JP4698980B2 - フラットケーブル被覆材、及びフラットケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、フラットケーブル被覆材に関し、さらに詳しくは、難燃性と導体接着性とを両立して具備した電気機器、電子機器、その他等に使用されるフラットケーブルのフラットケーブル被覆材、及びそれを用いたフラットケーブルに関するものである。
(背景技術)
OA機器やゲーム機などの電子機器では、コンピューターと電子部品などの電気的な接続や種々の配線のために、フラットケーブルが使用されている。フラットケーブルは、電子機器の狭い筐体内を引き回され、電子部品の移動に伴って摺動されたり、かつ、電子部品の発熱に伴う高温の環境下で使用される。このために、フラットケーブルを被覆しているフラットケーブル被覆材は、高温に対する耐熱性、難燃性、及び絶縁性、並びに、摺動に対する屈曲性、及び柔軟性が求められている。また、良好な屈曲性を得るために、フラットケーブル被覆材は、導体との接着性(ヒートシール性)、被覆材同志の自己接着性、製造上では耐ブロッキング性が要求されている。
ここで「ブロッキング」とは、基材フィルム上に熱接着層を塗工形成したものをロール状に巻取った際に熱接着層表面と基材フィルム表面とが互に(望まれ無い)接着をして、再度ロールを巻戻した際に、巻戻不能になったり、無理に巻出すといずれかの層が破断したり、或は基材フィルムと熱接着層との界面(本来剥れては不可)が剥離することを云う。かかるブロッキングを生じ無いで巻取・巻戻しが出来る性能を「耐ブロッキング性」という。
さらに、使用後の廃棄処理において、環境破壊を防止し地球レベルで環境を保護するために、有害物質は使用規制される傾向にある。フラットケーブルに使用する材料についても、有害物質の使用を極力避けることが求められている。
(先行技術)
従来、熱可塑性ポリエステル樹脂(基材フィルム)とリン系難燃剤を含有する粘着層によるノンハロゲンの難燃性フラットケーブルが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。さらに、ポリエステル系樹脂(基材フィルム)とポリ燐酸系難燃剤と非ポリ燐酸系窒素含有有機難燃剤からなるノンハロゲン系の難燃性熱接着剤が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記いずれのフラットケーブルの難燃性も、接着層(粘着層と表現している公報もある)の難燃性に委ねられている。その際、難燃性を向上させるために、接着層中の難燃剤量を増加させると、導体との接着性が低下する。一方、導体接着性を向上させるために、接着層中の難燃剤量を減少させると今度は難燃性が低下する。即ち、導体接着性と難燃性とが両立しないという欠点がある。
特開平9−221642号公報 特開平9−279101号公報 特開2001−89736号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、熱接着層が少なくともフィラーと熱可塑性樹脂とからなり、前記熱接着層中における前記フィラー成分の質量割合の分布が熱接着層の厚み方向に対して傾斜分布させる。好ましくは熱接着層に対するフィラー成分の質量割合が、基材フィルム側から熱接着層表面側へ向かつて減少するように傾斜分布させることで、導体との接着性(ヒートシール性)、被覆材同志の自己接着性などの接着性と難燃性とを両立させるとともに、製造上では耐ブロッキング性がよく、耐熱性、絶縁性、屈曲性、柔軟性に優れるフラットケーブル被覆材、及びフラットケーブルを提供することである。
本発明は、基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に直接または他の層を介して積層した熱接着層とを備え、熱接着層はフィラー(P)成分と、熱可塑性樹脂(V)成分とからなり、熱接着層(P+V)中における前記フィラー(P)成分の質量割合P/(P+V)が熱接着層の厚み方向に沿って傾斜して分布していることを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明は、熱接着層(P+V)中におけるフィラー(P)成分の質量割合P/(P+V)は、基材フィルム側から熱接着層表面側に向かって減少するように傾斜して分布することを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明は、熱接着層(P+V)中におけるフィラー(P)成分の質量割合P/(P+V)は、90〜50質量%の範囲内で傾斜して分布していることを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明は、フィラー(P)成分は、水和金属化合物(P)と他のフィラー(P、P、・・P)成分を含み、フィラー(P=P+P+P+・・P)成分中における水和金属化合物(P)の質量割合P/Pは熱接着層の厚み方向に沿って、基材フィルム側から熱接着表面側に向かって減少するように傾斜して分布していることを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明は、フィラー(P=P+P+P+・・+P)成分中における水和金属化合物(P)の質量割合P/Pは、80〜0質量%の範囲内で傾斜して分布していることを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明によれば、導体とのヒートシール性被覆材同志の自己接着性などの接着性、及び難燃性とが両立すると共に、製造上では耐ブロッキング性に優れたフラットケーブル被覆材が提供される。
本発明は、フィラー(P)成分は、窒素系化合物、リン系化合物、またはハロゲン系化合物を含有し、フィラー(P)成分中におけるこれらの化合物の質量割合は、熱接着層の厚み方向に沿って傾斜して分布していることを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明は、フィラー(P)成分は、窒素系化合物、及びリン系化合物から成り、熱接着層中に於いて、該窒素系化合物の質量割合は基材フィルム側から熱接着層表面に向って増加し、且つ該リン系化合物の質量割合は基材フィルム側から熱接着層表面に向って減少するように傾斜して分布していることを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明によれば、特に難燃性に優れたフラットケーブル被覆材が提供される。
本発明は、フィラー(P)成分は、ハロゲン系化合物以外の化合物、またはハロゲン系及びリン系化合物以外の化合物を含有し、フィラー(P)成分中におけるこれらの化合物の質量割合は、熱接着層の厚み方向に沿って傾斜して分布していることを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明によれば、環境への負荷が少ないフラットケーブル被覆材が提供される。
本発明は、フィラー(P)成分は、フィラー粒子からなることを特徴とするフラットケーブル被覆材である。
