JP3047854B2 - 絶縁テープおよびそれに用いる接着剤組成物 - Google Patents

絶縁テープおよびそれに用いる接着剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁テープおよび
絶縁テープにおける接着剤層の形成材料等として用いら
れる接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、絶縁テープは、電気、電子機器
あるいは自動車等の電気配線部分または家庭用屋内、屋
外配線等のフラット電線の構成材料として、電線を被覆
して絶縁保護するために用いられる。このような絶縁テ
ープは、例えば、図2に示すように、絶縁テープの基材
となるポリエステル等の高分子フィルム23上に、アン
カーコート剤からなるアンカーコート層22を介して接
着剤層21が設けられた構造となっており、上記アンカ
ーコート剤からなるアンカーコート層22により、上記
高分子フィルム23と接着剤層21との接着性が高めら
れている。
【0003】上記絶縁テープの接着剤層21形成材料と
しては、熱硬化型ポリエステル系、熱可塑型ポリエステ
ル系、ポリオレフィン系等の各種接着剤が用いられてい
るが、近年では、ポリエステル系接着剤に比べて接着性
は若干劣るものの、コストが最も安価であるポリオレフ
ィン系接着剤が賞用されている。そして、上記ポリオレ
フィン系接着剤を用いた絶縁テープは、耐熱性の向上の
ため、一般に放射線架橋が行われている。その際、架橋
効率を上げるため、トリメチロールプロパントリアクリ
レート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート(TMPTMA)、トリアリルイソシアヌ
レート(TAIC)等の架橋助剤が上記ポリオレフィン
系接着剤に添加されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記架
橋助剤を添加したポリオレフィン系接着剤を用いた絶縁
テープは、絶縁テープの作製の際あるいは絶縁テープの
保管中に、つぎのような問題が生じる。すなわち、上記
架橋助剤は反応性に優れているという利点を有している
が、一般に分子量が低く、また沸点も低いため、例え
ば、上記架橋助剤を含むポリオレフィン系接着剤をペレ
ット状に加工する場合、加工前に上記ポリオレフィン系
接着剤を乾燥する工程が必要になる。そのため、樹脂乾
燥機のフィルターの目詰まりが生じ、異常加熱が発生す
る等の問題がある。また、作製した絶縁テープはコイル
状に巻き取って保管するのが一般的であるが、絶縁テー
プの保管中に上記架橋助剤がブリードする結果、コイル
状に巻き取った絶縁テープにブロッキングが生じる等の
問題もある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、接着性に優れ、しかも、ブリードが少なく、架
橋効率が高く耐熱性にも優れた絶縁テープおよびそれに
用いる接着剤組成物の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、高分子フィルム面上にアンカーコート層
が形成され、このアンカーコート層上に接着剤層が形成
された絶縁テープであって、上記接着剤層が、下記の
(A)成分をベースポリマーとするとともに下記の
(B)成分を含有し、かつ、上記(B)成分の配合割合
が、上記(A)成分100重量部に対して0.5〜10
重量部の範囲に設定された接着剤組成物によって形成さ
れている絶縁テープを第1の要旨とする。 (A)ポリオレフィン系樹脂。 (B)下記の(B1 )および(B2 )の少なくとも一
方。 (B1 )ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。 (B2 )アルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリ
レート。
【0007】また、本発明は、上記(A)成分をベース
ポリマーとするとともに上記(B)成分を含有し、か
つ、上記(B)成分の配合割合が、上記(A)成分10
0重量部に対して0.5〜10重量部の範囲に設定され
ている接着剤組成物を第2の要旨とする。
【0008】すなわち、この発明者は、接着剤性に優
れ、しかも、ブリードが少なく、架橋効率が高く耐熱性
にも優れた絶縁テープを得るべく鋭意研究を重ねた。そ
の結果、上記絶縁テープの接着剤層を、ポリオレフィン
系樹脂(A成分)をベースポリマーとするとともに、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B1 )およ
びアルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレート
(B2 )の少なくとも一方(B成分)を含有し、かつ、
上記B成分の配合割合が特定の範囲に設定された特殊な
接着剤組成物を用いて形成すると、接着性に優れ、しか
もブリードが少なく、架橋効率が高く耐熱性にも優れた
絶縁テープが得られることを見いだし本発明に到達し
た。
【0009】そして、上記A成分およびB成分にさらに
前記C成分およびD成分を加えることにより、前記接着
剤層に良好な難燃性を付与することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明の絶縁テープは、例えば、図1に示
すように、高分子フィルム3面上にアンカーコート層2
が形成され、このアンカーコート層2上に接着剤層1が
形成されたものがあげられる。
【0012】上記絶縁テープの基材となる高分子フィル
ム3は、特に限定するものではなく、例えば、ポリエス
テル(PET)フィルム、ポリイミド(PI)フィル
ム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポ
リフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエー
テルイミド(PEI)フィルム、ポリエーテルサルホン
(PES)フィルム等があげられる。なかでも、機械的
