JP3323077B2 - ホットメルト型難燃性接着剤組成物およびそれを用いて得られる絶縁テープ - Google Patents
ホットメルト型難燃性接着剤組成物およびそれを用いて得られる絶縁テープInfo
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Description
着剤層の形成材料として用いられるホットメルト型難燃
性接着剤組成物およびそれを用いて得られる絶縁テープ
に関するものである。
あるいは自動車等の電気配線部分または家庭用屋内、屋
外配線等のフラット電線の構成材料として、電線を被覆
して絶縁保護するために用いられる。このような絶縁テ
ープは、図2に示すように、テープの基材となるポリエ
ステル等の高分子フィルム3上に、接着剤層4を設けた
構造になっており、上記高分子フィルム3と接着剤層4
との間に、両者の接着性を高めるためにアンカーコート
剤からなるアンカーコート層2を設けた構成をとる。そ
して、絶縁テープに難燃性を付与する必要が生じた時
は、通常、上記接着剤層4に難燃剤が配合される。
硬化型ポリエステル系、熱可塑型ポリエステル系、ポリ
オレフィン系等の接着剤が用いられる。近年では、ポリ
エステル系接着剤に比べて接着性は若干劣るものの、コ
ストが最も安価であるという利点を有するポリオレフィ
ン系接着剤が賞用されている。そして、このポリオレフ
ィン系接着剤を接着剤層4に用いた絶縁テープにおい
て、難燃性を付与する必要が生じた時は、上記ポリオレ
フィン系接着剤に、パークロロシクロペンタデカン等の
難燃剤が配合される。
来のポリオレフィン系接着剤と、パークロロシクロペン
タデカンとの配合系では、Tダイス押出機を用いて接着
剤フィルムを押出加工する際に、目やにと呼ばれる樹脂
のかすがTダイス押出機の先端部分に頻繁に発生し、そ
れが短時間の内に脱落して押出加工された接着剤フィル
ムに付着するため、長時間の安定生産に劣るという欠点
がある。また、上記パークロロシクロペンタデカンは難
燃性に優れているものの、コストが高いという欠点があ
る。
て、例えば、テトラブロモビスフェノールA、デカブロ
モジフェニルオキサイド、エチレンビスペンタブロモジ
フェニル等の使用が考えられる。しかしながら、いずれ
の難燃剤も、ポリオレフィン系接着剤と併用した場合に
は、接着性が低下したり、加工性が著しく低下する等の
新たな問題が生じる。
もので、コストが安価で、接着性および加工性に優れ、
しかも難燃性に優れたホットメルト型難燃性接着剤組成
物およびそれを用いて得られる絶縁テープの提供をその
目的とする。
に、本発明は、下記のポリオレフィン系樹脂成分(A)
をベースポリマーとし、下記の難燃剤(B)および下記
の難燃助剤(C)を含有しているホットメルト型難燃性
接着剤組成物を第1の要旨とする。 (A)下記の(A1 )と、下記の(A2 )および
(A3 )の少なくとも一方とからなるポリオレフィン系
樹脂成分。 (A1 )無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリ
エチレン。 (A2 )無水マレイン酸グラフト変性エチレンアクリル
酸エチル共重合体。 (A3 )無水マレイン酸グラフト変性エチレン酢酸ビニ
ル共重合体。 (B)下記の(B1 )および(B2 )の少なくとも一方
からなる難燃剤。 (B1 )エチレンビスペンタブロモジフェニル。 (B2 )デカブロモジフェニルオキサイド。 (C)三酸化アンチモン。
ンカーコート層が形成され、このアンカーコート層上に
上記ホットメルト型難燃性接着剤組成物からなる接着剤
