JP2004359836A - 難燃性接着混和物 - Google Patents

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浩一 飯沼
Tomomitsu Senso
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淳 鈴木
Hiroshi Yamamoto
浩 山本
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秀機 今村
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Abstract

【課題】フラットケーブル等の接着剤層に用いられる接着剤混和物において、ノンハロゲン性で良好な難燃性を示し、かつ高い接着性、電気特性を発揮するようにする。
【解決手段】フラットケーブル等の接着フィルム3をなす接着剤層2として、共重合ポリエステル樹脂100重量部と、水酸化マグネシウムなどのノンハロゲン系難燃剤100〜250重量部を含む難燃性接着混和物を使用し、この共重合ポリエステル樹脂として、芳香族カルボン酸20〜40モル%と、脂肪族カルボン酸10〜30モル%を含む酸成分と、エチレングリコールおよび/またはネオペンチルグリコールを含み、これらグリコールの合計量が20〜50モル%であるグリコール成分とからなる(ただし、モル%は共重合ポリエステル樹脂を100モル%とするものである)ものを使用する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フラットケーブルやフレキシブルプリント基板などに用いられるノンハロゲン系の難燃性接着混和物に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材フィルム上に接着剤層が形成された2枚の接着フィルムで、複数の平角状の導体を被覆した構造のフラットケーブルが知られている。このようなフラットケーブルは、コンピュータ機器やオーディオ機器、ビディオ機器等の内部の高密度配線等に広く利用されている。
【0003】
ところで、このようなフラットケーブルにあっては、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂からなるフィルムが多く使用されている現状から、その接着剤層を構成する接着混和物には共重合ポリエステル樹脂を主成分とするものが主に使用されている。
【0004】
また、フラットケーブルについては、防災の観点からその構成材料に良好な難燃性が求められており、その接着剤層にもUL規格のVW−1の難燃性が要求されている。このため、接着剤層をなす接着混和物として、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン系難燃剤を配合したものなどが検討されている。
【0005】
しかしながら、この種のハロゲン系難燃剤を添加した難燃性接着混和物では、この難燃性接着混和物を用いたフラットケーブルなどの廃棄焼却処分の際に、有害なハロゲン含有ガスが発生するため、その使用を避けざるを得ないと言う欠点がある。
【0006】
このため、共重合ポリエステル樹脂をベースポリマーとし、これに水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物などのノンハロゲン系難燃剤を多量に配合し、これを有機溶剤に溶解した溶剤可溶型の接着剤を用いることが行われている。
しかし、このような金属水酸化物を多量配合した接着剤では、その接着強度が大幅に低下し、さらには屈曲特性、耐湿熱性、電気特性、耐加水分解性なども低下するという大きな問題がある。
【0007】
このようなフラットケーブルの接着剤層を構成する難燃性接着混和物に関しては、例えば以下の特許文献1ないし3が知られている。これらの文献に記載のものは、ポリエステル樹脂を主成分とし、これに各種難燃剤を配合したものである。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−329238号公報
【特許文献2】
特開2001−222920号公報
【特許文献3】
特開2000−80342号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、フラットケーブル等に用いられる接着混和物において、基材フィルムや導体などに対して接着力が高く、屈曲特性、耐湿熱性、電気特性、耐加水分解性などに優れ、ノンハロゲンで、十分な難燃性を有する難燃性接着混和物を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、共重合ポリエステル樹脂100重量部と、ノンハロゲン系難燃剤100〜250重量部を含み、
共重合ポリエステル樹脂が、
芳香族カルボン酸20〜40モル%と、脂肪族カルボン酸10〜30モル%を含む酸成分と、
