JP2789822B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2789822B2
JP2789822B2 JP3007987A JP798791A JP2789822B2 JP 2789822 B2 JP2789822 B2 JP 2789822B2 JP 3007987 A JP3007987 A JP 3007987A JP 798791 A JP798791 A JP 798791A JP 2789822 B2 JP2789822 B2 JP 2789822B2
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清二 宮岡
進 金子
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寿夫 押久保
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機光導電性化合物を使用した電子写真
感光体は、可とう性、軽量性、表面平滑性、価格などの
点において有利であることから、最近、広く研究されて
いる。その中でも、光吸収により電荷担体を生成する電
荷発生層と、生成した電荷担体を電界により輸送する電
荷輸送層を設けた機能分離型電子写真感光体は、従来、
有機光導電性化合物を使用した電子写真感光体の大きな
欠点であった感度を大幅に向上させることが出来るた
め、最近急速な進歩を遂げつつある。
【0003】これらの複合型有機電子写真感光体は、カ
ールソン法による電子写真装置(プリンター、複写機
等)に搭載されて使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の有機光導電性化
合物を使用した電子写真感光体は感度においては、良好
な初期特性及び耐久性を持つものが開発されている。
【0005】しかし、最近、複写機、レーザービームプ
リンタ等の電子写真装置の印刷速度が、より高速化し、
装置自身が小型化する傾向にあり、1プリント当りのプ
ロセス時間(帯電−露光−現像−イレーズの時間)も短
縮する傾向にある。このため、電子写真感光体には、電
子写真特性の点では、優れた帯電特性と速い光応答性、
画質の点では、環境変化に対する安定性と連続印字にお
ける安定性、機械的強度の点では、感光体皮膜の密着性
が益々強く要求させるようになってきた。しかし、この
ように速い帯電−露光−現像−イレーズ等の一連の工程
を繰り返すことにより、感光体の帯電性の変化、感度の
低下が発生し、その結果、転写画像が不鮮明となった
り、いわゆるカブリと称される画質の低下や電子写真感
光体の皮膜が剥離するなどの問題があった。
【0006】本発明者らは、このような欠点のうち感光
体の帯電性の変化、感度の低下及び画質の低下を防止す
る方法を提案した(特開平1−118847号公報)。
この方法を用いると、連続印字においても、環境変化、
特に温湿度の変化に対しても電子写真特性の変化が少な
く、画質の良好な電子写真特性を得ることが出来る。皮
膜の密着性については、実用上問題はないが、今後プリ
ンターの速度がより高速化し、かつ感光体の一面当りの
印刷枚数が増加すると予想される。この場合には、感光
体の機械的寿命の点から皮膜の密着性を更に向上させる
必要がある。皮膜の密着性を向上させ更に電荷発生層を
均一に塗布し画質を向上させる方法としては、電荷発生
層の結合剤として用いる樹脂バインダにフェノキシ樹脂
を用いる方法(特開昭60−196766号公報、同6
0−232554号公報、同61−65252号公報、
同63−33747号公報、同63−243961号公
報)、メラミン樹脂やベンゾグアナミン樹脂とポリビニ
ルブチラール、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂とを
併用する方法(特開昭62−242953号公報、同6
3−85562号公報、同63−187248号公報、
同63−271451号公報)等が提案されている。こ
れらの方法によれば、密着性の向上には効果があるが、
電子写真特性の点では不十分である。即ち連続印字試験
において帯電電位(Vo)の低下、残留電位(Vr)の
増加等が起こり、濃度低下やカブリが発生する。また、
感光体の性能が、環境変化、特に環境湿度により著しく
変化し、帯電電位の低下による、黒点、白抜け、カブリ
などの画像欠陥を生じやすくなるという問題を持ってい
る。
【0007】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であり、密着性が優れ、連続印字試験において電子写真
特性が安定しており、かつ、温湿度の変化に対する画質
