JP2004189897A - 難燃接着混和物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フラットケーブル等の接着フィルム3をなす接着剤層2に、ガラス転移温度−70〜90℃、分子量5000〜50000のポリエステル樹脂を少なくとも含むポリエステル樹脂100重量部と、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物80〜250重量部と、粒径10μm以下の炭酸カルシウム5〜50重量部と、ヒドロキシスズ酸亜鉛などのスズ化合物5〜50重量部を含む難燃接着混和物を使用する。金属水酸化物および炭酸カルシウムには、チタネートカップリング剤、シランカップリング剤、高級脂肪酸などで表面処理したものが好ましい。基材フィルム1上にプライマー層を形成しておくことも好ましい。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フラットケーブルやフレキシブルプリント基板などに用いられるノンハロゲン系の難燃接着混和物に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材フィルム上に接着剤層が形成された2枚の接着フィルムで、複数の平角状の導体を被覆した構造のフラットケーブルが知られている。このようなフラットケーブルは、コンピュータ機器やオーディオ機器、ビディオ機器等の内部の高密度配線等に広く利用されている。
【0003】
ところで、このようなフラットケーブルにあっては、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂からなるフィルムが多く使用されている現状から、その接着剤層を構成する接着剤にはポリエステル樹脂を主成分とするものが主に使用されている。
また、フラットケーブルについては、防災の観点からその構成材料に良好な難燃性が求められており、その接着剤層にも難燃性が要求されている。このため、接着剤層をなす接着剤として、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン系難燃剤を配合したものなどが検討されている。
【0004】
しかしながら、この種のハロゲン系難燃剤を添加した接着剤では、この接着剤を用いたフラットケーブルなどの廃棄焼却処分の際に、有害なハロゲン含有ガスが発生するため、その使用を避けざるを得ないと言う欠点がある。
このようなフラットケーブルの接着剤層を構成する難燃接着混和物に関する先行技術文献としては、例えば以下のようなものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−329238号公報
【特許文献2】
特開2001−222920公報
【特許文献3】
特開2000−80342号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、フラットケーブルの接着剤層等に用いられる接着混和物において、基材フィルムなどに対して接着力が高く、ノンハロゲンで、十分な難燃性を有する難燃接着混和物を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、ポリエステル樹脂100重量部と、金属水酸化物80〜250重量部と、炭酸カルシウム5〜50重量部と、スズ化合物5〜50重量部を含む難燃接着混和物である。
【0008】
請求項2にかかる発明は、ポリエステル樹脂が、ガラス転移温度−70〜90℃で、分子量5000〜50000であるポリエステル樹脂を少なくとも含むものである請求項1記載の難燃接着混和物である。
請求項3にかかる発明は、さらにシリカを含む請求項1または2記載の難燃接着混和物である。
【0009】
請求項4にかかる発明は、基材フィルムの表面に接着剤層を形成した接着フィルムで導体を挟み、この接着フィルムを接着してなるフラットケーブルにおいて、上記接着剤層を、請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃接着混和物で構成したフラットケーブルである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて、詳しく説明する。
図1は、本発明のフラットケーブルの一例を示すもので、図中符号1は、基材フィルムを示す。
この基材フィルム1は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックからなる厚み10〜200μmのフィルムである。これらのプラスチックフィルムの中でもポリエチレンテレフタレートフィルムが、電気的特性、機械的特性、コストなどの点でこのましい。
【0011】
この基材フィルム1の一方の表面には、厚み15〜100μmの接着剤層2が形成されて接着フィルム3が形成されている。
この接着フィルム3は、その2枚が互いに接着剤層2、2が相対するように重ね合わせられ、その間に複数の平角状の導体4、4が挟まれた状態で貼り合わせられて、この例のフラットケーブルが構成されている。
【0012】
そして、接着フィルム3の接着剤層2は、ポリエステル樹脂100重量部と、金属水酸化物40〜200重量部と、炭酸カルシウム5〜50重量部と、スズ化合物5〜50重量部を必須成分として含む難燃接着混和物で構成されている。
【0013】
上記ポリエステル樹脂としては、例えばそのガラス転移温度が−70〜90℃であり、かつ分子量が5000〜50000であるポリエステル樹脂が少なくとも1種含まれるものが用いられ、ガラス転移温度および分子量がこれ以外のポリエステル樹脂が混合されていてもよい。本発明での分子量は、重量平均分子量で表記するものとする。このガラス転移温度が−70〜90℃であり、かつ分子量が5000〜50000であるポリエステル樹脂がポリエステル樹脂全体に占める割合は、80wt%以上とされ、80wt%未満では接着性能が低下する。