本発明は、同一平面上に配置された複数の導体と、これら複数の導体を両側から被覆する一対のフラットケーブル被覆材とを備えたフラットケーブルにおいて、各フラットケーブル被覆材は、基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に直接または他の層を介して積層した熱接着層とを備え、熱接着層はフィラー(P)成分と、熱可塑性樹脂(V)成分とからなり、熱接着層(P+V)中における前記フィラー(P)成分の質量割合P/(P+V)が熱接着層の厚み方向に沿って傾斜して分布していることを特徴とするフラットケーブルである。
本発明によれば、難燃性と、耐熱性、絶縁性、屈曲性、柔軟性および層間接着強度などとの相矛盾する要求物性を解消できたフラットケーブルが提供される。
本発明の実施態様について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例の構成を示す模式的な断面図である。
(基本構成)
本発明のフラットケーブル被覆材10は、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の面に、直接又は他の層を介して積層された熱接着層15とを備えている。他の層とは基材フィルム11と熱接着層15とをより強固に接着させるためのプライマー層13や、必要に応じて設ける中間層などである。
熱接着層15(P+V+その他添加剤)は少なくともフィラー(P)成分15aと熱可塑性樹脂(V)成分15bとからなる。フィラー(P)成分15aは少なくとも水和金属化合物(P)を含有し、好ましくはさらに水和金属化以外の無機化合物(P)、及び/又は他のフィラー(P、P、P、・・Pn)を含有させてもよい。
なお、熱接着層15(P+V+その他添加剤)中のその他添加剤は、不必須成分であると共に、本発明の技術的内容に影響が少ないので、以降、本明細書では省略し、熱接着層は熱接着層15(P+V)と記載する。
そこで、熱接着層15(P+V)中のフィラー(P)成分15aの質量割合の分布を、熱接着層15の厚み方向に対して傾斜分布し、好ましくは、熱接着層15中のフィラー(P)成分15aの質量割合が、基材フィルム11側から熱接着層15表面側へ向かって減少するように傾斜分布している。さらに、フィラー(P)成分15aには少なくとも水和金属化合物(P)が含有しており、該水和金属化合物(P)の総フィラー(P+P+・・+Pn)中の質量割合は、熱接着層15の厚み方向における基材フィルム11側から熱接着層15表面15c側へ向かって減少するように傾斜分布している。
図2は、本発明のフラットケーブルの構成を示す模式的な平面図(末端を一部切欠いて図示)である。
図3は、図2のAA断面図である。
本発明のフラットケーブル1は、同一平面上に配置された複数の導体21(一般的には、互いに平行する線条をなす)と、これら複数の導体21を両側から被覆する一対のフラットケーブル被覆材10とを備えている。各フラットケーブル被覆材10は、図1に示す構造を有している。本発明のフラットケーブル1は、好ましくは2枚のフラットケーブル被覆材10を、それぞれの熱接着層15面を対向させて重ね合わせ、更に、その層間に、複数の金属等の導体21を同一平面内で配列した導体列を介在させて構成される。
(発明のポイント)
前述のように、フラットケーブル被覆材10は、導体との接着性(以降、単にヒートシール性ともいう)、被覆材同志の自己接着性(以降、両者を併せて単に接着性とも云う)、製造上では耐ブロッキング性が要求され、また、フラットケーブル1は難燃性、耐熱性、絶縁性、屈曲性、柔軟性、層間接着強度が要求されて、さまざまな相矛盾する要求物性が必要である。特に、熱接着層においては、難燃性と接着性との両立が困難であった。即ち、難燃性を付与するために、熱接着層中のフィラー成分の割合を多くしたいが、多くすると導体とのヒートシール性、被覆材同志の自己接着性などの各種接着性が劣化してしまうので、単一で均一な熱接着層においては、優れた難燃性と接着性との両立を実現することができなかった。
また、本出願人は、特開平10−83721号公報で、基材/難燃性のフィラ成分を含む熱接着層/難燃性のフィラ成分を含まないがブロッキング防止のための極少量のフィラーを含んだ極薄い熱接着層、(/印は一体的に積層された状態を表わす)からなるものを提案しているが、耐ブロッキング性が不良であると共に、製造管理が厳密で性能が安定しない。
そこで、本発明者は鋭意研究を重ねて、熱接着層のフィラー成分の含有割合、及びフィラー成分の配合割合を熱接着層の厚み方向に傾斜分布させ、かつ、その分布を最適化することで、本発明に至ったものである。
(産業上の利用可能性)
本発明のフラットケーブル被覆材及びフラットケーブルは、パソコン、プリンタ又は複写機などのOA機器、携帯電話やゲーム機などの電子機器、液晶などの表示機器、自動車などの輸送機器、コンピューターや電源、電子部品、表示装置又はセンサなどの電気的な接続や種々の配線のために利用できる。
また、導体だけでなく光ファイバなども含めて被覆することができるので、表示装置やセンサなどへ電気及び信号線として接続し、表示や制御機器などにも利用できる。
(物・構成・方法を分解し個別に説明)
次に、本発明に用いる材料及び方法などについて、詳細に説明する。
(基材フィルム)
まず、基材フィルム11としては、機械的強度に優れ、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、屈曲性、絶縁性等があれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール‐テレフタル酸‐イソフタル酸共重合体、及びテレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、及びナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、及びポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメタアクリレート、及びポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂フィルム、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、ポリエステルエーテル、全芳香族アミド、ポリアラミド、ポリカーボネートなどの樹脂が適用できる。これらの樹脂は、単体、若しくは複数種混合した混合体(アロイでを含む)として用いられる。
該基材フィルム11は、これらの樹脂からなる単層、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。基材フィルム11は、通常機械的強度、耐熱性、絶縁性、コスト等の面から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンテレフタレートが好適に使用でき、ポリエチレンテレフタレートが最適である。
