JPH10278206A - 難燃性積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

難燃性積層フィルムおよびその製造方法

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JPH10278206A
JPH10278206A JP8953997A JP8953997A JPH10278206A JP H10278206 A JPH10278206 A JP H10278206A JP 8953997 A JP8953997 A JP 8953997A JP 8953997 A JP8953997 A JP 8953997A JP H10278206 A JPH10278206 A JP H10278206A
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道行 杉田
Mineo Otake
峰生 大竹
Naoki Ishihara
直樹 石原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラットケーブル被覆用積層フィルムにおい
て、高い難燃性を付与しつつ、接着層同士、および接着
層と導体との密着強度を向上させる。 【解決手段】 ポリアルキレンテレフタレート又はポリ
アルキレンナフタレート70〜100重量%を構成成分
又は構成単位として含む飽和ポリエステル樹脂(ポリブ
チレンテレフタレートなど)で構成され、かつ難燃性が
付与された難燃性基材層と、共重合ポリエステル樹脂で
構成されたヒートシール層とを積層し、フラットケーブ
ル被覆用難燃性積層フィルムを得る。飽和ポリエステル
樹脂は、共重合ポリエステル樹脂よりも高い融点を有
し、両者の融点差が20℃以上である。前記基材層への
難燃性の付与は、難燃剤(ハロゲン系難燃剤、無機酸化
物など)の添加や、ハロゲン含有ジオール成分及び/又
はハロゲン含有ジカルボン酸成分のポリエステル樹脂へ
の導入により行うことができる。前記ヒートシール層を
構成する共重合ポリエステル樹脂の融点は100〜20
0℃程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル樹脂を主
たる成分とし、フラットケーブル用被覆材として好適な
難燃性積層フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フラットケーブルは、自動車、AV機
器、コンピューター、複写機などの内部配線に利用され
ている。フラットケーブルは、基材層および接着剤層の
少なくとも2層構造からなる一対の絶縁性フィルム間に
多数の導体をサンドイッチ状に熱圧着することにより製
造される。フラットケーブルに使用される絶縁材として
は、一般的には、コストや簡略な工程面より、ポリ塩化
ビニルシートが幅広く使用されている。
【0003】一方、フラットケーブルに耐熱性や、機械
特性、耐薬品性などが要求される場合には、二軸延伸ポ
リエステルフィルムが使用される場合が多い。特に、近
年、フラットケーブルには、さらに高度な難燃性、例え
ば、UL規格94VTM−Oなどが要求されている。そ
こで、二軸延伸ポリエステルフィルムを用いたフラット
ケーブルにさらに高度な難燃性を付与する方法として、
接着剤層に難燃剤を添加する方法が提案されている。例
えば、特公平1−46545号公報には、ポリエステル
フィルムの一方の面に、プライマー層と難燃化接着剤層
とを形成し、この難燃化接着剤層を、ガラス転移温度の
低い飽和共重合ポリエステル樹脂、ガラス転移温度の高
い飽和共重合ポリエステル樹脂、難燃剤およびケイ酸で
構成することが提案されている。特開平6−17985
3号公報には、飽和ポリエステルの基材シートに、低分
子量飽和ポリエステル樹脂、高分子量飽和ポリエステル
樹脂、ブロッキング防止剤および難燃剤を含有する接着
層を形成することが提案されている。さらに、特開平6
−320692号公報には、二軸延伸ポリエステルフィ
ルムに、融点115〜150℃のポリエステル系共重合
体を含み、特定の溶融粘度を有する接着剤層を形成する
ことが提案されている。この文献には、接着剤層に難燃
剤を配合することも記載されている。
【0004】しかし、接着剤層に難燃剤を添加すると、
接着剤層同士、および接着剤と導体との密着強度が大き
く低下する。また、著しい場合には、導体と接着剤との
界面で剥離する場合がある。さらに、積層フィルムの層
構成が複雑化したり、接着剤層を多数の成分で構成する
必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、難燃性が付与されていても、接着層同士、および接
着層と導体との密着強度の高い難燃性積層フィルムおよ
びその製造方法を提供することにある。本発明の他の目
的は、簡単な構成であっても、難燃性、密着強度および
耐熱性が高く、安価な難燃性積層フィルムおよびその製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、飽和ポリエステル樹
