JP2010228210A - 非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブル - Google Patents

非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】 難燃性に優れ、層間密着性、導電体との密着性にも優れる非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブルを提供すること。
【解決手段】 基材フィルム10の片面に、難燃プライマー層(A)12、難燃樹脂層(B)14および難燃接着樹脂層(C)16をこの順で有し、(B)層が、厚さ15〜50μmであり、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にポリイソシアネート系硬化剤0.3〜3.0質量部、シクロホスファゼン化合物5〜35質量部、非ハロゲン系難燃剤150〜300質量部を含有する組成物の硬化により形成され、(C)層が、厚さ5〜20μmであり、上記樹脂100質量部にシクロホスファゼン化合物5〜15質量部、非ハロゲン系難燃剤50〜150質量部を含有する組成物により形成された非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブル。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブルに関するものであり、詳しくは、難燃性に優れ、層間密着性、導電体との密着性にも優れる非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブルに関するものである。
フラットケーブルは、平行に配列された複数本の導電体を合成樹脂を主成分とする2枚の絶縁フィルムにより被覆してなるケーブルであって、コンピュータ、通信機器、オーディオ・ビデオ機器等の高密度配線に広く用いられている。これらの機器に用いられるフラットケーブルは、UL758のVW−1試験に合格するような高度な難燃性が要求される。従来は、芳香族ハロゲン化合物等の難燃剤と金属酸化物等の難燃助剤を用いることにより、合成樹脂の難燃化が図られていた。しかし、ハロゲン系難燃剤を用いると、廃棄焼却処分のときに有害なハロゲン化合物のガスが発生するために、次第に非ハロゲン系化合物の難燃剤が求められるようになってきた。
例えば、特許文献1には、少なくとも耐熱性基材フィルムの一方の面に、接着性向上層、接着性樹脂に難燃化剤を含むフィラーを含有させてなる難燃性熱接着性樹脂層を順に積層した構成のフラットケーブル用被覆材であって、該熱接着性樹脂が線状飽和ポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂であり、該難燃化剤が少なくとも水和金属化合物、酸化アンチモン、窒素系化合物を含む混合系の難燃剤であることを特徴とするフラットケーブル用被覆材が開示されている。
また、特許文献2には、熱可塑性ポリエステル系樹脂からなるフィルム基材上に接着剤層が形成された接着性フィルムであって、上記基材および/または粘着剤層がリン系難燃剤により難燃化されていることを特徴とするノンハロゲン難燃性接着性フィルム、および、上記ノンハロゲン難燃性接着性フィルム同士が対向するように熱融着され、両方の接着剤層間に配線パターンを形成した導電体が挟み込まれていることを特徴とするフラットケーブルが開示されている。
しかし、上記特許文献1〜2に開示の被覆材を用いたフラットケーブルは、UL規格における垂直燃焼試験の一つであるVW−1を充分満足するものではなく、不合格になるという問題がある。また、前記特許文献1の被覆材は、層間密着性、具体的には基材フィルムと接着性向上層との密着性が不十分であり、難燃性熱接着樹脂層と導電体との密着性も充分満足するものではなく、改善の余地があった。
特開2002−367443号公報 特開平9−221642号公報
したがって本発明の目的は、難燃性に優れ、層間密着性、導電体との密着性にも優れる非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブルを提供することにある。
本発明は、以下のとおりである。
1.基材フィルムの片面に、難燃プライマー層(A)、難燃樹脂層(B)および難燃接着樹脂層(C)をこの順で有する非ハロゲン系難燃積層フィルムであって、
前記難燃樹脂層(B)が、厚さ15〜50μmであり、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にポリイソシアネート系硬化剤0.3〜3.0質量部、シクロホスファゼン化合物5〜35質量部、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤150〜300質量部を含有する組成物の硬化により形成されたものであり、
前記難燃接着樹脂層(C)が、厚さ5〜20μmであり、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にシクロホスファゼン化合物5〜15質量部、水酸化アルミニウムおよびホウ酸亜鉛から選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤50〜150質量部を含有する組成物により形成されたものであることを特徴とする非ハロゲン系難燃積層フィルム。
2.前記難燃プライマー層(A)が、厚さ1〜8μmであり、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にポリイソシアネート系硬化剤1〜20質量部、シクロホスファゼン化合物10〜30質量部を含有する組成物の硬化により形成されたものであることを特徴とする前記1に記載の非ハロゲン系難燃積層フィルム。
