JP4061083B2 - 黒色フラットケーブル被覆材、及びそれを用いた黒色フラットケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットケーブル被覆材に関し、さらに詳しくは、絶縁性と高意匠性の両方を具備した電気機器、電子機器、その他等に使用されるフラットケ−ブルの黒色フラットケーブル被覆材、及びそれを用いた黒色フラットケーブルに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、OA機器やゲーム機などの電子機器では、コンピューターと電子部品などの電気的な接続や種々の配線のために、フラットケーブルが使用されている。フラットケーブルは、電子機器の狭い筐体内を引き回され、電子部品の移動に伴って摺動されたり、かつ、電子部品の発熱に伴う高温の環境下で使用される。このために、フラットケーブルを被覆しているフラットケーブル被覆材は、摺動に対する柔軟性、高温に対する耐熱性、および難燃性が要求される。さらに、近年ではゲーム機、移動携帯端末などの機器の意匠性を高めるため、透明な筐体を使用した所謂スケルトンタイプが増加している。該スケルトンタイプ機器では、内部の部品類が丸見えであり、該内部の部品であるフラットケーブルまで意匠性が求められてきた。従来のフラットケーブルは、機能のみで意匠性を高めたものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、絶縁性があって、かつ、黒色の意匠性の高い黒色フラットケーブル被覆材、及びそれを用いた黒色フラットケーブルを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる黒色フラットケーブル被覆材は、基材フィルムの一方の面に、少なくとも黒色印刷層、熱接着層を順次積層したフラットケーブル被覆材において、前記基材フィルムが樹脂の延伸フィルムであり、前記黒色印刷層が、少なくとも非導電性カーボンの含有量が5〜20質量%、バインダ前駆体としての多官能イソシアネートと反応するヒドロキシル基含有化合物の含有量が77〜87質量%、硬化剤としての多官能イソシアネート化合物の含有量が3〜7質量%からなる黒色印刷層組成物を、前記基材フィルムの一方の面に、塗布し、硬化して形成され、かつ、前記黒色印刷層面の表面抵抗値が108 〜1013Ωであるようにしたものである。本発明によれば、絶縁性があり、かつ、黒色で意匠性の高い黒色フラットケーブル被覆材が提供される。
請求項2の発明に係わる黒色フラットケーブル被覆材は、請求項1に記載した発明の黒色フラットケーブルの構成において、黒色印刷層と熱接着層の間に、プライマー層を設けるようにしたものである。本発明によれば、製造し易く低コストで、かつ、黒色印刷層と熱接着層とが隔離されて絶縁性が向上し、層間の接着性のよい黒色フラットケーブル被覆材が提供される。
請求項3の発明に係わる黒色フラットケーブルは、複数の導体を同一平面内で配列した導体列を、フラットケーブル被覆材にて両面より被覆してなるフラットケーブルにおいて、両面のフラットケーブル被覆材が、基材フィルムの一方の面に、少なくとも黒色印刷層、熱接着層を順次積層したもので、前記基材フィルムが樹脂の延伸フィルムであり、前記黒色印刷層が、少なくとも非導電性カーボンの含有量が5〜20質量%、バインダ前駆体としての多官能イソシアネートと反応するヒドロキシル基含有化合物の含有量が77〜87質量%、硬化剤としての多官能イソシアネート化合物の含有量が3〜7質量%からなる黒色印刷層組成物を、前記基材フィルムの一方の面に、塗布し、硬化して形成され、かつ、前記黒色印刷層面の表面抵抗値が10 8 〜10 13 Ωである黒色フラットケーブル被覆材を用いるようにしたものである。本発明によれば、絶縁性があり、かつ、黒色で意匠性の高い黒色フラットケーブルが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例の構成を示す模式的な断面図である。
本発明の黒色フラットケーブル被覆材10は、基材フィルム11の一方の面に、黒色印刷層15と、必要に応じてプライマー層12と、熱接着層13とをこの順に順次積層されている。