安定性が優れている長寿命電子写真感光体を得ることを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、導電性
基体上に、バインダ樹脂を含む下引き層、電荷を発生す
る有機顔料と熱硬化性樹脂と少なくとも1種類の熱可塑
性樹脂とから成る吸水率が1.0wt%以下の結合剤と
を含む電荷発生層及び電荷輸送性物質を含む電荷輸送層
を順次積層して成る電子写真感光体において、前記下引
き層に含まれるバインダ樹脂の溶解性パラメータ(SP
BL)と前記電荷発生層の結合剤の溶解性パラメータ(S
CGL)の差(SPBL−SPCGL)が +1.5〜−1.5 である電子写真感光体に関する。
【0009】本発明における溶解性パラメータ(SPBL
及びSPCGL)は、R.F.Fedorsの方法(Po
lym.Eng.Sci.,14,147(197
4))に準じて求めることができる。この方法で溶解性
パラメータを求める場合には、バインダ樹脂及び結合剤
の化学構造が分かっていなければならない。化学構造
は、バインダ樹脂メーカや結合剤メーカのカタログ及び
1H−NMR,IR,GPC等の分析データにより求め
ることができる。また、熱硬化性樹脂の溶解性パラメー
タは、反応前の構造から求めることができる値を使用す
ればよい。
【0010】SPBL−SPCGLが、+1.5〜−1.5の
範囲であることが必須である。0〜−1.5の範囲であ
ることが好ましく、0〜−0.6であることがより好ま
しい。この範囲外では、本発明の効果が発現されない。
【0011】本発明における吸水率は、電荷発生層に含
まれる結合剤を良溶媒に溶解(固形分5%の樹脂溶液)
した後、140℃で1時間乾燥し、25℃のNH42
4飽和溶液の環境下(93%RH)に100時間放置
した後の重量変化から求めた(環境条件は、日本化学会
編、化学便覧、基礎編II、P748、丸善(1975)
に記載されている)。
【0012】吸水率は、1.0wt%以下であることが
必須であり、0.7wt%以下であることが好ましく、
0.5wt%以下であることがより好ましい。この範囲
外では本発明の効果が発現されない。
【0013】導電性基体としては、導電処理した紙また
はプラスチックフィルム、アルミニウムのような金属箔
を積層したプラスチツクフィルム、金属板、金属ドラム
などの導電体が使用できる。
【0014】このような、導電性基体上に、公知の下引
き層が設けられる。
【0015】本発明における下引き層は、微粒子及び/
またはバインダ樹脂を溶剤に分散、溶解した溶液を導電
性基体上に浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工
法、アプリケータ塗工法、ワイヤバー塗工法等の塗工法
を用いて塗工し、乾燥して形成することが出来る。
【0016】前記微粒子としては、例えば、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタン酸ジルコン
酸ランタン鉛、アルミナ、チタンブラック、シリカ、チ
タン酸鉛、チタン酸バリウム等の微粒子が挙げられる。
【0017】前記バインダ樹脂としては、例えば、ポリ
アミド樹脂、フェノール樹脂、カゼイン、メラミン樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、セルロース、ポリビニルブチラール樹脂等が挙
げられる。これらの微粒子、バインダ樹脂は単独でまた
は2種以上混合して使用できる。
【0018】特に、微粒子を用いる場合には、微粒子を
樹脂に吸着させれば平滑な皮膜を得ることができるため
に樹脂と併用することが望ましい。
【0019】前記溶剤としては、例えば、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒ
ドロフラン、トルエン、酢酸エチル、塩化メチレン、ト
ルエン、キシレン、セロソルブ、1,1,2−トリクロ
ロエタン、メタノール、イソプロピルアルコール、イソ
ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、1,2−ジ
クロロエタンなどの溶剤がある。下引き層の厚さは、通
常0.01〜10.0μm、好ましくは、0.1〜3.0μ
mである。この厚さが0.01μm未満であると、下引
き層を均一に形成するのが困難になる傾向があり、1
0.0μmを越えると、電子写真特性が低下する傾向が
ある。
【0020】電荷発生層は、電荷を発生する有機顔料及
び結合剤と必要に応じて用いられる可塑剤、硬化触媒、
流動性付与剤、ピンホール制御剤等の添加剤とを下引き
層の形成に用いたのと同様な溶剤に均一に溶解または分
散させた後、下引き層の上に浸漬塗工法、スプレー塗工
法、ロール塗工法、アプリケータ塗工法、ワイヤバー塗