3.前記シクロホスファゼン化合物が、下記式(1)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の非ハロゲン系難燃積層フィルム。
Figure 2010228210
(式中、mは3〜25の整数を示す。Rはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基を示す)
4.前記式(1)が、下記式(2)で表されることを特徴とする前記3に記載の非ハロゲン系難燃積層フィルム。
Figure 2010228210
5.前記基材フィルムが、厚さ4〜60μmであり、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする前記1に記載の非ハロゲン系難燃積層フィルム。
6.前記1〜5のいずれかに記載の非ハロゲン系難燃積層フィルムにより導電体を被覆してなることを特徴とするフラットケーブル。
本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルムは、基材フィルムの片面に、難燃プライマー層(A)、難燃樹脂層(B)および難燃接着樹脂層(C)をこの順で有し、難燃樹脂層(B)および難燃接着樹脂層(C)の厚さを適切に設定し、かつ特定の難燃剤を特定割合でもって配合している。
この構成によれば、UL規格における垂直燃焼試験の一つであるVW−1を充分満足する難燃性を有し、層間密着性、導電体との密着性にも優れる非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブルを提供することができる。
本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルムの構成を説明するための断面図である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。図1は、本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルムの構成を説明するための断面図である。本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルム1は、符号10で表される基材フィルムの片面に、符号12で表される難燃プライマー層(A)、符号14で表される難燃樹脂層(B)、符号16で表されるおよび難燃接着樹脂層(C)をこの順で有する。
難燃樹脂層(B)
本発明における難燃樹脂層(B)(以下、単に(B)層ともいう)は、以下の要件を満たす必要がある。
(B−1)(B)層の厚さは、15〜50μmである。
(B−2)(B)層は、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にポリイソシアネート系硬化剤0.3〜3.0質量部、シクロホスファゼン化合物5〜35質量部、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤150〜300質量部を含有する組成物の硬化により形成される。
以下、各要件について説明する。
上記(B−1)において、(B)層の厚さは、15〜50μmである。厚さが15μm未満では、所望の難燃性を満たすことができない。逆に50μmを超えると柔軟性が低下するため好ましくない。さらに好ましい厚さは20〜45μmである。
上記(B−2)において、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂は、当業界で公知の樹脂であることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分の縮重合により得られ、組み合わせによりガラス転移温度等をはじめとする性質を自由に選ぶことができる。ポリエステル系樹脂の数平均分子量は、10,000〜35,000であることが好ましく、15,000〜30,000であることがより好ましい。
ポリイソシアネート系硬化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート系硬化剤または脂環族ポリイソシアネート系硬化剤を用いることができる。これらの硬化剤としては、脂肪族または脂環族の有機ポリイソシアネート単独、これらのイソシアヌレート型、ビウレット型、アダクト型の3官能以上のポリイソシアネート化合物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
シクロホスファゼン化合物は、下記式(1)で表される化合物が、難燃性、層間密着性、導電体との密着性の観点から好ましい。
Figure 2010228210
(式中、mは3〜25の整数を示す。Rはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基を示す)
Rで表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等のC6-14アリール基の他、ビスアリール基[例えば、ビフェニリル基、ビスアリールアルカン(ジフェニルメタン、2,2−ジフェニルプロパン等)、ビスアリールケトン(ジフェニルケトン等)、ビスアリールエーテル(ジフェニルエーテル等)、ビスアリールスルホン(ジフェニルスルホン等)、ビスアリールスルフィド(ジフェニルスルフィド等)等のビスアリール類に対応する炭素数12〜20程度のビスアリール基等]等が挙げられる。