基材フィルム11としては、機械的強度に優れ、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、屈曲性、絶縁性等があれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト・ポリブチレンテレフタレ−ト・ポリエチレンナフタレ−ト・ポリエチレンテレフタレート‐イソフタレート共重合体・テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体・ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6・ナイロン66・ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート・ポリメタアクリレート・ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト・ポリスルホン・ポリエーテルスルホン・ポリフェニレンエ−テル・ポリフェニレンスルフィド(PPS)・ポリアラミド・ポリエーテルケトン・ポリエーテルニトリル・ポリエーテルエーテルケトン・ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン・高衝撃ポリスチレン・AS樹脂・ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン・セルローストリアセテート・セルロースダイアセテート・ニトロセルロースなどのセルロース系フィルムなどが適用できる。
【0006】
該基材フィルム11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材フィルム11は、通常機械的強度、耐熱性、絶縁性、コスト等の面から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンテレフタレートが好適に使用される。
【0007】
該樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウムなどの体質顔料が適用できる。帯電防止剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤などや、ポリアミドやアクリル酸誘導体などが適用できる。
【0008】
該基材フィルム11の厚さは、通常は5μm〜200μmが適用でき、10μm〜100μmが好適である。厚さが5μm未満であると機械的強度が不足し、また、黒色印刷層15、必要に応じてプライマー層12、熱接着層13など形成する適性が減ずる。厚さが200μm以上では可撓性が不足し摺動性が悪化するので、このような厚さにすることにより、本発明のフラットケーブル被覆材10に必要とされる強度を付与することができるとともに、該黒色フラットケーブル被覆材10に良好な可撓性を付与することができる。該基材フィルム11は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。
【0009】
基材フィルム11へ黒色印刷層15を設ける。該黒色印刷層の黒色着色材としては、通常、公知の有機顔料、無機顔料、染料を単独又は混合して調色するが、彩度の低い黒色を得るのは極めて困難である。そこで、通常の印刷物ではカーボンブラックが用いられるが、該カーボンブラックは導電性を持っていて絶縁性が悪く、絶縁性を要求されるフラットケーブルには使用できない。本発明では非導電性のカーボンを選定し使用することで絶縁性を得ることができる。
ここで、黒色印刷層の黒色としては、色の三属性(色相、明度、彩度)において、色相は無彩色で、明度及び彩度が3以下の色であり、本用途で意匠性を重視する場合、明度、彩度は2以下が好ましい。
黒色印刷層は、少なくとも非導電性カーボンとバインダからなり、該バインダはバインダ前駆体と硬化剤が硬化したものである。さらに、黒色印刷層は、黒色印刷層組成物中の、非導電性カーボンの含有量が5〜20質量%、バインダ前駆体の含有量が73〜92.5質量%、硬化剤の含有量が1.5〜7質量%であるようにする。このようにすることで、黒色印刷層面の表面抵抗値が108〜1013Ωの範囲に管理され、絶縁性、かつ、黒色の黒色フラットケーブル被覆材を得ることができる。
【0010】
即ち、フラットケーブル被覆材としては、黒色印刷層15の表面抵抗値で108Ω以上の絶縁性が必要であるが、通常カーボンを含有させると表面抵抗値が下がって、絶縁性が悪くなりフラットケーブル被覆材として使用できない。そこで、非導電性カーボンを含有させるが、該非導電性カーボンを単に含有させたのでは、黒色印刷層15組成物のインキ化の分散方法やインキでの保管状態、又は、印刷時のインキの攪拌、循環、静置などの状態によって、印刷後の黒色印刷層15の表面抵抗値が大きく変化する。従って、単に非導電性カーボンの含有量の増減だけで、表面抵抗値を108〜1013Ωの範囲に管理するのは、極めて困難であり、低い歩留率しか得られなかった。
【0011】
そこで、黒色印刷層15のバインダとして、バインダ前駆体と硬化剤が硬化したものとし、かつ、黒色印刷層組成物中の、非導電性カーボンの含有量が5〜20質量%、バインダ前駆体の含有量が73〜92.5質量%、硬化剤の含有量が1.5〜7質量%であるようにすることで、表面抵抗値を適正な範囲内に管理できることを見出し、本発明に至った。特に、硬化剤の含有量が重要で、1.5質量%未満では表面抵抗値が低く絶縁性が悪く、7質量%を超えると絶縁性は良くなるが、ブロッキングが発生しやすくて物性が発現しない。
【0012】
