JP2004189975A - 熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブ、その製法および被覆された無機材料製品 - Google Patents

熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブ、その製法および被覆された無機材料製品 Download PDF

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Abstract

【課題】芳香族ポリエステル樹脂にカルボジイミド化合物を特定量添加することで、チューブの開口性、カッティング性に優れ、かつ印刷特性に優れる熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブを提供することを目的とする。
【解決手段】(A)芳香族ポリエステル樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)カルボジイミド化合物(B成分)を0.3〜5重量部含有した樹脂組成物から溶融成形、延伸された熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブ。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口性、カッティング性が良好で、印刷特性に優れた、熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブ、詳しくは芳香族ポリエステル樹脂が70重量%以上である熱可塑性樹脂とポリカルボジイミドとを含有してなる樹脂組成物より形成された熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブ、その製造方法およびその利用特にかかるチューブにより表面が被覆された無機材料製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンデンサ被覆用途などに使用される熱収縮性チューブ状電気絶縁材料としては、主としてポリ塩化ビニルからなる熱収縮性チューブが広く使用されてきた。しかしながらポリ塩化ビニル製の熱収縮性チューブは、燃焼廃棄する場合に特別な燃焼炉を使用しないと燃焼炉が破損したり、有害物質を生成しやすくなるなど、廃棄時の管理に労力および費用を要することが指摘されている。よってこのような側面からポリ塩化ビニル製チューブの代替として、ポリエステル樹脂製の熱収縮チューブが使用されるようになってきている。
【0003】
コンデンサ被覆用途などに使用される熱収縮性チューブについては、例えばアルミ電解コンデンサの場合、定格電圧、静電容量、陰極側などを表記するためチューブに印刷をしている。このため、熱収縮チューブにおいては良好な印刷性が求められている。しかしながら、ポリエステル樹脂製チューブは、ポリ塩化ビニル製チューブ比べ、チューブの開口性が非常に悪い。よって、チューブの開口性を向上する目的で、無機系の微粒子を含有させる方法がとられている。しかしながら、ポリエステル樹脂チューブでは、無機系の微粒子が結晶化核剤として働くため、印刷時の溶剤やインクにより表層部分の結晶化が進みソルベントクラックが発生しやすくなったり、チューブが脆化しやすいためにコンデンサに被覆加工することが難しいといった問題が発生する。また、無機系の微粒子が凝集し、分散性が悪くなると、印刷の転写不良すなわち熱収縮チューブに印刷を行うと、その部分に印刷が載らなかったり、印刷の密着性が大幅に低下するといった印刷不良が発生する惧れもある。さらには、チューブをカッティングする際、無機系の微粒子の影響により、カット刃の磨耗が激しくなり、ポリ塩化ビニル製チューブに比べカット刃の交換頻度が増加したり、カッティング時にカット部がギザギサになるといった外観不良が発生する場合がある。したがって、上記の外観不良がなくかつ印刷性が良好で、被覆加工性および機械加工性に優れる熱収縮チューブが求められていた。
【0004】
従来のポリエステル樹脂製の熱収縮性チューブにおいては、チューブの被覆加工性を改良する目的で、チューブの結晶化度を4〜20%にした熱収縮性ポリエステル樹脂チューブが提案されている(特許文献1参照)。しかしながらこの文献には、チューブの印刷特性、開口性、カッティング性の改善に関する記述は何もない。また、チューブの機械加工性を改良する目的で、微粒子を含有せしめた共重合ポリエステル樹脂が提案されている(特許文献2参照)が、それだけではチューブの印刷特性は改善されない。
【0005】
ところでエステル基を有する樹脂用の耐加水分解安定剤としてカルボジイミドが有用であることは知られている(特許文献3および4参照)。これらの文献には、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートにカルボジイミドを添加し、フィルムを形成してその耐加水分解性が向上することが報告されている。しかしながら、これらの文献にはポリエステル系樹脂の熱収縮性チューブにカルボジイミドを添加したとき、熱収縮性チューブに要求される諸特性についてカルボジイミドがどのような影響を与えるか示唆するものは何もない。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−224723号公報
【特許文献2】
特開平4−303620号公報
【特許文献3】
特開平9−208649号公報
【特許文献4】
