JP3392285B2 - 絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤 - Google Patents

絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤

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JP3392285B2
JP3392285B2 JP06815596A JP6815596A JP3392285B2 JP 3392285 B2 JP3392285 B2 JP 3392285B2 JP 06815596 A JP06815596 A JP 06815596A JP 6815596 A JP6815596 A JP 6815596A JP 3392285 B2 JP3392285 B2 JP 3392285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、絶縁テープの接着剤層を構成す
る難燃化熱可塑性接着剤に係り、特に、良好な接着性を
有し、しかも、難燃性と耐ブロッキング性とにおいても
優れた特性が有利に発揮され得る絶縁テープ用難燃化熱
可塑性接着剤に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、ポリエステルフィルム等の樹脂
フィルム上に、電気絶縁性を有する接着剤層が塗工形成
されて、構成された絶縁テープが知られており、これ
は、例えば、銅箔の両面に絶縁テープが貼り付けられて
なる、電子・電気機器や自動車等の内部配線用フラット
ケーブルの構成材料として、用いられている。特開平5
−159632号公報にも、その一例が明らかにされて
いる。
【0003】ところで、そのような用途に使用される絶
縁テープにおいては、優れた接着作業性と難燃性とを有
していることが要求されるため、一般に、その接着剤層
が、接着成分たる熱可塑性ベースレジンに、デカブロモ
ジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノール
A、エチレンビスペンタブロモジフェニル等の難燃剤、
更には必要に応じて、三酸化アンチモン、水酸化アルミ
ニウム等の無機系の難燃剤乃至は難燃助剤が配合された
組成を有する難燃化熱可塑性接着剤が用いられて、構成
されている。
【0004】ところが、それらの難燃剤や難燃助剤は、
通常、粉状の固体形態を有しているものが多いために、
従来の絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤において、高
度な難燃性を確保すべく、多量の難燃剤や難燃助剤を添
加せしめた場合にあっては、そのような難燃剤や難燃助
剤の多量の配合によって、接着力の低下や、溶融時の流
れ性の問題等が惹起されるばかりでなく、ハロゲン化有
機化合物、特に臭素化有機化合物の如き難燃剤の場合に
おいては、その燃焼時に融解して、ドリップが生ずる恐
れが大きかったのであり、それ故に、難燃剤と難燃助剤
の配合量が必然的に制限されてしまい、十分な難燃性を
得ることが極めて困難であったのである。
【0005】また、よく知られているように、熱可塑性
接着剤を用いて接着剤層が構成された絶縁テープおいて
は、ロール状に巻き付けられた状態で、例えば夏場等の
保存時等において、高温雰囲気中に長時間晒されたりす
ると、接着剤層とその表面に接触せしめられる樹脂フィ
ルムとが貼り付いてしまい、ロールの巻き戻しが不能乃
至は困難となる、所謂ブロッキングが生じることが往々
にしてあり、それが大きな問題となっているのである
が、本発明者等の研究によれば、上述の如く、単に、熱
可塑性接着剤に対して、比較的少量の難燃剤や難燃助剤
を配合せしめてなる、従来の絶縁テープ用難燃化熱可塑
性接着剤においては、そのようなブロッキングの発生が
十分に防止され得ないことが、明らかとなったのであ
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、接着性が何等低下せしめられることなく、
難燃性と耐ブロッキング性とが、何れも大幅に向上され
得る絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤を提供すること
にある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明者等は、かかる課題の解決
