JP3781465B2 - 自動閉止装置付き蝶番 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回動して開閉する扉に取り付ける蝶番に係わり、開くと自動的に閉まる閉止装置を備えた蝶番に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、回動して開閉する扉には、扉を開けると扉を閉めるドアクローザーが付けられたものがある。このドアクローザーは扉の上に本体を取り付けて、この本体から扉と鴨居とを接続するアームが延びている。
【0003】
しかし、このドアクローザーは扉の表面に取り付けるので、景観を損なうという欠点があり、景観を重要視する建造物には適していない。
【0004】
そこで、従来から回動して開閉する扉に取り付けられる蝶番の中には、回動の支点となる筒体にばねを挿入させて、このばね力で自動的に閉止させる手段を採って閉止装置を表面に露出させない構成とした蝶番があり、建造物の景観を損なわないという効果を有する。
【0005】
この蝶番71の従来例を図5,図6に就いて説明する。この従来例は扉が左右方向に開閉して蝶番71の二枚の羽根板72,75も左右に回動しその回動軸が縦位置に配置される例である。
【0006】
図5において、左側の第一の羽根板72の側縁73の中央には中央筒体74が設けられ、また、右側の第二の羽根板75の側縁76の上下の端部には前記中央筒体74の上下の端部を挟むように設けられた二つの端部筒体77,78が設けられている。即ち、中央筒体74の軸線方向の両端部を上下二つの端部筒体77,78が挟んでいる構成である。また、中央筒体74の内部にはコイル状のばね79が挿入されている。
【0007】
そして、上方に設けられた上端部筒体77の上端の開口端面80から中央筒体74まで延びる上部支持軸81が挿入され、また、下方に設けられた下端部筒体78の下端の開口端面82から中央筒体74まで延びる下部支持軸83が挿入され、これら二つの支持軸81,83を支軸として前記二枚の羽根板72,75が回動自在な構成となっている。尚、これら上下支持軸81,83の内側先端にはそれぞれ係止部84,85が形成されており、これらの係止部84,85にばね79の上下の端部91,92が係止している。
【0008】
また、上部支持軸81は上端部筒体77に固定された固定部86と回転可能な回転部87とによって構成され、これら固定部86と回転部87とはラチェット機構88を介して連接されている。更に、図6に示されるように、固定部86の中心には縦に貫通する平面円形の差込孔89が穿設されているとともに、この差込孔89に連通して回転部87には平面正六角形の嵌合孔90が穿設されている。
【0009】
そして、六角レンチ93を差込孔89から嵌合孔90に通して嵌合させ、六角レンチ93を回して回転部87を回転させてばね79を卷くことにより、ばね79に付勢力を発生させる。この付勢力が前記二枚の羽根板72,75の閉止方向の作用力となる。この作用力により扉を開けたとき自動的に扉が閉まるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のものは、ばね79に付勢力を発生させるにあたって、六角レンチ93などの工具が必要であるばかりか、工具の差込孔89が回転部87の中心あるため、回転部87を回転させるには大きな力を必要とする操作性の悪いものであった。そのうえ、工具を使うことが必須の構成であることから、差込孔89を固定部86の外面に露出形成しなければならず、外観を損なうという問題も有った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、従来例で示した自動閉止装置付き蝶番において、回転部の外側端面から固定部を貫通し、該固定部に対して相対的に回転可能であり、かつ軸心方向に摺動自在な貫通軸を設け、この貫通軸の固定部から突出した突出端には工具でなく、手動操作用の操作頭部を備えたことから、手動操作でばねを巻き付勢力を発生させさせることができ、前述の問題点を解決する手段とした。
【0012】
前記の構成に加えて、上部支持軸を挿入させた上端部筒体を羽根板の上端縁より後退させて設けることで前記両羽根板の側縁によって形成される凹部を形成し、この凹部に前記操作頭部を収納させるとともに、この操作頭部の外径を上端部筒体の外径と同径に形成させるのが好ましい。
【0013】
更に、前記操作頭部の外周面に操作棒を差し込む係止孔を穿設させることもある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一つの実施の形態を図1乃至図4に就いて説明する。本実施の形態の蝶番1は、扉4が左右方向に開閉することにより二枚の羽根板3,5も左右方向に開閉するその回動軸が縦位置に配置された例である。
【0015】
本実施の形態の蝶番1は、主に縦枠2に取り付けられる第一の羽根板3と、扉4に取り付けられる第二の羽根板5と、これら二枚の羽根板3,5の開閉の支軸となる上部支持軸6および下部支持軸7と、閉止方向の付勢力となるばね8とから構成される。