特開平9−296097号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、チューブの開口性、カッティング性に優れ、さらに印刷性が良好な熱収縮性芳香族ポリエステルチューブを提供することを目的とする。
【0008】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂組成物においてポリカルボジイミドを特定量含有させることにより、チューブの開口性、カッティング性に優れるとともに印刷時における外観不良やチューブの脆化が少ない印刷特性に優れることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
1)(A)芳香族ポリエステル樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)カルボジイミド化合物(B成分)を0.3〜5重量部含有した樹脂組成物から溶融成形、延伸された熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブである。
【0010】
さらに好適には本発明は、
2)100℃の熱水に30秒間浸漬した時の熱収縮率がチューブの径方向で15%以上かつ長さ方向で40%以下である1)記載の熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブに係るものである。
【0011】
さらに好適には本発明は、
3)100℃の熱水に30秒間浸漬した時の熱収縮率がチューブの径方向で15%以上かつ長さ方向で40%以下である1)記載の熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブに係るものである。
【0012】
さらに本発明は、
4)(A)芳香族ポリエステル樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)カルボジイミド化合物(B成分)を0.3〜5重量部含有した樹脂組成物から溶融押出して溶融成形された未延伸チューブを、チューブの径方向に1.2〜4.0倍、およびチューブの長さ方向に1.0〜4.0倍延伸することを特徴とする熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブの製造方法に係るものである。
【0013】
さらに本発明は好適には、
5)熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブにより表面を被覆された無機材料製品に係るものである。
【0014】
さらに本発明は好適には、
6)該無機材料製品がアルミ電解コンデンサである請求項4記載の無機材料製品に係るものである。
【0015】
さらに本発明は好適には、
7)該無機材料製品がリチウムイオン電池である請求項4記載の無機材料製品に係るものである。
【0016】
以下本発明についてさらに詳細に説明する。
【0017】
本発明でいう芳香族ポリエステル樹脂(以下単に“ポリエステル樹脂”と略称することがある。)は、ポリエステル樹脂を形成するジカルボン酸成分とジオール成分の内、ジカルボン酸成分の70モル%以上、好ましくは90モル%以上、最も好ましくは99モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるポリエステル樹脂である。
【0018】
このジカルボン酸の例として、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等があげられる。これらのジカルボン酸は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0019】
本発明のポリエステル樹脂には、上記の芳香族ジカルボン酸以外に、30モル%未満の脂肪族ジカルボン酸成分を共重合することができる。その具体例として、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等があげられる。
【0020】
ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−またはシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)などを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
かかるジカルボン酸成分とジオール成分とからなる芳香族ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンイソフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン/ネオペンチレンテレフタレート共重合樹脂等があげられる。
【0022】
中でもポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン/ネオペンチルテレフタレート共重合樹脂が好ましい。
【0023】
さらに、ポリエチレンテレフレタート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン/ネオペンチレンテレフタレート共重合樹脂がより好ましい。最も好ましい態様は、ポリエチレンテレフレタート樹脂である。
【0024】
