JPS5927502Y2 - 軸方向ピンタンブラ錠機構を内蔵した扉用ハンドル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、駆動ピン及び従動ピンが施錠軸の軸方向に沿
って摺動する軸方向ピンタンブラ錠機構を内蔵している
と共に、施錠軸の横断方向に挿脱される板状鍵が、扉の
開閉操作用バンドルの先端部に連設されている扉側バン
ドル装置に関するものである。

実公昭５１−２２０５０号公報に開示された従来の軸方
向ピンタンブラ錠機構付き扉側バンドル装置では、受座
本体の小径な軸筒部の先端部に一対の規制壁部を設ける
一方、該軸筒部より突出した施錠軸に突起付きの座金板
を嵌着し、この座金板の突起と前記一対の規制壁部とを
施錠軸の回転の終始端において係合させることによって
、施錠軸の回転角度を該切欠の開き角度内に規制してい
る。

この施錠軸の回転操作は、操作者によって握持されるに
充分な長さの前記扉開閉操作用バンドルによってなされ
、該バンドルは受座本体に支承された施錠軸を中心とし
て回転するため、前記座金板の突起が前記規制壁部に当
接するとき、このバンドルは施錠軸を支点とする梃子と
して働き、該突起と規制壁部には、梃子によって増倍さ
れた力が作用することになる。

施錠軸の回転の都度、この力が繰返し負荷されるため、
規制壁部と座金板の突起の一方又は双方は次第に圧潰な
いし歪曲変形される。

この歪曲変形等がある限界を越えたときには、施錠軸を
閉錠方向に戻し回転した場合、回転マガジンのピン孔と
固定マガジンのピン孔とが同軸上に整列する正規の閉錠
位置に停止せず、従動ピン及び駆動ピンが所定通り移動
し得ないことになった。

即ち、従来の扉側バンドル装置は、長期にわたる繰返し
使用によって内蔵の錠機構が円滑に作動しなくなるか、
全く作動不能になり、耐久性において劣るものであった
。

従って本考案の目的は、長期にわたって繰返し使用して
も錠機構は常に安定に作動し、耐久性において優れてい
る扉側バンドル装置を提供することである。

以下、図面に基いて説明すると、本考案の扉側バンドル
装置は、扉１の取付孔２に嵌挿される小径な軸筒部３と
該軸筒部３の前端に連設され、扉正面に締着される大径
な正面盤４より戒る受座本体５と、該受座本体５に対し
て不動の固定マガジン６と、固定マガジン６の中実軸孔
７に回転自在に嵌挿される施錠軸８と、該施錠軸８と一
体に回転する回転マガジン９と、施錠軸８の前端に連設
され、前記正面盤４とほぼ同径のバンドル取付盤１０と
、該バンドル取付盤１０背面の横断方向の鍵溝１１に挿
脱される板状鍵部１２を先端に設けたバンドル１３と、
前記固定マガジン６と回転マガジン９の軸方向のピン孔
１４．１５に、前方に摺動付勢して収容された駆動ピン
１６及び従動ピン１７とから戒り、前記鍵溝１１内に一
部突出した駆動ピン１６を前記板状鍵部１２で後退摺動
させて、受座本体５に対する施錠軸８の錠止を解くよう
にした、軸方向ピンタンブラ錠機構内蔵の扉側バンドル
装置である。

そして、前記バンドル取付盤１０の外周縁部と前記正面
盤４の外周縁部の一方には、所要の角度間隔を置いて一
対の規制壁部１８，１９を設け、他方には施錠軸８の回
転の終始端において該規制壁部１８゜１９に当接する突
起２０を設けたものである。

図示の実施例では、回転マガジン９の中央透孔２１に嵌
挿された施錠軸８と、回転マガジン９とは、横断ピン３
６によって一体に連結され、回転マガジン９は、受座本
体５の中央受孔２２に収容されている。

この中央受孔２２の前端部には、横断面小判形状の拡径
部２２ ａが設けられ、該拡径部２２ ａには同形状の
固定マガジン６が嵌込まれ、固定マガジン６は受座本体
５に対して回転不能になっている。