層が形成されている絶縁テープを第2の要旨とする。
するために、まず、コストが安価で接着性の良好なポリ
オレフィン系樹脂成分について検討を重ねた。その結
果、ポリオレフィン系樹脂成分(A)として、上記無水
マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン(A
1 )を用いた場合には、コストが安価で接着性も良好で
あることを突き止めた。また、上記(A1 )との配合性
に優れ、コストが安価である難燃剤について検討を重ね
た。その結果、上記エチレンビスペンタブロモジフェニ
ル(B1 )およびデカブロモジフェニルオキサイド(B
2 )の少なくとも一方からなる難燃剤(B)が、上記
(A1 )と配合して接着剤フィルムを加工する際にTダ
イス押出機の先端部分に目やに等が生じることがないた
め加工性に優れ、しかもコストが安価であることを突き
止めた。さらに、上記(A1 )と上記難燃剤(B)に、
上記難燃助剤(C)である三酸化アンチモンを配合した
場合には、難燃性がさらに向上する。そして、上記(A
1 )と難燃剤(B)と難燃助剤(C)との配合系に、上
記(A2 )および(A3 )の少なくとも一方を配合すれ
ば、前述の加工性および難燃性を維持したまま、接着性
がさらに向上することを見いだし本発明に到達した。本
発明により、コストが安価で、接着性および加工性に優
れ、しかも難燃性に優れたホットメルト型難燃性接着剤
組成物を提供することが可能となる。
ト層が形成され、このアンカーコート層上に上記ホット
メルト型難燃性接着剤組成物からなる接着剤層が形成さ
れている絶縁テープは、高分子フィルムと接着剤層間の
初期接着性に優れ、かつ、熱老化後、湿熱老化後の接着
力低下がほとんどなく、長期信頼性に優れることを突き
止めた。
しく説明する。
物は、上記特定のポリオレフィン系樹脂成分(A)をベ
ースポリマーとし、上記難燃剤(B)および上記難燃助
剤(C)を含有するものである。ここで、本発明のホッ
トメルト型難燃性接着剤組成物において、上記特定のポ
リオレフィン系樹脂成分(A)をベースポリマーとする
とは、上記ポリオレフィン系樹脂成分(A)が組成物全
体の少なくとも30重量%(以下「%」と略す)を占め
ている場合をいう。
(A)は、下記の(A1 )を必須とし、これに下記の
(A2 )〜(A3 )を各々単独でもしくは2種以上併用
し配合したものである。
状低密度ポリエチレン(L−LDPE−MAH)。 (A2 )無水マレイン酸グラフト変性エチレンアクリル
酸エチル共重合体(EEA−MAH)。 (A3 )無水マレイン酸グラフト変性エチレン酢酸ビニ
ル共重合体(EVA−MAH)。
密度ポリエチレン(A1 )は、190℃×2.16kg
荷重の条件でのメルトインデックス(以下「M.I.」
と略す)が、0.3〜30g/10分の範囲が好まし
く、特に好ましくは1.0〜10g/10分である。ま
た、上記(A1 )における低密度とは、0.900〜
0.930g/cm3 の範囲が好ましく、特に好ましく
は、0.910〜0.925g/cm3 の範囲である。
アクリル酸エチル共重合体(A2 )のM.I.は、0.
5〜100g/10分の範囲が好ましく、特に好ましく
は1.0〜30g/10分である。また、上記(A2 )
におけるエチレンとアクリル酸エチルとの割合は、重量
比で、エチレン/アクリル酸エチル=95/5〜50/
50が好ましく、特に好ましくは、エチレン/アクリル
酸エチル=85/15〜60/40である。
酢酸ビニル共重合体(A3 )のM.I.は、0.5〜1
00g/10分の範囲が好ましく、特に好ましくは1.