黒色印刷層15のに含有させる非導電性カーボンとしては、励起カーボン、マイクロカプセルへ封入した非導電性カーボンなどが適用できる。
【0013】
黒色印刷層15のバインダはバインダ前駆体と硬化剤が硬化したもので、該バインダ前駆体としては、具体的には、多官能イソシアネ−トと反応するヒドロキシル基含有化合物、例えば、ポリエ−テル系ポリオ−ル、ポリエステル系ポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等を使用することができる。
【0014】
黒色印刷層15のバインダはバインダ前駆体と硬化剤が硬化したもので、該硬化剤としては、イソシアネート化合物が使用できる。例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香脂肪族イソシアネート、及びこれらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)などを、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
芳香族イソシアネートとしては、例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンなどがある。
【0016】
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどがある。
【0017】
脂環式イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどがある。
【0018】
芳香脂肪族イソシアネートとしては、例えば、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどがある。
ポリイソシアネートの変性物としては、例えば、には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDIなどある。
【0019】
これらのバインダ前駆体、硬化剤、非導電性カーボンを、有機溶媒へ溶解または分散して黒色印刷層組成物塗液(インキ)とする。まず、バインダ前駆体と非導電性カーボンをインキ化する。該インキ化の分散調製の方法は、特に限定はなく、通常の混練・分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、単軸スクリュー押し出し機および超音波分散機などが適用できる。また、硬化剤は、使用直前に単独または有機溶媒へ溶解させてから、混合して、黒色印刷層組成物インキとする。
【0020】
黒色印刷層15の形成方法としては、公知の印刷法、コーティング法が適用できる。印刷法としては、例えば、凹版印刷、孔版印刷の基本印刷法、および、それらの応用印刷法が適用できる。応用印刷法としては、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷、グラビアオフセット印刷などが適用できる。コーティング法としては、例えば、ロ−ルコ−ティング、リバースロ−ルコ−ティング、グラビアコ−ティング、グラビアリバースコ−ティング、グラビアオフセットコーティング、キスコーティング、ワイヤーバーコーティング、コンマコーティング、ナイフコーティング、デップコーティング、フローコーティング、スプレイコーティングなどが適用できる。好ましくは、グラビア印刷、グラビアコ−ティング、ロ−ルコ−ティング、リバースロ−ルコ−ティング法である。
【0021】
これらの印刷又はコーティング法で、黒色印刷層組成物インキを印刷又は塗布し乾燥して、黒色印刷層15を形成することができる。該黒色印刷層15を形成したら、印刷機またはコーティング機の機内で加熱ゾーンを設けてエージングするか、又は、一旦巻き上げて、別途、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、バインダ前駆体と硬化剤とを硬化(反応)させる。該黒色印刷層15の膜厚としては、0.1〜10μm(乾燥状態)程度、好ましくは0.5〜5.0μmである。
【0022】
ここで、硬化剤の含有量が重要で、後述する実施例から判るように、黒色印刷層組成物中の硬化剤が7質量%を超えると絶縁性は良くなるが、ブロッキングが発生しやすく、また、必要以上の含有は無駄であり、1.5質量%未満では表面抵抗値が低く絶縁性が悪い。その理由は定かでないが、バインダ前駆体と硬化(反応)する硬化剤が増すと、架橋点が増加したり、架橋密度があがったりして、カーボン粒子が分断されるものと推測される。カーボン粒子として非導電性カーボンを使用しているが、その量が局部的に増加したり、凝集したり、連鎖状に連なったりすれば、導通して絶縁性が悪化すると考えられる。
【0023】
