JP2787824B2 - 門扉用ロック装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】 本発明は互いに向き合うよ
うに相対的に移動する一対の門扉を閉鎖位置に拘束する
ロック装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】 門扉用ロック装置としては既に各種構
造のものが提供されているが、従来装置はロック板や受
棒といったロック機構部品が門扉の構成部材の外部に配
置されているため、他物との接触により他物を損傷した
り、ロック機構自体が破損する危険性があった。また、
門扉の外面に露出しているロック装置は門扉の外観体裁
を悪くし、門扉の外観デザインの自由度を制約する要因
にもなっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】 したがって本発明の
目的は、ロック機構部品が門扉構成部材の内部に格納さ
れているため、ロック機構部品が破損から的確に防護さ
れ、門扉の外観デザインの自由度が増大する門扉用ロッ
ク装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 以下、添付図面中の参
照符号を用いて説明すると、本発明の門扉用ロック装置
では、一方の門扉１の門扉構成部材３の内部に軸受板４
を収納して固着し、軸受板４の水平軸孔５に駆動主軸６
を回転可能に嵌め込み、駆動主軸６の回転中心より偏心
して配置され、駆動主軸６と一体に回転する駆動副軸７
を設け、先端フック部８が門扉構成部材３の端面開口部
９に向くようにロック板１０を門扉構成部材３内に配置
し、ロック板１０を基端部の軸受孔１１にて駆動副軸７
に嵌め合わせる。

【０００５】駆動主軸６に鍵ハンドル１２の受孔１３を
設け、門扉構成部材３に鍵ハンドル１２の挿入孔１４を
設け、他方の門扉２の門扉構成部材１５の内部に受棒ホ
ルダー１６を門扉構成部材１５の端面開口部１７から引
き出し可能に設け、受棒ホルダー１６の先端部にロック
板１０の先端フック部８が係脱する受棒１８を設け、バ
ネ１９によってロック板１０を待機位置に保持する。

【０００６】門扉１，２を閉鎖位置に拘束するには、門
扉１，２を互いに向き合うように相対移動させる前に、
門扉２の門扉構成部材１５の端面開口部１７から受棒ホ
ルダー１６を所定長さ引き出して置く。例えば門扉２を
門扉１に向かって直線移動させると、閉鎖移動の終端で
受棒ホルダー１６が門扉１の門扉構成部材３の内部に端
面開口部９から進入する。

【０００７】門扉構成部材３の挿入孔１４から鍵ハンド
ル１２を駆動主軸６の受孔１３に差し込み、鍵ハンドル
１２によって駆動主軸６を所定方向に回すと、ロック板
１０が駆動副軸７に押されて受棒１８に向かって回動
し、先端フック部８の根元部分が受棒１８に当接する。
更に駆動主軸６を回すと、ロック板１０は先端フック部
８が受棒１８を抱き込むように駆動副軸７によって牽引
され駆動される。

【０００８】駆動副軸７が駆動主軸６の回転中心に関し
て受棒１８の反対側に移動した最終段階では、図１０に
示したようにロック板１０は駆動副軸７の偏心距離に対
応して最大限度まで牽引され、先端フック部８が受棒１
８に緊密に係合する。これによって門扉１，２は閉鎖位
置に互いに拘束される。

【０００９】

【発明の実施形態】 図示の実施形態では、図２と図３
に示したように軸受板４とロック板１０が収納される門
扉構成部材３は、門扉１の最上部にある角筒型の横枠部
材である。前後一対の軸受板４，４は４本のスペーサー
ピン２０を挿入した状態で締付ビス２１によって組み立
てられている。軸受板４，４にはサポート板２２が締付
ビス２３によって固着され、サポート板２２は締付ビス
２４によって門扉構成部材３の前後側面板３ａ，３ｂに
固着されている。