0〜30g/10分である。また、上記(A3 )におけ
るエチレンと酢酸ビニルとの割合は、重量比で、エチレ
ン/酢酸ビニル=95/5〜50/50が好ましく、特
に好ましくは、エチレン/酢酸ビニル=85/15〜6
0/40である。
イン酸の変性割合は、0.01〜5.0%であり、好ま
しくは0.02〜3.0%、より好ましくは0.1〜
1.0%である。すなわち、変性割合が0.01%未満
であれば、被着体に対し充分な接着力を与えることがで
きないからであり、逆に、5.0%を超えると、接着力
が充分飽和し、それ以上増やす必要がないからである。
また、無水マレイン酸を用いて変性するのは、他にも酸
無水物は種々あるが、工業的に変性しやすく反応性に優
れており、最も一般的に用いられているからである。
−LDPE−MAH(A1 )とEEA−MAH(A2 )
とからなる場合の(A1 )と(A2 )の混合割合は、重
量比で、(A1 )/(A2 )=60/40〜95/5の
範囲になるよう設定するのが好ましく、特に好ましく
は、(A1 )/(A2 )=70/30〜90/10であ
る。すなわち、(A1 )が60未満〔(A2 )が40を
超える〕では、(A2 )は非相溶系のため薄膜加工性が
悪くなり、所望の接着剤厚みが得られないからである。
逆に、(A1 )が95を超える〔(A2 )が5未満〕
と、難燃剤(B)および難燃助剤(C)を添加した際に
充分な接着力が得られないからである。
(A)がL−LDPE−MAH(A1 )とEVA−MA
H(A3 )とからなる場合の(A1 )と(A3 )の混合
割合は、重量比で、(A1 )/(A3 )=60/40〜
95/5の範囲になるよう設定するのが好ましく、特に
好ましくは、(A1 )/(A3 )=70/30〜90/
10である。すなわち、(A1 )が60未満〔(A3 )
が40を超える〕では、(A3 )は非相溶系のため薄膜
加工性が悪くなり、所望の接着剤厚みが得られないから
である。逆に、(A1 )が95を超える〔(A3 )が5
未満〕と、上記と同様、難燃剤(B)および難燃助剤
(C)を添加した際に充分な接着力が得られないからで
ある。
ペンタブロモジフェニル(B1 )およびデカブロモジフ
ェニルオキサイド(B2 )の少なくとも一方から構成さ
れる。
レフィン系樹脂成分(A)100重量部(以下「部」と
略す)に対して、30〜80部の範囲になるよう設定す
るのが好ましく、特に好ましくは、50〜70部であ
る。すなわち、難燃剤(B)の配合量が30部未満であ
れば、絶縁テープとしての難燃性が不足するからであ
り、逆に、80部を超えると、接着性、薄膜加工性が低
下してしまうからである。
合量は、上記ポリオレフィン系樹脂成分(A)100部
に対して、5〜40部の範囲になるよう設定するのが好
ましく、特に好ましくは、15〜35部である。すなわ
ち、難燃助剤(C)の配合量が5部未満であれば、難燃
剤(B)を大幅に増量しなければならないからであり、
逆に、40部を超えると、接着性、薄膜加工性が低下す
るからである。
剤組成物には、上記ポリオレフィン系樹脂成分(A)、
難燃剤(B)、難燃助剤(C)の他に、従来からホット
メルト型接着剤組成物に用いられる各種の添加剤を必要
に応じて配合することが可能である。これらの添加剤と
しては、二酸化チタン(TiO2 )、タルク、アルミナ
等の無機充填剤、および酸化防止剤、銅害防止剤、紫外
線吸収剤等を適宜に配合することができる。
性接着剤組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂成分
(A)、難燃剤(B)、難燃助剤(C)および上記添加
剤等を所定割合で配合することより得ることができる。
組成物を用いた例としては、絶縁テープ等があげられ
る。
用いた絶縁テープとしては、例えば、図1に示すよう
に、高分子フィルム3面上にアンカーコート層2が形成
され、このアンカーコート層2上に、上記ホットメルト