脂(ポリブチレンテレフタレートなど)で構成された基
材層と、ヒートシール性を有する熱接着性共重合ポリエ
ステル樹脂で構成されたヒートシール層(熱接着層)と
を積層した積層フィルムにおいて、前記基材層を難燃化
すると、難燃性が高く、しかも密着強度の大きな難燃性
積層フィルムが得られることを見いだし、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明の難燃性積層フィルム
は、ポリアルキレンテレフタレート又はポリアルキレン
ナフタレート70〜100重量%を構成成分又は構成単
位として含む飽和ポリエステル樹脂で構成され、かつ難
燃性が付与された難燃性基材層と、この基材層に積層さ
れ、かつヒートシール性共重合ポリエステル樹脂で構成
されたヒートシール層とを備えている。前記難燃性基材
層の飽和ポリエステル樹脂は、ヒートシール層の共重合
ポリエステル樹脂よりも高い融点を有しており、通常、
両者の融点差は20℃以上である。前記基材層への難燃
性の付与は、難燃剤(ハロゲン系難燃剤、リン系難燃
剤、無機酸化物、無機水酸化物、金属ホウ酸塩など)の
添加や、ハロゲン含有ジオール成分及び/又はハロゲン
含有ジカルボン酸成分のポリエステル樹脂への導入によ
り行うことができる。前記ヒートシール層を構成する共
重合ポリエステル樹脂の融点は、100〜200℃程度
である。このような積層フィルムは、フラットケーブル
被覆用難燃性積層フィルムとして有用である。本発明の
方法では、ポリアルキレンテレフタレート又はポリアル
キレンナフタレート70〜100重量%を構成成分又は
構成単位として含む飽和ポリエステル樹脂で構成され、
かつ難燃性が付与された難燃性基材層と、ヒートシール
性共重合ポリエステル樹脂で構成されたヒートシール層
とを積層することにより、難燃性積層フィルムを製造す
る。
【0008】なお、本明細書において、「融点」とは示
差走査熱量計により測定された値であり、10℃/分の
昇温速度で300℃まで昇温し、同速度(10℃/分の
降温速度)で0℃まで冷却した後、さらに前記昇温速度
で昇温した場合に吸熱ピークとして観測される温度を意
味する。ポリエステル樹脂が二種以上の混合物である場
合、複数の吸熱ピークが観測されることがあるが、本明
細書では、複数の吸熱ピークのうち最も高温で観察され
るピークを「融点」として規定する。
【0009】
【発明の実施の形態】
[難燃性基材層]難燃性基材層を構成する飽和ポリエス
テル樹脂は、熱可塑性であり、ポリアルキレンテレフタ
レート又はポリアルキレンナフタレート(以下、これら
を単にポリアルキレンアリーレート樹脂と総称する場合
がある)を主たる構成成分又は構成単位として含んでい
る。前記ポリアルキレンアリーレート樹脂のアルキレン
基には、エチレン,プロピレン、トリメチレン、テトラ
メチレンなどのC2-4 アルキレン基、特に直鎖状C2-4
アルキレン基が含まれる。
【0010】ポリアルキレンアリーレート樹脂は、アル
キレングリコール(エチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオールなどのC2-4 アルキレングリコール)から選
択された少なくとも一種のアルキレングリコール成分
と、テレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸(2,
6−ナフタレンジカルボン酸など)から選択された少な
くとも一種のジカルボン酸成分との反応により得ること
ができ、ジカルボン酸成分は、その反応性誘導体(例え
ば、メチルエステルなど)として使用してもよい。
【0011】好ましいポリアルキレンアリーレート樹脂
は、ポリC2-4 アルキレンテレフタレート(特に、ポリ
エチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレ
フタレート(PBT))、ポリC2-4 アルキレンナフタ
レート(特に、ポリエチレンナフタレート(PEN),
ポリブチレンナフタレート(PBN))である。なかで
も耐熱性や成型性の高いポリブチレンテレフタレート
(PBT)が好ましい。
【0012】飽和ポリエステル樹脂は、通常、結晶性で
あり、結晶性を維持できる限り、構成成分又は構成単位
として、少なくとも70〜100重量%のポリアルキレ
ンアリーレート樹脂で構成されていればよい。すなわ
ち、飽和ポリエステル樹脂は、ポリアルキレンアリーレ
ート樹脂70〜100重量%(好ましくは80〜100
重量%,さらに好ましくは90〜100重量%)と他の
飽和ポリエステル樹脂30〜0重量%(好ましくは20
〜0重量%,さらに好ましくは10〜0重量%)との混
合物(又は組成物)であってもよく、前記アルキレング
リコール成分およびテレフタル酸(又はナフタレンジカ
ルボン酸)のうち少なくともいずれか一方の成分0〜3
0重量%(好ましくは0〜25重量%、さらに好ましく
は0〜10重量%)を他のジオール成分及び/又は他の
ジカルボン酸成分で置換して共重合した共重合ポリアル