該基材フィルム11の厚さは、通常は5μm〜200μmが適用でき、10μm〜100μmが好適である。厚さが5μm未満であると機械的強度が不足し、また、プライマ層13、熱接着層15など形成する適性が減ずる。厚さが200μm以上では可撓性が不足し摺動性が悪化するので、このような厚さにすることにより、本発明のフラットケーブル被覆材10に必要とされる強度を付与することができるとともに、該フラットケーブル被覆材10に良好な可僥性を付与することができる。
該基材フィルム11には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウムなどの体質顔料が適用できる。帯電防止剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤などや、ポリアミドやアクリル酸誘導体などが適用できる。
また、基材フィルム11の表面には、基材フィルムと熱接着層との接着力や耐久性の向上のために、必要に応じて、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品処理などの処理を行ってもよい。
(プライマー)
また、アンダーコート、アンカーコート、プライマーコートとも呼ばれるプライマー層13を設けてもよい。
プライマー層13の材料としては、例えば、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、及び/又はカルボジイミド基を有する多官能化合物と、ガラス転移点が20〜100℃程度、好ましくは30〜100℃のポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂が適用できる。
アンカーコート層13の材料としては、例えば、ポリエチレンイミン系化合物、有機チタン系化合物、イソシアネート系化合物、ポリウレタン系化合物、ポリブタジエン系化合物などが適用できる。
これらを適宜、溶媒に溶解又は分散して塗布液とし、これを基材フィルム11面へ、グラビア印刷などの印刷法、又はロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコート、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコートなどのコーティング法で塗布し乾燥して、プライマー層13とする。該プライマー層13の厚さは、0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。プライマー層13によって、基材フィルム11と熱接着剤15は強固に接着して、電子機器への使用時の摺動に耐えて、層間の剥離などを抑制して、絶縁性、耐久性を向上するためのものである。
(熱接着層)
次に、基材フィルム11、又は、必要に応じて設けたプライマー層13面へ熱接着層15を設ける。熱接着層15は、柔軟性に富み、かつ基材フィルム11或はプライマー層13と導体21とのヒートシール性を有していることが必要である。かかる熱接着層15は、その層間に金属などの導体を挟持させることができて、かつ、加熱ロールまたは加熱板などによる加熱加圧により軟化して溶融し、相互に強固に熱融着(自己接着性)し、かつ、導体との密着性(導体接着性)に優れているとともに導体をその中に空隙を発生させずに埋め込めることが必要である。
熱接着層15(P+V)は、前述のように、フィラー(P)成分と熱可塑性樹脂(V)成分とからなる。フィラー(P)成分は少なくとも水和金属化合物(P)を含有し、好ましくは、さらに水和金属化合物以外の無機化合物(P)、及び/又は他のフィラー(P、P、P、・・Pn)を含有させてもよい。即ち、熱接着層(P+V)=フィラー(P)+熱可塑性樹脂(V)、フィラー(P)=(P+P+P+P・・+Pn)である。
なお、必要に応じて、熱接着層中には、フィラー(P)及び熱可塑性樹脂(V)以外に、其他添加剤を添加しても良い。
まず、熱接着層15を構成する材料について説明する。
(熱可塑性樹脂)
熱接着層15の熱接着に寄与する熱可塑性樹脂15bとしては、熱によって溶融し、相互に自己接着すればよく、好ましくは導体接着力が大きい程よい。該熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン‐(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン‐プロピレン共重合体、酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂などが適用できる。
熱接着層15の熱可塑性樹脂15bとしては、導体とのヒートシール性、および難燃剤の混入のし易さから、ポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。該ポリエステル系樹脂は、飽和共重合ポリエステル樹脂であって、ガラス転移点が−50℃〜80℃で、かつ重量平均分子量が7000〜50000の範囲の樹脂を主成分とする樹脂組成物からなるものが好適である。また、ガラス転移点が比較的低く柔軟性に富むポリエステル系樹脂と、ガラス転移点の比較的高く耐熱性に富むポリエステル系樹脂とを、配合して使用しても良い。さらに、非晶性のポリエステル系樹脂と結晶性のポリエステル系樹脂を、適宜、配合して使用しても良い。
(フィラー)
フィラー成分15a(フィラー(P)ともいう)としては、塩素系や、臭素系などのハロゲン系化合物、水和金属化合物、酸化金属化合物、又は金属粉などの金属化合物、リン及びリン系化合物、窒素系化合物などが適用できる。
フィラー成分15aの機能(目的)としては、主として熱接着層15に難燃性を付与することであるが、其他、基材フィルムに熱接着層を形成後、ロール状に巻取った際のブロッキングを防ぐ機能を付与することも出来る。又更にフィラー成分15aと熱可塑性樹脂15bとの組合せ、加工条件等のいかんによっては、其他の機能を付与することも出来る。
塩素系化合物は、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パークロルシクロペンタデカン、無水ヘット酸、クロルエンド酸などがある。
臭素系化合物は、例えば、テトラブロモビスフェノールA(TBA)、デカブロモジフェニルオキサイド(DBDPO)、ヘキサブロモシクロデカン(HBCD)、オクタブロモジフェニルオキサイド(OBDPO)、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン(BTBPE)、トリブロモフェノール(TBP)、エチレンビステトラブロムフタルイミド、TBAカーボネートオリゴマー、臭素化ポリスチレン、TBAエポキシオリゴマー、TBAエポキシポリマー、エチレンビスペンタブロモジフェニル、ポリジブロモフェニレンオキサイド、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモエタン、デカブロモビフェニールエーテル、テトラブロモ無水フタール酸、トリブロモフェニルマレイミド、テトラブロモペンタエリスリトール、トリス(ペンタブロモベンジル)イソシアヌレート、臭化アンモニウムなどがある。