【0014】
このポリエステル樹脂の具体的なものとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの酸成分と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ジシクロヘキサンジメチロール、ジエチレングリコールなどのジアルコールなどのアルコール成分を原料として周知の縮重合方法によって得られた各種の飽和ポリエステル、飽和共重合ポリエステルが用いられる。
【0015】
そして、このポリエステル樹脂のガラス転移温度は、上記酸成分とアルコール成分とをそれぞれ1種以上適切に組み合わせることにより、これを−70〜90℃の範囲に調整することができる。
また、その分子量は、酸成分とアルコール成分との縮重合反応時の種々の重合条件、例えば、重合温度、重合時間、重合圧力、重合触媒などを適宜調整することにより、これを5000〜50000の範囲に設定することができる。
【0016】
このポリエステル樹脂において、ガラス転移温度が−70℃未満ではブロッキング性が悪化し、90℃を越えると接着性が低下する。また、分子量が5000未満では混和物が脆くなり、50000を越えると混和物が硬くなり、可撓性がなくなる。
【0017】
本発明で用いられるノンハロゲン系難燃剤としては、金属水酸化物が用いられる。このような金属水酸化物の具体的なものとしては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が用いられる。この金属水酸化物の内で、難燃効果が高い水酸化マグネシウムを使用することが好ましい。
【0018】
また、この金属水酸化物としては、イソプロピルイソステアリルチタネートなどのチタネートカップリング剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸などで表面処理を施したものを用いることが、ポリエステル樹脂に対する分散性、相溶性が高められて好ましい。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシランなどを用いて表面処理を施した金属水酸化物はかかる効果が高く、好ましい。
【0019】
この金属水酸化物の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して80〜250重量部、好ましくは120〜240重量部とされ、80重量部未満では得られる難燃接着混和物の難燃性が不足し、250重量部を越えると接着力が低下し、接着剤層としたときの機械的強度が低下する。
【0020】
本発明で使用される他のノンハロゲン系難燃剤として、炭酸カルシウムがある。この炭酸カルシウムは、合成樹脂の充填材として広く使用されているものであるが、難燃効果を発揮し、燃焼時にハロゲンガスを発生しないため、難燃剤として使用できる。この炭酸カルシウムには、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、コロイド炭酸カルシウムがあるが、ここではいずれも使用でき、その平均粒子径が10μm以下、好ましくは0.1〜3μmのものが用いられる。平均粒子径が10μmを越えると分散性が低下する。
【0021】
また、この炭酸カルシウムも、イソプロピルイソステアリルチタネートなどのチタネートカップリング剤、ビニルシラン、エポキシシランなどのシランカップリング剤、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル類などで表面処理を施したものを用いることが、ポリエステル樹脂に対する分散性、相溶性が高められ、接着剤層としたときの機械的特性が向上することになり、好ましい。
【0022】
この炭酸カルシウムの配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部とされ、5重量部未満では得られる難燃接着混和物の難燃性が不足し、50重量部を越えると、接着力が低下し、接着剤層としたときの機械的強度が低下する。
【0023】
本発明の難燃接着混和物において使用されるスズ化合物は、接着力向上剤および難燃助剤として機能するものである。このスズ化合物の具体例としては、SnO2、ZnSn(OH)6、ZnSnO2、ZnSnO3などのスズ化合物若しくはこれらスズ化合物の2種以上の混合物が挙げられる。このスズ化合物のうちでも、ヒドロキシスズ酸亜鉛が特に好ましい。このスズ化合物の平均粒径は、10μm以下が好ましく、10μmを越えると分散性が低下する。
【0024】
このスズ化合物の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部とされ、5重量部未満では難燃性が不足し、50重量部を超えると接着力が低下する。また、このスズ化合物は、同時に難燃性を付与するため、これを配合することで上記金属水酸化物および炭酸カルシウムの配合量を低減でき、金属水酸化物および炭酸カルシウムの配合による接着力の低下を抑えることができる。
【0025】
また、本発明の難燃接着混和物には、充填材としてシリカ等を添加することができ、シリカをポリエステル樹脂100重量部に対して5重量部程度添加することで、ブロッキング性が向上し、接着剤が基材に残る糊残り現象を防止することができる。