これらの樹脂は1種であってもよく、また2種以上混合してもよい。ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンイソフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン/ネオペンチレンテレフタレート共重合樹脂では、熱収縮特性を保持しつつ、さらに耐熱性を改良する目的で、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂を3〜30重量%混合することができる。また、低温時における熱収縮特性を改良する目的で、ポリエチレンテレフタレート樹脂にポリブチレンテレフタレート樹脂を0.1〜20重量%混合することができる。
【0025】
本発明においてポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、“PET樹脂”と略称することがある。)は、実質的にジカルボン酸成分としてテレフタル酸とジオール成分としてエチレングリコールからなる樹脂である。
【0026】
さらにジオール成分としてわずかにポリエチレングリコールを共重合したPET樹脂が好ましい。ここでポリエチレングリコールとは、エチレングリコールをその重合体成分とした化合物の総称である。したがってジエチレングリコールをも含むものである。その上限の分子量としては6,000程度が好ましい。
【0027】
ポリエチレングリコール成分の組成割合としては、ジオール成分100重量%中、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらに好ましい。その下限としては、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。
【0028】
ポリエチレングリコール成分の導入は分子鎖の可動性を高め、熱収縮特性に必要なエントロピー弾性を高められる利点がある。一方であまり多くを含むと耐熱性が低下したり、結晶性が高くなりやすいなどの欠点が生ずる。これらの利点と欠点とを均衡させるためには、ポリエチレングリコールの分子量を低くすることが好適である。すなわち、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの成分を導入することがより好ましい。さらに好ましくはジエチレングリコールを導入する場合である。また、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの成分を導入することも好ましい。
【0029】
すなわち本発明の樹脂として好適なPET樹脂は、実質的にジカルボン酸成分としてテレフタル酸とジオール成分としてエチレングリコールからなる樹脂であり、このPET樹脂中のジエチレングリコール成分の含有量は、ジオール成分100モル%中、1.0〜9.0モル%が好ましく、1.2〜7.5モル%がより好ましく、2.0〜5.0モル%が最も好ましい。また、ジエチレングリコール成分含有量を上記範囲にコントロールするために、予め重合前に若干量のジエチレングリコールを添加して重合することも可能である。さらに重合時に本発明を損なわない範囲で少量の好ましくは1モル%以下のポリエチレングリコール等のジオール成分を共重合してもよい。
【0030】
本発明の樹脂として好適例であるポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合樹脂(以下、“TA/IA共重合樹脂”と略称することがある。)を構成するジカルボン酸成分のテレフタル酸とイソフタル酸の割合は、全ジカルボン酸成分100モル%とした時にテレフタル酸が80〜99.9モル%、好ましくは85〜99モル%、さらに好ましくは90〜99モル%である。また、イソフタル酸は0.1〜20モル%、好ましくは1〜15モル%、さらに好ましくは1〜10モル%である。
【0031】
このTA/IA共重合樹脂には、テレフタル酸とイソフタル酸以外のナフタレンジカルボン酸等の前記の芳香族ジカルボン酸を10モル%以下、好ましくは5モル%以下、またアジピン酸等の前記の脂肪族ジカルボン酸を5モル%以下、好ましくは3モル%以下共重合することが可能であるが、ジカルボン酸成分がテレフタル酸とイソフタル酸のみからなるものが最も好ましい。
【0032】
さらに、TA/IA共重合樹脂におけるジオール成分としてエチレングリコール単独が最も好ましいが、エチレングリコール以外のジエチレングリコール等、前記のジオール成分を10モル%以下、好ましくは5モル%以下共重合することができる。
【0033】
本発明の樹脂として好適例であるポリエチレン/ネオペンチレンテレフタレート共重合樹脂(以下、“EG/NPG共重合樹脂”と略称することがある。)を構成するジオール成分のエチレングリコールとネオペンチレングリコールの割合は、全ジオール酸成分100モル%とした時にエチレングリコールが90〜99モル%、好ましくは95〜99モル%、さらに好ましくは97〜99モル%である。また、ネオペンチレングリコールは1〜10モル%、好ましくは1〜5モル%、さらに好ましくは1〜3モル%である。またエチレングリコールとネオペンチレングリコール以外のジエチレングリコール等、前記のジオール成分を5モル%以下、好ましくは3モル%以下共重合することができる。
【0034】
このEG/NPG共重合樹脂には、テレフタル酸以外のナフタレンジカルボン酸等の前記の芳香族ジカルボン酸を10モル%以下、好ましくは5モル%以下、またアジピン酸等の前記の脂肪族ジカルボン酸を5モル%以下、好ましくは3モル%以下共重合することが可能であるが、ジカルボン酸成分がテレフタル酸単独のものが最も好ましい。またエチレングリコールとネオペンチレングリコール以外の前記の脂肪族ジカルボン酸を5モル%以下、好ましくは3モル%以下共重合することができる。
【0035】