型難燃性接着剤組成物からなる接着剤層1が形成された
ものがあげられる。
ム3は、特に限定するものではないが、機械的強度、電
気絶縁性、耐熱性等とコストとのバランスが良いという
理由から、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特
に好適である。そして、その厚みは、耐久性、屈曲性お
よび電気絶縁性の観点から、通常、12〜250μmの
範囲に設定される。好ましくは、25〜100μmの範
囲である。
は、特に限定するものではなく、例えば、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体(EEA)のシラン変性体、ウ
レタン系アンカーコート剤、有機チタン化合物等を適宜
に用いたアンカーコート層2形成材料があげられるが、
なかでも、アンカーコート層2形成材料として、有機チ
タン化合物を用いることが特に好適である。なお、上記
有機チタン化合物を用いたアンカーコート層2形成材料
において、有機チタン化合物の占める割合は、アンカー
コート層2形成材料全体の少なくとも10%に設定する
のが好ましい。
般式で表されるアルキルチタネートを用いることができ
る。
る。〕
例えば、下記に示すような化合物があげられ、単独であ
るいは2種以上併せて用いられる。
i(O−iso−C3 H7 )4 〕、テトラ−n−ブチル
チタネート〔Ti(O−n−C4 H9 )4 〕、テトラ
(2−エチルヘキシル)チタネート{Ti〔OCH2 C
H(C2 H5 )C4 H9 〕4 }、テトラステアリルチタ
ネート〔Ti(OC18H37)4 〕、ジ−iso−プロポ
キシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン{Ti〔OC
H(CH3 )2 〕2 〔OC(CH3 )CHCOCH3 〕
2 }。
ート層2は、分子内の−OR基が加水分解反応により解
離するため、酸化チタン(TiO2 )に近い構造の無色
透明で非常に薄い高分子酸化チタン膜となる。その厚み
は、0.0005〜10.0μmの範囲、好ましくは
0.001〜2.0μmの範囲に設定される。
燃性接着剤組成物およびその他の原料を用いて、例え
ば、つぎのようにして作製することができる。すなわ
ち、ペレット状のポリオレフィン系樹脂成分(A)を準
備する。そして、上記ポリオレフィン系樹脂成分(A)
のペレットに難燃剤(B)、難燃助剤(C)等の添加剤
を所定量配合し、2軸混合機を用いて混練した後、水
冷、裁断して再度ペレット化する。他方、有機チタン化
合物を酢酸エチル、イソプロピルアルコール、トルエン
等の有機溶剤と混合し、3〜5%の溶液を調製する。こ
の溶液をグラビアロールコート法やリバースロールコー
ト法等の通常用いられるロールコート法により、高分子
フィルム3の片面に塗布し、加熱乾燥炉を通して溶剤を
除去することにより、アンカーコート層2を形成する。
なお、この塗布方法は、ロールコート法に限定されず、
スプレーコート法等により行うことも可能である。そし
て、このアンカーコート層2の上に、先にペレット化し
ておいた接着剤組成物をTダイス押出機等により押出ラ
ミネート加工する。このようにして、図1に示すよう
に、高分子フィルム3面上にアンカーコート層2が形成
され、このアンカーコート層2上に上記ホットメルト型
難燃性接着剤組成物からなる接着剤層1が形成された3
層構造の絶縁テープを得ることができる。
らなる接着剤層1の厚みは、20〜150μmの範囲が
好ましく、特に好ましくは50〜100μmである。す
なわち、上記接着剤層1の厚みが20μm未満である
と、Tダイスによる押し出し加工が困難になるからであ
り、逆に、150μmを超えると、接着力はほぼ飽和
し、さらには座屈が生じやすくなるからである。
明する。
含有するホットメルト型難燃性接着剤組成物を用いた絶
縁テープ。