回転マガジン９のビン孔１５は後端部が閉じられた盲孔
形のものであり、これには従動ピン１７とその摺動付勢
用圧縮コイルバネ２３が収容されている。

固定マガジン６のビン孔１４は段付きのものであり、こ
れには段付きの駆動ピン１６が収容されている。

第２図に示したように、従動ピン１７が固定マガジン６
のビン孔１４と回転マガジン９のビン孔１５の双方に係
合して施錠軸８を受座本体５に回転不能に錠止している
閉錠位置においては、従動ピン１７に押された駆動ピン
１６は、その外周段面２４をビン孔１４の内周段面２５
に当接し、その小径前部を固定マガジン６の前面より鍵
溝１１内に突出している。

鍵溝１１は、施錠軸８を挾んで２叉状に形成されている
。

これに対応して、板状鍵部１２も平行な２叉状に構成さ
れ、各先端部にはピン押動用の傾斜面２６を設けである
。

板状鍵部１２の背面には、内周面が円錐形状又は円錐台
形状の凹部２７を設けてあり、該凹部２７の内周面には
、駆動ピン１６の丸頭状又はテーパー付き前端部が係合
する。

バンドル１３を握って施錠軸８を開錠方向に回転させる
とき、板状鍵部の前記凹部２７の周縁部が駆動ピン１６
の前記前端部を押し、また、固定マガジン６の前記ビン
孔１４の孔縁部が従動ピン１７の丸頭状ないしテーパー
付き前端部を押すため、駆動ピン１６はその全長を固定
マガジンのピン孔１４内に退没し、従動ピン１７はその
全長を回転マガジンのビン孔１５に退没する。

かくして、従動ピン１７による施錠軸８の錠止が解除さ
れるため、施錠軸８はバンドル１３によって開錠方向に
回され、施錠軸８の後端角軸部２８に嵌着された掛金板
２９は、配電盤等の筐体側の受余部（図示していない）
より離脱し、該筐体に対する扉１の錠止を解くことにな
る。

前記板状鍵部の凹部２７の深さを適宜変更することによ
って、所要の鍵違いを作ることができるが、鍵違いを必
要としないときには、板状鍵部１２の背面に上記凹部２
７を設けなくともよい。

この場合には、板状鍵部を鍵溝に挿入した時点で、全て
の駆動ピンは固定マガジンのビン孔に退没し、また、全
ての従動ピンが回転マガジンのビン孔に退没することに
なる。

本例では、バンドル取付盤１０の背面外周には、正面盤
４前面の円筒状ボス部３０を被覆する円筒状スカート部
３１を突設してあり、前記突起２０は、このスカート部
３１の内周面に１個突設されている。

前記規制壁部１８，１９は、正面盤４の前記ボス部３０
の外周面に、仕切突部３２を挾んで左右２組設けられて
いる。

そのため、本例では受座本体５を１８０°回転させて扉
１に取付け、前記突起２０を前記２組の規制壁部１８，
１９のどちらか一方の間に入れることによって、左回転
停止型あるいは右回転停止型とすることができる。

施錠軸８の回転は、前記突起２０の各端面２０ ａ 、
２０ ｂが一対の規制壁部１８．１９に当接することに
よって制止されるから、施錠軸８の回転角度は、規制壁
部１８，１９間の開き角度と、突起２０の両端面２０
ａ 、２０ ｂ間の開き角度の差に等しくなる。

図中、符号３３は、受座本体５の軸筒部３に螺合された
締付ナツトを示し、また、符号３４は、正面盤４の背面
に突設した回り止め用ボスを示している。

以上のように本考案の軸方向ピンタンブラ錠機構を内蔵
した扉側バンドル装置では、受座本体５の大径な正面盤
４の外周縁部と、正面盤４とほぼ同径のバンドル取付盤
１０の外周縁部のいずれか一方に、所要の角度間隔を置
いて一対の規制壁部１８．１９を設け、残る他方の外周
縁部に、施錠軸８の回転の終始端において前記規制壁部
１８，１９と当接する突起２０を設けたものであるから
、小径な軸筒部３に一対の規制壁部を設けた従来の扉側
バンドル装置と比較して、バンドル１３の回転操作によ
る規制壁部１８，１９と突起２０の圧潰ないし歪曲変形
が大幅に減少するか、はとんど生じないことになる。

