JP2784241B2 - 熱収縮性チューブ - Google Patents

熱収縮性チューブ

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は熱収縮性を付与した熱可塑性ポリエステル
チューブであって、特に電子部品例えばアルミ電解コン
デンサ、タンタルコンデンサ等のようなコンデンサの外
装用として好適な熱収縮性ポリエステルチューブに係わ
る。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 従来、コンデンサ等の電子部品の外装用としては、主
としてポリ塩化ビニルからなる熱収縮性チューブが広く
使用されてきた。しかしながらコンデンサ等の電子部品
の軽薄短小化、表面実装化が大幅に進行している分野で
は、ポリ塩化ビニル製のチューブでは耐熱性が不充分で
ある。
コンデンサ等の電子部品の外装用熱収縮性チューブに
は次のような特性が要求される。
(イ)熱収縮性チューブでもってコンデンサ等の電子部
品を収縮被嵌するとき、チューブの両開放端部は、角度
を変えて電子部品の端面を覆うように曲がりこむが、こ
の曲がりこんだ部分は被外装物の端面に均一に密着し、
良好な外観を呈しなければならない。即ち収縮チューブ
の内側に曲がりこんでいる最端部が塊状になったり、角
(ツノ)状に上向きに立ち上ったり、或いは、密着せず
内側にカールしたりするなどの外観不良が生ずるが、か
かる不都合が起ってはならない。
これらを図面で示すと、第1〜第4図はコンデンサを
熱収縮性チューブで収縮被覆したときの状態を示す説明
図であり、図中、1はコンデンサ、2は収縮被覆したチ
ューブの縦断面図である。
第1図は仕上り良好なチューブの例、第2〜4図は仕
上り不良なチューブの例であり、第1図のものでは収縮
チューブの内側に曲がりこんだ部分がコンデンサの端面
に均一に密着しているが、第2図のものでは内側に曲が
りこんでいる最先端が角状に上向きに立ち上ってくる。
なお、最先端が、一部角状に立ち上がるだけでなく、端
部全体が立ち上がる場合もある。第3図のものでは曲が
りこんだ先端が塊状になっており、第4図のものでは曲
がりこんだ部分に密着せずカールしており、従来はこの
ような不良仕上りが屡々見られた。
(ロ)電子部品等への被嵌後、収縮チューブを、熱固定
するため熱処理するが、この際、チューブに亀裂を生じ
たり、或いはチューブが再収縮しないこと。
(ハ)125℃×5000時間という条件下に保持してもチュ
ーブの変褪色が少ないこと。
そして耐熱性を改善するため、熱収縮性チューブの素
材として、熱可塑性ポリエステル樹脂を用いることが提
案されている(特開昭49−32972号、特開昭55−100118
号公報)。しかしながら、こういったチューブにおいて
も、上記必要特性(イ),(ロ)及び(ハ)のうち
(ロ)及び(ハ)については一応満足されるが、(イ)
については全く満足できるとはいい難く、これら3つの
必要特性を併せもつ熱可塑性ポリエステル熱収縮性チュ
ーブ(以下、これを単に熱収縮性チューブと略称するこ
とがある)の出現が望まれている。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は上記の要望に答えるべく鋭意研究の結
果、上記(イ),(ロ)及び(ハ)の必要特性を備えた
本発明の熱収縮性ポリエステルチューブを提供すること
に成功した。
即ち本発明の要旨とするところは、熱可塑性ポリエス
テル樹脂よりなる未延伸チューブを、チューブラー延伸
して熱収縮性を付与したチューブであって、そのチュー
ブの結晶化度が4〜20%であることを特徴とする熱収縮
性ポリエステルチューブに存する。
本発明のチューブを構成する熱可塑性ポリエステル樹
脂としては、酸成分がテレフタル酸、グリコール成分が
エチレングリコールであるポリエチレンテレフタレート
のほか、酸成分として優位量のテレフタル酸にイソフタ
ル酸のようなジカルボン酸を混合してなる共重合体、ま
た、グリコール成分がエチレングリコールにポリエチレ
ングリコールを混合した共重合体、或いは、これらポリ