リンおよびリン系化合物は、例えば、赤燐、ポリリン酸アンモニウム、トリアリルホスフェート、アルキルアリルホスフェート、アルキルホスフェート、ホスフォリネート、ジメチルホスフォネート、ハロゲン化ホスフォリネートエステル、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2‐クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3‐ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3‐ジブロムクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3‐ジブロモプロピル)ホスフェート、ビス(2,3‐ジブロモプロピル)2,3‐ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ポリフォスホネート、ポリフォスフェート、芳香族ポリフォスフェート、ジブロモネオペンチルグリコールなどのリン酸エステルまたはリン化合物、フォスホネート型ポリオール、フォスフェート型ポリオール、含ハロゲンポリオールなどのポリオール化合物、などがある。
窒素系化合物は、例えば、尿素、メラミン誘導体を含むトリアジン環含有化合物などがある。トリアジン環含有化合物としては、例えば、メラミン(シアヌル酸トリアミド)、アムメリン(シアヌル酸ジアミド)、アムメリド(シアヌル酸モノアミド)、硫酸メラミン、ピロリン酸メラミン、硫酸グアニルメラミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3‐ヘキシレンジメランミン、ホモグアナミン、硫酸アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ベンズグアナミン、アセトグアナミン、フタロジグアナミン、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、メラミンシアヌレート(メラミンとシアヌール酸との縮合)、イソシアヌレート、メラム、硫酸メラム、硫酸メレム、メラミン樹脂などがある。
(水和金属化合物)
水和金属化合物は、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などが適用できる。難燃性に優れ、コスト的にも有利な水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。これらは、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
(酸化金属化合物)
酸化金属化合物は、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化ホウ素、二酸化珪素、酸化銅、酸化ジルコニウム、ホウ酸亜鉛などが適用できる。これらは、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
また、その他の金属化合物乃至無機化合物としては、三塩化アンチモン、ホウ酸アンチモン、ホウ酸、モリブデン酸アンチモン、モリブデン酸化物、リン‐窒素化合物、カルシウム‐アルミニウムシリケート、ジルコニウム化合物、スズ化合物、ドーソナイト、アルミン酸カルシウム水和物、銅粉末、炭酸カルシウム、メタホウ酸バリウムなどの金属粉又は無機化合物、スズ酸亜鉛、酸化モリブデン酸、などがある。その他、シリコーン系ポリマー、フェロセン、フマール酸、マレイン酸、スルファミン酸などを添加してもよい。これらは、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
上記の塩素系や、臭素系などのハロゲン系化合物、水和金属化合物、酸化金属化合物、又は金属粉などの金属化合物、リン及びリン系化合物、窒素系化合物などのフィラー成分は、一般的には難燃剤、難燃助剤とも呼ばれているものである。
フィラー(P)成分15aはフィラー粒子として熱接着層15中に存在する。
これらフィラー粒子(難燃剤)の平均粒径としては、一次粒子として、0.01〜100μm程度で、好ましくは0.01〜40μmである。但し、平均粒径は、熱接着層の厚みt以下とする。平均粒径が40μmを超えると、合成樹脂への分散性が悪くなり、合成樹脂の物性を低下させる場合がある。また、組成物には、必要に応じて、充填剤、顔料、滑剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤などを添加してもよい。
さらに、近年、地球レベルで環境を保護するために、有害物質は使用規制される傾向にあり、フラットケーブル1に使用する材料についても、有害物質の使用を極力避けるべきである。例えば、臭素系化合物(難燃剤)であるデカブロモジフェニルエーテル(DBDPO)や塩素系化合物(難燃剤)では、燃焼条件によっては、ダイオキシン又はダイオキシン関連物質が生成する恐れがあり、また、リン系化合物(難燃剤)では、環境汚染の危険性があり、その使用規制が望まれている。これらの難燃剤を含有するフラットケーブル被覆材では、該フラットケーブル被覆材を用いたフラットケーブルが電子機器とともに使用後廃棄された後に、何らかの要因で難燃剤が環境に漏洩したり、人体に取り込まれて健康を害する恐れがある。従って、これらの難燃剤は、環境への配慮から、ハロゲン系化合物を含まないことが好ましく、さらにハロゲン系化合物に加えリン及びリン系化合物を含まないことがより好ましい。
(その他のフィラー)
また、熱接着層組成物には、本発明の効果に影響のない範囲で、必要に応じて、顔料、滑剤、帯電防止剤、分散剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、ブロッキング防止剤、樹脂と難燃剤との間の凝集力を上昇させる各種カップリング剤、充填剤、難燃触媒を適宜添加してもよい。
(その他の添加剤)
さらに、熱接着層組成物には、必要に応じて上記フィラー以外に可塑剤、架橋剤、架橋助剤、発泡剤などを適宜添加してもよい。これらは、熱可塑性樹脂成分と一体化される。
該熱接着層15の組成物としては、従来、難燃剤などのフィラー成分15aと熱可塑性樹脂成分15bとからなり、該フィラー成分は50〜80質量%程度である。難燃性の性能からはフィラーが多いほど良いが、フィラー成分が多いと熱可塑性樹脂成分が少なくなって、熱接着層を形成加工する際に成膜することができず、また、必要な接着性能が得られない。このために、難燃性があり加工性の良い組成としては、上記の割合に限定されてしまう欠点がある。
そこで、本発明は、熱接着層15(P+V)の組成が、フィラー(P)成分と熱可塑性樹脂(V)成分とからなるのは同じであるが、熱接着層(P+V)中におけるフィラー(P)成分の質量割合、即ち濃度(P)/(P+V)が傾斜分布し、好ましくは、基材フィルム側から熱接着層表面側へ向かって減少するように傾斜分布してなり、かつ、該濃度(P)/(P+V)の分布が、P/(P+V)=90〜50質量%の範囲内で傾斜分布している。なお、本明細書では、断わりのない限り、質量基準の濃度である。この範囲を超えるとインキ状態が悪く塗布しにくく、また塗布ができても正常な塗布面が得られず、この範囲未満では難燃性が不足してしまうと共に、耐ブロッキング性不良となりやすい。