工法などの塗工法を用いて塗工し、乾燥して形成するこ
とが出来る。
【0021】前記電荷を発生する有機顔料としては公知
のものが使用されるが、例えば、アゾキシベンゼン系、
ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンゾイミダゾール系、多
環式キノリン系、インジゴイド系、キナクリドン系、フ
タロシアニン系、ナフタロシアニン系、ピロロピロール
系、ペリレン系、メチン系等の有機顔料が使用できる
【0022】前記結合剤としては、例えば、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、
フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、シリコーン樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂
リケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹
脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂、ポリク
ロロプレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチルセ
ルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ホルマール樹脂、酢酸
ビニル樹脂、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、ポリエ
ステルカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂など使用さ
れる。これらの樹脂から熱硬化性樹脂と少なくとも1種
類の熱可塑性樹脂とを混合して用いる。用いる下引き層
に含まれるバインダ樹脂が変わればそれに対応して電荷
発生層に含まれる結合剤は変わるが、いずれにしてもS
BL−SPCGL=+1.5〜−1.5を満足すればよい。
【0023】電荷発生層に含まれる結合剤の吸水率は
1.0wt%以下とされる。0.7wt%以下とされるこ
とが好ましい。吸水率が大きすぎると繰り返し使用時の
画質、耐湿環境性が劣る。電荷発生層中の結合剤は、光
導電材料100重量部に対して5〜200重量部とする
のが好ましく、更に好ましくは、10〜100重量部で
ある。5重量部未満では、結合剤が光導電性物質に十分
に吸着しないため、電荷発生層の皮膜が不均一となりや
すく画質が劣る傾向がある。200重量部を越えると、
感度が低下し、残留電位が高くなる傾向がある。
【0024】前記可塑剤としては、例えばハロゲン化パ
ラフィン、ジメチルナフタリン、ジブチルフタレート等
があげられる。硬化触媒としては、例えば、メタンスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンジスルホン酸等のスルホンサン系があげられる。流
動性付与剤としては、例えば、モダフロー(モンサント
ケミカル社製)、アクロナール4F(バスフ社製)等が
あげられる。ピンホール制御剤としては、例えばベンゾ
イン、ジメチルフタレート等があげられる。これらは、
各々、前記電荷を発生する有機顔料に対して5重量部以
下で使用するのが好ましい。
【0025】電荷発生層の厚さは、通常0.01〜2.0
μmであり、好ましくは、0.1〜0.8μmである。こ
の厚さが0.01μm未満であると、電荷発生層を均一
に形成するのが困難となる傾向があり、2.0μmを越
えると、電子写真特性が低下する傾向がある。
【0026】上記のようにして形成した電荷発生層の上
には電荷輸送層が設けられる。電荷輸送層は、電荷輸送
物質、結合剤、及びその他の添加剤を含むものである。
【0027】電荷輸送層を形成するには、電荷輸送物
質、結合剤及び添加剤を電荷発生層の形成に用いたのと
同様な溶剤に均一に溶解した後、この溶液を、電荷発生
層の上に浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、
アプリケータ塗工法、ワイヤバー塗工法などの塗工法を
用いて塗工し、乾燥して形成することが出来る。
【0028】前記電荷輸送物質としては、例えば、フル
オレン、フルオレンオン、2,7−ジニトロ−9−フル
オレノン、4H−インデノ(1,2,6)チオフェン−
4−オン、3,7−ジニトロ−ジベンゾチオフェン−5
−オキシド、1−ブロモピレン、2−フェニルピレン、
カルバゾール、3−フェニルカルバゾール、2−フェニ
ルインドール、2−フェニルナフタリン、オキサゾー
ル、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、トリフェ