黒色印刷層15の形成は、単独の工程で設けても良いが、黒色印刷層15とプライマー層12とを、インラインで形成することが好ましい。当業者が良く行う多色印刷で、少なくとも2色印刷ユニット、又は2コーティングユニットを有する印刷機、又はコーティング機を用いて、1色目ユニットで黒色印刷層15を印刷又はコーティングし乾燥して、続けて2色目ユニットでプライマー層12を印刷又はコーティングし乾燥すれば良い。エージング前の黒色印刷層15は、硬化前のため低分子化合物である硬化剤が含まれており、その粘着性でベタ付いている。そのために、基材フィルム11へ黒色印刷層15を形成して、直ちに巻き取ると、、黒色印刷層15が基材フィルム11へ粘着(当業者がブロッキングと呼ぶ)現象が発生してしまう。ところが、プライマー層12をインラインで形成すると、基材フィルム11/黒色印刷層15/プライマー層12の構成となって、黒色印刷層15は、基材フィルム11とプライマー層12の間に挟持されて、ブロッキングが防止される。しかも、シリカなどのブロッキング防止剤を添加すれば、プライマー層12がなくとも、より低コストで製造できる。
【0024】
プライマー層12としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、エポキシ樹脂などが適用できる。
【0025】
これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを黒色印刷層15面へ、公知の印刷法又はコーティング法で塗布し乾燥して、プライマー層12とする。該プライマー層13の厚さは、0.05〜5μm程度、好ましくは0.1〜2μmである。プライマー層13によって、黒色印刷層15と熱接着剤13は強固に接着して、電子機器への使用時の摺動に耐えて、層間の剥離などを抑制して、絶縁性、耐久性を向上するためのものである。
【0026】
次に、黒色印刷層15、又は、必要に応じて設けたプライマー層12面へ熱接着層13を設ける。熱接着層13は、柔軟性に富み、かつプライマー層12および導体とのヒ−トシ−ル性を有していることが必要である。かかる熱接着層13は、その層間に金属などの導体を挟持させることができて、かつ、加熱ロールまたは加熱板などによる加熱加圧により軟化して溶融し、相互に強固に熱融着し、かつ、導体との密着性に優れているとともに導体をその中に空隙を発生させずに埋め込めることが必要である。
【0027】
該熱接着層は、合成樹脂成分が20〜50質量%と難燃剤成分が50〜80質量%とを含む組成物からなる。難燃性の性能からは、難燃剤成分が多いほど良いが、難燃剤が多いと合成樹脂成分が少なくなって、熱接着層を形成加工する際に成膜することができず、また、必要な接着性能が得られない。難燃性があり、加工性の良い組成としては、合成樹脂成分が20〜50質量%と難燃剤成分が50〜80質量%が好適である。
【0028】
熱接着層13を構成する材料としては、例えば、アイオノマ−樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用できる。
【0029】
熱接着層13の樹脂としては、導体とのヒートシ−ル性、および難燃剤の混入のし易さから、ポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。該ポリエステル系樹脂は、飽和共重合ポリエステル樹脂であって、ガラス転移点が−50℃〜80℃で、かつ重量平均分子量が7000〜50000の範囲の樹脂を主成分とする樹脂組成物からなるものが好適である。また、ガラス転移点が比較的低く柔軟性に富むポリエステル系樹脂と、ガラス転移点の比較的高く耐熱性に富むポリエステル系樹脂とを、配合して使用しても良い。さらに、非晶性のポリエステル系樹脂と結晶性のポリエステル系樹脂を、適宜、配合して使用しても良い。
【0030】
熱接着層13へ含有させる難燃剤としては、難燃剤としては、塩素系・臭素系などのハロゲン系化合物、金属粉・水和金属化合物・酸化金属化合物などの金属化合物、リンおよびリン系化合物、窒素系化合物、その他、などが適用できる。これら難燃剤の粒子の平均粒径としては、一次粒子として、0.01〜100μm程度で、好ましくは0.01〜40μmである。平均粒径が40μmを超えると、合成樹脂への分散性が悪くなり、合成樹脂の物性を低下させる場合がある。塩素系化合物は、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パークロルシクロペンタデカン、無水ヘット酸、クロルエンド酸などがある。
【0031】
臭素系化合物は、例えば、テトラブロモビスフェノールA(TBA)・デカブロモジフェニルオキサイド(DBDPO)・ヘキサブロモシクロデカン(HBCD)・オクタブロモジフェニルオキサイド(OBDPO)・ビス(トリブロモフェノキシ)エタン(BTBPE)・トリブロモフェノール(TBP)・エチレンビステトラブロムフタルイミド・TBAカーボネートオリゴマー・臭素化ポリスチレン・TBAエポキシオリゴマー・TBAエポキシポリマー・エチレンビスペンタブロモジフェニル・ポリジブロモフェニレンオキサイド・ヘキサブロモベンゼン・テトラブロモエタン・デカブロモビフェニールエーテル・テトラブロモ無水フタール酸・トリブロモフェニルマレイミド・テトラブロモペンタエリスリトール・トリス(ペンタブロモベンジル)イソシアヌレート・臭化アンモニウムなどがある。
