JP2007231204A - 接着フィルム、該接着フィルムを用いたフラットケーブルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラットケーブルの導体を挟む接着フィルムの耐熱性、難燃性を高め、かつ、接着剤のブリードを防止する。
【解決手段】絶縁フィルムの表面に接着層を備え、前記接着層は不飽和ポリエステルと難燃剤を含む接着剤からなり、前記不飽和ポリエステルは、不飽和基を、構成する多塩基酸成分単量体1molあたり0.2〜20mmol導入したものであることを特徴とする接着フィルムを提供している。
【選択図】図1

Description

本発明は、接着フィルム、該接着フィルムを用いたフラットケーブルの製造方法およびフラットケーブルに関し、特に、耐熱性および難燃性に優れたフラットケーブルとするものである。
従来から、OA機器、コンピュータ機器、音響機器、車両用ハーネス等の内部配線材として、導体の表裏両面を絶縁フィルムで被覆した多芯平型のフラットケーブルが使用されている。該フラットケーブルの中でも銅箔を所要のパターン形状に打ち抜いた導体、あるいは細幅として平行配線する導体を、ポリ塩化ビニル製のフィルムを導体の両面に配置して熱圧着(ラミネート)したものが、接着剤が不要であるため汎用されている。
前記フラットケーブルの用途が広がるに従い、絶縁フィルムの耐熱性、難燃性、強度、寸法安定性、耐薬品性等の観点から、延伸ポリエステル樹脂からなる絶縁フィルムが好適なものとして用いられている。
前記延伸ポリエステル樹脂を絶縁フィルムとして用いた場合、熱圧着では導体と絶縁フィルムとの接着ができず、よって、絶縁フィルムと導体とを接着剤を用いて接着している。
前記接着剤としてホットメルト樹脂接着剤を用いると、絶縁フィルムと導体間の瞬間的な接着が可能となり、製造上は二液硬化型接着剤より有利となる。
しかしながら、ホットメルト樹脂接着剤は熱可塑性であるため耐熱性が劣り、かつ、耐薬品性も劣る問題がある。
この種の熱可塑性樹脂からなる接着剤を用いたものとして、例えば、実開平1−113916号(特許文献1)が提供されている。該特許文献1のフラットケーブルでは、絶縁フィルム上に設ける接着剤としてポリオレフィン系樹脂にビニルシラン系化合物をグラフト重合させたものが使用されている。しかしながら、特許文献1の接着剤は熱可塑性のポリオレフィン系樹脂をベースとするため、前記した耐熱性の点で問題がある。
前記問題に対して、本出願人は、先に、特公平7−105168号(特許文献2)において、ホットメルト樹脂と分子内に複数個の不飽和結合分子を有する多官能性化合物を主体とする接着剤層を絶縁フィルム上に設け、該絶縁フィルムの接着剤層の間に導体を挟み、該絶縁フィルムおよび接着剤層を電離放射線で照射したフラットケーブルを提供している。
前記ホットメルト樹脂は、飽和共重合ポリエステルを主体とする樹脂分あるいはアルコキシシランをグラフトしたエチレン・エチルアクリレート共重合体を主体としている。
また、分子内に複数個の不飽和結合分子を有する多官能性化合物としては、アクリル変成オリゴマー類等を用いている。
前記特許文献2の接着剤では、不飽和結合分子を有する多官能性化合物を含み、かつ、電離放射線の照射で架橋しているため、耐熱性は向上している。しかしながら、不飽和結合分子は飽和共重合ポリエステルの骨格に入っていないため、常温で液状のものが多く、ブリードしてブロッキングや表面のべたつきが発生する恐れがある。かつ、熱可塑性の飽和ポリエステルを主体とするホットメルト樹脂がベースであることにより耐熱性の点でも改善の余地がある。
実開平1−113916号 特公平7−105168号
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、耐熱性、難燃性をより向上させ、かつ、ブリードを確実に抑制できるようにした絶縁フィルム上の接着剤層を備えた接着フィルム、該接着フィルムを用いたフラットケーブルの製造方法を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、第一の発明として、絶縁フィルムの表面に接着層を備え、