ニルアミン、イミダゾール、クリセン、テトラフェン、
アクリデン、各種ヒドラゾン類、スチリル化合物、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、1−フェニル−3−(4−ジエチルア
ミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)
ピラゾリン、ポリビニルピレン、2−フェニル−4−
(4−ジエチルアミノフェニル)−5−フェニルオキサ
ゾール、ポリビニルインドロキノキサリン、1,1−ビ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,−4ジフェニ
ル−1,3−ブタジエン、ポリビニルベンゾチオフェ
ン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、
ポリビニルピラゾリン等並びにこれらの誘導体などがあ
る。
【0029】前記結合剤としては、電荷発生層における
と同様な結合剤を用いることができる。結合剤は、電荷
輸送物質100重量部に対しては、電子写真特性が低下
しないように450重量部以下の使用が望ましく、低分
子電荷輸送物質に対しては、皮膜特性の関係上50重量
部以上が望ましい。また、電荷輸送層に、電荷発生層と
同様な添加剤、例えば可塑剤、流動性付与剤、ピンホー
ル制御剤などの添加剤を必要に応じて含有させることが
出来る。添加剤は、各々、電荷輸送物質に対して5重量
部以下で使用することが好ましい。
【0030】電荷輸送層の厚さは、通常5〜50μmで
あり、好ましくは、8〜30μmである。この厚さが5
μm未満であると、初期で電位が低くなる傾向があり、
50μmを越えると、電子写真特性が低下する傾向があ
る。
【0031】本発明の電子写真感光体において、電荷輸
送層の上に保護層を形成してもよい。保護層の膜厚は、
0.01〜10μmであり、好ましくは、0.1〜3μm
である。この厚さが0.01μm未満では、保護層の効
果が少なく耐久性が劣る傾向があり、10μmを越える
と、感度が低下し、残留電位が増大する傾向がある。
【0032】本発明の電子写真感光体を用いて印字を行
う場合には、従来と同様に帯電、露光を施した後、現像
を行い、普通紙上に画像を転写し、定着すればよい。
【0033】
【実施例】次に、実施例によって本発明を詳述するが、
本発明はこれらに限定されるものでない。特にことわら
ない限り「%」は「重量%」を意味する。
【0034】以下の例中に用いる各材料を次に列記す
る。括弧内には略号を示す。 (1)下引き層用微粒子 チタン酸ジルコン酸鉛(PLZT) (住友セメント社製) (2)電荷を発生する有機顔料 τ型無金属フタロシアニン(τ−H2Pc) (東洋インキ社製) (3)電荷輸送物質 1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエン(PBD)
【0035】
【化1】
【0036】(4)結合剤 (A)下引き層用 下記構造を有する樹脂 MX1970(MX1970) 固形分100%(日本リルサン社製)
【0037】
【化2】 下記構造を有する樹脂 VP16(VP16) 固形分50%(日立化成工業製)
【0038】
【化3】 結合ホルムアルデヒド数が4.0、メチロール基数1.0
のブチル化メラミン樹脂 メラン2000(ML2000) 固形分50%(日立化成工業製)
【0039】(B)電荷発生層用 ビスフェノールAポリカーボネート樹脂 レキサン141(L141) 固形分100%(GE社製)
【0040】
【化4】 ブチルメタクリレイト樹脂 エルバサイト2045(E2045) 固形分100%(GE社製)
【0041】
【化5】 ポリエステル樹脂 バイロン290(V290) 固形分100%(東洋紡社製)
【0042】
【化6】 ブロム化フェノキシ樹脂 YPB−43(YPB−43) 固形分100%(東都化成社製)
【0043】
【化7】 下記構造式で示される樹脂 A−ST−1 固形分100% (以下のように製造)
【0044】
【化8】 A−ST−2 固形分100% (以下のように製造)
【0045】
【化9】 A−ST−3 固形分100% (以下のように製造)
【0046】
【化10】
【0047】プレポリマの合成 撹拌機、還流冷却機、温度計、窒素導入管をつけた四つ
口フラスコにトルエン600部、p−tert−ブトキ
シスチレン80部、アゾビスイソブチロニトリル0.2
0部を入れ、十分に窒素置換を行った。次に、内容物を
撹拌しながら30分かけて80℃まで昇温し、この温度
に3時間保った後、110℃に昇温しこの温度に8時間
保った。得られた反応混合物を冷却後、3lの冷メタノ
ール中に加え、白色の沈殿物を生成させ、この沈殿物を