のために、鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性ベースレジ
ンに所定の難燃剤が配合されてなる組成を有する熱可塑
性接着剤に対して、耐火物原料等として知られるシリカ
が疎水化されて構成された疎水性シリカを配合せしめる
ことによって、かかる熱可塑性接着剤の難燃性が有利に
改善され得るばかりでなく、耐ブロッキング性が効果的
に向上され得ることが明らかとなったのであり、更にそ
れと同時に、そのような疎水性シリカを過剰に配合せし
めると、反って、接着性が低下してしまうことも、判明
したのである。また、そのような熱可塑性接着剤に対し
て、所定の板状無機充填剤を配合せしめる場合、疎水性
シリカを配合せしめたときほどではないにしろ、ある程
度のブロッキング防止効果が得られ、しかも、この場合
においては、特に、かかる板状無機充填剤の配合量がか
なり多くの量に達するまで、比較的安定した接着力が良
好に維持され得ることが明らかとなったのである。
【0008】そこで、本発明者等は、そのような事実を
踏まえて、更に検討を進めた結果、疎水性シリカと所定
板状無機充填剤とを併用し、それらを、それぞれ特定
の割合となる量において、前記熱可塑性接着剤に配合せ
しめることによって、疎水性シリカの配合に起因する接
着性の低下が、かかる板状無機充填剤によって有利に抑
制され得て、接着性が良好に維持されつつ、難燃性の改
善が有利に図られ得ると共に、耐ブロッキング性が、よ
り効果的に高められ得ることを見い出したのである。
【0009】本発明は、そのような知見に基づいて完成
されたものであって、熱可塑性ベースレジンの100重
量部に対して20〜60重量部の難燃剤及び30重量部
以下の難燃助剤が配合されてなる組成を有する、樹脂フ
ィルム上に層状に塗布されて、絶縁テープの接着剤層を
構成する絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤において、
前記熱可塑性ベースレジンの100重量部に対して、疎
水性シリカを5〜10重量部の割合で含み、且つ板状無
機充填剤としてのタルクを5〜50重量部の割合で含ん
でなるところに、その大きな特徴を有しているのであ
る。
【0010】つまり、本発明に従う絶縁テープ用難燃化
熱可塑性接着剤にあっては、所定の難燃剤に加えて、難
燃性(耐火性)に富む疎水性シリカと、所定の板状無機
充填剤とが、熱可塑性ベースレジンに配合せしめられて
いることから、難燃性の改善が効果的に図られ得るので
あり、しかも、疎水性シリカの配合量が、熱可塑性ベー
スレジンの100重量部に対して5〜10重量部の割合
となる比較的少ない量に抑えられ、また板状無機充填剤
としてのタルクの配合量が、熱可塑性ベースレジンの1
00重量部に対して5〜50重量部の割合となる量とさ
れて、かかる板状無機充填剤の多量の配合が許容されて
いることによって、疎水性シリカの配合による接着性の
低下が有効に阻止されつつ、それら疎水シリカと板状無
機充填剤の協働作用によって、耐ブロッキング性が効果
的に高められ得るのである。
【0011】従って、本発明に係る絶縁テープ用難燃化
熱可塑性接着剤にあっては、接着性が何等低下せしめら
れることなく、難燃性と耐ブロッキング性とが大幅に向
上され得、以てそれら接着性、難燃性、及び耐ブロッキ
ング性の何れにおいても、優れた特性が効果的に発揮さ
れ得るのである。
【0012】また、かかる絶縁テープ用難燃化熱可塑性
接着剤においては、疎水性シリカや所定の板状無機充填
剤、特に、優れた増粘作用を示す疎水性シリカが配合さ
れていることによって、燃焼時の溶融粘度が上昇せしめ
られ得、以てドリップの発生が効果的に防止され得るの
である。
【0013】さらに、かかる絶縁テープ用難燃化熱可塑
性接着剤にあっては、優れたチキソトロピー性の増大作
用をも示す疎水性シリカが配合されているところから、
絶縁テープの作製工程における樹脂フィルム上への塗工
操作に先立って、所定の溶剤に溶解せしめられて、接着
剤液として調製される際に、かかる接着剤液のチキソト
ロピー性が有利に高められ得、それによって、各種配合
剤及び添加剤の沈降、堆積が可及的に防止され得て、該
接着剤液の保存安定性が効果的に向上され得るばかりで
なく、例え、各充填剤の沈降が生じたとしても、優れた
再分散性が発揮され得て、該接着剤液の取扱性が有利に
高められ得るといった利点が得られることとなるのであ
る。
【0014】
【0015】なお、本発明に係る絶縁テープ用難燃化熱