前記接着層は、不飽和ポリエステルと難燃剤を含む接着剤からなり、
前記不飽和ポリエステルは、不飽和基を、構成する多塩基酸成分単量体1molあたり0.2〜20mmol導入したものであることを特徴とする接着フィルムを提供している。
本発明の接着フィルムは、絶縁フィルムの表面に形成する接着層の樹脂成分としてポリエステル骨格に不飽和基を導入したものを使用しているため、ブリードを抑制、防止できる。さらに、本発明のフラットケーブルでは、液状の架橋剤を使用していないので、ブリードを抑制できる。かつ、接着剤の耐熱性を高めているため、高温雰囲気下で使用しても熱的安定性があるため、導体と絶縁フィルムの接着力が低下せず、剥離の発生を確実に防止できる。
前記不飽和ポリエステルは、フマル酸等の不飽和二塩基酸とイソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸等の飽和二塩基酸とからなる多塩基酸と、多価アルコールと、金属化合物触媒とを所要温度で所要時間反応させてエステル化を行った後に、さらに前記触媒を追加して所要時間減圧して重縮合反応させて調整している。
前記不飽和ポリエステルは、不飽和基を、構成する多塩基酸成分単量体1molあたり0.2〜20mmol導入している。即ち、原料モノマーのイソフタル酸等の飽和基に対するフマル酸等の不飽和基の配合量を変えることで前記導入量の範囲内で調整している。 前記多塩基酸成分単量体1molあたり0.2〜20mmolの不飽和基を導入しているのは、0.2mmol以上とすることで、必要なゲル分率を得ることができる一方、20mmol以下とすることで、過剰なゲル化を抑制することができることによる。より好ましくは1〜10mmolである。
なお、不飽和基の導入量はNMRで測定することができる。
多価アルコールとしては、1,4−ブタンジオール ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール等が挙げられ、1種あるいは複数種を用いることができる。
なかでも、エチレングリコールはコストを下げることができる点、ネオペンチルグリコールは耐水性、耐薬品性を増強させるために好適である。
また、接着剤に含まれる樹脂成分は、前記したように、不飽和ポリエステルのみでもよいが、不飽和ポリエステルと飽和ポリエステルとの混合物としてもよい。
前記のように原料を不飽和ポリエステルとした場合には、耐熱性が良好となる利点がある。一方、原料を不飽和ポリエステルと飽和ポリエステルとの混合物とした場合には、接着性をコントロールしやすい利点がある。
前記飽和ポリエステルは、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸等の飽和二塩基酸と、前記の多価アルコールと金属化合物触媒とを所要温度で所要時間反応させてエステル化を行った後に、さらに前記触媒を追加して所要時間減圧して重縮合反応させて調製している。
前記触媒としては、前記のように金属化合物触媒を用い、該触媒は多塩基酸に対して0.5〜2%程度とすることが好ましい。さらに、促進剤を配合してもよい。
該触媒としては、テトラブチルチタネート、ジブチルスズオキサイド等が挙げれ、なかでも、テトラブチルチタネートが好適に用いられる。
さらに、接着剤には、前記したように、難燃剤を配合している。該難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
難燃剤の配合量は、不飽和ポリエステル、飽和ポリエステル等の樹脂成分100重量部に対して50〜250重量部とすることが好ましい。これは50重量部未満であると、UL規格で規定される垂直難燃試験(UL1581)に合格しなくなり、250重量部を越えると、接着性が低下することによる。