本発明に使用される芳香族ポリエステル樹脂の末端基構造は特に限定されるものではなく、末端基における水酸基とカルボキシル基の割合がほぼ同量の場合以外に、一方の割合が多い場合であってもよい。またかかる末端基に対して反応性を有する化合物を反応させる等により、それらの末端基が封止されているものであってもよい。
【0036】
本発明に使用される芳香族ポリエステル樹脂の製造方法については、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重縮合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分と前記ジオール成分とを重合させ、副生する水または低級アルコールを系外に排出することにより行われる。例えば、ゲルマニウム系重合触媒としては、ゲルマニウムの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、フェノラート等が例示でき、さらに具体的には、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムおよびテトラメトキシゲルマニウムが例示される。またアンチモン触媒としては三酸化アンチモンが例示できる。
【0037】
また本発明では、従来公知の重縮合の前段階であるエステル交換反応において使用される、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等の化合物を併せて使用でき、およびエステル交換反応終了後にリン酸または亜リン酸の化合物等により、かかる触媒を失活させて重縮合することも可能である。
【0038】
芳香族ポリエステル樹脂の製造方法は、バッチ式、連続重合式のいずれの方法をとることも可能である。
【0039】
上記芳香族ポリエステル樹脂の固有粘度[η]は、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定した固有粘度において、0.4〜1.5が好ましく、0.5〜1.0がより好ましく、0.55〜0.95がさらに好ましく、0.6〜0.9が特に好ましい。[η]が0.4未満ではチューブの機械特性、破断強度、伸度が低くなり、また1.5を超えるとチューブの溶融加工性が劣り好ましくない。
【0040】
したがって本発明におけるポリエステル樹脂の好適な態様としては、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定したηが0.5〜1.0であり且つジカルボン酸成分としてのテレフタル酸とジオール成分としてのエチレングリコールからなる樹脂であり、そのジオール成分としてジエチレングリコールをジオール成分100モル%中、1.0〜9.0モル%含有するものが特に好ましい。
【0041】
本発明の熱収縮性チューブを構成するポリエステル樹脂は、1種であっても2種以上であってもよく、リサイクルされたポリエステル樹脂を使用してもよい。。例えば、TA/IA共重合樹脂では、単独で使用するかPET樹脂と混合して使用でき、このTA/IA共重合樹脂とPET樹脂の混合樹脂中の全ジカルボン酸成分の100モル%中イソフタル酸が0.1〜20モル%、好ましくは0.1〜15モル%、より好ましくは0.1〜10モル%になる様配合して使用することもできる。
【0042】
また共重合の態様はブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。例えば、TA/IA共重合樹脂は、実質的にポリエチレンテレフタレート鎖とポリエチレンイソフタレート鎖とからなるブロック共重合体やエチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとのランダム共重合体であってもよい。
【0043】
かかるポリエステル樹脂は、熱可塑性樹脂(A)100重量%中に70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上が好ましい。
【0044】
本発明の熱可塑性樹脂は、その100重量%中30重量%以下のポリエステル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を含有することができる。かかるポリエステル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、および各種熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1,2−ポリブタジエン系、塩化ビニル系、フッ素系[フッ素ゴム]、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等)などがあげられる。さらにIPN(Interpenetrating Polymer Networks=相互貫通網目構造)技術を使ったアクリルゴムとシリコンゴムの複合ゴム例えば、三菱レイヨン(株)商品名メタブレンS−2001等がある。これらのポリエステル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂は、1種または2種以上用いることができる。
【0045】
これらポリエステル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂の中でも耐熱水性改良の観点からポリエステル樹脂と相溶性の良い熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂が好ましい。
【0046】
この熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(以下“TPEE樹脂”と略称することがある。)は、ハードセグメントに高融点高結晶性の芳香族ポリエステルを使用し、ソフトセグメントに非晶性ポリエステルや非晶性ポリエーテルを使用した樹脂である。前者がポリエステルエステル樹脂であり、後者がポリエーテルエステル樹脂である。
【0047】
後者のポリエーテルエステル樹脂は、ポリエーテルエステル樹脂100重量%とした時、ハードセグメント5〜95重量%、ソフトセグメント5〜95重量%であり、その固有粘度は0.4〜2.0の範囲である。
【0048】
前記ポリエーテルエステル樹脂のハードセグメントの芳香族ポリエステルは、前述の芳香族ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸およびジオール成分を用いることができ、このセグメントの融点は100℃以上が好ましい。
【0049】
具体的には1,4−ブタンジオールとテレフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸から実質的なるポリブチレンテレフタレート、またはポリブチレンナフタレートが好ましい。かかるポリブチレンテレフタレートまたはポリブチレンナフタレートには、1,4−ブタンジオール以外の他のジオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等を全ジオール成分100モル%中5モル%以下共重合することができ、またテレフタル酸以外の他のジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等、好ましくはイソフタル酸を全ジカルボン酸成分100モル%以下10モル%以下共重合することができる。最も好ましくは1,4−ブタンジオールとテレフタル酸のみからなるポリブチレンテレフタレートである。
【0050】
前記ポリエーテルエステル樹脂のソフトセグメントは、そのアルキレン部分が炭素数3〜12個のアルキレンかまたは炭素数4〜10個のシクロアルキレンであるポリエーテルグリコールで主として構成されている。このようなポリエーテルグリコールの代表例としては、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコールまたはコポリエチレン−プロピレングリコール、コポリエチレン−テトラメチレングリコール[但し、エチレンオキサイド単位はコポリエーテルグリコールの50重量%以下からなる]、コポリテトラメチレン−1,2−シクロヘキシレンジメチレングリコール[但し、1,2−シクロヘキシレンジメチレンオキサイド単位は、コポリエーテルグリコールの1〜20モル%からなる]等のコポリエーテルグリコールがある。これらのうちポリテトラメチレングリコールが好ましい。
【0051】
また、本発明のポリエステルエステル樹脂は、ポリエステルエステル樹脂100重量%とした時、ハードセグメント5〜95重量%、ソフトセグメント5〜95重量%であり、その固有粘度は0.4〜2.0の範囲である。
【0052】
前記ポリエステルエステル樹脂のハードセグメントの芳香族ポリエステルは、前述の芳香族ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸およびジオール成分を用いることができこのセグメントの融点は100℃以上が好ましい。
【0053】
具体的には1,4−ブタンジオールとテレフタル酸から実質的になるポリブチレンテレフタレートが好ましい。かかるポリブチレンテレフタレートには、1,4−ブタンジオール以外の他のジオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等を全ジオール成分100モル%中5モル%以下共重合することができ、またテレフタル酸以外の他のジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等、好ましくはイソフタル酸を全ジカルボン酸成分100モル%以下10モル%以下共重合することができる。最も好ましくは1,4−ブタンジオールとテレフタル酸のみからなるポリブチレンテレフタレートである。
【0054】
前記ポリエステルエステル樹脂のソフトセグメントは、ポリカプロラクトン、前記の脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからの脂肪族ポリエステル(例えばポリエチレンアジペート等)、並びにジカルボン酸成分の主成分が芳香族ジカルボン酸であり、アルキレン部分が炭素数3〜12個のアルキレンかまたは炭素数4〜10個のシクロアルキレンであるポリエーテルグリコールで主として構成されているジオール成分とのポリエステルエーテル(以下、芳香族ポリエステルエーテルと略称することがある。)である。中でも芳香族ポリエステルエーテルが好ましい。
【0055】
このような芳香族ポリエステルエーテルのジカルボン酸成分としては、ジカルボン酸成分100モル%中芳香族ジカルボン酸が70モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80〜99モル%、最も好ましくは90〜98モル%である。かかる芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカルボン酸が好ましく、イソフタル酸が最も好ましい。また、脂肪族ジカルボン酸としてはアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等、好ましくはアジピン酸を30モル%未満、より好ましくは1〜20モル%、最も好ましくは2〜10モル%共重合することができる。一方、この芳香族ポリエステルエーテルのジオール成分の代表例としては、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルグリコールまたはコポリエチレン−プロピレングリコール、コポリエチレン−テトラメチレングリコール[但し、エチレンオキサイド単位はコポリエーテルグリコールの50重量%以下からなる]、コポリテトラメチレン−1,2−シクロヘキシレンジメチレングリコール[但し、1,2−シクロヘキシレンジメチレンオキサイド単位は、コポリエーテルグリコールの1〜20モル%からなる]等のコポリエーテルグリコールがある。これらのうちポリテトラメチレングリコールが好ましい。
