JP2003336027A - 難燃性接着混和物 - Google Patents

難燃性接着混和物

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JP2003336027A
JP2003336027A JP2002146910A JP2002146910A JP2003336027A JP 2003336027 A JP2003336027 A JP 2003336027A JP 2002146910 A JP2002146910 A JP 2002146910A JP 2002146910 A JP2002146910 A JP 2002146910A JP 2003336027 A JP2003336027 A JP 2003336027A
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retardant
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JP2002146910A
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Tomomitsu Senso
智充 千艘
Tomohisa Watanabe
知久 渡邉
Hiroshi Yoshinaga
宏史 吉永
Masaaki Momotome
公明 百留
Kiyoshi Oguchi
清 小口
Takatoshi Yosomiya
隆俊 四十宮
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Fujikura Ltd
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フラットケーブル等に用いられる接着剤におい
て、ノンハロゲン性で良好な難燃性を示し、かつ高い接
着性を発揮し、着色が淡色でフラットケーブルの接着剤
層に用いたときに、フラットケーブルの着色を低く抑え
るようにする。 【解決手段】フラットケーブル等の接着フィルム3をな
す接着剤層2に、ガラス転移温度−70〜90℃、分子
量5000〜25000のポリエステル樹脂100重量
部と、メラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤
30〜150重量部と、赤リン0.5〜10重量部と、
ヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量部を含む接着混和物
Aあるいはガラス転移温度−70〜90℃、分子量50
00〜25000のポリエステル樹脂100重量部と、
メラミンシアヌレートなどの窒素含有有機難燃剤30〜
150重量部と、酸化チタンコーティング赤リン1.5
〜30重量部と、ヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量部
を含む接着混和物Bを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フラットケーブ
ルやフレキシブルプリント基板などに用いられるノンハ
ロゲン系の難燃性接着混和物に関する。
【0002】
【従来の技術】基材フィルム上に接着剤層が形成された
2枚の接着フィルムで、複数の平角状の導体を被覆した
構造のフラットケーブルが知られている。このようなフ
ラットケーブルは、コンピュータ機器やオーディオ機
器、ビディオ機器等の内部の高密度配線等に広く利用さ
れている。
【0003】ところで、このようなフラットケーブルに
あっては、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル樹脂からなるフィルムが多く使
用されている現状から、その接着剤層を構成する接着混
和物にはポリエステル樹脂を主成分とするものが主に使
用されている。
【0004】また、フラットケーブルについては、防災
の観点からその構成材料に良好な難燃性が求められてお
り、その接着剤層にも難燃性が要求されている。このた
め、接着剤層をなす接着混和物として、デカブロモジフ
ェニルエーテルなどのハロゲン系難燃剤を配合したもの
などが検討されている。
【0005】しかしながら、この種のハロゲン系難燃剤
を添加した難燃性接着混和物では、この難燃性接着混和
物を用いたフラットケーブルなどの廃棄焼却処分の際
に、有害なハロゲン含有ガスが発生するため、その使用
を避けざるを得ないと言う欠点がある。
【0006】このため、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウムなどの金属水酸化物などのノンハロゲン系難
燃剤を多量に配合したり、あるいは難燃効果の高い赤リ
ンを添加することが行われている。しかし、金属水酸化
物を大量配合した接着剤では、その接着強度が大幅に低
下するという大きな問題がある。一方、赤リンを添加し
た接着剤では、接着剤が濃赤色に着色し、これをフラッ
トケーブルの接着剤層に使用したときに、現用のフラッ
トケーブルと色相が大きく異なるため、顧客に受け入れ
られない恐れがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、フラットケーブル等に用いられる接着混和物