可塑性接着剤にあっては、望ましくは、前記熱可塑性ベ
ースレジンに対して、架橋剤が更に配合せしめられ、そ
れによって、高温での接着力が十分に確保され得て、耐
熱性が有利に高められ得ることとなるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】ところで、前述の如く、本発明に
従う絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤は、所定の熱可
塑性ベースレジンに難燃剤が配合されてなる組成を有し
て、構成されているが、この熱可塑性ベースレジンとし
ては、従来の絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤におい
て、接着成分(主成分)として用いられるものが、何れ
も、適宜に選択使用され得る。即ち、例えば、ポリエス
テル系熱可塑性樹脂やポリウレタン系熱可塑性樹脂等
が、使用され得るのである。
【0017】また、そのような熱可塑性ベースレジンに
配合せしめられる難燃剤は、従来から用いられるものの
中で、後述する如く、かかる接着剤を接着剤液として調
製する際に用いられる溶剤に溶解されないもの、例え
ば、臭素系難燃剤や塩素系難燃剤等が、何れも使用され
得る。更に、かかる絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤
においては、必要に応じて、それらの難燃剤に加えて、
難燃助剤が配合せしめられることとなるが、この難燃助
剤としても、無機系難燃助剤等、従来より公知のもの
が、適宜に選択、使用され得るのである。そして、その
ような臭素系難燃剤としては、デカブロモジフェニルオ
キサイド、ヘキサブロモベンゼン、臭素化ビスフェノー
ルA、エチレンビスペンタブロモジフェニル等が、また
塩素系難燃剤としては、塩素化パラフィン、塩素化ポリ
エチレン等が、更に無機系難燃助剤としては、三酸化ア
ンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等
が、それぞれ、例示され得、それらの一種が単独で、ま
たは二種以上が組み合わされて、用いられるのである。
【0018】なお、それらの難燃剤や難燃助剤の配合量
は、特に限定されるものではないものの、少量の配合で
は、絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤において、十分
な難燃性が得られず、また、過剰に配合せしめられる
と、かかる接着剤の接着性が低下せしめられることにな
るところから、一般には、熱可塑性ベースレジンの10
0重量部に対して、各難燃剤が、合計で、20〜60重
量部程度の割合となる量において、また各難燃助剤が、
合計で、30重量部以下程度の割合となる量において、
添加配合される。
【0019】そして、本発明に係る絶縁テープ用難燃化
熱可塑性接着剤にあっては、特に、そのような熱可塑性
ベースレジンに難燃剤や難燃助剤が配合されてなる配合
系に対して、疎水性シリカと所定の板状無機充填剤とが
配合されて、構成されているのである。
【0020】ところで、ここで用いられる疎水性シリカ
は、耐火物原料として知られる標準的なシリカの表面が
CH3 基で覆われる等して、疎水化されてなるものであ
る。このような疎水性シリカを用いて、前記配合系に配
合せしめることによって、親水性シリカを用いる場合と
は異なり、熱可塑性ベースレジンの加水分解が何等生ぜ
しめられることなく、前記接着剤の難燃性が有利に向上
され得るのである。
【0021】また、この疎水性シリカは、所定のゴム材
料や樹脂材料等の粘度を上昇させる増粘剤として、或い
は塗料等のチキソトロピー性を増大させて、該塗料中の
顔料等の沈降を防止する沈降防止剤等として、一般に使
用されているものであって、そのようなシリカが用いら
れて、本発明に従う接着剤が構成されているのである。
従って、かかる疎水性シリカが含有せしめられてなる絶
縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤にあっては、燃焼時の
溶融粘度が上昇せしめられ得て、ドリップの発生が効果
的に防止され得るのであり、しかも、接着剤液として調
製される際に、チキソトロピー性が有利に高められ得、
それによって、各種充填剤の沈降、堆積が可及的に防止
され得、またそれが生じたとしても、優れた再分散性が
発揮され得て、該接着剤液の保存安定性と取扱性とが、
何れも効果的に向上され得るのである。
