JP3642895B2 - フラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブルに関し、更に詳しくは、パソコン、液晶表示装置、携帯電話、プリンタ−、複写機等の電子・電気機器、自動車、その他等の内部配線に用いられるフラットケ−ブルに適用される難燃性、耐熱性、接着性等に優れた電気絶縁性のフラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気配線材として、銅線等の導体にポリ塩化ビニル樹脂を被覆した、いわゆる、塩ビ被覆線が主に使用されている。
特に、自動車に使用される回線数は、非常に多く、その重量は、かなりのものとなっている。
近年、電気配線材の本数が増加するにしたがって、被覆線のコンパクト化が要求されるよるになり、接着剤層が形成された一対の絶縁フィルムで複数の導体を挟み込んで形成したフラットケ−ブルが開発されている。
而して、フラットケ−ブル用被覆材としては、二軸延伸ポリエステルフィルム等の耐熱性基材にヒ−トシ−ラント層としてポリ塩化ビニル樹脂のフィルムをドライラミネ−ションにて積層してなるフラットケ−ブル用被覆材、二軸延伸ポリエステルフィルム等の耐熱性基材に熱硬化型接着促進剤層を介して飽和ポリエステル樹脂と難燃化剤とを含むヒ−トシ−ラント層をコ−ティング法により形成してなるフラットケ−ブル用被覆材等が用いられている。
而して、上記のようなフラットケ−ブル用被覆材は、金属ケ−ブルを、そのヒ−トシ−ラント層を対峙させて挟み込んだ後、熱ロ−ル法等によりヒ−トシ−ラント層を溶融して金属ケ−ブルをヒ−トシ−ラント層中に嵌合しつつ、ヒ−トシ−ラント層どうしを熱接着して、金属ケ−ブルを被覆する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のフラットケ−ブル用被覆材において、二軸延伸ポリエステルフィルム等の耐熱性基材にヒ−トシ−ラント層としてポリ塩化ビニル樹脂のフィルムをドライラミネ−ションにて積層してなるフラットケ−ブル用被覆材の場合、ヒ−トシ−ラント層としてのポリ塩化ビニル樹脂のフィルムは、金属ケ−ブルと熱接着性に乏しく、高温の環境下ではポリ塩化ビニル樹脂のフィルムと金属ケ−ブルとの間に空隙が発生したり、あるいは空隙の圧力によりヒ−トシ−ラント層がデラミネ−ションを起こすという問題点がある。
更に、上記のフラットケ−ブル用被覆材の場合、屈曲性に乏しく、また、ポリ塩化ビニル樹脂のフィルムを使用していることから、環境破壊の問題にもなり兼ねないものである。
また、上記の、二軸延伸ポリエステルフィルム等の耐熱性基材に熱硬化型接着促進剤層を介して飽和ポリエステル樹脂と難燃化剤とを含むヒ−トシ−ラント層をコ−ティング法により形成してなるフラットケ−ブル用被覆材の場合、高度な難燃性能を付与するためには、ヒ−トシ−ラント層中に一定の割合以上の難燃化剤を添加する必要があり、而して、このようにすると、飽和ポリエステル樹脂含有量が著しく限定されて、高いヒ−トシ−ル強度を得られないという問題点がある。
また、前述のように、金属ケ−ブルを熱ロ−ル法で嵌合する場合、ヒ−トシ−ラント層は、金属ケ−ブルの厚さに対し、約25〜50%の塗工厚さ、すなわち30〜100μm/dryの厚さを必要とし、而して、その厚さを目標にして
難燃化剤とを含む飽和ポリエステル樹脂組成物を塗工すると、該ヒ−トシ−ラント層中の溶剤等を完全に除去することが著しく困難であるという問題点がある。更に、上記において、ヒ−トシ−ラント層中の溶剤等を完全に除去するためには、充分に距離の長い乾燥炉を設置すること、あるいは乾燥速度を著しく低下すること等の必要があり、その結果、生産コストを高め、製品価格の上昇を招くという問題点もある。
なお、ヒ−トシ−ラント層中の溶剤等を完全に除去できない場合、ヒ−トシ−ラント層中に溶剤が可溶化していることから、飽和ポリエステル樹脂に対して可塑的に作用し、金属ケ−ブルとの接着性を阻害し、また、高温環境下でヒ−トシ−ラント層の内部にて気化し、気泡となって発生し、その結果、耐熱性基材との剥離や、ヒ−トシ−ラント層間の界面剥離等を発生するという問題点がある。
そこで、本発明は、金属ケ−ブルとの接着性に優れ、かつ高い難燃性能、ヒ−トシ−ル強度、絶縁性、屈曲性、耐熱性等の諸性能を有するフラットケ−ブル用被覆材およびそれを使用したフラットケ−ブルを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々検討した結果、可撓性を有する耐熱性基材の片面に、硬化型接着促進剤層、樹脂に熱硬化型のエポキシ・アクリル系樹脂を用いた難燃付与剤を含有する樹脂層、および導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を順次に設けてフラットケ−ブル用被覆材を製造し、而して、これを使用してフラットケ−ブルを製造したところ、金属ケ−ブルとの接着性に優れ、かつ高い難燃性能、ヒ−トシ−ル強度、絶縁性、屈曲性、耐熱性等の諸性能を有するフラットケ−ブル用被覆材およびそれを使用したフラットケ−ブルを製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、可撓性を有する耐熱性基材の片面に、硬化型接着促進剤層、樹脂に熱硬化型のエポキシ・アクリル系樹脂を用いた難燃付与剤を含有する樹脂層、および導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を順次に設けてなることを特徴とするフラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブルに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