Rで表されるアリール基は、置換基を有していてもよい。このような置換基としては、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、アミル基等のC1-10アルキル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基等のC5-8シクロアルキル基等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基等が挙げられる。置換基を有する場合、置換基の個数は、とくに制限されず、例えば、1〜4個、好ましくは1〜3個程度であってもよい。
中でも難燃性、層間密着性、導電体との密着性の観点から、下記式(2)で表されるシクロホスファゼン化合物がとくに好ましい。
Figure 2010228210
本発明で使用されるシクロホスファゼン化合物は、架橋基で架橋されていてもよい。このような架橋物は、シクロホスファゼン化合物を二価の架橋基で架橋することにより得ることができる。なお、前記架橋基で例えば式(1)で表されるシクロホスファゼン化合物を架橋する場合、一組のR基に替えて、二価の架橋基が導入されている。
二価の架橋基には、フェニレン基(o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基)、下記式(3)で表されるビフェニレン基等が含まれる。前記架橋基は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
Figure 2010228210
[式中、Aは−C(CH3)2−、−SO2−、−S−または−O−を表す。aは0または1を表す]。
上記シクロホスファゼン化合物の製造方法は、例えば、特開2003−82211号公報等に記載されている。
(B)層は、上記のように、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にポリイソシアネート系硬化剤0.3〜3.0質量部、シクロホスファゼン化合物5〜35質量部、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤150〜300質量部を含有する組成物の硬化により形成される。
ポリイソシアネート系硬化剤の配合割合が0.3質量部未満であると、フラットケーブルに成形後の耐熱性が低下し好ましくなく、逆に3.0質量部を超えると、フラットケーブルに成形する際のラミネート成形性が悪くなり好ましくない。
シクロホスファゼン化合物の配合割合が5質量部未満あるいは35質量部を超えると、UL758のVW−1試験に合格できず、難燃性が悪化する。
水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤の配合割合が150質量部未満であると、難燃性が悪化する。逆に300質量部を超えると、フラットケーブルに成形する際のラミネート成形性が悪くなり好ましくない。
(B)層において、ポリイソシアネート系硬化剤は、本発明の効果の点から、1.0〜2.0質量部がさらに好ましい。
シクロホスファゼン化合物は、本発明の効果の点から、10〜30質量部がさらに好ましい。
水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤は、本発明の効果の点から、170〜250質量部がさらに好ましい。
難燃接着樹脂層(C)
本発明における難燃接着樹脂層(C)(以下、単に(C)層ともいう)は、以下の要件を満たす必要がある。
(C−1)(C)層の厚さは、5〜20μmである。
(C−2)(C)層は、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にシクロホスファゼン化合物5〜15質量部、水酸化アルミニウムおよびホウ酸亜鉛から選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤50〜150質量部を含有する組成物により形成される。
以下、各要件について説明する。
上記(C−1)において、(C)層の厚さは、5〜20μmである。厚さが5μm未満では、所望の導電体との密着性を満たすことができない。逆に20μmを超えると難燃性が低下するため好ましくない。さらに好ましい厚さは8〜17μmである。
上記(C−2)において、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂は、上記(B)層において説明した熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂が挙げられ、好ましい形態も(B)層と同様である。
上記(C−2)において、シクロホスファゼン化合物は、上記(B)層において説明したシクロホスファゼン化合物が挙げられ、好ましい形態も(B)層と同様である。
(C)層は、上記のように、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にシクロホスファゼン化合物5〜15質量部、水酸化アルミニウムおよびホウ酸亜鉛から選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤50〜150質量部を含有する組成物により形成される。
シクロホスファゼン化合物の配合割合が5質量部未満あるいは15質量部を超えると、UL758のVW−1試験に合格できず、難燃性が悪化する。
水酸化アルミニウムおよびホウ酸亜鉛から選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤の配合割合が50質量部未満であると、難燃性が悪化する。逆に150質量部を超えると、導電体との密着性が悪化し、好ましくない。