接着層には前記不飽和ポリエステルを主体とする接着剤、難燃剤の他に必要に応じて、顔料、補強剤、老化防止剤、粘着性付与剤、粘度調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。
前記顔料としては酸化チタン等が挙げられる。
また、高温雰囲気下で使用する場合には、前記接着剤の不飽和ポリエステルは架橋させたものであることが好ましく、架橋により耐熱性、熱的安定性を高めて寸法安定性を高めることができ、難燃性も高めることができる。
しかしながら、前記不飽和ポリエステルの架橋は架橋剤の配合によらずに、後述するように電離放射線の照射により架橋させることが好ましい。
前記不飽和ポリエステルの架橋による接着層のゲル分率は5重量%以上が好ましく、上限は80重量%以下である。より好ましくは20重量%以上70重量%以下である。
なお、常温雰囲気下で使用する場合には、架橋をしなくとも耐熱性、難燃性を保持することができる。
前記ゲル分率は以下の方法で求めることができる。
接着層の乾燥質量を正確に計り、200メッシュのステンレス金網に包み、クロロホルム液の中で48時間煮沸したのちに、クロロホルムに溶解したゾル分を除いて残ったゲル分を得る。このゲル分を50℃で24時間乾燥して、ゲル中のクロロホルムを除去し、ゲル分の乾燥質量を測定し、下記式に基づきゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=(ゲル分乾燥質量/接着層の乾燥質量)×100
前記接着層を設ける絶縁フィルムは、分子骨格中に芳香族環を有するものとして、難燃性及び強度に優れたものとすることが好ましい。
絶縁フィルムを分子骨格中に芳香族環を有するものとすることで、耐熱性を付与して寸法安定性を与え、かつ、難燃性を付与することができる。
この種の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリフェニレンンスルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等を挙げることができ、なかでも、PETが安価である点から好適に用いられる。
前記絶縁フィルムの一面側に前記接着層を備えた本発明の接着フィルムは、接着層の厚さを5μm〜200μm程度とすることが好ましい。これは、5μm未満であると接着が均一に行えなくなる恐れがあり、また、導体あるいは接着フィルム同士の接着部に曲げ負荷等がかかると剥離する恐れがある。一方、200μmを越えると、接着フィルムの柔軟性が低下する。接着層の厚さは、好ましくは20〜100μm、特に、25〜50μmとすると薄肉化できる点より好ましい。
一方、絶縁フィルムの厚さは、5μm〜100μm程度とすることが好ましい。これは5μm未満であると絶縁フィルムの耐摩耗性が低下する恐れがあり、100μmを越えると柔軟性が低下したり、樹脂の種類によっては難燃性が低下する。より好ましくは10μm〜50μm以下である。
さらに、前記絶縁フィルムの接着層が形成される面には、接着剤との密着性を高めるために、予めコロナ放電処理、プライマー処理等の表面処理を施しておいてもよい。
第二の発明として、前記第一の発明に記載の接着フィルム2枚の間に導体を挟み、接着フィルムと導体を接着してケーブルを作成した後、前記接着剤に含まれる不飽和ポリエステルの架橋を行うことを特徴とするフラットケーブルの製造方法を提供している。
前記のように不飽和ポリエステルを架橋することで、熱的に安定な三次元網状となり、耐熱性および難燃性を高めることができる。
特に、電離放射線を照射して接着剤を架橋すると、より耐熱性が高められると共に、接着剤に含まれる樹脂成分100重量部に対して50〜250重量部の難燃剤を配合することで難燃性を高めることできる。
前記架橋は、接着層の組成物として架橋剤を配合して不飽和ポリエステルを架橋することはせず、架橋は電離放射線を照射することで行うことが好ましい。
低分子の架橋剤を使用していないので、架橋剤のブリードによるブロッキング等を抑制することができる。