エステルのブレンド品などが用いられる。それらの中で
好ましいポリエステル樹脂の1例として(1)酸成分が
テレフタル酸95〜65重量%及びイソフタル酸5〜35重量
%からなり、アルコール成分がエチレングリコールであ
るポリエステル共重合体30〜80重量%と(2)ポリエチ
レンテレフタレート70〜20重量%との混和物からなるも
のが挙げられる。このポリエステルブレンド品から製造
した熱収縮性チューブは、結晶化度を4〜12%の範囲と
したものが好ましい。また、グリコール成分としてポリ
エチレングリコールとエチレングリコールの混合物を用
い、酸成分がテレフタル酸であるポリエステルとポリエ
チレンテレフタレートを混和した素材を用いて熱収縮性
チューブとするときは、結晶化度を8〜20%の範囲とし
たものが好ましい。
また、比較的固有粘度[η]の大きい、たとえば
[η]>1のポリエチレンテレフタレートを主成分とす
ることにより押出直後の払チューブの寸法安定性が向上
し、製造し易いというメリットがある。
本発明チューブの素材樹脂には、チューブの易滑性を
向上させるための有機滑剤や無機滑剤を添加したり、ま
た必要に応じて安定剤、着色剤、酸化防止剤等の助剤を
配合することができる。
次に本発明のチューブを製造する方法を例示する。
上に説明したようなポリエステル樹脂素材を通常の乾
燥器によって乾燥した後、チューブ押出しを行なって未
延伸チューブを得、この未延伸チューブを長さ方向(以
下、MD方向という)及び径方向(以下、TD方向という)
にチューブラー延伸する。この際の延伸倍率は、MD方向
には1.01〜1.4倍、好ましくは1.05〜1.25倍とし、TD方
向には1.3〜2.2倍、好ましくは1.4〜2.0倍とする。
延伸温度は、厚さむらが悪化しない限り、低温の方が
よく、通常、72〜98℃ぐらいの範囲から選ぶのが好まし
い。
延伸方法としては、通常採られているチューブラー延
伸でよく、こうして得られた延伸チューブを巻取り製品
とすることができる。
上記のようにして得られたチューブの厚さは、特に限
定されないが、コンデンサ等の電子部品用の収縮チュー
ブとしては、通常30〜200μm、好ましくは50〜150μm
の厚さからなるものが挙げられる。
得られる収縮性チューブの収縮率(98±2℃で測定)
は、MD方向では5%を越え26%以下、TD方向では25%以
上となるようにするのがよい。
MD方向の収縮率が5%以下であると、コンデンサ等に
熱収縮被覆した時に収縮チューブの端面の被り代とコン
デンサ等の端面との間に隙間が生じ易く、一方、26%よ
りも大きいと熱収縮により縦方向に大きく収縮して被覆
位置がずれたり、変形したりするおそれがある。またTD
方向の収縮率が25%より小さいと、コンデンサ等を熱収
縮被覆した時の収縮チューブの密着性が低く、ゆるみが
でるおそれがある。そして好ましくは、MD方向の収縮率
は20%以下、TD方向の収縮率は28%以上とし、TD方向の
収縮率をMD方向の収縮率よりも15%以上大きくする。
以上のような条件でチューブラー延伸を行ない、延伸
チューブの結晶化度を4〜20%の範囲に入るものとする
ことにより、従来の熱収縮性のポリエステルチューブで
は得ることのできなかった、コンデンサ等の電子部品の
外装仕上り性[上記の熱収縮性チューブについての必要
特性中(イ)の項で挙げた、収縮後のチューブ末端部に
おける不都合のない仕上り]を大幅に改善することが出
来た。
その理由は正確にはわからないが、結晶化度の水準
や、同一円周面の結晶化度分布を比較すると、本発明の
チューブは、加熱収縮時の収縮スピードと収縮量のバラ
ンスがとれているので、チューブの同一円周両端面の収
縮が非常に均一に行なわれるためであると考えられる。
延伸チューブの結晶化度を4〜20%とするためには、
環状ダイから溶融押出した未延伸チューブを急冷して
(例えば20℃)結晶化度を低くおさえるとともに、MD方
向の延伸倍率を1.4倍以下と小さくし、かつ延伸後にた
とえば15〜30℃に急冷された金属筒に接触させる等によ
り急冷し、ここでも結晶の生長をおさえることが好まし
い。