エチレングリコールおよび/またはネオペンチルグリコールを含み、これらグリコールの合計量が20〜50モル%であるグリコール成分とからなる(ただし、モル%は共重合ポリエステル樹脂を100モル%とするものである)ことを特徴とする難燃性接着混和物である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、芳香族カルボン酸が、テレフタル酸またはイソフタル酸を含むものであることを特徴とする請求項1記載の難燃性接着混和物である。
請求項3にかかる発明は、脂肪族カルボン酸が、アジピン酸またはセバシン酸のいずれか一方もしくは両方を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性接着混和物である。
【0012】
請求項4にかかる発明は、ノンハロゲン系難燃剤が、金属水酸化物40〜150重量部、メラミンシアヌレート5〜100重量部、亜鉛系難燃剤またはホウ素化合物0〜15重量部を含むものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃性接着混和物である。
【0013】
請求項5にかかる発明は、基材フィルムの表面に接着剤層を形成した接着フィルムで導体を挟み、この接着フィルムを接着してなるフラットケーブルにおいて、上記接着剤層を、請求項1ないし4のいずれかに記載の難燃性接着混和物で構成したことを特徴とするフラットケーブルである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて、詳しく説明する。
図1は、本発明のフラットケーブルの一例を示すもので、図中符号1は、基材フィルムを示す。
【0015】
この基材フィルム1は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックからなる厚み10〜200μmのフィルムである。これらのプラスチックフィルムの中でもポリエチレンテレフタレートフィルムが、電気的特性、機械的特性、コストなどの点でこのましい。
【0016】
この基材フィルム1の一方の表面には、厚み15〜100μmの接着剤層2が形成されて接着フィルム3となっている。
この接着フィルム3は、その2枚が互いに接着剤層2、2が相対するように重ね合わせられ、その間に複数の平角状の導体4、4が挟まれた状態で貼り合わせられて、この例のフラットケーブルが構成されている。
【0017】
そして、接着フィルム3の接着剤層2は、共重合ポリエステル樹脂100重量部と、ノンハロゲン系難燃剤100〜250重量部を必須成分として含む難燃性接着混和物で構成されている。
【0018】
上記共重合ポリエステル樹脂としては、飽和の共重合ポリエステル樹脂であって、芳香族カルボン酸20〜40モル%と、脂肪族カルボン酸10〜30モル%を含む酸成分と、エチレングリコールおよび/またはネオペンチルグリコールを含み、これらグリコールの合計量が20〜50モル%であるグリコール成分とからなる(ただし、モル%は共重合ポリエステル樹脂を100モル%とするものである)ものである。
【0019】
上記酸成分をなす芳香族カルボン酸としては、テレフタル酸またはテレフタル酸とイソフタル酸との混合物が用いられ、テレフタル酸は必ず用いられる。また、脂肪族カルボン酸としては、アジピン酸またはセバシン酸のいずれか一方もしくは両方が用いられ、アジピン酸を用いると電気特性が高いものとなる。
【0020】
この芳香族カルボン酸は、共重合ポリエステル樹脂を100モル%としたときに、20〜40モル%を占めるものとされ、20モル%未満では電気特性が低下し、40モル%を越えると接着性が低下する。
また、脂肪族カルボン酸は、共重合ポリエステル樹脂を100モル%としたときに10〜30モル%を占めるものとされ、10モル%未満では接着性が低下し、30モル%を越えると電気特性が低下する。
酸成分としては、これ以外の二塩基酸をさらに混合して使用することもできる。特に、上記に挙げた芳香族カルボン酸20〜40モル%、脂肪族カルボン酸10〜30モル%を用いて、特定の成分とすることが電気特性、接着性の点で好ましい。
【0021】
また、グリコール成分としては、少なくともエチレングリコールまたはネオペンチルグリコールもしくはこれら両方を含むものが用いられ、このグリコールの合計量が共重合ポリエステル樹脂を100モル%としたときに20〜50モル%を占めるものとされる。このグリコール量が20モル%未満では接着性が低下し、50モル%を越えるものは実質的に存在しない。
グリコール成分としては、これ以外のグリコールを混合して使用することができる。
【0022】
本発明では、この共重合ポリエステル樹脂以外の共重合ポリエステル樹脂を少量、例えば、10重量部を上限として含むものであってもよい。
このような共重合ポリエステル樹脂は、周知の縮重合方法によって製造することができる。
【0023】
また、上記共重合ポリエステル樹脂では、その数平均分子量が5000〜1000000、好ましくは10000〜50000であることが望ましい。この範囲にすることで、接着強度が優れ、難燃剤を多量に配合して組成物の粘度が高くなっても十分な成膜性を示す。数平均分子量が5000未満では接着性が劣り、100000を越えると成膜性が低下する。