において、基材フィルムなどに対して接着力が高く、ノ
ンハロゲンで、十分な難燃性を有し、接着剤層としたと
きにその色調が濃赤色になることがないような難燃性接
着混和物を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、請求項1にかかる発明は、ポリエステル樹脂100
重量部と、窒素含有有機難燃剤30〜150重量部と、
赤リン0.5〜10重量部と、ヒドロキシスズ酸亜鉛0
〜25重量部を含む難燃性接着混和物である。請求項2
にかかる発明は、ポリエステル樹脂100重量部と、窒
素含有有機難燃剤30〜150重量部と、酸化チタンコ
ーティング赤リン1.5〜30重量部と、ヒドロキシス
ズ酸亜鉛0〜25重量部を含む難燃性接着混和物であ
る。
【0009】請求項3にかかる発明は、窒素含有有機難
燃剤が表面処理されたものである請求項1または2記載
の難燃性接着混和物である。請求項4にかかる発明は、
さらにシリカを含む請求項1または2記載の難燃性接着
混和物である。請求項5にかかる発明は、基材フィルム
の表面に接着剤層を形成した接着フィルムで導体を挟
み、この接着フィルムを接着してなるフラットケーブル
において、上記接着剤層を、請求項1ないし4のいずれ
かに記載の難燃性接着混和物で構成したフラットケーブ
ルである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づいて、詳しく説明する。図1は、本発明のフラット
ケーブルの一例を示すもので、図中符号1は、基材フィ
ルムを示す。この基材フィルム1は、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートなどの飽和ポリ
エステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラス
チックからなる厚み10〜200μmのフィルムであ
る。これらのプラスチックフィルムの中でもポリエチレ
ンテレフタレートフィルムが、電気的特性、機械的特
性、コストなどの点でこのましい。
【0011】この基材フィルム1の一方の表面には、厚
み15〜100μmの接着剤層2が形成されて接着フィ
ルム3が形成されている。この接着フィルム3は、その
2枚が互いに接着剤層2、2が相対するように重ね合わ
せられ、その間に複数の平角状の導体4、4が挟まれた
状態で貼り合わせられて、この例のフラットケーブルが
構成されている。
【0012】そして、接着フィルム3の接着剤層2は、
ポリエステル樹脂100重量部と、窒素含有有機難燃剤
30〜150重量部と、赤リン0.5〜10重量部と、
ヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量部を必須成分として
含む難燃性接着混和物Aあるいはポリエステル樹脂10
0重量部と、窒素含有有機難燃剤30〜150重量部
と、酸化チタンコーティング赤リン1.5〜30重量部
と、ヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量部を必須成分と
して含む難燃性接着混和物Bのいずれかで構成されてい
る。
【0013】上記ポリエステル樹脂としては、そのガラ
ス転移温度が−70〜90℃であり、かつ分子量が50
00〜50000であるポリエステル樹脂が少なくとも
1種用いられ、これ以外のポリエステル樹脂を適宜含む
ものも使用できる。本発明での分子量は、重量平均分子
量で表記するものとする。
【0014】このポリエステル樹脂の具体的なものとし
ては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニル
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの酸成分と、
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4
−ジシクロヘキサンジメチロール、ジエチレングリコー
ルなどのジアルコールなどのアルコール成分を原料とし
て周知の縮重合方法によって得られた各種の飽和ポリエ
ステル、飽和共重合ポリエステルが用いられる。
【0015】そして、このポリエステル樹脂のガラス転
移温度は、上記酸成分とアルコール成分とをそれぞれ1
種以上適切に組み合わせることにより、これを−70〜
90℃の範囲に調整することができる。また、その分子
量は、酸成分とアルコール成分との縮重合反応時の種々
の重合条件、例えば、重合温度、重合時間、重合圧力、
重合触媒などを適宜調整することにより、これを500
0〜50000の範囲に設定することができる。
【0016】このポリエステル樹脂において、ガラス転
移温度が−70℃未満ではブロッキング性が悪化し、9
0℃を越えると接着性が低下する。また、分子量が50
00未満では混和物が脆くなり、50000を越えると
混和物が硬くなり、可撓性がなくなる。
【0017】本発明の難燃性接着混和物で用いられる難
燃剤としては、窒素含有有機難燃剤が用いられる。上記
窒素含有有機難燃剤は、ノンハロゲンの難燃剤であり、
接着剤層の電気抵抗を低下させないものである。この窒
素含有有機難燃剤の具体例としては、シアヌル酸トリア