強度、電気絶縁性、耐熱性等とコストのバランスが良い
という理由からPETフィルムが好適であり、また、特
に耐熱性や寸法安定性が要求される場合にはPIフィル
ムが好適である。そして、その厚みは、耐久性、屈曲性
および電気絶縁性の観点から、通常、12〜250μm
の範囲に設定され、好ましくは12〜100μmの範囲
である。
【0013】上記アンカーコート層2形成材料であるア
ンカーコート剤は、特に限定するものではなく、有機チ
タン化合物、無水マレイン酸グラフト変性スチレン−エ
チレン−ブチレン−ブロック共重合体(SEBS−MA
H)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)
のシラン変性体等を主成分とするものがあげられる。こ
れらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なか
でも、上記有機チタン化合物を主成分とするアンカーコ
ート剤が、前記高分子フィルム3と接着剤層1との接着
力に優れるという点で特に好ましい。なお、上記有機チ
タン化合物を主成分とするとは、上記有機チタン化合物
が上記アンカーコート剤全体の少なくとも10%を占め
る場合をいい、有機チタン化合物のみからなる場合も含
む意味である。
【0014】上記有機チタン化合物としては、例えば、
テトラアルコキシチタン化合物(アルキルチタネー
ト)、チタンキレート化合物等を用いることができる。
【0015】上記テトラアルコキシチタン化合物(アル
キルチタネート)とは、下記の一般式(1)で表される
化合物をいう。
【0016】
【化1】Ti(OR)4 …(1) 〔上記式(1)において、Rはアルキル基またはアリル
基である。〕
【0017】上記テトラアルコキシチタン化合物(アル
キルチタネート)としては、具体的には、下記に示す化
合物(2)〜(5)があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0018】
【化2】テトライソプロポキシチタン:〔テトライソプ
ロピルチタネート〕 Ti(O−iso-C3 7 4 …(2)
【0019】
【化3】テトラ−n−ブトキシチタン:〔テトラ−n−
ブチルチタネート〕 Ti(O−n-C4 9 4 …(3)
【0020】
【化4】 テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン:〔テトラキス(2−エチル ヘキシル)チタネート〕 Ti〔OCH2 CH(C2 5 )C4 9 4 …(4)
【0021】
【化5】テトラキスステアリルオキシチタン:〔テトラ
ステアリルチタネート〕 Ti(OC18374 …(5)
【0022】また、上記チタンキレート化合物として
は、具体的には、下記に示す化合物(6)があげられ
る。
【0023】
【化6】 ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン:〔チタンアセチルアセ トネート〕 Ti(O−iso-C3 7 2 〔OC(CH3 )CHCOCH3 2 …(6)
【0024】上記アンカーコート層2形成材料として、
上記有機チタン化合物を主成分とするアンカーコート剤
を用いた場合は、分子内の−OR基が加水分解反応によ
り解離するため、酸化チタン(TiO2 )に近い構造の
無色透明で非常に薄い高分子酸化チタン膜となる。その
厚みは、0.0005〜10.0μmの範囲、好ましく
は0.001〜2.0μmの範囲に設定される。
【0025】上記接着剤層1は、前記ポリオレフィン系
樹脂(A成分)をベースポリマーとするとともに前記B
成分を含有する特殊な接着剤組成物によって形成された
ものである。なお、上記特殊な接着剤組成物において、
上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)をベースポリマー
とするとは、上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)が上
記接着剤組成物全体の少なくとも30重量%(以下
「%」と略す)を占めている場合をいう。
【0026】上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)とし
ては、従来公知のどのような材料を用いてもよく、例え
ば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチ
レン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−L
DPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)および
その重合体等の樹脂や、これらの不飽和カルボン酸(ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、シトラコン酸等)、または酸無水
物(無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸等)によるグラフト変性体等を用いることができる。
なかでも、放射線に対して架橋性を有する、主としてエ
チレン系のモノマー単位を有するものが好ましい。
【0027】そして、このようなポリオレフィン系樹脂
(A成分)としては、無水マレイン酸グラフト変性直鎖
状低密度ポリエチレン〔L−LDPE−MAH〕
(A1 )、無水マレイン酸グラフト変性超低密度ポリエ
チレン〔ULDPE−MAH〕(A 2 )が特に好まし
い。これらは単独でもしくは併せて用いられる。
【0028】上記L−LDPE−MAH(A1 )は、メ
ルトインデックス〔M.I.〕(190℃×2.16k
g荷重下)が、0.3〜30g/10分の範囲のものが
好ましく、特に好ましくは1.0〜20g/10分の範
囲である。また、上記L−LDPE−MAH(A1 )の
密度は、0.900〜0.930g/cm3 の範囲のも
のが好ましく、特に好ましくは0.915〜0.925
g/cm3 の範囲である。
【0029】上記ULDPE−MAH(A2 )のM.