組成物を用いて、前述の方法に従い、図1に示すような
絶縁テープを作製した。すなわち、まず、厚み50μm
のポリエステルフィルム(テトロンフィルム タイプ
S、帝人社製)のフィルム3面に、アルキルチタネート
として、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセ
トナト)チタン{Ti〔OCH(CH3 )2 〕2 〔OC
(CH3 )CHCOCH3 〕 2 }を用いて厚み0.1μ
mのアンカーコート層2を形成した。他方、下記の表1
に示すホットメルト型難燃性接着剤材料を同表に示す割
合で配合し、これを2軸混合機を用いて混練した後、水
冷、裁断して接着剤ペレットを作製した。そして、先に
作製したポリエステルフィルム3のアンカーコート層2
の上に、上記接着剤ペレットをTダイス押出機により押
出ラミネート加工して厚み80μmの接着剤層1を形成
することにより、目的とする絶縁テープを得た(図1参
照)。なお、上記接着剤層1の曲げ弾性率を以下のよう
にして測定し、これを下記の表1に併せて示す。
7203の硬質プラスチックの曲げ弾性試験法を参考
にした以下に示す方法により測定した。すなわち、上記
接着剤層を、10mm幅×1mm厚み×80mm長さに
熱プレスにより成形し、試験サンプルとする。そして、
図3に示すように、試験サンプル21を2つの支持台2
0にのせ、加圧くさび19を一定速度(5mm/分)で
降下させ、この時の、荷重−たわみ曲線をチャート紙に
記録し、下記の式により曲げ弾性率を算出する。図3に
おいて、Lは2つの支持台20の支点間距離を示す。
Lは支点間距離(cm)、bは試験サンプルの幅(c
m)、hは試験サンプルの厚み(cm)、Fは荷重−た
わみ曲線の初めの直線部分の任意に選んだ点の荷重(k
gf)、Yは荷重Fにおけるたわみ量(cm)をそれぞ
れ表す。〕
含有するホットメルト型難燃性接着剤組成物を用いた絶
縁テープ。
い、この(A3 )を下記の表2に示す割合で配合したホ
ットメルト型難燃性接着剤組成物を用いる以外は、実施
例1〜8と同様にして絶縁テープを作製した。なお、上
記接着剤層の曲げ弾性率を上記のようにして測定し、こ
れを下記の表2に併せて示す。
合で配合した接着剤組成物を用いる以外は、実施例1〜
5と同様にして絶縁テープを作製した。なお、上記接着
剤層の曲げ弾性率を上記のようにして測定し、これを下
記の表3に併せて示す。
品、および、比較例1〜5品の絶縁テープを用いて、下
記の基準に従い、難燃性、Tダイス加工性、対銅箔接着
力、耐座屈性および耐電圧特性について測定評価を行っ
た。これらの結果を後記の表4〜6に併せて示す。
005、28に記載の難燃試験に準じて、試料数5個で
行った。そして、5個すべての試料がいずれも15秒以
内に消火したものを○、1個でも15秒を超えるものが
あれば×として表した。
ス幅約600mm)にて接着剤をPETフィルム上に厚
み80μmになるよう積層し、目やに、厚みむら、耳き
れ等が発生せず、長尺加工できるかどうかを評価した。
そして、目やに、厚みむら、耳きれ等がいずれも発生せ
ず、しかも長尺加工できたものを○、厚みむらは多少あ
るが、目やに、耳きれ等が発生しなかったものを△、短
時間で目やにが多発し、製品に付着してしまったもの、
または耳きれ、厚みむらが激しく、所定の厚み(80μ
m)まで薄く延伸加工できなかったものを×として表し
た。
ヒートロールラミネート法により、厚み50μmの圧延
銅箔(無処理品)に接着させた。このときのラミネート
の条件は、3段の2本一対の直径80mmのシリコンゴ
ムロールを用いて、ロール温度170℃、ラミネート速
度0.5mm/分、ラミネート線圧6.0kgf/cm
で行った。そして、得られた接着物を10mm幅に切断
し、試験サンプルとした。これを、ストログラフ(東洋
精機社製、R−2型)により、速さ50mm/分の18
0度剥離試験を行い、銅箔と絶縁テープとの剥離強度を