ミド、シアヌル酸ジアミド、シアヌル酸モノアミド、メ
ラム、メラミンシアヌレート、メラミン樹脂、ホモグア
ナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどの1
種または2種以上の混合物が挙げられる。これらの中で
も、ポリエステル樹脂に対する分散性、混合性、接着性
等の点から、メラミンシアヌレートが特に好ましい。
【0018】また、この窒素含有有機難燃剤としては、
その粒子が表面処理されているものが、ポリエステル樹
脂に対する分散性が良くなり、難燃性接着混和物の混練
性が良好となって好ましい。この表面処理には、シリ
カ、酸化チタンなどの粒径が1〜100nmの無機微粒
子で窒素含有有機難燃剤粒子表面を被覆するものなどが
ある。この表面処理窒素含有有機難燃剤の表面処理のた
めの無機微粒子の量は、全体の重量比で0.1〜5重量
%とすることが好ましい。
【0019】この窒素含有有機難燃剤の配合量は、難燃
性接着混和物A、Bでは、ポリエステル樹脂100重量
部に対して30〜150重量部とされ、30重量部未満
では難燃性が不足し、150重量部を超えると接着力が
低下し、混練性も低下する。ただし、表面処理されてい
ない窒素含有有機難燃剤では、その配合量を、30〜8
0重量部程度とすることが良好な混練性を得るうえで好
ましい。
【0020】本発明の難燃性接着混和物Aで用いられる
赤リンは、粒径1〜30μmのもので、赤リン含有量が
70重量%以上のものである。赤リン含有量が70重量
%未満では難燃効果が不足する。赤リンの配合量は、ポ
リエステル樹脂100重量部に対して、0.5〜10重
量部とされ、0.5重量部未満では難燃効果が得られ
ず、10重量部を超えると、接着混和物の着色が激しく
なる。
【0021】また、難燃性接着混和物Bで用いられる酸
化チタンコーティング赤リンとは、粒径1〜20μmの
赤リン粒子の表面を厚さ1nm〜10μmの酸化チタン
の薄膜で被覆したもので、粒径1〜25μmの平均粒径
を有するものが使用される。この酸化チタンコーティン
グ赤リン中の赤リンの占める割合は、5〜65重量%と
され、5重量%未満では難燃効果が不足し、65重量%
を超えると着色が激しくなる。
【0022】上記酸化チタンコーティング赤リンは、表
面の酸化チタン薄膜の存在により、光が表面の酸化チタ
ン薄膜を透過あるいは屈折することにより、入射された
光を散乱し、これを樹脂中に分散した際に光の透過性が
発現するものになる。また、燃焼時などの高温下に置か
れた場合に、内部の赤リンが揮発し、コーティング膜を
破壊して、外部に噴出、拡散して赤リン本来の難燃性を
発揮する。
【0023】この酸化チタンコーティング赤リンの配合
量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、1.5
〜30重量部の範囲とされ、1.5重量部未満では難燃
効果が得られず、30重量部を超えると着色が激しくな
る。また、赤リンあるいは酸化チタンコーティング赤リ
ンは、良好な難燃性を付与するため、これを配合するこ
とで上記窒素含有有機難燃剤の配合量を低減でき、窒素
含有有機難燃剤の配合による接着力の低下を抑えること
が出来る。
【0024】本発明において使用されるヒドロキシスズ
酸亜鉛は、接着力向上剤として機能するもので、平均粒
径が10μm以下の粒子が用いられる。このヒドロキシ
スズ酸亜鉛の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部
に対して0〜25重量部とされ、25重量部を超えると
逆に接着力が低下する。このヒドロキシスズ酸亜鉛は必
ずしも配合する必要はない。また、ヒドロキシスズ酸亜
鉛は、同時に難燃性を付与するため、これを配合するこ
とで上記窒素含有有機難燃剤の配合量を低減でき、窒素
含有有機難燃剤の配合による接着力の低下を抑えること
ができる。
【0025】また、本発明の難燃性接着剤A,Bには、
シリカ等を添加することができ、シリカをポリエステル
樹脂100重量部に対して5重量部程度添加すること
で、ブロッキング性が向上し、接着剤が基材に残る糊残
り現象を防止することができる。また、本発明の効果を
損なわない範囲で、さらに種々の添加剤、例えば有機溶
剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤、各種カップ
リング剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤を適宜添加し
ても良い。上記有機溶剤には、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族類な
どが用いられる。
【0026】本発明の難燃性接着混和物Aは、ポリエス
テル樹脂100重量部と、窒素含有有機難燃剤30〜1
50重量部と、赤リン0.5〜10重量部とヒドロキシ
スズ酸亜鉛0〜25重量部と必要に応じて他の添加成分
とを均一に混合することにより製造することができる。
また、難燃性接着混和物Bは、ポリエステル樹脂100
重量部と、窒素含有有機難燃剤30〜150重量部と、
酸化チタンコーティング赤リン1.5〜30重量部とヒ
ドロキシスズ酸亜鉛0〜50重量部と必要に応じて他の
添加成分とを均一に混合することにより製造することが