濾別・乾燥した。収量は27部(収率33.8%)であ
った。
【0048】高速液体クロマトグラフ(以下HLCと略
記する)で分子量を測定したところ、数平均分子量1
9,000、重量平均分子量48,000であった。一
方、核磁気共鳴吸収スペクトル(以下NMRと略記す
る)を測定したところ、6.3〜6.6ppmに芳香族
の、1.25ppmにtert−ブチル基とメチレン基
の、また1.7ppmにメチン基のブロトンのシグナル
が観測された。これらのデータから生成物はp−ter
t−ブトキシスチレンポリマであることを確認した。
【0049】A−ST−1の合成 プレポリマの合成で得たp−tert−ブトキシスチレ
ンポリマ5.0部と濃塩酸0.92部をジオキサン50部
に溶解し、撹拌機、還流冷却機、温度計、窒素導入管を
つけた四つ口フラスコに入れた。フラスコを60℃に昇
温し、この温度に5時間保った後、減圧下で約1/3ま
で濃縮し、冷トルエン100mlに滴下し、沈殿を濾別
・乾燥した。得られた沈殿をジオキサン15mlに溶解
後、トルエンで再沈殿させた。この操作を二回繰返し精
製した後、十分に乾燥してポリマ3.5部を得た。
【0050】このポリマを赤外吸収スペクトル及びNM
Rで分析したところ、水酸基(tert−ブトキシ基か
らtert−ブタノールが脱離して水酸基が生成した)
が認められた。NMRチャートからポリマの水酸基/t
ert−ブトキシ基の比率を求めたところ50/50
(モル比)であった。
【0051】A−ST−2の合成 プレポリマの合成で得たp−tert−プトキシススチ
レンポリマ5.0部と濃塩酸0.38部をジオキサン50
部に溶解し、撹拌機、還流冷却機、温度計、窒素導入管
をつけた四つ口フラスコに入れた。フラスコを60℃に
昇温し、この温度に5時間保った後、減圧下で約1/3
まで濃縮し、冷トルエン100mlに滴下し、沈殿を濾
別・乾燥した。得られた沈殿をジオキサン15mlに溶
解後、トルエンで再沈殿させた。この操作を二回繰返し
精製した後、十分に乾燥してポリマ3.5部を得た。
【0052】このポリマを赤外吸収スペクトル及びNM
Rで分析したところ、水酸基(tert−ブトキシ基か
らtert−ブタノールが脱離して水酸基が生成した)
が認められた。NMRチャートからポリマの水酸基/t
ert−ブトキン基の比率を求めたところ10/90
(モル比)であった。
【0053】A−ST−3の合成 プレポリマの合成で得たp−tert−ブトキシスチレ
ンポリマ5.0部と濃塩酸0.79部をジオキサン50部
に溶解し、撹拌機、還流冷却機、温度計、窒素導入管を
つけた四つ口フラスコに入れた。フラスコを60℃に昇
温し、この温度に5時間保った後、減圧下で約1/3ま
で濃縮し、冷トルエン100mlに滴下し、沈殿を濾別
・乾燥した。得られた沈殿をジオキサン15mlに溶解
後、トルエンで再沈殿させた。この操作を二回繰返し精
製した後、十分に乾燥してポリマ3.5部を得た。
【0054】このポリマを赤外吸収スペクトル及びNM
Rで分析したところ、水酸基(tert−ブトキシ基か
らtert−ブタノールが脱離して水酸基が生成した)
が認められた。NMRチャートからポリマの水酸基/t
ert−ブトキシ基の比率を求めたところ30/70
(モル比)であった。
【0055】結合ホルムアルデヒド数が2.1、メチロ
ール基数0.3のブチル化ベンゾグアナミン樹脂(BG
A)固形分60% (以下のように製造)
【0056】かきまぜ機、還流冷却器のついたフラスコ
に、ベンゾグアナミン187g(1モル),n−プタノ
ール222g(3モル)及び80%パラホルムアルデヒ
ド93.75g(2.5モル)を秤り取り、90℃に昇温
し1時間付加反応を行った。その後希硝酸を加えpH
5.0に調整し、再び加熱を行った。還流をしながら、
脱水を3時間行った。その後同温度で脱溶剤を開始し、
130℃になった時点で脱溶剤の終点とした。この後、
加熱残分が60%になるようにソルベツソ−100で希
釈した。この時の粘度はS(ガードナ/25℃)であっ
た。
【0057】BGAのトリアジン核1個当りの結合ホル
ムアルデヒド数及びメチロール基数を1H−NMRより
求めた。
【0058】(C)電荷輸送層用 ポリカーボネート樹脂 レキサン141−111(L141) 固形分100%(GE社製)
【0059】比較例1 35gのMX1970、70gのML2000及び2.
1gのトリメリット酸をメタノールと塩化メチレンの
1:1(重量比、以下同様)の混合溶媒1800gに完
全に溶解した。この溶液を、アルミニウムドラム(直径
60.1mm 長さ247mm)の上に浸漬塗工法で塗
工し、120℃で60分乾燥して膜厚0.3μmの下引
き層を形成した。
【0060】この下引き層用結合剤の溶解性パラメータ
(SPBL)をFedorsの方法で求めたところ12.