具体的には、前記接着フィルムの間に銅箔等の金属箔からなる導体を挟み、熱圧着ロールで連続的に密着させ、接着フィルムと導体とを接着層を介して接着すると共に導体が存在しない箇所では接着フィルム同士を接着層を介して接着している。このように、熱圧着ロールで接着させた後、電離放射線を照射している。
照射する電離放射線としては、α線、電子線(β線)、γ線、X線等の使用が可能であるが、浸透性が良く、効率よく照射できる等の点からはγ線が好適に用いられる。この電離放射線を20〜200kGy程度照射して接着層に十分に浸透させて、不飽和ポリエステルを電離放射線で架橋し、該接着層のゲル分率が5重量%以上になるようにしていることが好ましい。
前記のように、接着剤のゲル分率を5重量%以上とすることで、接着層を熱的に安定な三次元網状とすることができ、耐熱性および難燃性を高めることができる。より好ましくは20%以上であり、上限は80重量%以下である。これは、80重量%を越えるゲル分率とすると、接着層が硬化して、フラットケーブル自体の可撓性が低下することに因る。
前記のように接着層のゲル分率を5重量%〜80重量%とするには、30〜100kGyで照射するのが好ましい。
前記製造方法で製造されたフラットケーブルは、導体を前記接着フィルムの絶縁フィルムを外面側とし、接着層を内面側とし、対向する接着層の間に導体を挟持した状態で接着していると共に、導体が挟持されていない箇所では接着フィルム同士を接着層を介して互いに接着した構成となる。
前記2枚の接着フィルムの間に挟持されて絶縁被覆される導体は、銅箔等の導電性金属箔を所要の回路パターンに打ち抜いたものでも、該導電性金属箔を帯状に打ち抜いて、平行配線したもの等、その形状や厚さは限定されない。該導体の厚さは、必要とする電流量によって可変するが、0.02mm〜0.1mm程度とすることが好ましい。
上述したように、本発明では、フラットケーブルの導体を絶縁被覆するフィルムとして好適に用いられる接着フィルムを、接着層を絶縁フィルム上に形成したものとし、該接着フィルムは不飽和ポリエステルをベースとして含み、該不飽和ポリエステルは、不飽和基を、構成する多塩基酸成分単量体1molあたり0.2〜20mmol導入して、ポリエステル骨格中に不飽和基を有するものとしているため、ブロッキングや表面のべたつきの発生を防止できる。
さらに、本発明のフラットケーブルの製造方法によれば、前記のように、不飽和ポリエステルを架橋することで、熱的に安定した三次元網状となり、耐熱性および難燃性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1に示すフラットケーブル1について説明する。
フラットケーブル1は、直線状の導電性金属箔からなる複数の導体2を所要の隙間をあけて平行配置し、これら導体2を2枚の接着フィルム3で挟持し、接着フィルム3と導体2および接着フィルム同士を接着して、導体2を絶縁被覆している。
前記2枚の接着フィルム3は、絶縁フィルム4(4A、4B)に接着層5(5A、5B)を備え、接着層5を導体2側として、該接着層5により導体2と接着フィルム3を接着すると共に、導体2が存在しない領域では接着フィルム3同士を接着し、接着フィルム3、3内に導体2を埋め込んだ構成としている。
前記接着フィルム3の接着層5は、第1実施形態では、不飽和ポリエステルをベース樹脂とする接着剤に難燃剤と顔料とを配合して調整している。第2実施形態では不飽和ポリエステルと飽和ポリエステルとの混合物からなる接着剤に難燃剤と顔料とを配合して調整している。該接着層5は第1、第2実施形態のいずれの場合も電離放射線を照射して架橋し、そのゲル分率を5重量%以上80重量%以下としている。
また、第1、第2実施形態のいずれの場合も、原料モノマーにおける不飽和基の導入量は、構成する多塩基酸成分端子1molあたり0.1〜20mmolの範囲としている。
また、第1、第2実施形態のいずれの場合も、絶縁フィルム4は分子骨格中に芳香族環を有するポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称す)で成形している。