まず、本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材の構成について図面を用いて説明すると、図1は、本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材の層構成の概略を示す断面図である。
本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材1は、図1に示すように、可撓性を有する耐熱性基材2の片面に、硬化型接着促進剤層3、難燃付与剤を含有する樹脂層4、および導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層5を順次に設けた構成からなるものである。
而して、上記の本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材1は、図2の断面図に示すように、該フラットケ−ブル用被覆材1を構成する導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層5の面を導体6の両面に重ね合わせ、しかる後該フラットケ−ブル用被覆材1、1を該導体6の両面に、加熱等によりヒ−トシ−ルして貼り合わせて、フラットケ−ブル7を製造するものである。
【0007】
上記の本発明において、可撓性を有する耐熱性基材としては、機械的強度、寸法安定性等に優れ、かつ耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、屈曲性、絶縁性等に富む樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリテトラメチレンテレフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン12、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエ−テルイミド等のポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等のフッ素含有樹脂、ポリエ−テルスルフォン、ポリエ−テルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレ−ト、ポリエステルエ−テル、全芳香族ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト等の、いわゆるエンジニアリングブラスチック、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、これらの樹脂のフィルムは、未延伸、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸したフィルム等のいずれでもよく、また、その厚さは、6μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
【0008】
次にまた、上記の本発明において、硬化型接着促進剤層としては、上記の可撓性を有する耐熱性基材と難燃付与剤を含有する樹脂層との密着力を向上してデラミネ−ションを抑制し、更に熱接着加工速度を向上し、また、耐熱接着性を向上させるために設けるものである。
而して、本発明において、硬化型接着促進剤層を構成する硬化型接着促進剤としては、例えば、ポリエチレンイミン系化合物、有機チタン系化合物、ポリオレフィン系化合物、ポリブタジエン系化合物、イソシアネ−ト系化合物、ポリエステルウレタン系化合物、ポリエ−テルウレタン系化合物等を使用することができる。
【0009】
本発明においては、耐熱接着性、製造加工適性、および30〜40℃位の低温にて硬化可能であるという点から、主剤であるポリオ−ル成分と硬化剤であるイソシアネ−ト成分との組み合わせからなる2液硬化型接着促進剤を使用することが望ましい。
上記において、主剤としては、例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、1.4−ブタンジオ−ル、1.6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等のジオ−ル成分と、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基成分とから合成されるポリエステルポリオ−ルもしくはその変性物、ポリエチレングリコ−ル、ポリオキシプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレネ−テルグリコ−ル等のポリエ−テルポリオ−ルもしくはその変性物、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、1.4−ブタンジオ−ル、1.6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルプロパン等の低分子ポリオ−ル等を使用することができる。
【0010】
また、上記において、硬化剤としては、例えば、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソホリンジイソシアネ−ト、トリス(イソシアネ−トフェニル)、メタン−トリス(イソシアネ−トフェニル)チオホスフェ−ト等のイソシアネ−トモノマ−、トリレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト等のイソシアネ−トモノマ−をトリメチロ−ルプロパンに付加したウレタンプレポリマ−、ヘキサメチレンジイソシアネ−トビュ−レット、ヘキサメチレンジイソシアネ−トおよびイソホロンジイソシアネ−トトリマ−等のイソシアネ−ト変性体等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のような硬化型接着促進剤に対し、例えば、接着促進力、耐熱接着性、高速熱接着性等を向上させるために、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、無機フィラ−等の助剤を任意に加えることができる。