(C)層において、シクロホスファゼン化合物は、本発明の効果の点から、7〜12質量部がさらに好ましい。
水酸化アルミニウムおよびホウ酸亜鉛から選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤は、本発明の効果の点から、80〜120質量部がさらに好ましい。
なお、(C)層において、水酸化マグネシウムの使用は、導電体との密着性の観点から好ましくない。また(C)層には、本発明の効果を損ねない範囲において、粘度を調整するために少量のポリイソシアネート系化合物を添加してもよい。
難燃プライマー層(A)
本発明における難燃プライマー層(A)(以下、単に(A)層ともいう)は、以下の要件を満たすことが好ましい。
(A−1)(A)層の厚さは、1〜8μmである。
(A−2)(A)層は、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にポリイソシアネート系硬化剤1〜20質量部、シクロホスファゼン化合物10〜30質量部を含有する組成物の硬化により形成される。
上記(A−1)において、(A)層の厚さが1〜8μmであると、難燃性をさらに向上させることができる。さらに好ましい厚さは2〜4μmである。
上記(A−2)において、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂は、上記(B)層において説明した熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂が挙げられ、好ましい形態も(B)層と同様である。
上記(A−2)において、ポリイソシアネート系硬化剤は、上記(B)層において説明したポリイソシアネート系硬化剤が挙げられる。
上記(A−2)において、シクロホスファゼン化合物は、上記(B)層において説明したシクロホスファゼン化合物が挙げられ、好ましい形態も(B)層と同様である。
(A)層は、上記のように、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部に、ポリイソシアネート系硬化剤1〜20質量部、シクロホスファゼン化合物10〜30質量部を含有する組成物の硬化により形成される。
ポリイソシアネート系硬化剤の配合割合が1質量部未満であると、基材フィルムとの密着性が悪化する。逆に20質量部を超えると、(A)層の架橋密度が高くなり過ぎ柔軟性に欠けるため好ましくない。また、シクロホスファゼン化合物の配合割合が10〜30質量部であることにより、難燃性をさらに向上させることができる。
(A)層において、ポリイソシアネート系硬化剤は、本発明の効果の点から、5〜15質量部がさらに好ましい。
(A)層において、シクロホスファゼン化合物は、本発明の効果の点から、15〜25質量部がさらに好ましい。
本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルムにおいて、シクロホスファゼン化合物のリン濃度は、0.3〜0.7質量%の範囲に調整するのがとくに好ましい。このリン濃度の範囲によれば、難燃性をとくに向上させることができる。
なお、シクロホスファゼン化合物の替わりにリン酸エステルを使用した場合、同等の難燃性を出すには、リン酸エステルを高添加する必要があり、さらに加水分解によるベトツキ、ブリードがあり、本発明に使用することができない。また、縮合リン酸エステルを使用した場合も、シクロホスファゼン化合物に比べ、難燃性、密着性に劣る。
本発明で使用される基材フィルムは、とくに制限されないが、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルム等を挙げることができる。これらの中で、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、機械的特性や材料コストのバランスが優れとくに好ましい。基材フィルムの厚さは例えば4〜60μmであり、より好ましくは12〜50μmである。基材フィルムの厚さが4μm未満であると、フィルムの加工作業性が低下するとともに、フラットケーブル被覆用のフィルムとして強度が不足するおそれがある。基材フィルムの厚さが60μmを超えると、充分な難燃性を付与することが困難となるおそれがある。また、基材フィルムの幅はとくに制限されない。
本発明において、基材フィルム上に(A)〜(C)層を形成する方法としては、例えば、各層を形成するための組成物をエアドクタコーター、フレキシブルブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスコーター、スプレイコーター等を用いて基材フィルム上にコーティングする方法が挙げられる。これらの中で、(A)層を形成する場合、グラビアコーターは、グラビアロールの版深度を選択することにより、容易に塗工厚さを任意に調整することができるので、好適に用いることができる。また、(B)層、(C)層を形成する場合、ナイフコーターは、塗布厚みに適したコーティング方法として、好適に用いることができる。