このように、上記濃度(P)/(P+V)の分布が、厚み方向に傾斜分布させることで、フィラー成分を増加させ難燃性が向上しても加工性が劣化せず、自己接着性及び導体接着性がよい。また、フィラー成分を厚み方向に平均した平均濃度が従来の質量%でも、自己接着性及び導体接着性が著しく向上させることができる。なお、好ましくは、基材フィルム側から熱接着層表面側へ向かって減少するように傾斜分布させると、より上記の効果が顕著である。フィラー成分中で、導体側に増量分布していても自己接着性及び導体接着性へ影響の少ないフィラー成分については、導体側に増量分布していても構わない。要は、自己接着性及び導体接着性へ影響するフィラー成分を、導体側から減量させることである。
フィラー(P)成分は少なくとも水和金属化合物(P)を含有し、好ましくは、さらに水和金属化合物以外の無機化合物(P)、及び/又は所謂難燃剤(P)などを含む他のフィラー(P、P、・・Pn)を含有する。即ち、フィラー(P)=(P+P+P+P・・+Pn)である。
そして、熱接着層15の厚み方向における水和金属化合物(P)の質量割合(P)/(P)(質量%)分布が、(P)/(P)=80〜0質量%の範囲、好ましくは70〜0質量%の範囲内で、基材フィルム11側から熱接着層15表面側(フラットケーブルとした場合には導体側となる、単に導体側ともいう)へ向かって減少するように傾斜分布している。
水和金属化合物(P)は、自己接着性及び導体接着性へ影響するフィラー成分なので、導体側の部分から減量させることである。他のフィラーと併用する場合には、熱接着層15の導体21側表面近傍においては、水和金属化合物の濃度(P)/(P+V)を0(P/Pを0)とし、その代り、他のフィラーによって所望の総フィラー濃度P/(P+V)(好ましくは50〜90%)とすることも出来る。(P)/(P)がこの範囲を超えると接着性が低下する。好ましい範囲内であれば、前記効果がより高まる。P/(P+V)=90〜50質量%の範囲内と組合わせることで、より効果が高められる。
さらに、フィラー(P)成分として、水和金属化合物(P)に加えて、水和金属化合物以外の無機化合物(P)、及び/又は所謂難燃剤と呼ばれている窒素系、リン系、及び/又はハロゲン系化合物(難燃剤)(P)を含有することが好ましい。水和金属化合物以外の無機化合物(P)としては、例えば三酸化アンチモンなどの酸化金属化合物が挙げられる。
該無機化合物(P)の総フィラー(P)中における濃度(P)/(P)(質量%)の分布が、100〜0質量%の範囲、好ましくは95〜15質量%の範囲内で傾斜分布している。また、該難燃剤(P)の総フィラー(P)中における濃度(P)/(P)(質量%)の分布が、0〜60質量%の範囲、好ましくは5〜60質量%の範囲内で傾斜分布している。
無機化合物(P)、及び難燃剤(P)は、自己接着性及び導体接着性へ影響が少ないフィラー成分なので、この範囲内であれば接着性へ影響が少ない。好ましい範囲内であれば、より接着性への影響が少ない。
そして、水和金属化合物(P)、無機化合物(P)、難燃剤(P)、他のフィラー(P、・、・、P)を累計した総フィラー(P)は、熱接着層中の該総フィラー濃度(P)/(P+V)が、P/(P+V)=90〜50質量%の範囲内で、それぞれ成分と整合をとって、適宜配合すればよい。傾斜分布の範囲と、その効果については、実施例、比較例のなかで開示している。
図4は、本発明の熱接着層の厚さ方向の断面図である。
図5は、本発明の熱接着層の成分の傾斜分布を説明するグラフである。
図6は、本発明の熱接着層の個別成分の傾斜分布を説明するグラフである。
図4に図示するように、熱接着層15の厚みをtとし、該厚み方向に座標χをとる。なお、χ=0が基材フィルム11と熱接着層15との界面、χ=tが熱接着層15の表面であり導体21との界面となる。
厚み方向の位置χにおける単位体積当りの熱可塑性樹脂(V)の質量をV(χ)、単位体積当りの総フィラー(P)の質量をP(χ)、フィラーP、P、・・、P、・・、P)の質量をP(χ)、P(χ)、・・、P(χ)、・・、P(χ)(但しn≧1)とする。
このとき、厚み方向の位置χにおける総フィラー濃度C(χ)は、厚みχに対して減少関数となり、50質量%≦C(χ)≦90質量%となる。なお、ここで、
P(χ)=P(χ)+P(χ)+・・+P(χ)、+・・+P(χ)
C(χ)=P(χ)/{P(χ)+V(χ)}
とする。
但し、水和金属化合物(P)については、濃度増加と共に接着性が低下するために、その濃度(P(χ))は、χに対して必ず減少関数となるようにする。即ち、図5に図示する曲線30(総フィラー濃度P(χ))の如くとなる。混入による接着性低下への影響が無視できるフィラー成分(例えば、無機化合物(P)、難燃剤(P))については、その濃度(P(χ))は、χに対して増加関数、或いは定常関数であってもよい。
これを図5を用いて説明する。図5で、総フィラー濃度P(χ)の曲線30に重ねて、フィラーP、P、及びPの濃度の和P(χ)+P(χ)+P(χ)の曲線31、フィラーP、及びP4の濃度の和P(χ)+P(χ)の曲線32、及びフィラーPの濃度P(χ)の曲線33を加えてみる。
曲線30と曲線31との間隔がフィラーPの濃度P(χ)を示し、曲線31と曲線32との間隔がフィラーPの濃度P(χ)を示し、曲線32と曲線33との間隔がフィラーPの濃度P(χ)を示し、曲線33とχ軸との間隔がフィラーPの濃度P(χ)を示している。
図5により、フィラーP、Pの濃度は、厚みχの減少関数であるが、フィラーPの濃度は、厚みχの増加関数になっている。また、フィラーPの濃度は、厚みχの定常関数になっている。なおかつ、総フィラー濃度P(χ)は、厚みχの減少関数となっており、矛盾はない。因みに、P(χ)、P(χ)、P(χ)、P(χ)自体のχに対する変化を図示したものが図6である。
一方、本発明におけるフィラー濃度の設計思想は、以下の如く考えることもできる。即ち、基本設計としては、熱接着層15中において、難燃性は向上させる代りに、接着性を低下させるフィラーの総濃度(総フィラー濃度)P(χ)は、図5の曲線30の如く、厚みχの減少関数となるよう(基材フィルム11側が高濃度、導体21側が低濃度))に、傾斜分布せしめる。
但し、総フィラー中における各フィラーの配分については、
(1)接着性低下への寄与が大である成分、例えば水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの水和金属化合物については、総フィラー中に占める当該フィラーの量はP(χ)の比率、下記式1を厚みχの減少関数となるようにする。
Figure 0004698980
(2)接着性低下への寄与が小である成分、例えば硫酸メラミン等の窒素系化合物やシリカなどの如きものについては、該比率、下記式2は、厚みχの増加関数、或いは定常関数としてもよい。勿論、厚みχの減少関数とすることも可能である。
Figure 0004698980
尚、本発明に於いてフィラー比率
Figure 0004698980