前記フラットケーブル1は図2に示す方法で製造している。
まず、絶縁フィルム4の表面に接着層5を構成する溶液を塗布し乾燥させる。接着層5は常温で固体となる。
ついで、接着層5Aを上面として配置した1枚の絶縁フィルム4A上に所要本数の導体2を所要間隔をあけて並設する。
ついで、他の1枚の絶縁フィルム4Bを接着層5Bを下向きとして重ねて、導体2を上下両側の絶縁フィルム4A。4Bの接着層5B、5Cで挟む。
ついで、所要温度に加熱して上下両側から圧力を加えて、接着層5A、5Bを溶融する。この熱圧着により、導体2の上下両面を接着層5A、5Bと接着させると共に、導体2が存在していない箇所では上下絶縁フィルム4A、4Bを接着層5A、5Bで接着させる。
前記工程は、具体的には、導体2が連続的に引き出されるラインに対して上下両側から、接着フィルム3B、3Aを連続供給し、導体2を接着フィルム3B、3Aで挟んだ積層状態で、上下一対の圧着ロールの間を通過させて、連続押出成形している。
その後、連続的に押し出されてくる積層体に対して、電離放射線を照射して、少なくとも接着層5A、5Bを架橋している。
(実施例)
次ぎに、本発明の実施例1〜3と比較例1〜3のフラットケーブルについて説明する。
実施例および比較例の接着層の構成を下記の表1に示す。
Figure 2007231204
実施例1は不飽和ポリエステルA、実施例3は不飽和ポリエステルBからなり、実施例2は不飽和ポリエステルAと飽和ポリエステルとの混合物からなる。
一方、比較例1は不飽和ポリエステルC、比較例2は不飽和ポリエステルD、比較例3は飽和ポリエステルのみからなる。
前記不飽和ポリエステルA〜Dの製造例は以下の通りである。
不飽和ポリエステルAの製造例
原料モノマーの成分
多塩基酸:テレフタル酸50g、イソフタル酸33g、セバシン酸87g、
フマル酸1.2g
多価アルコール:エチレングリコール47g ネオペンチルグリコール78g
触媒:テトラブチルチタネート 300ppm
前記多塩基酸、多価アルコールと触媒とを、230℃2時間でエステル化を行なった後、同量の触媒を追加し、2hPaに減圧して重縮合反応を2時間行った。
前記反応で得られた不飽和ポリエステルAでは、不飽和基の導入量は、原料モノマーの多塩基酸成分単量体1molあたり10mmolとした。この不飽和基の導入量はNMRで測定した。この不飽和基の導入量は本発明の権利範囲の0.2mol〜20molの範囲とした。
不飽和ポリエステルB,C,Dの製造例
原料モノマーの多塩基酸の比率を変えることにより、不飽和基の導入量を代えた以外は不飽和ポリエステルAと同様にして作製した。
不飽和ポリエステルB 不飽和基 1mmol
不飽和ポリエステルC 不飽和基 0.1mmol
不飽和ポリエステルD 不飽和基 25mmol
即ち、不飽和ポリエステルBは本発明の範囲内であり、不飽和ポリエステルC,Dは本発明の範囲外である。
飽和ポリエステルの製造例
ガラス転移温度53℃ 軟化点120℃の東洋紡(株)バイロン220を用いた。
実施例1〜3、比較例1〜3のいずれにも、下記の難燃剤を表1に示す同一の配合量で添加した。
水酸化マグネシウム(協和化学工業(株)キスマ5)
ポリリン酸アンモニウム(クラリアント EXOLIT AP462)
メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)MC860)
また、実施例1〜3、比較例1〜3のいずれにも、下記の顔料を表1に示す同一の配合量で添加した。
顔料 :酸化チタン(石原産業(株)タイペークR820)
さらに、比較例3では、架橋剤として、トリメチロールプロパントリアクリレートを用いた。
接着フィルムの作製
実施例1では、不飽和ポリエステルAのトルエン/メチルエチルケトン(体積比4/1)溶液(30重量%)に、難燃剤および顔料を表1の配合比率で混合して撹拌した液を、ポリエチレンテレフタレート製の絶縁フィルム(東レ(株)製 ルミラー、厚さ12μm)に塗工し、溶剤を乾燥させて、接着フィルムを作成した。該接着フィルムにおける接着層の厚さは35μmであった。