【0024】
さらに、共重合ポリエステル樹脂の水酸基価が3〜10mgKOH/gであることが、接着性が高くなって、好ましい。また、その酸価が0.5〜5mgKOH/gであることが、やはり接着性の向上に寄与する。さらに、軟化点(環球法)が120〜160℃であるものが好ましく、これにより接着剤層2の耐熱性が良好となり、電子機器、自動車配線材料として有用になる。軟化点が120℃未満では耐熱性が不足し、160℃を越えると、接着温度が高温となり、基材フィルムに悪影響を与えるようになる。
【0025】
本発明の難燃性接着混和物で用いられる難燃剤としては、ノンハロゲン系の難燃剤が用いられる。
このノンハロゲン系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、メラミン、メラミンシアヌレート、メラムなどの窒素含有有機難燃剤、スズ酸亜鉛、ヒドロキシ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛などの亜鉛系難燃剤、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛などのホウ素化合物、赤リン、リン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0026】
これら各種のノンハロゲン系難燃剤には、ポリエステル樹脂に対する親和性を高め、混和物の機械的特性および接着性の低下を抑える目的で、表面処理を施したものを使用することが好ましい。この表面処理には、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸による表面処理、ビニルシラン、エポキシラン、アクリルシラン、アミノシランなどのシランカップリング剤による表面処理、有機チタネートによる表面処理などがある。また、メラミンシアヌレートにはポリビニルアルコールによる表面処理が行われる。さらに、赤リンでは、それによる着色を軽減するために酸化チタンで表面処理を行ってもよい。
【0027】
この難燃剤の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して全量で100〜250重量部とされ、混和物に要求される難燃性、接着性、機械的特性などに応じてこの範囲内で決められる。また、配合量が100重量部未満では混和物の難燃性が不足し、250重量部を越えると混和物の接着性の低下が顕著となって不都合となる。
【0028】
また、このノンハロゲン系難燃剤の配合量の内訳は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物が40〜150重量部を占め、メラミンシアヌレートが5〜150重量部を占め、亜鉛系難燃剤またはホウ素化合物が0〜15重量部を占めるように調整される。また、これ以外のシリカ、タルクなどの難燃剤は、要求される難燃性等の特性に応じて、適宜その配合量が上記合計量の範囲で決められる。
【0029】
また、本発明の難燃性接着混和物には、シリカ等を添加することができ、シリカをポリエステル樹脂100重量部に対して5重量部程度添加することで、ブロッキング性が向上し、接着剤が基材に残る糊残り現象を防止することができる。
【0030】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに種々の添加剤、例えば酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤、各種カップリング剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤を適宜添加しても良い。
【0031】
本発明の難燃性接着混和物は、上記共重合ポリエステル樹脂100重量部と、ノンハロゲン系難燃剤100〜250重量部と、必要に応じて他の添加成分とを均一に混合することにより製造することができる。また、この混和物の接着強度は、剥離強度で0.5kgf/cm以上であることが好ましい。
【0032】
また、本発明の接着混和物の形態としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族類などの有機溶剤に溶解した溶液の形態とすることが好ましい。また、フラットケーブルの接着剤層を形成するには、この溶液を基材フィルムに塗布し、乾燥することで行われる。
【0033】
あるいは、この接着混和物を混練りしてコンパウンドとし、このコンパウンドを押出機のTーダイから基材フィルム上にフィルム状に溶融押出して、接着層とすることもできる。
【0034】
また、本発明のフラットケーブルは、上述のようにして形成された接着フィルムを使用し、これに導体を挟んで、加圧ロール、加圧プレスなどにより加圧し、この時同時に温度80〜200℃に加熱することで製造される。一般的には、加熱加圧ロールを使用し、連続的に接着してゆく方法が作業性等の点で広く使用される。