を基材フィルム側が高くなる様な減少関数とした方が好ましいものとしては水和金属化合物の他に、前記リン系化合物が挙げられる。リン系化合物は、吸湿性、及びイオン性の為に熱接着層の絶縁抵抗を低下させる傾向が有り、これはフラットケーブル被覆材としては好ましく無い性能である。それ故リン系化合物については、上記の如くの減少関数とすることが好ましい。又その為難燃性が不足する場合は、熱接着層の各種性能低下の影響の少い窒素系化合物の量を増やして難燃性を補うべく、窒素系化合物を上記の如くの増加関数となるようにリン系化合物と併用することが好ましい。
(熱接着層の形成方法)
以上のような熱接着層15の成分として、熱可塑性樹脂とフィラー成分とを、必要ならば、その他の添加剤を任意に加え、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール類等の溶剤、希釈剤等にて十分に混練して可溶化又は分散化して、粘度10〜4000cps程度の熱接着層15用の組成物インキを製造する。
次いで、基材フィルム11へ、該熱接着層15用の組成物インキを用いて、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコート、キスコート、ナイフコート、ダイコート、スライドコート、コンマコート、フローコート、スプレーコートなどのコーティング方式で塗布し乾燥して、厚さ15〜150μm(乾燥時)程度、好ましくは10〜40μm(乾燥時)の難燃剤を含有するヒートシール性の熱接着層15を形成する。
熱接着層15を形成する際に、フィラー成分の濃度を熱接着層の厚み方向に傾斜分布させる。該傾斜分布させる方法としては、相分離法、複数回塗布法、又はスライドコート法などが適用できる。
相分離法は熱接着層15組成物インキを塗布して乾燥するまでの間に、相分離などで傾斜分布させる方法であり、例えば、基材フィルム11と反対側の面の水和金属化合物の分布を減少させるには、塗布してから乾燥する問に一定の時間を維持(塗布速度で制御)して、熱可塑性樹脂とフィラーの比重差、あるいは溶剤乾燥に伴うフィラーの移動現象を利用したり、さらにインキ粘度を下げて分離性を高めて、フィラー成分を基材フィルム11に近い方へ移行させ、所望の濃度分布の範囲とさせればよい。
複数回塗布法は、水和金属化合物などのフィラー成分の濃度を傾斜的に変化させた複数の熱接着層15用の組成物インキを用いて、複数回繰り返して塗布し乾燥する。該複数の塗膜層は樹脂及び溶剤系が同一なので、相互に相溶して実質的に一体化して熱接着層15が形成されて、傾斜分布とすることができる。該熱接着層15は、組成物インキの濃度に応じた所望の濃度分布の範囲を有している。複数回塗布法では工程数が増加するように思えるが、当業者は塗布ユニットを複数有する塗布機械を一般的に有しているので、容易に塗布することができる。
スライドコート法は、多層ダイからフィラー成分の濃度を傾斜的に変化させた複数の熱接着層15用の組成物インキを流し、途中で合流させた後に、塗布し乾燥すれば熱接着層15が形成される。該熱接着層15は、組成物インキの濃度に応じた所望の濃度分布の範囲を有している。
(フラットケーブル)
本発明のフラットケーブル1は、図2及び図3に図示するように、複数の線条をなす導体21を同一平面内で平行配列した導体21列の両側を、熱接着層15の面同志が互いに対向するように対峙させた2枚のフラットケーブル被覆材10で被覆してある。本発明においては、これまで説明してきたフラットケーブル被覆材10を使用し、該2枚のフラットケーブル被覆材のうち少なくとも片方、好ましくは2枚の該フラットケーブル用被覆材10に本発明のフラットケーブル被覆を用い、その熱接着層15面を対向させて重ね合わせ、更に、その層間に、複数の金属等の導体21を同一平面内で配列した導体列を介在させる。
しかる後に該フラットケーブル用被覆材10、導体21を加熱加圧してヒートシールすることにより、該フラットケーブル用被覆材10を構成するヒートシール性の熱接着層15と、導体21とを密接着(導体接着)させ、更に対向した熱接着層15自身も相互に自己接着する。このようにして、2枚の対向したフラットケーブル被覆材10と導体21とが密着し接着して、導体21が熱接着層15へ埋め込まれて一体化したフラットケーブル1を製造することができる。
また、導体21の断面は特に限定されず、例えば丸形、楕円形、矩形、平角形などで、長手方向に線条であればよい。さらに、光の導体、即ち光ファイバなども含めて被覆してもよい。導体列の配列は、同一平面内であればよく、導体自身は直線状、蛇行、正弦曲線状、Z折り状など、及びそれらの組合わせでもよい。
以下、実施例について説明するが、これに限定されるものではない。なお、最良の形態は実施例5である。
(実施例1)
厚さ23μmのPETフィルムGEC−23(帝人デュポンフィルム社製、商品名)へ、下記のプライマ層組成物インキをグラビアロールコート方式により、膜厚1μm(乾燥状態)になるように塗布し、乾燥してプライマ層を形成した。
・プライマ層組成物インキとしては、ガラス転移点40℃のポリエステル樹脂とポリオール系ウレタン樹脂(固形分質量比1:1、水酸基価=10mgKOH/g)をメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解させてA液を調製し、トリレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解させてB液を調製し、次いで、A液とB液とをフィルム状基材に塗布する直前に混合して用いた。
続いて、プライマ層上へ、下記の熱接着層組成物インキを用いて、コンマコーターにて、膜厚40μm(乾燥状態)になるように、速度5m/分で塗布し、乾燥ゾーンの前半分の送風をせずに、後半分のみを熱風で乾燥して、熱接着層を形成して、実施例1のフラットケーブル被覆材を得た。
・熱接着層組成物インキとしては、熱可塑性樹脂成分として、ガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂20質量部とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂4質量部とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂1.2質量部とを使用し、フィラー成分として水酸化アルミニウム42質量部と、三酸化アンチモン26.6質量部と、硫酸メラミン4質量部と、二酸化珪素1質量部を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1.7質量部、分散剤0.5質量部を添加して、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて、粘度を100cpsに調製した。
(測定)
得られたフラットケーブル被覆材の熱接着層の、基材フィルム側とその表面側(導体側)の組成の質量割合を測定した。測定法は、基材フィルム側と導体側の厚さ3μmを削り取り、各成分とその割合を、公知の乾式灰化法を用いた重量法、XRD(X線回折法)、XRF(蛍光X線分光分析法)で測定した。結果は「表1」に記載したように、熱接着層15の成分の割合が、基材フィルム側と導体側で異なっており、傾斜分布している。