測定した。
れの接着層が互いに接触するようにして、上記対銅箔接
着力の評価と同様の条件でヒートロールラミネート法に
より接着させ、これを50mm幅×150mm長さに成
形したものを試験サンプルとした。この試験サンプルを
用い、上記ストログラフを使用して耐座屈性の評価をし
た。すなわち、図4に示すように、試験サンプル12を
2つの支持板14aおよび14bの間に配置し、テープ
13で固定する。そして、支持板14bを一定速度で矢
印方向に移動させることにより圧縮力を加え、上記サン
プル12が完全に折れ曲がった状態になるまで加圧し、
その時の荷重−圧縮距離の曲線をチャート紙に記録す
る。なお、図4において、11はロードセルを示す。ま
た、この荷重−圧縮距離の曲線の一例を図5に示す。図
5において、曲線16は座屈がなかった場合の曲線であ
り、曲線15は座屈した場合の曲線である。座屈した場
合には、曲線15において、ピーク17が現れる。した
がって、耐座屈性の評価は、このピーク17が現れなか
ったものを○、現れたものを×として表した。
μm厚、3mm幅の銅線5本を用いて、線間が1mmに
なるように貼り合わせ加工を行い、図6に示すようなフ
ラットケーブル18を作製し、これを試験サンプルとし
た。図6において、(a)はフラットケーブル18の断
面図、(b)はその平面図を示す。そして、このフラッ
トケーブル18を図7に示すように直角に折り畳み、こ
の状態で、100℃×120時間の熱老化処理を行っ
た。その後、室温まで冷却し、元の形状に復元した。そ
して、図8に示すように、容器10に5%食塩水9を満
たし、上記フラットケーブル18の折り目を食塩水9に
浸した。そして、直流電源7を用いて銅線6の最側部に
位置する銅線から1kvの電圧で1分間印加した。そし
て、電圧計8により電圧の低下を測定した。すなわち、
銅線6と接着剤層1との間に空隙があると、そこに食塩
水9が浸入して電圧が低下する。したがって、耐電圧特
性は、電圧が低下しなかったものを○、電圧が低下した
ものを×で表した。また、併せてフラットケーブルの外
観観察も行い、変化がなかったものを○、銅線6と接着
剤層1間にわずかな浮きが見られたものを△、銅線6と
接着剤層1間の浮きが端部にまで達し、口を開いてしま
った状態のものを×で表した。
メルト型難燃性接着剤組成物を用いて作製した実施例品
の絶縁テープは、難燃性、Tダイス加工性、耐座屈性、
対銅箔接着力および耐電圧特性において、全ての特性に
優れていることがわかる。なかでも、実施例1〜6品、
実施例9〜14品の絶縁テープは、実施例7,8品、実
施例15,16品の絶縁テープに比べて、各成分の配合
割合に優れるため、より好ましいことがわかる。
て作製した比較例1〜5品の絶縁テープは、対銅箔接着
力が著しく低く、難燃性、Tダイス加工性、耐座屈性お
よび耐電圧特性の結果も実施例品に比べて劣るものであ
ることがわかる。
難燃性接着剤組成物は、上記特定のポリオレフィン系樹
脂成分(A)をベースポリマーとし、上記難燃剤(B)
および上記難燃助剤(C)であるSb2 O3 を含有して
いるという構成をとる。すなわち、ポリオレフィン系樹
脂成分(A)として上記無水マレイン酸グラフト変性直
鎖状低密度ポリエチレン(A1 )を用いた場合には、コ
ストが安価で接着性も良好であり、これに上記難燃剤
(B)を配合した場合には、接着剤フィルムを加工する
際にTダイス押出機の先端部分に目やに等が生じること
がないため加工性に優れ、しかもコストが安価であり、
さらに上記(A1 )と上記難燃剤(B)に、上記難燃助
剤(C)を配合した場合には、難燃性がさらに向上す
る。そして、上記(A1 )と難燃剤(B)と難燃助剤
(C)との配合系に、上記(A2 )および(A3 )の少
なくとも一つを配合すれば、前述の加工性および難燃性
を維持したまま、接着性がさらに向上する。本発明によ
り、コストが安価で、接着性および加工性に優れ、しか
