JP4647120B2 - 熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブおよびかかるチューブにより表面を被覆された無機材料製品 - Google Patents

熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブおよびかかるチューブにより表面を被覆された無機材料製品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂が70重量%以上である熱可塑性樹脂を主としてなる樹脂組成物より形成された熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブ、およびその利用に関する。さらに詳しくは、ジカルボン酸成分100モル%がテレフタル酸であり、ジオール成分100モル%がエチレングリコールから製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した未延伸チューブを延伸することにより得られた延伸チューブであって、該延伸チューブの結晶化度が特定値範囲であることを特徴とする熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブに関する。更には、電子部品などに被覆する際、収縮特性や開口性に優れると共に、電子部品などが自動車等の使用温度の高い条件下に長時間曝された場合にも良好な被覆状態を保持できる耐熱性に優れた熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブ、およびかかるチューブにより表面が被覆された無機材料製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンデンサ被覆用途などに使用される熱収縮性チューブ状電気絶縁材料としては、主としてポリ塩化ビニルからなる熱収縮性チューブが広く使用されてきた。近年は、コンデンサなどの電子部品は、製品の軽薄短小化のため高密度化し、また自動車の電装部品などの使用温度の高い分野も急速に拡大しつつある。このため熱収縮性チューブにおいても良好な耐熱性が求められている。ポリ塩化ビニル製の熱収縮チューブでは耐熱性が不十分である。また燃焼廃棄する場合にも特別な燃焼炉を使用しないと燃焼炉が損傷したり、有害物質を生成しやすくなるなど、廃棄時の管理に労力を要することが指摘されている。このような側面からポリ塩化ビニル製チューブの代替として、ポリエステル樹脂製の熱収縮チューブが使用されるようになってきている。
【0003】
コンデンサなどの電子部品被覆用熱収縮チューブには主に次のような特性が要求される。第1には熱収縮チューブの被覆加工性が良好であることが挙げられる。第2には熱収縮チューブの機械加工性が良好なことが挙げられる。また、近年では、熱収縮チューブを国内から海外へ輸出することが多くなっている。例えば東南アジア等の熱帯地域に輸出した場合には、40℃の高温下に長時間保存されることが多々ある。その場合熱収縮チューブに経時脆化が起こると、開口時および被覆加工時にチューブが割れるといった不良が発生する可能性がある。よって、第3には熱収縮チューブがそのような場合にも経時脆化を起こさないことが挙げられる。ポリエステル樹脂製の熱収縮チューブにおいて、上記第1の特性を改良するものとして、特開平3−224723号公報には、チューブの結晶化度が4〜20%である熱収縮性ポリエステルチューブが提案されている。また上記第2の特性を改良するものとしては特開平4−303620号公報に、微粒子を含有せしめた共重合ポリエステルチューブの製造方法および特定の特性を有する熱収縮性ポリエステルチューブが提案されている。
【0004】
しかしながら殊に自動車などの電装部品においては上記に提案されたチューブでは耐熱性が未だ十分ではなかった。すなわちチューブに被覆されたコンデンサが135℃の条件下において長時間曝された場合、チューブの一部が膨れその被覆が脱離するものや割れが生ずるものがある。これはコンデンサに被覆されたチューブが未だ十分な耐熱性を有していないためだと考えられる。また従来から使用されている高倍率で延伸して得られた熱収縮性ポリエステルチューブにおいては、膨れは生じないが2次収縮を起こし、十分な被覆がなされない。更に上記に提案されたチューブでは、40℃の条件下に長時間曝した場合、チューブの伸度がなくなり脆化するため、チューブの開口時や被覆加工時に割れが発生する恐れがある。したがって40℃の条件下に長時間曝された場合に脆化しにくく且つ上記の不良がなくコンデンサに被覆され、高温条件下において長時間曝された場合の耐熱性が良好であり、かつ2次収縮を生じない熱収縮性チューブが求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブを電子部品に被覆する前のチューブの脆化が少なく、収縮特性および開口性に優れ且つ電子部品に被覆後、高温下に長時間放置する際の耐熱性に優れた汎用電気絶縁材料や発熱体被覆材料等の利用価値を有する熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブを提供することを目的とする。