【0032】
リンおよびリン系化合物は、例えば、赤燐、ポリリン酸アンモニウム、トリアリルホスフェート・アルキルアリルホスフェート・アルキルホスフェート・ホスフォリネート・ジメチルホスフォネート・ハロゲン化ホスフォリネートエステル・トリメチルホスフェート・トリエチルホスフェート・トリブチルホスフェート・トリオクチルホスフェート・トリブトキシエチルホスフェート・オクチルジフェニルホスフェート・トリクレジルホスフェート・クレジルジフェニルホスフェート・トリフェニルホスフェート・トリス(クロロエチル)ホスフェート・トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート・トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート・トリス(2,3−ジブロムクロロプロピル)ホスフェート・トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート・ビス(2,3−ジブロモプロピル)2,3−ジクロロプロピルホスフェート・ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート・ポリフォスホネート・ポリフォスフェート・芳香族ポリフォスフェート・ジブロモネオペンチルグリコールなどのリン酸エステルまたはリン化合物、フォスホネート型ポリオール・フォスフェート型ポリオール・含ハロゲンポリオールなどのポリオール化合物、などがある。
【0033】
窒素系化合物は、例えば、尿素、メラミン誘導体を含むトリアジン環含有化合物などがある。トリアジン環含有化合物としては、例えば、メラミン(シアヌル酸トリアミド)、アムメリン(シアヌル酸ジアミド)、アムメリド(シアヌル酸モノアミド)、硫酸メラミン、ピロリン酸メラミン、硫酸グアニルメラミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3‐ヘキシレンジメランミン、ホモグアナミン、硫酸アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、メラミンシアヌレート(メラミンとシアヌール酸との縮合)、イソシアヌレート、メラム、硫酸メラム、硫酸メレム、メラミン樹脂などがある。
【0034】
水和金属化合物は、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などがある。水和金属化合物の樹脂への添加量は、合成樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。0.1質量部未満の場合は難燃性が急激に低下し、5質量部を超える場合には、難燃性は得られるが合成樹脂の色相悪化をもたらす。酸化金属化合物は、例えば、三酸化アンチモン、三塩化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンチモン、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、モリブデン酸アンチモン、酸化モリブデン、金属のリンー窒素化合物、スズ酸亜鉛、酸化モリブデン酸、酸化スズ、酸化ホウ素、二酸化珪素、酸化銅、酸化ジルコニウムなどがある。
【0035】
金属は、例えば、金属銅紛などがある。金属化合物は、例えば、カルシウムーアルミニウムシリケート・ジルコニウム化合物・ドーソナイト・アルミン酸カルシウム水和物・炭酸カルシウムなどがある。その他は、例えば、その他、シリコーン系ポリマー、フェロセン、フマール酸、マレイン酸、スルファミン酸などがある。これらは、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。また、組成物には、必要に応じて、充填剤、顔料、滑剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤などを添加してもよい。
【0036】
さらに、近年、地球レベルで環境を保護するために、有害物質は使用規制される傾向にあり、フラットケーブルに使用する材料についても、有害物質の使用を極力避けるべきである。例えば、臭素系難燃剤であるデカブロモジフェニルエーテル(DBDPO)、及び塩素系の難燃剤は、燃焼条件によっては、ダイオキシン又はダイオキシン関連物質が生成する恐れがあり、その使用規制が望まれている。また、アンチモンは、発ガン性の恐れがあると言われている。これらの難燃剤を含有するフラットケーブル被覆材では、該フラットケーブル被覆材を用いたフラットケーブルが電子機器とともに使用後廃棄された後に、何らかの要因で難燃剤が環境に漏洩したり、人体に取り込まれて健康を害する恐れがある。従って、非ハロゲン系難燃剤を使用することが好ましく、さらに好ましくは、非ハロゲン系、非アンチモン系の難燃剤を使用することである。