【0016】
第一の羽根板3は、その側縁9の中央に中央筒体10が設けられ、この中央筒体10の内部にコイル状のばね8が挿入されている。また、中央筒体10の周面の下方位置にはピン孔11が穿設されている。第二の羽根板5は、その側縁12の軸線方向、本実施の形態では上下方向の端部に中央筒体10の長さとほぼ同じ間隔をおいて上下二つの端部筒体13,14が設けられている。上端部筒体13は羽根板3,5の上端縁16よりやや下方に位置しているとともに、周面の上方位置にはピン孔17が穿設されている。そして、上下二つの端部筒体13,14は中央筒体10を上下の端部を挟むようにそれぞれ連通した位置に設けられている。そして、上端部筒体13は羽根板3,5の上端縁16よりやや下方に位置しているので、上端部筒体13の上方は上端部筒体13の上端の開口端面18と、第一の羽根板3の側縁9と、第二の羽根板の側縁12とによって囲まれた凹部19となっている。尚、中央筒体10の上端の開口端面20と上端部筒体13の下端の開口端面22との間、および、中央筒体10の下端の開口端面21と下端部筒体14の上端の開口端面23との間にはそれぞれ合成樹脂からなる環状の滑動部材24が嵌入され、中央筒体10と上下両端部筒体13,14とはこれら滑動部材24を介して連接され、二枚の羽根板3,5の開閉を滑らかにしている。
【0017】
上端部筒体13には上部支持軸6が挿入されており、この上部支持軸6は、上端部筒体13に固定される固定部25と、係止部27を有し回転可能な回転部26と、操作頭部28とによって構成されている。
【0018】
固定部25は上端部筒体13の上部に完全に挿入されるもので、中心には上下方向に貫通する貫通通孔29が穿設されているとともに、外周面には孔30が穿設されている。そして、止めピン31を上端部筒体13のピン孔17に貫通させて孔30に挿入することでこの固定部25を端部筒体13に固定させている。
【0019】
回転部26は、固定部25の下に位置してその上部は上端部筒体13に挿入されているもので、下端には溝状の係止部27が形成されており、この係止部27にはばね8の上方の端部32が圧入されて係止されている。そして、この回転部26と固定部25とはラチェット機構33を介して連接されている。
【0020】
操作頭部28は短尺な円柱体であり、その外径は上端部筒体13の外径とほぼ等しく形成され、その上端面の中心には円形の溝穴35が穿設され、更にこの溝穴35の中心には平面正方形の貫通孔36が穿設されている。そして、この操作頭部28は前述の凹部19に完全に収納されて配置されている。更に操作頭部28の外周面には等間隔に四つの係止孔38が穿設されている。
【0021】
そして、回転部26の上端面の中心には角状の軸34が設けられ、この軸34が固定部25の通孔29を回転可能に貫通し、更に操作頭部28の貫通孔36を回転不能且つ摺動可能に貫通している。そして、軸34の先端には短尺な円柱状の摺動体37が設けられ、この摺動体37が穴溝35に摺動可能に緩嵌されている。このように回転部26と操作頭部28とは軸34によって接続されている。
【0022】
従って、操作頭部28を回すと、ばね8のばね力に抗してラチェット機構33が外れて回転部26が回転してばね8を卷くこととなる。即ち、操作頭部28を回すとラチェット機構33が係脱を繰り返し、それに伴って回転部26、軸34、摺動体37も上下に摺動を繰り返しながら回転する。
【0023】
また、下端部筒体14には、上端に溝状の係止部46が形成された下部支持軸7が下端の開口端面48から挿入されている。下部支持軸7の係止部46は中央筒体10の内部にあってばね8の下方の端部40が圧入されて係止されているとともに、下部支持軸7の外周面には孔39が穿設されている。そして、止めピン41を中央筒体10のピン孔11に貫通させて孔39に挿入することで、この下部支持軸7を中央筒体10に固定させている。
【0024】
このように、二枚の羽根板3,5は上下の二つの支持軸6,7を支軸として開閉するとともに、ばね8はその上下の端部32,40で二つの支持軸6,7の係止部27,38に係止されている。
【0025】
以上のように構成した本実施の形態の蝶番1は、通常の蝶番と同様に第一の羽根板3を縦枠2の取付凹部42に止めねじ43によって、第二の羽根板5を扉4の取付凹部44に止めねじ45によってそれぞれ取り付ける。そして、操作頭部28を手で回す。このように操作頭部28を手で回すことによって、ばね8が巻かれてばね8に付勢力を発生させる。この付勢力は上下二つの支持軸6、7を介して二枚の羽根板3、5に及び、扉4の閉止方向の作用力となって働く。このような基本的な構成に対して、操作頭部28の外周面に係止孔38を設け、操作棒47を差し込んで回すことで、ばね8に付勢力を発生させることも追加要件的には可能な構成である。
【0026】
従って、扉4は閉じた状態で閉方向に付勢されており、また、扉4を開いたときには、更にばね8は卷かれてバネ8には強い付勢力が付加され、自動的に容易に扉4が閉まるようになっている。
【0027】