【0006】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。特にポリエチレンテレフタレートチューブを延伸させた時の結晶化に関する特性の違いが最終的な被覆後の耐熱性に影響を与えるものと考え検討を行った。更にポリエチレンテレフタレートチューブの構造自体が経時脆化に影響を与えるものと考え検討を行った。その結果、驚くべきことにポリエチレンテレフタレートチューブを延伸して得られた延伸チューブの結晶化度が特定値の範囲内であり、かつポリエチレンテレフタレート樹脂がジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールから製造された樹脂であることを満足する熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブが上記目的を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)ジエチレングリコール成分を1.0〜5.0モル%を含有するポリエチレンテレフタレート樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂(A成分)から主としてなる樹脂組成物から形成されたチューブであって、且つ該チューブの結晶化度が0.5%以上4%未満であることを特徴とする熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブに係るものである。
【0008】
更に本発明は好適には、更に上記樹脂組成物がA成分100重量部に対し、(B)無機滑剤(B成分)0.02〜4重量部および/または(C)有機滑剤(C成分)0.02〜4重量部を含んでなる樹脂組成物である請求項1に記載の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブに係るものである。
【0009】
更に本発明は好適には、上記チューブは、未延伸チューブをチューブの径方向に1.2〜3.0倍、およびチューブの長さ方向に1.0〜2.0倍延伸させて得られたものである熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブに係るものである。
【0010】
また本発明は、より好適には上記樹脂組成物が、A成分100重量部に対し、無機滑剤(B成分)0.05〜1重量部および(C)有機滑剤(C成分)0.05〜1重量部を含んでなる熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブに係るものである。
【0011】
更に本発明は好適には、100℃の温水に30秒間浸漬した時の熱収縮率がチューブの径方向で20〜70%、チューブの長さ方向で0〜40%である上記記載の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブに係るものである。
【0012】
更に本発明は好適には、上記記載の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブにより表面が被覆された無機材料製品に係るものである。
【0013】
以下本発明の詳細について説明する。尚、本発明で言う主としてなるとは樹脂組成物100重量%中の50重量%以上、特に92重量%以上を言う。
【0014】
本発明でいうポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PET樹脂と略称することがある。)は、主としてジカルボン酸成分としてテレフタル酸を使用し、ジオール成分としてエチレングリコールを使用して製造したものであり、若干量のジエチレングリコール以外の他の成分を共重合してもよいが、このPET樹脂中にジエチレングリコール成分(副成する成分も含む)を含有したものが好ましい。その含有量は、ジオール成分100モル%中、1.0〜5.0モル%であり、1.2〜5.0モル%がより好ましく、2.0〜5.0モル%が更に好まく、最も好ましくは3.0〜5.0モル%である。また、含有させるジエチレングリコール成分量を上記範囲にコントロールするために、予め重合前に若干量のジエチレングリコール添加して重合することも可能である。更に重合時に本発明を損わない範囲で少量の好ましくは1モル%以下のポリエチレングリコール等のジオール成分を共重合してもよい。
【0015】
上記PET樹脂のジエチレングリコール成分含有量は、ジオール成分100モル%中、1.0モル%未満では低温時の収縮性が不十分なことから被覆加工時の生産性が低下し、更に結晶化しやすい為機械加工時のカッティング不良によって被覆加工後にカッティング面がギザギザになりやすい。一方5.0モル%を超えると、押し出し生産時、PET樹脂の固有粘度が低下しやすい為、チューブの機械特性、破断強度、伸度が低下しやすい。
【0016】
本発明のチューブの結晶化度が0.5%以上4%未満である。更にかかる結晶化度は1〜3.8%が好ましく、2〜3.7%が更に好ましい。結晶化度は密度勾配管法により求められた値である。かかる結晶化度を得るためにはA成分の構造、チューブの製造方法などが重要な因子となる。
【0017】
A成分の構造としては、結晶性を高める因子、例えば長鎖のジオール成分などを、必要以上に増加させないこと、また製造法において重要な因子は、その延伸チューブ製造時の延伸倍率を適度の設定し、過度な延伸を避けることが望ましい。
【0018】