I.(190℃×2.16kg荷重下)は、0.3〜3
0g/10分の範囲のものが好ましく、特に好ましくは
1.0〜20g/10分の範囲である。また、上記密度
は、0.870〜0.900g/cm3 の範囲のものが
好ましく、特に好ましくは0.880〜0.890g/
cm3 の範囲である。
【0030】上記L−LDPE−MAH(A1 )および
ULDPE−MAH(A2 )における無水マレイン酸の
変性割合は、0.01〜5.0%が好ましく、より好ま
しくは0.02〜3.0%、さらに好ましくは0.1〜
1.0%である。
【0031】上記L−LDPE−MAH(A1 )とUL
DPE−MAH(A2 )を併用する場合の混合割合は、
重量比で、A1 /A2 =30/70〜95/5の範囲に
なるよう設定するのが好ましく、特に好ましくは、A1
/A2 =40/60〜60/40の範囲である。
【0032】上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)とと
もに用いられるB成分は、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート(B1 )およびアルキル変性ジペンタエ
リスリトールのアクリレート(B2 )の少なくとも一方
からなるものである。これらは架橋剤として使用され
る。
【0033】上記B1 であるジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート(DPHA)は、下記の一般式(7)
において、R1 〜R5 がアクリロイル基で、R6 が水素
原子で表される構造のものである。
【0034】
【化7】
【0035】上記B2 であるアルキル変性ジペンタエリ
スリトールのアクリレートとしては、上記一般式(7)
において、R1 〜R5 がアクリロイル基で、R6 がアル
キロイル基であるもの(商品名:KAYARAD D−
310)、R1 〜R4 がアクリロイル基で、R5 および
6 がアルキロイル基であるもの(商品名:KAYAR
AD D−320)、R1 〜R3 がアクリロイル基で、
4 〜R6 がアルキロイル基であるもの(商品名:KA
YARAD D−330)があげられる。
【0036】上記B成分の配合割合は、上記ポリオレフ
ィン系樹脂(A成分)100部に対して0.5〜10部
の範囲になるよう設定する必要があり、好ましは1.0
〜5.0部である。すなわち、上記B成分の配合割合が
0.5部未満であると、ゲル分率が低く耐熱性に劣り、
10部を超えるとブリードが発生するからである。
【0037】上記接着剤層1を形成する特殊な接着剤組
成物には、上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)および
B成分の他に、さらに特定の難燃剤(C成分)および三
酸化アンチモン(D成分)を適宜に配合することができ
る。
【0038】上記特定の難燃剤(C成分)としては、エ
チレンビスペンタブロモジフェニル(C1 )、デカブロ
モジフェニルオキサイド(C2 )があげられる。これら
は単独でもしくは併せて用いられる。
【0039】上記特定の難燃剤(C成分)の配合量は、
上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)100重量部(以
下「部」と略す)に対して30〜80部の範囲になるよ
う設定するのが好ましく、特に好ましくは50〜70部
である。すなわち、上記C成分の配合量が30部未満で
あると、絶縁テープとしての難燃性が不足し、80部を
超えると接着性、薄膜加工性が低下するおそれがあるか
らである。
【0040】上記D成分である三酸化アンチモン(Sb
2 3 )は難燃助剤として使用される。そして、上記三
酸化アンチモン(D成分)の配合割合は、上記ポリオレ
フィン系樹脂(A成分)100部に対して5〜40部の
範囲になるよう設定するのが好ましく、特に好ましくは
15〜35部である。すなわち、上記三酸化アンチモン
(D成分)の配合量が5部未満であると、難燃剤(C成
分)を大幅に増量しなければならず、40部を超えると
接着性、薄膜加工性が低下するおそれがあるからであ
る。
【0041】なお、上記接着剤組成物には、上記A〜D
成分の他に各種の添加剤を適宜に配合することが可能で
ある。上記添加剤としては、二酸化チタン(Ti
2 )、タルク、アルミナ等の無機充填剤や、酸化防止
剤、銅害防止剤、紫外線吸収剤等を適宜に配合すること
ができる。
【0042】そして、上記接着剤組成物は、上記A〜D
成分および添加剤等を所定割合で配合することにより得
ることができる。
【0043】本発明の絶縁テープは、例えば、つぎのよ
うにして作製することができる。すなわち、まず、ペレ
ット状のポリオレフィン系樹脂(A成分)を準備する。
つぎに、上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)のペレッ
トに、DPHA(B1 )およびアルキル変性ジペンタエ
リスリトールのアクリレート(B2 )の少なくとも一方