尚、前記実施の形態の蝶番1では、上部支持軸6を挿入させた上端部筒体13を羽根板3,5の上端縁16より後退させて設けることで二つの羽根板3,5の側縁9,12による凹部19を形成し、この凹部19に操作頭部28を収納させるとともに、この操作頭部28の外径を上端部筒体13の外径と同径に形成したことにより、操作頭部28は上端部筒体13と周面が揃い、且つ羽根板3,5の側縁9,12の上端角部より突出しないため、きわめて外観上優れた美観を呈するという効果を有する。しかし、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、操作頭部28を側縁9,12の上端角部から突出するように上端部筒体13を設けてもよい。
【0028】
また、操作頭部28の外周面に係止孔38を設けたことにより、この係止孔38に操作棒47を差し込んで回すと、操作頭部28の中心から離れた位置から回すこととなり、従来の回転部26の中心の位置で回転操作をするのに比べ、大きな力を必要とすることなくばね8を巻くことができるという効果がある。しかし、本発明は係止孔38を形成しないこともある。
【0029】
また、既述の説明においては、蝶番1の操作頭部28の位置する側を蝶番1の上部側として述べたが、操作頭部側28を下にして取り付け使用できることは言う迄もない。更に、前記実施の形態の蝶番1は、扉4が左右方向に開閉して二枚の羽根板3,5も左右方向に開閉しその回転軸が縦位置に配置される例で説明したが、扉が上下方向に開閉し二枚の羽根板も上下方向に開閉してその回転軸が横位置に配置される場合でも本発明は適用されることは言う迄もない。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明は、羽根板の筒体の内部に設けたばねに与えた付勢力によって自動的に扉が閉まる機構を備えた蝶番にあって、付勢力を与える支持軸を固定部と回転部とに分割し、且つ回転部に軸を介して操作頭部を設け、この操作頭部を手で回すという簡単な操作でばねに付勢力を与えることができるようにしたものである。従って、従来のように専用の工具を必要としない優れた操作性を有するとともに、工具の差込孔を形成する必要もないため、美観を損なうということがない。
【0031】
更に、ラチェット機構を備えた上部支持軸を挿入させた上端部筒体を羽根板の上端縁より後退させて設けることで両羽根板の側縁による凹部を形成し、この凹部に操作頭部を収納させ、且つ操作頭部の外径を上端部筒体の外径と同径に形成したので、操作頭部は、上端部筒体と周面が揃うとともに羽根板の側縁の上端角部より突出しないので、外観上優れた美観を呈する。
【0032】
また、操作頭部の外周面に係止孔を設け、この係止孔に操作棒を差し込んで操作頭部に接続する回転部を回してばねを巻くすようにすれば、操作頭部の中心から離れた位置から回すので、わずかな力で操作頭部を回すことによってばねを巻くことができる。従って、従来の回転部の中心の位置で回転操作をするのに比べ操作性が極めてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】前記実施の形態の一部切截正面図である。
【図3】前記実施の形態の支持軸の縦断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】従来技術の一部切截正面図である。
【図6】前記従来技術の支持軸の縦断面図である。
【符号の説明】
1 蝶番
3 第一の羽根板
5 第二の羽根板
6 上部支持軸
7 下部支持軸
8 ばね
10 中央筒体
13 上端部筒体
14 下端部筒体
25 固定部
26 回転部
28 操作頭部
33 ラチェット機構

Claims (2)

  1. 第一の羽根板の側縁の中央に設けられた中央筒体と第二の羽根板の側縁の軸方向の両端部に設けられて前記中央筒体の両側に配設された上下二つの端部筒体とをそれぞれ連通させるとともに、前記上下の端部筒体の外側の両開口端面から前記中央筒体内に延びる上下の支持軸がそれぞれ挿入されて前記両羽根板が互いに回動自在な構成とされ、前記中央筒体の内部には前記上下の支持軸に自身の両端を係止させたコイル状のばねが挿入されているとともに、前記下部支持軸は前記中央筒体の下方に固定され、且つ前記上部支持軸はラチェット機構を介して対向配置される上端部筒体に固定された固定部と前記ばねの係止部を有する回転部とから構成されてなり、前記回転部を回すことにより前記ばねを巻いて前記両羽根板に閉止方向の付勢力を与える自動閉止装置付き蝶番において、前記回転部の上端面に前記固定部を貫通して該固定部に対して相対的に回転可能にかつ摺動自在に設けた貫通軸を備え、この貫通軸の前記固定部からの突出端に手動操作用の操作頭部を設けたことを特徴とする自動閉止装置付き蝶番。
  2. 前記上端部筒体を羽根板の上部端縁より後退させて設けることで前記両羽根板の側縁によって形成される凹部を形成し、この凹部に前記操作頭部を収納させるとともに、前記操作頭部の外径を前記上端部筒体の外径と同径に形成してなる請求項1記載の自動閉止付き蝶番。
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