この延伸後の急冷は、収縮率を下げる結晶化を防ぐこ
とができるので、前記MD方向の収縮率が、5%以下とな
らないという点でも効果がある。なお、未延伸チューブ
を急冷したもののMD方向の収縮率を0〜5%の範囲にし
ておくことも、延伸チューブの収縮率を5%をこえ、26
%以下にするために効果がある。
本発明のチューブにおいて結晶化度の水準が20%を越
えると収縮の均一性が阻害される(チューブ端部が熱収
縮被嵌物の端面上で内側にカールしようとする性質が非
常に強くなる)ので好ましくない。一方本発明チューブ
の結晶化度の水準が4%未満であると、未延伸チューブ
を薄くして急冷により結晶化をおさえ、延伸による配向
結晶もおさえる必要があるため、延伸倍率を低くしなけ
ればならず、結果として得られる延伸チューブの収縮率
が低下してしまう。
前記例示の製造方法のように延伸倍率を小さくすると
いうことは、同じ径の延伸チューブを得るのに、より薄
い未延伸チューブを使用できるので、押出後急冷し易く
結晶化度を低くおさえるという効果もある。
またこのことにより、外面から延伸適温に加熱する際
に内面まで均一に加熱できるので、内面温度不足による
延伸時の粗面化等が生じ難く、結果として透明性や光沢
に優れた延伸チューブが得られる。
また、チューブの同一円周面の結果化度のバラツキは
小さく(例えば3%以内)するのが好ましいが、本発明
によれば例えば3%以内(同一円周上の結晶化度の最大
値と最小値の差)といった、従来得られなかった結晶化
度のバラツキが小さい延伸チューブが得られる。その理
由も、より薄い延伸チューブを使用することにより押出
後の急冷が均一に行なわれ、結晶化度のバラツキが生じ
ないことによると考えられる。また、延伸配向による結
晶の成長が少ないので、原チューブの結晶化度のバラツ
キが拡大しにくいとも考えられる。
(実施例) 以下の実施例、比較例において、各種特性は次のよう
にして測定された。
(1)収縮率:98℃±2℃の熱水に10秒浸漬した後、下
記の式により算出する。
(2)結晶化度:密度勾配管法による。
(3)同一円周面の結晶化度:同一円周面の8〜10箇所
から試料を採り、それぞれ結晶化度を測定する。チュー
ブの径が著しく大きなものについては採取試料数を増加
し、一方、チューブの径が著しく小さくなければ採取試
料数を低減する。
実施例の測定結果を示す表において例えば4〜6%と
あるのは、同一円周面で採取した試料中、最低結果化度
を示したものは4%、最高結晶化度を示したものは6%
であったことを表わしている。
(4)引張り強度:JIS C−2132による。
(5)伸び率:JIS C−2132による。
(6)耐熱亀裂性: 適用コンデンサにチューブを被覆した後、8号洋裁針
でコンデンサ胴部に0.94kgfの力で針を突きさし、チュ
ーブに穴をあける。このコンデンサを150℃の循環槽に1
0分間放置し、チューブの穴の拡大を見る。第2表中、
例えば0/30とあるが、分母は試験した試料数であり、分
子は穴が拡大したものの数である。
(7)仕上り性: 適用したコンデンサに被覆後、チューブの両末端部に
おいて、塊状のものが生じたり、角(ツノ)状の立上り
部があったり、或いはカールによる巻込みがあるか等の
不都合を肉眼で観察し、×印はこれらの不都合が明確に
認められる場合、○印はこれらの不都合が極めて軽微な
場合、◎印はこれらの不都合が全く認められぬ場合を示
す。
実施例1〜6 酸成分としてテレフタル酸75重量%及びイソフタル酸
25重量%とを含有し、アルコール成分がエチレングリコ
ールであり、固有粘度[η]が0.85であるポリエステル
共重合体60重量%と[η]が0.66であるポリエチレンテ
レフタレート40重量%との混合物を乾燥器を用いて乾燥
した後、チューブラー押出しし、第1表に示す原チュー
ブ厚み(μm)の未延伸チューブを得た。
この未延伸チューブを85℃の温度下で、第1表中に示
す延伸倍率(倍)でMD方向及びTD方向にチューブラー延
伸し、実施例1〜6の何れにおいても厚さ90μmの延伸
チューブを得た。それぞれの実施例における延伸チュー