【0035】
また、基材フィルム1と接着剤層2との接着性、耐熱接着性を高め、熱接着加工速度を高めるためなどに、基材フィルム1上に予めプライマーを塗布してプライマー層を形成しておき、このプライマー層上に上記難燃接着混和物からなる接着剤層2を形成することができる。
【0036】
このようなプライマーとして、例えばイソシアネート基、ブロックイソシアネート基および/またはカルボジイミド基を有する多官能性化合物と、ガラス転移点が20〜120℃のポリエステル系樹脂と、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物をエステル系、ケトン系などの各種有機溶媒に溶解したプライマーが挙げられる。
【0037】
この樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂との配合割合は、ポリエステル系樹脂/ポリウレタン系樹脂(重量比)=0.7/0.3〜0.3/0.7の範囲とされる。また、多官能性化合物の添加量は、樹脂成分の反応基に対して1〜20倍当量程度が好ましい。また、プライマーの固形分としては2〜60重量%程度とされる。
【0038】
プライマーの塗布は、基材フィルム1上にロールコート、バーコート、ダイコートなどの周知の塗布手段により塗布し、乾燥することにより行われる。プライマー層の厚さは、0.05〜10μm程度とされる。0.05μm未満ではプライマーの効果が得られず、10μmを越えても過剰であり、難燃性が低下する恐れもある。プライマーの塗布に先立ち基材フィルム1に放電処理、火炎処理などを施して親和性を高めることもできる。
【0039】
また、上記多官能性化合物としては、トリレンジイソシアネート、4.4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートとそれらのビューレット体、トリメチロールプロパン等のアダクト体、イソシアネート3量体等のイソシアネート類、さらにはイソシアネートをアルコール、フェノール類、ラクタム、活性メチレン化合物でブロックしたブロックイソシアネートを使用することができる。
【0040】
さらに、上記イソシアネート類から合成したポリトルエンカルボジイミド、ポリ−4,4−ジフェニルメタンカルボジイミド、ポリイソホロンカルボジイミド、ポリヘキサンカルボジイミドなどのカルボジイミド系架橋剤及びその誘導体を使用することができる。
この多官能性化合物では、分子内に2〜6個のイソシアネート基、ブロックイソシアネート基および/またはカルボジイミド基を有するものが好ましい。
【0041】
また、上記多官能性化合物は、溶剤に溶解または分散して使用することが好ましい。このための溶剤には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0042】
上記ポリエステル系樹脂としては、例えばテレフタル酸等の芳香族飽和ジカルボン酸と飽和二価アルコールとの重縮合により生成する熱可塑性のポリエステル系樹脂を使用することができる。上記芳香族飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸やこれらの誘導体を1種または2種以上用いることができる。
【0043】
上記飽和二価アルコールとしては、エチレングリコール、ピロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオールなどの芳香族ジオールを用いることができる。
また、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸を添加して、共重縮合して変性してガラス転移点を20〜120℃のポリエステル系樹脂としてもよい。
【0044】
上記ポリウレタン系樹脂としては、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂が用いられる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、あるいはヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオールなどのヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液または二液硬化型のポリウレタン系樹脂が使用される。
【0045】
このような難燃性接着混和物にあっては、共重合ポリエステル樹脂として特定の酸成分と特定のグリコール成分との共重合体を用いているため、多量のノンハロゲン系難燃剤を配合しても、金属、樹脂等に対する接着性が極めて高いものとなる。また、高湿度の環境下に長時間置かれても、電気絶縁性が低下したり、樹脂の加水分解が進行したりすることがない。さらに、誘電特性も高いものとなる。また、これを焼却処分した際に有害なハロゲン含有化合物を生成することがない。
【0046】
また、本発明のフラットケーブルにあっては、良好な接着力を発揮し、優れた屈曲特性、電気特性を具備し、高い難燃性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