【0022】さらに、前述の如く、かかる疎水性シリカ
は、板状無機充填剤(タルク)と協働して、絶縁テープ
用難燃化熱可塑性接着剤の耐ブロッキング性の向上に大
きく貢献するものであるが、その特徴を有利に引き出す
上で、前記配合系に対する配合量、換言すれば、接着剤
中の含有量が、熱可塑性ベースレジンの100重量部に
対して5〜10重量部の範囲の割合となる量とされてい
る必要がある。けだし、その含有量が上述の如き範囲を
下回る場合、接着剤の耐ブロッキング性の向上が望まれ
得なくなるからであり、また、その含有量が前記特定な
範囲を上回る場合には、接着剤の接着性が低下せしめら
れることとなるからである。
【0023】なお、そのような疎水性シリカとしては、
一般に、粒状若しくは粉状の固形の粉粒体が用いられる
こととなるが、その具体的形状は、何等限定されるもの
ではない。また、その粒径も、特に限定されるものでは
なく、前記熱可塑性ベースレジンに対する分散性等を考
慮して、適宜に決定されるところではあるが、通常、
0.01〜10μm程度とされる。
【0024】一方、疎水性シリカと共に、前記配合系に
配合せしめられる板状無機充填剤としては、一般的な樹
脂材料の充填剤として従来から用いられる無機系の充填
剤のうち、粒子形状が、文字通り、板状の二軸配向性形
状を呈するものであって、それらの中から、本発明で
は、有利には、容易に且つ安価に入手可能なタルクが使
用されることとなる。また、このタルクについても、そ
の種類が特に限定されるものではなく、各種のものが何
れも使用され得るものである。
【0025】そして、そのような板状無機充填剤(タル
ク)の前記配合系に対する配合量、即ち、絶縁テープ用
難燃化熱可塑性接着剤中の含有量は、熱可塑性ベースレ
ジンの100重量部に対して5〜50重量部の割合の範
囲となる量とされている必要がある。何故なら、前述の
如く、板状無機充填剤が、前記疎水性シリカと共に、絶
縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤中に含有せしめられて
いることによって、疎水性シリカの配合による接着剤の
接着性の低下が有利に抑制されつつ、耐ブロッキング性
が効果的に高められ得るのであるが、板状無機充填剤の
接着剤中の含有量が上述の如き範囲を下回る場合には、
そのような板状無機充填剤の添加効果が有効に享受され
得ず、接着剤の接着性の低下が惹起されると共に、耐ブ
ロッキング性の十分な向上が望まれ得なくなる恐れが大
きいからであり、また、板状無機充填剤が、上述の如き
範囲を上回って、接着剤中に過剰に含有せしめられる場
合には、接着剤の接着性に悪影響を及ぼすこととなるか
らである。
【0026】なお、そのように、板状無機充填剤として
のタルクが、上述の如き範囲で接着剤に含有せしめられ
ることによって、接着剤の接着性が有利に確保されるの
は、板状の二軸配向性形状を呈する板状無機充填剤の粒
子形状に起因して、接着剤の凝集力が適度に低下せしめ
られ、それによって、剥離の抵抗力が増大せしめられる
ためであると考えられ、一方、その含有量が上述の如き
範囲を上回ると、接着剤の接着性の低下が惹起されるの
は、そのような板状無機充填剤の過剰の含有によって、
接着剤の凝集力が過度に低下せしめられてしまうことに
よるものと考えられる。
【0027】また、かかる板状無機充填剤の粒径は、特
に限定されるものではなく、前記疎水性シリカと同様
に、前記熱可塑性ベースレジンに対する分散性等を考慮
して、適宜に決定されるところではあるが、一般に、
0.1〜10μm程度とされる。
【0028】そして、本発明に係る絶縁テープ用難燃化
熱可塑性接着剤にあっては、熱可塑性ベースレジンに難
燃剤や難燃助剤が配合せしめられてなる配合系に対し
て、上述の如き疎水性シリカと板状無機充填剤の他、必
要に応じて、従来から用いられる公知の配合剤や添加剤
等が、種々の目的をもって、従来と同様な配合比率によ
り配合せしめられることとなる。即ち、かかる接着剤に
おいては、例えば、隠蔽性を付与するために、二酸化チ
タン等が配合され得、またその他、熱膨張係数の低下や
間隙充填性の付与、更には価格の低下等を目的とした各
種の充填剤や、可塑剤、酸化防止剤、銅害防止剤等が、
配合され得るのである。
【0029】また、特に、かかる絶縁テープ用難燃化熱
可塑性接着剤においては、そのような各種配合剤の中の
一つとして、有利には、架橋剤が配合されて、含有せし
められることとなる。この架橋剤としては、熱可塑性接
着剤の配合剤として、従来から用いられるものが、何れ