できる。
【0027】また、本発明の接着混和物の形態として
は、溶液、ペースト、ペレット等の形態とすることがで
き、フラットケーブルの接着剤層を形成するには、溶液
タイプとして、基材フィルムに塗布して使用する他、ペ
レットを押出機から基材フィルム上に押出し、製膜して
使用することができる。
【0028】また、本発明のフラットケーブルは、上述
のようにして形成された接着フィルムを使用し、これに
導体を挟んで、加圧ロール、加圧プレスなどにより加圧
し、この時同時に温度80〜200℃に加熱することで
製造される。一般的には、加熱加圧ロールを使用し、連
続的に接着してゆく方法が作業性等の点で広く使用され
る。
【0029】また、基材フィルム1と接着剤層2との接
着性、耐熱接着性を高め、熱接着加工速度を高めるため
などに、基材フィルム1上に予めプライマーを塗布して
プライマー層を形成しておき、このプライマー層上に上
記難燃接着混和物からなる接着剤層2を形成することが
できる。
【0030】このようなプライマーとして、例えばイソ
シアネート基、ブロックイソシアネート基および/また
はカルボジイミド基を有する多官能性化合物と、ガラス
転移点が20〜120℃のポリエステル系樹脂と、ポリ
ウレタン系樹脂を含む樹脂組成物をエステル系、ケトン
系などの各種有機溶媒に溶解したプライマーが挙げられ
る。
【0031】この樹脂組成物において、ポリエステル系
樹脂とポリウレタン系樹脂との配合割合は、ポリエステ
ル系樹脂/ポリウレタン系樹脂(重量比)=0.7/
0.3〜0.3/0.7の範囲とされる。また、多官能
性化合物の添加量は、樹脂成分の反応基に対して1〜2
0倍当量程度が好ましい。また、プライマーの固形分と
しては2〜60重量%程度とされる。
【0032】プライマーの塗布は、基材フィルム1上に
ロールコート、バーコート、ダイコートなどの周知の塗
布手段により塗布し、乾燥することにより行われる。プ
ライマー層の厚さは、0.05〜10μm程度とされ
る。0.05μm未満ではプライマーの効果が得られ
ず、10μmを越えても過剰であり、難燃性が低下する
恐れもある。プライマーの塗布に先立ち基材フィルム1
に放電処理、火炎処理などを施して親和性を高めること
もできる。
【0033】また、上記多官能性化合物としては、トリ
レンジイソシアネート、4.4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネー
トとそれらのビューレット体、トリメチロールプロパン
等のアダクト体、イソシアネート3量体等のイソシアネ
ート類、さらにはイソシアネートをアルコール、フェノ
ール類、ラクタム、活性メチレン化合物でブロックした
ブロックイソシアネートを使用することができる。
【0034】さらに、上記イソシアネート類から合成し
たポリトルエンカルボジイミド、ポリ−4,4−ジフェ
ニルメタンカルボジイミド、ポリイソホロンカルボジイ
ミド、ポリヘキサンカルボジイミドなどのカルボジイミ
ド系架橋剤及びその誘導体を使用することができる。こ
の多官能性化合物では、分子内に2〜6個のイソシアネ
ート基、ブロックイソシアネート基および/またはカル
ボジイミド基を有するものが好ましい。
【0035】また、上記多官能性化合物は、溶剤に溶解
または分散して使用することが好ましい。このための溶
剤には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメ
チルホルムアミド、n−メチルピロリドン、メチルエチ
ルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サンなどが挙げられる。
【0036】上記ポリエステル系樹脂としては、例えば
テレフタル酸等の芳香族飽和ジカルボン酸と飽和二価ア
ルコールとの重縮合により生成する熱可塑性のポリエス
テル系樹脂を使用することができる。上記芳香族飽和ジ
カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレン
ジカルボン酸やこれらの誘導体を1種または2種以上用
いることができる。
【0037】上記飽和二価アルコールとしては、エチレ
ングリコール、ピロピレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリ
コール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリ
コール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシ
フェニル)プロパン、ナフタレンジオールなどの芳香族
ジオールを用いることができる。また、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸を添
加して、共重縮合して変性してガラス転移点を20〜1
20℃のポリエステル系樹脂としてもよい。
【0038】上記ポリウレタン系樹脂としては、多官能
イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応に
より得られるポリウレタン系樹脂が用いられる。具体的
には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソ
シアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、あるいは
ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネートなどの脂肪族ポリイソシアネート等の多官能イ
ソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオール、ポリアクリレートポリオールなどのヒド
ロキシル基含有化合物との反応により得られる一液また
は二液硬化型のポリウレタン系樹脂が使用される。
【0039】このような難燃性接着混和物Aにあって
は、ポリエステル樹脂100重量部と、窒素含有有機難
燃剤30〜150重量部と、赤リン0.5〜10重量部
とヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量部を配合したもの
であるので、十分な難燃性が得られ、これを焼却処分し
た際に有害なハロゲン含有化合物を生成することがな
い。
【0040】また、赤リンの添加量を0.5〜10重量
部としているので、これを厚さ100μm以下の接着剤
層とした場合には、全光線透過率が40%以上の光線透
過性を示し、着色度合いが低いものとなる。さらに、こ
の赤リンは、同時に難燃効果を有するため、窒素含有有
機難燃剤の配合量を低減することができ、接着力の低下
を抑えることができる。
【0041】さらにヒドロキシスズ酸亜鉛を0〜25重
量部配合しているので、接着力の増大がなされ、窒素含
有有機難燃剤の配合による接着力の低下を補うものとな
る。このヒドロキシスズ酸亜鉛は同時に難燃効果を付与
するので、難燃性が高められ、結果的に窒素含有有機難
燃剤の配合量を減量でき、これによっても接着力の低下
が抑えられる。
【0042】また、難燃性接着混和物Bでは、ポリエス
テル樹脂100重量部と、窒素含有有機難燃剤30〜1
50重量部と、酸化チタンコーティング赤リン1.5〜
30重量部とヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量部を配
合したものであるので、十分な難燃性が得られ、これを
焼却処分した際に有害なハロゲン含有化合物を生成する
ことがない。また、酸化チタンコーティング赤リンの添
加量を1.5〜30重量部としているので、これを厚さ
100μm以下の接着剤層とした場合には、その着色濃
度が低いものとなる。
【0043】さらに、ヒドロキシスズ酸亜鉛を0〜25
重量部配合しているので、接着力の増大がなされ、窒素
含有有機難燃剤の配合による接着力の低下を補うものと
なる。このヒドロキシスズ酸亜鉛は同時に難燃効果を付
与するので、難燃性が高められ、結果的に窒素含有有機
難燃剤の配合量を減量でき、これによっても接着力の低
下が抑えられる。
【0044】また、本発明のフラットケーブルにあって
は、良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものと
なり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生
することもない。このため、このフラットケーブルは、
高い接着性と良好な難燃性を要求されるコンピュータ機
器等の配線等に使用できる。
【0045】以下、具体例を示す。表1ないし表5に示
した配合組成(重量部)の接着混和物を、メチルエチル
ケトン1容量部とトルエン4容量部からなる混合溶媒に
溶解し、樹脂分30wt%の溶液型接着剤を製造した。
この溶剤型接着剤を厚み25μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上にバーコーターにて塗布し、乾燥し
厚み35μmの接着層を形成して、接着フィルムを作成
した。
【0046】このようにして得られた接着フィルムにつ
いて、接着力、難燃性、色相を測定した。また、接着混
和物の混練性は、混和物を1時間混練し、凝集成分があ
るかないかにより評価した。接着力は、2枚の接着フィ
ルムを貼り合わせ速度0.5m/分、温度160℃、圧
力1.0MPaで、貼り合わせ、このもののT字剥離力
を測定し、その強度が0.5kg/cm以上を◎とし、
0.5kgf/cmを○とし、0.5kgf/cm未満
を×とした。
【0047】難燃性は、UL−94 VTM−0に合格
したものを○とし、不合格のものを×とした。色相は、
接着フィルムの色相が白色もしくは着色の少ないものを
○とし、着色の激しいもの×とした。混練性は、凝集成
分のないものを○とし、そうでないものを×とした。
【0048】表1ないし表5において、「ポリエステル
樹脂A」は、ガラス転移点5℃、分子量25000のポ
リエステル樹脂を、「ポリエステル樹脂B」は、ガラス
転移点−10℃、分子量25000のポリエステル樹脂
を、「ポリエステル樹脂C」は、ガラス転移点80℃、
分子量15000のポリエステル樹脂を示す。
【0049】「メラミンシアヌレート」は、粒径2μm
のものを、「シリカ変性メラミンシアヌレート」は、シ
リカ微粒子で表面被覆した粒径4μmのものを、「赤リ
ン」は、赤リン含有量90wt%、粒径5μmのもの
を、「酸化チタンコーティング赤リン」は、赤リン含有