【0011】
本発明において、硬化型接着促進剤層の厚さとしては、可撓性を有する耐熱性基材と難燃付与剤を含有する樹脂層との密着力を向上させることができれば、適宜選択して設定することができ、例えば、0.01ないし2μm位が好ましい。また、本発明において、硬化型接着促進剤層の形成は、予め、可撓性を有する耐熱性基材に形成することが好ましく、その形成法としては、上記のような硬化型接着促進剤をトルエン、酢酸エチル、アルコ−ル類、メチルエチルケトン等の溶剤に可溶化または分散した状態で組成物を構成し、これを可撓性を有する耐熱性基材上に、例えば、グラビアリバ−ス法、ロ−ルコ−ト法、グラビアダイレクト法等のコ−ティング方式を用いて形成することができる。
【0012】
次にまた、上記の本発明において、難燃付与剤を含有する樹脂層としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と難燃付与剤を主成分とする樹脂組成物から構成できるが、特に本発明では樹脂に熱硬化型のエポキシ・アクリル系樹脂を用いる
【0013】
上記において、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリアクリルもしくはメタクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、その他等を使用することができる。
また、上記において、熱硬化性樹脂としては、熱硬化型アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フエノ−ル系樹脂、エポキシ系樹脂、けい素系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレ−ト系樹脂、キシレン系樹脂、その他等を使用することができる。
【0014】
更に、上記において、難燃付与剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パ−クロルペンタシクロデカン、無水ヘット酸、クロルエンド酸等の塩素系、テトラブロモエタン、テトラブロモブタン、テトラブロモビスフェノ−ルA、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモビスフェニルエ−テル、テトラブロモ無水フタ−ル酸、ポリジブロモフェニレンオキサイド、キサブロモシクロデカン、臭化アンモニウム等の臭素系等の含ハロゲン有機化合物または無機化合物、赤リン、トリアリルフォスフェ−ト、アルキルアリルフォスフェ−ト、アルキルフォスフェ−ト、ジメチルメチルフォスフェ−ト、フォスフォリネ−ト、ハロゲン化フォスフォネ−トエステル、トリメチルフォスフェ−ト、トリエチルフォスフェ−ト、トリブチルフォスフェ−ト、トリオクチルフォスフェ−ト、トリブトキシエチルフォスフェ−ト、オクチルジフェニルフォスフェ−ト、トリクレジルフォスフェ−ト、クレジルジフェニルフォスフェ−ト、トリフェニルフォスフェ−ト、トリス(クロロエチル)フォスフェ−ト、トリス(2−クロロプロピル)フォスフェ−ト、トリス(2.3−ジクロロプロピル)フォスフェ−ト、トリス(2.3−ジブロモプロピル)フォスフェ−ト、トリス(ブロモクロロプロピル)フォスフェ−ト、ビス(2.3−ジブロモプロピル)2.3−ジクロロプロピルフォスフェ−ト、ビス(クロロプロピル)モノオクチルフォスフェ−ト、ポリフォスホネ−ト、ポリフォスフェ−ト、芳香族ポリフォスフェ−ト、ジブロモネオベンチルグリコ−ル等のリン酸エステルまたはリン化合物、フォスフォネ−ト型ポリオ−ル、フォスフェ−ト型ポリオ−ル、含ハロゲンポリオ−ル等のポリオ−ル化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、三塩化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンチモン、ホウ酸、モリブデン酸アンチモン、モリブデン酸化物、酸化モリブデン、リン−窒素化合物、カルシウム−アルミ−シリケ−ト、ジルコニウム化合物、錫化合物、ド−ソナイト、アルミン酸カルシウム水和物、酸化銅、銅粉末、炭酸カルシウム、メタホウ酸バリウム等の金属粉または無機化合物、その他、シリコ−ン系ポリマ−、フェロセン、フマ−ル酸、マレイン酸、トリアジン、イソシアヌレ−ト、尿素、グアニジン化合物等の窒素含有化合物等を使用することができる。
【0015】
而して、上記のような、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の一種またはそれ以上に(本発明においては、熱硬化型のエポキシ・アクリル系樹脂を用いる)、上記のような難燃付与剤の一種またはそれ以上を加え、更に、必要ならば、その他の添加剤を加え、例えば、トルエン、酢酸エチル、アルコ−ル類、メチルエチルケトン等の溶剤、希釈剤等にて混練して可溶化または分散化して塗工液を製造し、これを、例えば、ナイフコ−ト、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、キスコ−ト、バ−コ−ト、ロッドコ−ト、コンマコ−ト等のコ−ティング方式でコ−ティングし、厚さ20ないし60μm/dry位の難燃付与剤を含有する樹脂層を形成することができる。なお、上記において、塗工液を構成するビヒクルとして、熱硬化性樹脂を使用する場合、塗工後、100ないし200℃で7日間のキュアリング処理を施すことが望ましい。また、上記において、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の一種またはそれ以上と難燃付与剤の一種またはそれ以上との配合割合としては、耐ブロッキング性、層間接着性、残留溶剤量等の点を考慮して、前者が約20ないし60重量部に対し、後者を約40ないし80重量部位の割合で配合して使用することが望ましいものである。