このため、このフラットケーブルは、高い接着性と良好な難燃性、電気的特性を要求されるコンピュータ機器等の配線等に使用できる。
【0047】
以下、具体例を示す。
表1および表2に示した配合組成(重量部)の接着混和物を、メチルエチルケトン1容量部とトルエン4容量部からなる混合溶媒に溶解し、樹脂分30wt%の溶液型接着剤を製造した。
この溶剤型接着剤を厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターにて塗布し、乾燥し厚み35μmの接着層を形成して、接着フィルムを作成した。
【0048】
このようにして得られた接着フィルムについて、接着力、難燃性、屈曲性、電気特性、耐加水分解性を測定した
接着力は、2枚の接着フィルムを温度170℃、圧力5.0MPaで、貼り合わせ、このもののT字剥離力を測定し、5N/10mm以上のものを○とし、3N/mm以上、5N/10mm未満のものを△とし、3N/10mm未満のものを×とした。
【0049】
難燃性は、上記接着フィルム2枚の間に、幅0.8mm、厚さ100μmのスズメッキ軟銅箔の平角導体を15本並べて、重ね合わせたフラットケーブルについて、UL規格のVW−1の垂直燃焼試験を実施し、合格したものを○とし、不合格を×とした。
【0050】
屈曲性は、IPC法に準拠して行い、ストローク50mm、スピード60回/分(1往復で1回)として、R=0.2mmのとき、断線によって抵抗値の上昇を起こした屈曲回数で判定し、その屈曲回数が5000回以上のものを○とし、これ未満のものを×とした。
また、電気特性は、長さ1m、導体間間隔0.8mmのフラットケーブルを40℃、95%RHの雰囲気に500時間放置したものについて、その導体間絶縁抵抗を測定し、その値が10Ω以上のものを○とし、これ未満のものを×とした。
耐加水分解性は、上記接着フィルムを90℃の温水に100時間浸漬したときの共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量の保持率が85%以上の場合を○とし、それ以下の場合のを×とした。
【0051】
表1ないし表2において、
「ポリエステル樹脂1」は、テレフタル酸15モル%、イソフタル酸15モル%、アジピン酸20モル%、エチレングリコール25モル%、ネオペンチルグリコール25モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
「ポリエステル樹脂2」は、テレフタル酸10モル%、イソフタル酸18モル%、セバシン酸22モル%、エチレングリコール30モル%、1,4−ブタンジオール20モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
【0052】
「ポリエステル樹脂3」は、テレフタル酸15モル%、イソフタル酸10モル%、セバシン酸25モル%、エチレングリコール40モル%、ネオペンチルグリコール10モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
「ポリエステル樹脂4」は、テレフタル酸20モル%、イソフタル酸20モル%、アジピン酸5モル%、エチレングリコール30モル%、ネオペンチルグリコール20モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
【0053】
「ポリエステル樹脂5」は、テレフタル酸10モル%、イソフタル酸18モル%、セバシン酸22モル%、エチレングリコール30モル%、1,2プロピオングリコール20モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
「ポリエステル樹脂6」は、テレフタル酸10モル%、イソフタル酸18モル%、セバシン酸22モル%、ネオペンチルグリコール25モル%、1,4−ブタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
【0054】
「ポリエステル樹脂7」は、テレフタル酸10モル%、イソフタル酸18モル%、セバシン酸22モル%、ネオペンチルグリコール25モル%、テトラエチレングリコール25モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
「ポリエステル樹脂8」は、テレフタル酸15モル%、イソフタル酸15モル%、セバシン酸20モル%、エチレングリコール25モル%、ネオペンチルグリコール25モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
【0055】
「ポリエステル樹脂9」は、オルトフタル酸15モル%、イソフタル酸15モル%、アジピン酸20モル%、エチレングリコール25モル%、ネオペンチルグリコール25モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