【0056】
上記TPEE樹脂は、A成分100重量%中、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。
【0057】
本発明のB成分のカルボジイミド化合物およびその製造方法は公知である(例えば前記特許文献4および5並びに特開昭52−123484号公報参照)。すなわち、先ず少なくとも2個のイソシアネートまたはポリイソシアネートとイソシアネート反応性水素原子含有化合物とを反応させることによりイソシアネートプレポリマ−(少なくとも2個の遊離の末端イソシアネート基を有する重付加生成物)を生成せしめ、次いで、このように製造したイソシアネートプレポリマーにカルボジイミド生成触媒、例えば1−メチル−1−オキソホスホリンを加え、このプレポリマーをCO2の分子間離脱によって対応するポリカルボジイミドに転化することにより製造することができる。
【0058】
カルボジイミド化合物の製造に出発原料として用いられるイソシアネート反応性水素原子含有化合物としては種々の化合物、例えば適当な末端基を有するオレフィン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミン、ポリテトラヒドロフラン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサン、ポリスルフィドなどの化合物およびそれらの混合物から選ぶことができる。
【0059】
イソシアネートとしては、例えば脂肪族、芳香脂肪族、環式または芳香族イソシアネートさらにはイソシアネートプレポリマーまたはイソシアネート混合物が含まれる。
【0060】
B成分であるカルボジイミド化合物の添加量は、A成分100重量部に対し、0.3〜5重量部であり、好ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.8〜3重量部である。0.3重量部より少なくなると、チューブの開口性が十分でなく、5重量部より多くなると、加熱によりカルボジイミド基が架橋し、樹脂への混練り時に増粘するためにチューブの加工性が劣り好ましくない。
【0061】
本発明の熱収縮性チューブの製造方法としては、リングダイを用いて未延伸チューブを押出し、ついで延伸して熱収縮性チューブとする方法が最も好ましい態様として挙げられる。その他、TダイやIダイを用いて押出・延伸したフィルムを融着、溶着または接着により貼合せてチューブとする方法、さらに前記チューブまたはフィルムをスパイラル状に貼合せてチューブとする方法などがある。
【0062】
ここで、リングダイを用いて未延伸チューブを押出し、ついで延伸して熱収縮性チューブとする方法をさらに詳細に説明する。前記した芳香族ポリエステル樹脂を含有してなる樹脂組成物は、溶融押出装置により融点以上の温度に加熱溶融され、リングダイから連続的に押し出した後、強制的に冷却され成型される。強制冷却の手段としては、低温の水に浸漬する方法、冷却風による方法等を用いることができる。中でも低温の水に浸漬する方法が冷却効率が高く有効である。この未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給してもよく、また一度ロール状に巻き取った後、この未延伸ロールを次の延伸工程の原反として用いてもよい。製造効率や熱効率の点から未延伸チューブを連続的に次の延伸工程に供給する方法が好ましい。
【0063】
このようにして得られた未延伸チューブは、チューブ内側より圧縮気体で加圧し、二軸延伸する。延伸法は特に限定されるものではないが、例えば未延伸チューブの一方の端から圧縮気体による圧力を管の内側に加えつつ一定速度で送り出し、次いで温水または赤外線ヒーター等により予熱し、径方向の延伸倍率を規制する延伸温度に加熱した延伸管の中に入れ二軸延伸を行う。延伸管の適当な位置で延伸される様に温度条件等を設定する。延伸後冷却し、一対のニップロールにより挟んで延伸圧力を保持しながら延伸チューブとして引き取り巻取られる。延伸は、長さ方向または径方向のいずれの順序でもよいが、同時に行うのが好ましい。
【0064】
長さ方向の延伸倍率は、未延伸チューブの送り速度と延伸後のニップロール速度との比で決められ、径方向の延伸倍率は未延伸外径と延伸チューブ外径の比で決められる。これ以外の延伸加圧方法として、未延伸チューブ送り出し側と延伸チューブ引き取り側双方をニップロールに挟み封入した圧縮気体の内圧を維持する方法も採用できる。
【0065】
延伸条件は、使用するポリマーの性質および目的のチューブの熱収縮性により異なるが、通常延伸温度はガラス転移温度以上〜105℃、好ましくは70〜100℃である。
【0066】
本発明の熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブは、未延伸チューブをその径方向に1.2〜4.0倍、およびその長さ方向に1.0〜4.0倍延伸させて得られたものが好ましい。さらにチューブの径方向の延伸倍率は1.3〜3.0倍が好ましく、1.4〜2.0倍がより好ましい。チューブの長さ方向の延伸倍率は1.02〜3.0倍が好ましく、1.02〜1.2倍がより好ましい。