【0026】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、難燃接着混和物にさらに種々の添加剤、例えば有機溶剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、着色剤、各種カップリング剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤を適宜添加しても良い。
上記有機溶剤には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族類などが用いられる。
【0027】
本発明の難燃接着混和物は、ポリエステル樹脂100重量部と、金属水酸化物80〜250重量部と、炭酸カルシウム5〜50重量部と、スズ化合物5〜50重量部と必要に応じて他の添加成分とを均一に各種混合手段により混合することにより製造することができる。
【0028】
また、本発明の接着剤の形態としては、溶液、ペースト、ペレット等の形態とすることができ、フラットケーブルの接着剤層を形成するには、溶液タイプとして、基材フィルムに塗布して使用する他、ペレットを押出機から基材フィルム上に押出し、製膜して使用することが一般的である。
【0029】
また、本発明のフラットケーブルは、上述のようにして形成された接着フィルムを使用し、これに導体を挟んで、加圧ロール、加圧プレスなどにより加圧し、この時同時に温度80〜200℃に加熱することで製造される。一般的には、加熱加圧ロールを使用し、連続的に接着してゆく方法が作業性等の点で広く使用される。
【0030】
また、基材フィルム1と接着剤層2との接着性、耐熱接着性を高め、熱接着加工速度を高めるためなどに、基材フィルム1上に予めプライマーを塗布してプライマー層を形成しておき、このプライマー層上に上記難燃接着混和物からなる接着剤層2を形成することができる。
【0031】
このようなプライマーとして、例えばイソシアネート基、ブロックイソシアネート基および/またはカルボジイミド基を有する多官能性化合物と、ガラス転移点が20〜120℃のポリエステル系樹脂と、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂組成物をエステル系、ケトン系などの各種有機溶媒に溶解したプライマーが挙げられる。
【0032】
この樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂との配合割合は、ポリエステル系樹脂/ポリウレタン系樹脂(重量比)=0.7/0.3〜0.3/0.7の範囲とされる。また、多官能性化合物の添加量は、樹脂成分の反応基に対して1〜20倍当量程度が好ましい。また、プライマーの固形分としては2〜60重量%程度とされる。
【0033】
プライマーの塗布は、基材フィルム1上にロールコート、バーコート、ダイコートなどの周知の塗布手段により塗布し、乾燥することにより行われる。プライマー層の厚さは、0.05〜10μm程度とされる。0.05μm未満ではプライマーの効果が得られず、10μmを越えても過剰であり、難燃性が低下する恐れもある。プライマーの塗布に先立ち基材フィルム1に放電処理、火炎処理などを施して親和性を高めることもできる。
【0034】
また、上記多官能性化合物としては、トリレンジイソシアネート、4.4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートとそれらのビューレット体、トリメチロールプロパン等のアダクト体、イソシアネート3量体等のイソシアネート類、さらにはイソシアネートをアルコール、フェノール類、ラクタム、活性メチレン化合物でブロックしたブロックイソシアネートを使用することができる。
【0035】
さらに、上記イソシアネート類から合成したポリトルエンカルボジイミド、ポリ−4,4−ジフェニルメタンカルボジイミド、ポリイソホロンカルボジイミド、ポリヘキサンカルボジイミドなどのカルボジイミド系架橋剤及びその誘導体を使用することができる。
この多官能性化合物では、分子内に2〜6個のイソシアネート基、ブロックイソシアネート基および/またはカルボジイミド基を有するものが好ましい。
【0036】
また、上記多官能性化合物は、溶剤に溶解または分散して使用することが好ましい。このための溶剤には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0037】
上記ポリエステル系樹脂としては、例えばテレフタル酸等の芳香族飽和ジカルボン酸と飽和二価アルコールとの重縮合により生成する熱可塑性のポリエステル系樹脂を使用することができる。上記芳香族飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸やこれらの誘導体を1種または2種以上用いることができる。
【0038】
上記飽和二価アルコールとしては、エチレングリコール、ピロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオールなどの芳香族ジオールを用いることができる。
また、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸を添加して、共重縮合して変性してガラス転移点を20〜120℃のポリエステル系樹脂としてもよい。
【0039】
上記ポリウレタン系樹脂としては、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂が用いられる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、あるいはヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオールなどのヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液または二液硬化型のポリウレタン系樹脂が使用される。