【0037】
本発明の熱接着層13には、本発明の効果に影響のない範囲で、さらに種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤(顔料、染料)、ブロッキング防止剤、樹脂と難燃剤との間の凝集力を上昇させる各種カップリング剤、架橋剤、架橋助剤、充填剤、帯電防止剤、難燃触媒を適宜添加してもよい。例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料または白色顔料、その他の無機化合物の粉末、ガラスフリット、フッ素系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、その他等を使用することができる。なお、本発明においては、上記の体質顔料または白色顔料において、酸化チタンまたは酸化亜鉛等のものは、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等のものと比較して、その粒子径が小さいことから、フラットケ−ブル被覆材をロ−ル状の製品形態で在庫中でのブロッキング防止剤としての機能をも奏するという利点を有している。
【0038】
次に、本発明においては、上記のような柔軟性に富み、かつ、ヒ−トシ−ル性を有する樹脂の一種ないしそれ以上を主成分とし含有し、更に、上記のような難燃剤の一種またはそれ以上を加え、更に、必要ならば、その他の添加剤を任意に加え、例えば、トルエン、酢酸エチル、アルコ−ル類、メチルエチルケトン等の溶剤、希釈剤等にて十分に混練して可溶化または分散化して熱接着層13組成物インキを製造する。
【0039】
次いで、該熱接着層13組成物インキを用いて、これを、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコートなどのコ−ティング方式で塗布し乾燥して、厚さ15〜150μm(乾燥時)程度の難燃剤を含有するヒ−トシ−ル性の熱接着層13を形成することができる。
【0040】
図2は、本発明のフラットケーブルの1実施例の構成を示す模式的な断面図である。
図3は、図2のAA断面図である。
本発明のフラットケーブル1は、複数の導体21を同一平面内で配列した導体列を、フラットケーブル被覆材10にて両面より被覆してある。
本発明においては、これまで説明してきたフラットケーブル被覆材10を使用し、少なくとも片方、好ましくは2枚の該フラットケ−ブル用被覆材10を、その熱接着層13面を対向させて重ね合わせ、更に、その層間に、複数の金属等の導体21を同一平面内で配列した導体列を介在させる。
【0041】
しかる後に該フラットケ−ブル用被覆材10、導体21を加熱加圧してヒ−トシ−ルすることにより、該フラットケ−ブル用被覆材10を構成するヒ−トシ−ル性の熱接着層13と導体21とを密接着させ、更に、対向した熱接着層13自身も相互に接着する。このようにして、2枚の対向したフラットケ−ブル被覆材10と導体21とが密着し接着して、導体21が熱接着層13へ埋め込まれて一体化したフラットケ−ブル1を製造することができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明について、実施例及び比較例をあげて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
基材フィルム11として、厚さ25μmのPETフィルムGEC−23(帝人デュポンフィルム社製、商品名)を用いて、公知のグラビア2色印刷機の、1色目ユニットで、品番「ABC−123」の9ポイント文字が15mm間隔で繰り返す印刷絵柄を、公知の白色インキで印刷し乾燥し、引き続いて、2色目ユニットで、次の硬化前の黒色印刷層15組成物インキを用いて、グラビア印刷法で全面印刷(当業者が全ベタと呼ぶ)し乾燥して硬化前の黒色印刷層15を形成した後に巻上げた。硬化前の黒色印刷層15組成物インキは、非導電性の励起カーボン10質量部、分散剤1質量部、及びウレタン樹脂86質量部を、メチルエチルケトン/トルエン=1:1からなる混合溶剤250質量部へ分散又は溶解させておき、使用直前に硬化剤3質量部を、メチルエチルケトン/トルエン=1:1からなる混合溶剤50質量部へ溶解させてものを加えて混合したものを用いた。
【0043】
次に、硬化前の黒色印刷層15面へプライマー層12を設ける。プライマー層12組成物インキを、公知のロールコータにて、厚さ1μm(乾燥後)塗布し乾燥して、プライマー層12を形成した後に巻上げた。プライマー層12組成物インキは、ポリウレタン樹脂100質量部をメチルエチルケトン/トルエン=1:1からなる混合溶剤300部に溶解させた。このように、基材フィルム11へ硬化前の黒色印刷層15とプライマー層12を形成して巻上げた。該巻取り状物を、50℃下で1日間保持してエージング(硬化)させた。即ち、硬化前の黒色印刷層15は、エージング中に硬化反応が進んで黒色印刷層15となる。
