JPH09221642A - ノンハロゲン難燃性接着性フィルム及びそれを用いたフラットケーブル - Google Patents

ノンハロゲン難燃性接着性フィルム及びそれを用いたフラットケーブル

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JPH09221642A
JPH09221642A JP2913896A JP2913896A JPH09221642A JP H09221642 A JPH09221642 A JP H09221642A JP 2913896 A JP2913896 A JP 2913896A JP 2913896 A JP2913896 A JP 2913896A JP H09221642 A JPH09221642 A JP H09221642A
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flame
adhesive
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retardant
film
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Bunji Yamaguchi
文治 山口
Masaki Tono
正樹 戸野
Toshiyuki Doro
敏行 堂路
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気絶縁性が優れると共に、ハロゲン系難燃剤
を使用せずに優れた難燃性が付与されているので、燃焼
時にハロゲン化水素が発生しないノンハロゲン難燃性接
着性フィルム及びそれを用いたフラットケーブルを提供
する。 【解決手段】熱可塑性ポリエステル系樹脂からなるフィ
ルム基材上に接着剤層が形成された接着性フィルムであ
って、上記基材及び/又は粘着剤層がリン系難燃剤によ
り難燃化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノンハロゲン難燃
性接着性フィルム及びそれを用いたフラットケーブルに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電線の実装技術において、断
面が偏平な複数の配線パターンを有する導電体を、両側
から電気絶縁性樹脂でサンドイッチ状に被覆したフラッ
トケーブルが、配線作業の効率化のために広く用いられ
ている。このようなフラットケーブルは、例えば、特開
平5−282922号公報に開示されており、軽量で取
り付けが簡単であるため、特に自動車業界において、配
線作業の効率化や車体の軽量化のため、その採用が検討
されている。
【0003】近年、フラットケーブルの用途は多岐にわ
たっているが、特に、電気機器部材、自動車用途などに
使用する場合には、難燃性が要求されるようになってき
た。フラットケーブルの難燃化方法としては、例えば、
特開平5−303918号公報に開示されているよう
に、基材上に難燃剤を含有する接着剤層を形成した2枚
の接着フィルムの接着剤層側を対向させ、接着剤層間に
配線パターンを有する導電体を挟み込んで密封する方法
が開示されている。
【0004】しかしながら、この方法では、燃焼時にハ
ロゲン化水素が発生し、生産設備を腐食する恐れがある
ため、ハロゲン化水素を除去するための設備が別途必要
になるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気絶縁性
が優れると共に、ハロゲン系難燃剤を使用せずに優れた
難燃性が付与されているので、燃焼時にハロゲン化水素
が発生しないノンハロゲン難燃性接着性フィルム及びそ
れを用いたフラットケーブルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のノンハロゲン難
燃性接着性フィルムは、熱可塑性ポリエステル系樹脂か
らなるフィルム基材上に接着剤層が形成された接着性フ
ィルムであって、上記基材及び/又は接着剤層がリン系
難燃剤により難燃化されていることを特徴とするもので
ある。
【0007】本発明で用いられる基材は、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂のフィルムから形成される。上記熱可塑
性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシエタ
ン)−4,4'-ジカルボキシレート等の共重合体;ポリ
(エチレンイソフタレート−テレフタレート)、ポリ
(ブチレンテレフタレート−イソフタレート)、ポリ
(ブチレンテレフタレート−デカンジカルボキシレー
ト)等の共重合体が挙げられるが、これらの中で、特
に、加工性、耐熱性、寸法安定性が良好なポリブチレン
テレフタレート(以下PBTという)の使用が好まし
い。PBTは単独で使用されてもよく、ポリエステル系
エラストマーとの混合物で使用されてもよい。
【0008】上記PBTは、1,4−ブタンジオールと
テレフタル酸を主たるモノマー成分として重縮合により
得られる熱可塑性ポリエステル系樹脂である。上記PB
Tには、PBT本来の特性を損なわない範囲で、1,4
−ブタンジオール以外のジオール成分やテレフタル酸以
外のジカルボン酸成分がモノマー成分として含有されて
もよい。
【0009】上記1,4−ブタンジオール以外のジオー
ル成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール等が挙げられる。また、上記テレフタ
ル酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、
セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸等が
挙げられる。
【0010】また、上記PBTは、固有粘度(I.V.)が