その理由は、規制壁部を小径軸筒部に設けた従来装置と
、規制壁部を大径正面盤の外周縁部に設けた本考案装置
とでは、梃子の力の作用点（規制壁部）と支点（施錠軸
中心）間の長さにおいて相違があり、本考案装置の方が
相当長くなっているため、バンドルの握持点から施錠軸
中心に至る長さ、即ち梃子の作用腕の長さを同一にし、
また、バンドルに与える回転力を同一にしたとき、規制
壁部に作用する梃子の力の増倍率は、本考案装置の方が
相当／トさくなっているからで゛ある。

このように本考案の扉側バンドル装置では、バンドルの
回転操作時に規制壁部１８，１９や突起２０に働く梃子
の力を充分に小さく抑えであるため、規制壁部１８，１
９や突起２０は長期にわたる繰返し使用によって容易に
圧潰ないし歪曲変形されることがなく、施錠軸８を閉錠
方向に回したとき、該施錠軸８は、固定マガジン６のピ
ン孔１４と回転マガジン９のピン孔１５が同一直線上に
整列する正規の閉錠位置に適確に停止することになり、
作動の安定性と耐久性に優れたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は閉錠位置にあ
る扉側バンドル装置の正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ
線断面図、第３図は板状鍵部を挿入したときの縦断面図
、第４図は第２図のＢ−Ｂ’線断面図、第５図は第３図
のｃ−ｃ’線断面図である。 １・・・・・・扉、３・・・・・・軸筒部、４・・・・
・・大径正面盤、５・・・・・・受座本体、６・・・・
・・固定マガジン、８・・・・・・施錠軸、９・・・・
・・回転マガジン、１０・・・・・・バンドル取付盤、
１１・・・・・・鍵溝、１２・・・・・・板状鍵部、１
３・・・・・・バンドル、１６・・・・・・駆動ピン、
１７・・・・・・従動ピン、１８，１９・・・・・・規
制壁部、２０・・・・・・突起、２０・・・・・・凹部
、２９・・・・・・掛金板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉１の取付孔２に嵌挿される小径な軸筒部３と該軸筒部
   ３の前端に連設され、扉正面に締着される大径な正面盤
   ４より成る受座本体５と、該受座本体５に対して不動の
   固定マガジン６と、固定マガジン６の中実軸孔７に回転
   自在に嵌挿される施錠軸８と、該施錠軸８と一体に回転
   する回転マガジン９と、施錠軸８の前端に連設され、前
   記正面盤４とほぼ同径のバンドル取付盤１０と、該バン
   ドル取付盤１０背面の横断方向の鍵溝１１に挿脱される
   板状鍵部１２を先端に設けたバンドル１３と、前記固定
   マガジン６と回転マガジン９の軸方向のピン孔１４．１
   ５に、前方に摺動付勢して収容された駆動ピン１６及び
   従動ピン１７とから成り、前記鍵溝１１内に一部突出し
   た駆動ピン１６を前記板状鍵部１２で後退摺動させて、
   受座本体５に対する施錠軸８の錠止を解くようにした、
   軸方向ピンタンブラ錠機構内蔵の扉側バンドル装置であ
   って、前記バンドル取付盤１０の外周縁部と前記正面盤
   ４の外周縁部の一方に所要の角度間隔を置いて一対の規
   制壁部１８，１９を設け、他方には施錠軸８の回転の終
   始端において該規制壁部１８，１９に当接する突起２０
   を設けた、軸方向ピンタンブラ錠機構を内蔵した扉側バ
   ンドル装置。