(B成分)、さらに必要に応じて特定の難燃剤(C成
分)、三酸化アンチモン(D成分)、その他各種添加剤
を所定量配合し、2軸混合機を用いて混練した後、水
冷、裁断して再度ペレット化する。他方、上記有機チタ
ン化合物等を酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ト
ルエン等の有機溶剤と混合し、3〜5%のアンカーコー
ト剤溶液を調製する。そして、このアンカーコート剤溶
液をグラビアロールコート法、リバースロールコート法
等の通常用いられるロールコート法により、前記高分子
フィルム3の片面に塗布し、加熱乾燥炉を通して溶剤を
除去することにより、上記高分子フィルム3面上にアン
カーコート層2を形成する。そして、このアンカーコー
ト層2の上に、先にペレット化しておいた接着剤組成物
をTダイス押出機等により押出ラミネート加工し、所望
の厚みの接着剤層1を形成する。このようにして、図1
に示すように、高分子フィルム3面上にアンカーコート
層2が形成され、このアンカーコート層2上に接着剤組
成物からなる接着剤層1が形成された3層構造の絶縁テ
ープを得ることができる。そして、この絶縁テープを用
いてフラットケーブルを作製した後、電離放射線を照射
することにより、耐熱性を有するフラットケーブルを製
造することができる。
【0044】なお、上記アンカーコート剤溶液の塗布方
法は、上記ロールコート法に限定されず、スプレーコー
ト法等により行うことも可能である。
【0045】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0046】
【実施例1〜10、比較例1〜5】まず、所定の厚みの
高分子フィルム〔PETフィルム(帝人社製のテトロン
フィルム タイプS6−31)、PIフィルム(東レ・
デュポン社製のカプトン100V)〕を準備した。ま
た、後記の表1〜表3に示すアンカーコート層形成材料
を同表に示す割合で配合し、アンカーコート剤溶液を調
整した。そして、このアンカーコート剤溶液を先に述べ
た方法により、上記高分子フィルムの片面に塗布し、上
記高分子フィルム面上に所望の厚みのアンカーコート層
を形成した。他方、後記の表1〜表3に示す接着剤層形
成材料を同表に示す割合で配合し、これを2軸混合機を
用いて混練した後、水冷、裁断して接着剤ペレットを作
製した。そして、先に作製した高分子フィルムのアンカ
ーコート層上に、上記接着剤ペレットをTダイス押出機
により押出ラミネート加工し、所望の厚みの接着剤層を
形成した。このようにして、高分子フィルム面上にアン
カーコート層が形成され、このアンカーコート層上に接
着剤層が形成された絶縁テープ(図1参照)を作製し
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】このようにして得られた実施例品および比
較例品の絶縁テープを用いて、下記の基準に従い、ブリ
ード、ゲル分率、接着力の比較評価を行った。これらの
結果を後記の表4〜表6に併せて示した。
【0051】〔ブリード〕絶縁テープをコイル状に巻き
取った状態(すなわち、一の絶縁テープの接着剤層が他
の絶縁テープの高分子フィルム背面と接する状態)で一
定時間放置し、その後絶縁テープをほぐした時のブリー
ドの状態を目視評価した。その結果、ブリードが全く確
認できなかったものを○として表示し、接着剤層に若干
のブリードが確認されたものの高分子フィルム面側に架
橋剤が移行しなかったものを△として表示し、架橋剤が
高分子フィルム面側に移行してしまうほどブリードして
いるものを×として表示した。
【0052】〔ゲル分率〕照射架橋後の接着剤層単体の
フィルムをキシレンに浸漬(100℃×24時間)し、
不溶残渣(キシレンに溶解しなかった部分)の残率をゲ
ル分率として求めた。そして、ゲル分率の評価は、ゲル
分率が65%以上のものを○として表示し、ゲル分率が
65%未満で50%を超えるものを△として表示し、ゲ
ル分率が50%以下のものを×として表示した。
【0053】〔接着力(対絶縁テープ)〕絶縁テープを
2本準備し、各絶縁テープの接着剤層が互いに接触する
ようにしてヒートロールラミネート法により接着し、こ
れを50mm幅×150mm長さに成形してサンプルを
得た。なお、ラミネートの条件は、2本一対の直径80
mmのシリコーンゴムロールを用いて、ロール温度16
0℃、ラミネート速度0.5mm/分、ラミネート線圧
6.0kgf/cmで行った。つぎに、上記サンプルに
対し、電子線照射機(日新電機社製のキュアトロン:加
速電圧200kV)を用いて、照射線量が50kGyに
なるよう照射加工を行い、試験用サンプルを得た。そし
て、上記試験用サンプルを用い、ストログラフ(東洋精
機社製のR−2型)により速さ50mm/分の180度
剥離試験を行い、絶縁テープと絶縁テープの剥離強度を
測定した。なお、剥離試験は室温(25℃)および10
0℃で行った。また、表において、10kGy=1Mr