「ポリエステル樹脂10」は、テレフタル酸10モル%、イソフタル酸18モル%、セバシン酸22モル%、1,6−ヘキサンジオール25モル%、1,5ペンタンジオール25モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
「ポリエステル樹脂11」は、テレフタル酸8モル%、イソフタル酸10モル%、セバシン酸32モル%、エチレングリコール25モル%、ネオペンチルグリコール25モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
【0056】
「ポリエステル樹脂12」は、テレフタル酸22モル%、イソフタル酸20モル%、アジピン酸8モル%、エチレングリコール25モル%、ネオペンチルグリコール25モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
「ポリエステル樹脂13」は、テレフタル酸10モル%、イソフタル酸18モル%、セバシン酸22モル%、1,4−ブタンジオール40モル%、1,2プロピオングリコール10モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
「ポリエステル樹脂14」は、テレフタル酸10モル%、イソフタル酸18モル%、セバシン酸22モル%、エチレングリコール18モル%、1,2プロピオングリコール32モル%からなる共重合ポリエステル樹脂を示す。
【0057】
「水酸化マグネシウム」は、平均粒径0.8μm、ステアリン酸処理のものを示す。
「メラミンシアヌレート」は、平均粒径2μm、ポリビニルアルコールにより表面処理されたものを示す。
「EG」は、エチレングリコールを、「NPG」は、ネオペンチルグリコールを示す。
結果を表1および表2に示す。
【0058】
【表1】
Figure 2004359836
【0059】
【表2】
Figure 2004359836
【0060】
これらの表の結果から、エチレングリコールとネオペンチルグリコールとの合計量が20モル%未満では接着性が低下する。芳香族カルボン酸量が40モル%を越えると電気特性が劣る。芳香族カルボン酸が20モル%未満では接着性と屈曲性が劣る。脂肪族カルボン酸が30モル%を越えると電気特性が劣り、10モル%未満では接着性が劣る。特定の芳香族カルボン酸または脂肪族カルボン酸を用いない場合には電気特性が劣る。ノンハロゲン系難燃剤の配合量が合計で100重量部未満では難燃性が低下することがわかる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の難燃性接着混和物にあっては、良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有し、良好な電気特性、耐加水分解性、耐湿熱性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
【0062】
また、本発明のフラットケーブルにあっては、このため良好な接着力を発揮し、屈曲特性、電気特性も優れ、高い難燃性を有するものとなる。また、ノンハロゲンであるので焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフラットケーブルの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2…接着剤層。

Claims (5)

  1. 共重合ポリエステル樹脂100重量部と、ノンハロゲン系難燃剤100〜250重量部を含み、
    共重合ポリエステル樹脂が、
    芳香族カルボン酸20〜40モル%と、脂肪族カルボン酸10〜30モル%を含む酸成分と、
    エチレングリコールおよび/またはネオペンチルグリコールを含み、これらグリコールの合計量が20〜50モル%であるグリコール成分とからなる(ただし、モル%は共重合ポリエステル樹脂を100モル%とするものである)ことを特徴とする難燃性接着混和物。
  2. 芳香族カルボン酸が、テレフタル酸またはイソフタル酸を含むものであることを特徴とする請求項1記載の難燃性接着混和物。
  3. 脂肪族カルボン酸が、アジピン酸またはセバシン酸のいずれか一方もしくは両方含むものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性接着混和物。
  4. ノンハロゲン系難燃剤が、金属水酸化物40〜150重量部、メラミンシアヌレート5〜100重量部、亜鉛系難燃剤またはホウ素化合物0〜15重量部を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性接着混和物。
  5. 基材フィルムの表面に接着剤層を形成した接着フィルムで導体を挟み、この接着フィルムを接着してなるフラットケーブルにおいて、上記接着剤層を、請求項1ないし4のいずれかに記載の難燃性接着混和物で構成したことを特徴とするフラットケーブル。
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