設コストの増大を未然に防止することができる。
 下部構造体に上部構造体を積んだのち、図10(b)の如く柱部材111′の上端部111a′と、柱部材121′の下端部121a′との会合部位を、外方から全周溶接して結合することで、下部構造体に対する上部構造体の組付け作業が完了する。
 このとき、柱部材111′と柱部材121′との会合部位を、外方から全周溶接することにより、従来からのダイヤフラム接続等に比べて、柱部材111′と柱部材121′との結合作業を、容易かつ短時間で実施することができる。
 なお、図7ないし図12に示した各実施態様では、地盤上に構築された下部構造体と、この下部構造体の上方に組付けられた上部構造体とを備えて成る架構構造物を例示したが、本発明は3段以上に構造体を積み重ねて構築される架構構造物、すなわち例えば2段目と3段目とのような下部構造体と上部構造体とを備えて成る架構構造物においても有効に適用されることは言うまでもない。
 さらに、本発明はプラントにおいて各設備を搭載するための架構構造物のみならず、精密な外装仕上げを要求しない各種架構構造物においても、極めて有効に適用し得るものであることは勿論である。
  本発明の活用例として、プラントの各設備を搭載するための高層架構構造物などの鋼材で構成する重量物支持架構などに適用可能である。
本発明に関わる架構構造物を概念的に示す全体側面図。 本発明に関わる架構構造物を概念的に示す全体平面図。 本発明に関わる架構構造物の要部側面図。 本発明に関わる架構構造物の柱部材と床体との結合部分を示す分解斜視図。 本発明に関わる架構構造物のストッパ手段を示す柱部材の要部断面側面図。 本発明に関わる架構構造物のアジャスト手段を示す床体の要部平面図。 本発明に関わる架構構造物を概念的に示す全体側面図。 本発明に関わる架構構造物の下部構造体と上部構造体とを分離して示す概念的な全体側面図。 本発明に関わる架構構造物のガイド部材を上部構造体と共に示す斜視図。 (a)および(b)は、本発明に関わる架構構造物の組立て態様を示す断面側面図。 本発明に関わる架構構造物のガイド部材の他の実施態様を上部構造体と共に示す斜視図。 (a)および(b)は、本発明に関わる架構構造物の組立て態様を示す断面側面図。 従来の架構構造物の構造を概念的に示す側面図。 従来の架構構造物の構造を概念的に示す側面図。
符号の説明
  100…架構構造物、
  110…下部構造体、
  111、111′…柱部材、
  120…上部構造体、
  121、121′…柱部材、
  130,140…ガイド部材、
  200…基礎杭。

Claims (4)

  1.  管体から成る柱部材を備えた下部構造体に対して、管体から成る柱部材を備えた上部構造体を上方から吊り下して積み上げ、下部構造体における柱部材の上端と、上部構造体における柱部材の下端とを互いに接合させて成る架構構造物であって、
     下部構造体における柱部材および上部構造体における柱部材の少なくとも一方の柱部材の端部に、上部構造体の下降動作に伴って他方の柱部材の端部に貫入することにより下部構造体の柱部材と上部構造体の柱部材とを相互に案内して下部構造体と上部構造体との相互の位置決めを行なうガイド部材を設けた
     ことを特徴とする架構構造物。
  2.  上記ガイド部材は、柱部材の端部から突出するに従って先細りとなる態様のテーパ形状を呈している
     ことを特徴とする請求項1記載の架構構造物。
  3.  上記ガイド部材は、柱部材の端部から膨出する態様の半球状を呈している
     ことを特徴とする請求項1記載の架構構造物。
  4.  下部構造体における柱部材は、地盤に打設された基礎杭の地上に露呈している部位から成る
     ことを特徴とする請求項1記載の架構構造物。
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JP2010091225A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Hishitec:Kk 分割型冷却塔
KR101504706B1 (ko) 2013-12-26 2015-03-23 재단법인 포항산업과학연구원 플랜트용 연결 장치

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