64であった。
【0061】次に、50gのτ−H2Pc、40gのL
141、テトラヒドロフランと1,2−ジクロルメタン
の1:1(重量比、以下同様)の混合溶剤1850gを
超音波分散機を用いて10時間分散した。得られた、分
散液を上記の下引き層上に浸漬塗工法で塗工し、140
℃で60分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成
した。
【0062】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
0.54であった。
【0063】したがって、SPBL−SPCGLは、+2.1
0である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.32wtであった。
【0064】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1(重量比、以下同様)の混合溶剤1200gに完
全に溶解した。この溶液を浸漬塗工法により、前記下引
き層を有する電荷発生層上に塗工し、120℃で60分
乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写真
感光体を形成した。
【0065】比較例2 比較例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0066】次に、50gのτ−H2Pc、40gのE
2045、塩化メチレン、1,1,2−トリクロルエタ
ンの1:1の混合溶剤1850gを超音波分散機を用い
て10時間分散した。得られた、分散液を上記の下引き
層上に浸漬塗工法で塗工し、140℃で60分乾燥して
膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0067】この電荷発生層用結合剤の溶剤性パラメー
タ(SPCGL)を求めたところ10.77であった。
【0068】したがって、SPBL−SPCGLは、+1.8
7である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.42wt%であった。
【0069】次に、50gのPBD及び150gのR1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0070】比較例3 36gのVP16、4gのML2000及び20gのP
LZTをエタノールと1,1,2−トリクロロエタンと
THFの1:1:2の混合溶媒1800gに完全に溶解
分散した。この溶液を、アルミニウムドラム(直径6
0.1mm 長さ247mm)の上に浸漬塗工法で塗工
し、180℃で60分乾燥して膜厚0.3μmの下引き
層を形成した。
【0071】この下引き層用結合剤の溶解性パラメータ
(SPBL)をFedorsの方法で求めたところ12.
13であった。
【0072】次に、50gのτ−H2Pc、40gのL
141、テトラヒドロフランと1,2−ジクロルメタン
の1:1の混合溶剤1850gを超音波分散機を用いて
10時間分散した。得られた、分散液を上記の下引き層
上に浸漬塗工法で塗工し、140℃で60分乾燥して膜
厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0073】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
0.54であった。
【0074】したがって、SPBL−SPCGLは、+1.5
9である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.32wt%であった。
【0075】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1200gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0076】比較例4 比較例3に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドムラ(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0077】次に、50gのτ−H2Pc、19.2gの
V290、12.8gのYPB43、13.3gのBG
A、THFと1,1,2−トリクロルエタンの1:1の
混合溶剤1850gを超音波分散機を用いて10時間分
散した。得られた、分散液を上記の下引き層上に浸漬塗
工法で塗工し、140℃で60分乾燥して膜厚0.3μ
mの電荷発生層を形成した。
【0078】この電荷発生層結合剤の溶解性パラメータ
(SPCGL)を求めたところ13.73であった。
【0079】したがって、SPBL−SPCGLは、−1.6
0である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.70wt%であった。
【0080】次に、50gのPBD及び150gのR1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μmの
電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0081】比較例5 比較例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0082】次、に50gのτ−H2Pc、40gのA
−ST−1とテトラヒドロフラン1850gを超音波分
散機を用いて10時間分散した。得られた、分散液を上
記の下引き層上に浸漬塗工法で塗工し、140℃で60
分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0083】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)を求めたところ11.83であった。
【0084】したがって、SPBL−SPCGLは、+0.8
1である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
1.10wt%であった。
【0085】次に、50gのPBD及び150gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0086】比較例6 比較例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0087】次に、50gのτ−H2Pc、32gのA
−ST−1、16gのBGAとテトラヒドロフランと
1,1,2−トリクロロエタンの1:1の混合溶剤18
50gを超音波分散機を用いて10時間分散した。得ら
れた、分散液を上記の下引き層上に浸漬塗工法で塗工
し、140℃で60分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発
生層を形成した。
【0088】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)を求めたところ12.03であった。