低くなると、得られるフィルム基材が折り曲げ時に破断
し易くなるため、25℃のo−クロロフェノール中での
固有粘度が、少なくとも0.6以上であることが好まし
い。
【0011】上記ポリエステル系エラストマーとして
は、ポリエステル成分と、ポリエーテル、ポリシロキサ
ン成分等の柔軟成分との縮重合物が挙げられ、特にポリ
エステル樹脂で用いたものと同様なポリエステルとポリ
エーテルとの縮重合物であるポリエーテル−エステル系
エラストマーを用いるのが好ましい。
【0012】上記混合物におけるポリエステル系エラス
トマーの配合量は、少なくなると得られるフィルム基材
が強靱性に欠け、多くなると成形性に悪影響を与えてフ
ィルム層に乱れを生じるので、PBT100重量部に対
して、10〜300重量部が好ましい。
【0013】上記基材は難燃化されていてもよく、基材
を難燃化するために、上記熱可塑性ポリエステル系樹脂
にリン系難燃剤が配合される。上記リン系難燃剤として
は、一般式(1)で表されるリン化合物及び/又はポリ
リン酸アンモニウムが用いられる。
【0014】
【化1】
【0015】式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜16
の直鎖状もしくは分岐状アルキル基又は炭素数6〜16
のアリール基を、R2 は、水素原子、炭素数1〜16の
直鎖状もしくは分岐状アルキル基、アルコキシ基、炭素
数6〜16のアリール基又はアリーロキシ基を、R
3 は、水素原子、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐
状アルキル基又は炭素数6〜16のアリール基を、それ
ぞれ示す。
【0016】上記一般式(1)で表されるリン化合物と
しは、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジ
メチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン
酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチ
ルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3
−ジメチルブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フ
ェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、
ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メ
チルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジ
オクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチ
ルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビ
ス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げら
れ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用され
てもよい。
【0017】上記ポリリン酸アンモニウムとしては、一
般式(NH4 PO3)n で表されるものであって、易流動
性の粉末状、水に難溶性のものが好ましい。また、式
中、nは10〜1000のものが、ポリエステル樹脂へ
の分散性の点から好ましい。
【0018】上記リン系難燃剤の配合量は、少なくなる
と基材に十分な難燃性が付与できず、多くなると基材の
各種物性が低下するので、熱可塑性ポリエステル系樹脂
100重量部に対して5〜200重量部が好ましい。
【0019】上記リン系難燃剤には、難燃助剤や炭化促
進剤が添加されてもよい。上記難燃助剤としては、二酸
化ケイ素等の無機酸化物や炭酸カルシウム等の無機塩が
挙げられ、上記炭化促進剤としては、カーボンブラック
等が挙げられる。これらの難燃助剤や炭化促進剤は、単
独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0020】上記難燃助剤及び/又は炭化促進剤の配合
量は、少なくなると難燃性の向上効果が得られず、多く
なると基材の機械的特性が低下するので、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂100重量部に対して0.5〜20重量
部が好ましい。
【0021】また、上記熱可塑性ポリエステル系樹脂に
は、成形加工時の樹脂のやけを防止して成形体の外観を
良好にすると共に、酸化劣化を防止して機械的強度の低
下を防ぐために、酸化防止剤が添加されてもよい。
【0022】上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソ
ール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノー
ル、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'-メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2'-メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、4,4'-チオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス〔メチ
レン−3−(3',5'-ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕メタン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン等のフェノール系化合物;フェニル−β−