フラットケーブルの作製
前記で得られた接着フィルムを2枚用いた。その1枚の接着層の上に、スズメッキ軟銅箔(厚さ0.035μm、幅0.8mm)を所定ピッチで10本並べ、その後に他の1枚の接着フィルムを、接着層同士が対向するように積層し、温度130℃、加圧力3kg/cmで熱圧着した。その後、γ線を50kGyになるようにして照射し、接着層の不飽和ポリエステルを架橋した。
実施例2、3、比較例1〜3も前記実施例1と同様の工程で接着フィルムを作製し、該接着フィルムを用いてフラットケーブルを作製した。
実施例1〜3、比較例1〜3のフラットケーブルに対して、下記の難燃性評価、接着力、耐熱性、溶液安定性、ブロッキング試験を行った。その結果は表1に示す通りであった。
難燃性評価:UL1581(垂直燃焼試験)
接着力:導体の軟銅箔と接着フィルムとの接着力を、180°剥離法で測定した。
0.5N/mm以上を合格とした。それ以下は不合格とした。
耐熱性:フラットケーブルを113℃で7日放置し、接着層が剥離しなかった場合を
合格とした。剥離した場合を不合格とした。
溶液安定性:不飽和ポリエステルの重合時および難燃剤の混合時にゲル化しないものを
合格とし、ゲル化したものを不合格とした。
ブロッキング試験:接着フィルムを50℃恒温槽に3日放置した後、ポリエステルフィ
ルムを接着層と接触するように積層し、40℃で10kg/cmで5分プレスした後、180°剥離法で剥離強度を測定した。0.1N/cm以下を合格とした。
表1に示すように、実施例1〜3は難燃性、耐熱性、溶液安定性、ブロッキング試験はいずれも合格であった。また、接着力は0.6、0.7N/mmで合格であった。
一方、不飽和ポリエステルを用いたが、不飽和基が0.2mmol未満の比較例1は耐熱性が劣っていた。一方、不飽和基が20.0mmolを越える比較例2は耐熱性は合格であったが、溶液安定性は不合格であった。また、不飽和ポリエステルではなく、飽和ポリエステルに架橋剤を添加した比較例3はブロッキング試験で不合格であった。
上述したように、本発明では、フラットケーブルの絶縁フィルムとして、常温固体の接着層を設けた接着フィルムを用いているため、耐熱性、難燃性を高めることが出来ると共にブリードを発生しない利点がある。よって、ビデオ、プリンター等の配線材として好適に用いることが出来ると共に、高温雰囲気下で使用するフラットケーブルとしも好適に用いることができる。
本発明のフラットケーブルを示し、(A)は斜視図、(B)は断面図である。 本発明のフラットケーブルの概略工程図である。
符号の説明
1 フラットケーブル
2 導体
3(3A、3B) 接着フィルム
4(4A、4B) 絶縁フィルム
5(5A、5B) 接着層

Claims (5)

  1. 絶縁フィルムの表面に接着層を備え、
    前記接着層は、不飽和ポリエステルと難燃剤を含む接着剤からなり、
    前記不飽和ポリエステルは、不飽和基を、構成する多塩基酸成分単量体1molあたり0.2〜20mmol導入したものであることを特徴とする接着フィルム。
  2. 前記難燃剤の含有量が、前記接着剤に含まれる樹脂成分100重量部に対して50〜250重量部である請求項1に記載の接着フィルム。
  3. 前記絶縁フィルムは、分子骨格中に芳香族環を有する樹脂からなる請求項1または請求項2に記載の接着フィルム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の接着フィルム2枚の間に導体を挟み、接着フィルムと導体を接着してケーブルを作成した後、前記接着剤に含まれる不飽和ポリエステルの架橋を行うことを特徴とするフラットケーブルの製造方法。
  5. 前記架橋によって、前記接着剤のゲル分率が5重量%以上としている請求項4に記載のフラットケーブルの製造方法。
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