本発明に使用されるポリエチレンテレフタレート樹脂の末端基構造は特に限定されるものではなく、末端基における水酸基とカルボキシル基の割合がほぼ同量の場合以外に、一方の割合が多い場合であってもよい。またかかる末端基に対して反応性を有する化合物を反応させる等により、それらの末端基が封止されているものであってもよい。
【0019】
本発明に使用されるポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法については、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重縮合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分と前記ジオール成分とを重合させ、副生する水または低級アルコールを系外に排出することにより行われる。例えば、ゲルマニウム系重合触媒としては、ゲルマニウムの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、フェノラート等が例示でき、更に具体的には、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、テトラメトキシゲルマニウム、および三酸化アンチモン等が例示できる。
【0020】
また本発明では、従来公知の重縮合の前段階であるエステル交換反応において使用される、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等の化合物を併せて使用でき、およびエステル交換反応終了後にリン酸または亜リン酸の化合物等により、かかる触媒を失活させて重縮合することも可能である。
【0021】
ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法は、バッチ式、連続重合式のいずれの方法をとることも可能である。
【0022】
上記PET樹脂の固有粘度は、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定した固有粘度において、0.4〜1.5が好ましく、0.5〜1.0がより好ましく、0.55〜0.95が更に好ましく、0.6〜0.9が特に好ましい。固有粘度が0.4未満ではチューブの機械特性、破断強度、伸度が低くなり、また1.5を超えるとチューブの溶融加工性が劣り好ましくない。
【0023】
上記PET樹脂は、1種であってもよく、また2種以上混合してもよい。
【0024】
したがって本発明におけるPET樹脂の好適な態様としては、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定した固有粘度において0.5〜1.0である実質的にジカルボン酸成分としてテレフタル酸とジオール成分としてエチレングリコールからなる樹脂であり、そのジオール成分として副生するジエチレングリコールをジオール成分100モル%中、1.0〜9.0モル%含有したPET樹脂を挙げることができる。
【0025】
かかるポリエチレンテレフタレート樹脂は、熱可塑性樹脂100重量%中に70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、実質的にポリエチレンテレフタレート樹脂からなる熱可塑性樹脂が好ましい。
【0026】
本発明の熱可塑性樹脂は、その100重量%中30重量%以下の上記PET樹脂以外の他芳香族ポリエステル樹脂や他の熱可塑性樹脂を混合することができる。
【0027】
上記PET樹脂以外の芳香族ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂を形成するジカルボン酸成分とジオール成分の内、ジカルボン酸成分100モル%の70モル%以上、好ましくは90モル%以上、最も好ましくは99モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるポリエステル樹脂である。
【0028】
このジカルボン酸の例として、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等があげられる。これらのジカルボン酸は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0029】
上記の芳香族ポリエステル樹脂には、上記の芳香族ジカルボン酸以外に、30モル%未満の脂肪族ジカルボン酸成分を共重合することができる。その具体例として、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等があげられる。
【0030】
ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−または−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)などを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して使用することができる。
【0031】
かかるジカルボン酸成分とジオール成分とからなる芳香族ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンイソフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン/ネオペンチルテレフタレート共重合樹脂等があげられる。中でもポリエチレンナフタレート樹脂が好ましい。これらの樹脂は1種であってもよく、また2種以上混合してもよい。