本発明のフラットケーブルは、本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルムにより導電体を被覆してなるフラットケーブルである。本発明のフラットケーブルの製造方法にとくに制限はなく、例えば、長尺の本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルム2枚を、(C)層を上面にして左右から送り出し、その間に平行に引き揃えた導電体の平角線を挟み込み、熱プレスロールで熱プレスして2層の(C)層を互いに融着させ製造することができる。送り出される非ハロゲン系難燃積層フィルムには、導電体の平角線を挟み込む前に孔を打ち抜くとともに、端末補強テープを貼着することができる。2層の(C)層を互いに融着させたのち、両側端をスリットして所定の仕上げ幅とし、孔と端末補強テープの部分で切断して、本発明のフラットケーブルを完成することができる。本発明のフラットケーブルは、優れた難燃性を有する本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルムによって積層されているので、UL758の垂直燃焼試験のVW−1合格に相当する難燃性を有する。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
基材フィルムとして、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた(東レ(株)製、S−10、二軸PET(1)と呼称する)。
(A)層形成用の組成物として以下の処方の(A−1)を用いた。
飽和ポリエステル系樹脂(1) 100質量部
ポリイソシアネート系硬化剤(1) 12質量部
シクロホスファゼン化合物(1) 20質量部
溶剤(メチルエチルケトン(MEK)) 270質量部
ここで、飽和ポリエステル系樹脂(1)は、東洋紡績(株)製の熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂(非晶性)、バイロン560であり、ガラス転移温度は7℃である。
ポリイソシアネート系硬化剤(1)は、日本ポリウレタン工業(株)製のトリレンジイソシアネート、コロネート Lである。
シクロホスファゼン化合物(1)は、上記一般式(2)で表される、大塚化学(株)製、SPS−100(白色、淡黄色固体、融点110℃、リン含有量13%)である。
(B)層形成用の組成物として以下の処方の組成物を用いた。
飽和ポリエステル系樹脂(1) 100質量部
ポリイソシアネート系硬化剤(1) 1.5質量部
シクロホスファゼン化合物(1) 20質量部
水酸化マグネシウム5A 160質量部
水酸化アルミニウム H42M 60質量部
溶剤(MEK) 170質量部
ここで、水酸化マグネシウム5Aは、協和化学工業(株)製のキスマ5Aである。
水酸化アルミニウムH42Mは、昭和電工(株)製のハイジライト H42Mである。
(C)層形成用の組成物として以下の処方の組成物を用いた。
飽和ポリエステル系樹脂(2) 55質量部
飽和ポリエステル系樹脂(3) 30質量部
飽和ポリエステル系樹脂(4) 15質量部
シクロホスファゼン化合物(1) 10質量部
水酸化アルミニウムH42M 50質量部
ホウ酸亜鉛FRF−30C 50質量部
溶剤(MEK) 150質量部
溶剤(トルエン) 150質量部
ここで、飽和ポリエステル系樹脂(2)は、東洋紡績(株)製、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂、バイロン500である。
飽和ポリエステル系樹脂(3)は、東洋紡績(株)製、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂、バイロン200である。
飽和ポリエステル系樹脂(4)は、ユニチカ(株)製、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂、エリーテル UE3500である。
ホウ酸亜鉛FRF−30Cは、水澤化学工業(株)製のアルカネックス FRF−30Cである。
基材フィルム上に、上記(A)〜(C)層形成用の組成物を、表1に示す厚さとなるようにグラビアコーター、ナイフコーターを用い、順次コーティングした。難燃剤の分散不良による塗布欠点はなく、塗工性は良好であり、塗膜に厚さむら、つぶ(凝集物)、くぼみ(ピンホール)等の異常は認められず、フィルムの外観は良好であった。
以上の様にして作成した非ハロゲン系難燃積層フィルムを用い次の様にフラットケーブルを作成した。 本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルム2枚を、(C)層が互いに対向するように上下に配置し、その間に厚さ0.05mm、幅0.8mmの平角導電体を1mm間隔で25本平行に並べ挟み込んだ。圧着された2本の加熱ゴムロール(表面温度160℃)を2m/min.の速度で回転させ、導電体を中央に挟み込んだ本発明の難燃積層フィルムをロール間に通し、上下のフィルムおよび導電体を熱融着させた後、両端側をスリットすることにより、仕上げ幅40mmのフラットケーブルを作成した。得られたフラットケーブルに対し、以下の評価を行なった。
(1)難燃性(UL758、垂直燃焼試験(VW−1試験))
VW−1の合格基準は、得られたフラットケーブルでの試験で、試料(長さ450mm)を垂直に保持した状態で、ガスバーナーにより15秒間炎を当て、次に15秒間炎を消し、これを5回繰り返して、いずれの5回の燃焼後でも60秒以内に消火するというものである。また、この5回の燃焼試験を繰り返している間に、燃焼装置の上部に設置された旗や下部に設置された綿が燃焼しないことも求められる。
上記試験を、サンプル数n=5で行ない、下記の基準で判定した。
◎:5個全て、VW−1に合格。
○:4個、VW−1に合格。
△:1〜3個、VW−1に合格。
×:5個全て、VW−1不合格。
(2)密着性(基材フィルムと(A)層との密着性)
作成したフラットケーブルの端部より、上下どちらか一方の積層フィルムを引き剥がし、その状態により密着性評価を実施した。
評価基準を以下に示す。
○: 強固に密着し、容易に基材フィルムが破断する。
△: 凝集破壊を伴い剥離した後、基材フィルムが破断に至る。