adである。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】上記表4〜表6の結果から、実施例品の絶
縁テープは、比較例品の絶縁テープに比べて、ブリード
が少なく、またゲル分率も高く、さらには接着性に優れ
ていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明の絶縁テープは、
上記接着剤層が上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)を
ベースポリマーとするとともに、前記DPHA(B1
およびアルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレ
ート(B2 )の少なくとも一方(B成分)を含有し、か
つ、上記B成分の配合割合が所定の範囲に設定された特
殊な接着剤組成物を用いて形成されているため、接着性
に優れ、しかもブリードが少なく、架橋効率が高く耐熱
性にも優れている。
【0059】そして、上記A成分およびB成分にさらに
前記C成分およびD成分を加えることにより、前記接着
剤層に良好な難燃性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁テープの一例を示す断面図であ
る。
【図2】従来の絶縁テープの断面図である。
【符号の説明】
1 接着剤層 2 アンカーコート層 3 高分子フィルム

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルム面上にアンカーコート層
    が形成され、このアンカーコート層上に接着剤層が形成
    された絶縁テープであって、上記接着剤層が、下記の
    (A)成分をベースポリマーとするとともに下記の
    (B)成分を含有し、かつ、上記(B)成分の配合割合
    が、上記(A)成分100重量部に対して0.5〜10
    重量部の範囲に設定された接着剤組成物によって形成さ
    れていることを特徴とする絶縁テープ。 (A)ポリオレフィン系樹脂。 (B)下記の(B1 )および(B2 )の少なくとも一
    方。 (B1 )ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。 (B2 )アルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリ
    レート。
  2. 【請求項2】 上記(A)成分であるポリオレフィン系
    樹脂が、下記の(A 1 )および(A2 )の少なくとも一
    方からなるものである請求項1記載の絶縁テープ。 (A1 )無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリ
    エチレン。 (A2 )無水マレイン酸グラフト変性超低密度ポリエチ
    レン。
  3. 【請求項3】 上記接着剤組成物が、上記(A)および
    (B)成分に加えて、さらに下記の(C)および(D)
    成分を含有するものである請求項1または2記載の絶縁
    テープ。 (C)下記の(C1 )および(C2 )の少なくとも一方
    からなる難燃剤。 (C1 )エチレンビスペンタブロモジフェニル。 (C2 )デカブロモジフェニルオキサイド。 (D)三酸化アンチモン。
  4. 【請求項4】 下記の(A)成分をベースポリマーとす
    るとともに下記の(B)成分を含有し、かつ、上記
    (B)成分の配合割合が、上記(A)成分100重量部
    に対して0.5〜10重量部の範囲に設定されているこ
    とを特徴とする接着剤組成物。 (A)ポリオレフィン系樹脂。 (B)下記の(B1 )および(B2 )の少なくとも一
    方。 (B1 )ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。 (B2 )アルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリ
    レート。
  5. 【請求項5】 上記(A)成分であるポリオレフィン系
    樹脂が、下記の(A 1 )および(A2 )の少なくとも一
    方からなるものである請求項4記載の接着剤組成物。 (A1 )無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリ
    エチレン。 (A2 )無水マレイン酸グラフト変性超低密度ポリエチ
    レン。
  6. 【請求項6】 上記(A)および(B)成分に加えて、
    さらに下記の(C)および(D)成分を含有する請求項
    4または5記載の接着剤組成物。 (C)下記の(C1 )および(C2 )の少なくとも一方
    からなる難燃剤。 (C1 )エチレンビスペンタブロモジフェニル。 (C2 )デカブロモジフェニルオキサイド。 (D)三酸化アンチモン。
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