【００１０】図３に示したようにロック板１０も前後２
枚構成であり、スペーサーを兼ねた３本の連結ピン２５
によって組み立てられている。連結ピン２５の前後端部
はロック板１０に溶接されている。駆動主軸６は前後一
対に分割して構成され、各駆動主軸６は大径軸部６ａを
各ロック板１０に突き当てた状態で軸受板４の水平軸孔
５に嵌挿されている。駆動主軸６より小径な駆動副軸７
の前後各端部は、大径軸部６ａに形成した円形凹部２６
に嵌め込まれ、駆動副軸７を貫通した締付ビス２７によ
って駆動主軸６に組み付けられている。大径軸部６ａに
は駆動副軸７の緩み止めビス２８が半径方向にねじ込ま
れてる。

【００１１】図２に示したように軸受板４，４の上下２
個のスペーサーピン２０はロック板１０の回動範囲を規
制する手段にもなっている。ロック板１０を図２に２点
鎖線で示した待機位置に跳ね上げ保持するバネ１９は捻
りコイルバネで構成され、コイル部１９ａは駆動副軸７
に嵌められ、一方の直線端部１９ｂは下方の前記スペー
サーピン２０に当接し、他方の直線端部１９ｃはロック
板１０の前記連結ピン２５に当接している。

【００１２】鍵ハンドル１２の挿入孔１４は門扉構成部
材３の前面板３ａに円形に設けられ、ゴムリング２９が
嵌められている。鍵ハンドル１２の先端鍵部は六角形断
面に形成され、これに対応して駆動主軸６の受孔１３は
六角形になっている。門扉構成部材３の端面開口部９は
通常時は一対のシャッター板３０，３０によって閉塞さ
れており、異物などが侵入しないように配慮されてい
る。

【００１３】シャッター板３０を垂直軸ピン３１で連結
したベース板３２は締付ビス３３によって門扉構成部材
３の前後側面板３ａ，３ｂに固着されている。シャッタ
ー板３０はバネサポート５６に嵌めた捻りコイルバネ３
４によって閉鎖方向に回転付勢されており、端面開口部
９を設けた端面板３５に圧接している。シャッター板３
０は他方の門扉２が接近してきた時、受棒ホルダー１６
に押されて観音開き式に開放される。

【００１４】受棒ホルダー１６を収納する門扉構成部材
１５は他方の門扉２の最上部にある角筒型の横枠部材で
構成されている。門扉構成部材１５の内部にはガイドケ
ース３６が格納され、締付ビス３７によって門扉構成部
材１５の前後側面板１５ａ，１５ｂに固着されている。
受棒ホルダー１６は前後２枚構成であり、スペーサーピ
ン３８とストッパー板３９を挿入した状態で組み立てら
れている。スペーサ−ピン３８の前後端部は受棒ホルダ
ー１６に溶接され、ストッパー板３９は締付ビス４０に
よって受棒ホルダー１６に固着されている。

【００１５】スペーサーピンを兼ねた受棒１８は前後各
端部を受棒ホルダー１６に溶接されている。受棒ホルダ
ー１６はガイドケース３６の上面板４１と下面板４２に
直線移動するように案内されており、前後の受棒ホルダ
ー１６，１６の間に挿入されたガイド板４３は締付ビス
４４によって上面板４１と下面板４２に固着されてい
る。ガイド板４３に設けた２個のねじ孔４５にはストッ
パーボルト４６がねじこまれており、受棒ホルダー１６
が端面開口部１７から引き出される時、前記ストッパー
板３８がストッパーボルト４６の先端部に当接すること
によって、受棒ホルダー１６の完全抜き取りが阻止され
る。

【００１６】受棒ホルダー１６の引き出し長さの調整
は、前記ねじ孔４５へのストッパーボルト４６のねじ込
み長さを変更することによって行われる。ストッパーボ
ルト４６の頭部４６ａとガイド板４３との間には緩み止
め用の圧縮コイルバネ４７が挿入されている。ガイド板
４３の端面には前後方向の盲孔４８を設けてあり、この
盲孔４８にはクリック用小球４９と突出付勢用圧縮コイ
ルバネ５０を挿入してある。