×: 容易に剥離可能であり基材フィルムを破断させる密着力がない。
(3)密着性((C)層と導電体との密着性)
作成したフラットケーブルの(C)層と導電体の一部を引き剥がし、引き剥がした導電体を元の形成面に対し180度の角度に折り曲げて、その方向に導電体を100mm/min.の引張り速度で引張り、剥離強度を測定した。
評価基準を以下に示す。
○: 600mN/mm以上
△: 300mN/mm以上、600mN/mm未満
×: 300mN/mm以下
結果を表1に示す。
実施例2〜3
(B)層および(C)層の厚さを表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表1に示す。
実施例4〜5
シクロホスファゼン化合物の配合割合を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表1に示す。
実施例6〜7
非ハロゲン系難燃剤の配合割合を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
実施例8〜10
(A)層形成用の組成物として以下の処方の(A−2),(A−3),(A−4)を用いたこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
A−2
飽和ポリエステル系樹脂(1) 100質量部
ポリイソシアネート系硬化剤(1) 12質量部
シクロホスファゼン化合物(1) 8質量部
溶剤(メチルエチルケトン(MEK)) 270質量部
A−3
飽和ポリエステル系樹脂(1) 100質量部
ポリイソシアネート系硬化剤(1) 12質量部
シクロホスファゼン化合物(1) 35質量部
溶剤(メチルエチルケトン(MEK)) 270質量部
A−4
飽和ポリエステル系樹脂(1) 100質量部
シクロホスファゼン化合物(1) 20質量部
溶剤(メチルエチルケトン(MEK)) 270質量部
実施例11〜12
(A)層の厚さを表3に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表3に示す。
実施例13〜15
基材フィルムの厚さを表3に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表3に示す。
実施例16
(B)層形成用の組成物において、飽和ポリエステル系樹脂(1)を飽和ポリエステル系樹脂(2)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表4に示す。
実施例17
(B)層および(C)層形成用の組成物において、シクロホスファゼン化合物(1)をシクロホスファゼン化合物(2)に変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表4に示す。
なお、シクロホスファゼン化合物(2)は、上記一般式(2)で表される、(株)伏見製薬所製、FP−100(白色、淡黄色固体、融点110℃、リン含有量13.4%)である。
比較例1
(C)層の厚さを表5に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表5に示す。
比較例2
(B)層の厚さを表5に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表5に示す。
比較例3〜5
(B)層および(C)層形成用の組成物において、シクロホスファゼン化合物(1)の配合割合を表5に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表5に示す。
比較例6〜8
(B)層および/または(C)層形成用の組成物において、非ハロゲン系難燃剤の配合割合を表6に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表6に示す。
比較例9〜10
(B)層および(C)層形成用の組成物において、シクロホスファゼン化合物(1)を縮合リン酸エステル(1)に変更し、表7に示す配合割合でもって配合したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表7に示す。
なお、縮合リン酸エステル(1)は、大塚化学(株)製、PX−200(固体、リン含有率9.0%)である。
比較例11
(B)層および(C)層形成用の組成物の処方を、表7に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰り返した。結果を表7に示す。
なお、ポリリン酸アンモニウム(1)は クラリアントジャパン(株)製、商品名AP−422である。
メラミンシアヌレート(1)は、堺化学工業(株)製、STABIACE MC−5Sである。
Figure 2010228210
Figure 2010228210
Figure 2010228210
Figure 2010228210
Figure 2010228210
Figure 2010228210
Figure 2010228210
表1〜7の結果から、以下の事項が導き出される。
・実施例1は、難燃樹脂層(B)および難燃接着樹脂層(C)の厚さを適切に設定し、かつ特定の難燃剤を特定割合でもって配合しているので、難燃性に優れ、層間密着性、導電体との密着性にも優れる非ハロゲン系難燃積層フィルムが得られる。