も使用され得るものであり、例えば、イソシアネート化
合物やエポキシ化合物等が用いられる。そして、そのよ
うな架橋剤が配合、含有せしめられることによって、接
着成分(主成分)たる熱可塑性ベースレジンが架橋され
て、絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤の接着力や凝集
力が向上され得ることは勿論、特に、高温下での接着
性、即ち耐熱性が効果的に高められ得ることとなる。な
お、かかる架橋剤の配合量は、特に限定されるものでは
なく、その添加目的を勘案して、適宜に決定される。
【0030】而して、一般に、かくの如き構成を有する
絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤を調製する際には、
所定の溶剤を用い、この溶剤中に、前述の如き熱可塑性
ベースレジンを溶解すると共に、難燃剤、疎水性シリ
カ、及び板状無機充填剤、更には必要に応じて、難燃助
剤や架橋剤を始めとする各種の配合剤を、それぞれ、含
有、分散せしめて、接着剤液として、調製するのであ
る。
【0031】また、かくして接着剤液に調製された絶縁
テープ用難燃化熱可塑性接着剤を用いて、PETフィル
ムの一面上に、所定の厚さで塗布した後、これを乾燥せ
しめることにより、かかる接着剤からなる接着剤層が形
成されて、絶縁テープが作製されるのであり、そして、
この絶縁テープが、優れた接着性と難燃性とを有し、し
かもブロッキングの発生が有利に防止され得てなるフラ
ットケーブル用絶縁テープとして、極めて有利に用いら
れることとなるのである。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0033】先ず、熱可塑性ベースレジンとして、芳香
族ポリエステルウレタン樹脂〔クリスボンNT−81
0:大日本インキ(株)製〕を所定量準備し、また、難
燃剤として、臭素系難燃剤であるエチレンビスペンタブ
ロモジフェニル〔サイテックス8010:アルベマール
コーポレーション〕を、難燃助剤として、三酸化アンチ
モンを、それぞれ所定量準備した。更に、疎水性シリカ
〔アエロジルR972:日本アエロジル(株)製〕を所
定量準備すると共に、板状無機充填剤として、タルク
〔シムゴン:日本タルク(株)製〕とクレー〔サムソン
クレー:高木クレー(株)製〕とを、それぞれ、所定量
準備した。そして、それらの各成分を、下記表1及び表
2に示す如き配合割合となる量にて、メチルエチルケト
ン及びトルエンの混合溶剤中に溶解乃至は分散せしめ
て、互いに組成の異なる1種類の絶縁テープ用難燃化
熱可塑性接着剤を、接着剤液として、調製した。なお、
それら1種類の接着剤液のうち、前記各成分が、本発
明において特定された配合割合となる量で、配合されて
なる種類のものを実施例1〜とし、また、前記各成
分が、本発明において特定された配合割合とは異なる量
で、配合されてなる残りの6種類のものを比較例1〜6
とした。
【0034】次いで、それら1種類の接着剤液(実施
例1〜及び比較例1〜6)と、別に準備した1枚の
PETフィルム(厚さ:12μm)とを用いて、各PE
Tフィルムの一面上に、互いに種類の異なる接着剤液
を、それぞれコーティングし、その後、これを乾燥させ
て、互いに組成の異なる接着剤層が20μmの厚さで形
成されてなる1種類の絶縁テープを得た。そして、か
くして得られた1種類の絶縁テープを用い、以下のよ
うにして、各絶縁テープの接着剤層を構成する接着剤
(実施例1〜及び比較例1〜6)の接着性、耐ブロッ
キング性、及び難燃性を調べた。その結果を、下記表1
及び表2に併せて示す。接着性 熱ロールを用いて、ロール温度:170℃、線速:0.
5m/min 、圧力3.0kg/cm2の条件により、表面にスズ
メッキを施してなる、厚さ50μmの銅箔を、各絶縁テ
ープの接着剤層側にそれぞれ貼り合わせて、絶縁テープ
の種類が互いに異なる1種類のテストピースを作製
し、この作製された1種類のテストピースから1cm×
10cmのサンプル片をそれぞれ3枚ずつ切り出した。そ
して、かくして得られた3枚のサンプル片を用い、J
IS K 6854に準拠して、引っ張り速度:50mm
/minの条件で、180度剥離試験を行ない、各サンプル
片から銅箔を180度剥離させた際の荷重を測定し、こ
れにより、各接着剤の接着力(初期接着力)を調べた。
そして、その測定値が0.7kg/cm 以上であるもの、即
ち接着性に優れたものを○として、また、測定値が0.