キレンアリーレート樹脂であってもよい。
【0013】前記他の飽和ポリエステル樹脂を構成する
ジオール成分としては、脂肪族ジオール(例えば、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオールなどのC5-10アルキレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールなどのポリオキシアルキレングリコールなど)、脂
環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパンや、水素
化ビスフェノールAとエチレンオキサイドやプロピレン
オキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加物な
ど)、芳香族ジオール(例えば、レゾルシン、カテコー
ル、ヒドロキノン、ジヒドロキシフェニルエーテル、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビ
スフェノールAとエチレンオキサイドやプロピレンオキ
サイドなどのアルキレンオキサイドとの付加物など)が
挙げられる。これらのジオール成分には、アルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよい。ジ
オール成分は、同種又は異種のジオールを単独又は二種
以上混合して使用できる。さらに、これらのジオール成
分に加え、前記C2-4 アルキレングリコール又はポリオ
ール成分(トリメチロールプロパンなどのトリオール、
ペンタエリスリトールなどのテトラオールなど)を少量
併用してもよい。好ましいジオール成分は、脂肪族ジオ
ール(C5-6 アルキレングリコール)、脂環族ジオール
である。
【0014】ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカル
ボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸など)、
脂環式ジカルボン酸(1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸など)、芳香族ジカルボン酸(オルトフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカル
ボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸など)、および
これらのジカルボン酸にアルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子が置換した置換体など例示される。これらの
ジカルボン酸成分は、一種又は二種以上混合して使用で
きる。さらに、これらのジカルボン酸成分に加えて、少
量のテレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸を
併用してもよい。
【0015】さらには、前記ジオール成分、ジカルボン
酸成分の一部として、ヒドロキシカルボン酸(ヒドロキ
シ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸、ジフェニレンヒド
ロキシカルボン酸など)、およびこれらにアルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子が置換した置換体も使用で
きる。なお、ジカルボン酸成分やヒドロキシカルボン酸
は、その反応性誘導体(例えば、ジメチルエステルなど
の低級アルコールエステルなど)として使用してもよ
い。さらに、ジカルボン酸成分に加え、ポリカルボン酸
成分(トリメリト酸、トリメシン酸などのトリカルボン
酸、ピロメリト酸などのテトラカルボン酸など)を少量
併用してもよい。好ましいジカルボン酸成分は、通常、
芳香族ジカルボン酸である。
【0016】基材層を構成する飽和ポリエステル樹脂の
分子量は、例えば、重量平均分子量0.5×104 〜1
00×104 、好ましくは1×104 〜20×104
さらに好ましくは1.5×104 〜10×104 程度で
ある。飽和ポリエステル樹脂のガラス転移点および融点
は、飽和ポリエステル樹脂の種類に応じて選択できる。
飽和ポリエステル樹脂のガラス転移点は、例えば、10
〜130℃(好ましくは15〜100℃、さらに好まし
くは20〜70℃)程度、融点は170℃以上(例え
ば、170〜300℃、好ましくは200〜270℃程
度)である。前記ポリエステル樹脂がポリブチレンテレ
フタレート(又はポリブチレンテレフタレートを主要構
成成分とするポリエステルを含む)である場合、ガラス
転移点は、10〜50℃、好ましくは15〜45℃程度
であり、融点は、170〜240℃(例えば、200〜
235℃)、好ましくは210〜230℃程度である。
飽和ポリエステル樹脂は、慣用の方法、例えば、エステ
ル交換法、直接エステル化法などにより製造できる。
【0017】飽和ポリエステル樹脂への難燃性の付与