・実施例2は、難燃樹脂層(B)の厚さを20μm、難燃接着樹脂層(C)の厚さを8μmにした例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が○評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例3は、難燃樹脂層(B)の厚さを45μm、難燃接着樹脂層(C)の厚さを16μmにした例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例4は、難燃樹脂層(B)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を7質量部、難燃接着樹脂層(C)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を6質量部にした例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例5は、難燃樹脂層(B)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を32質量部、難燃接着樹脂層(C)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を13質量部にした例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例6は、難燃樹脂層(B)の水酸化マグネシウム5Aの添加量を110質量部、水酸化アルミニウムH42Mの添加量を50質量部、難燃接着樹脂層(C)の水酸化アルミニウムH42Mの添加量を30質量部、ホウ酸亜鉛FRF−30Cの添加量を30質量部にした例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例7は、難燃樹脂層(B)の水酸化マグネシウム5Aの添加量を170質量部、水酸化アルミニウムH42Mの添加量を100質量部、難燃接着樹脂層(C)の水酸化アルミニウムH42Mの添加量を70質量部、ホウ酸亜鉛FRF−30Cの添加量を70質量部にした例で、密着性((C)層と導電体)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例8は、難燃プライマー層(A)形成用の組成物にA−2を使用した例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例9は、難燃プライマー層(A)形成用の組成物にA−3を使用した例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例10は、難燃プライマー層(A)形成用の組成物にA−4を使用した例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)、密着性(基材フィルムと(A)層)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例11は、難燃プライマー層(A)の厚さを0.5μmにした例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)、密着性(基材フィルムと(A)層)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例12は、難燃プライマー層(A)の厚さを9μmにした例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例13は、基材フィルムに厚さ12μmの二軸PET(2)を使用した例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例14は、基材フィルムに厚さ50μmの二軸PET(3)を使用した例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が○評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例15は、基材フィルムに厚さ75μmの二軸PET(4)を使用した例で、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が△評価になった。その他の性能は実施例1と同様であった。
・実施例16は、難燃樹脂層(B)形成用の組成物に飽和ポリエステル系樹脂(2)を使用した例で、実施例1と同様の性能を示した。
・実施例17は、難燃樹脂層(B)形成用の組成物にシクロホスファゼン化合物(2)を、難燃接着樹脂層(C)形成用の組成物にシクロホスファゼン化合物(2)を使用した例で、実施例1と同様の性能を示した。
・比較例1は、難燃接着樹脂層(C)の厚さを4μmにした例で、本発明の範囲外であるため、密着性((C)層と導電体)が×評価になった。
・比較例2は、難燃樹脂層(B)の厚さを13μmにした例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価になった。
・比較例3は、難燃樹脂層(B)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を4質量部、難燃接着樹脂層(C)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を4質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価になった。
・比較例4は、難燃樹脂層(B)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を37質量部、難燃接着樹脂層(C)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を17質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価になった。