【0089】したがって、SPBL−SPCGLは、+0.6
1である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
1.20wt%であった。
【0090】次に、50gのPBD及び150gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0091】実施例1 比較例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μm下引き層を形成した。
【0092】次に、50gのτ−H2Pc、36gのV
290、7gのBGA、テトラヒドロフランと1,2−
ジクロルメタンの1:1の混合溶剤1850gを超音波
分散機を用いて10時間分散した。得られた、分散液を
上記の下引き層上に浸漬塗工法で塗工し、140℃で6
0分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0093】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
2.65であった。
【0094】したがって、SPBL−SPCGLは、−0.0
1である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.40wt%であった。
【0095】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0096】実施例2 比較例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0097】次に、50gのτ−H2Pc、19.2gの
V290、12.8のYPB−43、13.5gのBG
A、テトラヒドロフランと1,2−ジクロルメタンの
1:1の混合溶剤1900gを超音波分散機を用いて1
0時間分散した。得られた、分散液を上記の下引き層上
に浸漬塗工法で塗工し、140℃で60分乾燥して膜厚
0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0098】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
3.73であった。
【0099】したがって、SPBL−SPCGLは、−1.0
9である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.70wt%であった。
【0100】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0101】実施例3 比較例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0102】次に、50gのτ−H2Pc、25.6gの
V290、6.4gのYPB−43、13.5gのBG
A、テトラヒドロフランと1,2−ジクロルメタンの
1:1の混合溶剤1900gを超音波分散機を用いて1
0時間分散した。得られた、分散液を上記の下引き層上
に浸漬塗工法で塗工し、140℃で60分乾燥して膜厚
0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0103】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
3.19であった。
【0104】したがって、SPBL−SPCGLは、−0.5
5である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.80wt%であった。
【0105】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0106】実施例4 比較例3に示した物質及び操作を用いて,アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0107】次に、50gのτ−H2Pc、36gのV
290、6.7gのBGA、テトラヒドロフランと1,
2−ジクロルメタンの1:1の混合溶剤1900gを超
音波分散機を用いて10時間分散した。得られた、分散
液を上記の下引き層上に浸漬塗工法で塗工し、140℃
で60分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成し
た。
【0108】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
2.65であった。
【0109】したがって、SPBL−SPCGLは、−0.5
2である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.40wt%であった。
【0110】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0111】実施例5 比較例3に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0112】次に、50gのτ−H2Pc、25.6gの
V290、6.4gのYPB−43、13.5gのBG
A、テトラヒドロフランと1,2−ジクロルメタンの
1:1の混合溶剤1900gを超音波分散機を用いて1
0時間分散した。得られた、分散液を上記の下引き層上
に浸漬塗工法で塗工し、140℃で60分乾燥して膜厚
0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0113】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
3.19であった。
【0114】したがって、SPBL−SPCGLは、−1.0
6である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.80wt%であった。
【0115】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0116】実施例6 比較例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0117】次に、50gのτ−H2Pc、32gのA
−ST−2、13.3gのBGA、テトラヒドロフラン
と1,2−ジクロルメタンの1:1の混合溶剤1900
gを超音波分散機を用いて10時間分散した。得られ
た。分散液を上記の下引き層上に浸漬塗工法で塗工し、
140℃で60分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層
を形成した。
【0118】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
1.31であった。
【0119】したがって、SPBL−SPCGLは+1.33
である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.65wt%であった。