【0067】
チューブの径方向の延伸倍率を1.2倍未満とすると十分な収縮量が得られない場合がある。また4倍を超えると延伸安定性が低下する。チューブの長さ方向の延伸倍率が4.0倍を超えると、延伸安定性が低下する。
【0068】
本発明の熱収縮性チューブは、100℃の熱水に30秒間浸漬した時の熱収縮率が、チューブの径方向で15%以上、チューブの長さ方向で40%以下である熱収縮性チューブが本発明の好適な態様としてあげられる。かかる収縮率範囲は、被覆される電子部品などに良好な被覆と耐熱性の両立をもたらす。より好ましい範囲としては、上記熱収縮率がチューブの径方向で30〜50%、チューブの長さ方向で1〜20%である。これらの寸法は、特に限定されないが例えば内径3〜100mm、肉厚25〜500μmの熱収縮性チューブである。
【0069】
本発明の樹脂組成物は、予め上記各成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押し出し機などの混合機により混合して使用してもよく、また未延伸チューブを押出す押出機の供給口に計量した各成分を直接供給したり、さらには2ケ所以上の供給口を有する押出機の各供給口に別々に計量した成分を供給してもよい。
【0070】
さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、その効果が発現する量の各種添加剤を添加してもよい。各種添加剤としては、難燃剤(臭素化ビスフェノール、臭素化ポリスチレン、臭素化ビスフェノールAのカーボネートオリゴマー、トリフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、赤リンなど)、難燃助剤(アンチモン酸ナトリウム、三酸化アンチモンなど)、滴下防止剤(フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンなど)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系化合物など)、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、着色剤等が挙げられる。また無機充填剤としては、ガラスビーズ、タルク、マイカなどが挙げられる。
【0071】
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂の加水分解をさける為、予め水分が0.04重量%以下、好ましくは0.03重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以下になるように乾燥する。例えば、170℃で3時間、150℃で12時間、真空下120℃で24時間等の条件で乾燥する。
【0072】
かくして本発明によれば、上記熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブを使用して各種無機材料製品の表面を被覆した製品も提供される。表面の被覆の対象となる製品としては、主成分である芳香族ポリエステル樹脂の特性(絶縁性、耐熱性、耐薬品性、高弾性率等の機械特性)を利用しうるものであればよく、例えば金属材料製品およびガラス製品が挙げられる。具体的には、金属材料製品としては、アルミ電解コンデンサ(リード形、チップ形、基盤自立形、ネジ端子形)、電線(丸線、角線)、乾電池、リチウムイオン電池(筒型、角型)等の1次、2次電池、鋼管または電気機器が例示され、この電気機器としてはモーターコイルエンド、トランス、口出線を含み、また小型モーターの全体を被覆することもできる。また、ガラス製品としては、例えば電球、蛍光灯が示され、殊にファクシミリやイメージスキャナーの蛍光灯被覆チューブとしても利用可能である。
【0073】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、実施例中の代表的な物性は下記の方法で測定した。
【0074】
(1)熱収縮率
長さ10cmの熱収縮チューブを100℃の熱水に30秒間浸漬した前後の長さ、および外径をデジタルノギスにより測定し、下記式より計算した。5サンプルの測定を行いその平均値を算出した。
【0075】
熱収縮率(%)=[[(熱水浸漬前の長さ)−(熱水浸漬後の長さ)]/(熱水浸漬前の長さ)]×100
【0076】
(2)印刷性試験
評価その1(印刷性)
熱収縮チューブの印刷を行う。使用するインキは、富士インキ工業株式会社製FNY型+FNY硬化剤の2液タイプのものを使用する。
印刷後のチューブは、カッターで切り開いた後、破断伸度をASTM−D638に準拠し測定した。
【0077】
○:印刷後のチューブの脆化がほとんどなく、破断伸度の低下もほとんど見られない。
△:印刷後のチューブの脆化がやや進行し、破断伸度がやや低下しているものの製品としては、問題ないレベルである。
×:印刷後のチューブの脆化が大幅に進行し、破断伸度が0%になってしまっており、製品としては、チューブ開口時に割れが発生する可能性が高い。
【0078】
(3)開口性
延伸チューブの内面に空気が残らないようにロールにて圧着後、巻き取ったチューブを長さ方向と平行に折り曲げ下記のように評価した。
○:1回折り曲げただけで口が開き、開口性が良好
△:2回折り返した後口が開く
×:3回以上折り返しても口が開かず、開口性が悪い
【0079】
(4)カッティング性