ナフチルアミン、N,N'-ジフェニル−p−フェニレン
ジアミン等のアミン系化合物;トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリオ
クタデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスフ
ァイト等のリン系化合物;ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリ
ルチオジプロピオネート等の硫黄系化合物などが挙げら
れ、これらは、単独で用いられてもよく、二種以上が併
用されてもよい。
【0023】上記酸化防止剤の配合量は、少なくなると
十分な効果が得られず、一定量以上多くなってもそれ以
上の効果が得られないので、熱可塑性ポリエステル系樹
脂100重量部に対して、2重量部以下が好ましく、よ
り好ましくは0.1〜1重量部である。
【0024】上記基材には、さらに必要に応じて、ガラ
ス繊維、無機充填剤の他、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
滑剤、離型剤、顔料等が添加されてもよい。
【0025】上記接着剤層で用いられる接着剤として
は、公知の接着剤が使用可能であり、例えば、不飽和カ
ルボン酸でグラフト重合した変成エチレン−酢酸ビニル
共重合体と未変成のエチレン−アクリル酸エチル共重合
体とからなる接着剤;ジカルボン酸成分とジオール成分
とトリアジン成分よりなるポリエステル共重合体とポリ
イソシアネート化合物とを主成分とする接着剤;飽和共
重合体ポリエステル樹脂とポリエチレン樹脂と有機アル
コキシシランの3成分からなる接着剤等が挙げられる。
【0026】上記接着剤層には、リン系難燃剤を添加し
て難燃化されていてもよい。上記リン系難燃剤として
は、上記基材の難燃化に用いられるものと同様な、リン
化合物及び/又はポリリン酸アンモニウムが用いられ
る。上記リン系難燃剤の配合量は、少なくなると基材に
十分な難燃性が付与できず、多くなると基材の各種物
性、特に接着性が低下するので、接着剤中の樹脂分10
0重量部に対して5〜200重量部が好ましい。
【0027】このリン系難燃剤には、必要に応じて、上
記基材に用いられるものと同様な難燃助剤や炭化促進剤
が添加されてもよい。
【0028】上記難燃助剤及び炭化促進剤の配合量は、
少なくなると難燃性の向上効果が得られず、多くなると
基材の機械的特性が低下するので、接着剤中の樹脂分1
00重量部に対して0.5〜20重量部が好ましい。
【0029】本発明の難燃性接着性フィルムとしては、
単層基材の片面又は両面に接着剤層が形成されたもの;
多層に積層されたフィルム積層体を基材とし、その片面
又は両面に接着剤層が形成されたものの、いずれから形
成されていてもよい。上記フィルム積層体としては、接
着剤層を有する基材を交互に多層に積層したものや共押
出しによって多層に積層したもの等が挙げられる。
【0030】上記接着剤層は、従来公知の種々の方法に
よって形成することができ、例えば、押出機等により基
材となるフィルムを押出し成形した後、得られた基材上
に接着剤、難燃剤等を含む接着剤組成物をバーコーター
等で塗工する方法が挙げられる。
【0031】上記接着剤層の厚みは、特に限定されない
が、厚くなると十分な難燃性が付与できず、薄くなると
接着強度が不足するので、基材層と接着剤層の厚み比
は、0.01〜100が好ましい。
【0032】上記基材と接着剤層との間には、接着性を
向上させるために、プライマー層を介在させてもよい。
このプライマー層に使用されるプライマーとしては、例
えば、クロロプレンゴム・メチルメタクリレートのグラ
フト共重合物;塩素化ポリプロピレン;環化ゴム溶液;
イソシアネート系、ポリエステル系、ウレタン系のポリ
マーなどが挙げられる。
【0033】本発明のフラットケーブルは、上記で得ら
れた難燃性接着性フィルムの接着剤層同士を対向させ、
この両方の接着剤層の間に、配線パターンを形成した導
電体を挟み込んで熱融着によって積層することにより得
られる。
【0034】本発明のフラットケーブルは、上記配線パ
ターンを形成した導電体を挟み込んで熱融着した複数の
フラットケーブルを積層することにより、配線パターン
を形成した導電体が立体的に組み込まれた多層構造とし
て使用してもよく、上記フラットケーブルの表面に、ア
ルミ箔を積層して電磁波シールド性を付与してもよい。
このために、フラットケーブルの基材として、両面に接
着剤層を設けたものを使用してもよく、接着剤を使用し
てフラットケーブルの表面同士を積層したり、表面にア
ルミ箔を積層してもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0036】〔基材(A−1)の作製〕25℃のo−ク
ロロフェノール中で測定された固有粘度が1.0である
ポリブチレンテレフタレート(PBT)100重量部に
対して、酸化防止剤(チバガイギー社製「IRGANO
X B−225」)0.1重量部を溶融混練して基材用
樹脂組成物を得た後、該樹脂組成物を押出し成形して、
厚み100μmのフィルム基材(A−1)を作製した。
【0037】〔接着剤(B−1)の製造〕酢酸ビニル含
有量29重量%、MI(メルトインデックス)=15の
エチレン−酢酸ビニル共重合体と該共重合体をアクリル
変成した変成エチレン−酢酸ビニル共重合体とを混合し
て製造した。なお、未変成のエチレン−酢酸ビニル共重
合体の含有量が60重量%のもの。
【0038】〔接着剤(B−2)の製造〕テレフタル酸
とイソフタル酸の等量混合物4mol、エチレングリコ
ール2mol、ネオペンチルグリコール3.5mol及
び1,4−シクロヘキサンジメタノール0.7molを
反応させて得られるポリエステル共重合体(平均分子量
35,000)100重量部に、キサメチレンジイソシ
アネートを5重量部配合して製造した。
【0039】〔接着剤(B−3)の製造〕ジメチルテレ
フタル酸45molと1,4−ブタンジオール100m