【0032】
本発明に使用できる芳香族ポリエステル樹脂の末端基構造は特に限定されるものではなく、末端基における水酸基とカルボキシル基の割合がほぼ同量の場合以外に、一方の割合が多い場合であってもよい。またかかる末端基に対して反応性を有する化合物を反応させる等により、それらの末端基が封止されているものであってもよい。
【0033】
本発明に使用できる芳香族ポリエステル樹脂の製造方法については、ポリエチレンテレフタレート樹脂と同様な製造方法が採用できる。
【0034】
他の熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、および各種熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1,2−ポリブタジエン系、塩化ビニル系、フッ素系[フッ素ゴム]、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等)などがあげられる。更にIPN(Interpenerating Polymer Networks=相互貫通網目構造)技術を使ったアクリルゴムとシリコンゴムの複合ゴム例えば、三菱レーヨン(株)商品名メタブレンS−2001等がある。これらのポリエステル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂は、1種または2種以上用いることができる。
【0035】
これらのポリエステル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂の中でも耐熱水性改良の観点からポリエステル樹脂と相溶性の良い熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂が好ましい。
【0036】
この熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(以下TPEE樹脂と略称することがある。)は、ハードセグメントに高融点高結晶性の芳香族ポリエステルを使用し、ソフトセグメントに非晶性ポリエステルや非晶性ポリエーテルを使用した樹脂である。前者がポリエステルエステル樹脂であり、後者がポリエーテルエステル樹脂である。
【0037】
かかるポリエーテルエステル樹脂は、ポリエーテルエステル樹脂100重量%とした時、ハードセグメント5〜95重量%、ソフトセグメント5〜95重量%であり、その固有粘度は0.4〜2.0の範囲である。
【0038】
本発明のポリエーテルエステル樹脂のハードセグメントの芳香族ポリエステルは、前述の芳香族ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸及びジオール成分を用いることができ、このセグメントの融点は100℃以上が好ましい。
【0039】
具体的には1,4−ブタンジオールとテレフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸から実質的なるポリブチレンテレフタレート、またはポリブチレンナフタレートが好ましい。
【0040】
本発明のポリエーテルエステル樹脂のソフトセグメントは、そのアルキレン部分が炭素数3〜12個のアルキレンかまたは炭素数4〜10個のシクロアルキレンであるポリエーテルグリコールで主として構成されている。このようなポリエーテルグリコールの代表例としては、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコールまたはコポリエチレン−プロピレングリコール、コポリエチレン−テトラメチレングリコール等のコポリエーテルグリコールがある。これらのうちポリテトラメチレングリコールが好ましい。
【0041】
また、本発明のポリエステルエステル樹脂は、ポリエステルエステル樹脂100重量%とした時、ハードセグメント5〜95重量%、ソフトセグメント5〜95重量%であり、その固有粘度は0.4〜2.0の範囲である。
【0042】
本発明のポリエステルエステル樹脂のハードセグメントの芳香族ポリエステルは、具体的には1,4−ブタンジオールとテレフタル酸から実質的なるポリブチレンテレフタレートが好ましい。
【0043】
本発明のポリエステルエステル樹脂のソフトセグメントは、ポリカプロラクトン、前記の脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからの脂肪族ポリエステル(例えばポリエチレンアジペート等)、並びにジカルボン酸成分の主成分が芳香族ジカルボン酸であり、アルキレン部分が炭素数3〜12個のアルキレンかまたは炭素数4〜10個のシクロアルキレンであるポリエーテルグリコールで主として構成されているジオール成分とのポリエステルエーテル(以下、芳香族ポリエステルエーテルと略称することがある。)である。中でも芳香族ポリエステルエーテルが好ましい。
【0044】
本発明の樹脂組成物は、滑り性を付与して、良好な開口性および被覆した際の良好な仕上がり特性を得るため、無機滑剤(B成分)および/または有機滑剤(C成分)を含んでなることが好ましい。より好適には無機滑剤および有機滑剤の組み合わせを特定量含んでなるものである。