延伸チューブにコンデンサを挿入し、自動カッターでチューブを切り、その後熱風炉を使用し、250℃×15秒間でコンデンサに被覆させる。その後、カット面端部の部分を目視評価した。評価は、それぞれのサンプルにつき10個で行った。
【0080】
○:カット面端部がきれいに被さっている。
×:カット面端部が一部または全体的にギザギザになっている。
【0081】
実施例1〜8および比較例1〜2
表1記載の樹脂組成物を、シリンダー温度270℃に設定した押出機で溶融しリングダイを通して押出し、水に浸漬、冷却固化して得た未延伸チューブをそのまま98℃温水中、内径18.8mmΦの延伸管を使用し、0.5kg/cm2の圧空によりチューブに内圧をかけ表1に示す条件にて延伸後水にて冷却し、表1記載の延伸熱収縮性チューブを得た。得られて熱収縮性チューブの形状および特性を表1に示した。
【0082】
表1の各略称は下記の内容を意味する。
(A−1)芳香族ポリエステル樹脂
PET−1:酸成分がテレフタル酸100モル%、ジオール成分がエチレングリコール96.6モル%、ジエチレングリコール含有量が3.4モル%からなり、[η]=0.85のポリエチレンテレフタレート樹脂
PET−2:酸成分がテレフタル酸100モル%、ジオール成分がエチレングリコール96.0モル%、ジエチレングリコール含有量が1.5モル%、テトラメチレングリコールが2.5モル%からなり、[η]=0.7のポリエチレンテレフタレート樹脂
PET−3:酸成分がテレフタル酸100モル%、ジオール成分がエチレングリコール68.0モル%、1,4シクロヘキサンジメタノール30モル%、ジエチレングリコール2モル%からなり、[η]=0.78の非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
PET−4:酸成分がテレフタル酸98.5モル%、イソフタル酸1.5モル%、ジオール成分がエチレングリコール98モル%、ジエチレングリコール2モル%からなり、[η]=0.68のポリエチレンテレフタレート樹脂。よのペットボトルリサイクル株式会社製 商品名 YPRクリア−ペレット
PEN:[η]=0.6のポリエチレンナフタレート樹脂
PBT:[η]=0.7のポリブチレンテレフタレート樹脂
【0083】
(B)カルボジイミド化合物
ポリカルボジイミド樹脂 日清紡株式会社製カルボジライト 商品名HMV−10B
(その他1)無機滑剤
無機粒子:平均粒径0.65μm、最大粒径3μmのカオリン
(その他2)有機滑剤
有機滑剤;モンタン酸をエチレングリコールでエステル化したモンタン酸ジエステルであるHoechst社製 Hoechst WAX E
【0084】
【表1】
Figure 2004189975
【0085】
【発明の効果】
本発明の芳香族ポリエステル樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂と、カルボジイミド化合物を配合した樹脂組成物から溶融成形、延伸された熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブは、表1から明らかの如く、無機系微粒子を含有しなくてもチューブの開口性が良好で、かつチューブのカッティング特性にも優れると共に、印刷特性に優れたものである。さらに上記樹脂組成物が有している耐燃焼性、電気特性、耐薬品性を生かすことができかつこれら特性を被覆材料あるいは保護材料として利用することができる熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブを提供し、また、上記チューブの工業的に有利な製造方法と前記熱収縮性を利用して種々の製品を被覆あるいは保護した無機材料製品を提供する。
【0086】
従って従来の塩化ビニル系熱収縮チューブやポリエチレンテレフタレート系チューブで用いられているコンデンサだけでなく、蛍光灯の保護被覆やリチウムイオン電池等の絶縁被覆などの用途にも有用である。

Claims (6)

  1. (A)芳香族ポリエステル樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)カルボジイミド化合物(B成分)を0.3〜5重量部含有した樹脂組成物から溶融成形、延伸された熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブ。
  2. 100℃の熱水に30秒間浸漬した時の熱収縮率がチューブの径方向で15%以上かつ長さ方向で40%以下である請求項1記載の熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブ。
  3. (A)芳香族ポリエステル樹脂を70重量%以上含む熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)カルボジイミド化合物(B成分)を0.3〜5重量部含有した樹脂組成物を溶融押出して形成された未延伸チューブを、チューブの径方向に1.2〜4.0倍、およびチューブの長さ方向に1.0〜4.0倍延伸することを特徴とする熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブの製法。
  4. 請求項1または2に記載の熱収縮性芳香族ポリエステル樹脂チューブにより表面を被覆された無機材料製品。
  5. 該無機材料製品が、アルミ電解コンデンサである請求項4記載の無機材料製品。
  6. 該無機材料製品が、リチウムイオン電池である請求項4記載の無機材料製品。
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