Figure 0004698980
なお、その他の添加剤として、添加した可塑剤と分散剤は、熱可塑性樹脂ヘ一体化されているので、表中への記載は省略した。なお、すべての表中の数字は質量部、括弧内は質量%である。
(実施例2〜4)
塗布乾燥条件を各種調整して熱接着層の、基材フィルム側と導体側の3μmの各成分の割合が、「表1」に示すようする以外は、実施例1と同様にして、フラットケーブル被覆材を得た。
(実施例5)
下記の2種のインキを用いて、コンマコーターで、速度25m/分で塗布し、乾燥ゾーンのすべてを熱風で乾燥した。同様に、第1層及び第2層を順次、累計膜厚40μm(乾燥状態)になるように、塗布乾燥を2回繰り返して、熱接着層を形成して、フラットケーブル被覆材を得た。
第1層のインキは、熱可塑性樹脂成分として、ガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂20質量部とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂4質量部とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂1.2質量部とを使用し、フィラー成分として水酸化アルミニウム43.6質量部と、三酸化アンチモン26.7質量部と、硫酸メラミン4質量部と、二酸化珪素0.5質量部を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1.7質量部、分散剤0.5質量部を添加して、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて、粘度を700cpsに調製した。
第2層のインキは、熱可塑性樹脂成分として、ガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂28.5質量部とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂5.0質量部とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂1.5質量部とを使用し、フィラー成分として、三酸化アンチモン59.5質量部と、硫酸メラミン4質量部と、二酸化珪素1.5質量部を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1.7質量部、分散剤0.5質量部を添加して、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて、粘度を300cpsに調製した。
(実施例6)
下記の3種のインキを用いて、コンマコーターで、速度30m/分で塗布し、乾燥ゾーンのすべてを熱風で乾燥した。同様に、第1層ないし第3層を順次、累計膜厚40μm(乾燥状態)になるように、塗布乾燥を3回繰り返して、熱接着層を形成して、フラットケーブル被覆材を得た。
第1層のインキは、熱可塑性樹脂成分として、ガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂20質量部とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂4質量部とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂1.2質量部とを使用し、フィラー成分として水酸化アルミニウム43.6質量部と、三酸化アンチモン26.7質量部と、硫酸メラミン4質量部と、二酸化珪素0.5質量部を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1.7質量部、分散剤0.5質量部を添加して、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて、粘度を700cpsに調製した。
第2層のインキは、熱可塑性樹脂成分として、ガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂24.8質量部とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂4質量部とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂1.2質量部とを使用し、フィラー成分として水酸化アルミニウム22.5質量部と、三酸化アンチモン38.2質量部と、硫酸メラミン3.8質量部と、二酸化珪素0.5質量部を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1.7質量部、分散剤0.5質量部を添加して、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて、粘度を500cpsに調製した。
第3層のインキは、熱可塑性樹脂成分として、ガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂28.5質量部とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂5質量部とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂1.5質量部とを使用し、フィラー成分として、三酸化アンチモン61.0質量部と、硫酸メラミン3.5質量部と、二酸化珪素0.5質量部を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1.7質量部、分散剤0.5質量部を添加して、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて、粘度を300cpsに調製した。
(実施例7〜12)
熱接着層の、基材フィルム側と導体側の3μmの各成分の割合が、「表2〜3」に示すようにし、さらに、実施例9〜10では窒素系の硫酸メラミンに代えてハロゲン系のデカブロモジフェニルオキサイド(DBDPO)を、実施例11では硫酸メラミンに代えてとリン系のポリリン酸アンモニウムとする以外は、実施例1と同様にして、フラットケーブル被覆材を得た。
Figure 0004698980
Figure 0004698980
(比較例1)
熱可塑性樹脂成分となるガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂50質量部とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂8質量部とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂2質量部と、フィラー成分となる三酸化アンチモン35.5質量部と、硫酸メラミン4質量部と、二酸化珪素0.5質量部を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1.7質量部、分散剤0.5質量部を添加して、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて、粘度を2000cpsに調製した熱接着層組成物インキを用いて、コンマコーターにて、膜厚40μm(乾燥状態)になるように、速度10m/分で塗布し、120℃の熱風で全乾燥ゾーン(6ゾーン長さ合計18m)を用いた乾燥を行い、熱接着層を形成する以外は、実施例1と同様にして、フラットケーブル被覆材を得た。