【0045】
本発明のB成分の無機滑剤としては、例えば、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、フッ化リチウム等の無機不活性外部粒子が挙げられる。無機不活性外部粒子の平均粒径は、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜10μmであり、より好ましくは4〜10μmである。ここで無機不活性不活性外部粒子の平均粒径は、レーザー回折法(島津製作所製 SALD−1100)を用いて測定した重量分布の累積重量分布が50%になるときの粒径である。その粒径分布としては粒径4〜30μmの範囲の大粒径無機不活性外部粒子を含有することが極めて好ましい。かかる範囲は厚みが薄いチューブであってもチューブに欠陥が生じることがなく、良好な開口性などを達成できる。この大粒径無機不活性外部粒子の含有量として、全無機不活性外部粒子100重量%中2〜80重量%が好ましく、より好ましくは10〜70重量%、最も好ましくは20〜60重量%である。
【0046】
大粒径無機不活性外部粒子の含有効果は、特に延伸による大粒径無機不活性外部粒子の突起が起こりにくい低延伸倍率のチューブに著しい。またこれらのチューブは未延伸チューブに内圧をかけ膨張させ延伸管で径を規制するため、延伸管と接触する外部表面は大粒径無機不活性外部粒子の突起が小さくなり印刷性が良好となる。それに対し延伸管と接触しないチューブ内面は大粒径無機不活性外部粒子の突起が発現しやすく、そのため開口性も向上する。
【0047】
本発明のC成分の有機滑剤としてはパラフィン、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ステアリン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸系滑剤、モンタン酸ワックス等のエステル系滑剤、ベンゾグアナミン、ポリメチルメタアクリレートを主成分とした架橋アクリル樹脂等の有機微粒子があげられる。特に無機滑剤との相乗効果をもたらす有機滑剤は外部滑性を向上させ、且つ樹脂との相溶性の良いものが最適である。このほかに押し出し時の熱安定性を持つ等の条件を満たす必要性があり、ポリエステル樹脂を70重量%以上である樹脂組成物にとってはモンタン酸ワックスがとくに好ましい。
【0048】
このモンタン酸ワックスとは、褐炭の溶剤抽出によって得られる炭素数21〜34の脂肪酸及ぶ脂肪アルコールを主に含有する化石ろうのモンタンワックス、およびこのモンタンワックスをエステル化や部分鹸化したワックスである。具体的には、モンタンワックスを酸化したHoechst WAX S(Hoechst社製)、モンタンワックスをエチレングリコールでエステル化したモンタン酸ジエステルであるHoechst WAX E(Hoechst社製)、モンタンワックスをグリセリンでエステル化したモンタン酸ジエステルであるHostalubWE40(Hoechst社製)、モンタンワックスをブチレングリコールで部分的にエステル化し、残りが水酸化カルシウムで鹸化されている部分鹸化モンタン酸エステルであるHoechst WAX OP(Hoechst社製)が挙げられ、中でもHoechst WAX E、HostalubWE40が好ましい。
【0049】
無機滑剤(B成分)、有機滑剤(C成分)の添加量は、A成分100重量部に対し、それぞれ0.02〜4重量部が好ましく、0.1〜2.5重量部がより好ましい。更に好ましい態様は、A成分100重量部に対し、B成分0.05〜1重量部およびC成分0.05〜1重量部を含んでなる樹脂組成物である。
【0050】
有機滑剤と無機滑剤とを組み合わせることにより耐熱性低下などの問題もなく有効な粒子突起形成と表面滑性が改善され、開口性の向上が図られる。更に自動装着機でチューブの切断、被覆、収縮加工を行う際、切断部の密着が低減され、また被覆体のチューブへの挿入性が良くなり、安定した加工を行うことが可能となる。
【0051】
またこのような熱収縮チューブはテープ状に折り畳み、リールに巻き取られてから製品として出荷されることが多いが、この時チューブ表面の滑性が悪いとポリエステルフィルムなどでしばしば発生するブロッキング現象を起こし、チューブ同士が密着し剥がれなくなることがあるが、この樹脂組成物ではこのような問題の改善も図れる。
【0052】
本発明のチューブの製造方法としては、リングダイを用いて未延伸チューブを押出し、ついで延伸して熱収縮性チューブとする方法が最も好ましい態様として挙げられる。その他、TダイやIダイを用いて押出・延伸したフィルムを融着、溶着または接着により貼合せてチューブとする方法、更に前記チューブまたはフィルムをスパイラル状に貼合せてチューブとする方法などがある。
【0053】
ここで、リングダイを用いて未延伸チューブを押出し、ついで延伸して熱収縮性チューブとする方法をさらに詳細に説明する。前記した樹脂組成物は、溶融押出装置により融点以上の温度に加熱溶融され、リングダイから連続的に押し出した後、強制的に冷却され未延伸チューブに成型される。強制冷却の手段としては、低温の水に浸漬する方法、冷却風による方法等を用いることができる。中でも低温の水に浸漬する方法が冷却効率が高く有効である。この未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給してもよく、また一度ロール状に巻き取った後、この未延伸ロールを次の延伸工程の原反として用いてもよい。製造効率や熱効率の点から未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給する方法が好ましい。