・比較例5は、難燃樹脂層(B)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を16質量部、難燃接着樹脂層(C)のシクロホスファゼン化合物(1)の添加量を3質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価になった。
・比較例6は、難燃樹脂層(B)の水酸化マグネシウム5Aの添加量を100質量部、水酸化アルミニウムH42Mの添加量を40質量部、難燃接着樹脂層(C)の水酸化アルミニウムH42Mの添加量を20質量部、ホウ酸亜鉛FRF−30Cの添加量を20質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価になった。
・比較例7は、難燃樹脂層(B)の水酸化マグネシウム5Aの添加量を80質量部、水酸化アルミニウムH42Mの添加量を50質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価になった。
・比較例8は、難燃接着樹脂層(C)の水酸化アルミニウムH42Mの添加量を90質量部、ホウ酸亜鉛FRF−30Cの添加量を90質量部にした例で、本発明の範囲外であるため、密着性((C)層と導電体)が×評価になった。
・比較例9は、難燃樹脂層(B)形成用の組成物に縮合リン酸エステル(1)を20質量部、難燃接着樹脂層(C)形成用の組成物に縮合リン酸エステル(1)を10質量部を使用した例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価、密着性((C)層と導電体)が△評価になった。
・比較例10は、難燃樹脂層(B)形成用の組成物に縮合リン酸エステル(1)を30質量部、難燃接着樹脂層(C)形成用の組成物に縮合リン酸エステル(1)を20質量部を使用した例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価、密着性((C)層と導電体)が×評価になった。
・比較例11は、難燃樹脂層(B)形成用の組成物にポリリン酸アンモニウム(1)を50質量部、難燃接着樹脂層(C)形成用の組成物にホウ酸亜鉛50質量部、メラミンシアヌレート50質量部を使用した例で、本発明の範囲外であるため、難燃性(UL758、垂直燃焼試験)が×評価、密着性((C)層と導電体)が△評価になった。
本発明の非ハロゲン系難燃積層フィルムおよびフラットケーブルは、UL758のVW−1試験に合格するような高度な難燃性を有し、層間密着性、導電体との密着性にも優れるので、コンピュータ、通信機器、オーディオ・ビデオ機器等の高密度配線に好適に用いられる。
1 非ハロゲン系難燃積層フィルム
10 基材フィルム
12 難燃プライマー層(A)
14 難燃樹脂層(B)
16 難燃接着樹脂層(C)

Claims (6)

  1. 基材フィルムの片面に、難燃プライマー層(A)、難燃樹脂層(B)および難燃接着樹脂層(C)をこの順で有する非ハロゲン系難燃積層フィルムであって、
    前記難燃樹脂層(B)が、厚さ15〜50μmであり、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にポリイソシアネート系硬化剤0.3〜3.0質量部、シクロホスファゼン化合物5〜35質量部、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムから選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤150〜300質量部を含有する組成物の硬化により形成されたものであり、
    前記難燃接着樹脂層(C)が、厚さ5〜20μmであり、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にシクロホスファゼン化合物5〜15質量部、水酸化アルミニウムおよびホウ酸亜鉛から選ばれた1種以上の非ハロゲン系難燃剤50〜150質量部を含有する組成物により形成されたものであることを特徴とする非ハロゲン系難燃積層フィルム。
  2. 前記難燃プライマー層(A)が、厚さ1〜8μmであり、熱可塑性飽和共重合ポリエステル系樹脂100質量部にポリイソシアネート系硬化剤1〜20質量部、シクロホスファゼン化合物10〜30質量部を含有する組成物の硬化により形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の非ハロゲン系難燃積層フィルム。
  3. 前記シクロホスファゼン化合物が、下記式(1)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の非ハロゲン系難燃積層フィルム。
    Figure 2010228210
    (式中、mは3〜25の整数を示す。Rはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基を示す)
  4. 前記式(1)が、下記式(2)で表されることを特徴とする請求項3に記載の非ハロゲン系難燃積層フィルム。
    Figure 2010228210
  5. 前記基材フィルムが、厚さ4〜60μmであり、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の非ハロゲン系難燃積層フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の非ハロゲン系難燃積層フィルムにより導電体を被覆してなることを特徴とするフラットケーブル。
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