【0016】
次に、本発明において、導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層としては、ヒ−トシ−ル性を有する熱可塑性樹脂とブロッキング防止のための充填剤を主成分とする組成物によるコ−ティング膜によって構成することができる。
上記において、ヒ−トシ−ル性を有する熱可塑性樹脂としては、熱の作用により溶融して相互に熱融着性を有するものであればよく、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマ−樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系またとメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、その他等を使用することができる。
また、上記において、充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の体質顔料または白色顔料、その他の無機化合物の粉末、ガラスフリット、フッ素系樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、その他等を使用することができる。
【0017】
而して、本発明においては、上記のようなヒ−トシ−ル性を有する熱可塑性樹脂の一種ないしそれ以上と、充填剤の一種ないしそれ以上とを混合し、更に、必要ならば、その他の添加剤を任意に添加し、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アノン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶剤、希釈剤等を使用して、充分に混練して、粘度約10ないし2000cps位のコ−ティング液を製造し、これを、例えば、ナイフコ−ト、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、キスコ−ト、バ−コ−ト、ロッドコ−ト、コンマコ−ト等のコ−ティング方式でコ−ティングし、厚さ10ないし40μm/dry位のコ−ティング膜層を形成し、更に熱風乾燥等により、残留溶剤量300mg/m2 以下の導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を形成することができる。
また、上記において、ヒ−トシ−ル性を有する熱可塑性樹脂の一種またはそれ以上と、充填剤の一種またはそれ以上との配合割合としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し、充填剤を約0.1ないし5重量部位の割合で配合して使用することが望ましい。
【0018】
【実施例】
次に上記の本発明について具体例を挙げて更に詳しく本発明を説明する。
実施例1
(1).難燃付与剤を含有する樹脂層用塗工剤
熱硬化型のエポキシ・アクリル系樹脂(東洋紡績株式会社製、商品名、KW−450)100重量部に対し難燃付与剤(エチル社製、商品名、SAYTEX8010+三酸化アンチモン+水酸化アルミニウム)150重量部とトルエン100重量部とメチルエチルケトン100重量部を添加し、これらを充分に混練して、難燃付与剤を含有する樹脂層用塗工剤を製造した。
(2).導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層用塗工剤
線状飽和ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、商品名 バイロン#500/バイロン#200=1/1)100重量部とトルエン100重量部とメチルエチルケトン100重量部とからなる樹脂液中に高純度タイプSO−C3の真球状シリカ(粒径1.0μ、比表面積5m2 /g)3重量部を添加し、サンドミルで良く分散させた後、更にトルエンとメチルエチルケトンとの等量混合溶剤で希釈することによって、粘度1000cpsの塗工剤を製造した。
(3).フラットケ−ブル用被覆材の製造
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルム(帝人株式会社製、低熱収縮タイプ)からなる耐熱基材の片面に、接着促進剤(主剤/硬化剤=ポリエステルポリオ−ル/ジフェニルメタンジイソシアネ−ト=4/1)をグラビアリバ−スコ−ト法により0.5μ/dryに塗工、乾燥し、更に50℃の雰囲気中にて5日間のエ−ジングを行い硬化型接着促進剤層を形成した。
次に、上記で形成した硬化型接着促進剤層の表面に、上記で製造した難燃付与剤を含有する樹脂層用塗工剤をコンマコ−ト法により塗工、乾燥し、更に180℃、7日間の熱硬化を行うことにより、厚さ28μmの難燃付与剤を含有する樹脂層を形成した。
次に、上記で形成した難燃付与剤を含有する樹脂層の表面に、上記で製造した導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層用塗工剤を3本リバ−スコ−ト方式によって塗工し、充分に乾燥した後、更に50℃の雰囲気中にて7日間のエ−ジングを行うことによって、厚さ12μmの導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を形成し、残留溶剤量が20mg/m2 以下の総コ−ト厚さ40μmの本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材を製造した。
次に、上記で製造したフラットケ−ブル用被覆材を使用して、厚さ35μmの導体の両面にラインスピ−ド約5.0m/min 位で貼り合わせて、フラットケ−ブルを製造することができた。