olとを反応させて得られる飽和ポリエステル(MI=
60、平均分子量100,000)100重量部に、低
密度ポリエチレン(MI=9.5)及びγ−グリドキシ
プロピルトリメトキシシラン2重量部を加熱混合して製
造した。
【0040】〔接着剤(B−4)の製造〕上記接着剤
(B−1)100重量部に対して、パークロロペンタシ
クロデカン(難燃剤)20重量部及び三酸化アンチモン
15重量部を分散混合して製造した。
【0041】(実施例1〜8、比較例1、2)上記(B
−1)〜(B−3)から選ばれたいずれか1種の接着剤
100重量部に対して、表1及び2に示す配合量の酸化
防止剤、難燃剤、難燃助剤及び炭化促進剤を混練して得
られた接着剤組成物を、100μm厚の基材(A−1)
上にバーコーターで塗布して、50μm厚の接着剤層を
有する難燃性接着性フィルムを作製した。
【0042】次いで、上記難燃性接着性フィルム2枚の
接着剤層同士を対向させ、この両方の接着剤層の間に、
配線パターンを形成した導電体を挟み込んだ後、ラミネ
ートロールを使用して熱融着により積層し、接着剤層間
に導電体の挟み込まれたフラットケーブルを作製した。
尚、使用した導電体とラミネート条件は下記の通りであ
る。導電体:厚さ0.12mm、幅3mmの銅箔を1m
m間隔で設置した。 ラミネート条件:温度170℃、圧力6kg/cm2
速度0.5m/min
【0043】上記実施例及び比較例で得られた、難燃性
接着性フィルム及びフラットケーブルにつき下記の性能
評価を行い、その結果を表1及び2に示した。 (1)燃焼性試験 幅60mm、長さ150mmの多層フィルムを試料と
し、この試料をU字型保持具に取り付け、水平に据え付
けて着火させたとき、10秒以内に自己消火したものを
◎、20秒以内に自己消火したものを○、20秒以内に
自己消火しなかったものを×、と判定した。
【0044】(2)燃焼ガス試験 JIS K7217に準拠して燃焼ガス分析を行い、ハ
ロゲン化水素の発生が検知されなかったものを○、検知
されたものを×と、表示した。
【0045】(3)電気特性(電気抵抗、耐電圧)試験 フラットケーブルを、100mmより少し長くなるよう
に切り出した後、両端の導電体部分を露出させて、未露
出部分の長さが100mmの試料を作製した。この試料
につき、互いに反対側に位置する導電体部分に電圧を印
加して、隣り合う導電体間の電気抵抗を測定した。ま
た、同様の方法で、1kV×1minの耐電圧試験を行
った。上記試験において、導電体間の電気抵抗103
Ω以上で、かつ耐電圧試験後導電不良のないものを○、
そうでないものを×と、表示した。
【0046】(4)耐折り畳み性試験 フラットケーブルを、180度に完全に折り曲げた状態
で、100℃で120時間加熱した後、導電不良のない
ものを○、導電不良の起こったものを×と、表示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】(実施例9〜16、比較例3〜5)表3及び
4に示す配合量のPBT、酸化防止剤、難燃剤、難燃助
剤及び炭化促進剤を混練して得られた基材樹脂組成物を
押出し成形して、厚み100μmのフィルム基材を得
た。さらに、この基材上にバーコーターにより、上記
(B−1)〜(B−4)から選ばれたいずれか1種の接
着剤を塗布して、50μm厚の接着剤層を有する難燃性
接着性フィルムを作製した。次いで、上記難燃性接着性
フィルムを使用して、実施例1と同様な方法により、フ
ラットケーブルを作製した。
【0050】上記実施例9〜16及び比較例3〜5で得ら
れた、難燃性接着性フィルム及びフラットケーブルにつ
き、実施例1と同様にして(1)〜(3)の性能評価を
行うと共に、さらに、下記(4)の接着強度試験を行
い、その結果を表3及び4に示した。 (4)接着強度試験 上記難燃性多層フィルム2枚の接着剤層同志を接着した
ものにつき、JISZ−1526に準拠して、15mm
幅の試料を引張り速度200mm/分、90℃で、T型
剥離試験によりヒートシール接着強度を測定し、ヒート
シール接着強度1〜2.5kg/15mmのものを○、
表示した。ヒートシール接着強度1kg/15mm以上
であれば、フラットケーブルとして十分な接着強度を有
する。尚、ヒートシール条件は、下記の通りである。 圧力:2kg/cm2 、温度:170℃、時間:1秒
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明の難燃性多層フィルムは、上述の
構成とすることにより、良好な接着性、電気特性と共に
優れた難燃性が付与されているので、それを用いたフラ
ットケーブルは、電線被覆材料、コネクター材料等の電
気機器材料、自動車部材、住宅部材など幅広い用途に好
適に使用される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル系樹脂からなるフ
    ィルム基材上に接着剤層が形成された接着性フィルムで
    あって、上記基材及び/又は粘着剤層がリン系難燃剤に
    より難燃化されていることを特徴とするノンハロゲン難
    燃性接着性フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の基材が、ポリブチレンテ
    レフタレート単独又はポリブチレンテレフタレートとポ
    リエステル系エラストマーとの混合物より形成されてい
    ることを特徴とするノンハロゲン難燃性接着性フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のノンハロゲ
    ン難燃性接着性フィルムの接着剤層同士が対向するよう
    に熱融着され、両方の接着剤層間に配線パターンを形成
    した導電体が挟み込まれていることを特徴とするフラッ
    トケーブル。
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