【0054】
このようにして得られた未延伸チューブは、チューブ内側より圧縮気体で加圧し、二軸延伸する。延伸法は特に限定されるものではないが、例えば未延伸チューブの一方の端から圧縮気体による圧力を管の内側に加えつつ一定速度で送り出し、次いで温水または赤外線ヒーター等により予熱し、径方向の延伸倍率を規制する延伸温度に加熱した延伸管の中に入れ二軸延伸を行う。延伸管の適当な位置で延伸される様に温度条件等を設定する。延伸後冷却し、一対のニップロールにより挟んで延伸圧力を保持しながら延伸チューブとして引き取り巻取られる。延伸は、長さ方向または径方向のいずれの順序でもよいが、同時に行なうのが好ましい。
【0055】
長さ方向の延伸倍率は、未延伸チューブの送り速度と延伸後のニップロール速度との比で決められ、径方向の延伸倍率は未延伸外径と延伸チューブ外径の比で決められる。これ以外の延伸加圧方法として、未延伸チューブ送り出し側と延伸チューブ引き取り側双方をニップロールに挟み封入した圧縮気体の内圧を維持する方法も採用できる。
【0056】
延伸条件は、使用するポリマーの性質および目的のチューブの熱収縮性により異なるが、通常延伸温度はガラス転移温度以上〜105℃、好ましくは70〜100℃である。
【0057】
本発明の熱収縮性芳香族ポリエステルチューブは、未延伸チューブをその径方向に1.2〜3.0倍、およびその長さ方向に1.0〜2.0倍延伸させて得られたものが好ましい。更にチューブの径方向の延伸倍率は1.3〜2.5倍が好ましく、1.4〜2.0倍がより好ましい。チューブの長さ方向の延伸倍率は1.02〜1.5倍が好ましく、1.02〜1.3倍がより好ましい。
【0058】
チューブの径方向の延伸倍率を1.2倍未満とすると十分な収縮量が得られない場合がある。また3倍を超えると耐熱性が低下し、高温時にチューブの膨れ、割れが発生しやすくなる。更にチューブの長さ方向の延伸倍率の制御も困難となりやすい。
【0059】
チューブの長さ方向の延伸倍率が2.0倍を超えると、長さ方向の収縮量が大きくなり、電子部品などに安定して被覆することが困難となり、電子部品の歩留まりが低下する場合がある。
【0060】
本発明の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブは、延伸チューブにした時の結晶化度が0.5%以上、4.0%未満である。更にかかる結晶化度の下限は0.8〜3.8%が好ましく、1.5〜3.7%がより好ましい。結晶化度は密度勾配管法により求められた値である。かかる結晶化度を得るためにはA成分の構造、チューブの製造方法などが重要な因子となる。
【0061】
A成分の構造としては、結晶性を高める因子、例えば長鎖のジオール成分などを、必要以上に増加させないことが重要である。一方で前述の通り、かかるジオール成分は良好な収縮特性を得るためには有効であるため、ある程度含むことが好ましい。したがってかかる観点からA成分としては、前述のとおりジエチレングリコールをジオール成分100モル%中、9.9モル%以下、かつ下限として1.0モル%以上含有するPET樹脂を好適な態様として挙げることができる。
【0062】
製造法において重要な因子は、その延伸チューブ製造時の延伸倍率である。すなわち、延伸倍率の高い延伸チューブでは分子鎖が比較的長く伸びており、収縮しようとする動きが逆に活発になる。かかる分子鎖の動きは結晶性の高さに結びつく。したがって延伸倍率が高いものほど結晶化度は満足しにくくなる。
【0063】
上記により得られた本発明の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブは、種々の用途に幅広く使用されるものである。しかしながら特に耐熱性の要求される分野においては、その熱収縮率が特定範囲であることが望ましい。上述のとおり本発明の結晶化度を満足するためには延伸倍率が重要であるが、かかる延伸倍率は熱収縮率にも大きな影響を与えるため、必要な熱収縮率をできる限り低延伸倍率で達成することが必要となる。
【0064】
かかる観点から、本発明のチューブの耐熱性および結晶化度を満足する延伸チューブであって、100℃の温水に30秒間浸漬した時の熱収縮率がチューブの径方向で20〜70%、チューブの長さ方向で0〜40%である熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブが本発明の好適な態様として挙げられる。かかる収縮率範囲は、被覆される電子部品などに良好な被覆と耐熱性の両立をもたらす。より好ましい範囲としては上記熱収縮率がチューブの径方向で30〜50%、チューブの長さ方向で1〜15%である。
【0065】
本発明の樹脂組成物は、予め上記各成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押し出し機などの混合機によりり混合して使用してもよく、また未延伸チューブを押出す押出機の供給口に計量した各成分を直接供給したり、更には2ケ所以上の供給口を有する押出機の各供給口に別々に計量した成分を供給してもよい。