【００１７】この小球４９の一部が図６に示したように
受棒ホルダー１６側の小孔５１に係合することによっ
て、受棒ホルダ−１６は門扉構成部材１５内に収納され
た位置に安定に保持される。なお、受棒ホルダー１６が
所定位置まで引き出されたときに小球４９が係合する別
の小孔を受棒ホルダー１６に設けることもできる。端面
開口部１７を形成した端面板５２の外側には、締付ビス
５３によってゴム製カバー５４が装着されており、該カ
バー５４にはクロス状に切り目５５を入れてあり、受棒
ホルダ−１６の引き出し時には、該切れ目５５からカバ
ー５４を開いて指先を門扉構成部材１５に差し込む。

【００１８】

【発明の効果】 以上のように本発明では、駆動主軸６
を水平軸孔５に嵌め入れた軸受板４と、駆動主軸６の回
転中心より偏心した駆動副軸７に基端部の軸受孔１１に
て嵌め合わされたロック板１０が、門扉構成部材３の内
部に装備され、ロック板１０の先端フック部８が係脱す
る受棒１８を設けた受棒ホルダー１６が門扉構成部材１
５の内部に引き出し可能に設けられ、ロック機構部品の
全てが門扉構成部材の内部に格納されているため、他物
との接触による他物の損傷やロック機構自体の破損を的
確に防止することができる。また、ロック機構が門扉
１，２の外部に露出していないため、門扉の外観形態が
簡潔かつ整然となり、門扉の外観デザインの自由度を増
大させる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態に係る門扉用ロック装置
を装着した門扉の概略的な斜視図である。

【図２】 該ロック装置のロック板を収納した方の門扉
の一部を切り欠いた要部正面図である。

【図３】 図２の門扉の一部を切り欠いた要部平面図で
ある。

【図４】 図２の門扉の要部右側面図である。

【図５】 前記ロック装置の受棒ホルダーを収納した方
の門扉の一部を切り欠いた要部正面図である。

【図６】 図５の門扉に一部を切り欠いた要部平面図で
ある。

【図７】 図５の門扉の要部左側面図である。

【図８】 図５の門扉の受棒ホルダー引き出し時の一部
を切り欠いた要部正面図である。

【図９】 図５の門扉の受棒ホルダー引き出し時の一部
を切り欠いた要部平面図である。

【図１０】 図２の門扉と図５の門扉が閉鎖位置で拘束
されたときの縦断面図である。

【符号の説明】

１ 門扉 ２ 門扉 ３ 門扉構成部材 ４ 軸受板 ５ 水平軸孔 ６ 駆動主軸 ７ 駆動副軸 ８ 先端フック部 ９ 端面開口部 １０ ロック板 １１ 軸受孔 １２ 鍵ハンドル １３ 鍵ハンドルの受孔 １４ 鍵ハンドルの挿入孔 １５ 門扉構成部材 １６ 受棒ホルダー １７ 端面開口部 １８ 受棒 １９ ロック板の待機位置保持用バネ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の門扉１の門扉構成部材３の内部に
   軸受板４を収納して固着し、軸受板４の水平軸孔５に駆
   動主軸６を回転可能に嵌め込み、駆動主軸６の回転中心
   より偏心して配置され、駆動主軸６と一体に回転する駆
   動副軸７を設け、先端フック部８が門扉構成部材３の端
   面開口部９に向くようにロック板１０を門扉構成部材３
   内に配置し、ロック板１０を基端部の軸受孔１１にて駆
   動副軸７に嵌め合わせ、駆動主軸６に鍵ハンドル１２の
   受孔１３を設け、門扉構成部材３に鍵ハンドル１２の挿
   入孔１４を設け、他方の門扉２の門扉構成部材１５の内
   部に受棒ホルダー１６を門扉構成部材１５の端面開口部
   １７から引き出し可能に設け、受棒ホルダー１６の先端
   部にロック板１０の先端フック部８が係脱する受棒１８
   を設け、バネ１９によってロック板１０を待機位置に保
   持した門扉用ロック装置。