は、(1)難燃剤の添加、(2)難燃性ジオール成分及び
/又は難燃性ジカルボン酸成分の樹脂への導入(重合)
により行うことができる。
【0018】(1)難燃剤としては、有機難燃剤(ハロ
ゲン系難燃剤,リン系難燃剤),無機難燃剤(無機酸化
物、無機水酸化物および金属ホウ酸塩)などが例示で
き、これらの難燃剤は単独で又は二種以上組み合わせて
使用できる。ハロゲン系難燃剤のハロゲンとしては、塩
素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、熱安定性、安全性、
難燃性などの点から臭素が好ましい。ハロゲン系難燃剤
としては、有機ハロゲン化物、例えば、ポリハロゲン化
ベンジル(メタ)アクリレート[例えば、ポリ(ペンタ
ブロモベンジル(メタ)アクリレート)、ポリ(ペンタ
クロロベンジル(メタ)アクリレート)、ポリ(ペンタ
ヨードベンジル(メタ)アクリレート)など]、ハロゲ
ン化芳香族ビスイミド(エチレンビステトラブロモフタ
ルイミドなど)、ハロゲン化ポリカーボネート(例え
ば、臭素化ポリカーボネート、塩素化ポリカーボネート
など)、ハロゲン化エポキシ化合物(例えば、臭素化エ
ポキシ樹脂、塩素化エポキシ樹脂など)、ハロゲン化ジ
フェニル、ハロゲン化ジフェニルエーテル(例えば、オ
クタブロモジフェニルオキサイド、オクタクロロジフェ
ニルオキサイド、オクタヨードジフェニルオキサイドな
ど)、ハロゲン化ポリスチレン(例えば、臭素化ポリス
チレン、塩素化ポリスチレンなど)、ドデカクロロペン
タシクロオクタデカ−7,15−ジエンなどが挙げられ
る。
【0019】リン系難燃剤としては、有機リン化合物、
例えば、ホスホン酸エステル(例えば、ジアリルベンゼ
ンホスホネートなど)、正リン酸エステル(例えば、ト
リクレジルホスフェート、トリアリルホスフェート、ジ
アリルエチルホスフェートなど)、ジアルキルホスフィ
ン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスホノカルボン酸
エステル[例えば、(2−メチルエチル)ホスホノ(メ
タ)アクリル酸メチルなど]、含窒素リン酸エステル、
含ハロゲンリン酸エステル[例えば、トリス(β−クロ
ロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)
ホスフェート、トリス(ジブロモプロピル)ホスフェー
トなど]、ビス(ホスホノアルキル)エーテル[例え
ば、ビス(ホスホノメチル)エーテルなど]などが挙げ
られる。なお、有機難燃剤のブリードアウトを抑制する
ためには、オリゴマー又はポリマー型の難燃剤を用いる
のが有利である。
【0020】無機難燃剤のうち金属酸化物としては、例
えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化ア
ンチモンなどの酸化アンチモン、二酸化錫などの酸化
錫、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウムなどの
酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、ジンクボレートな
どが例示でき、金属水酸化物としては、例えば、水酸化
スズ、水酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウムなど例示でき、金属ホウ酸塩には、例え
ば、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛などが含まれる。
【0021】前記難燃剤の使用量は、難燃性、機械的特
性、熱的性質などを損なわない範囲で選択でき、通常、
難燃性基材層全体に対して10〜50重量%、好ましく
は15〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量
%、特に23〜40重量%程度である。難燃剤のうち有
機難燃剤の使用量は、通常、難燃性基材層全体に対して
10〜40重量%、好ましくは15〜40重量%、さら
に好ましくは20〜35重量%(特に23〜35重量
%)程度である。なお、飽和ポリエステル樹脂100重
量部に対する有機難燃剤の割合は、約10〜70重量
部、好ましくは20〜60重量部、さらに好ましくは3
0〜60重量部程度である。なお、無機難燃剤は有機難
燃剤と併用する場合が多い。無機難燃剤の使用量は、例
えば、難燃性基材層全体に対して、0〜30重量%(例
えば、0.5〜30重量%)、好ましくは1〜25重量
%、さらに好ましくは1〜20重量%程度である。
【0022】(2)難燃性ジオール成分及び/又は難燃
性ジカルボン酸成分(反応型難燃剤)の反応(共重合)
により難燃性を付与する場合、難燃性ジオール成分およ
び難燃性ジカルボン酸成分(ハロゲン含有ジカルボン酸
成分)のうち少なくとも一方の成分を、エステル化反応
によりポリエステル樹脂の構成単位として導入すればよ
い。
【0023】難燃性ジオール成分としては、ハロゲン含
有ジオール、例えば、ハロゲン化脂肪族ジオール(ジブ