5kg/cm 以上で、且つ0.7kg/cm 未満であるもの、即
ち、接着性にやや問題のあるものを△として、更に、測
定値が0.5kg/cm 未満であり、接着性に劣るものを×
として、それぞれ評価した。耐ブロッキング性 各絶縁テープから、2.5cm×15cmの短冊片を3枚切
り出す一方、10cm×15cmのシート片を切り出し、絶
縁テープをコイル状に巻き付けた状態を想定して、かか
るシート片の樹脂フィルム面に、それら3枚の短冊片
を、接着剤層側の面において重ね合わせ、更にそれら短
冊片とシート片の重ね合わせ面とは反対側の面に、それ
ぞれ、離型用PETフィルムとシリコンゴムシートを順
次載置し、その状態で、熱プレス機により、温度:50
℃、時間:5min 、面圧力:10kg/cm2のプレス条件に
て、各絶縁テープの樹脂フィルム面と接着剤層側の面と
を圧着せしめて、各絶縁テープからなる1種類のブロ
ッキングサンプルを作製した。次いで、この作製された
各ブロッキングサンプルを用いて、JIS K 685
4に準拠して、引っ張り速度:200mm/minの条件で、
T型剥離試験を行ない、各ブロッキングサンプルをT型
に剥離させた際の荷重を測定した。そして、その測定値
が10g/25mm未満であるもの、即ち、耐ブロッキング性
に優れたものを○として、また、測定値が10g/25mm以
上で、且つ15g/25mm未満であるもの、即ち耐ブロッキ
ング性にやや問題のあるものを△として、更に、測定値
が15g/25mm以上であり、耐ブロッキング性が劣悪なも
のを×として、それぞれ、評価した。難燃性 各絶縁テープを用いて、それぞれの接着剤層が、UL規
格のVTM−Oに達するかどうか調べた。合格したもの
を○として、不合格であり、しかもドリップが発生した
ものを×として、それぞれ評価した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】これらの表から明らかなように、実施例1
の接着剤にあっては、接着性、耐ブロッキング性、
及び難燃性の全べての特性において、何れも、良好な評
価が得られている。これに対して、板状無機充填剤と疎
水性シリカとが何れも配合されていない比較例1の接着
剤は、耐ブロッキング性と難燃性とに劣るものとなって
いるのである。また、疎水性シリカのみが配合されて、
板状無機充填剤が何等配合されていない比較例2と比較
例3の接着剤は、疎水性シリカの配合量が少ないと、耐
ブロッキング性が低下し、その配合量が多くなると、今
度は、接着性が悪化してしまう結果となっており、更
に、その逆に、板状無機充填剤のみが配合されて、疎水
性シリカが何等配合されていない比較例4と比較例5の
接着剤は、耐ブロッキング性に劣るものとなっている。
そしてまた、板状無機充填剤と疎水性シリカとが、共に
配合せしめられているものの、その配合量が、本発明の
規定範囲外となっている比較例6の接着剤は、接着性に
劣るものとなっている。これらのことから、本発明にお
いて特定される組成を有する絶縁テープ用難燃化熱可塑
性接着剤のみが、良好な接着性と優れた耐ブロッキング
性、更には高度な難燃性を兼備していることが、明確に
認識され得るのである。
【0038】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤にあって
は、優れた接着性を確保しつつ、難燃性と耐ブロッキン
グ性とが大幅に改善され得、以てそれら接着性、難燃
性、及び耐ブロッキング性の何れにおいても、優れた特
性が効果的に発揮され得るのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−126585(JP,A) 特開 平1−161045(JP,A) 特開 平5−287255(JP,A) 特開 昭61−221279(JP,A) 特開 平3−210377(JP,A) 特開 昭62−167383(JP,A) 特開 平2−32184(JP,A) 阿部嘉長ら編「新版・プラスチックス 配合剤 − 基礎と応用」株式会社大成 社、昭和59年1月30日 第105〜111頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 7/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ベースレジンの100重量部に
    対して20〜60重量部の難燃剤及び30重量部以下の
    難燃助剤が配合されてなる組成を有する、樹脂フィルム
    上に層状に塗布されて、絶縁テープの接着剤層を構成す
    る絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤であって、 前記熱可塑性ベースレジンの100重量部に対して、疎
    水性シリカを5〜10重量部の割合で含み、且つ板状無
    機充填剤としてのタルクを5〜50重量部の割合で含む
    ことを特徴とする絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性ベースレジンに、架橋剤が
    更に配合せしめられている請求項1に記載の絶縁テープ
    用難燃化熱可塑性接着剤。
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阿部嘉長ら編「新版・プラスチックス配合剤 − 基礎と応用」株式会社大成社、昭和59年1月30日 第105〜111頁

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