率が30wt%、粒径7μmのものを、「ヒドロキシス
ズ酸亜鉛」は、粒径5μmのものを、「シリカ」は粒径
2μmのものを示す。結果を表1ないし4に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】これらの表の結果から、窒素含有有機難燃
剤の配合量が、150重量部を超えると接着強度が低下
し、30重量部未満では難燃性が低くなる。表面処理窒
素含有有機難燃剤を使用することで、混練性が良好とな
る。赤リンが0.5重量部未満あるいは酸化チタンコー
ティング赤リンが1.5重量部未満では難燃性が低い。
また、赤リンが10重量部を超えると、あるいは酸化チ
タンコーティング赤リンが30重量部を超えると、着色
が激しくなる。さらに、ヒドロキシスズ酸亜鉛の配合量
が25重量部を超えると接着性が低下することがわか
る。
【0056】また、ポリエステル樹脂100重量部と、
窒素含有有機難燃剤30〜150重量部と、赤リン0.
5〜10重量部と、ヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量
部を含む難燃性接着混和物Aあるいはポリエステル樹脂
100重量部と、窒素含有有機難燃剤30〜150重量
部と、酸化チタンコーティング赤リン1.5〜30重量
部と、ヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量部を含む難燃
性接着混和物Bは、良好な接着力を発揮し、難燃性にも
優れ、着色度合いが低いものとなる。さらに、表面処理
窒素含有有機難燃剤を用いれば、混練性が良好となるこ
とがわかる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の難燃性接
着混和物にあっては、良好な接着力を発揮し、高い難燃
性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲ
ン含有ガスが発生することもない。また、接着剤の着色
を淡くうすい色にすることができ、顧客に違和感を与え
ることがない。
【0058】また、本発明のフラットケーブルにあって
は、このため良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有す
るものとなる。また、ノンハロゲンであるので焼却処分
をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもな
い。また、その接着剤層は、着色がうすく、外観が優れ
たものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフラットケーブルの一例を示す
概略断面図である。
【符号の説明】
2…接着剤層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 知久 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 吉永 宏史 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 百留 公明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 小口 清 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 四十宮 隆俊 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4J040 EB132 ED041 ED051 HA056 HA136 HA306 HC16 HC18 HC25 JA09 KA07 KA36 LA01 LA02 LA08 NA19 NA20 5G311 CD01 CF06 5G315 CA03 CB01 CC05 CC08 CD08 CD13 CD17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル樹脂100重量部と、窒素含
    有有機難燃剤30〜150重量部と、赤リン0.5〜1
    0重量部と、ヒドロキシスズ酸亜鉛0〜25重量部を含
    む難燃性接着混和物。
  2. 【請求項2】ポリエステル樹脂100重量部と、窒素含
    有有機難燃剤30〜150重量部と、酸化チタンコーテ
    ィング赤リン1.5〜30重量部と、ヒドロキシスズ酸
    亜鉛0〜25重量部を含む難燃性接着混和物。
  3. 【請求項3】窒素含有有機難燃剤が表面処理されたもの
    である請求項1または2記載の難燃性接着混和物。
  4. 【請求項4】さらにシリカを含む請求項1または2記載
    の難燃性接着混和物。
  5. 【請求項5】基材フィルムの表面に接着剤層を形成した
    接着フィルムで導体を挟み、この接着フィルムを接着し
    てなるフラットケーブルにおいて、上記接着剤層を、請
    求項1ないし4のいずれかに記載の難燃性接着混和物で
    構成したことを特徴とするフラットケーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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