ロモブタンジオール,ジブロモネオペンチルグリコー
ル,トリブロモネオペンチルグリコールなど)、ハロゲ
ン化芳香族ジオール[例えば、ハロゲン化ビスフェノー
ルA(ジブロモビスフェノールA,テトラブロモビスフ
ェノールAなど)、ハロゲン化ビスフェノールAと、エ
チレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキ
レンオキサイドとの付加物など]、ハロゲン化脂環族ジ
オール[ハロゲン化ビスフェノールAの水素添加物、
1,4−ジメチロールテトラハロベンゼン(例えば、
1,4−ジメチロールテトラブロモベンゼンなど)な
ど]が挙げられる。難燃性ジカルボン酸成分としては、
ハロゲン含有ジカルボン酸、例えば、ハロゲン化テレフ
タル酸(例えば、ジブロモテレフタル酸、テトラブロモ
テレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸など)、ハロ
ゲン化フタル酸又はその無水物(例えば、テトラブロモ
無水テレフタル酸、テトラクロロ無水テレフタル酸な
ど)、ハロゲン化イソフタル酸、ヘット酸などが挙げら
れる。これらのハロゲン含有ジオール成分、ハロゲン含
有ジカルボン酸成分は、それぞれ単独で又は二種以上組
み合わせてエステル化反応に供することができ、ハロゲ
ン含有ジオール成分とハロゲン含有ジカルボン酸成分と
を組み合わせて使用してもよい。
【0024】難燃性ジオール成分(ハロゲン含有ジオー
ル成分)および難燃性ジカルボン酸成分(ハロゲン含有
ジカルボン酸成分)の総使用量は、飽和ポリエステル樹
脂のハロゲン含量が1〜30重量%、好ましくは2〜2
5重量%(例えば、2〜20重量%)程度となる範囲で
選択できる。
【0025】難燃性基材層は未延伸層(又はフィルム)
である場合が多く、必要であれば一軸又は二軸延伸層
(又はフィルム)であってもよい。ヒートシール層との
密着性を高めるため、難燃性基材層(又はフィルム)の
表面は、必要により、コロナ放電処理やアンカーコート
処理などにより表面処理してもよい。
【0026】[ヒートシール層]前記難燃性基材層の少
なくとも一方の面(特に片面)に積層されるヒートシー
ル層(熱接着層)は、ヒートシール性を有する熱可塑性
共重合ポリエステル樹脂で構成されている。前記共重合
ポリエステル樹脂は、通常、前記難燃性基材層のポリア
ルキレンアリーレート樹脂よりも低い融点を有してお
り、両者の融点差は、少なくとも20℃以上(例えば、
30〜120℃)、好ましくは30℃以上(例えば、4
0〜100℃、特に50〜100℃程度)であるポリエ
ステル樹脂であればいずれも使用でき、一般に、低結晶
性又は非晶性の飽和ポリエステル樹脂である。
【0027】共重合ポリエステル樹脂のジオール成分と
しては、前記例示のアルキレングリコールおよびジオー
ル成分のうち、脂肪族ジオール、例えば、C2-6 アルキ
レングリコール(エチレングリコール,ブタンジオー
ル,ネオペンチルグリコール,ヘキサンジオールな
ど)、ポリオキシC2-4 アルキレングリコール[ジオキ
シC 2-4 アルキレングリコール(ジエチレングリコール
など)、トリオキシC2-4 アルキレングリコール(トリ
エチレングリコールなど)、ポリオキシテトラメチレン
グリコールなど]、脂環族ジオールなどが使用できる。
【0028】ジカルボン酸成分としては、前記例示のテ
レフタル酸,ナフタレンジカルボン酸およびジカルボン
酸成分のうち、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸な
ど)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸,
テレフタル酸など)が用いられる。好ましいジカルボン
酸成分は、通常、単一の炭素環式芳香族ジカルボン酸
(フタル酸、イソフタル酸,テレフタル酸)である。な
お、共重合反応において、ポリオール成分(トリメチロ
ールプロパンなどのトリオール、ペンタエリスリトール
などのテトラオールなど)やポリカルボン酸成分(トリ
メリト酸、トリメシン酸などのトリカルボン酸、ピロメ
リト酸などのテトラカルボン酸など)を少量併用しても
よい。
【0029】共重合ポリエステル樹脂において、C2-4
アルキレングリコール単独と、テレフタル酸及び/又は
ナフタレンジカルボン酸との組み合わせは除かれる。す
なわち、共重合ポリエステルの樹脂において、通常、C
2-4 アルキレングリコールの少なくとも一部が他のジオ
ール成分(特にネオペンチルグリコール,ヘキサンジオ
ール,ポリオキシC2-4 アルキレングリコールおよび脂
環族ジオール)で置換されているか、又はテレフタル酸
及びナフタレンジカルボン酸の少なくとも一方の成分の
少なくとも一部が他のジカルボン酸成分(特にイソフタ
ル酸)で置換されている。共重合ポリエステル樹脂は、
通常、エチレングリコール及び/又は1,4−ブタン
ジオールと、ネオペンチルグリコール,ヘキサンジオー
ル,ポリオキシC2-4 アルキレングリコール,1,4−