ブのMD方向及びTD方向の収縮率(%)、同一円周面の結
晶化度を第1表に示す。また、それぞれの実施例で得ら
れたチューブの引張強度(kg/cm2)及び伸び率(%)並
びに、それぞれのチューブを使用してコンデンサを被覆
し、その結果の仕上り性の評価及び耐熱亀裂性を第2表
に示す。
実施例7〜11 前述の実施例1で用いたのと同じ組成のポリエステル
混和物を、乾燥機を用いて乾燥し、次いで、チューブラ
ー押出しし、第3表に示す厚さの未延伸チューブを得
た。この未延伸チューブを95℃の温度下、MD方向に1.1
倍、TD方向に1.5倍の倍率でチューブラー延伸し、第3
表に示す肉厚の延伸チューブを得た。この延伸チューブ
を用い、コンデンサの熱収縮被覆を行った。得られた製
品の被覆仕上り性を第3表に示す。
実施例12〜17 これらの例では、次のポリエステルブレンド品をチュ
ーブ素材とした。即ち固有粘度[η]が1.2のポリエチ
レンテレフタレート67重量%、[η]が0.66のポリエチ
レンテレフタレート28重量%及びアルコール成分として
エチレングリコールとポリエチレングリコールとを含有
し、酸成分がテレフタル酸であって(ポリエチレングリ
コールを10重量%含み、残りは他の成分)、[η]が0.
74のポリエステル共重合体5重量%からなるブレンド物
を素材とした。
このポリエステルを、乾燥器を用いて乾燥した後、チ
ューブラー押出しし、第4表に示す原チューブ厚み
(μ)の未延伸チューブを得た。
この未延伸チューブを90℃の温度下で下記第4表に示
す延伸倍率(倍)でMD方向及びTD方向にチューブラー延
伸し、第4表に示す厚み(μ)の延伸チューブを得た。
それぞれの実施例における延伸チューブのMD方向及びTD
方向の収縮率(%)、同一円周面の結晶化度を第4表に
示す。また、実施例12〜17それぞれで得られたチューブ
の引張強度(kg/cm2)、及び伸び率(%)並びにそれぞ
れのチューブを使用してコンデンサを被覆し、その結果
の仕上り性の評価及び耐熱亀裂性を第5表に示す。
比較例1及び2 上記実施例12で用いたと同じ組成のポリエステルを用
い、未延伸チューブの厚さ、延伸時におけるチューブの
MD方向及びTD方向の延伸倍率及び得られる延伸チューブ
の厚さを第4表に示す通りとし、その他は実施例12にお
けると同様にして熱収縮チューブを製造した。得られた
熱収縮チューブのMD方向及びTD方向の収縮率及び結晶化
度を第4表に、引張強度、伸び率、得られたチューブを
使用してコンデンサを被覆したものの仕上り性及び耐熱
亀裂性を第5表に示す。
以上説明した本発明の熱収縮チューブは、更に次のよ
うな特異な物性を示す。熱収縮性チューブを形成してい
るポリエステルフィルムはチューブの内面側と外面側と
の応力の差で屈曲する現象を示すが、高温雰囲気中に放
置すると、その屈曲は顕著なものとなって現れる。本発
明の熱収縮性チューブを形成しているポリエステルフィ
ルムは、100℃±2℃の雰囲気下(例えばエヤーオーブ
ン内)に5分間置くとき屈曲するが、その曲率は0.2以
下という、換言すれば屈曲度の小さいものであることが
わかった。
上記実施例14及び比較例2で得られた熱収縮性チュー
ブを形成しているフィルムにつき、100℃±2℃のエヤ
ーオーブン内に5分間置いて取り出し、曲率を測定した
ところ、それぞれ0.0461及び0.452であった。
なお、この曲率は次のようにして測定される。
第5図は、曲率の求め方を示す説明図である。
図中、11は測定される熱収縮性チューブであり、チュ
ーブの折り目を避けて正方角のサンプル12を切り取る。
このサンプルの大きさは曲率の測定に影響を与えるもの
ではないので、適宜選定すればよく、通常、チューブ折
径の50〜90%の長さを一辺とした正方形とする。サンプ
ル12を100℃±0.2の雰囲気下、5分間放置するとサンプ
ルは屈曲する。その結果、大きく分けると第5図中、矢
印Aの方に進み、うず巻きの形のもの13になるものと、
矢印Bの方に進み、単に弯曲した弧状のもの14になるも
のとができる。うず巻きの形のもの13については、最も
内側の円筒を形成している円の直径を測定し、これを2R