【0066】
さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、その効果が発現する量の各種添加剤、無機充填剤を添加してもよい。各種添加剤としては、難燃剤(臭素化ビスフェノール、臭素化ポリスチレン、臭素化ビスフェノールAのカーボネートオリゴマー、トリフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、赤リンなど)、難燃助剤(アンチモン酸ナトリウム、三酸化アンチモンなど)、滴下防止剤(フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンなど)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系化合物など)、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、着色剤等が挙げられる。また無機充填剤としては、ガラスビーズ、タルク、マイカなどが挙げられる。
【0067】
本発明の樹脂組成物はポリエチレンテレフタレート樹脂の加水分解をさける為に、予め水分が0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以下になる様に乾燥する。例えば、170℃で3時間、150℃で12時間、真空下120℃で24時間等の条件で乾燥する。
【0068】
かくして本発明によれば、上記熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブを使用して各種無機材料製品の表面を被覆した製品も提供される。表面の被覆の対象となる製品としては、主成分であるポリエチレンテレフタレート樹脂の特性(絶縁性、耐熱性、耐薬品性、高弾性率等の機械特性)を利用しうるものであればよく、例えば金属材料製品およびガラス製品が挙げられる。具体的には、金属材料製品としては、コンデンサー、電線(丸線、角線)、乾電池、リチウムイオン電池等の2次電池、鋼管または電気機器が例示され、この電気機器としてはモーターコイルエンド、トランス、口出線を含み、また小型モーターの全体を被覆することもできる。また、ガラス製品としては、例えば電球、蛍光灯が示され、殊にファクシミリやイメージスキャナーの蛍光灯被覆チューブとしても利用可能である
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。尚、実施例中の代表的な物性は下記の方法で測定した。
【0070】
(1)ジエチレングリコール量
PET約0.2gを精秤、エタノール分解液(テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)約0.2gを精秤、精製エタノールで正確に50mlに定容した物)の正確に1mlと共に、ガラス製耐圧容器に封入、オートクレーブ中260±5℃、5時間エタノール分解した後、TEGDMEを内部標準としてガスクロマトグラフにより測定する。
【0071】
(2)熱収縮率
長さ10cmの熱収縮チューブを100℃の熱水に30秒間浸漬した前後の長さ、及び外径をデジタルノギスにより測定し、下記式(1)より計算した。5サンプルの測定を行いその平均値を算出した。
【0072】
【数1】
Figure 0004647120
【0073】
(3)耐熱性試験
アルミ電解コンデンサに熱収縮性チューブを被覆し、135℃の乾燥機に2000時間放置後、チューブの膨れ、溶解、割れおよび二次収縮による肩外れを目視評価した。評価はそれぞれのサンプルにつき10個で行った。
(評価)
○;耐熱試験後、チューブの膨れ、溶解、割れおよび二次収縮等の熱収縮チューブの変化が全ての被覆コンデンサで見られない
△;耐熱試験後、チューブの膨れ、溶解、割れおよび二次収縮等の熱収縮チューブの変化がわずかに見られるものがある。但し、製品としての機能に問題ないレベルである
×;耐熱試験後、チューブの膨れ、溶解、割れまたは二次収縮等の熱収縮チューブの変化が発生しており、製品としての機能に問題を生ずるものが発生した。
【0074】
(4)結晶化度
延伸チューブを密度勾配管法により求めた。
【0075】
(5)開口性
延伸チューブの内面に空気が残らないようにロールにて圧着後、巻き取ったチューブを長さ方向と平行に折り曲げ、下記のように評価した。
○;1回折り曲げただけで口が開き、開口性が良好
△;2回折り返し口が開く
×;3回以上折り返しても口が開かず、開口性が悪い。
【0076】
(6)経時脆化
延伸チューブを40℃の乾燥機に4週間放置後、長さ方向のチューブの破断伸度を測定した。また、かかる熱処理前の延伸チューブの長さ方向の破断伸度もあわせて測定した。破断伸度は、ASTM D638タイプVダンベルにて長さ方向に平行に試験片を打ち抜き、引張り速度10mm/分で測定した。
【0077】
[実施例1〜9及び比較例1〜3]
表1記載の樹脂組成物を、シリンダー温度270℃に設定した押出機で溶融しリングダイを通して押出し、水に浸漬、冷却固化して得た未延伸チューブをそのまま90℃温水中、内径10.5mmφの延伸管を使用し、0.5kg/cm2の圧空によりチューブに内圧をかけ表1に示す条件にて延伸後水にて冷却し、表1記載の延伸熱収縮性チューブを得た。得られた熱収縮性チューブの形状および特性を表1に示した。
【0078】
表1の各略称は下記の内容を意味する。