シクロヘキサンジオールおよび1,4−シクロヘキサン
ジメタノールから選択された少なくとも一種のジオール
と、テレフタル酸との共重合体、エチレングリコール
及び/又は1,4−ブタンジオールと、テレフタル酸
と、イソフタル酸との共重合体、エチレングリコール
及び/又は1,4−ブタンジオールと、ネオペンチルグ
リコール,ヘキサンジオール,ポリオキシC2-4 アルキ
レングリコール,1,4−シクロヘキサンジオールおよ
び1,4−シクロヘキサンジメタノールから選択された
少なくとも一種のジオールと、テレフタル酸と、イソフ
タル酸との共重合体である。
【0030】共重合ポリエステル樹脂の分子量は、例え
ば、重量平均分子量0.5×104〜100×104
好ましくは1×104 〜20×104 、さらに好ましく
は1.5×104 〜10×104 程度である。共重合ポ
リエステル樹脂の融点は、例えば、100〜200℃、
好ましくは120〜180℃、さらに好ましくは140
〜180℃程度である。共重合ポリエステル樹脂も、慣
用の方法、例えば、エステル交換法、直接エステル化法
などで製造できる。
【0031】前記難燃性基材層は、無機充填剤、例え
ば、炭酸カルシウム、高分散性ケイ酸塩、アルミナ、水
酸化アルミニウム、タルク、クレー、マイカ、ガラスフ
レーク、ガラス粉、ガラスビーズ、石英粉、ケイ砂、ウ
ォラストナイト、カーボンブラック、硫酸バリウム、焼
石膏、炭化ケイ素、ボロンナイトライドや窒化ケイ素な
どの粉粒状や板状の無機化合物などを含有していてもよ
い。これらの充填剤は1種又は2種以上混合して使用で
きる。さらに、難燃性基材層において、アスベストやフ
ッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレンなど)
などを前記難燃剤と併用すると、難燃性を向上でき、溶
融物の滴下を抑制できる。前記難燃性基材層、ヒートシ
ール層は、安定剤(酸化防止剤,耐熱安定剤、紫外線吸
収剤など)、帯電防止剤、着色剤(染料や顔料など)、
潤滑剤、可塑剤、結晶化促進剤、結晶核剤などを含有し
ていてもよい。
【0032】難燃性基材層,ヒートシール層および積層
フィルムの厚みは、ヒートシール性と難燃性および耐熱
性とを高いレベルでバランスよく保持できる厚み範囲の
うちできるだけ薄いのが望ましく、導体の厚み、基材層
の難燃剤含有量などに応じて選択できる。難燃性基材層
の厚みは、ヒートシール層のヒートシール性を損なわ
ず、難燃性や耐熱性を確保できる範囲で選択でき、通
常、30〜500μm(例えば、30〜300μm)、
好ましくは40〜200μm(例えば、50〜150μ
m)程度である。ヒートシール層の厚みは、難燃性、耐
熱性、密着強度などを低下させない範囲で選択でき、通
常、導体の厚みに依存し、少なくとも導体厚みの50%
以上、例えば、10〜150μm、好ましくは20〜1
00μm(例えば、25〜75μm)程度である。積層
フィルム全体の厚みは、取り扱い性などを損なわない範
囲(例えば、厚みの上限が500〜1000μm程度の
範囲)で選択でき、通常、40〜400μm、好ましく
は50〜300μm、さらに好ましくは70〜250μ
m程度である。さらに、難燃性基材層とヒートシール層
との厚みの割合は、難燃性、耐熱性、密着強度などを低
下させない範囲で選択でき、通常、前者/後者=90/
10〜50/50(%)、好ましくは80/20〜60
/40(%)程度である。
【0033】本発明の積層フィルムは、ヒートシール層
同士、ヒートシール層と導体との密着強度が高い。例え
ば、幅15mmの試料について、温度180℃、圧力3
kgf/cm2 で5秒間圧着して熱接着させたとき、ヒ
ートシール層同士の密着強度は、1.5kgf/15m
mないしフィルムの破断強度であり、通常、1.5〜5
kgf/15mm、特に1.8〜3kgf/15mm程
度である。また、導体として銅箔を用いたとき、ヒート
シール層と導体との密着強度は、例えば、1.4kgf
/15mmないし銅箔又はフィルムの破断強度であり、
通常、1.5〜2.5kgf/15mm、特に1.5〜
2kgf/15mm程度である。
【0034】なお、難燃性基材層(又はフィルム)は、
必要によりヒートシール層とともに、一軸又は二軸延伸
されていてもよい。延伸倍率は、通常、MD(フィルム
の引取り方向)およびTD(フィルムの引取り方向に直
交する方向)について、それぞれ、1.5倍以上(例え
ば2〜10倍程度)、好ましくは2.5〜5倍程度であ
る。なお、延伸処理はポリエチレンテレフタレートやポ
リエチレンナフタレートについて行われる場合が多く、
ポリブチレンテレフタレートやポリブチレンナフタレー
トで構成された難燃性基材層(又はフィルム)は必ずし
も延伸処理する必要はない。
【0035】[難燃性積層フィルムの製造方法]本発明
の難燃性積層フィルムは、前記難燃性基材層と、ヒート
シール性共重合ポリエステル樹脂で構成されたヒートシ
ール層とを積層することにより得ることができる。難燃
性基材層とヒートシール層との積層方法は特に制限され