【0120】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0121】実施例7 比較例1に示した物質及び操作を用いて、アルミニウム
ドラム(直径60.1mm 長さ247mm)の上に、
膜厚0.3μmの下引き層を形成した。
【0122】次に、50gのτ−H2Pc、32gのA
−ST−3、13.3gのBGA、テトラヒドロフラン
と1,2−ジクロルメタンの1:1の混合溶剤1900
gを超音波分散機を用いて10時間分散した。得られ
た、分散液を上記の下引き層上に浸漬塗工法で塗工し、
140℃で60分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層
を形成した。
【0123】この電荷発生層用結合剤の溶解性パラメー
タ(SPCGL)をFedorsの方法で求めたところ1
1.67であった。
【0124】したがって、SPBL−SPCGLは、+0.9
7である。また、この電荷発生層用結合剤の吸水率は、
0.90wt%であった。
【0125】次に、60gのPBD及び140gのL1
41を塩化メチレンと1,1,2−トリクロロエタンの
1:1の混合溶剤1400gに完全に溶解した。この溶
液を浸漬塗工法により、前記下引き層を有する電荷発生
層上に塗工し、120℃で60分乾燥して膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を形成した。
【0126】前記比較例及び実施例で得られた電子写真
感光体の密着性、電子写真特性、画像、画像の耐久性を
評価した。
【0127】密着性は、碁盤目テストによるクロスカッ
トテスト後の残り数で評価した。
【0128】電子写真特性は、光減衰測定装置(緑屋電
気(株)製、シンシア30)を用いて、Voを−700
vとし初期及び20万枚印字後の暗減衰(DDR5)、
0.3秒後の残留電位(Vr)及び感度(E5o)を評価し
た。
【0129】DDR5は、暗所5秒後の電位(V5)を
測定し、(V5/Vo)X100(%)示した。E5oは、
波長780nmの光を照射した場合Voが−350vに
なるのに要するエネルギーで示した。Vrは、20mJ
/m2のエネルギー(波長7800nm)を照射した場
合の表面電位を示す。
【0130】画像及び画像の耐久性は、画像評価機(負
帯電、反転現像方式)を用いて、初期及び20万枚印字
後の画質を評価した。
【0131】画像の耐湿環境性は、電子写真感光体を4
0℃90%RHの環境に72時間放置後、画像評価機
(負帯電、反転現像方式)を用いて画質を評価した。
【0132】表1及び表2に、密着性、初期及び20万
枚印字後の電子写真特性、初期及び20万枚印字後の画
質及び耐湿環境性の評価結果を示した。
【0133】表1及び表2に示す結果から、比較例1、
2、4の電子写真感光体は、密着性が劣るため画像評価
機での試験の途中に皮膜が剥離してしまった。比較例3
の電子写真感光体は、20万枚印字後にVrが上昇して
しまい画像濃度が低下してしまった。比較例5、6の電
子写真感光体は、密着性が優れるため画像評価機での試
験の途中に皮膜は剥離しないが、20万枚印字後にVr
が上昇してしまい画像濃度が低下してしまった。また、
耐湿環境性後の画像には、カブリが発生した。
【0134】これにたいして、本発明になる電子写真感
光体は、密着性、画像の耐久性及び画像の耐湿環境性に
優れるため高速応答性を必要とする高速プリンタへの適
用も十分に可能である。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】微粒子を含む下引き層や有機顔料を含む電
荷発生層では、バインダ樹脂が無機微粒子、有機顔料に
吸着しそれらを包み込むために、密着性は下引き層及び
電荷発生層のバインダ樹脂の溶解性パラメータの差に依
存すると考えられる。
【0138】
【本発明の効果】本発明の電子写真感光体は、密着性、
電子写真特性、画像の耐久性に優れているため長寿命感
光体として、高速プリンタへの適用が十分に可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 進 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立 化成工業株式会社 山崎工場内 (72)発明者 勝谷 康夫 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立 化成工業株式会社 山崎工場内 (72)発明者 関根 誠 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立 化成工業株式会社 山崎工場内 (72)発明者 押久保 寿夫 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日 立化成工業株式会社 鹿島工場内 (72)発明者 真保 靖 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 日 立化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−151961(JP,A) 特開 昭63−284559(JP,A) 特開 平3−45960(JP,A) 特開 平3−107860(JP,A) 特開 平4−27957(JP,A) 特開 平1−159665(JP,A) 特開 昭62−157038(JP,A) 特開 昭63−271451(JP,A) 特開 平3−260657(JP,A) 特開 平2−123366(JP,A) 特開 昭64−80966(JP,A) 特開 平3−18856(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/14 101 D G03G 5/05 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、バインダ樹脂を含む下
    引き層、電荷を発生する有機顔料と熱硬化性樹脂と少な
    くとも1種類の熱可塑性樹脂とから成る吸水率が1.0
    wt%以下の結合剤とを含む電荷発生層及び電荷輸送性
    物質を含む電荷輸送層を順次積層して成る電子写真感光
    体において、前記下引き層に含まれるバインダ樹脂の溶
    解性パラメータSPBLと前記電荷発生層に含まれる結合
    剤の溶解性パラメータSPCGLの差(SPBL−SPCGL
    が、 +1.5〜−1.5 である電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂が、トリアジン核1個
    当り結合ホルムアルデヒド数が1.5〜3.0個及びメチ
    ロール基数が2.0個以下であるアルキルエーテル化ベ
    ンゾグアナミン樹脂である請求項記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 電荷を発生する有機顔料が、フタロシア
    ニン系顔料である請求項1又は2記載の電子写真感光
    体。
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