(A−1)ポリエチレンテレフタレート樹脂
PET−1:酸成分がテレフタル酸100モル%、ジオール成分がエチレングリコール100モル%で製造し、製造後のジエチレングリコールの副生量が3.3モル%からなり、[η]=0.85のポリエチレンテレフタレート樹脂
PET−2:酸成分がテレフタル酸100モル%、ジオール成分がエチレングリコール100モル%で製造し、製造後のジエチレングリコールの副生量が1.3モル%からなり、[η]=0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂
(A−2)芳香族ポリエステル樹脂
PEN:[η]=0.60のポリエチレンナフタレート樹脂
(A成分以外)
PET−3:酸成分がテレフタル酸89モル%、イソフタル酸11モル%、ジオール成分がエチレングリコール100モル%からなり、[η]=0.7のポリエチレンテレフタレート/イソフタレート樹脂
PET−4:酸成分がテレフタル酸100モル%、ジオール成分がエチレングリコール68モル%、1,4シクロヘキサンジメタノール30モル%、ジエチレングリコール2モル%からなり、[η]=0.78の非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
(B)無機滑剤
無機滑剤;平均粒径4.8μm、粒径4.0〜5.3μmの大粒径不活性外部粒子を13.4重量%、5.3〜7.5μmを16.2重量%、7.5〜11.0μmを15.0重量%、11〜16μmを10.4重量%、16〜22μmを2.6重量%、22〜30μmを0.2重量%含有しているカオリン。(全不活性外部粒子100重量%中4〜30μmの大粒径不活性外部粒子を57.8重量%含有)
(C)有機滑剤
有機滑剤;モンタン酸をエチレングリコールでエステル化したモンタン酸ジエステルであるHoechst社製 Hoechst WAX E
【0079】
【表1】
Figure 0004647120
【0080】
【発明の効果】
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂と、無機滑剤およびまたは有機滑剤を併せて添加した樹脂組成物からなる熱収縮性芳香族ポリエチレンタレフタレートチューブは、表1から明らかの如く、延伸させて得られたチューブの結晶化度を0.5%以上、4.0%未満にすることで、電子部品などに被覆する際収縮特性や開口性に優れると共に、電子部品などが高温状態に長時間曝された場合にも、良好な被覆状態を保持できる耐熱性に優れたものである。さらに延伸されたチューブが、40℃高温下に長時間保存された場合においても経時脆化が少ない優れたものである。さらに上記樹脂組成物が有している耐燃焼性、電気特性、耐薬品性を生かすことができかつこれら特性を被覆材料あるいは保護材料として利用することができる熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブを提供し、また、上記チューブの工業的に有利な製造方法と前記熱収縮性を利用して種々の製品を被覆あるいは保護した無機材料製品を提供する。
【0081】
従って従来の塩化ビニル系熱収縮チューブやポリエチレンテレフタレート系チューブで用いられているコンデンサだけでなく、蛍光灯の保護被覆やリチウムイオン電池等の2次電池の絶縁被覆などの用途にも有用である。

Claims (6)

  1. (A)ジエチレングリコール成分を1.0〜5.0モル%を含有するポリエチレンテレフタレート樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂(A成分)から主としてなる樹脂組成物から形成されたチューブであって、且つ該チューブの結晶化度が0.5%以上4%未満であることを特徴とする熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブ。
  2. 樹脂組成物がA成分100重量部に対し、(B)無機滑剤(B成分)0.02〜4重量部および/または(C)有機滑剤(C成分)0.02〜4重量部を含んでなる樹脂組成物である請求項1に記載の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブ。
  3. チューブが、未延伸チューブをチューブの径方向に1.2〜3.0倍、およびチューブの長さ方向に1.0〜2.0倍延伸させて得られたものである請求項1に記載の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブ。
  4. 樹脂組成物は、A成分100重量部に対し、無機滑剤(B成分)0.05〜1重量部および(C)有機滑剤(C成分)0.05〜1重量部を含んでなる請求項1に記載の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブ。
  5. 100℃の温水に30秒間浸漬した時の熱収縮率がチューブの径方向で20〜70%、チューブの長さ方向で0〜40%である請求項1に記載の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱収縮性ポリエチレンテレフタレートチューブにより表面が被覆された無機材料製品。
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