ず、例えば、i)難燃性基材層用の樹脂組成物と共重合ポ
リエステル樹脂組成物とをフィルム状に共押出し成形す
る共押出し法、ii)難燃性基材層又はフィルムに、共重
合ポリエステル樹脂を溶融押出してラミネートする押出
しラミネート法、iii)共重合ポリエステル樹脂フィルム
を、加熱圧着手段(加熱ロール等)又は接着剤を用いて
ラミネートするドライラミネート法、iv)難燃性基材層
又はフィルムに、共重合ポリエステル樹脂を含む塗布剤
を塗布するコーティング法などの慣用の方法が採用でき
る。これらの積層方法のうち、通常、i)共押出し法、i
i)押出しラミネート法、iii)ドライラミネート法を利
用する場合が多い。
【0036】前記i)共押出し法では、インフレーション
ダイ、Tダイを使用でき、ii)押出しラミネート法では
Tダイが利用できる。押出し温度は、例えば、200〜
320℃、好ましくは230〜300℃程度である。ま
た、iii)ドライラミネート法では、ポリエステル系樹
脂,ウレタン系樹脂,アクリル系樹脂,酢酸ビニル−塩
化ビニル共重合体などのアンカーコート用接着剤、チタ
ン系、シラン系などのアンカーコート剤などを用いても
よい。さらに、難燃性基材層(又はフィルム)や積層フ
ィルムの延伸処理には、テンター延伸などの慣用の延伸
手段が利用できる。また、延伸処理後、積層フィルムは
さらに熱処理してもよい。
【0037】このような難燃性積層フィルムは、基材層
をポリアルキレンアリーレート樹脂で構成するととも
に、基材層に難燃性を付与しているので、密着強度が高
く、耐熱性、機械的特性、耐薬品性なども向上できる。
また、簡単な構成であるため、安価である。本発明の難
燃性積層フィルムは、電気・電子機器部品、自動車部品
などの広い分野で利用され、かつ高い難燃性、絶縁性お
よび密着強度が要求されるフラットケーブル被覆用積層
フィルムとして好適である。このフラットケーブルにお
いて、導体としては、銅箔,アルミニウム箔などの導電
性の高い薄片状金属が使用される。前記フラットケーブ
ルは、難燃性積層フィルムのうち対向するヒートシール
層間に導体を配置して加熱圧着することにより得ること
ができる。
【0038】
【発明の効果】本発明では、基材層をポリアルキレンア
リーレート樹脂で構成するとともに、基材層およびヒー
トシール層のうち基材層に難燃性を付与しているので、
難燃性を高めても、接着層同士、および接着層と導体と
の密着強度を向上でき、フラットケーブル被覆用難燃性
積層フィルムとして有用である。また、層構造や組成が
簡単であっても、難燃性、密着強度および耐熱性の高い
安価な難燃性積層フィルムを得ることができる。
【0039】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、実施例および比較例で用いた共
重合ポリエチレンテレフタレート(共重合PET)は、
エチレングリコール,シクロヘキサンジメタノール,イ
ソフタル酸およびテレフタル酸を用いた共重合ポリエス
テル樹脂であり、融点は165℃である。また、共重合
ポリブチレンテレフタレート(共重合PBT)は、1,
4−ブタンジオール,テレフタル酸およびイソフタル酸
を用いて得られた共重合ポリエステル樹脂であり、融点
は150℃である。
【0040】実施例1 難燃剤A(テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹
脂)30重量%とポリブチレンテレフタレート70重量
%とを、30mmφ押出機を用いて260℃で混練し、
ペレットを調製した。次いで、このペレットを押出し成
形し、厚さ80μmの難燃性ポリブチレンテレフタレー
トフィルム(未延伸PBTフィルム)を得た。この難燃
性PBTフィルムに、押出し成形により作製した厚さ5
0μmの共重合ポリエチレンテレフタレート(共重合P
ET)フィルムをドライラミネートし、難燃性積層フィ
ルムを作製した。
【0041】実施例2 難燃剤A25重量%とポリブチレンテレフタレート75
重量%とを用いて、実施例1と同様にして、厚さ50μ
mの難燃性PBTフィルムを調製した。この難燃性PB
Tフィルムに、押出し成形により作製した共重合ポリブ
チレンテレフタレート(共重合PBT)フィルム(厚さ
80μm)をドライラミネートし、難燃性積層フィルム
を作製した。
【0042】実施例3 難燃剤B(エチレンビステトラブロモフタルイミド)3
5重量%とポリブチレンテレフタレート65重量%とを
用いて難燃性PBTフィルムを調製する以外、実施例1
と同様にして難燃性積層フィルムを得た。
【0043】比較例1 厚さ80μmのポリブチレンテレフタレート(PBT)
フィルムに、難燃剤Aの含有量30重量%の共重合ポリ
エチレンテレフタレート(共重合PET)フィルム(厚
さ50μm)をドライラミネートし、難燃性積層フィル
ムを作製した。なお、難燃剤を含有する共重合PETフ
ィルムは、難燃剤A 30重量%と共重合PET 70
重量%とを溶融混練し、得られたペレットを用いて押出
し成形することにより調製した。
【0044】比較例2 厚さ50μmのポリブチレンテレフタレート(PBT)