(比較例2)
熱接着層組成物インキとして、熱可塑性樹脂成分となるガラス転移点−30℃のポリエステル樹脂35質量部とガラス転移点5℃のポリエステル樹脂4質量部とガラス転移点80℃のポリエステル樹脂1質量部と、フィラー成分となる三酸化アンチモン55.5質量部と、硫酸メラミン4質量部と、二酸化珪素0.5質量部を使用し、更に、ポリエステル系可塑剤1.7質量部、分散剤0.5質量部を添加して、それらをメチルエチルケトン/トルエン=1/1からなる混合溶剤に溶解分散させて、粘度を1000cpsに調製する以外は、比較例1と同様にして、フラットケーブル被覆材を得た。
(比較例3〜7)
熱接着層の、基材フィルム側と導体側の3μmの各成分の割合が「表4〜5」に示すようする以外は、実施例1と同様にして、フラットケーブル被覆材を得た。
Figure 0004698980
Figure 0004698980
(評価)
上記の実施例、比較例のフラットケーブル被覆材10を、難燃性、導体接着力、及び耐ブロッキング性で評価した。
難燃性の評価は、フラットケーブル被覆材10を、UL規格VW−1に準じて測定し、合格を「○」、不合格の場合を「×」で表わし、表1〜5の下欄の「難燃性」欄に併記した。
導体接着性の評価は、まずフラットケーブル被覆材10の熱接着層面と、厚さが100μmのスズメッキ軟銅導体とを、温度170℃の加熱した型で、圧力29.4N/cm、3秒間ヒートシールした後に、JIS−K−7127に準拠して、25℃の環境下で、100mm/minの引張速度、剥離角度180度で測定して、剥離強度(ヒートシール強度)0.6N/幅0.8mm以上を合格を「○」、以下を不合格とし「×」で表わし、表1〜5の下欄の「導体接着性」欄に併記した。
耐ブロッキング性の評価は、フラットケーブル被覆材10を、50mm×50mmの大きさに切り取り、該切片を基材フィルム11と熱接着層15とが接触するように10枚重ねて、0.5N/cmの圧力をかけたまま、40℃で7日間保存した後に取り出して、JIS−K−7127に準拠して、25℃の環境下で、10mm/minの引張速度、剥離角度180度で測定して、剥離強度(ブロッキング強度)が0.1N/幅10mm以下、かつ基材フィルム11と熱接着層15との問で剥離のないものを合格を「○」、以上を不合格とし「×」で表わし、表1〜5の下欄の「耐ブロッキング性」欄に併記した。
表1〜5に示すように、実施例1〜12では、難燃性、導体接着性、及び耐ブロッキング性のすべてが合格であった。
比較例1、2では、導体接着性は合格であったが、難燃性、及び耐ブロッキング性が不合格であった。比較例3、5、6では、難燃性、及び耐ブロッキング性は合格であったが・導体接着性が不合格であった。比較例4では、耐ブロッキング性は合格であったが、難燃性、及び導体接着性が不合格であった。比較例7では、難燃性、及び導体接着性は合格であったが、耐ブロッキング性が不合格であった。
(実施例13〜25)
(フラットケーブルの実施例)
実施例1〜12のフラットケーブル被覆材を用いて、フラットケーブルを製造する。スズメッキ軟銅導体(厚さ50μm、幅0.8mm)を17本を平行に並べ、巾60cm、長さ100cmからなるそれぞれ2枚のフラットケーブル被覆材10の熱接着層が向かい合うようにして、150℃に加熱した金属ロールとゴムロールとの間を1m/minのスピードで通過させて加熱加圧して、フラットケーブルを製造した。該フラットケーブルは、実施例1〜12のフラットケーブル被覆材と同様の性能を有し、また、インクジェットプリンターの、印字ヘッドと制御部とを接続する配線ケーブルとして用いたところ、正常に機能した。
本発明のフラットケーブル被覆材は、導体とのヒートシール性、被覆材同志の自己接着性などの接着性、及び難燃性とが両立すると共に、製造上では耐ブロッキング性に優れる。また、本発明のフラットケーブルは耐熱性、難燃性、絶縁性、屈曲性、柔軟性などの相矛盾する要求物性を解消できる。
本発明のフラットケーブル被覆材の構成を示す模式的な断面図である。 本発明のフラットケーブルの構成を示す模式的な平面図である。 図2のAA断面図である。 本発明の熱接着層の厚さ方向の断面図である。 本発明の熱接着層の成分の傾斜分布を説明するグラフである。 本発明の熱接着層の個別成分の傾斜分布を説明するグラフである。
符号の説明
10 フラットケーブル被覆材
11 基材フィルム
13 プライマー層
15 熱接着層
15a フィラー成分
15b 熱可塑性樹脂
21 導体

Claims (4)

  1. 基材フィルムと、
    基材フィルムの一方の面に直接または他の層を介して積層した熱接着層とを備え、
    熱接着層はフィラー(P)成分と、熱可塑性樹脂(V)成分とからなり、
    熱接着層(P+V)中におけるフィラー(P)成分の質量割合P/(P+V)は、基材フィルム側から熱接着層表面側に向かって減少するように傾斜して分布し、
    フィラー(P)成分は、窒素系化合物、及びリン系化合物を含み、熱接着層中に於いて、該窒素系化合物の質量割合は基材フィルム側から熱接着層表面に向って増加し、且つ該リン系化合物の質量割合は基材フィルム側から熱接着層表面に向って減少するように傾斜して分布している
    ことを特徴とするフラットケーブル被覆材。
  2. 熱接着層(P+V)中におけるフィラー(P)成分の質量割合P/(P+V)は、90〜50質量%の範囲内で傾斜して分布していることを特徴とする請求項記載のフラットケーブル被覆材。
  3. フィラー(P)成分は、フィラー粒子からなることを特徴とする請求項1記載のフラットケーブル被覆材。
  4. 同一平面上に配置された複数の導体と、これら複数の導体を両側から被覆する一対のフラットケーブル被覆材とを備えたフラットケーブルにおいて、
    各フラットケーブル被覆材は、
    基材フィルムと、
    基材フィルムの一方の面に直接または他の層を介して積層した熱接着層とを備え、
    熱接着層はフィラー(P)成分と、熱可塑性樹脂(V)成分とからなり、
    熱接着層(P+V)中におけるフィラー(P)成分の質量割合P/(P+V)は、基材フィルム側から熱接着層表面側に向かって減少するように傾斜して分布し、
    フィラー(P)成分は、窒素系化合物、及びリン系化合物を含み、熱接着層中に於いて、該窒素系化合物の質量割合は基材フィルム側から熱接着層表面に向って増加し、且つ該リン系化合物の質量割合は基材フィルム側から熱接着層表面に向って減少するように傾斜して分布している
    ことを特徴とするフラットケーブル。
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