【0044】
次いで、難燃性のポリエステル樹脂系の熱接着層13組成物インキを調整する。これを先のプライマー層12上へ、コンマコーターにて、厚さ21μm(乾燥時)に塗布し、乾燥して、熱接着層13とした。次いで、その層間にスズメッキ軟銅導体(厚さ50μm、幅0.8mm)を17本を平行に並べ、2枚のフラットケーブル被覆材10の熱接着層が向かい合うようにして、150℃に加熱した金属ロールとゴムロールとの間を3m/minのスピードで通過させて加熱加圧して、フラットケーブル1を製造した。該フラットケーブル1、及びフラットケーブル被覆材10は、真っ黒色で高級感があった。なお、品番が白色でハッキリと表示されていた。
【0045】
(実施例2〜5、および比較例1〜2)
黒色印刷層15組成物インキの配合については、下記の表1に示す材料を表に示す数値からなる使用量(質量部)にて使用し、比較例2は一般的な黒色顔料であるカーボンフィラーを用い、それ以外は上記の実施例1と全く同様にして、フラットケーブル被覆材10とフラットケーブル1を製造した。
【0046】
【表1】
【0047】
(評価)
上記の実施例1〜3、比較例1のフラットケーブル被覆材10、及びフラットケーブル1について、絶縁性について評価した。
絶縁性は、フラットケーブル1の絶縁性を表面抵抗で評価した。表面抵抗はハイレスタUP「三菱化学社製、商品名」を用いて、22℃、相対湿度が40%の条件で測定し、表面抵抗値が108〜1013Ωの範囲を合格とし、合格を「○」、不合格の場合を「×」で表わし、表1の下欄の「絶縁性」欄に併記した。
【0048】
上記の表に示す結果より明らかなように、実施例1〜5では、絶縁性が合格範囲であった。比較例1〜2では、絶縁性を表わす表面抵抗が低過ぎる。実施例1〜5、比較例2の黒色フラットケーブル被覆材、及びそれぞれを用いた黒色フラットケーブルの黒色は、透明性も低く、彩度も低く、真っ黒であった。従来の透明から半透明のフラットケーブル被覆材、及びフラットケーブルと比較すると、高級感が認められた。
【0049】
【発明の効果】
請求項1のフラットケーブル被覆材では、フラットケーブルとして十分な絶縁性を持ち、真っ黒な黒色の黒色フラットケーブル被覆材が供給できる。請求項2では、積層された層間の接着力に優れ、安定した絶縁性が得られる製造法で、歩留まりが良く低コストな黒色フラットケーブル被覆材が得られる。請求項3では、十分な絶縁性を持ち、真っ黒な黒色で意匠性に優れた黒色フラットケーブルが供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフラットケーブル被覆材の1実施例の構成を示す模式的な断面図である。
【図2】 本発明のフラットケーブルの1実施例の構成を示す模式的な断面図である。
【図3】 図2のAA断面図である。
【符号の説明】
1 フラットケーブル
10 フラットケーブル被覆材
11 基材フィルム
12 プライマー層
13 熱接着層
15 黒色印刷層
21 導体
Claims (3)
- 基材フィルムの一方の面に、少なくとも黒色印刷層、熱接着層を順次積層したフラットケーブル被覆材において、前記基材フィルムが樹脂の延伸フィルムであり、前記黒色印刷層が、少なくとも非導電性カーボンの含有量が5〜20質量%、バインダ前駆体としての多官能イソシアネートと反応するヒドロキシル基含有化合物の含有量が77〜87質量%、硬化剤としての多官能イソシアネート化合物の含有量が3〜7質量%からなる黒色印刷層組成物を、前記基材フィルムの一方の面に、塗布し、硬化して形成され、かつ、前記黒色印刷層面の表面抵抗値が108 〜1013Ωであることを特徴とする黒色フラットケーブル被覆材。
- 前記黒色印刷層と熱接着層の間に、プライマー層を設けたことを特徴とする請求項1記載の黒色フラットケーブル被覆材。
- 複数の導体を同一平面内で配列した導体列を、フラットケーブル被覆材にて両面より被覆してなるフラットケーブルにおいて、両面のフラットケーブル被覆材が、基材フィルムの一方の面に、少なくとも黒色印刷層、熱接着層を順次積層したもので、前記基材フィルムが樹脂の延伸フィルムであり、前記黒色印刷層が、少なくとも非導電性カーボンの含有量が5〜20質量%、バインダ前駆体としての多官能イソシアネートと反応するヒドロキシル基含有化合物の含有量が77〜87質量%、硬化剤としての多官能イソシアネート化合物の含有量が3〜7質量%からなる黒色印刷層組成物を、前記基材フィルムの一方の面に、塗布し、硬化して形成され、かつ、前記黒色印刷層面の表面抵抗値が10 8 〜10 13 Ωであることを特徴とする黒色フラットケーブル。
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