【0040】
このような難燃接着混和物にあっては、ポリエステル樹脂100重量部と、金属水酸化物80〜250重量部と、炭酸カルシウム5〜50重量部と、スズ化合物5〜50重量部を配合したものであるので、十分な難燃性が得られ、これを焼却処分した際に有害なハロゲン含有化合物を生成することがなく、しかもこれらの難燃剤、難燃助剤の配合量が比較的少なくとも高い難燃性が得られ、このため、これら添加剤を多量に配合する必要がなく、添加剤多量配合による接着力の低下が抑えられ、良好な難燃性と接着性を同時に兼ね備えるものとなる。
【0041】
また、本発明のフラットケーブルにあっては、良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
このため、このフラットケーブルは、高い接着性と良好な難燃性を要求されるコンピュータ機器等の配線等に使用できる。
【0042】
以下、具体例を示す。
表1ないし表3に示した配合組成(重量部)の組成物を、メチルエチルケトン1容量部とトルエン4容量部からなる混合溶媒に溶解し、樹脂分30wt%の溶液型接着剤を製造した。
この溶剤型接着剤を厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターにて塗布し、乾燥し厚み40μmの接着層を形成して、接着フィルムを作成した。
【0043】
このようにして得られた接着フィルムについて、接着強度、難燃性を測定した。
接着強度は、2枚の接着フィルムを貼り合わせ速度0.5m/分、温度160℃、圧力1.0MPaで、貼り合わせ、このもののT字剥離力を測定し、その強度(kg/cm)を示した。この接着強度が0.5kg/cm以上のものが好ましい。
難燃性は、スズメッキ軟銅箔(厚さ35μm 幅0.8mm)を15本並べ、これを上記接着フィルムで挟んで、貼り合わせ速度0.5m/分、温度160℃、圧力1.0MPaで貼り合わせたフラットケーブルについて、UL規格の垂直燃焼試験を行い、この垂直燃焼試験に合格したものを○として、不合格のものを×として表した。
【0044】
表1ないし表3において、
「ポリエステル樹脂A」は、ガラス転移点5℃、分子量25000のポリエステル樹脂を、
「ポリエステル樹脂B」は、ガラス転移点80℃、分子量15000のポリエステル樹脂を、
「金属水酸化物A」は、粒径1μmの水酸化マグネシウムを、
「金属水酸化物B」は、粒径1μmの水酸化アルミニウムを、
「炭酸カルシウム」は、粒径1.5μmのものを、
「ヒドロキシスズ酸亜鉛」は、粒径5μmのものを、
「シリカ」は、粒径1μmのものを示す。
結果を表1ないし2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
これらの表の結果から、金属水酸化物が80重量部未満では難燃性が不足し、250重量部を越えると接着性が低下する。また、炭酸カルシウムが5重量部未満では難燃性が不足し、50重量部を越えると接着性が低下する。ヒドロキシスズ酸亜鉛が5重量部未満では難燃性が不足し、50重量部を越えると接着性が低下することがわかる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の難燃接着混和物にあっては、良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなり、焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
【0050】
また、本発明のフラットケーブルにあっては、このため良好な接着力を発揮し、高い難燃性を有するものとなる。また、ノンハロゲンであるので焼却処分をしても有害なハロゲン含有ガスが発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフラットケーブルの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2…接着剤層。
Claims (4)
- ポリエステル樹脂100重量部と、金属水酸化物80〜2500重量部と、炭酸カルシウム5〜50重量部と、スズ化合物5〜50重量部を含む難燃接着混和物。
- ポリエステル樹脂が、ガラス転移温度−70〜90℃、分子量5000〜50000であるポリステル樹脂を少なくとも含むものである請求項1記載の難燃接着混和物。
- さらにシリカを含む請求項1または2記載の難燃接着混和物。
- 基材フィルムの表面に接着剤層を形成した接着フィルムで導体を挟み、この接着フィルムを接着してなるフラットケーブルにおいて、上記接着剤層を、請求項1ないし3のいずれかに記載の難燃接着混和物で構成したことを特徴とするフラットケーブル。
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US20170335198A1 (en) * | 2014-11-21 | 2017-11-23 | Fujikura Ltd. | Flame retardant resin composition, and cable and optical fiber cable using the same |
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US10253262B2 (en) * | 2014-11-21 | 2019-04-09 | Fujikura Ltd. | Flame retardant resin composition, and cable and optical fiber cable using the same |
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