【0019】
実施例2
(1).導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層塗工剤
線状飽和ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、商品名、バイロン#300/バイロン#200=2/1)100重量部とメチルエチルケトン100重量部とトルエン50重量部とメチルイソブチルケトン50重量部とからなる樹脂液中に高純度タイプSO−C3の真球状シリカ(粒径1.0μ、比表面積5m2 /g)3重量部を添加し、サンドミルで十分に分散させた後、更にメチルエチルケトンとトルエンとメチルイソブチルケトンの混合比率20/10/10の割合からなる溶剤で希釈することによって、粘度2000cpsの塗工剤を製造した。
(2).フラットケ−ブル用被覆材の製造
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレ−トフィルム(帝人株式会社製、低熱収縮タイプのフィルム)からなる耐熱性基材の片面に、接着促進剤(主材/硬化剤=ポリエステルポリオ−ル/ジフェニルメタジイソシアナ−ト=4/1)をグラビアリバ−スコ−ト法により0.5μ/dryに塗工、乾燥し、更に、50℃の雰囲気中にて5日間のエ−ジングを行い硬化型接着促進層を形成した。
次に、上記で形成した硬化型接着促進層の表面に実施例1で記載した難燃付与剤を含有する樹脂層用塗工剤をコンマコ−ト方式によって塗工、乾燥し、更に、180℃、7日間の熱硬化を行なうことにより厚さ42μmの難燃付与剤を含有する樹脂層を形成した。
次いで、上記で形成した難燃付与剤を含有する樹脂層の表面に、上記の(1)にて製造した導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層用塗工剤を3本リバ−スコ−ト方式によって塗工し、充分に乾燥した後、更に、50℃の雰囲気中に7日間エ−ジングを行なうことによって厚さ140μmの導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を形成し、残留溶剤50mg/m2 以下の総コ−ト厚60μmの本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材を製造した。
次に、上記で製造したフラットケ−ブル用被覆材を使用して、厚さ140μmの導体の両面にラインスピ−ド約5.0m/min位で貼り合わせて、フラットケ−ブルを製造することができた。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、可撓性を有する耐熱性基材の片面に、硬化型接着促進剤層、難燃付与剤を含有する樹脂層、および導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を順次に設けてフラットケ−ブル用被覆材を製造し、而して、これを使用してフラットケ−ブルを製造したところ、金属ケ−ブルとの接着性に優れ、かつ高い難燃性能、ヒ−トシ−ル強度、絶縁性、屈曲性、耐熱性等の諸性能を有するフラットケ−ブル用被覆材およびそれを使用したフラットケ−ブルを製造し得るというものである。
本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材は、従来のようにヒ−トシ−ラント層に難燃付与剤を付与したものとは異なり、難燃層とヒ−トシ−ラント層の性能分離を行っていることから、シ−トシ−ル強度の大巾な向上が認められるものである。
更に、本発明においては、難燃層に熱硬化型樹脂を使用して硬化することにより、熱可塑性樹脂を使用したヒ−トシ−ラント層の薄膜化が可能となり、ヒ−トシ−ラント層の形成時の溶剤除去が極めて容易となり、残留溶剤によるヒ−トシ−ラント層の耐熱性劣化を抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材の層構成の概略を示す断面図である。
【図2】本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材を使用して製造したフラットケ−ブルの層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 フラットケ−ブル用被覆材
2 可撓性を有する耐熱性基材
3 硬化型接着促進剤層
4 難燃付与剤を含有する樹脂層
5 導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層
6 導体
7 フラットケ−ブル

Claims (3)

  1. 可撓性を有する耐熱性基材の片面に、硬化型接着促進剤層、樹脂に熱硬化型のエポキシ・アクリル系樹脂を用い難燃付与剤を含有する樹脂層、および導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を順次に設けてなることを特徴とするフラットケ−ブル用被覆材。
  2. 導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層中の残留溶剤量が300mg/m2以下であることを特徴とする上記の請求項1に記載するフラットケ−ブル用被覆材。
  3. 可撓性を有する耐熱性基材の片面に、硬化型接着促進剤層、樹脂に熱硬化型のエポキシ・アクリル系樹脂を用いた難燃付与剤を含有する樹脂層、および導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を順次に設けてなるフラットケ−ブル用被覆材を、導体の両面に、その導体への接着性と自己接着性を有する樹脂層を対向させて重ね合わせて被覆してなることを特徴とするフラットケ−ブル。
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