も難燃性に優れたホットメルト型難燃性接着剤組成物を
提供することが可能となる。このように、本発明のホッ
トメルト型難燃性接着剤組成物は、コストが安価で、接
着性および加工性に優れ、しかも難燃性に優れているた
め、例えば、電気,電子機器、自動車等の電気配線部分
または家庭用屋内,屋外配線等の用途に用いられる絶縁
テープの接着剤層の形成材料として最適である。
ト層が形成され、このアンカーコート層上に上記ホット
メルト型難燃性接着剤組成物からなる接着剤層が形成さ
れている絶縁テープは、高分子フィルムと接着剤層間の
初期接着性に優れ、かつ、熱老化後、湿熱老化後の接着
力低下がほとんどなく、長期信頼性に優れる。
用いた絶縁テープの一実施例の断面図である。
図である。
縮距離の曲線図である。
プルの断面図であり、(b)はその平面図である。
態を示す説明図である。
層 2 アンカーコート層 3 高分子フィルム
Claims (7)
- 【請求項1】 下記のポリオレフィン系樹脂成分(A)
をベースポリマーとし、下記の難燃剤(B)および下記
の難燃助剤(C)を含有していることを特徴とするホッ
トメルト型難燃性接着剤組成物。 (A)下記の(A1 )と、下記の(A2 )および
(A3 )の少なくとも一方とからなるポリオレフィン系
樹脂成分。 (A1 )無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリ
エチレン。 (A2 )無水マレイン酸グラフト変性エチレンアクリル
酸エチル共重合体。 (A3 )無水マレイン酸グラフト変性エチレン酢酸ビニ
ル共重合体。 (B)下記の(B1 )および(B2 )の少なくとも一方
からなる難燃剤。 (B1 )エチレンビスペンタブロモジフェニル。 (B2 )デカブロモジフェニルオキサイド。 (C)三酸化アンチモン。 - 【請求項2】 上記ポリオレフィン系樹脂成分(A)
が、(A1 )と(A2)とからなり、かつ、上記
(A1 )と(A2 )の混合割合が、重量比で、(A1)
/(A2 )=60/40〜95/5の範囲に設定されて
いる請求項1記載のホットメルト型難燃性接着剤組成
物。 - 【請求項3】 上記ポリオレフィン系樹脂成分(A)
が、(A1 )と(A3)とからなり、かつ、上記
(A1 )と(A3 )の混合割合が、重量比で、(A1)
/(A3 )=60/40〜95/5の範囲に設定されて
いる請求項1記載のホットメルト型難燃性接着剤組成
物。 - 【請求項4】 上記難燃剤(B)の配合量が、上記ポリ
オレフィン系樹脂成分(A)100重量部に対して、3
0〜80重量部の範囲に設定されている請求項1〜3の
いずれか一項に記載のホットメルト型難燃性接着剤組成
物。 - 【請求項5】 上記難燃助剤(C)の配合量が、上記ポ
リオレフィン系樹脂成分(A)100重量部に対して、
5〜40重量部の範囲に設定されている請求項1〜4の
いずれか一項に記載のホットメルト型難燃性接着剤組成
物。 - 【請求項6】 高分子フィルム面上にアンカーコート層
が形成され、このアンカーコート層上に請求項1〜5の
いずれか一項に記載のホットメルト型難燃性接着剤組成
物からなる接着剤層が形成されていることを特徴とする
絶縁テープ。 - 【請求項7】 上記アンカーコート層が有機チタン化合
物を用いて形成されたものである請求項6記載の絶縁テ
ープ。
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-
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- 1996-09-05 JP JP23509496A patent/JP3323077B2/ja not_active Expired - Lifetime
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