フィルムに、難燃剤Aの含有量25重量%の共重合ポリ
エチレンテレフタレート(共重合PET)フィルム(厚
さ80μm)をドライラミネートし、難燃性積層フィル
ムを作製した。
【0045】比較例3 二軸延伸PETフィルムに、難燃剤Aの含有量20重量
%の共重合ポリエチレンテレフタレート(共重合PE
T)フィルム(厚さ50μm)をドライラミネートする
以外、比較例1と同様にして難燃性積層フィルムを作製
した。
【0046】比較例4 ポリブチレンテレフタレートのペレットを押出し成形
し、厚さ80μmのポリブチレンテレフタレートフィル
ム(PBTフィルム)を得た。このPBTフィルムに、
難燃剤Aを30重量%含有するオレフィン系樹脂フィル
ム(厚さ50μm)をドライラミネートし、難燃性積層
フィルムを作製した。なお、難燃剤を含有するオレフィ
ン系樹脂フィルムは、難燃剤A 30重量%とポリエチ
レン 70重量%とを溶融混練し、得られたペレットを
用いて押出し成形することにより調製した。
【0047】そして、得られた積層フィルムについて、
密着強度、難燃性、耐熱性を以下のようにして評価し
た。 [密着強度]積層フィルムのヒートシール層同士、ヒー
トシール層と銅箔とを、温度180℃、圧力3kgf/
cm2 で5秒間熱圧着して、シールした。密着強度は、
ヒートシールした後、23℃で24時間保存した後、テ
ンシロン(オリエンテック(株)製)を用いて、引っ張
り速度50mm/分のT型剥離で測定した。 [難燃性]UL規格94薄手材料垂直燃焼試験に従っ
て、難燃性を評価した。 [耐熱性]積層フィルムを、130℃で24時間放置し
た後、基材層およびヒートシール層の流動を観察し、以
下の基準で評価した。 ○:流動がない ×:流動が認められる 評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 上記結果から明らかなように、実施例の積層フィルム
は、高い難燃性が付与されているにも拘らず、比較例の
積層フィルムに比べて、密着強度が高い。また、難燃性
および耐熱性にも優れている。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレンテレフタレート又はポリ
    アルキレンナフタレート70〜100重量%を構成成分
    又は構成単位として含む飽和ポリエステル樹脂で構成さ
    れ、かつ難燃性が付与された難燃性基材層と、この基材
    層に積層され、かつヒートシール性共重合ポリエステル
    樹脂で構成されたヒートシール層とを備えている難燃性
    積層フィルム。
  2. 【請求項2】 難燃性基材層の飽和ポリエステル樹脂
    が、ヒートシール層の共重合ポリエステル樹脂よりも高
    い融点を有し、両者の融点差が20℃以上である請求項
    1記載の難燃性積層フィルム。
  3. 【請求項3】 難燃性基材層が、ハロゲン系難燃剤、リ
    ン系難燃剤、無機酸化物、無機水酸化物および金属ホウ
    酸塩から選択された少なくとも一種の難燃剤を含む請求
    項1記載の難燃性積層フィルム。
  4. 【請求項4】 難燃性基材層が、難燃剤を10〜50重
    量%含有する請求項3記載の難燃性積層フィルム。
  5. 【請求項5】 難燃性基材層が、ハロゲン含有ジオール
    成分およびハロゲン含有ジカルボン酸成分のうち少なく
    とも一方の成分を、樹脂の構成単位として含有するポリ
    エステル樹脂で構成されている請求項1記載の難燃性積
    層フィルム。
  6. 【請求項6】 ポリアルキレンテレフタレートが、ポリ
    ブチレンテレフタレートを主成分として含む請求項1記
    載の難燃性積層フィルム。
  7. 【請求項7】 ヒートシール層が、融点100〜200
    ℃の共重合ポリエステル樹脂で構成されている請求項1
    記載の難燃性積層フィルム。
  8. 【請求項8】 全体の厚みが20〜500μmであり、
    難燃性基材層とヒートシール層との厚みの割合が、前者
    /後者=90/10〜50/50(%)である請求項1
    記載の難燃性積層フィルム。
  9. 【請求項9】 難燃性が付与されたポリブチレンテレフ
    タレートで構成された難燃性基材層と、この基材層に積
    層され、かつ融点120〜180℃のヒートシール性共
    重合ポリエステル樹脂で構成されたヒートシール層とを
    備えているフラットケーブル被覆用難燃性積層フィル
    ム。
  10. 【請求項10】 ポリアルキレンテレフタレート又はポ
    リアルキレンナフタレート70〜100重量%を構成成
    分又は構成単位として含む飽和ポリエステル樹脂で構成
    され、かつ難燃性が付与された難燃性基材層と、ヒート
    シール性共重合ポリエステル樹脂で構成されたヒートシ
    ール層とを積層する難燃性積層フィルムの製造方法。
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