とする。弧状のもの14については、この弧状の適宜の位
置を直線C−Cで結び、図に示すlの値とxの値を測定
し、 の式によってRの値を得る。
曲率は1/Rによって求められる。
上述のように、本発明の熱収縮性チューブは比較例の
チューブよりも曲率の値が小さいが、例えばコンデンサ
を被覆した場合、端面の仕上りが屈曲による悪影響を受
けることなく、上記第4表に示されるように、良好な仕
上りとなるのである。
以上に説明した本発明の熱収縮性チューブは結晶化度
が4〜20%というように比較的低い。そして一般的にポ
リエステルは結晶化度が大きいときは(例えば30%以
上)耐溶剤性が良好であるが、結晶化度が低いときは耐
溶剤性が悪い。熱収縮性チューブでコンデンサを被覆す
るとき、被覆した後、溶剤(例えばアセトン)で洗浄を
行うことがあるが、このような溶剤洗浄が行なわれる場
合、本発明の熱収縮チューブで被覆したものにおいて
は、チューブにクラックが入ったり、表面に凹凸が生じ
て外観を損なう問題が起る。
上記のような不都合が起ることを回避するためには、
被覆目的物(例えばコンデンサ、以下コンデンサを被覆
した場合で説明する)を本発明の熱収縮チューブで被覆
した後、このものを100〜400℃の高温雰囲気中に10秒〜
1時間放置することにより、チューブの結晶化度を30%
以上に上昇させる。
この処理を実際に行った例を次に説明する。
上記実施例14で得られた結晶化度11〜13(平均値12)
の熱収縮性チューブでもってコンデンサを被覆し、200
℃の高温雰囲気で30〜120秒、熱処理する実験及び300℃
の高温雰囲気下で10〜70秒の熱処理する実験を行ない、
その結果のチューブの結晶化度(平均値)及び耐溶剤性
を調べた。測定結果を下記第6表に示す。耐溶剤性は、
20〜25℃のアセトン中に30秒間静置状態で完全に浸漬
し、次いで静かに取り出し、チューブ表面の状態を観察
し、その結果を次の基準に従って判定した。
○印は、クラックも表面凹凸も全く起らないことを示
す。△印は製品100個の内、クラック又は表面凹凸が一
部分でもある製品があれば不良品として排除し、何の不
都合もない良品の個数が30%以上の場合を示し、×印は
全体クラックが入ったり表面凹凸になっている場合を示
す。
以上のようにして、本発明の熱収縮性チューブで被覆
されたものは、そのチューブの結晶化度を上昇させるこ
とにより耐溶剤性を向上させることができ、更に、結晶
化度が上ることにより仕上り後の寸法安定性も増進させ
ることができる。
(発明の効果) 熱可塑性ポリエステル樹脂を素材とする熱収縮性チュ
ーブでは、熱収縮被覆を行ったとき、チューブの解放両
端部が当る箇所では、その最先端部が塊状になったり、
角(ツノ)状に上向きに浮き上ったり或いは密着せず内
側にカールしたりする外観不良がしばしば生ずるが、本
発明の熱収縮チューブでは、かかる不都合はなく、極め
て優れた被覆仕上り性を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は、熱収縮性チューブでコンデンサを被
覆したときの被覆状態を示す説明図であり、第1図は被
覆仕上りが良好な例、第2,第3及び第4図は仕上りが不
良な例を示す。第5図は、本発明の熱収縮性チューブを
一定温度に加熱して曲率を測定する方法の説明図であ
る。 図中、1はコンデンサ、2は収縮被覆したチューブの縦
断面部分である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 61/06 - 61/08 B29C 55/22 - 55/26 C08J 5/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ポリエステル樹脂よりなる未延伸
    チューブを、チューブラー延伸して熱収縮性を付与した
    チューブであって、そのチューブの結晶化度が4〜20%
    であることを特徴とする熱収縮性ポリエステルチュー
    ブ。
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